JP2695602B2 - ガラスセラミックス多層基板 - Google Patents
ガラスセラミックス多層基板Info
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Description
LSI等が高密度実装されるガラスセラミックス多層基
板に関するものである。
高密度実装されるセラミックス多層基板として、アルミ
ナセラミックスや、ガラス粉末とフィラー粉末の混合物
を焼成してなるガラスセラミックス多層基板が知られて
いる。中でもガラスセラミックス多層基板は、1000
℃以下の温度で焼成することができるため、導体抵抗の
低いAu、Ag、Cu等の低融点の金属材料を内層導体
として使用することが可能であり、注目されている。
ックス多層基板に要求される特性として、1000℃以
下の温度で焼成できることの他に、機械的強度が高いこ
と、シリコンチップを直接搭載できるようにシリコン
(熱膨張係数35×10-7/℃)と近似した熱膨張係数
を示すこと等が要求される。また高速演算処理を行う高
速信号回路用の基板については、これらの特性に加え、
6以下の低い誘電率(ε)を有することが求められてい
る。
スセラミックス多層基板においては、上記した要求特性
全てを満足するものは存在しないのが現状である。
コンと近似した熱膨張係数を示し、しかも高速演算処理
に対応できるように6以下の誘電率を有するガラスセラ
ミックス多層基板を提供することである。
を行った結果、ガラス成分として、コージエライト(2
MgO・2Al2 O3 ・5SiO2 )とガーナイト(Z
nO・Al2 O3 )を析出してなる結晶化ガラスを使用
することにより、上記目的が達成できることを見いだ
し、本発明を提案するに至った。
板は、重量百分率でガラス成分40〜80%、フィラー
成分20〜60%からなり、該ガラス粉末がSiO2 3
5〜50%、Al2 O3 21〜30%、MgO15〜3
0%、B2 O3 2〜15%、CaO0.1〜5%、Zn
O1〜6%の組成を有することを特徴とする。
ように限定した理由は、ガラス成分の割合が40%より
少ない(即ち、フィラー成分が60%より多い)と焼成
時に緻密化し難いために基板強度が著しく低下し、ガラ
ス成分が80%より多い(即ち、フィラー成分が20%
より少ない)とガラス成分が基板表面から浮き出し、表
面に印刷される導体との接着強度が低下するためであ
る。
定した理由を以下に示す。
ーであるとともに、コージエライトの構成成分であり、
その含有量は35〜50%、好ましくは39〜45%で
ある。SiO2 が35%より少ないとコージエライトの
析出量が少なくなり、機械的強度が低下するとともに、
低い誘電率が得られなくなる。一方50%より多いとガ
ラスの溶融性が悪くなるとともに、軟化点が高くなって
1000℃以下での焼成が困難となる。
トの構成成分であり、その含有量は21〜30%、好ま
しくは21〜25%である。Al2 O3 が21%より少
ないとこれらの結晶の析出量が少なくなって機械的強度
が低くなり、また低膨張、低誘電率を達成することがで
きなくなる。一方30%より多いと溶融性が悪くなる。
り、その含有量は15〜30%、好ましくは20〜25
%である。MgOが15%より少ないとコージエライト
が十分に析出しないために低膨張、低誘電率を達成でき
なくなり、30%より多いとガラスの成形時に失透し易
くなる。
分であり、その含有量は2〜15%、好ましくは5〜1
0%である。B2 O3 が2%より少ないとその効果がな
く、逆に15%より多いとガラスの耐水性が悪化し、高
温多湿の条件下で使用すると基板の変質が起こってしま
う。
を向上させる成分であり、その含有量は0.1〜5%、
好ましくは1〜5%である。CaOが0.1%より少な
いとその効果がなく、5%より多いとコージエライトの
析出を阻害してしまう。
の含有量は1〜6%、好ましくは1〜5%である。Zn
Oが1%より少ないとガーナイトが殆ど析出しなくなっ
て機械的強度が低下する。一方6%より多いと熱膨張係
数が大きくなり過ぎる。
ては、アルミナ、ムライト、コージエライト、ジルコニ
ア、ケイ酸ジルコニウムの群から選ばれる1種以上であ
ることが好ましい。
板の作製方法の一例を述べる。
ラー粉末とを所定の割合で秤取し、バインダー、可塑剤
及び溶剤等と混合してスラリーを調製する。バインダー
としては、例えばポリビニルブチラール樹脂やメタアク
リル酸樹脂等を用いることができ、可塑剤としてはフタ
ル酸ジブチル等を使用することができる。また溶剤とし
ては、例えばトルエン、メチルエチルケトン等を用いる
ことができる。
ステルフィルム上にドクターブレード法により塗布し、
厚み0.2mm程度のグリーンシートを製造する。これ
を乾燥し、所定の大きさに切断した後、各グリーンシー
トに機械的加工によりスルーホールを形成し、導体とな
るCuペーストをスルーホール及びグリーンシート表面
に印刷し形成する。さらにこれらのグリーンシートを複
数枚積層し、熱圧着により一体化する。
の速度で昇温し、500℃の温度で30分間保持するこ
とによって、グリーンシート中のバインダー、可塑剤等
の有機物質を除去する。その後毎分3℃の速度で900
〜1000℃まで昇温し、10分〜1時間保持して焼結
させ、本発明の多層基板を得る。
ス相に低膨張、低誘電率のコージエライトと高強度のガ
ーナイトが析出しているため、機械的強度が高く、シリ
コンに近似した熱膨張係数を示し、しかも誘電率が低い
焼結体である。
ミックス多層基板を説明する。
o.1〜6)及び比較例(試料No.7〜9)を示して
いる。
化アルミニウム、酸化マグネシウム、ホウ酸、炭酸カル
シウム、酸化亜鉛を調合し、これを白金坩堝に入れ、1
500℃で2時間保持して溶融した。次いでこの溶融ガ
ラスを薄板状に成形した後、アルミナボールで粉砕し、
分級することによって、平均粒径が約2μmのガラス粉
末を得た。
ス粉末とを所定の割合で混合した。なおセラミックス粉
末は、平均粒径が約2μmのものを使用した。
さ50mm、厚み1mmの短冊状試料、直径5mm、長
さ50mmの丸棒状試料、及び直径40mm、厚み2m
mの円板状試料にプレス成形した後、900℃で10分
間焼成した。続いて短冊状試料を用いて曲げ強度(三点
荷重方式)を測定し、丸棒状試料を用い、ディラトメー
ターにて30〜380℃における熱膨張係数を測定し、
円板状試料を用いて誘電率を測定した。
ある試料No.1〜6は、曲げ強度が1800〜230
0kg/cm2 、30〜380℃における熱膨張係数が
