JP2693177B2

JP2693177B2 - 航空機用作業設備

Info

Publication number: JP2693177B2
Application number: JP63128030A
Authority: JP
Inventors: 順二森野; 和司小林; 昭夫山本
Original assignee: 株式会社大氣社
Priority date: 1988-05-25
Filing date: 1988-05-25
Publication date: 1997-12-24
Anticipated expiration: 2012-12-24
Also published as: JPH01297396A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、航空機ボディーの塗装作業等に用いる航空
機用作業設備に関し、詳しくは、航空機ボディーの長手
方向に延びる作業台を航空機ボディーの周面に沿って上
下複数断設置する航空機用作業設備に関する。

〔従来の技術〕

従来は、第６図及び第７図に示すように、各作業台
（２）上の作業空間を開空間とし、そして、作業台
（２）を設置した建屋（１）内の各所に換気装置の給気
部（7a）及び排気部（7b）を分散配置していた。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、各作業台上の作業空間は、最も重要な換気対
象域であるにもかかわらず、上下の作業台、及び航空機
ボディーにより三方を囲まれていることから換気効率が
悪く、その点、各作業台上の作業環境を良好に保つ上で
改善の余地があった。

又、建屋内の各所に分散配置した給気部からの換気空
気吹出し、及び、排気部からの排気をもって各作業台上
の作業空間を換気するには極めて大きな換気風量が必要
であり、そのために、換気装置に大型のものが必要とな
って設備コストが高く付くとともにランニングコストを
嵩むといった経済面での問題もあり、更には、作業に伴い発生した塵埃（特に塗装作業にあ
っては塗料ミストや溶剤ガス）が建屋内の全体に広が
り、建屋内全体の作業環境の悪化を招くといった問題も
あった。

本発明の目的は合理的な改良により上述問題を解消す
る点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明による航空機用作業設備の特徴構成は、航空機
ボディーの長手方向に延びる作業台を航空機ボディーの
周面に沿って上下複数段設置する構成において、前記作業台夫々の巾方向端部のうち航空機ボディーと
は反対側の端部どうしにわたる隔壁を、前記作業台の長
手方向にわたらせて張設し、上下の前記作業台、航空機ボディー、及び、前記隔壁
で囲まれる作業用のトンネル状制限空間に対する給気口
と排気口とを、そのトンネル状制限空間の長手方向に振
り分け配置し、前記給気口から前記トンネル状制限空間の内部へ換気
空気を流入させるとともに、前記排気口から前記トンネ
ル状制限空間の内部空気を排出する換気装置を設けてあ
ることにあり、その作用・効果は次の通りである。

〔作用〕

つまり、上述構成によれば、上下の作業台、航空機ボ
ディー、及び、隔壁で囲まれる作業用のトンネル状制限
空間（すなわち、作業台上の作業空間）は、外部に対し
遮断された状態で、給気口から排気口へかけてトンネル
状制限空間の内部をその長手方向（すなわち、作業台や
航空機ボディーの長手方向）に流通する換気空気により
集中的に換気される。

〔発明の効果〕

その結果、従来、換気効率が悪かった作業台上の作業
空間を効率良く確実に換気できるようになり、各作業台
上の作業環境を従前に比して大巾に改善し得るに至っ
た。

又、作業用制限空間を換気空気の内部流通により集中
的に換気するものであるから、少量の換気風量で効果的
な換気を行うことができ、換気風量の少量化により換気
装置を小型化し得て設備コスト及びランニングコストを
従前に比して低減し得る。

しかも、作業台上での作業に伴い発生する塵埃、又、
塗装作業に伴い発生する塗装ミストや溶剤ガスが建屋内
に広がることは隔壁により確実に阻止されるから、建屋
内の作業環境悪化も防止できる。

尚、隔壁を透明材で形成すれば、採光が可能となると
共に、トンネル状作業用制限空間内での作業状況を外部
から監視できて、管理面、並びに、安全面で有効であ
る。

又、隔壁を人為破断可能なシート材で形成すれば、ト
ンネル状作業用制限空間内で万一事故が発生した場合に
作業者はシート材の破断により迅速に外部へ退避でき、
安全面でより一層有効である。

