JP2697096B2 - 光学活性な4―ヒドロキシ―2―シクロペンテノン類の分離法 - Google Patents

光学活性な4―ヒドロキシ―2―シクロペンテノン類の分離法

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JP2697096B2 JP1062971A JP6297189A JP2697096B2 JP 2697096 B2 JP2697096 B2 JP 2697096B2 JP 1062971 A JP1062971 A JP 1062971A JP 6297189 A JP6297189 A JP 6297189A JP 2697096 B2 JP2697096 B2 JP 2697096B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、医薬または農薬中間体として有用な光学活
性な4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類の分離法
に関する。
<従来の技術> 一般式(I) (式中、R′は水素原子または低級アルキル基を、nは
4〜8の整数を、*印は不斉炭素原子をそれぞれ表わ
す。) で示される光学活性な4−ヒドロキシ−2−シクロペン
テノン類は、一般式(III) (式中、R″は低級アルキル基を、R′およびnは前記
と同じ意味をそれぞれ表わす。) で示されるdl−シクロペンテノンエステル類を、エステ
ルを加水分解する能力を有するエステラーゼを用いて不
斉加水分解することにより製造することができることを
本発明者らは見出したが、この際に不斉加水分解残とし
て一般式(II) (式中、R″、R′、nおよび*印は前記と同じ意味を
それぞれ表わす。) で示される光学活性な2−シクロペンテノンエステル類
も同時に生成し、両者の分離、精製手段としては一般的
にはカラムクロマトグラフィーを用いている。
しかしながら、この方法は、大量の溶媒およびシリカ
ゲルを必要とし、しかも、一度に多量に分離、精製でき
ないという問題点を有していた。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は、上記の問題点を克服し、前記一般式(I)
で示される光学活性な4−ヒドロキシ−2−シクロペン
テノン類の工業的有利な分離法を提供する。
<課題を解決するための手段> 本発明は、一般式(I) (式中、R′は水素原子または低級アルキル基を、nは
4〜8の整数を、*印は不斉炭素原子をそれぞれ表わ
す。) で示される光学活性な4−ヒドロキシ−2−シクロペン
テノン類および下記一般式(II) (式中、R″は低級アルキル基を、R′、nおよび*印
は前記と同じ意味をそれぞれ表わす。) で示される光学活性な2−シクロペンテノンエステル類
を含む混合物を、水に可溶性の有機溶媒と水の混合溶媒
中から晶析処理により2−シクロペンテノンエステル類
(II)を晶出・分離し、残液部から4−ヒドロキシ−2
−シクロペンテノン類(I)を回収することを特徴とす
る4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類(I)の分
離法である。
本発明に用いられる水に可溶性の有機溶媒としては、
例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコ
ールもしくはイソプロピルアルコール等のアルコール
類、アセトン等のケトン類またはテトラヒドロフランも
しくはジオキサン等のエーテル類などが例示され、好ま
しくはアルコール類が挙げられる。
これらの水に可溶性の有機溶媒の水に対する割合は、
2−シクロペンテノンエステル類(II)の晶析温度、該
エステル類(II)および4−ヒドロキシ−2−シクロペ
ンテノン類(I)の水に可溶性の有機溶媒または水に対
する溶解度、水に可溶性の有機溶媒および水の合計量に
より適宜決定されるが、通常は、重量比で0.25〜10の範
囲であり、好ましくは0.5〜2の範囲である。
また、水に可溶性の有機溶媒と水の合計量は、水に可
