JP2689011B2 - 線形送信装置 - Google Patents

線形送信装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高周波帯の電力増幅に利用する。特に、包絡
線の信号レベルが大きく変化する変調波を高い電力効率
で増幅する線形増幅器に関する。本発明は、高周波電力
増幅器の電源電圧を入力変調波の包絡線により制御する
線形増幅器において、入力変調波の包絡線と出力側の包
絡線との差信号により高周波電力増幅器の入力変調波を
変調することにより、電源電圧の制御だけでは調整でき
ない程度に高速の入力変調波に対する線形性を実現する
ものである。
〔従来の技術〕
従来から、線形送信装置に動作クラスがA級ないしAB
級の高周波電力増幅器が用いられている。このような電
力増幅器は、入力信号の包絡線が小さい場合には電力効
率が低下する欠点があった。このため、例えば電池を電
力源とする携帯形の無線機では、電池の消耗が大きく、
無線機の使用時間が短くなるなどの問題があった。
この問題を解決した従来の線形増幅器の構成例を第29
図に示す。
この従来例は、本願出願人が先に出願したドレイン制
御形高効率線形増幅器を用いた線形送信装置の構成例で
ある。この増幅器の詳細は、特開昭62−274906号公報に
開示されている。
入力端子1にはアナログ信号またはディジタル信号が
入力され、この信号が変調部2により変調される。この
変調波は、飽和形の電力増幅器4により増幅され、出力
端子9から出力される。
電力増幅器4は増幅端子として電界効果トランジスタ
を含み、この電界効果トランジスタのドレイン電圧を入
力信号の包絡線にほぼ比例して制御し、電力増幅器4の
飽和出力レベルを入力信号の包絡線に追従させる。
このような制御により、電力増幅器4を高効率の飽和
状態に保ったまま、これを線形増幅器として動作させ
る。このため、通常の飽和形増幅器では極めて高いレベ
ルで発生する出力歪を、大きく低減させることができ
る。しかも、電力増幅器4の入力電力が小さいときで
も、入力電力の変化に応じてドレイン電圧を変化させる
ことにより、電力増幅器4を実質的に飽和状態で動作さ
せることができ、電力効率の大きな劣化を防ぐことがで
きる。
ドレイン電圧は、直流電源端子8から、直流直流変換
器またはシリーズ制御トランジスタにより構成された直
流電圧変換回路7を介して供給される。ドレイン電圧を
制御するには、入力変調波を方向性結合器3で分岐し、
その包絡線信号を包絡線検波回路5により検出し、この
包絡線検波回路5の出力を補正回路6でレベルシフトそ
の他のレベル補正を行って直流電圧変換回路7を制御す
る。
この従来例装置は、高効率の飽和形高周波電力増幅器
を用いた線形増幅器を実現できる。例えば、電力増幅器
4として電力効率が70%のものを用い、直流電圧変換回
路7として電力効率が70%の直流直流変換器を使用すれ
ば、理想的には総合効率49%の線形送信装置を実現でき
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
電力増幅器の線形性を高精度に実現するためには、電
力増幅器4への入力信号に対して電力利用が一定に保た
れるように、電源端子電圧を変化させる必要がある。し
かし、電力増幅器の製造上のバラツキ、温度変化等の原
因により、その特性は劣化するのが一般的である。この
ため、上述した構成でも、高周波増幅器の線形性は十分
とはいえなかった。
本発明は、以上の課題を解決し、高速の変調波を高い
電力効率で線形に増幅する線形送信装置を提供すること
を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の線形送信装置は、電力増幅器に供給される直
流バイアス電圧を入力変調波の包絡線信号レベルにより
制御する電圧制御手段を備えた線形送信装置において、
電圧制御手段は、変調波から求めた包絡線の振幅および
位相を等化してバイアス手段に供給する周波数等化回路
を含むことができる。また、これとは別に、またはこの
構成に組み合わせて、変調波から求めた包絡線の信号レ
ベルがあらかじめ定められた値より小さいときはバイア
ス手段の出力電圧を一定値以上に保持する手段を含むこ
とができる。
電力増幅器の入力信号を包絡線信号レベルと電力増幅
器の出力信号の包絡線信号レベルとの差により制御する
入力制御手段をさらに備えることが望ましい。この入力
制御手段は、電力増幅器が多段増幅器の場合には、その
最終段の増幅器に入力される信号を制御すればよい。し
たがって、途中の段の増幅器で信号レベルを制御しても
よい。
線形送信装置の送信出力の制御が必要な場合には、電
圧制御手段の制御量と入力制御手段の制御量とを互いに
関連させて調整する手段をさらに備えることが望まし
い。
〔作 用〕
電力増幅器の電源電圧を入力変調波の包絡線にしたが
って変化させることにより、電源効率を改善し、飽和形
高周波電力増幅器の線形性を向上させることができる。
ところで、電圧制御や送信系の特性変動などにより、制
御系には不完全性が生じる。これは残留歪の原因とな
る。この残留歪を除去するため、入出力包絡線の差信号
により電力増幅器への入力変調波信号を振幅変調する。
これにより、高制度に振幅歪補償を行うことができ、歪
低減効果がさらに増大する。
この構成では包絡線を負帰還しているが、この負帰還
の構成は通常の帰還系と異なる。すなわち、あらかじめ
