JP2694118B2 - 電磁誘導加熱式調理器の調理容器 - Google Patents
電磁誘導加熱式調理器の調理容器Info
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Description
に用いられる調理容器に関する。
い、この誘導コイルによる電磁誘導で調理容器を加熱し
て炊飯等の調理を行なう電磁誘導加熱式調理器が提供さ
れている。
れる調理容器は、非磁性金属材料からなる容器本体と、
この容器本体の外面に設けられた磁性金属材料との複合
構造に構成されている。
電流を発生させ、この渦電流に基づく磁性金属材料の発
熱で容器本体を加熱してその内部の内容物を調理するよ
うになっている。
熱を調理容器の全体に効率よく伝導させるために熱伝導
性に優れるアルミニウム等が用いられ、また磁性金属材
料としては、フェライト系ステンレス等が用いられてい
る。
て、アルミニウム板とステンレス板とを接合したクラッ
ド材をプレスして所定の容器形状に加工する方法が一般
に知られているが、この方法では容器の内面と外面とが
相似した形状の調理容器しか成形できず、形状上の制約
が生じる。
容器本体を成形し、この容器本体の外面にステンレス等
の磁性金属材料を溶射する方法が知られているが、この
場合には磁性金属材料層の膜厚を一定に仕上げることが
困難で、また溶射面にざらつきが生じる難点がある。
料を設ける場合には、容器本体の側面が加熱不足となっ
て調理時に加熱むらが生じる。そこで、磁性金属材料を
皿形状に形成し、この磁性金属材料を容器本体の外底面
から側面下部に亘る部分に接合するようにすることが考
えられている。このような構造の調理容器は、溶湯鍛造
法により製造することが可能である。すなわち、皿形状
に形成した磁性金属材料を金型内にセットし、この下型
内に容器本体の素材である溶融したアルミニウムを流し
込み、このアルミニウムを上型で加圧して容器本体を成
形し、この容器本体の外底面から側面下部に亘る部分に
前記磁性金属材料を接合させる方法である。
容器本体の側面部分においては、アルミニウムを加圧し
て磁性金属材料を接合させるときの力が重力方向に対し
て直交方向となるため、充分な接合力が得られず、接合
の信頼性が低下する難点がある。
たもので、その目的とするところは、磁性金属材料を容
器本体に充分な接合力で強固に接合させることができる
電磁誘導加熱式調理器の調理容器を提供することにあ
る。
的を達成するために、内枠の内部に調理容器が挿脱自在
に収納された電磁誘導加熱式調理器の調理容器におい
て、前記調理容器は側面部を有する皿形状に形成した磁
性金属材料を、非磁性金属材料からなる容器本体の外底
面から側面下部に亘る部分に接合させた調理容器であっ
て、前記磁性金属材料の上端縁の上方側における容器本
体の側面を、垂直に対してその外方側にαの角度だけ傾
斜させ、前記磁性金属材料の側面部を、垂直に対してそ
の外方側にβの角度だけ傾斜させ、βを10〜45°と
し、かつαとβとの関係をβ>αとしたものである。
おける容器本体の側面を、垂直に対してその外方側にα
の角度だけ傾斜させ、前記磁性金属材料の側面部を、垂
直に対してその外方側にβの角度だけ傾斜させ、βを1
0〜45°とし、かつβ>αとしてあると、溶湯鍛造時
にアルミニウム等の溶融金属をその成形用の下型内に流
し込み、この溶融金属を上型で押圧したときに、磁性金
属材料の側面部の部分にも充分な加圧力を作用させるこ
とができ、これにより磁性金属材料をその溶融金属で成
形される容器本体に強固に接合させることが可能とな
る。
照して説明する。図1には、炊飯器として構成された電
磁誘導加熱式調理器を示してあり、符号1が外枠で、こ
の外枠1内に合成樹脂により有底筒状に形成された内枠
2が収納されている。この内枠2は上部外周にフランジ
3を一体的に有し、このフランジ3が外枠1の上端の開
口縁部に係止され、この係止より内枠2が外枠1内に支
持されている。
れぞれ誘導コイル4,5が取り付けられ、これら誘導コ
イル4,5がコイルカバー6で覆われている。内枠2の
底面の中央部には開口2aが形成され、またコイルカバ
ー6の底面の中央部に鍋センサ7が取り付けられ、この
鍋センサ7が前記開口2aを通して内枠2の内底部に突
出している。
導コイル4,5の磁束の漏れを防止するために、酸化鉄
を主原料とした高透磁率の材料を焼結してなる複数のフ
ェライトコア8…が誘導コイル4,5の巻き方向と直交
するように設けられている。さらにこれらフェライトコ