溶性の有機溶媒と水との割合、2−シクロペンテノンエ
ステル類(II)の晶析温度および該エステル類(II)と
4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類(I)の水に
可溶性の有機溶媒または水に対する溶解度によって適宜
決定されるが、通常は上記エステル類(II)と4−ヒド
ロキシ−2−シクロペンテノン類(I)の混合物に対し
て1〜20重量倍、好ましくは1〜10重量倍である。
上記エステル類(II)の晶析方法としては、 水に可溶性の有機溶媒と水との混合溶媒に、上記エス
テル類(II)と4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン
類(I)の混合物を必要ならば加熱しながら溶解させた
後、晶出させる 水に可溶性の有機溶媒に上記の混合物を溶解させ、該
溶解温度で晶析に必要な量の水を添加して晶出させる。
水に可溶性の有機溶媒に上記の混合物を加熱しながら
溶解させ、混合溶媒における上記エステル類(II)の晶
析温度で水を添加して晶出させる 方法等が適用される。
晶析温度については、特に限定されるものでないが、
通常は晶出させる上記エステル類(II)の融点よりも10
℃以上低い温度が好ましい。
晶析に際しては、必要ならば、該エステル類(II)の
種晶を接種することもできる。
上記エステル類(II)の晶析後、例えば過等の操作
により該エステル類(II)を結晶として分離することが
でき、結晶分離後の残液部からの4−ヒドロキシ−2−
シクロペンテノン類(I)の回収は、例えば、該混合溶
媒中に大量の水を添加するかまたは水に可溶性の有機溶
媒を留去した後の残渣にメチルイソブチルケトン、トル
エン、酢酸エチルもしくはエチルエーテル等の溶媒を添
加して抽出し、さらに有機層からこれらの溶媒を留去す
ることにより行われる。
回収した4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類
(I)の再結晶は、有機溶媒例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレンもしくはクロルベンゼン等の芳香族炭化水
素系、酢酸メチルもしくは酢酸エチル等のエステル系、
イソプロピルエーテルもしくはブチルエーテル等のエー
テル系、ジクロルメタン、ジクロルエタンもしくはクロ
ロホルム等のハロゲン化炭化水素系、アセトン、メチル
エチルケトンもしくはメチルイソブチルケトン等のケト
ン系、イソプロピルアルコール等のアルコール系または
ヘキサン、ヘプタン、石油エーテルもしくはリグロイン
等の脂肪族炭化水素系溶媒の単独またはこれらの混合溶
媒中で行われる。
これらの有機溶媒の使用量は、特に制限されないが、
通常、4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類(I)
に対して1〜20重量倍の範囲である。
再結晶の際の温度は、特に限定されず使用する溶媒の
種類および量等によって適宜設定されるが、通常、4−
ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類(I)の融点より
約10℃低い温度である。
再結晶の方法としては、エステル類(II)の晶析方法
と同様な方法が挙げられる。
再結晶に際しては、エステル類(II)の晶析の際と同
様に、4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類(I)
の種晶を接種することもできる。
また、必要に応じて再結晶操作を繰返し行うこともで
きる。
再結晶操作を行った後の混合物から4−ヒドロキシ−
2−シクロペンテノン類(I)の取出しは、例えば過
等により行われる。
4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類(I)およ
びエステル類(II)の混合物は、一般式(III) (式中、R′は水素原子または低級アルキル基を、R″
は低級アルキル基を、nは4〜8の整数をそれぞれ表わ
す。) で示されるdl−シクロペンテノンエステル類を、エステ