基準の包絡線により電源電圧を制御しているので、歪は
かなり低減し、電源電圧を制御しないときと比較して入
出力の包絡線による帰還系の閉ループ利得を小さくする
ことができる。このため、負帰還系が安定に動作する。
さらに、負帰還系では残留歪を除去するだけなので、比
較的簡単な回路でも、広帯域の周波数特性をもたせ、十
分な振幅歪補償を行うことができる。
また、変調速度の速い信号を増幅する場合には、直流
電圧変換回路の入力側に周波数等化回路を設ける。直流
電圧変換回路として直流直流変換器を用いるとすると、
このスイッチング周波数は高々1MHz程度であり、周波数
帯域は30kHz程度である。このため、線形増幅できる変
調速度が制御される。直流電圧変換回路に周波数等化回
路を前置すれば、直流電圧変換回路の周波数特性を等価
的に広げることができ、より高速の変調波を増幅でき
る。
電力増幅器の能動素子を動作させるには、ある値以上
のバイアス電圧を印加する必要がある。しかし、電源電
圧を制御するための包絡線の信号レベルがある場合値よ
り小さくなると、能動素子が動作しない電圧を印加する
場合が生じる。このような場合には、増幅された信号に
歪が生じる。これを防止するため、能動素子の特性を考
慮して、直流電圧変換回路の出力電圧があらかじめ定め
られた電圧以下にならないように制御し、増幅器を線形
に動作させる。
〔実施例〕
第1図は本発明第一実施例の線形送信装置を示すブロ
ック構成図である。
この実施例の線形送信装置は、変調波を入力信号とす
る電力増幅器4を備え、この電力増幅器4の直流バイア
ス電圧を供給するバイアス手段として直流電圧変換回路
7を備え、この直流電圧変換回路7の出力電圧を電力増
幅器4に入力される変調波の包絡線信号レベルにより制
御する電圧制御手段として方向性結合器3および包絡線
検波回路5を備える。
電力増幅器4の入力信号はアナログ信号またはディジ
タル信号を変調した信号であり、変調波入力端子1′か
ら供給される。電力増幅器4の増幅出力は出力端子9か
ら出力される。直流電圧変換回路7には、直流電源端子
8から直流電圧が供給される。
ここで本実施例の特徴とするところは、電力値幅器4
の入力信号を変調波入力端子1′から入力される変調波
の包絡線信号レベルと電力増幅器4の出力信号の包絡線
信号レベルとの差により制御する入力制御手段として、
方向性結合器13、包絡線検波回路14、差信号生成回路1
5、直流増幅器16および電力制御回路19を備えたことに
ある。
方向性結合器3は変調波入力端子1′に入力された変
調波を分岐し、包絡線検波回路5は分岐された信号の包
絡線を検出する。また、電力増幅器4の出力例では、方
向性結合器13が出力信号を分岐し、包絡線検波回路14が
その信号の包絡線を検出する。
包絡線検波回路5の出力する入力側の包絡線信号は、
直流電圧変換回路7に供給される。直流電圧変換回路7
は、包絡線検波回路5からの信号により、それにほぼ追
随した電圧を出力する。この電圧は電力増幅器4の電源
端子に供給され、包絡線に比例した高周波出力を得る。
これらの動作により、電力増幅器4の動作が線形動作
となり、歪の少ない増幅を行うことができる。しかも、
線形増幅器として電流効率が直流電圧変換回路7により
改善される。
ところで、一般に高周波電力増幅器は、製造上のバラ
ツキや周囲温度によりその特性が変化する。これを改善
するため、出力側の包絡線と入力側の包絡線とを比較
し、電力増幅器4の入力電力を補正する。すなわち、差
信号生成回路15により入力と出力の誤差を求め、誤差信
号を直流増幅器16を介して電力制御回路19に供給する。
電力制御回路19は、電力増幅器4の振幅特性が線形にな
るように、この電力増幅器4への入力電力を補正する。
具体的には、電力増幅器4に入力される信号を変調す
る。
このような構成において、例えば歪を50dB抑圧する場
合には、入力側の包絡線検波回路5の出力により電源電
圧を制御することで20〜30dB程度の歪抑圧が可能である
ため、帰還系の歪抑圧量は20〜30dB程度で十分である。
このため、直流増幅器16に要求される利得は、高々20〜
30dB程度である。これに対して通常の包絡線帰還だけの
構成では、ループ利得として50dBが必要になる。このよ
うに本実施例は、ループ利得が小さい非常に安定な負帰
還系を利用できる。
第2図、第3図は、それぞれ差信号生成回路15、直流
増幅器16の構成例を示す。
差信号生成回路15は入力端子151、152および出力端子
158を備え、演算増幅器156と抵抗153、154、155および1
57とより構成される。入力端子151、152には包絡線検波
回路5、14の出力が供給される。入力端子151、152の信
号は、それぞれ抵抗153、154を介して演算増幅器156に
供給される。演算増幅器156の非反転入力は抵抗155を介
して接地され、出力は抵抗157を介して反転入力に帰還
接続される。
直流増幅器16は入力端子162および出力端子168を備
え、演算増幅器166と抵抗163、164、165および167とに
より構成される。入力端子162には差信号生成回路15の
出力が供給され、抵抗164を介して演算増幅器166の非反
転入力に供給される。演算増幅器166の非反転入力はさ
らには、抵抗165を介して接地される。演算増幅器166の
反転入力は抵抗163を介して接地され、出力は抵抗167を
介して反転入力に帰還接続される。
第4図は電力制御回路の一例を示す回路図である。こ
