JP2697648B2 - 判定帰還形等化器 - Google Patents

判定帰還形等化器

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JP2697648B2
JP2697648B2 JP6322641A JP32264194A JP2697648B2 JP 2697648 B2 JP2697648 B2 JP 2697648B2 JP 6322641 A JP6322641 A JP 6322641A JP 32264194 A JP32264194 A JP 32264194A JP 2697648 B2 JP2697648 B2 JP 2697648B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は判定帰還形等化器(DF
E)に関わり、特に、マルチパスフェージング回線にお
いて遅延分散が時間変動し、判定帰還形等化器の等化範
囲を越えるような場合でも、本発明は遅延分散プロファ
イルを推定し、これに対応して後方フィルタの等化範囲
を可変とする手段により、常に判定帰還等化の効果が得
られる判定帰還等化器を提供する。
【0002】
【従来の技術】地上マイクロ波通信、陸上移動通信、構
内無線、および衛星移動体通信などにおいてデジタル無
線伝送を行う際、マルチパスフェージングによる波形歪
および種々の干渉妨害波が問題となる。この問題を解決
する一手段として、前方フィルタ及び後方フィルタを備
えた判定帰還形等化器(DFE)などの適応フィルタが
用いられている。しかしながら遅延時間の長いマルチパ
スが発生し、マルチパスの遅延分散時間幅が等化器タッ
プ長範囲(等化範囲)を越えた場合、適応フィルタによ
る等化は全く不可能となってしまう。特にデジタル伝送
速度が高速になるに従い、変調速度fSで正規化した遅
延プロファイルは拡張されるため、この問題は深刻とな
る。
【0003】そこで、このような環境に対しは、アダプ
ティブアレイアンテナによるアンテナパターンのビーム
フォーミングを適応的に行い、不要なマルチパス到来方
向にパターン・ナルを形成することにより、マルチパス
を抑圧する方式が提案されている。これに関する文献と
しては、“An AdaptiveAntenna S
ystem for High Speed Digi
tal Mobile Communication
s,”Y.Ogawa etlal,IEICE TR
ANS.COMMUN.,VOL.E75−B.No.
5 MAY 1992などがあげられる。
【0004】無線通信以外に、海中のソナーにおいても
同様のマルチパスの問題がある。特に、海中において
は、非常に遅延時間の大きなマルチパスの存在が特徴的
であり、アダプティブアレイ・ソナーが効果的であるこ
とが報告されている。例えば、“Digital Si
gnal Processing for Sona
r,“W.C.Knight,et al,Proce
edings of IEEE,VOL.69,NO.
11,November 1981 pp1451〜1
507に説明されている。
【0005】このように、適応フィルタによる等化技術
以外にアダプティブアレイを利用することで従来の適応
フィルタの欠点を改善しようとする動向がある。また、
適応フィルタの長所とアダプティブアレイの長所を補完
しながら、常に良好な適応等化を行う方式が特開平6−
204902号公報に記載されている。これは従来の判
定帰還形等化器の前方フィルタ部分をアダプティブアレ
イに置き換えた方式である。図7に前記公報に記載され
ている発明の一実施例を示す。
【0006】図7において、701は無線周波数の半波
長(λ/2)間隔に配置されたN素子アンテナ、702
乗算器、706〜708は後方フィルタ、705は判定
器、703は合成器、704は減算器である。
【0007】N素子のアンテナ701、N個の乗算器7
02と合成器703から構成されるアダプティブアンテ
ナは減算器704からの判定誤差信号εを用いて適応信
号処理を行う。具体的にはεの自乗平均誤差(MSE:
mean square error)を最小とするL
MS(least mean square algr
orithm)アルゴリズム(MMSE:minimu
m mean square errer制御)などに
より乗算器702に乗じるべき重み係数を逐次修正を行
う。一方、判定器705出力の判定データは後方フィル
タに入力される。ここで後方フィルタはM個の遅延素子
706、M個の乗算器707と合成器708で構成され
ている。該後方フィルタも判定誤差信号εを用いて前記
と同様にMMSE制御によりタップ係数の逐次修正が行
われる。すなわち、図7に示す判定帰還形等化器はアダ
プティブアンテナと判定帰還形等化の両方の機能を同時
に兼ね備えたものとなっている。しかも該両機能は判定
誤差信号εにより共通制御される為、アダプティブアン
テナ機能と適応等化機能がそれぞれ独立に動作するので
はなく、お互いが補完するように、トータルの機能とし
て最良となるよう動作する。
【0008】例えば、マルチパス波の遅延時間が余り長
くなく適応フィルタ等化範囲内であれば、アンテナパタ
ーンナル形成ではなく、適応フィルタリングにより符号
間干渉の除去を行う。他方遅延時間が長いマルチパスで
適応フィルタ等化範囲を越えた場合には、アダプティブ
アレイによるナリングにより不要波の抑圧を行う。すな
わち、アダプティブアンテナまたは適応フィルタのいず
れか単体使用した場合に比べ、前記特開平6−2049
02号公報に記載された判定帰還形等化器はより効果的
な適応等化を行う。
【0009】しかしながら図7に示す従来技術において
も、マルチパスの遅延時間が常に後方フィルタのタップ
時間長を越えるような環境に対しては、アダプティブア
レイそのものの動作を行い、後方フィルタによる判定帰
還等化の効果を発揮できない。このような問題に対し