30〜45×10-7/℃、誘電率が5.0〜5.8であ
った。
は、MgOの含有量が少ないために熱膨張係数が52×
10-7/℃と高く、また誘電率も7.2と高い値を示し
た。試料No.8は、ZnOを含有していないために、
曲げ強度が900kg/cm2と低かった。また試料N
o.9はAl2 O3 の含有量が少ないために曲げ強度が
1300kg/cm2 と低く、熱膨張係数が50×10
-7/℃と高く、しかも誘電率が6.9と高かった。
成物を使用してセラミックス多層基板を作製した。図1
は焼成後のセラミックス多層基板の断面図を示したもの
であり、1はビア導体、2は内層導体パターン、3は最
外層導体、4はベアICチップ、5は突起電極、6は接
合材である。また表3は作製したセラミックス多層基板
の反りや変形の有無、端子強度、接続抵抗値の変化量を
それぞれ示している。
ラミックス組成物を用い、公知の技術によりグリーンシ
ートを複数枚作製した。さらに得られた各グリーンシー
トの所定の位置にビア孔を設け、CuOビア導体を充填
してビア導体1を形成し、また印刷法によりCuO内層
導体を用いて内層導体パターン2を形成した。その後、
これらのグリーンシートを積層して多層化し、脱バイン
ダーの後、H2 /N2グリーンガスにより還元し、90
0〜950℃の窒素雰囲気中で10分間焼成した。この
ようにして内層導体と同時焼成されたセラミックス多層
基板には、反りや変形は認められなかった。
刷して焼成し、最外層導体3を形成し、その端子強度を
測定した。端子強度が1.5mm角の電極で1.0kg
以上であれば実用レベルであるが、本実施例では表3に
示すように1.5〜1.9kg/1.5mm角の値を示
し、実用に十分耐え得ることがわかった。
合材に共晶ハンダを用い、フリップチップ実装法により
セラミックス多層基板にハンダ付けした。チップ実装後
の多層基板に対して、ヒートサイクル−40〜+125
℃、100サイクルの試験を行ったところ、接続部の断
線はなく1バンプ(ICパッドの大きさは100μm)
当たりの抵抗値の変化量は±20mΩと良好な値を示し
た。このように熱膨張係数をシリコンチップに近づけた
組成により、優れた信頼性のフリップチップ実装された
多層基板を得ることができた。
クス多層基板は、1000℃以下の温度で焼成が可能で
あり、シリコンチップを直接搭載できる低い熱膨張係数
を有し、高速演算処理に十分に対応できる6以下の低い
誘電率を有し、かつ高い機械的強度を有するものであ
り、セラミックス多層基板として好適である。
ップを実装した状態を示す断面図。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量百分率でガラス成分40〜80%、
フィラー成分20〜60%とを焼成してなり、該ガラス
成分がSiO2 35〜50%、Al2 O3 21〜30
%、MgO15〜30%、B2 O3 2〜15%、CaO
0.1〜5%、ZnO1〜6%の組成を有することを特
徴とするガラスセラミックス多層基板。 - 【請求項2】 フィラー成分が、アルミナ、ムライト、
コージエライト、ジルコニア及びケイ酸ジルコニウムの
群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項
1のガラスセラミックス多層基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5303834A JP2695602B2 (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | ガラスセラミックス多層基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5303834A JP2695602B2 (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | ガラスセラミックス多層基板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07162150A JPH07162150A (ja) | 1995-06-23 |
JP2695602B2 true JP2695602B2 (ja) | 1998-01-14 |
Family
ID=17925875
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5303834A Expired - Lifetime JP2695602B2 (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | ガラスセラミックス多層基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2695602B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100768662B1 (ko) | 2004-10-26 | 2007-10-18 | 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 | 세라믹 원료 조성물, 세라믹 기판 및 비가역 회로소자 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS61278195A (ja) * | 1985-06-03 | 1986-12-09 | 株式会社日立製作所 | 多層回路基板及びその製造方法 |
JP2712031B2 (ja) * | 1988-07-22 | 1998-02-10 | 岩城硝子株式会社 | 回路基板用組成物及びそれを使用した電子部品 |
JPH0350149A (ja) * | 1989-07-18 | 1991-03-04 | Mitsubishi Electric Corp | セラミックグリーンシートの製造方法 |
JPH05254923A (ja) * | 1992-03-10 | 1993-10-05 | Hitachi Ltd | セラミック組成物及びセラミック回路基板 |
-
1993
- 1993-12-03 JP JP5303834A patent/JP2695602B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07162150A (ja) | 1995-06-23 |
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