JP2686151B2 - 背面投射形立体映像装置 - Google Patents

背面投射形立体映像装置

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JP2686151B2
JP2686151B2 JP1224385A JP22438589A JP2686151B2 JP 2686151 B2 JP2686151 B2 JP 2686151B2 JP 1224385 A JP1224385 A JP 1224385A JP 22438589 A JP22438589 A JP 22438589A JP 2686151 B2 JP2686151 B2 JP 2686151B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は背面投射形立体映像装置に関わり、とくに立
体映像を生成する左右の映像相互間の洩れを低減し、優
れた立体感を得ることができる立体映像装置に係わる。
[従来の技術] 従来の投射形立体映像装置は特開昭63−316037号公報
に記載され、第9図に示すように、二つの投射装置21と
22より出射される左回り円偏光(左円偏光)と右回り円
偏光(右円偏光)の光をスクリーン1の前面で反射さ
せ、上記反射光をそれぞれ、左円偏向板と左偏向板より
なる偏光眼鏡3を用いて見るようになっていた。
[発明が解決しようとする課題] 上記前面投射形の従来技術では、投射光をスクリーン
1の表面で反射させるため、スクリーン1の材質、その
他の特性の影響を受けにくいという長所が得られるもの
の、投射装置をスクリーン11の前に置く必要上、広い設
置スペースを要し、また、それらが視聴者の邪魔になる
という問題があった。
上記前面投射形の欠点を改善するためには、第10図に
示すような上記投射装置をスクリーンの背面に配置した
背面投射形の構成を採用する必要があった。第10図にお
いて、スクリーン1は二つの投射装置21と22からの投射
光を集光するフレネルレンズ5と、上記集光された光を
水平方向に適宜拡散するためのレンチキュラシート4よ
り構成される。しかし、背面投射形では光がスクリーン
を通過するため、スクリーン材質の光学異方性の影響を
受け、立体感が害なわれるという問題があり、実用化さ
れていなかった。
本発明の目的は、上記問題を解消した背面投射形立体
映像装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するためには、スクリーン材質の光
学異方性によって生じる光学位相差と上記立体感、すな
わち、コントラスト比との関係を明らかにしておく必要
がある。
周知のように立体像は、左円偏光と右円偏光、あるい
は互いに直交する二つの直線偏光のように、相互に区別
可能な二種類の光を用いて、右目用の像と左目用の像と
を生成し、この両者を偏光眼鏡を介して見るようになっ
ている。
この場合、左目の中に右目用の光成分が入ったり、ま
た、右目の中に左目用の光成分が入ったりすると立体感
が害なわれるようになる。コントラスト比とは、このよ
うな所用光と不要光との比として定義され、その値が低
い程、立体感が低下することになる。
本発明が対象とする背面投射形の場合、投射装置から
出射された左目用と右目用の光はそれぞれ、スクリーン
部材を通過する際にその複屈折性によって位相歪を受
け、例えば、左円偏光の入射光は右円偏光や直線偏光等
の不要な成分を伴って出射するようになる。これらの不
要成分が上記コントラスト比を劣化させる原因となる。
第11図は、背面投射形映像装置における光源(投射装
置からの光)と偏光眼鏡迄の間に介在する光学系(スク
リーン)の理想的な位相特性を要約して示したものであ
る。A欄は光源とスクリーンからの出射光が共に円偏光
の場合で、無限大のコントラスト比が得られるスクリー
ンの上記光位相差はNを正負の整数としてNπラジアン
である。B欄は光源が円偏光、スクリーンからの出射光
が直線偏光の場合で、上記の値は(Nπ±π/2)ラジア
ンとなる。同様にC、D欄は、光源が共に直線偏光、ス
クリーンからの出射光がそれぞれ、直線偏光、円偏光と
なる場合で、それぞれに対応する値はNπ、(Nπ±π
/2)ラジアンとなる。E欄は、光源である直線偏光の偏
光面がスクリーンまでの光学系の光学主軸と一致してい
る場合で、上記光位相差にかかわりなく理想的な直線偏
光出力が得られる。
いま、左目用の光が右目用偏光板を通過した後の強度
を11c(不要光)、右目用の光が右目用偏光板を通過し
た後の強度をI2c(必要光)とし、スクリーンで受けた
光位相差をΔδすると、 となる。ここでΔδは第11図に示した理想値からのずれ
を示し、また、各添字のcは円偏光を指し、直線偏光の
場合には上記添字を1とする。
これにより、コントラスト比は式(3)のようにな
り、これより第12図が得られる。
第12図より、コントラスト比を10以上にするスクリー
ンの上記光位相差Δδの値は0.2πラジアン以下、コン
トラスト比を30以上にするΔδの値は0.11πラジアン以
下、また、コントラスト比を50以上にするΔδの値は0.