の例は、PINダイオードを用いた構成を示す。
変調波入力端子1902には変調波入力端子1′の信号が
供給され、制御端子1908には直流増幅器16を介して誤差
信号が入力される。出力端子1911は電力増幅器4に接続
される。
電源端子1901は抵抗1903を介してPINダイオード1912
に接続される。変調波入力端子1902はバイパス用コンデ
ンサ1904、1905を介してPINダイオード1909のアノード
端子に接続され、コンデンサ1904と1905との接続点に抵
抗1903とPINダイオード1912との接続点が接続される。P
INダイオード1909のアノード端子はまた、チョークコイ
ル1906を介して制御端子1908に接続され、この制御端子
1908はバイパス用のコンデンサ1907を介して接地され
る。PINダイオード1909のカソード端子は、バイパス用
のコンデンサ1910を介して出力端子1911に接続され、抵
抗1915を介して接地される。PINダイオード1912のカソ
ード端子は、PINダイオード1913のアノード端子に接続
され、コンデンサ1914を介して接地される。
この回路では、制御端子1908の制御電圧により、PIN
ダイオード1909、1912および1913の高周波抵抗が変化す
る。このため等価的にπ形抵抗減衰器となり、高周波電
力が減衰する。
第5図は電力制御回路の別の例を示す回路図であり、
デュアルゲートFETを用いた構成を示す。
制御端子1921には直流増幅器16を介して誤差信号が入
力される。変調波入力端子1924には変調波入力端子1′
の信号が入力される。出力端子1939は電力増幅器4に接
続される。電源端子1933には電源電圧が供給される。
制御端子1921は抵抗1922を介してデュアルゲートFET1
928の一方のゲート端子に接続され、抵抗1922とゲート
端子との接続点がバイパス用のコンデンサ1923を介して
接地される。
変調波入力端子1924は、バイパス用のコンデンサ1925
および整合用のインダクタ1927を経由して、デュアルゲ
ートFET1928の他方のゲート端子に接続される。コンデ
ンサ1925とインダクタ1927との接続点は、整合用のキャ
パシタ1926を介して接地される。
インダクタ1927とデュアルゲートFET1928との接続点
には、電源端子1933の電圧が、抵抗1931および1932によ
り分圧され、チョークコイル1929を介して供給される。
チョークコイル1929、抵抗1931および抵抗1932の接続点
はバイパス用のコンデンサ1930を介して接地される。
デュアルゲートFET1928のソース端子は接地され、ド
レイン端子には電源端子1933の電圧がチョークコイル19
34を介して供給される。電源端子1933とチョークコイル
1934との接続点はバイパス用のコンデンサ1935を介して
接地される。デュアルゲートFET1928のドレイン端子は
また、整合用のインダクタ1936と、バイパス用のコンデ
ンサ1938とを介して出力端子1939に接続される。インダ
クタ1936とコンデンサ1938との接続点は、整合用のキャ
パシタ1937を介して接地される。
変調波入力端子1924から入力された変調波は、デュア
ルゲートFET1928により増幅される。このとき、電力利
得が制御端子1921に印加される電圧により変化する。こ
れは、第二ゲートの電圧によりデュアルゲートFET1928
の相互コンダクタンスが変化するからである。これによ
り、高精度の振幅制御が可能である。
第6図は本発明第二実施例の線形送信装置を示すブロ
ック構成図である。
この実施例は、電力増幅器4に入力される変調波の包
絡線を求めるために、ベースバンド帯域におけるディジ
タル演算処理を用いることが第一実施例と異なる。
すなわち、変調部20に複素包絡線生成回路21、ディジ
タル・アナログ変換器22、23、直交変調器24および搬送
波発振器25を備え、変調波の包絡線を求めるために、包
絡線生成回路100およびディジタル・アナログ変換器102
を備える。
入力端子1にはベースバンド信号が入力され、この信
号が、複素包絡線生成回路21、ディジタル・アナログ変
換器22、23および直交変調器24を経由して変調波とな
り、これが電力増幅器4に入力される。直交変調器24に
は、搬送波発振器25から搬送波が供給される。
まず、複素包絡線生成回路21、ディジタル・アナログ
変換器22、23、直交変調器24および搬送波発振器25の動
作について説明する。これらの回路は包絡線および位相
が変化する変調信号を発生する公知の回路であり、例え
ば、御代時博、小野光洋、青野達也共著、「ボーレート
可変QPSK変調器の開発」、昭和63年電子情報通信学会春
期全国大会講演論文集、分冊B−1、論文番号SB−3−
2にその使用例が示されている。
ここで、変調波の搬送波角周波数をω、包絡線信号
をR(t)、変調位相をφ(t)とすると、変調波e
(t)は一般的に、 e(t)=R(t)・Re〔exp[jφ(t)]・exp[jωct]〕 =Re〔E(t)・exp[jωct]〕 ……(1) と表される。ただし、Re〔f〕は関数fの実数部を示
す。E(t)は複素包絡線であり、 E(t)=I(t)−jQ(t) ……(2) と表される。I(t)、Q(t)をそれぞれ同相包絡線
成分、直交包絡線成分という。
複素包絡線生成回路21では、入力端子1からの変調入
力に応じた同相包絡線成分I(t)および直交包絡線成