ルを加水分解する能力を有するエステラーゼを用いて該
エステル類の光学活性体のいずれか一方を不斉加水分解
することにより製造することができる。
上記のエステラーゼは、微生物が生産するものでもよ
く、また、動植物由来のものでもよい。
尚、エステラーゼとはリパーゼを含む広義のエステラ
ーゼを意味する。
エステラーゼを生産する微生物の具体例としては、た
とえばエンテロバクター属、アルスロバクター属、ブレ
ビバクテリウム層、シュードモナス属、アルカリゲネス
属、ミクロコッカス属、クロモバクテリウム属、ミクロ
バクテリウム属、コリネバクテリウム属、バシルス属、
ラクトバシルス属、トリコデルマ属、キャンディダ属、
サッカロミセス属、ロドトルラ属、クリプトコッカス
属、トルロプシス属、ピヒア属、ペニシリウム属、アス
ペルギルス属、リゾプス属、ムコール属、オーレオバシ
ディウム属、アクチノムコール属、ノカルディア属、ス
トレプトミセス属、ハンゼヌラ属、アクロモバクター属
に属する微生物が例示される。
上記微生物の培養は、通常、常法に従って行われ、た
とえば液体培養を行なうことにより培養液を得ることが
できる。
たとえば滅菌した液体培地〔かぜ類、酵母類用には麦
芽エキス・酵母エキス培地(水1にペプトン5g、グル
コース10g、麦芽エキス3g、酵母エキス3gを溶解し、pH
6.5とする)、細菌用には加糖ブイヨン培地(水1に
グルコース10g、ペプトン5g、肉エキス5gおよびNaCl3g
を溶解し、pH7.2とする)〕に微生物を接種し、通常20
〜40℃で1日〜3日間往復振盪培養をすることにより行
なわれ、また必要に応じて固体培養を行なってもよい。
また、これらの微生物起源のエステラーゼのなかには
市販されているものがあり、容易に入手することができ
る。市販エステラーゼの具体例としては、たとえば以下
のものが挙げられる。
シュードモナス属のリパーゼ〔リパーゼP(天野製薬
製)〕、アスペルギルス属のリパーゼ〔リパーゼAP(天
野製薬製)〕、ムコール属のリパーゼ〔リパーゼM−AP
(天野製薬製)〕、キャンディダ・シリンドラッセのリ
パーゼ〔リパーゼMY(名糖産業製)〕、アルカリゲネス
属のリパーゼ〔リパーゼPL(名糖産業製)〕、アクロモ
バクター属のリパーゼ〔リパーゼAL(名糖産業製)〕、
アルスロバクター属のリパーゼ(新日本化学製)、クロ
モバクテリウム属のリパーゼ(東洋醸造製)、リゾプス
・デレマーのリパーゼ〔タリパーゼ(田辺製薬製)〕、
リゾブス属のリパーゼ〔リパーゼサイケン(大阪細菌研
究所)〕。
また、動植物由来のエステラーゼとしては、以下のも
のを挙げることができる。
ステアプシン、パンクレアチン、ブタ肝臓エステラー
ゼ、Wheat Germエステラーゼ。
この不斉加水分解反応で用いられるエステラーゼとし
ては、動物、植物、微生物から得られた酵素が用いら
れ、その使用形態としては、精製酵素、粗酵素、酵素含
有物、微生物培養液、培養物、菌体、培養ロ液及びそれ
らを処理した物など種々の形態で必要に応じて用いるこ
とができ、酵素と微生物を組合わせて用いることもでき
る。あるいはまた、樹脂等に固定化した固定化酵素、固
定化菌体として用いることもできる。
不斉加水分解反応は原料エステル類(III)と上記酵
素もしくは微生物の混合物を、通常緩衝液中で激しく撹
拌することによって行われる。
緩衝液としては、通常用いられるリン酸ナトリウム、
リン酸カリウムのごとき無機酸塩の緩衝液、酢酸ナトリ
ウム、クエン酸ナトリウムの如き有機酸塩の緩衝液等が
用いられ、そのpHは、好アルカリ性菌の培養液やアルカ
リ性エステラーゼではpH8〜11、好アルカリ性でない微
生物の培養液や耐アルカリ性を有しないエステラーゼで
はpH5〜8が好ましい。濃度は通常0.05〜2M、好ましく
は0.05〜0.5Mの範囲である。
反応温度は通常10〜60℃であり、反応時間は一般的に
は10〜70時間であるが、これに限定されることはない。
このような不斉加水分解反応終了後、4−ヒドロキシ
−2−シクロペンテノン類(I)および2−シクロペン
テノンエステル類(II)の取出しは、加水分解反応液を
たとえばメチルイソブチルケトン、酢酸エチル、エチル
