JP2698137B2 - 複写機のレンズホーミング制御方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は移動部材の位置合わせのための制御方法に係
り、特に、原稿と光学系を相対移動させて原稿走査する
と共に可変倍率コピー機能を備えた複写機のレンズホー
ミング制御方法に関する。

〔従来の技術〕

最近の複写機の付加機能の１つとして、原稿の画像の
サイズとは異なる画像サイズとした拡大あるいは縮小コ
ピーを得る可変倍率機能がある。

コピー倍率を可変とする手段としては、原稿の走査信
号を処理するもの、原稿を走査する光学系の倍率を変え
るもの等がある。

アナログ形式の複写機では、一般に光学系の位置すな
わちレンズの位置を変えて倍率を変更する構成としてい
る。

なお、この種の複写装置は周知であるので、特に文献
は挙げない。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記従来の技術においては、等倍コピーのレンズ位置
（ホーミング位置）を検知するセンサーを備え、このセ
ンサーによるレンズ位置の検知位置を基準として拡大コ
ピーまたは縮小コピーのためのレンズ位置を設定してい
る。

変倍のためのレンズの移動は、通常、モータ駆動され
るプーリ，ワイヤ等の機械的手段により行われており、
上記センサがレンズの等倍コピー位置を検知しても、上
記機械的手段の機構上のあそび，がた，ワイヤの伸び，
慣性、あるいは信号処理を行うCPUの処理時間などによ
って、応答時間に遅れを生じて該レンズが行き過ぎてし
まい、実際のレンズ停止位置にずれがおこる。

拡大コピーや縮小コピーのレンズ位置は、該レンズの
等倍コピー位置を基準として、この基準位置からの所定
変倍コピー位置までの距離を、たとえばレンズ移動手段
のパルスモータへの駆動パルス数として設定してレンズ
を移動させるのが普通である。

このため、基準位置となるレンズの等倍コピー位置の
位置精度すなわちレンズホーミング位置を正確に出すこ
とができないと、所望の拡大コピー位置，縮小コピー位
置にレンズを正しく位置させることが困難であるという
問題がある。

本発明の目的は、上記従来技術における問題点を解消
し、レンズを等倍コピー位置すなわち基準の位置（ホー
ミング位置）に正確に位置させることができるようにし
た複写機のレンズホーミング制御方法を提供することに
ある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的は、レンズがその拡大コピーまたは縮小コピ
ー位置から変倍の基準となる等倍コピー位置すなわちレ
ンズホーミング位置方向に通常速度で移動するとき、上
記等倍コピー位置にレンズがきたことを検知するセンサ
ーが該レンズを検知した後、該レンズを逆方向に若干移
動させ、次に、再び上記通常速度での移動方向と同じ方
向に上記通常速度よりも遅い低速度で移動させて、上記
センサーが再度レンズを検知した時、また通常速度で上
記レンズを等倍コピー位置に移動させ、ホーミング位置
まで移動させるように制御することにより、達成され
る。

〔作用〕

レンズの等倍コピー位置に対応するホームセンサーの
位置を、レンズを低速度移動させることで高精度で検知
して拡大コピーまたは縮小コピー位置へのレンズ移動基
準を精度よく確定できるので、等倍コピー位置，変倍コ
ピー位置を正確に設定することが可能となる。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。

第１図は複写機のレンズ移動機構の要部説明図であつ
て、１はレンズキヤリツジ、10はレンズ、２はフオトカ
ップラ等からなるレンズホームセンサー、３はレンズキ
ヤリツジ１と共に移動する遮光板、４はレンズ駆動モー
タ、5,50はプーリ、６はガイドロツド、７はレンズ駆動
モータとプーリとを駆動結合するギヤ、８はレンズキヤ
リツジに結合したワイヤーである。

同図において、レンズキヤリツジ１はレンズ10を保持
して拡大コピー位置から等倍コピー位置を越えて縮小コ
ピー位置の間で移動し、所望の倍率でのコピーを得るた
めの設定位置で停止するように制御される。