分Q(t)の値を、ディジタル処理により算出する。こ
の計算値をそれぞれディジタル・アナログ変換器22、23
でアナログ電圧に変換することにより、I(t)、Q
(t)の波形が得られる。これらの波形を直交変調器24
に入力する。この直交変調器24は、I(t)、Q(t)
にそれぞれ同相搬送波、直交搬送波を乗算し、これらを
加え合わせることによりe(t)を求める。
包絡線生成回路100は、複素包絡線生成回路21が生成
した複素包絡線、すなわちI(t)、Q(t)の値を用
いて、電力増幅器4に入力される変調波の包絡線R
(t)、 R(t)=〔I(t)+Q(t)1/2 ……(4) を求める。この包絡線R(t)はディジタル信号処理に
より得られ、そのまま、あるいは何らかの補正を施した
後に、ディジタル・アナログ変換器102に出力される。
ディジタル・アナログ変換器102は、この信号をアナロ
グ信号に変換し、これを直流電圧変換回路7に供給す
る。
このように、電圧制御用の包絡線信号をディジタル信
号処理により生成するため、非常に精度が高く、しかも
安定な信号を生成できる。
ディジタル・アナログ変換器102の出力はまた、信号
変換回路18を介して差信号生成回路15に供給される。
電力増幅器4の出力信号については、方向性結合器13
により分岐し、包絡線検波回路器14により出力の包絡線
を生成して差信号生成回路15に入力する。
第一実施例では、入出力の包絡線を双方ともに同一構
成の包絡線検波回路5、14で検出しているので、その包
絡線検波回路5、14に用いる半導体素子に非線形特性が
あった場合でも、差信号を生成するときにその特性を相
殺できた。これに対して第二実施例では、出力側の包絡
線には包絡線検波回路14の非線形特性による影響が残
り、入力側の包絡線は線形信号となる。このため、二つ
の包絡線をそのまま比較することはできない。二つの包
絡線を正確に比較するには、包絡線検波回路14の非線形
特性を相殺する必要がある。
そこで第二実施例では、ディジタル・アナログ変換器
102と差信号生成回路15との間に、包絡線検波回路14と
同一の回路または同一特性を実現する回路により構成さ
れた信号変換回路18を挿入する。この信号変換回路18に
より、差信号生成回路15の出力から包絡線検波回路14の
検波特性の影響が相殺され、入力の包絡線信号と出力の
包絡線信号との差分が出力される。
差信号生成回路15の出力は、直流増幅器16により増幅
され、電力制御回路19に入力される。電力制御回路19
は、電力増幅器4に入力される変調波信号を振幅変調す
ることにより、その電力を補正する。これらの動作は第
一実施例と同等である。
このようにして、電源電圧を制御するとともに電力増
幅器4の入力を制御することにより、高速な包絡線変動
を伴う変調波に対して、電源効率に優れ、高精度でかつ
安定に動作する線形送信装置を実現できる。
第7図と第8図に包絡線検波回路の一例の回路図を示
す。
包絡線検波回路としては、従来から、ダイオードを用
いたものや、トランジスタを用いたものが知られてい
る。第7図にダイオードを用いた回路を示し、第8図は
トランジスタを用いた回路を示す。
第7図に示した回路では、変調波入力端子1401がコン
デンサ1402を介してダイオード1405のアノード端子に接
続され、ダイオード1405のカソード端子は、出力端子14
08に接続される。ダイオード1405にはさらに、電源1404
からのバイアス電圧が、抵抗1403、1407を介して供給さ
れる。ダイオード1405の出力側はコンデンサ1406を介し
て接地される。
変調波入力端子1401に入力された変調波は、コンデン
サ1402により直流分がカットされ、ダイオード1405に入
力する。このとき、ダイオード1405のアノード電圧より
高い成分のみがコンデンサ1406に通電し、搬送波が半波
整流される。コンデンサ1406は、搬送波をバイパスし、
包絡線のみを出力端子1408に出力する。
出力端子1408に得られる検波電圧は、ダイオード1405
の非線形特性によって生じる成分を含む。上述した第一
実施例の場合には、入出力で共にこのような検波回路を
用い、ダイオード特性も揃ったものを用いることによ
り、差信号生成回路15の出力からダイオード特性を相殺
することができる。
第8図に示した回路では、変調波入力端子1411が直流
カット用のコンデンサ1412を介してトランジスタ1413の
ベース端子に接続される。電源端子1414は、ベース電圧
バイアス用の抵抗1415、1416を経由して接地され、二つ
の抵抗1415、1416の接続点がトランジスタ1413のベース
端子に接続される。電源端子1414と接地点との間にはま
た、コレクタ・エミッタ間バイアス用の抵抗1417、1418
を介してトランジスタ1413が挿入される。バイアス安定
化用の抵抗1418には、直流成分のみが印加されるよう
に、交流バイパス用のデンサ1419が並列に接続される。
トランジスタ1413のコレクタ端子は、コンデンサ1420を
介して接地されると共に、出力端子1421に接続される。
変調波入力端子1411に入力された変調波は、トランジ
スタ1413におけるベース・エミッタ間のダイオード特性
により半波整流され、コレクタ端子に出力される。この
出力の搬送波は、コンデンサ1420により除去され、出力
端子1421には包絡線のみが出力される。この出力信号に
も、ダイオードによる包絡線検波の場合と同様に、ベー
ス・エミッタ間のダイオード特性が重畳される。このダ