エーテル等の溶媒により抽出処理し、有機層から溶媒を
留去することにより行われる。
原料エステル類(III)は、一般式(IV) (式中、R′およびnは前記と同じ意味を表わす。) で示される3−ヒドロキシ−4−シクロペンテノン類を
低級脂肪族カルボン酸、その酸無水物及びその金属塩と
反応させて、アシル化と転位反応を同時的に行わせしめ
ることにより製造することができる。
低級脂肪族カルボン酸としては、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、吉草酸、クロル酢酸、ジクロル酢酸、ブロム
酢酸等が、その金属塩としてはこれら低級脂肪族カルボ
ン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシ
ウム塩、銅塩、亜鉛塩、パラジウム塩、鉛塩、スズ塩、
マンガン塩、コバルト塩がそれぞれ例示される。この反
応において、3−ヒドロキシ−4−シクロペンテノン類
(IV)に対する低級脂肪族カルボン酸の使用量は通常1
当量倍以上、金属塩の使用量は通常0.01〜5当量倍以
上、好ましくは0.01〜0.5当量倍である。また、上記脂
肪族カルボン酸の酸無水物の使用量は原料シクロペンテ
ノン類(IV)に対して1当量倍以上である。
この反応において、上記の低級脂肪族カルボン酸、そ
の金属塩およびその酸無水物の三成分を使用することは
非常に重要であって、その何れの成分を欠除しても有効
な方法とはなり得ず、転位反応およびアシル化の両方が
同時に十分に進行しない。
この反応において溶媒を使用する場合、その溶媒とし
てはたとえばテトロヒドロフラン、エチルエーテル、ア
セトン、メチルエチルエケトン、トルエン、ベンゼン、
クロルベンゼン、ジクロルメタン、ジクロルエタン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、ヘキサン等の反応に不活性な溶媒の
単独または混合物があげられ、その使用量については特
に制限されない。また、低級脂肪族カルボン酸を溶媒と
して使用することもできる。
反応温度は、通常、0〜150℃であるが、好ましくは3
0〜140℃の範囲である。
反応時間は何ら限定的でないが、通常0.5〜10時間で
ある。反応時間が長くなると、生成した一般式(III)
で示されるdl−シクロペンテノンエステル類が一部分解
されるため、不必要な時間延長は好ましくない。
反応方法としては、たとえば 一般式(IV)で示される3−ヒドロキシ−4−シクロ
ペンテノン類、低級脂肪族カルボン酸、その酸無水物お
よびその金属塩を同時に反応容器に仕込み、反応させる
方法 一般式(IV)で示される3−ヒドロキシ−4−シクロ
ペンテノン類に低級脂肪族カルボン酸およびその酸無水
物を加えて反応させ、一定時間(通常0.1〜5時間であ
るが、特に限定されるものではない)後、低級脂肪族カ
ルボン酸の金属塩を加えて更に反応させる方法などの方
法が例示される。
このようにして、一般式(IV)で示される3−ヒドロ
キシ−4−シクロペンテノン類から、一般式(III)で
示されるdl−シクロペンテノンエステル類を得ることが
できる。
尚、原料シクロペンテノン類(IV)は、一般式(V) (式中、R′およびnは前記と同じ意味を表わす。) で示されるフランカルビノール類を転位させる公知の方
法により製造することができる。
<発明の効果> 本発明によれば、一般式(I)で示される光学活性な
4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類を効率よく工
業的有利に分離することができる。
<実施例> 以下、本発明を実施例により説明する。
参考例1 5gの酢酸ナトリウムを4560gの水に溶解し、酢酸を添
加してpH4.2に調整した。この緩衝水溶液に2−(1−
ヒドロキシ−7−メトキシカルボニルヘプチル)−フラ
ン114gを仕込み窒素気流下に100℃にて原料がなくなる
まで撹拌を続ける。
反応終了後、反応混合物を冷却し、メチルイソブチル
ケトン500mlにて2回抽出、分液し、得られた有機層か
らメチルイソブチルケトンを留去して、3−ヒドロキシ