て、非常に遅延時間の長いマルチパス歪みを除去する為
には、後方フィルタのタップ数を増大せざるを得ない。
しかし、タップ数の増設は装置規模の実現性、経済性及
び特性などの観点より問題がある。従って、伝送速度の
高速化するに従い、遅延分散プロファイルが拡散した回
線においては、図7に示す従来技術も余り効果を発揮で
きない。
【0010】上述した従来技術では、進み波によるマル
チパス歪みはアダプティブアレイにより除去させ、判定
帰還フィルタにより遅れマルチパス歪みを除去してい
る。しかしながら、遅れ波によるマルチパス遅延時間が
後方フィルタのフィルタタップ時間長を越える場合に
は、判定帰還等化ではなく、アダプティブアレイアンテ
ナによる除去動作に移行する。この場合、アダプティブ
アレイは進み波および遅れ波による複数のマルチパス歪
みを除去する必要がある。すなわち、除去すべきマルチ
パス波の数が、アンテナ素子数Nにより決まる自由度
(N−1)を越えた場合、もはやアダプティブアレイで
すらアンテナパターン・ナルによる除去が不可能とな
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の各種
の問題を解決しうるものであり、遅延分散が非常に大き
くなるようなマルチパス環境に対しても、マルチパス歪
みの除去及び干渉妨害の除去を可能とする適応等化器を
提供するものである。
【0012】即ち、本発明の目的は、後方フィルタのタ
ップ数を増大することなく、遅延時間の非常に長いマル
チパス歪みを除去できる判定帰還形等化器を提供するこ
とにある。
【0013】また、本発明の他の目的は、後方フィルタ
のタップ数を増大することなく、遅延時間の短いマルチ
パス歪みに加えて、遅延時間の非常に長いマルチパス歪
みを除去できる判定帰還形等化器を提供することにあ
る。
【0014】そして、本発明の他の目的は、後方フィル
タのタップ数を最小限に押さえ、タップ数に応じ増加す
る不要な内部雑音の発生を抑制して、良好な雑音特性等
を維持しつつ長い遅延分散に確実に対応できる判定帰還
形等化器を提供することにある。
【0015】更に、本発明の他の目的は、入力部に前方
フィルタ又はアダプティブアレイを設けた判定帰還形等
化器を構成して、進み波によるマルチパス歪みを前記前
方フィルタ又はアダプティブアレイにより除去し、後れ
波のマルチパス歪みを後方フィルタにより確実に除去で
きる適応等化器を提供することにある。特に、入力部に
アダプティブアレイを設けた判定帰還形等化器におい
て、遅延時間の長いマルチパス歪みをも後方フィルタに
より除去させ、アダプティブアレイには所望信号の追尾
及び不要干渉妨害の除去等にその機能を充分に発揮させ
ることができる適応等化器を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、トランスバーサルフィルタにより構成された
後方フィルタを備えた判定帰還形等化器であって、判定
帰還形等化器の入力分岐信号に対し異なる遅延を与える
複数の第一の遅延手段と、前記第一の遅延手段の入力信
号と各遅延出力との相関演算を行う相関手段と、判定帰
還形等化器の出力分岐信号に対し異なる遅延を与える複
数の第二の遅延手段と、前記相関手段からの各相関値よ
り遅延分散を求め該遅延分散に近い遅延を与える前記第
二の遅延手段を選択しその遅延信号を前記後方フィルタ
に印加する選択制御手段とを具備することを特徴として
いる。また、遅延時間の短いマルチパス歪みをも除去す
ることを可能とするため、前記第二の遅延手段は前記後
方フィルタの第Nタップ出力の分岐信号に対して異なる
遅延を与える複数の遅延手段とし、前記相関手段からの
各相関値より遅延分散を求め該遅延分散に近い遅延を与
える前記第二の遅延手段を選択しその遅延出力を前記後
方フィルタの第N+1タップに印加する選択制御手段と
を具備することを特徴としている。更に、進み波による
マルチパス歪みをも除去するために、前記判定帰還形等
化器の入力部に前方フィルタ、又はアダプティブアレイ
を具備することを特徴としている。
【0017】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。図1は本発明の一実施例である。図2、図3および
図4は図1の実施例を説明する為の説明図である。
【0018】図1において、101はN素子アンテナ、
102はN個の複素乗算器、103は合成器、104は
減算器、105は判定器、106は遅延時間がT(変調
シンボル周期)のM個の遅延素子、107はM個の複素
乗算器、108は合成器、109は減算器、110は遅
延時間がτ1の遅延素子、111は遅延時間がτ2の遅
延素子、112、113、114は複素乗算器、115
は合成器、116は制御回路、117、118、119
は相関器、120は遅延時間がTの遅延素子、121は
遅延時間がτ1の遅延素子、122は遅延時間がτ2−
τ1の遅延素子、123は重み係数修正回路、124は
タップ係数修正回路である。ここで図1の破線で囲んだ
部分1は、本発明の特徴部分である。
【0019】図1において、各アンテナ素子の受信信号
をx1 ,x2 ,…xN とし、乗算器102の複素タップ
係数をそれぞれ、c1 ,c2 ,…cN とする。また送信
側において変調シンボルを系列{…a-1,a0 ,a
+1…}の順で送信する。
【0020】図1の波線部1内において、第1のアンテ
ナ素子での受信信号x1と遅延素子120の出力は相関
器117により相関演算が行われる。通常のマルチパス
歪み回線ではTおくれ波が存在する為、相関器117に
は相関結果が出力される。もし、T遅れのマルチパスが
存在しない場合には、相関器117の相関出力はゼロと
なる。同様に相関器118と相関器119も受信信号x
1と自己相関係数の演算を行っているが、遅延線等の遅
延素子121および122の存在により、相関器118
は遅延時間τ1のマルチパスの存在を、相関器119は