イオード特性は、第一実施例で用いる場合には、ダイオ
ードを用いた場合と同様に、入出力に同等の回路を用い
ることにより相殺できる。
これに対して第二実施例の場合には、入力側の包絡線
について、複素包絡線信号を演算することにより求めて
いる。この場合の包絡線波形は、演算のビット数を大き
くすることにより高精度となる。この一方で、出力側に
ついては、ダイオードを用いた包絡線検波回路14を使用
している。このため、検出波形にはダイオードの非線形
特性による成分が含まれ、そのまま入力側の包絡線との
差信号を生成することはできない。そこで、ディジタル
・アナログ変換器102と差信号生成回路15との間に、出
力側の包絡線検波回路14と実質的に同一の直流特性を有
する信号変換回路18を挿入する。
第9図にダイオード特性の一例を示し、第10図に信号
変換回路18の特性の一例を示す。
包絡線検波回路14内のダイオードが第9図に示す特性
を示すとき、信号変換回路18内にも同じ特性のダイオー
ドを設け、このダイオードに、ディジタル・アナログ変
換器102の出力した包絡線信号にバイアス電圧を加えて
入力する。このとき信号変換回路18の出力には、ダイオ
ードの非線形特性を有する包絡線信号が出力される。こ
の信号を用い、出力側の包絡線信号との差信号を生成す
ることにより、差信号からダイオード特性を相殺され
る。
第11図と第12図に信号変換回路18の一例を示す。第11
図に示した回路は包絡線検波回路14として第7図に示し
た回路を用いた場合のものであり、その回路の直流カッ
ト用コンデンサ1402を除去した回路そのものである。ま
た第12図に示した回路は、包絡線検波回路14として第8
図に示した回路を用いた場合のものであり、その回路の
直流カット用コンデンサ1412を除去した回路そのもので
ある。
信号変換回路18に用いる半導体素子を包絡線検波回路
14のものとほほ同一のものとすることにより、誤差なく
差信号を生成できる。搬送波除去用のコンデンサ1406、
1420の有無は特性に依存しない。
このように、包絡線検波回路14と信号変換回路18を用
いる構成により、より精度の高い包絡線帰還系を達成で
きる。
第13図は本発明第三実施例線形送信装置の要部のブロ
ック構成図である。
本実施例は、二段構成の電力増幅器4′を用い、電力
制御回路19′により途中の段(この場合は初段)の増幅
器で信号レベルを制御するものである。
直流電圧変換回路7には、制御信号として、第一実施
例における包絡線検波回路5の出力、または第二実施例
におけるディジタル・アナログ変換器102の出力が供給
される。電力制御回路19′には、制御信号として、直流
増幅器16の出力が供給される。電力増幅器4′の高周波
入力端子401には、第一実施例における変調波入力端子
1′の変調波、または第二実施例における直交変調器24
の出力が供給される。
直流電圧変換回路7および電力制御回路19′にはま
た、直流電源端子8から直流電圧が供給される。直流電
圧変換回路7の出力は電力増幅器4′の最終段のドレイ
ンバイアス端子403に接続される。電力制御回路19′の
出力は電力増幅器4′の初段のドレインバイアス端子40
2に接続される。
高周波入力端子401は、入力整合回路404を介してFET4
05のゲート端子に接続される。FET405のドレイン端子は
チョークコイル406を介してドレインバイアス端子402に
接続され、ソース端子は接地される。FET405のドレイン
端子はまた、段間整合回路407を介してFET408のゲート
端子に接続される。FET408のドレイン端子はチョークコ
イル409を介してドレインバイアス端子403に接続され、
ソース端子は接地される。FET408のドレイン端子はま
た、出力整合回路410を介して高周波出力端子411に接続
される。
電力制御回路19′は、FET405のドレインバイアスを制
御する。これによりFET405の電力利得が変化し、FET405
には差信号により変調された信号が供給される。このよ
うにして、電力増幅器4′全体として、より精度の高い
振幅補償を行うことができる。
第14図は第三実施例で用いられる電力制御回路19′の
一例を示す回路図である 電源端子1941には直流電源端子8から直流電圧が供給
される。電源端子1941はトランジスタ1942のコレクタ・
エミッタを介して出力端子1943に接続される。トランジ
スタ1942のエミッタ端子は電圧分割用の抵抗1944、1945
を介して接地され、抵抗1944、1945の接続点が演算増幅
器1947の反転入力に接続される。演算増幅器1946の非反
転入力には、制御端子1947からの制御信号が供給され
る。演算増幅器1946の出力はトランジスタ1942のベース
端子に接続される。
トランジスタ1942は、電源端子1941に印加された直流
電圧を制御し、これを出力端子1943に供給する。演算増
幅器1946は、出力端子1943の電圧の分圧電圧と、制御端
子1947から入力された制御電圧とを比較し、その差をト
ランジスタ1942のベース端子に供給する。これにより出
力端子1943には、精度の高い電圧が出力される。この出
力電圧は、ドレインバイアス端子402に供給され、FET40
5に変調を加える。
このように、送信系の増幅器の電力利得を電圧制御す
ることにより、送信系全体として振幅をより高精度に制
御する。
第15図は本発明第四実施例線形送信装置のブロック構
成図である。