この移動は、レンズ駆動モータ４（一般に、パルスモ
ータが用いられる）からギヤ7,プーリ５と50間に張られ
たワイヤー８からなるレンズキヤリツジ移動機構を介
し、ガイドロツド６に案内されて行われる。

複写機の本体側には、等倍コピー位置に対応したレン
ズ位置（レンズキヤリツジ１の位置）を検知するための
レンズホームセンサー２が設けられており、レンズキヤ
リツジ１に固定されて該レンズキヤリツジ１と共に移動
する遮光板３が、等倍コピー位置で上記レンズホームセ
ンサー２の光結合を遮断するように設置されている。

このような構成において、レンズキヤリツジ１が拡大
コピーあるいは縮小コピー位置から等倍コピー位置に移
動する時、上記遮光板３がレンズホームセンサー２に達
すると、レンズキヤリツジ移動機構の駆動を停止させる
ことで、レンズキヤリツジ１を等倍コピー位置に位置づ
けするものである。

第２図は本発明における制御手段の概略を説明するブ
ロツク図であつて、20はCPU、21はROM、22はRAM、23,24
はI/Oポート、25は操作部、251は操作入力部、252は操
作表示部、なお、２はレンズホームセンサー、４はレン
ズ駆動モータで第１図の同一符号で示したものと同一で
ある。

同図において、CPU20は、操作部25からの倍率指定操
作入力とレンズホームセンサー２の検知信号状態とに基
づいて、レンズ駆動モータ４を制御し、指定された倍率
の位置にレンズキヤリツジ１（第１図）を設定する。

操作表示部252は、操作入力部251から入力された倍率
設定値や動作状態の表示を行うものである。

第３図は本発明によるレンズホーミング制御の一例の
説明図であつて、ａはレンズホームセンサー２の検知信
号、Ｓはレンズホームセンサー２の設定位置、Ｈはレン
ズの等倍コピー位置、イ〜ほは変倍のためのレンズキヤ
リツジ１の移動経路を概念として示したものである。

同図においては、等倍コピー位置Ｈとレンズホームセ
ンサー２の設置位置Ｓは、レンズ駆動モータの駆動パル
スで14パルス分としているが、本発明はこれに限るもの
ではない。

レンズホームセンサー２は、レンズキヤリツジ１の遮
光板３によりその受光が遮断された時、ａに示したよう
に、ハイレベル“H"となり、受光状態の時はローレベル
“L"の出力状態を示すものとする。

以下、レンズキヤリツジ１の種々のホーミング移動態
様について動作を説明する。

まず、レンズホームセンサー１が拡大コピー位置から
等倍コピー位置に移動する場合は（イ）、操作部25の操
作入力部251からの指定により、CPU20はレンズ駆動モー
タ４を通常の回転速度で駆動させ、レンズキヤリツジ１
を図の右方向に通常速度で移動させる。

レンズキヤリツジ１に設置されている遮光板３がセン
サー２に達すると、該センサー２は検出出力である“H"
レベルを出力する。

これに伴つて、レンズキヤリツジ１の駆動が停止され
る。実際には前記したような信号処理の遅れ，駆動機構
の慣性，駆動機構の遊び等により、レンズキヤリツジ１
はセンサーの検知時点よりも僅かに行きすぎる。

レンズキヤリツジ１は、センサー２の検出信号により
逆方向に所定パルス分だけ戻され、その後再びセンサー
方向に、今度は上記通常速度よりも遅い低速度SLでセン
サー方向に移動される。

これにより、レンズキヤリツジ１がまたセンサー２で
検知される時はその位置が正確に決定される。

そして、上記低速度での検知がなされると、この時点
から通常速度で等倍コピー位置方向（図の左方向）に移
動される。

このときの駆動パルスは、前記のようにたとえば、セ
ンサー２がレンズキヤリツジ１を検出しなくなつたとこ
ろから14パルスをモータ４に与え、さらにレンズキヤリ
ツジ１の前記理由による行き過ぎ分として設定されてい
る５パルス分だけ戻して正確な等倍コピー位置すなわち
ホーム位置Ｈに停止されることになる。