遅延時間τ2のマルチパスの存在を検出する役目を行
う。(ここで、τ1>M×T、τ2>τ1と仮定す
る。)すなわち、マルチパスの遅延分散がτ1以下の場
合には、通常相関器117の相関結果g0は出力される
が、τ1およびτ2遅れの相関値g1およびg2は出力
されない。制御回路116は入力された各相関値を時間
平均し、該平均値の分布と該当するタップ付き遅延素子
量から遅延分散を求め、該遅延分散に近い遅延量を有す
る遅延素子を選択する。
【0021】上記の場合、制御回路116はg0に対応
して単位出力電圧W0を出力し、乗算器112に重み係
数として供給される。一方、g1、g2に対応する重み
係数W1、W2としてそれぞれゼロ電圧が乗算器113
および114に供給される。乗算器112には判定帰還
形等化器の判定器105出力の判定データ信号が入力さ
れており、これはそのまま単位電圧W0=1を乗じられ
て合成器115を経由して後方フィルタの遅延素子10
6に通される。この場合には、図1の破線部1は単なる
通過経路として機能し、図1全体は図7に示す従来技術
の動作を行う。相関器117〜119から複数の相関出
力が生ずる場合は、制御回路116は振幅,遅延時間等
の比較によりいずれかを採択して処理する機能を有す
る。例えば、比較器を備え振幅の大きい相関出力を選
び、これに基づき重み係数W0 ,W1,W2 を出力する
などである。
【0022】最初に、破線部1が単なる通過経路として
機能した場合の動作を詳細に説明する。判定データ出力
がΛ0 の時、後方フィルタ各タップには、これより過去
の判定データがΛ-1,Λ-2,…Λ-Mの順で分布する。ま
た後方フィルタの各タップ係数をそれぞれd1 ,d2
…dM とする。
【0023】またN素子アンテナ受信信号ベクトルおよ
び適応アレイと後方フィルタのタップ係数ベクトルをそ
れぞれ下記のように定義する。 XT =[x1 ,x2 ,…xN ] (1) CT =[c1 ,c2 ,…cN ] (2) dT =[d1 ,d2 ,…dM ] (3) ここで、Tは転置(transpose)を意味する。
この時減算器104の出力yは y=CT ・X+dT ・a (4) となる。ここでaは判定出力よりも過去に送信されたシ
ンボルの判定結果であり、シンボル誤り率が低い場合に
は、送信シンボルそのもので近似できる。すなわち aT =[a-1,a-2,…a-M] (5) である。判定器誤差信号εは上記(4)式のyと判定デ
ータΛ0 との差があるが、判定データをa0 で近似し、
次式のように示される。 ε=y−a0 (6) この判定器誤差信号εの自乗平均値を最小とするタップ
係数ベクトル解Cおよびdは正規方程式(ウィーナー・
ホップ方程式)より求められる。正規方程式は直交原理
より簡単に求められる。すなわち E[ε・x * ]=0 (i=1,2,…,N) (7) E[ε・aj * ]=0 (j=−1,−2,…,−M) (8) より線形一次のタップ係数を未知数とする正規方程式が
得られる。上式において、Eは期待値操作すなわち時間
平均を取ることを意味する。ここでは先ずマルチパス歪
に対する効果を評価する為、遅延分散特性を有する伝搬
モデルを扱う。伝送系のインパルス応答のシンボル間隔
離散値をh1 とし、i=0を現在の基準タイミングに設
定する。iが負の値となる離散値h1 はインパルス応答
の前縁(Precursor)を、iが正の値となる離
散値はインパルス応答の後縁(Postcursor)
を示すものとする。この場合受信信号は送信シンボル系
列{ai }と離散値h1 との畳込みとなる。この時、主
波成分はh0 0 となり、i番目のインパルス応答離散
値によるマルチパス波成分はhi 0-i となる。
【0024】図3は、このようなマルチパス回線におい
てN素子アレイ・アンテナに受信される信号を示した説
明図である。
【0025】図3において、301はN素子アンテナ、
302はN個の乗算器、303は合成器、304は第1
のアンテナ素子へ入射する主波、305は第2のアンテ
ナ素子に入射する主波、306は第Nのアンテナ素子に
入射する主波、307は第1のアンテナ素子に入射する
マルチパス波、308は第2のアンテナ素子に入射する
マルチパス波、309は第Nのアンテナ素子に入射する
マルチパス波、310は主波304を基準とした時の第
1のアンテナにより受信される波面である。
【0026】図3において主波をh0 0 、マルチパス
波をhi 0-i とする。アンテナ素子301は無線周波
数の半波長(λ/2)間隔で設置されている為、第2の
アンテナ素子で受信される主波305は主波304より
もexp(−jφ0 )の位相だけ遅れる。これは主波3
04が第1のアンテナに受信された時、主波305は第
2のアンテナにまだ到達しておらず、波面310との交
点に位置する為である。この遅れ位相角φ0 は主波のア
ンテナ・アレイへの入射角θ0 に依存し、 φ0 =π・sinθ0 (9) で与えられる。同様に第Nのアンテナに受信される主波
306は第1のアンテナの受信波よりexp{−j(N
−1)φ0 }だけ位相が遅れる。同様にマルチパス波の
アレイ・アンテナへの入射角をθi とすると φi =π・sinθi (10) の位相角を単位とした位相推移が受信マルチパス波30
8、309に生じる。以上のことより第k番目アンテナ
素子の受信信号xk
【0027】
【0028】と表現できる。ここでnk はk番目アンテ
ナ受信波の受信機雑音を示す。またここではn番目イン
パルス応答離散値によるマルチパス波の入射角をθn
しており、これによる位相推移量は φn =π・sinθn (12) である。以上の(1)式から(8)式および(11)、
(12)式を用いて正規方程式を導くと下記のようにな
る。
【0029】
【0030】となる。σ2 は雑音電力、δpqはクロネッ
カー・デルタ
【0031】
【0032】となる。またIはM行M列の単位行列、0
はM次元の零ベクトルである。上記(13)式より明ら