この実施例装置は、送信出力制御端子1951が設けられ
たことと、包絡線検波回路5と直流電圧変換回路7との
間および差信号生成回路15と電力制御回路19との間に、
それぞれレベル制御回路1952、1953を備えたことが第一
実施例と異なる。
送信出力制御端子1951には送信出力制御信号が入力さ
れる。レベル制御回路1952は、この送信出力制御信号に
より、直流電圧変換回路7に入力される信号レベルを調
整する。レベル制御回路1953は、送信出力制御信号に基
づいて差信号生成回路15の出力を調整し、電力制御回路
19による制御量を調整する。これにより、送信出力が制
御される。
第16図は本発明第五実施例線形送信装置のブロック構
成図である。
この実施例装置は、RFスイッチ1954を備え、送信出力
制御端子1951の制御信号がこのRFスイッチ1954に供給さ
れるとともに、直流電圧変換回路7にも供給される。直
流電圧変換回路7は、送信出力制御端子1951の制御信号
により、電力増幅器4へのバイアス供給を停止する。こ
れと同時にRFスイッチ1954は、電力増幅器4(および電
力制御回路19)の入力レベルをカットする。これにより
送信出力が停止する。
第17図は本発明の第六実施例を示すブロック構成図で
あり、第18図は本発明の第七実施例を示すブロック構成
図である。
上述した第一実施例および第二実施例では、直流電圧
変換回路7の入出力の遮断周波数が、非常に小さく、10
KHz程度である。よって、この遮断周波数より高い周波
数で変動する変調波信号の増幅器においては、直流電圧
変換回路7は変調波信号の変化に追随できない。その結
果出力には歪みが発生する。例えば、スイッチングレギ
ュレータの周波数特性はレギュレータ内の制御用スイッ
チ周波数やフィルタなどに依存する。この周波数特性を
改善するためには制御用スイッチ周波数を高くすればよ
いが、スイッチであるトランジスタやダイオードのスイ
ッチング特性により高々500kHz程度である。このため十
分な周波数特性を得ることが困難であり、その結果、変
調周波数の高い変調波信号に対しては十分な線形送信装
置を実現できない。
第六実施例および第七実施例は、これらの欠点を除去
して簡易な構成で等価的に入出力の周波数特性を広帯域
化するものであり、包絡線検波回路5から直流電圧変換
回路7に供給される制御信号の振幅および位相を等化す
る周波数等化回路11を備えたことが第一実施例および第
二実施例と異なる。
第19図は周波数等化回路11の詳細を示すブロック構成
図である。
この周波数等化回路11は、抵抗R1〜R6と、コンデンサ
C1およびC2と、演算増幅器112および113とを含んで構成
される。そして、抵抗R1およびR6の一端は入力端子111
に接続され、抵抗R1の他端は抵抗R2、コンデンサC1およ
びC2の一端に共通接続され、抵抗R2の他端は接地され、
コンデンサC1の他端は抵抗R3の他端および抵抗R4の一端
とともに演算増幅器112の出力に接続され、コンデンサC
2の他端は抵抗R3の一端とともに演算増幅器112の反転入
力端子に接続され、演算増幅器112の非反転入力端子は
接地され、抵抗R4の他端は抵抗R5の一端および抵抗R6
他端とともに演算増幅器113の反転入力端子に接続さ
れ、演算増幅器113の非反転入力端子は接地され、演算
増幅器113の出力は抵抗R5の他端および出力端子114に接
続される。
第20図は、QPSK変調方式における包絡線信号のスペク
トラムの一例、すなわち式(4)の包絡線信号R(t)
の周波数分布を示す特性図である。ただし、ロール・オ
フ=0.5、伝送速度は32Kb/sである。電力増幅器4の振
幅歪を50dB以下に抑えるためには、直流電圧制御回路7
の周波数特性は、直流成分より50dB低いスペクトラム成
分まで含む必要がある。したがってこの場合には、約40
〜50KHzまでの帯域が必要である。
第21図はこの帯域を得るための周波数等化特性の例を
示す。曲線Aは周波数等化前の直流電圧変換回路7の周
波数特性を示し、その遮断周波数は10KHz以下である。
これに対し周波数等化回路11は、曲線Bのように、高周
波域で振幅が大となる周波数特性をもつ。したがって、
この等化信号が直流電圧変換回路7を通過すると、その
特性が曲線Cに示すようになる。すなわち、遮断周波数
が50KHz以上となる。この改善された直流電圧変換回路
7の出力電圧により電力増幅器4のドレイン電圧VDが制
御され、高速の変調波信号を増幅することが可能であ
る。
このように周波数特性を有する周波数等化回路11は、
第19図にその一例を示したように、演算増幅器、抵抗お
よびコンデンサを用いて簡単に実現できる(ウィリアム
著、加藤監訳「電子フィルタ」マグロウヒル社、参
照)。
第22図は本発明の第八実施例を示すブロック構成図で
あり、第23図は本発明の第九実施例を示すブロック構成
図である。
これらの実施例は、包絡線の信号レベルがあらかじめ
定められた値により小さいときに直流電圧変換回路7の
出力電圧を一定値以上に保持する手段として、レベル変
換回路12を備えたことが第一実施例および第二実施例と
異なる。
第24図は高周波入力電圧に対して電力増幅器4の利得
が一定となるドレイン電圧特性の例を示す。
第24図において、一点鎖線は、ドレイン電圧がある値
(第24図の例では約2V)以上のときに電力増幅器4が動
作し、しかも高周波入力電圧とドレイン電圧との関係が
ほぼ線形の場合を示す。この場合には、包絡線検波回路