ア8…の外周側にアルミニウムからなる防磁板9が設け
られている。
理容器10が挿脱自在に収納されている。この調理容器
10の上端の開口縁部にはその外側に折曲するフランジ
11が一体に形成され、さらに前記フランジ11の外周
縁部に断面がほぼ三角形状のグリップ部11aが一体に
形成されている。そして前記フランジ11が内枠2の上
端の開口縁部に掛け止められ、これにより調理容器10
が内枠2内に支持され、この支持状態において調理容器
10の外面と内枠2の内面との間に所定の隙間が確保さ
れている。
12が回動自在に取り付けられ、この蓋体12の下面に
放熱板13が設けられ、さらにこの放熱板13の下面に
蓋パッキング14および内蓋15が取り付けられ、前記
内蓋15により調理容器10の上端の開口部が開閉され
るようになっている。
て蓋クランプ12aが設けられ、この蓋クランプ12a
により蓋体12が係脱可能に係止され、この係止により
調理容器10の上端の開口部が前記内蓋15で閉塞さ
れ、かつ前記蓋パッキング14が調理容器10のフラン
ジ11の上面に密着し、またその係止の解除により蓋体
12をヒンジ1aを支点に上方に回動して調理容器10
の上端の開口部を開放することができるようになってい
る。
させる複数の小孔15a…が形成され、また蓋体12に
その蒸気を外部に放出させる蒸気口16が設けられてい
る。さらに蓋体12の放熱板13にはこの放熱板13を
加熱する蓋ヒータ17およびその放熱板13の温度を検
出する蓋センサ18が設けられている。また内枠2の外
周の中段部には胴ヒータ19が設けられている。
れ、この制御基板20に前記誘導コイル4,5に高周波
電流を供給するためのインバータ回路等が設けられてい
る。また外枠1の内底部にはモータ21で駆動される冷
却ファン22が設けられ、前記冷却ファン22に対向し
て外枠1の底面に吸気口23が形成され、さらに外枠1
の側面下部に排気口24が形成されている。
枠1の外部の空気が吸気口23から外枠1内に吸入され
るとともに、この空気が前記制御基板20に向けて送風
され、この送風空気で制御基板20が冷却されるように
なっている。
容器本体25と、この容器本体25の底面から側面下部
に亘る部分に接合された磁性金属材料26とで構成され
ている。
れた前記誘導コイル4,5に所定の間隔をあけて対向
し、また調理容器10の外底面の中央部に前記鍋センサ
7が接触し、この鍋センサ7により調理容器10の温度
が検出されるようになっている。
ータ回路により誘導コイル4,5に高周波電流が供給さ
れ、この高周波電流により誘導コイル4,5に交番磁界
が発生する。そしてその磁界中に配置する調理容器10
の磁性金属材料26に渦電流が流れ、この渦電流による
ジュール熱で磁性金属材料26が発熱し、この熱が容器
本体25に伝導し、これにより調理容器10内の内容
物、つまり米と水が加熱される。
次検出され、この検出温度に応じて、予め設定された制
御シーケンスに従って調理容器10の加熱量が調整さ
れ、この調整で炊飯や保温が行なわれる。
磁性金属材料としては、熱伝導が良好で軽量なアルミニ
ウムが用いられ、磁性金属材料26としてはフェライト
系ステンレス(SUS430)が用いられている。このフェラ
イト系ステンレスの板厚は 0.3〜0.8mm 、好ましくは
0.5〜0.6mm である。また、容器本体25の厚さは、磁
性金属材料26との接合部分では4mm(2.5 〜6mmの範
囲内で設定)、他の部分では約3mmである。
傾斜状の側面部26aを有する皿形状に形成されてい
る。また容器本体25の開口縁部にはその外方に突出す
るグリップ部25aが一体に形成されている。
する容器本体25の側面は、垂直に対してその外方側に
αの角度だけ傾斜し、また磁性金属材料26の側面部2
6aは垂直に対してその外方側にβの角度だけ傾斜して
いる。そしてβ>αの関係となっている。
5°としてある。またβは10〜45°、好ましくは3
0°とする。ただし、常にβ>αの関係が成り立つよう
にする。
直線状に傾斜しているのではなく、ごく緩やかな曲線状
をなし、その近似直線がαの角度で傾斜し、またβの角
度で傾斜する磁性金属材料26の側面部26aも直線状
に傾斜しているのではなく、緩やかな曲線状をなし、そ
の近似直線がβの角度で傾斜しているものである。
の側面部26aと接合する部分の側面は前記側面部26
aと相似する形状で傾斜し、この部分の側面と、この上
部側のαの角度で傾斜する部分の側面との堺は滑らかな
曲面状に仕上げられている。
り製造する。次にこの溶湯鍛造法について説明する。こ