かなように、適応アレイと判定帰還の後方フィルタは全
て線形一次の連立方程式で表現されており、この正規方
程式は適応アレイが判定帰還形等化器の前方フィルタの
役目をしていることを示している。すなわち単に適応フ
ィルタと判定帰還形等化器とを組み合わせたものではな
く、(13)式そのものが適応アレイと判定帰還形等化
器の完全な融合化を意味している。
【0033】図1の適応アレイ・フィルタによるアンテ
ナパターンは単位直流信号ベクトルΓを入射し、入射角
θを回転させることにより求められる。すなわち
【0034】
【0035】以上の実施例の効果を評価する為、主波に
対して進み波と遅れ波が存在する3波マルチパス伝搬モ
デルを取り扱う。またそれぞれの遅延時間差をシンボル
周期のTとする。すなわちインパルス応答離散値として
はh-1,h0 およびh+1のみとなり、主波はh0 0
進み波はh-1+1、遅れ波はh+1-1となる。ここでは
インパルス応答離散値の振幅を |h-1|=|h0 |=|h+1|=1 (21) のように全て1に設定する。これは選択性フェードが無
限大となる厳しいマルチパス状態を意味する。進み波、
主波および遅れ波のアレイ・アンテナへの入射角をそれ
ぞれ θ-1=45°、θ0 =θ+1=20° (22) とし、各アンテナ素子におけるSN比(受信信号対雑音
レベル比)を10dBとする。
【0036】図1において、アレイ・アンテナは4素子
とし、後方フィルタを1タップとした場合のシミュレー
ション結果を図4に示す。
【0037】図4(a)は後方フィルタが無い場合で、
(b)は後方フィルタが有る場合である。(a)におい
て、401は適応アレイによるアンテナ・パターン、4
02は主波到来ベクトル、403は進み波到来ベクト
ル、404は遅れ波到来ベクトルを示す。(b)におい
て405は適応アレイによるアンテナ・パターン、40
7は進み波到来ベクトル、408は遅れ波到来ベクトル
である。
【0038】図4(a)では後方フィルタが無い為、図
1の判定帰還形等化器は従来のN素子適応アレイに一致
する。図より明かなように主波402と遅れ波404の
到来方向が一致し、また(21)式に示すように主波と
マルチパス波のレベルが等しくなっている。このような
モデルに対しては、アンテナ・パターンのナリングによ
り遅れ波404を除去できない。この場合、パターン・
ナリングで不要波を除去することは希望波の主波402
の受信をも拒否することは他ならないからである。従っ
て後方フィルタを有さない従来の4素子適応アレイのパ
ターンは401のように全体のゲインを縮小してしま
い、主波402すら満足に受信されていないことを示し
ている。
【0039】一方、後方フィルタ1タップを有している
図4(b)では主波406到来方向(θ=20°)に最
大パターンを向けている。進み波407到来方向に対し
てはパターン405にナルが作られていることを確認出
来る。遅れ波408はパターン405により主波406
と共に受信されるが、この成分は前述したようにh+1
-1であり、これは後方フィルタの第1タップの判定デー
タΛ-1を用いて判定帰還除去される。このように図1の
第1の実施例では、アンテナパターンにより進み波が、
後方フィルタにより遅れ波が除去されると理解できる。
従って、アンテナ・パターンはマルチパス波の存在に関
わらず、常に希望波の主波到来方向に最大パターンを向
け、SN比を最大化しようと働く。
【0040】以上の説明は、遅れマルチパスの遅延時間
がτ1(=M×T)以下で後方フィルタのタップ長M×
Tの等化可能範囲に遅れ波が存在する場合を示してい
る。ところで、マルチパス環境の変動により、遅れ波の
遅延時間がτ1を越えた場合、判定帰還形等化器の後方
フィルタの等化可能範囲M×Tの外にマルチパス波が存
在し、マルチパス遅延時間に該当する判定データが後方
フィルタタップ上には存在しなくなる。例えば、T遅れ
のマルチパスを対象とする場合には、後方フィルタ第1
タップの判定データΛ1 による判定帰還等化を行うが、
M×T以上のマルチパス歪みを除去しようとしても、後
方フィルタタップにはΛM までの判定データしか確保し
ていない。この場合、(13)に示した正規方程式にお
いて、左辺の相関マトリクスの中で、後方フィルタに係
わる小行列Hは相関が取れずゼロ行列となる。すなわ
ち、この場合、正規方程式は
【0041】
【0042】となる。これを解けば明らかなように後方
フィルタとタップ係数ベクトルdは全てゼロとなる。す
なわち、この場合、後方フィルタによる適応等化は全く
行われなくなる。
【0043】従って、図4(b)に示した後方フィルタ
が有る場合でも、後方フィルタはM×Tを越えるマルチ
パス波に対しては効力を持たない為、等価的に後方フィ
ルタが無い場合と同じになる。すなわち、図4(a)に
示すアンテナパターンに戻り、アンテナゲインが取れず
通信不可能となる。
【0044】このようなτ1を越えるマルチパスが存在
する場合、図1の相関器118に相関値g1が出力され
る。これはτ1遅れにおける受信信号x1の自己相関係
数である。制御回路はg1の値によりτ1遅れ波の存在
を認識し、これに対応する出力としてW1を単位電圧に
設定し、他のW0およびW2をゼロ電圧とする。この操
作により乗算器112と114の重み係数はゼロとなり
遮断されるが、乗算器113には単位電圧が乗ぜられ、
乗算器113入力は通過する。すなわち、判定データが
遅延素子110によりτ1だけ遅らされたものが選択出
力され合成器115を経由して後方フィルタの遅延素子
106に帰還される。この操作により後方フィルタの第
1タップに位置する判定データはΛ1 ではなく、これよ
りMシンボル以上遅れたシンボルにシフトされる。第2
タップ以降は第1タップを基準に1シンボル毎に配列す
る。例えば本来M=10タップしかない後方フィルタに
対して、20T遅れのマルチパスが存在した場合、τ1
を19Tと設定すると、後方フィルタの第1タップ上に
