JP2691788B2 - 鉄道線路の異常検出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、鉄道線路の異常の有無を検出する鉄道線路
の異常検出装置に関する。

（従来の技術） 従来、レールの破損、枕木のひび、ボルトの緩みなと
の線路の点検は、点検要員がレールに沿って歩きながら
目視により行っていた。

（発明が解決しようとする課題） このように従来の線路の異常点検作業は、点検要員が
レールに沿って歩きながら行っていたので、点検に時間
がかかるという問題があった。

さらに、多数の点検要員を必要とするので、点検作業
に要する経費も多額であるという問題があった。

本発明は、これらの点に鑑み、線路の点検作業の高速
化、省力化を図るとともに、点検作業に要する経費の低
減化を図ることを目的とする。

（課題を解決するための手段） かかる目的を達成するために、本発明は以下のように
構成した。

すなわち、本発明は、鉄道線路の画像を前記鉄道線路
の幅方向に読み取るラインセンサと、前記ラインセンサ
を前記鉄道線路の方向に移動させてその読み取った線路
画像を記憶する記憶手段と、前記ラインセンサで前記線
路画像をあらかじめ読み取り前記記憶手段に基準画像と
して記憶する基準画像作成手段と、前記ラインセンサを
前記鉄道線路の方向に移動させて読み取った検査用画像
を、基準画像作成手段であらかじめ作成し記憶した前記
基準画像と比較する比較手段と、その比較結果に基づ
き、鉄道線路の異常個所を特定して出力する出力手段
と、を備えてなるものである。

（作用） このように構成する本発明は、レール上を走行する走
行車に搭載し、以下のように使用する。

まず、線路の異常検出に先立って、線路の画像を鉄道
線路の幅方向に読み取るラインセンサを鉄道線路の方向
に移動させて、あらかじめ読み取った線路画像を基準画
像として記憶手段に記憶しておく。

次に、線路の異常検出時には、前記ラインセンサを鉄
道線路の方向に移動させて再び線路の画像を読み取り検
出用画像とする。そして、比較手段は、その検査用画像
を記憶手段に記憶されている基準画像と比較する。出力
手段は、その比較結果に基づき線路の異常個所を特定し
て出力する。

（実施例） 以下、図面を参照して本発明実施例について詳細に説
明する。

第１図は本発明実施例のブロック図である。第１図に
おいて、１、１は地表に枕木２を介して敷設した鉄道の
左右一対のレール、３はレール１と枕木２とを連結する
ボルトであり、これらは後述するように観察対象であ
る。

４はレール１、１に向けてその幅方向に照射する光源
であり、この光源４としては赤外線ランプが好適であ
る。赤外線によれば、夜間の作業の場合、作業者がまぶ
しくならないからである。５は地表やレール１からの反
射光を画像センサ６の感光面に導くレンズである。

６は軌道面を撮影するカメラに内臓する画像センサで
あり、CCDなどの受光素子を一直線上に配置した信号転
送方式のイメージセンサであるラインセンサである。ラ
インセンサはレール１、１の幅方向の長さ（例えば240c
m）を一度に読み取るものであり、画素数1000のものを
用いる。この画像センサ６で読み取った画像データは、
１ライン毎に一時的に画像バッファ７に記憶する。画像
バッファ７は、一定量の画像データを記憶可能である。

８はマイクロコンピュータなどで構成する画像処理部
であり、後述のように所定の画像処理や各部の制御を行
う。

９は記憶部であり、画像バッファ７に記憶される画像
データが所定量になったときに、その画像データをアナ
ログまたはデジタルデータとして記憶する。この記憶部
９の記憶媒体は、光ディスクや磁気テープなどの記憶容
量が大きいものが好適である。

10は画像処理部８における処理結果などを表示出力す
るCRTなどの表示装置、11は同様にその処理結果などを
印刷出力する印刷装置である。

そして、このように各部からなる本発明実施例は、レ
ール１、１を走行する走行車（図示せず）に搭載し、そ
の観察時には走行車は例えば50kg/時（14m/秒）の一定
速度で走行する。