−2−(6−メトキシカルボニルヘキシル)−4−シク
ロペンテノンおよび4−ヒドロキシ−2−(6−メトキ
シカルボニルヘキシル)−2−シクロペンテノンを混合
物として92g得た(収率80.7%)。
上記混合物48.0gに酢酸68.0g、無水酢酸20.4gおよび
無水酢酸ナトリウム1.2gを加え、120℃にて4時間加熱
する。反応液をガスクロマトグラフィーにてチエック
し、反応液中に反応原料が検出されないことを確認して
反応を終了した。反応液を減圧下に濃縮し、濃縮残渣に
トルエン800mlおよび水400mlを加えて抽出後、分液して
有機層を得る。有機層を8%重曹水にて洗浄後、さらに
水洗する。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムにて
乾燥後、濃縮して4−アセトキシ−2−(6−メトキシ
カルボニルヘキシル)−2−シクロペンテノン55.2g
(収率98%)を得た。
bp.180〜185℃/0.6mmHg 参考例2 参考例1で得た3−ヒドロキシ−2−(6−メトキシ
カルボニルヘキシル)−4−シクロペンテノンおよび4
−ヒドロキシ−2−(6−メトキシカルボニルヘキシ
ル)−2−シクロペンテノンの混合物24g、プロピオン
酸36g、無水プロピオン酸31gおよびプロピオンナトリウ
ム1.6gの混合物を120〜125℃で5時間反応させた。
反応混合物を減圧下に濃縮し、得られた残渣に水200m
lを加えた後、トルエン400mlで抽出した。有機層を3%
重曹水、水の順で洗浄した。
以下、参考例1と同様に処理して4−プロピオニルオ
キシ−2−(6−メトキシカルボニルヘキシル)−2−
シクロペンテノン28.1g(収率95%)を得た。
実施例1 参考例1で得たdl−4−アセトキシ−2−(6−メト
キシカルボニルヘキシル)−2−シクロペンテノン40
g、0.3モル濃度リン酸バッファー(pH7.5)1および
シュードモナス属リパーゼ(アマノリバーゼ「P」)4g
の混合物を40℃で7時間激しく撹拌した。反応混合物を
トルエンで抽出して得られた有機層を減圧下に濃縮して
39.8gの残渣を得た。この残渣10g、メタノール30gおよ
び水40gの混合物を40℃で約30分撹拌後、冷却し、0〜
5℃に2時間保った。析出した結晶を別後、液を減
圧下に濃縮してメタノールを留去した。残素をメチルイ
ソブチルケトン30mlで抽出して得られた有機層を減圧下
に濃縮して2.64gの濃縮残渣を得た。
この濃縮残渣にトルエン15gおよびヘプタン9gを添加
して40℃で約30分撹拌後、冷却し、20℃で4R(+)−ヒ
ドロキシ−2−(6−メトキシカルボニルヘキシル)−
2−シクロペンテノンの結晶約100mlを接種し、5℃ま
で冷却した。0〜5℃に2時間保った。析出した結晶を
過後、乾燥して4R(+)−ヒドロキシ−2−(6−メ
トキシカルボニルヘキシル)−2−クロペンテノン1.91
gを得た。▲〔α〕20 D▼+16.6゜(c=1、メタノー
ル)、mp.61.0〜61.5℃ 実施例2 実施例1の不斉加水分解反応終了後に得られた残渣8
9.8gのうちの10g、イソプロピルアルコール25gおよび水
35gの混合物を40℃で約30分撹拌後、冷却し、0〜5℃
で2時間保った。析出した結晶を別後、液を減圧下
に濃縮してイソプロピルアルコールを留去し、得られた
残渣を酢酸エチル30gで抽出した。有機層を減圧下に濃
縮して酢酸エチル約24gを留去した。得られた酢酸エチ
ル溶液約8.5gに、n−ヘキサン6gを加えて35℃で1時間
撹拌後、冷却した。25℃で4R(+)−ヒドロキシ−2−
(6−メトキシカルボニルヘキシル)−2−シクロペン
テノンの結晶約100mgを接種し、5℃まで冷却した。3
〜6℃に2時間保った。析出した結晶を過後、乾燥し
て4R(+)−ヒドロキシ−2−(6−メトキシカルボニ
ルヘキシル)−2−シクロペンテノン1.87gを得た。▲
〔α〕20 D▼+16.3゜(c=1、メタノール)、mp.60.0
〜60.5℃ 参考例3 2gの酢酸ナトリウムを1500gの水に溶解し、酢酸を添
加してpH4.5に調整した。この緩衝水溶液に2−(1−