14の出力を適切な増幅率で増幅するとともに、その電圧
レベルをシフトさせれば、電力増幅器4の線形性を保つ
ことができる。
これに対して、第24図において実線で示したように、
ドレイン電圧特性が高周波入力電圧に対して非線形であ
り、入力電圧が小さい領域ではほぼ一定のドレイン電圧
を必要とする場合がある。このような場合には、第24図
に破線で示した折線で近似する。すなわち、高周波入力
電圧がVS以下のときには一定値V0のドレイン電圧が必要
になり、入力電圧がVSを越えたときには高周波入力電圧
に対して線形に増加するドレイン電圧が必要になると近
似する。このような特性を得るためのレベル変換回路の
一例を第25図に示す。
入力端子1201には包絡線検波回路5の出力した包絡線
信号が供給される。この入力端子1201は抵抗器1202を介
して演算増幅器1203の反転入力に接続される。演算増幅
器1203の非反転入力は接地される。演算増幅器1203の出
力は、ダイオード1204のアノードと、ダイオード1205の
カソードとに接続される。ダイオード1205のカソードは
演算増幅器1203の反転入力に接続される。この反転入力
にはさらに、抵抗1206を介して電圧−VSが供給される。
抵抗1206と演算増幅器1203の接続点は、抵抗1208を介し
てダイオード1205のアノードに接続される。ダイオード
1205のアノードはさらに、抵抗1208を介して演算増幅器
1209の反転入力に接続される。演算増幅器1209の非反転
入力には電圧V0が供給される。演算増幅器1209の出力は
抵抗1210を介して反転入力に帰還接続されるとともに、
出力端子1211を介して直流電圧変換回路7に出力され
る。
入力端子1201の信号レベルが電圧VS以下のときには、
ダイオード1204が導通、ダイオード1205が非導通とな
り、演算増幅器1203は利得が「1」の正相増幅器とな
る。演算増幅器1203の非反転入力は接地されているた
め、その出力は零電位となる。このため、電圧−VSが抵
抗1206および1207を介して抵抗1208に印加される。
入力端子1201の信号レベルが電圧VSを越えると、ダイ
オード1204が非導通、ダイオード1205が導通となり、演
算増幅器1203が反転増幅器として動作する。
演算増幅器1209は、オフセット電圧V0を加えて抵抗12
08からの信号を増幅する。この増幅された信号を出力端
子1211を介して直流電圧変換回路7に供給することによ
り、電力増幅器4のドレインバイアス電圧を第24図に破
線で示したように制御できる。高周波入力電圧がVSを越
えたときの傾きについては、抵抗1207および1210の値を
選択することにより設定できる。
このようにして、包絡線の信号レベルが小さいときで
も電力増幅器4を十分に動作させることができ、歪の少
ない出力信号を得ることができる。
第26図は本発明の第十実施例を示すブロック構成図で
あり、第27図は第十一実施例を示すブロック構成図であ
る。
これらの実施例は、周波数等化回路11とレベル変換回
路12とを備えたことが第一実施例および第二実施例と異
なる。すなわち、周波数等化回路11およびレベル変換回
路12を介して直流電圧変換回路7を制御する。ここで注
意する点は、周波数等化後にレベル変換を行うことであ
り、その反対では効果がない。このような構成により、
より安定で高精度の電圧制御を行うことができ、より高
速の信号の低歪で高効率に線形増幅できる。
第23図は第二実施例の出力の電力スペクトラムの一例
を示す。この例では、変調形式としてオフセットQPSKを
用いた。図の縦軸は電力スペクトラムを示し、横軸は周
波数を示す。電力増幅器4としては飽和形のものを用
い、ドレイン電圧を制御しない直流電圧のみで動作させ
たとき、ドレイン電圧を入力側の包絡線にしたがって制
御したとき、およびドレイン電圧を制御するとともに出
力側の包絡線により帰還をかけたときの出力を示す。そ
れぞれの歪補償により、帯域外副射(f±Δf、f±2
Δf)が小さくなっていくことがわかる。
以上の説明では、制御信号により直流電圧を制御する
直流電圧変換回路7として、直流直流変換器またはシリ
ーズ制御トランジスタを例示した。直流直流変換器とし
ては、通常S級増幅器と呼ばれるパルス幅変調を用いた
直流電圧変換回路を使用できる。また、これと動作原理
が極めて類似したものに、降圧形直流直流変換器や、ス
イッチングレギュレータもあり、このような直流電圧変
換回路を使用できる。
また、本明細書においてバイアス電圧が供給される端
子とは、少なくとも高周波電力増幅器を構成している能
動素子の電源が供給される端子であり、バイポーラトラ
ンジスタのエミッタ接地形増幅器ではコレクタ電極、FE
Tのソース接地形式ではドレイン電極の電圧を制御でき
る電源端子、さらには陽極端子をいう。また、高周波電
力増幅器が多段で構成されている場合でも、構成トラン
ジスタのいずれか、またはすべての電源端子の電圧を制
御しても本発明を同様に実施できる。さらに、変調器と
電力増幅器との間に周波数変換が伴う中間周波数変調の
場合にも本発明を同様に実施できる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の線形送信装置は、飽和
形高周波電力増幅器を用い、変調波の包絡線によりその
増幅器の電源電圧を制御し、その電力増幅器の出力包絡
線と入力包絡線との差により高周波電力増幅器への入力