の溶湯鍛造法においては、図3に示すように、下型aと
上型bとを用いる。下型aには、調理容器10の外形に
対応する形状の凹部cが形成され、また上型bには調理
容器10の内形に対応する形状の凸部dが形成されてい
る。
をプレスし、これを調理容器10の外底面から側面下部
に亘る部分に対応する皿形形状に成形して容器本体10
に接合すべき磁性金属材料26とする。この磁性金属材
料26の内面はブラスト処理により粗面化し、この処理
後にこの内面の上に鉄(Fe)を溶射して 100〜150μ
mの厚さのFe層を形成し、さらにこのFe層を真空熱
処理により焼結して磁性金属材料26の内面に結合させ
る。
を上に向けて下型aの凹部c内に挿入し、凹部cの内底
部にセットする。この状態で、容器本体25の素材とし
てのAC4CH等のアルミニウムを約800℃で溶融
し、この溶融したアルミニウムを下型aの凹部c内に所
定量流し込む。ついで、下型aの凹部c内に上型bの凸
部dを押し込んで溶融アルミニウムを約350tの圧力
で加圧する。この際、前記Fe層が磁性金属材料26と
アルミニウムとを結合させるバインダーとして作用し、
これにより磁性金属材料26がアルミニウムに強固に結
合する。
本体25となり、この容器本体25に磁性金属材料26
が一体的に接合する調理容器10が完成する。調理容器
10を製造した後には、この調理容器10の内面および
外面をブラスト処理により粗面化し、内面にはFEP樹
脂からなるプライマーを塗布した後に所定の絵柄をPA
T印刷等により印刷し、さらにこの上にPFA樹脂を主
体にした塗料をコーティングし、このコーティング膜を
エアオーブンで乾燥して焼成し、また外面にはフッ素樹
脂系の塗料をコーティングする。
は、磁性金属材料26の側面部26aを10°以上の角
度(β)で傾斜させてあるから、溶湯鍛造時に溶融アル
ミニウムを上型bの凸部dで押圧したときに、側面部2
6aの部分においても充分な加圧力が加わり、側面部2
6aと溶融アルミニウムとを強固に接合させることがで
きる。
側面部26aの傾斜角度(β)が10°未満であると、
溶融アルミニウムを上型bの凸部dで押圧したときに、
側面部26aの部分での加圧力が不足し、安定した接合
力を得られず、側面部26aと溶融アルミニウムとの接
合力にばらつきが生じる結果となった。
26aの傾斜角度(β)を種々変え、その各側面部26
aに溶湯鍛造法によりアルミニウムを接合させ、その接
合させたアルミニウムを一方向に引き上げて剥離させ、
この剥離に要した力を接合力として測定したときの結果
を示してある。なお、この測定には、図4に示すよう
に、磁性金属材料26の側面部26aにアルミニウムを
接合させた幅Lが10mmの試験片を用いた。
斜角度(β)が10°未満であると接合力が弱いが、1
0°以上であると接合力が増して充分で安定した接合力
が得られることが分かる。
5°を越えると、溶湯鍛造時における容積効率が悪くな
り、経済的に不利となるから、側面部26aの傾斜角度
(β)は10〜45°の範囲とすることが好ましい。
る容器本体25の側面の傾斜角度(α)は、磁性金属材
料26の側面部26aの傾斜角度(β)よりも小さい状
態にあり、このため調理容器10の内容積を効率よく確
保することができる。
の側面部26aに対応した部分は、側面部26aと相似
した比較的大きな角度で傾斜しており、このため例えば
調理容器10内で炊き上げたご飯をこの傾斜した内面に
沿ってしゃもじでよそうときにその操作がしやすい。
以上の比較的大きな角度で傾斜しており、このため溶湯
鍛造時の前処理としてこの磁性金属材料26の上面にブ
ラスト処理を施すときの作業や、鉄の粉末を溶射すると
きの作業を容易に能率よく行なうことができる。また調
理容器10を製造した後のその内面および外面へのコー
ティング処理の作業も容易に能率よく行なうことができ
る。
造するため、この調理容器10の内面と外面との形状を
異なる形状に成形でき、例えばフランジ11の外周縁部
にグリップ部11aを形成し、かつこのグリップ部11
aの断面をほぼ三角形状とする等、その形状を種々自由
に選定することができる。
形成したものであるから、その外面は滑らかな面とする
ことができ、また各部の厚さを一定に保って均一な加熱
特性を得ることができる。
体25の外底面から側面下部に亘る部分に接合されてい
るから、この磁性金属材料26に対向して誘導コイル
4,5を設けることにより、調理容器10の底部を局部
的に加熱することなく、底部から側面部分を有効に加熱
して調理時の加熱むらの発生を抑制することができる。