はΛ20が位置するようになり、該シンボルΛ20により、
20シンボル遅れの符号間干渉を除去することが可能と
なる。この場合の様子を正規方程式で考察すると、下記
のように記述することが可能である。
【0045】
【0046】上記(24)式において、d′は図1の波
線部1によりτ1だけ遅延された判定データを入力とす
る後方フィルタのタップ係数ベクトルを意味する。また
上記正規方程式(24)のdは判定データΛ1 〜ΛM
でを保有する後方フィルタのタップ係数ベクトルであ
り、図1において、遅延素子110によりτ1遅れが選
択されている時にはもはや実在しない。ただし、正規方
程式ではあくまでも架空のタップ係数dとして存在して
いる。すなわち本来の正規方程式(23)の相関マトリ
クスは(N+M)×(N+M)のサイズであるが、(2
4)式のように(N+M+α)×(N+M+α)まで拡
張されている。ここでαとは上記τ1をシンボルTで割
った場合の整数部分となる。上記正規方程式(24)に
おいて、d′には後方フィルタによる相関マトリクスH
が乗じられており、適応等化の為の解が実在することを
示唆する。すなわち、図1の波線部1の処理によりτ1
を越える遅れマルチパス歪みに対しても適応等化が可能
となるわけである。
【0047】マルチパスの遅れ時間がτ1よりもさらに
長くなった場合には、同様の操作により、相関器119
に相関結果が出力され、τ2(>τ1)の遅れ波の存在
を検出し、乗算器114に重み係数W2=1が乗ぜられ
る。すなわち、判定器109の判定データにτ2の遅延
時間がバイアスされ、後方フィルタはτ2よりも遅延時
間の大きなマルチパス歪みを除去可能となる。なお、判
定データには後方フィルタ自体がM×Tの遅延時間を与
えることから、遅延時間のバイアス用の遅延素子11
0,111は、正確に上記のτ1,τ2の遅延を与える
ものである必要はなく、マルチパスの遅延時間のτ1,
τ2に近いものであればよいことは明らかである。
【0048】上記説明は主として、正規方程式の数学解
を中心に述べたが、実際の動作は、適応アルゴリズムを
用いて判定誤差εの自乗平均値ξ(MSE) ξ=E[ε* ・ε] (25) を最小とする制御を行う。ここで上記(25)式は図1
のアダプティブアレイの係数c1 ,c2 …cN および判
定帰還(後方)フィルタのタップ係数d1 ,d2…dM
の合計N+M個の係数をパラメータとする関数となって
いる。またMSEのξは自乗平均の為、N+M次元空間
において、下に凸な2次曲面となる。従って、ξは最小
点を1個持つことになる。このような問題に対して、バ
ーナード・ウィドロはLMSアルゴリズムを提案してお
り、下記漸化式により変数c1 ,c2 …cN および変数
1 ,d2 …dM を逐次修正することにより、MSEの
最小点に達することが可能である。 ci n =ci n-1 −μxi * ・ε (i=1,2,…N) (26) di n =di n-1 +μS-i * ・ε (i=1,2,…M) (27) ここでμは修正係数である。従って図1の減算器109
が出力する判定誤差εおよび受信信号xi(i=1,
2,…N)は重み係数修正回路123に入力され、該重
み係数修正回路にて上記(26)式によるアルゴリズム
を用いてアダプティブアレイの重み係数ci (i=1,
2,…N)の修正を行う。同様に、判定誤差εおよびσ
-i(i=1,2,…M)はタップ係数修正回路124に
入力され、上記(27)式により後方フィルタのタップ
係数di (i=1,2,…M)の逐次修正を行う。ここ
ではLMSアルゴリズムを適用した場合について述べた
が、その他にεを用いてカルマンアルゴリズム、RSL
アルゴリズムまたは、判定器誤差を用いない正規方程式
の直接解法による方法も可能である。
【0049】以上説明した図1に示す本発明の実施例を
図2に示す。図2においては潜水艦などに用いられるソ
ナーを対象としている。ソナー波はある指向性により放
射されるが、標的に照射された反射を利用して標的の情
報を得る技術である。例えば、波源Oから出た波は標的
の点Sに照射され、その反射が海底の点Tに反射し、経
路OSTOとして潜水艦に再び受信される。これはマル
チパス波に該当する。主波に該当するものは点O→点P
→点Oの経路OPOによる受信波である。この場合の伝
送系でのインパルス応答は201のように図示できる。
一方、標的の点Qでの反射が海面に向かい、点Rで反射
し、再び受信された場合には、非常に遅延時間の長いマ
ルチパス波(経路OQRO)を発生させる。この場合の
インパルス応答は202として図示される。このように
海底における地形および潜水艦の進行状況など種々の要
因により、マルチパスの状況は刻々と変化する。このよ
うな全ての場合に対応するには、等化器のタップ数を非
常に多く必要とする。従って、従来からソナーにおいて
はアダプティブアレイによるセンサーパターンのフォー
ミングによりナルを形成し、マルチパスを抑圧する方式
の採用している。しかしながら、海中においてはマルチ
パス波以外にも不要干渉妨害をかけられることもあり、
ソナーアレイをこのような不要干渉妨害の除去に用いた
場合、マルチパスの除去まで機能を発揮できなくなる。
この要因はソナーアレイ素子数の制約などがある為であ
る。このようなモデルに対しては、上記に説明した図1
の本発明の実施例を適用することにより大幅な改善効果
を得ることが可能である。すなわち、ソナーに起因する
マルチパスは全て判定帰還形等化により除去し、ソナー
に起因しない外部干渉妨害をソナーアレイ部で対応する
ことにより、マルチパスの適応等化と干渉妨害波の除去
を同時に実現できる。
【0050】ここで、マルチパスの分布(遅延分散)が
常に図2の202の状態が持続するとは限らない。例え
ば、図6に示すように主波OPO(t=η)に対しT遅
れのマルチパス(t=η+T)と等化器タップ数を越え
る遅延の長いマルチパス波OQROが同時に存在する場