〔実施例〕

次に実施例を説明する。

第１図ないし第５図は航空機ボディーの塗装に用いる
作業設備を示し、建屋（１）内に収容した塗装対象航空
機の両側において、航空機ボディー（Ａ）の長手方向に
延びる作業台（２）を航空機ボディー（Ａ）の周面に沿
って上下複数段設置してある。

航空機ボディー（Ａ）の両側夫々の作業台（２）群は
天井クレーン（３）により航空機ボディー（Ａ）から離
れた退避位置と航空機ボディー（Ａ）に近接する使用位
置とにわたって移動操作されるものである。

各作業台（２）の巾方向端縁のうち航空機ボディー
（Ａ）側の端縁部（2a）は航空機ボディー（Ａ）に対す
る遠近方向に摺動自在としており、この摺動調整により
各作業台（２）を航空機ボディー（Ａ）の周面に対して
適切にセッティングする。

又、各作業台群においては、上下夫々の作業台（２）
の巾方向端部のうち航空機ボディー（Ａ）とは反対側の
端部どうしにわたる隔壁（４）を作業台（２）のほぼ全
長にわたって張設してあり、各作業台（２）上の塗装作
業空間を、上下の作業台（２）、航空機ボディー
（Ａ）、及び、隔壁（４）に囲まれたトンネル状の制限
空間（５）としてある。

図中（６）は最上段の作業台（２）について上述と同
様のトンネル状制限空間（５）を形成すための天井であ
る。

一方、塗装作業空間であるトンネル状制限空間（５）
の夫々を換気するための構成としては、各トンネル状制
限空間（５）の長手方向中央部に隔壁（４）の不存部を
一部設け、この隔壁不存部を各制限空間（５）の内部へ
換気空気を取り入れるための給気口（7A）にしてある。

また、各トンネル状制限空間（５）の長手方向両端部
には排気口（7B）を設け、そして、トンネル状制限空間
（５）に対する換気装置として排気ファン（８）を、排
気風路（９）を介して上記の各排気口（7B）に接続して
ある。

つまり、上記の排気ファン（８）は、給気口（7A）か
ら各トンネル状制限空間（５）の内部へ換気空気を流入
させるとともに、排気口（7B）から各トンネル状制限空
間（５）の内部空気を排出する換気装置を構成するもの
であり、この排気ファン（８）により、トンネル状制限
空間（５）の夫々を、その長手方向で給気口（7A）から
排気口（7B）へ向け換気空気を内部流通させて集中的に
換気する。

排気風路（９）には、制限空間（５）からの排気空気
に含まれる塗料ミストのうち比較的粒径の大きいものを
捕捉するペーパーフィルター（10）、及び、細粒径のも
のを捕捉するための除塵ユニット（11）を介装してあ
り、除塵ユニット（11）は塗料ミスト捕捉用のプレフィ
ルター（11a）及び中性能バグフィルター（11b）と共に
前記の排気ファン（８）を内装する構成としてある。

除塵ユニット（11）を通過した排気空気は、制限空間
（５）内での塗装に伴い発生した溶剤ガスとともに屋外
に廃棄される。

尚、排気空気中に含まれる溶剤ガスを適宜後処理する
ようにしても良い。

（12）は浄化空気をトンネル状制限空間（５）の給気
口（7A）に向けて吹出す給気ユニットであり、給気ファ
ン（12a）、プレフィルター（12b）、中性能フィルター
（12c）を内装するものである。

つまり、吹出し浄化空気を換気空気として給気口（7
A）から制限空間（５）内へ取込ませることにより、塗
面に対する塵埃付着を防止して塗装品質を向上させるよ
うにしてある。

又、（13）は給気風路（14）を介して各制限空間
（５）の給気口（7A）付近に温調空気を供給する空調器
であり、夏場や冬場には、この温調空気供給によりトン
ネル状制限空間（５）を冷暖房する。

（15）は塗料タンク、（16）は塗料供給ポンプであ
り、塗料は固定供給管（17）、及び、作業者の移動を許
す螺旋状伸縮ホース（18）を介して、各作業者が持つス
プレーガン（19）に供給される。又、（18′）は作業者
の移動を許すスプレー用圧縮空気供給ホースである。