09πラジアン以下であることがわかる。
通常、立体映像として鑑賞可能なコントラスト比の限
界は10、良好な立体像を得るには30以上、完全な立体像
には50以上が必要とされている。したがって、上記光位
相差Δδは少なくとも0.2πラジアン以下とする必要が
ある。
同様に、出射光が直線偏光の場合の不要光の強度I11
と必要光の強度I21はそれぞれ、 で与えられた、コントラスト比は となる。ただし、φは直線偏光の偏向面が光学部品(ス
クリーン)の光学主軸となす角度である。
式(6)はφの値に対し、2φ=π/2のとき、最小値
をあたえ、式(7)に示すように式(3)と一致する。
このとき、上記円偏向のときと同様に、コントラスト
比を10以上に対する光位相差Δδは0.2πラジアン以
下、同30以上に対するΔδは0.11πラジアン以下、同50
以上に対するΔδは0.09πラジアン以下という値にな
る。
また、式(6)はΔδの値に対し、Δδ=πのとき、
最小値をあたえ、式(8)のようになり、これより第13
図が得られる。
このとき、コントラスト比を10以上にするφの値は0.
05πラジアン以下、同30以上に対するφは0.03πラジア
ン以下、同50以上に対するφは0.02πラジアン以下とい
う値が得られる。これより、直線偏光の立体映像光を見
る場合、入力直線偏光が光学部品となす角度を少なくと
も0.05πラジアン以下とする必要のあることがわかる。
以上より、10以上のコントラスト比を得るための条件
を要約すると第14図のようになる。
このため、本発明の背面投射形立体映像装置では、入
射光と出射光が共に直線偏光、或いは共に円偏光の場合
は、スクリーンを含む光学系の光位相差δを、Nを0を
含む正負の整数として、 (N−0.2)π≦δ≦(N+0.2)π ラジアンの範囲内に入るようにし、また、入射光と出射
光がそれぞれ直線偏光と円偏光、或いはその逆の場合
は、上記δを、NをOを含む正負の整数として、 (N±1/2−0.2)π≦δ≦(N±1/2+0.2)π ラジアンの範囲内に入るようにし、少なくとも、10以上
のコントラスト比が得られるようにする。また、上記ス
クリーンをフレネルレンズとレンチキュラシートとによ
り構成するようにする。
さらに、上記フレネルレンズとレンチキュラシート
は、アクリル樹脂、またはアクリル・スチレン共重合樹
脂を押出しロール成形し製作し、生産性、経済性等を向
上するようにする。
さらに、上記フレネルレンズを互いに直交する2枚の
リニアフレネルシートにより構成するようにする。
さらに、光源と上記スクリーンとの間に、光位相調整
板装置を設け、出力を円偏光から直線偏光、或いはその
逆に変更できるようにし、また、その取付角度を調整し
てコントラスト比をさらに向上するようにする。
また、上記フレネルレンズまたはフレネルシートのフ
レネルプリズム部を紫外線硬化性樹脂により透明基板上
に設けるようにする。
[作用] 以上のように構成した本発明の背面投射形立体映像装
置は、スクリーンを構成するフレネルレンズとレンチキ
ュラシートのそれぞれを、所要の強度を得るために必要
な適度な厚みの範囲内で、加工性の良いロール成形法に
より製造でき、同時に良好な光位相差を確保出来るの
で、勝れたコントラスト比を得ることができる。
また、光位相調整により、出射光を円偏光から直線偏
光へ、或いはその逆に変換し、また、その取付角度の調
整により、コントラスト比をさらに向上することができ
る。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