合も考えられる(注:ここでηとは時刻t=0でソナー
波を放射し、経路OPOにより受信されるまでの時間で
ある)。例えば、図6のOPOによる主応答をh0,こ
れよりT遅れの応答をh+1,OQROによる応答をL
シンボル(L×T秒)遅れの応答とすれば、インパルス
応答を畳み込まれた受信信号rは
【0051】
【0052】として記述できる。ここで理解を容易にす
る為、アダプティブアレイによる処理は行われず、後方
フィルタによる等化動作に限定して説明する。(28)
式右辺の第1項は主波成分であり、これが所望波S0を
含む。右辺第2項はS0よりも1シンボル分のT秒前に
既に送信された送信信号S−1からの符号間干渉であ
る。同様に右辺第3項はS0よりもLシンボル分以前に
送信された送信信号系列S0−i(i=L,L+1,L
+2,…∞)からの符号間干渉を示している。ここで後
方フィルタによる適応等化とは、上記(28)式と後方
フィルタ出力との線形合成により、(28)式右辺第2
項、第3項を除去することを意味する。この線形合成後
の出力をZとおくと、後方フィルタ出力減算後の出力は
【0053】
【0054】と記述できる。ここで、上記(29)式右
辺の第2項の総和部分は図1の後方フィルタに格納され
る判定データはΛ-1,σ-2Λ-2,…Λ-Mの場合ではな
く、遅延素子110または111のいずれかによりτ1
またはτ2の遅延が判定データにバイアスされ、Λ-L
Λ-L-1,…Λ-L-M+1が後方フィルタの各タップに格納さ
れたと仮定する。ところで通信の目的は判定データがあ
るシンボル誤り率以下となるよう回線品質を保つことで
あり、適応等化が良好に動作すれば、判定誤り率はかな
り低く押さえられる。すなわち、 Λi ≒Si (30) と近似できる。また適応アルゴリズムによりタップ係数
修正回路124が、 di=hi (31) と推定した場合、(28)式と(29)式に(30),
(31)式を代入して整理すると
【0055】
【0056】となる。ここで、Lシンボルよりも過去の
データからの遅れ符号干渉は除去されたが、1シンボル
過去のデータからの符号間干渉は除去されていない。す
なわち、このようなケースに対しては、図1に示す第1
の発明の実施例により、τ1遅れのマルチパスを除去し
ている場合、t=η+TにおけるT遅れのマルチパス波
を除去できない。そこでこのような問題を解決する為の
本発明の実施例を図5に示す。
【0057】図5において、501はN素子アンテナ、
502はN個の複素乗算器、503は合成器、504は
減算器、505は判定器、506は遅延時間がT(変調
シンボル周期)のM個の遅延素子、507はM個の複素
乗算器、508は合成器、509は減算器、510は遅
延時間がτ1の遅延素子、511は遅延時間がτ2の遅
延素子、512、513、514は複素乗算器、515
は合成器、516は制御回路、517、518、519
は相関器、520は遅延時間がTの遅延素子、521は
遅延時間がτ1の遅延素子、522は遅延時間がτ2−
τ1の遅延素子、523は第1のタップ係数修正回路、
524は第2のタップ係数修正回路、525は遅延時間
がTの遅延素子である。
【0058】図5において、判定器505からの判定デ
ータ信号は遅延素子506によりTだけ遅延を受けΛ-1
が乗算器507に入力される。ここでタップ係数d1が
乗ぜられ合成器508を経由して減算器504に帰還さ
れる。一方、後方フィルタの第1タップ目の判定データ
は分岐され、遅延素子525に入力され、さらに波線部
5に入力される。破線部5は図1の破線部1と同様の動
作を行い、遅延分散を求め、最も遅延時間の長い応答に
よる符号間干渉も除去できるように判定データ信号に遅
延時間τ1またはτ2を段階的に付加する。ここではL
シンボル分の遅延を与え、図5の後方フィルタ第2タッ
プ以降にΛ-L,Λ-L-1,…Λ-L-M+1が格納されるように
動作する。この場合、図5減算器504では、
【0059】
【0060】のように受信信号と後方フィルタ出力の線
形合成が行われる。ここでタップ係数修正回路524は
適応アルゴリズムによりd1=h1,di=hiと推定
する。
【0061】また判定データの誤り率が低い場合、(3
3)式は
【0062】
【0063】のように所望の主波成分のみとなる。これ
は図6のようなモデルに対しても、図5の発明を適用す
ることにより、T遅れ応答およびL×T以上遅れの応答
による符号間干渉の全てを除去できることを証明してい
る。
【0064】なお、図5において、構成要素501、5
02、503および523は図1で説明したアダプティ
ブアレイ部と同じ動作を行い、後方フィルタによる符号
間干渉の除去とアダプティブアレイによる不要干渉妨害
の除去を同時に実現する。
【0065】以上の説明は、主として遅延分散がτ1と
なる場合に関するものである。遅延分散がこれを越える
場合には、遅延分散を段階的に検出する手段および判定
データに遅延分散に応じた遅延を与える手段を用いる必
要がある。例えばτ1より長い遅延差のτ2に対処する
為、図1にて遅延時間がτ2−τ1の遅延素子122と
相関器119と遅延時間がτ2の遅延素子111と乗算
器114を備えている。遅延時間がさらにτ2以上に拡
散する場合には、更に遅延時間τ3、τ4…のように手
段を拡張していく必要がある。このように等化可能な遅
延分散領域を広げることは波線部1の装置規模を増大さ
せることを意味するが、図7の従来の技術にて構成要素
706、707および708による後方フィルタタップ
数を増加させるよりも効果がある。この点に関しては従
来の技術で述べたように、従来の判定帰還形等化器で非
常に長い遅延分散を等化可能とするには、これに応じた
後方フィルタタップ数が必要となる。例えば遅延分散幅
が200Tとなる場合には、図7において後方フィルタ
タップ数はM=200以上必要となる。ところで伝搬路
のインパルス応答が図2の202のように2波モデル的