発明によれば、磁性金属材料を容器本体に充分な接合力
で強固に接合させることができる利点がある。また、調
理容器の内容積を効率よく確保することができる。 請求
項2に記載の発明によれば、調理容器の底部を局部的に
加熱することなく、底部から側面部分を有効に加熱して
調理時の加熱むらの発生を抑制することができる。ま
た、炊き上げたご飯を傾斜した内面に沿ってしゃもじで
よそうときにその操作がしやすい。
図。
の斜視図。
Claims (2)
- 【請求項1】内枠の内部に調理容器が挿脱自在に収納さ
れた電磁誘導加熱式調理器の調理容器において、前記調
理容器は側面部を有する皿形状に形成した磁性金属材料
を、非磁性金属材料からなる容器本体の外底面から側面
下部に亘る部分に接合させた調理容器であって、前記磁
性金属材料の上端縁の上方側における容器本体の側面
が、垂直に対してその外方側にαの角度だけ傾斜し、前
記磁性金属材料の側面部が、垂直に対してその外方側に
βの角度だけ傾斜し、βが10〜45°であり、かつα
とβとの関係がβ>αであることを特徴とする電磁誘導
加熱式調理器の調理容器。 - 【請求項2】磁性金属材料に対向して誘導コイルを設
け、調理容器内の米と水を加熱することを特徴とする請
求項1に記載の電磁誘導加熱式調理器の調理容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17108794A JP2694118B2 (ja) | 1994-07-22 | 1994-07-22 | 電磁誘導加熱式調理器の調理容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17108794A JP2694118B2 (ja) | 1994-07-22 | 1994-07-22 | 電磁誘導加熱式調理器の調理容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0833563A JPH0833563A (ja) | 1996-02-06 |
JP2694118B2 true JP2694118B2 (ja) | 1997-12-24 |
Family
ID=15916763
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17108794A Expired - Fee Related JP2694118B2 (ja) | 1994-07-22 | 1994-07-22 | 電磁誘導加熱式調理器の調理容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2694118B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013118103A (ja) * | 2011-12-02 | 2013-06-13 | Janome Sewing Mach Co Ltd | 誘導加熱装置 |
Families Citing this family (3)
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---|---|---|---|---|
CN103405145A (zh) * | 2013-09-04 | 2013-11-27 | 浙江苏泊尔股份有限公司 | 一种复底铸铝炊具 |
CN103876605B (zh) * | 2014-01-24 | 2016-09-07 | 捷赛厨电(北京)科技有限公司 | 清理锅底黏贴食物的锅及不锈钢电加热炊具 |
CN208808155U (zh) * | 2017-07-07 | 2019-05-03 | 浙江苏泊尔家电制造有限公司 | 内锅和电热煮饭器 |
-
1994
- 1994-07-22 JP JP17108794A patent/JP2694118B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2013118103A (ja) * | 2011-12-02 | 2013-06-13 | Janome Sewing Mach Co Ltd | 誘導加熱装置 |
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JPH0833563A (ja) | 1996-02-06 |
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