背面投射形立体映像装置の光学系は第1図の1−1欄
に示すように、フレネルレンズとレンチキュラシートに
より構成される。この両者が光学的に不均質であると光
位相差が発生し、コントラスト比を劣化させる。同図1
−2、および1−3は位相補償板6、または7を用いて
上記位相差を補償した場合を示している。
フレネルレンズとレンチキュラシートは透明なプラス
チック材で作られ、その加工後に平面内、および板厚方
向に応力が残存し、これが上記光位相差の原因となる。
上記平面内応力を互いに直交する2軸方向(光学主軸方
向)の成分に分けると、それぞれの光学主軸方向の各屈
折率n1とn2の間に差が生じ、その差分、即ち複屈折(n1
−n2)により各主軸方向の光成分間に光位相差が発生す
る。同様に板厚方向の屈折率をn3とおくと、板厚断面内
主応力差に基づく複屈折(n1−n3)、(n2−n3)等によ
り同様な位相差が発生する。各添字の1と2は上記2つ
の光学主軸の方向を、また、3は板厚方向を意味する。
一般に、厚みT、屈折率mの媒質中を波長λの光が通
過するとき、上記厚みTに対する光の位相δは δ=2πT/λ (9) で与えられる。一方、光速cと屈折率mの間には c1m1=c2m2 なる関係がある。添字の1や2は異なる媒質を意味す
る。これより屈折率m1とm2における波長λ1とλ2の比
は λ1/λ2=m2/m1 で与えられ、m2に対する上記光の位相δは δ=(2πT/λ1)(m2/m1) (10) となる。媒質1を空気とすると、上記(m2/m1)は媒質
2の比屈折率に相当し、本発明でいう屈折率n2に該当す
る。
媒質が光異方性を有し、互いに直交する光学主軸方向
の上記屈折率が異なった値のn1とn2である場合、板厚方
向に進む光の上記各光学主軸成分の光位相は異なり、光
位相差Δδを生じる。
Δδ=(2πT/λ1)(n1−n2) (11) 本発明では上記(n1−n2)を複屈折n12と表現してい
る。
さらに、光が媒質中を斜めに進行し、上記屈折率が厚
み方向に変化する場合、厚み方向の屈折率n3による複屈
折n13、n23等によって光位相差Δδが発生する。
ただし、Δn=(n13+(n232=屈折角で
ある。
所定のコントラスト比を得るためには、上記2つの光
位相差の合計を所定の限度内に抑える必要がある。第2
図は入射光と出射光の性質に応じた上記光位相差の限度
値の関係を示したものである。同図1欄は2つの入射光
と出射光が共に左円偏光と右円偏光の場合で、対応する
上記光学系の光位相差限度値は(Nπ+Δδ)ラジアン
となる。上記Nπは上記2つの光成分間の位相が相対的
に反転したり、同相になったりすることを意味し、コン
トラスト比にはΔδが関係する。例えば前述のように、
10以上のコントラスト比に対するΔδの値は0.2πラジ
アンである。
第2図の2欄は2つの入射光と出射光がそれぞれ互い
に直交する直線偏光の場合で、入射光と光学系の偏光軸
が一致していれば光位相差に対する条件は同図1欄と同
じである。したがって、上記1欄と2欄はまとめて説明
する。
第2図の3欄、および4欄は左右の円偏光を互いに直
交する直線偏光に、或いは互いに直交する直線偏光を左
右の円偏光に変換して出射する場合である。この場合は
上記1欄および2欄の光位相差にπ/2ラジアンが追加さ
れるだけなので、これらまとめて説明するようにする。
まず、各実施例に共通する事項を予め説明しておく。
1)通常、レンチキュラシート4への光の入射角は2〜
3゜と小さいので、その板厚断面複屈折の影響を無視す