次に、縮小コピー位置側から等倍コピー位置にレンズ
キヤリツジ１を移動させる場合（ロ）は、上記と同様
に、最初は通常の速度でセンサー２が検知するまで移動
させ、該センサー２がレンズキヤリツジ１を最初に検知
した時点で、レンズキヤリツジ１を逆方向に低速度SLで
移動させ、再度センサー２が該レンズキヤリツジ１を検
知すると、また方向逆に今度は通常速度で等倍コピー位
置に移動させる。

拡大コピー領域内での移動（ハ）および縮小コピー領
域内での移動（ニ）の場合は、レンズキヤリツジ１は等
倍コピー位置（基準位置）から位置設定されているの
で、操作入力部251からの倍率設定値に対して現在のレ
ンズキヤリツジ１の位置に対応する値を演算し、この演
算結果のパルス数でモータ４を駆動することによつて所
望の倍率位置に移動させる。

なお、拡大コピー領域内，または縮小コピー領域内で
の移動において、レンズキヤリツジ１がその慣性，ある
いは前記したような駆動機構の遊び，がた等により設定
位置から行き過ぎるような場合（それまでの移動方向と
は逆の方向にレンズキヤリツジを移動させるような場
合）は、上記等倍コピー位置での位置調整と同様の，た
とえば５パルス分の戻し操作で所定の倍率位置に設定す
ることも行われる。

また、上記したセンサー位置と等倍コピー位置との間
の距離に対応する駆動パルス数、レンズキヤリツジの行
き過ぎを調整するための駆動パルス数を変更できるよう
にして、レンズキヤリツジの位置を調整できるようにす
ることもできる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によれば、レンズキヤリ
ツジを所定の拡大または縮小コピー位置に移動設定させ
るための基準となる等倍コピー位置への上記レンズキヤ
リツジ位置を精度よくホーミングさせることができるの
で、指定した倍率の位置にレンズを正しく位置づけし、
フオーカスずれのないコピーを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は複写機のレンズ移動機構の要部説明図、第２図
は本発明における制御手段の概略を説明するブロツク
図、第３図は本発明によるレンズホーミング制御の一例
の説明図である。 １……レンズキヤリツジ、10……レンズ、２……ホーム
センサー、３……遮光板、４……レンズ駆動モータ、5,
50……プーリ、６……ガイドロツド、７……ギヤ、８…
…ワイヤー。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】原稿に対して該原稿を走査するためのレン
   ズの位置を変えることによつて該原稿の画像サイズとは
   異なる倍率の画像サイズのコピーを得る機能を有する複
   写機のレンズホーミング制御方法において、前記レンズ
   を等倍コピー位置を挟んで拡大コピー領域と縮小コピー
   領域の間に移動させるレンズ移動手段と、前記レンズの
   ホーム位置を検知するホームセンサーと、このホームセ
   ンサーの検知信号で前記レンズを上記ホーム位置に位置
   づけするための制御手段とを少なくとも備え、前記レン
   ズを拡大コピー領域もしくは縮小コピー領域から等倍コ
   ピー位置に位置づける場合に、上記ホームセンサーが通
   常速度で上記ホームセンサーの方向に向かう最初の方向
   で移動してきたことを検知した第１検知信号で上記レン
   ズ移動手段を所定距離だけ上記最初の方向とは逆の方向
   に移動させ、この所定距離に達した時点で再度上記最初
   の方向に上記最初の方向での速度より遅い低速度で移動
   させ、この低速度での前記レンズを上記ホームセンサー
   が検知した第２検知信号で上記等倍コピー位置に前記レ
   ンズを上記通常速度で移動させることにより位置づけす
   るように制御することを特徴とする複写機のレンズホー
   ミング制御方法。