である場合には、200タップの後方フィルタを用意し
ていても、実際に等化を行っている後方フィルタタップ
はτ1付近に該当する数タップ程度であり、残りの大半
のタップは等化動作に参加していない。この参加してい
ないタップ係数は通常ゼロとなっているはずである。し
かし、回路構成上の精度などにより完全にゼロというも
のは有り得ない。すなわち、ゼロとなるべき場合でも多
少でもある雑音電圧を有している。この雑音はタップ係
数修正回路709でのタップ係数逐次修正動作に依存し
ている。具体的には、(27)式の修正係数μの大きさ
に依存する。修正係数μを大きくすれば、1回当たりの
逐次更新量が大きく、適応収束速度は早くなる。しか
し、更新量が大きい為、タップ係数の精度は粗くなる。
一方、修正係数を小さくすれば、精度は上がるが、収束
速度は極めて遅くなる。従って、修正係数は収束速度と
適応修正で発生する精度の粗さとトレードオフを考慮し
て設定されるのが通常である。このように適応フィルタ
は本質的に適応修正に伴う内在的雑音を発生させてしま
う。これは回避できないものであり、ウィドロによると
ミスアジャストメントと呼ばれ、また背景雑音として知
られている。この背景雑音はタップ数に比例する為、タ
ップ数が多くなるにつれ不要雑音の発生量が大となる。
すなわち、従来方式の判定帰還形等化器にて後方フィル
タを多数用意して長い遅延分散に対処することは、内部
雑音を増幅させてしまい、ビット誤り率特性に固定劣化
を与えてしまう。他方、本発明は後方フィルタのタップ
数の増加を避ける方式を志向しており、図1より明らか
のように乗算器107はMタップに留めている。なお、
遅延分散をτ1,τ2,τ3…と細分化していくことは
乗算器112〜114に該当する部分を増やしていくこ
とに相当する。ここでこの乗算器数の増大により、前記
背景雑音と同じ問題があるのではという疑問が生じる。
しかし、乗算器112、113、114に供給される係
数は、単位電圧またはゼロ電圧の制御信号であり、適応
アルゴリズムによるタップ係数などとは全く無縁のもの
である。また、波線部1内部にて遅延素子120〜12
2で構成されるタップの数をいくら増やしても、制御回
路116の非線形動作により雑音は遮断され、適応フィ
ルタ特有の背景雑音の影響は全く受けない。
【0066】以上のことより、従来適応等化器では対処
困難であった等化領域を越える遅延分散に対して、本発
明は有効に対処できることが理解できる。
【0067】図1および図5の実施例では、判定帰還形
等化器の前方フィルタ部をアダプティブアレイに置き換
えた事例を主に説明したが、これを本来の前方フィルタ
に戻した通常の判定帰還形等化器でも上述の動作は保証
され、同様の効果が得られる。
【0068】図1に示す判定帰還形等化器では前方フィ
ルタをアダプティブアレイに置き換えているのは、アレ
イソナーなどの適用を考慮したものであるが、判定帰還
形等化器は本来、前方フィルタと後方フィルタから構成
されたものである。無線通信一般では、通常前方フィル
タと後方フィルタからなる本来の判定帰還形等化器を用
いている。この場合には、前方フィルタはアダプティブ
アレイではないので、受信信号波の到来方向にアンテナ
指向性を制御するといった効果は得られない。しかし、
前方フィルタは後方フィルタと同様なトランスバーサル
フィルタ構成を取っている。前方フィルタと後方フィル
タの最大の相違は前者が受信波を入力としているのに対
し、後者は判定データ信号を入力としていることであ
る。この使い分けにより、前方フィルタは後続するシン
ボルからの進み波による符号間干渉を除去し、後方フィ
ルタは先行するシンボルからの遅れ波による符号間干渉
を除去する。従って、前方フィルタをアダプティブアレ
イに置き換えた判定帰還形等化器とは、進み波によるマ
ルチパス歪みを除去する点では同じ効果が得られる。
【0069】前方フィルタとアダプティブフィルタの差
異による効果の違いは、むしろアンテナやソナーの素子
数の差にある。前方フィルタは素子数を1と最小限に節
約できる利点があるが、受信波に対するアンテナ指向性
などの受信パターン制御は不可能である。他方、アダプ
ティブアレイでは複数のアンテナ(またはソナー)素子
を必要とする為、装置規模が大きくなるが、受信パター
ン制御が可能という利点がある。本発明は主として、後
方フィルタに関するものであるので、前方フィルタおよ
びアダプティブアレイのいずれの判定帰還形等化器にも
適用が可能である。
【0070】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、判定帰還
形等化器において、受信信号の自己相関演算より遅延分
散情報を求め、判定帰還フィルタ(後方フィルタ)への
判定データ信号に前記遅延分散情報に基づく最適な遅延
を与えることにより、判定帰還形等化器の判定帰還フィ
ルタのタップ数を増加することなく、等化器タップ数で
決まる等化領域を越えるようなマルチパス波に対して
も、良好な自動等化を行う効果がある。特に無線伝送に
おいて、伝送速度が高速化した場合、遅延プロファイル
の分散が大きくなるが、このような厳しきマルチパスフ
ェージング回線には小規模の判定帰還形等化器によりマ
ルチパス歪みの除去が可能となる。また、アダプティブ
アレイ等と判定帰還フィルタを組み合わせた受信機にお
いても、遅れマルチパスは主として判定帰還フィルタに
より除去させ、アダプティブアレイ等には所望信号の追
尾および不要干渉妨害の除去にその機能を発揮させるこ
とが出来るので、アレイ部分の負担は軽減され、全体的
に良好な動作を実現できる効果がある。
【0071】即ち、本発明は、遅延分散が非常に大きく
なるようなマルチパス環境に対しても、マルチパス歪み
の除去及び干渉妨害の除去が可能であるという効果を奏
する。特に、後方フィルタのタップ数を増大することな
く、遅延時間の非常に長いマルチパス歪みを除去できる
という効果がある。また、後方フィルタのタップ数を増