ることができる。しかし、フレネルレンズへの光の入射
角はスクリーン外周部で略35゜と大きく、またその屈折
角も略23゜と大きいので、その板厚断面複屈折の影響は
無視できない。
したがっで、板厚断面複屈折については、フレネルレ
ンズでは考慮に入れ、レンチキュラシートでは無視する
ことにする。
2)フレネルレンズは厚み3mmの透明なベース基板上
に、紫外線硬化性樹脂(UVLジン)により厚み0.3mmのフ
レネルプリズム部を成形して製作する。本発明では、UV
レジンとして、その主成分が光弾性係数Cの極めて小さ
な脂環式骨格のアクリレート樹脂を用いた。上記UVレジ
ンの硬化収縮による成形応力が押圧によって生じるベー
ス基板の反力により相殺される結果、上記フレネルプリ
ズム部の各複屈折は n12f≒0、 n13f=n23f=20×10-6 と比較的小さな値となった。なお、添字のfはフレネル
レンズを意味する。したがって、上記フレネルプリズム
部の厚み(0.3mm以下)が上記ベース基板の厚み(3mm)
に較べて十分に薄いことを考慮すると、フレネルプリズ
ム部の複屈折はベース基板のそれに対し無視できること
になる。即ち、上記ベース基板がフレネルレンズ全体の
複屈折を支配すると考える。
なお、上記フレネルレンズは第3図に示す工程、即ち
2p成形法により生成される。まず、同図(a)に示すよ
うに、金型9とベース基板52の間にUVレジン51を置き、
同図(b)に示すように圧着して紫外線(波長360nm)
を照射し硬化させ、最後に金型9をとり除いて同図
(c)に示すフレネルレンズを生成する。
3)フレネルレンズのベース基板やレンチキュラシート
等には、生産性、経済性面に勝れた押出しロール成形板
を用いるようにする。押出しロール成形板は一方向に力
を加えて成形する関係上、内部応力に不均衡を生じ易
く、光位相差は比較的大きくなる。本発明はこのような
悪条件下でもコントラスト比の良い背面投射形立体映像
装置を提供することを一つの目的としている。
4)スクリーンとしての強度や生産性を考慮して、フレ
ネルレンズ5のベース基板の厚みを3mm、レンチキュラ
シート4の厚みを1.4mmとした。
5)光位相差は可視光帯(波長=400〜780nm)の略中央
に位置するD線(黄色、589nm)を用いて測定した。
6)第4図に示すF1からF4までの4種類のフレネルレン
ズ、およびL1とL2の2種類のレンチキュラシートを製作
した。各フレネルレンズ群は光位相差がπ/2、およびπ
ラジアンに近いものを含むようにした。レンチキュラシ
ートについても同様である。以下に述べる本発明の実施
例では、上記フレネルレンズとレンチキュラシートを用
いて説明する。なお、第4図にて*印を付した数値は平
面内複屈折(n12=21−n2)によって生じる位相差成分
を示し、**印を付した数値は板厚断面面内複屈折(n1
3=n1−n3、n23=n2−n3)によって生じる位相差成分を
示している。
なお、上記フレネルレンズF2のベース基板にはポリス
チレン樹脂単体、或いはポリカーボネイト樹脂を用いる
こともできる。
(実施例1) 第5図は第4図に示したフレネルレンズとレンチキュ
ラシートを適宜組み合わせ、その総合の位相差がコント
ラスト比10に対応する位相差0.2πラジアンを越えぬよ
うにしたものである。
この中で、F1−L1からF3−L2までは、第2図に示した
ように、入射光と出射光が共に円偏光、または直線偏光
の場合に相当する。
F1−L1、F4−L1の組合せの総合位相差はそれぞれ、0.