ヒドロキシ−7−エトキシカルボニルヘプチル)−フラ
ン30gを仕込み、窒素気流下に100℃にて原料がなくなる
まで撹拌を続ける。
反応終了後、反応混合物を冷却し、メチルイソブチル
ケトン100mlにて2回抽出、分液し、得られた有機層か
らメチルイソブチルケトンを留去して、3−ヒドロキシ
−2−(6−エトキシカルボニルヘキシル)−4−シク
ロペンテノンおよび4−ヒドロキシ−2−(6−エトキ
シカルボニルヘキシル)−2−シクロペンテノンを混合
物として24.6g得た(収率82%)。
上記混合物12.7gに酢酸40g、無水酢酸5.1gおよび酢酸
ナトリウム2.1gを加え、110℃にて4時間加熱する。
反応終了後、参考例1に準じて後処理して、4−アセ
トキシ−2−(6−エトキシカルボニルヘキシル)−2
−シクロペンテノン14.9g(収率95.1%)を得た。
bp.189〜198℃/0.5mmHg 実施例3 参考例3で得た4−アセトキシ−2−(6−エトキシ
カルボニルヘキシル)−2−シクロペンテノン4g、0.3
モル濃度リン酸バッファー(pH7.5)100mlおよびシュー
ドモナス属リパーゼ(アマノリパーゼ「P」)0.4gの混
合物を25〜30℃で10時間激しく撹拌した。反応混合物を
トルエンで抽出して得られた有機層を減圧下に濃縮して
3.88gの残渣を得た。この残渣をアセトン19.5gに溶解
し、35℃で水19.5gを加えた。その後、冷却して0〜5
℃に2時間保った。析出した結晶を別後、液を減圧
下に濃縮してアセトンを留去した。残渣をトルエン40ml
で抽出し、得られた有機層を減圧下に濃縮して1.2gの濃
縮残渣を得た。
この濃縮残渣にイソプロピルエーテル6gおよび石油エ
ーテル2.4gを添加して40℃で約30分撹拌後、冷却し、25
℃で4R(+)−ヒドロキシ−2−(6−メトキシカルボ
ニルヘキシル)−2−シクロペンテノンの結晶約10mgを
接種し、5℃まで冷却し、その後5℃に2時間保った。
析出した結晶を過後、乾燥して4R(+)−ヒドロキシ
−2−(6−メトキシカルボニルヘキシル)−2−シク
ロペンテノン0.8gを得た。▲〔α〕20 D▼+14.1゜(c
=1、メタノール)、mp.49.0〜49.5℃ 実施例4 参考例2で得た4−プロピオニルオキシ−2−(6−
メトキシカルボニルヘキシル)−2−シクロペンテノン
5g、0.3モル濃度リン酸バッファー(pH6.0)100mlおよ
びアルスロバクター属リパーゼ(新日本化学製)0.3gの
混合物を30〜35℃で10時間激しく撹拌した。反応混合物
をメチルイソブチルケトンで抽出して得られた有機層を
減圧下に濃縮して4.92gの残渣を得た。この残渣をジオ
キサン20gに溶解し、35℃で水30gを加えた。その後、冷
却して0〜5℃に2時間保った。析出した結晶を別
後、液を減圧下に濃縮した。残渣に水およびメチルイ
ソブチルケトンを加えて抽出し、得られた有機層を減圧
下に濃縮した。
得られた濃縮残渣にキシレン10gおよびヘプタン7gを
添加して40℃で約30分撹拌後、冷却し、20℃で4R(+)
−ヒドロキシ−2−(6−メトキシカルボニルヘキシ
ル)−2−シクロペンテノンの結晶約10mgを接種し、4
℃まで冷却し、その後0〜5℃に2時間保った。析出し
た結晶を過後、乾燥して4R(+)−ヒドロキシ−2−
(6−メトキシカルボニルヘキシル)−2−シクロペン
テノン0.84gを得た。▲〔α〕20 D▼+16.2゜(c=1、
メタノール)、mp.60.0〜60.5℃ 参考例4 3.1gのリン酸1水素カリウムを4160gの水に溶解し、
リン酸を添加してpH4.2に調整した。この緩衝水溶液に
2−(1−ヒドロキシ−7−メトキシカルボニルペンチ
ル)−フラン106gを仕込み、窒素気流下に100℃にて原
料がなくなるまで撹拌を続ける。
反応終了後、反応混合物を冷却し、メチルイソブチル
ケトン600mlにて2回抽出、分液し、得られた有機層か
らメチルイソブチルケトンを留去して、3−ヒドロキシ
−2−6(−メトキシカルボニルブチル)−4−シクロ
ペンテノンおよび4−ヒドロキシ−2−(6−メトキシ
カルボニルブチル)−2−シクロペンテノンを混合物と