大することなく、遅延時間の短いマルチパス歪みに加え
て、遅延時間の非常に長いマルチパス歪みを除去できる
という効果がある。
【0072】そして、本発明は、後方フィルタのタップ
数を最小限に押さえ、タップ数に応じ増加する不要な内
部雑音の発生を抑制して、良好な雑音特性等を維持しつ
つ長い遅延分散に確実に対応できる点で効果が大であ
る。
【0073】更に、入力部に前方フィルタ又はアダプテ
ィブアレイを設けた判定帰還形等化器を構成した場合
は、進み波によるマルチパス歪みを前記前方フィルタ又
はアダプティブアレイにより除去し、後れ波のマルチパ
ス歪みを後方フィルタにより確実に除去でき、特に、入
力部にアダプティブアレイを設けた判定帰還形等化器を
構成した場合は、遅延時間の長いマルチパス歪みをも後
方フィルタにより除去させ、アダプティブアレイには所
望信号の追尾及び不要干渉妨害の除去等にその機能を充
分に発揮させることができる点で効果が大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す図である。
【図2】本発明のソナーへの適用とインパルス応答例を
説明する図である。
【図3】アレイアンテナの受信信号を説明する図であ
る。
【図4】適応アレイフィルタによるアンテナパターンを
説明する図である。
【図5】本発明の他の実施例の構成を示す図である。
【図6】インパルス応答のモデルを示す図である。
【図7】従来の技術を説明する図である。
【符号の説明】
101 N素子アンテナ 102 N個の複素乗算器 103 合成器 104 減算器 105 判定器 106 遅延時間がT(変調シンボル周期)のM個の
遅延素子 107 M個の複素乗算器 108 合成器 109 減算器 110 遅延時間がτ1の遅延素子 111 遅延時間がτ2の遅延素子 112、113、114 複素乗算器 115 合成器 116 制御回路 117、118、119 相関器 120 遅延時間がTの遅延素子 121 遅延時間がτ1の遅延素子 122 遅延時間がτ2の遅延素子 123 重み係数修正回路 124 タップ係数修正回路 501 N素子アンテナ 502 N個の複素乗算器 503 合成器 504 減算器 505 判定器 506 遅延時間がT(変調シンボル周期)のM個の
遅延素子 507 M個の複素乗算器 508 合成器 509 減算器 510 遅延時間がτ1の遅延素子 511 遅延時間がτ2の遅延素子 512、513、514 複素乗算器 515 合成器 516 制御回路 517、518、519 相関器 520 遅延時間がTの遅延素子 521 遅延時間がτ1の遅延素子 522 遅延時間がτ2の遅延素子 523 第1のタップ係数修正回路 524 第2のタップ係数修正回路 525 遅延時間がTの遅延素子

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスバーサルフィルタ構成の後方フ
    ィルタを備えた判定帰還形等化器であって、判定帰還形
    等化器の入力分岐信号に対し異なる遅延を与える複数の
    第一の遅延手段と、前記第一の遅延手段の入力信号と各
    遅延出力との相関演算を行う相関手段と、判定帰還形等
    化器の出力分岐信号に対し異なる遅延を与える複数の第
    二の遅延手段と、前記相関手段からの各相関値より遅延
    分散を求め該遅延分散に近い遅延を与える前記第二の遅
    延手段を選択しその遅延出力を前記後方フィルタに印加
    する選択制御手段とを具備することを特徴とする判定帰
    還形等化器。
  2. 【請求項2】 トランスバーサルフィルタ構成の後方フ
    ィルタを備えた判定帰還形等化器であって、判定帰還形
    等化器の入力分岐信号に対し異なる遅延を与える複数の
    第一の遅延手段と、前記第一の遅延手段の入力信号と各
    遅延出力との相関演算を行う相関手段と、前記後方フィ
    ルタの第Nタップ出力の分岐信号に対して異なる遅延を
    与える複数の第二の遅延手段と、前記相関手段からの各
    相関値より遅延分散を求め該遅延分散に近い遅延を与え
    る前記第二の遅延手段を選択しその遅延出力を前記後方
    フィルタの第N+1タップに印加する選択制御手段とを
    具備することを特徴とする判定帰還形等化器。
  3. 【請求項3】 前記選択制御手段は、前記相関手段から
    の各相関値を比較し振幅の大きい信号の遅延量に近い遅
    延を与える前記第二の遅延手段を選択することを特徴と
    する請求項1、2記載の判定帰還形等化器。
  4. 【請求項4】 前記複数の第一の遅延手段はタップ付き
    遅延素子で構成され、前記第二の遅延素子は少なくても
    一部に並列接続の遅延素子を有することを特徴とする請
    求項1、2、3記載の判定帰還形等化器。
  5. 【請求項5】 前記判定帰還形等化器の入力部に前方フ
    ィルタを具備し、前記前方フィルタの入力信号を前記第
    一の遅延手段への入力分岐信号として印加することを特
    徴とする請求項1、2、3、4記載の判定帰還形等化
    器。
  6. 【請求項6】 前記判定帰還形等化器の入力部にアダプ
    ティブアレイを具備し、前記アダプティブアレイの一受
    信信号を前記第一の遅延手段への入力分岐信号として印
    加することを特徴とする請求項1、2、3、4記載の判
    定帰還形等化器。
  7. 【請求項7】 前記複数の第二の遅延手段は少なくても
    1シンボル単位の遅延を与える遅延手段を含み、該遅延
    を与える遅延手段は後方フィルタの一つの遅延素子であ
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6記載
    の判定帰還形等化器。
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