16π、および0.12πラジアンとなり、コントラスト比は
それぞれ、15および27以上となり、実用的に十分な立体
像が得られることになる。
F2−L1の組合せの総合位相差は1.19πラジアンである
から、N=1として、πラジアンを差し引くとΔδの値
は0.19πラジアンとなり、コントラスト比は10以上とな
る。
F3−L2の組合せの総合位相差は1.99πラジアンである
から、N=2として、2πラジアンを差し引くとΔδの
値は0.01πラジアンとなり、コントラスト比は数百以上
となって理想的な結果が得られる。
第5図のF3−L1からF2−L2までは、第2図に示したよ
うに、入射光と出射光の何れか一方が円偏光、他方が直
線偏光の場合に相当する。
F3−L1の組合せの総合位相差は、0.63πラジアンとな
り、これよりN=0としてπ/2ラジアンを差し引くとΔ
δの値は0.13πラジアンとなり、コントラスト比は22以
上となる。
F1−L2、F4−L2の組合せの総合位相差はそれぞれ、1.
52π、および1.48πラジアンとなり、N=1として、
(π+π/2)ラジアンを差し引くとΔδの値は共に0.02
πラジアンとなり、数百以上のコントラスト比が得られ
るないことになる。
F2−L2の場合は、総合位相差が2.55πラジアンとなる
ので、N=2として、2.5πラジアンを差し引き、Δδ
=0.05πラジアン、コントラスト比は100以上の値とな
る。
(実施例2) 本実施例は第1図の1−2、および1−3に対応する
もので、例えばフレネルレンズ5とレンチキュラシート
4の総合位相差が0.2πを越えるような場合、その不要
な分を補償するのに好適である。このため、第1図1−
2に示すように、位相補償板6をフレネルレンズ5とレ
ンチキュラシート4の間に挿入したり、同図1−3に示
すように、位相補償板7をフレネルレンズ5と光源部間
に挿入するようにする。また、これらの位相補償板は必
要に応じてスクリーンと一体化することもできる。
第2図に示した入射光と出射光間の偏光関係に対応し
て、スクリーンは同図1、2欄用のものと、3、4欄用
の2種類が必要である。このような場合、例えば、第2
図1、2欄用のスクリーンに位相補償板6または7を追
加して、同図3、4欄用に転用出来れば、一種類のスク
リーンで全ての偏光関係の立体映像装置を製造出来るこ
とになり、成形加工金型や同工程等を省略でき、経済性
が向上すると同時に、設計や在庫管理等も楽になる。
第6図は上記位相補償板を用いて上記偏光関係の変換
を行なう本発明の実施例を示す図である。レンチキュラ
シート4にはL2を用いたので、位相補償板6はこれと同
一材料を用い、その位相補償量も同一値になるように製
作した。
したがって、位相補償板6を用いる場合、レンチキュ
ラシート4の光位相差が略完全に補償されので、フレネ
ルレンズ5の光位相差のみが残り、コントラスト比とし
てそれぞれ、同図に示すように100、50、22等の値が得
られる。
位相補償板7としては、斜入射光に対する光位相差変
化の僅少なアセテート系樹脂の1/4波長板(フイルム)
を3枚重ねたものを用いた。上記1/4波長板1枚当たり
光位相差は−0.5πラジアンなので、3枚で−1.5πラジ
アンとなる。これと第6図に示すフレネルレンズとレン
チキュラシートの組み合わせるとF3−L2、F1−L2、F2−
L2等によるΔδは、それぞれ0.01πラジアン、0.01πラ
ジアン、0.05πラジアンとなり、何れも100以上という
良好なコントラスト比が得られる。
上記本発明実施例では、各レンチキュラシート、位相
補償板、およびフレネルレンズ等にはフレネル反射によ
る透過率損失が伴うので、これを防止するため、複数枚
の位相補償板の積層接着や、位相補償板とフレネルレン
ズ、あるいは位相補償板とレンチキュラシートを積層接
着することもできる。
また、上記本発明実施例では、位相補償板6を1枚、
位相補償板7として3枚を用いたが、これらは必要に応
じて何枚用いても差し支えない。
(実施例3) 上記の本発明実施例では、2p法によって作られたフレ
ネルレンズを使用した。しかし、実際上、ベース板とフ