次に、このように構成する本実施例の画像処理の一例
について説明する。

まず、レール１、１上を走行車が光源４を点灯しなが
ら夜間走行し、基準画像を撮影する。

この場合には、光源４からの赤外光は地表やレール
１、１に向けて照射され、その反射光に応じたレール１
などの画像が画像センサ６で撮影される。

すると、画像センサ６からはその画像に応じた画像デ
ータが出力され、画像データは１ライン毎に画像バッフ
ァ７に格納される。そして、画像バッファ７に所定量の
画像データが格納されると、記憶部９に所定量単位で画
像データが転送される。

このようにして、保線区域に応じた所定量の基準画像
を撮影すると、その撮影を終了する。このとき、今迄に
撮影した基準画像のデータは全て記憶部７に記憶され、
保存する。

次に、例えば４日間経過後、上述の基準画像の撮影時
と同一の条件で走行車を夜間走行させ、検査用画像を撮
影する。

この場合には、画像センサ６で撮影して得られる検査
用画像データは、上述と同様に画像バッファ７に格納し
ていく。そして、画像バッファ７の格納量が所定量にな
ると、その検査用画像データと、あらかじめ記憶部９に
格納されている同一場所を撮影した基準画像のデータと
を画像処理部８に転送する。

画像処理部８では、検査用画像データを基準画像デー
タと比較し、その差異を異常にかかる画像データとして
検出する。そして、この検出されたデータにより、異常
個所の画像を作成し、表示装置10および印刷装置11にそ
れぞれ出力する。

これを第２図を参照して詳述すると、あらかじめ記憶
されている所定個所の基準画像Ａとそれに対応する現在
撮影中の検査用画像Ｂとを重ね合せ、その差異が有意と
認められる場合にその差異を異常個所として検出し表示
出力する。従って、第２図のように、レール１の割れ
目、ボルト３の破損やゆるみなどの異常個所のみが表示
出力される。

（発明の効果） 以上のように本発明は、基準となる線路の基準画像を
あらかじめ読み取って記憶しておき、線路の異常検出時
には、線路の画像を読み取りながらこれを基準画像と比
較し、その比較結果に基づいて線路の異常個所を特定し
て出力するようにした。従って、鉄道線路の点検作業の
高速化、省力化が図れる。

また、線路の異常検出に先立って、あらかじめライン
センサが線路の画像を読み取り、その読み取った画像を
基準画像として記憶手段に記憶しておくので、数値化し
て記憶することができないレールの破損、枕木のひびな
どの異常をこの基準画像作成手段により作成された基準
画像をもとに発見できる。基準画像が異なった場合であ
っても、基準画像を撮影し記憶するだけであるので、基
準画像の作成が容易である。

さらに、画像の読取りには鉄道線路の画像を線路の幅
方向に読み取るラインセンサを用い、このラインセンサ
を前記鉄道線路の方向に移動させたので、検出された画
像データは時系列に従って出力されるから、画像データ
を配列し直す処理工程は不要であり、高速の処理が可能
であり、走行車を高速で走行させることができ調査時間
がきわめて短時間で済むという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例のブロック図、第２図はその動作
の一例を説明する説明図である。 １……レール、２……枕木、３……ボルト、４……光
源、６……画像センサ、 ８、20……画像処理部、９、21……記憶部、10……表示
装置、11……印刷装置。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】鉄道線路の画像を前記鉄道線路の幅方向に
   読み取るラインセンサと、 前記ラインセンサを前記鉄道線路の方向に移動させてそ
   の読み取った線路画像を記憶する記憶手段と、 前記ラインセンサで前記線路画像をあらかじめ読み取り
   前記記憶手段に基準画像として記憶する基準画像作成手
   段と、 前記ラインセンサを前記鉄道線路の方向に移動させて読
   み取った検査用画像を、前記基準画像作成手段であらか
   じめ作成し記憶した前記基準画像と比較する比較手段
   と、 その比較結果に基づき、鉄道線路の異常個所を特定して
   出力する出力手段と、を備えてなる鉄道線路の異常検出
   装置。