隔壁（４）は、不燃性、耐溶剤性を有するとともに帯
電性を有しない材質で、かつ、透明ないし半透明で、し
かも、人為破断が可能なシート材で形成してあり、隔壁
（４）を、透明ないし半透明とすることでトンネル状制
限空間（５）内を明るく保ち、又、人為的破断が可能な
シート材とすることで事故の際には隔壁（４）を破って
迅速に脱出できるようにしてある。

最下段の作業台（２）においては、航空機ボディー
（Ａ）の周面における塗装不要部分のマスキング、並び
に、航空機ボディー（Ａ）の周面と作業台（２）との間
のシーリングを兼ねるシート部材（20）を作業台（２）
の全長にわたって貼設してある。

図中（21）は航空機ボディー（Ａ）のうち垂直尾翼を
塗装するために上下複数段に設置した作業台群であり、
この作業台群においても隔壁（22）を設けて前述とほぼ
同形式の制限空間内換気を実施するようにしてある。

又、（23）は航空機ボディー（Ａ）の下部周面に対す
る階段状の塗装作業台である。

〔別実施例〕

次に別実施例を説明する。

トンネル状制限空間（５）の長手方向において給気口
（7A）と排気口（7B）とをどのように振り分け配置する
かは種々の構成変更が可能であり、例えば、トンネル状
制限空間（５）の長手方向中央部に排気口（7B）を配置
し、かつ、長手方向両端部に給気口（7A）を配置しても
よく、また、トンネル状制限空間（５）の長手方向一端
部に排気口（7B）を配置し、かつ、長手方向他端部に給
気口（7A）を配置してもよい。

給気口（7A）からの換気空気の流入と排気口（7B）か
らの内部空気排出とによるトンネル状制限空間（５）の
換気形態、及び、この流入と排出を行う換気装置の形態
としては、排気口（7B）からの強制排気と給気口（7A）
からの自然給気とによりトンネル状制限空間（５）を換
気するものとしてもよく、また、排気口（7B）からの強
制排気と給気口（7A）からの強制給気とによりトンネル
状制限空間（５）を換気するものとしてもよく、さらに
また、給気口（7A）からの強制給気と排気口（7B）から
の自然排気とによりトンネル状制限空間（５）を換気す
るものとしてもよい。

隔壁（４）はシート材であっても良く、又、板材であ
っても良く、材質も種々のものを適用できる。

本発明による航空機用作業設備は塗装作業用に限定さ
れるものではなく、航空機ボディーに対する種々の作業
に適用できる。

尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする
為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構
造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本発明の実施例を示し、第１図は
全体構成を示す概略斜視図、第２図は、断面図、第３図
は拡大断面図、第４図は平面視拡大断面図、第５図は側
面視拡大断面図である。第６図及び第７図は従来例を示
す平面図と正面、図である。（２）……作業台、（４）……隔壁、（５）……制限空
間、（7A）……給気口、（7B）……排気口、（８）……
換気装置、（Ａ）……航空機ボディー。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】航空機ボディー（Ａ）の長手方向に延びる
作業台（２）を航空機ボディー（Ａ）の周面に沿って上
下複数段設置する航空機用作業設備であって、前記作業台（２）夫々の巾方向端部のうち航空機ボディ
ー（Ａ）とは反対側の端部どうしにわたる隔壁（４）
を、前記作業台（２）の長手方向にわたらせて張設し、上下の前記作業台（２）、航空機ボディー（Ａ）、及
び、前記隔壁（４）で囲まれる作業用のトンネル状制限
空間（５）に対する給気口（7A）と排気口（7B）とを、
そのトンネル状制限空間（５）の長手方向に振り分け配
置し、前記給気口（7A）から前記トンネル状制限空間（５）の
内部へ換気空気を流入させるとともに、前記排気口（7
B）から前記トンネル状制限空間（５）の内部空気を排
出する換気装置（８）を設けてある航空機用作業設備。
【請求項２】前記隔壁（４）が透明材から成る請求項１
記載の航空機用作業設備。
【請求項３】前記隔壁（４）が人為破断可能なシート材
から成る請求項１又は２記載の航空機用作業設備。