レネルプリズム部を一体成形できれば、さらに経済的な
スクリーンを得ることができる。
上記一体成形法として熱プレス成形法を挙げることが
できるが、成形残留応力が大きいという難点を伴う。こ
の難点を解消するため、本発明では、光弾性係数の小さ
なアクリル樹脂を用い、上記残留応力による光位相差を
低減するようにした。
このため、アクリル樹脂加熱重合注型板を加熱プレス
成形して、厚み3mmのフレネルレンズを作るようにし
た。このときの外周部における各屈折率は n12f≒5×10-6、 n13f=35×10-6、 n23f=30×10-6 と一体成形としては低い値に抑えることができ、フレネ
ルレンズ5の光位相差として、平面内複屈折によるもの
が0.05πラジアン、板厚断面複屈折によるものが0.04π
ラジアン、合計0.09πラジアンを得た。これを第4図の
F1、F4等に置き換えれば、前記各実施例と同様に良好な
コントラスト比を得ることができる。
(実施例4) 第7図は第2図の2欄に対応する本発明の他の実施例
を示す図である。
第7図では、光源部から出射された垂直、および水平
の直線偏光の各偏光面は、レンチキュラシート4、およ
びフレネルレンズ5の主応力方向と一致する必要があ
り、主応力の大小にはかかわりないものの、主応力方向
(光学主軸)が一様であることが必要である。
このためフレネルレンズは押出しロール成形による2
枚のリニアフレネルシート51と52を互いに直交させて使
用するようにし、各光学主軸のパラツキを2゜以内に抑
えるようにした。この場合はレンチキュラシートと併せ
て3枚分の上記合わせ誤差が発生するのでこの値は最大
6゜となり、20以上のコントラスト比が得られる。
このようなリニアフレネルシート材には、アクリル・
スチレン共重合樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、その他の透明樹脂等を用い
ることもできる。
(実施例5) 上記本発明の各実施例ではフレネルレンズ、レンチキ
ュラシート、各位相補償板等の総合の光位相差を所定の
範囲内に収めるこのできる具体例について説明した。
しかし何れの場合も、光学系偏光軸の角度調整によ
り、コントラスト比をさらに或る程度改善することがで
きる。即ち、入射光が直線偏光の場合は、光学系の偏光
軸の角度や光位相差を調整し、入射光が円偏光の場合に
は光学位相差を調整すればコントラスト比はさらに向上
する。このような調整は、第1図1−2、1−3欄に示
した位相調整板の取り付け角度を変えられることにり、
或る程度行なうことが出来る。
第8図は位相補償フレーム71に取付けられた各位相補
償板7の取付け角度を調整装置8により調整した本発明
の実施例を示す図である。この調整は、ネジ、または上
記ネジの駆動装置をリモコン装置等により制御して行な
う。
なお、上記位相補償フレーム71を光源の近傍に設けれ
ば、その面積を比較的小さくすることができる。
[発明の効果] 本発明によれば、背面投射形立体映像装置のスクリー
ンの光学位相差を適切な値に設定することが出来るの
で、コントラスト比の高い、立体感の勝れた立体映像装
置を得ることができる。
さらに、位相補償板により、上記スクリーンの光学位
相差を適切に補償することができる。
さらに、上記スクリーンを構成するフレネルレンズ、
レンチキュラシートや上記位相補償板等を、生産性、経
済性に勝れた押出しロール成形の樹脂材で製造すること
ができる。
さらに、上記位相補償板の取付け角度を調整して、コ
ントラスト比をさらに改善することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例の光学系の構成を示す図、第2図
は各種の偏光状態の組合せに対する所用の光位相差を示
す図、第3図(a)〜(c)はフレネルレンズの工程
図、第4図は本発明実施例に用いるフレネルレンズとレ
ンチキュラシートの特性を示す図、第5図、第6図は本
発明実施例に用いるフレネルレンズとレンチキュラシー
トの組み合わせ特性を示す図、第7図は本発明の他の実
施例の光学系の構成を示す図、第8図は本発明による位