変調波を振幅変調をかける。これにより、電源電圧の制
御だけでは調整できない程度に高速の入力変調波に対す
る線形性を実現することができる。
また、ベースバンド信号から包絡線を求めて制御信号
とする場合に、出力包絡線の検波回路と同一または同特
性の検波回路により検波特性を相殺することにより、精
度の高い制御信号を生成できる。
さらに、直流電圧変換回路の制御信号を周波数等化す
ることにより、直流電圧変換回路を等価的に広帯域化す
ることができ、電力増幅器の入力変調波の包絡線が小さ
い場合でも電源端子電圧を一定値以上に保持することに
より、能動素子から必要以上の歪が発生することを防止
でき、飽和形電力増幅器の線形性を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明第一実施例の線形送信装置を示すブロッ
ク構成図。 第2図は差信号生成回路の一例を示す回路図。 第3図は直流増幅器の一例を示す回路図。 第4図は電力制御回路の一例を示す回路図。 第5図は電力制御回路の別の例を示す回路図。 第6図は本発明第二実施例の線形送信装置を示すブロッ
ク構成図。 第7図は包絡線検波回路の一例を示す回路図。 第8図は包絡線検波回路の別の例を示す回路図。 第9図はダイオード特性を示す図。 第10図は信号変換回路の特性を示す図。 第11図は信号変換回路の一例を示す図。 第12図は信号変換回路の別の例を示す図。 第13図は本発明第三実施例の線形送信装置の要部を示す
ブロック構成図。 第14図はこの実施例で用いられる電力制御回路の一例を
示す図。 第15図は本発明第四実施例の線形送信装置を示すブロッ
ク構成図。 第16図は本発明第五実施例の線形送信装置を示すブロッ
ク構成図。 第17図は本発明第六実施例の線形送信装置を示すブロッ
ク構成図。 第18図は本発明第七実施例の線形送信装置を示すブロッ
ク構成図。 第19図は周波数等化回路の一例を示す回路図。 第20図は包絡線スペクトラムの一例を示す図。 第21図は周波数特性の一例を示す図。 第22図は本発明第八実施例の線形送信装置を示すブロッ
ク構成図。 第23図は本発明第九実施例の線形送信装置を示すブロッ
ク構成図。 第24図は高周波入力電圧に対して高周波電力増幅器の利
得が一定となるドレイン電圧特性の一例を示す図。 第25図はレベル変換回路の一例を示す回路図。 第26図は本発明第十実施例の線形送信装置を示すブロッ
ク構成図。 第27図は本発明第十一実施例の線形送信装置を示すブロ
ック構成図。 第28図は第二実施例の出力電力スペクトラムの一例を示
す図。 第29図は従来例線形送信装置のブロック構成図。 1……入力端子、1′……変調波入力端子、2、20……
変調部、3、13……方向性結合器、4……電力増幅器、
5、14……包絡線検波回路、6、17……補正回路、7…
…直流電圧変換回路、8……直流電源端子、9……出力
端子、11……周波数等化回路、12……レベル変換回路、
15……差信号生成回路、16……直流増幅器、18……信号
変換回路、21……複素包絡線生成回路、22、23、102…
…ディジタル・アナログ変換器、24……直交変調器、25
……搬送波発振器、100……包絡線生成回路、1951……
送信出力制御端子、1952、1953……レベル制御回路、19
54……RFスイッチ。
フロントページの続き (72)発明者 山尾 泰 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 鷹見 忠雄 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 冨里 繁 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−276809(JP,A) 実開 昭62−198711(JP,U) 実開 昭61−18618(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変調波を入力信号とする電力増幅器と、 この電力増幅器に直流バイアス電圧を供給するバイアス
    手段と、 このバイアス手段の出力電圧を前記変調波の包絡線信号
    レベルより制御する電圧制御手段と を備えた線形送信装置において、 前記電力増幅器の入力信号を前記包絡線信号レベルと前
    記電力増幅器の出力信号の包絡線信号レベルとの差によ
    り制御する入力制御手段を備え、 前記電圧制御手段は、変調波から求めた包絡線の振幅お
    よび位相を等化して前記バイアス手段に供給する周波数
    等化回路を含む ことを特徴とする線形送信装置。
  2. 【請求項2】変調波を入力信号とする電力増幅器と、 この電力増幅器に直流バイアス電圧を供給するバイアス
    手段と、 このバイアス手段の出力電圧を前記変調波の包絡線信号
    レベルにより制御する電圧制御手段と を備えた線形送信装置において、 前記電力増幅器の入力信号を前記包絡線信号レベルと前
    記電力増幅器の出力信号の包絡線信号レベルとの差によ
    り制御する入力制御手段を備え、 前記電圧制御手段は、変調波から求めた包絡線の信号レ
    ベルがあらかじめ定められた値より小さいときには前記
    バイアス手段の出力電圧を一定値以上に保持する手段を
    含む ことを特徴とする線形送信装置。
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