して84.3g得た(収率79.5%)。
上記混合物53.0gに酢酸85.5g、無水酢酸25.5gおよび
酢酸カリウム1.7gを加え、120℃にて4時間加熱する。
以下参考例1に準じて後処理して4−アセトキシ−2
−(4−メトキシカルボニルブチル)−2−シクロペン
チノン59.7g(収率94%)を得た。
実施例5 参考例4で得た4−アセトキシ−2−(4−メトキシ
カルボニルブチル)−2−シクロペンテノン8g、0.3モ
ル濃度リン酸バッファー(pH7.5)100mlおよびシュード
モナス属リパーゼ(アマノリパーゼ「P」)0.8gの混合
物を25〜30℃で10時間激しく撹拌する。反応混合物をト
ルエンで抽出し、得られる有機層を減圧下に濃縮して7.
6gの残渣を得た。この残渣にメタノール20gおよび水25g
を加えて35℃で約30分撹拌する。
その後、冷却して5℃に3時間保つ。析出した結晶を
別後、液を減圧下に濃縮してメタノールを留去す
る。残渣を酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を減圧
下に濃縮する。
得られる濃縮残渣にアセトン15gおよびヘキサン12gを
添加して35℃で1時間撹拌後、冷却し、3〜5℃に2時
間保つ。析出する結晶を過後、乾燥すれば4R(+)−
ヒドロキシ−2−(4−メトキシカルボニルブチル)−
2−シクロペンテノンが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 57/00 340 7419−4H C07B 57/00 340 346 7419−4H 346 (C12P 41/00 C12R 1:38) (C12P 41/00 C12R 1:06)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、R′は水素原子または低級アルキル基を示し、
    nは4〜8の整数を示し、*印は不斉炭素原子を示
    す。) で示される光学活性な4−ヒドロキシ−2−シクロペン
    テノン類および一般式(II) (式中、R″は低級アルキル基を示し、R′、nおよび
    *印は前記と同じ意味を表わす。) で示される光学活性な2−シクロペンテノンエステル類
    を含む混合物を、水に可溶性の有機溶媒と水の混合溶媒
    を下記の条件で用い、該混合溶媒中から晶析処理により
    光学活性な2−シクロペンテノンエステル類(II)を晶
    出・分離し、残液部から光学活性な4−ヒドロキシ−2
    −シクロペンテノン類(I)を回収することを特徴とす
    る光学活性な4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類
    (I)の分離法。 条件:「水に可溶性の有機溶媒/水の重量比が0.25〜10
    の範囲である混合溶媒を、光学活性な4−ヒドロキシ−
    2−シクロペンテノン類(I)および光学活性な2−シ
    クロペンテノンエステル類(II)の合計量の1〜20重量
    倍用いること。」
  2. 【請求項2】光学活性な4−ヒドロキシ−2−シクロペ
    ンテノン類(I)の回収に際し、有機溶媒中から再結晶
    処理を行う請求項1記載の分離法。
  3. 【請求項3】一般式(I)で示される光学活性な4−ヒ
    ドロキシ−2−シクロペンテノン類および一般式(II)
    で示される光学活性な2−シクロペンテノンエステル類
    を含む混合物が、一般式(III) (式中、R′、nおよびR″は前記と同じ意味を表わ
    す。) で示されるdl−シクロペンテノンエステル類を、シュー
    ドモナス属リパーゼまたはアルスロバクター属リパーゼ
    を用いて該エステル類の光学活性体のいずれか一方を不
    斉加水分解することによって得るものである請求項1ま
    たは2に記載の分離法。
  4. 【請求項4】水に可溶性の有機溶媒がアルコール類であ
    る請求項1、2または3に記載の分離法。
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