相補償板の取付け角度調整装置を示す図、第9図は従来
の全面反射形立体映像装置の構成図、第10図は本発明に
よる背面投射形立体映像装置の構成図、第11図は本発明
における理想的な光学系の光位相差を示す図、第12図は
本発明における光位相差とコントラスト比の関係図、第
13図は本発明における光学主軸と偏光面の合わせ誤差と
コントラスト比の関係図、第14図は本発明におけるコン
トラスト比10に対する光位相差と光学主軸合わせ誤差と
の関係を示す図である。 1……スクリーン、21……投射装置、3……偏光眼鏡、
4……レンチキュラシート、5……フレネルレンズ、51
……UVレジン、52……ベース板、53……フレネルプリズ
ム部、6……位相補償板、7……位相補償板、71……位
相補償フレーム、8……調整装置、σ……光学主軸、Δ
δ……光位相差、添字のf……フレネルレンズ系、添字
のl……レンチキュラシート系。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小沼 順弘 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所家電研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−249137(JP,A) 実開 昭64−3834(JP,U)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】左円偏光の映像光と右円偏光の映像光をス
    クリーンの背面より投射して左円偏光の映像光と右円偏
    光の映像光を出射し、または互いに偏光面が直交する2
    つの直線偏光の映像光をスクリーンの背面より投射して
    互いに偏光面が直交する2つの直線偏光の映像光を出射
    する背面投射形立体映像装置において、 上記投射光と上記スクリーンの出射面間に介在する、上
    記スクリーンを含む光学装置の複屈折による光位相差δ
    を、Nを0を含む整数として、 (N−0.2)π≦δ≦(N+0.2)π ラジアンの範囲内の値としたことを特徴とする背面投射
    形立体映像装置。
  2. 【請求項2】左円偏光の映像光と右円偏光の映像光をス
    クリーンの背面より投射して互いに偏光面が直交する2
    つの直線偏光の映像光を出射し、または互いに偏光面が
    直交する2つの直線偏光の映像光をスクリーンの背面よ
    り投射して左円偏光の映像光と右円偏光の映像光を出射
    する背面投射形立体映像装置において、 上記投射光と上記スクリーンの出射面間に介在する、上
    記スクリーンを含む光学装置の複屈折による光位相差δ
    を、Nを0を含む整数として、 (N±1/2−0.2)π≦δ≦(N±1/2+0.2)π ラジアンの範囲内の値としたことを特徴とする背面投射
    形立体映像装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、上記スクリー
    ンをフレネルレンズとレンチキュラシートにより構成し
    たを特徴とする背面投射形立体映像装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、上記フレネルレンズと
    上記レンチキュラシートは、アクリル樹脂、またはアク
    リル・スチレン共重合樹脂を押出しロール成形したもの
    であることを特徴とする背面投射形立体映像装置。
  5. 【請求項5】請求項3または4において、上記フレネル
    レンズを互いに直交する2枚のリニアフレネルシートに
    より構成したことを特徴とする背面投射形立体映像装
    置。
  6. 【請求項6】請求項1または2または3または4または
    5において、上記フレネルレンズまたはフレネルシート
    のフレネルプリズム部を紫外線硬化性樹脂により設けた
    ことを特徴とする背面投射形立体映像装置。
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