JP2684923B2 - 脱酸銅等のガス被覆鋳造方法及び装置 - Google Patents
脱酸銅等のガス被覆鋳造方法及び装置Info
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- JP2684923B2 JP2684923B2 JP4136898A JP13689892A JP2684923B2 JP 2684923 B2 JP2684923 B2 JP 2684923B2 JP 4136898 A JP4136898 A JP 4136898A JP 13689892 A JP13689892 A JP 13689892A JP 2684923 B2 JP2684923 B2 JP 2684923B2
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- Japan
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- gas
- mold
- reducing gas
- casting
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、銅又は銅合金、特に脱
酸銅を連続鋳造する場合に適用して好適なガス被覆鋳造
方法及び装置に関するものである。
酸銅を連続鋳造する場合に適用して好適なガス被覆鋳造
方法及び装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】脱酸銅の鋳造に当たっては、可能な限り
銅の酸化を抑制する必要があり、先に本発明者等の１名
は、他の２名と共同して特公昭６１−１０２１７号公報
記載のガス被覆鋳造方法を発明した。この鋳造方法は、
タンディシュと鋳型との間を空間を気密に保持してその
内部に還元性ガスを供給し、鋳型内の溶湯表面を還元性
ガスの雰囲気をもって被覆することによって溶銅の酸化
を防止しようとするものである。
銅の酸化を抑制する必要があり、先に本発明者等の１名
は、他の２名と共同して特公昭６１−１０２１７号公報
記載のガス被覆鋳造方法を発明した。この鋳造方法は、
タンディシュと鋳型との間を空間を気密に保持してその
内部に還元性ガスを供給し、鋳型内の溶湯表面を還元性
ガスの雰囲気をもって被覆することによって溶銅の酸化
を防止しようとするものである。
【０００３】この従来技術は、溶湯が鋳型内で凝固する
際、内部に溶け込んでいた水素や窒素が気泡となって放
出され、それが溶湯表面で弾ける結果、同表面から溶湯
が飛散してタンディシュの下面に付着する点で問題があ
る。タンディシュに付着した銅は、容易に剥離して再び
鋳型内に落下し、インゴットの品質を低下させる原因と
なるからである。このほか、従来技術では、タンディシ
ュと鋳型との間を気密に保持しているため、多量の還元
性ガスを連続して供給することが出来ない点や使用後の
還元性ガスの排出が充分に行なわれない点でも問題があ
る。
際、内部に溶け込んでいた水素や窒素が気泡となって放
出され、それが溶湯表面で弾ける結果、同表面から溶湯
が飛散してタンディシュの下面に付着する点で問題があ
る。タンディシュに付着した銅は、容易に剥離して再び
鋳型内に落下し、インゴットの品質を低下させる原因と
なるからである。このほか、従来技術では、タンディシ
ュと鋳型との間を気密に保持しているため、多量の還元
性ガスを連続して供給することが出来ない点や使用後の
還元性ガスの排出が充分に行なわれない点でも問題があ
る。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
の従来技術の問題点を解消し、理想的なガス被覆条件の
もとで脱酸銅等の連続鋳造を行なうことが出来る改良さ
れた方法及び装置を提供することにある。
の従来技術の問題点を解消し、理想的なガス被覆条件の
もとで脱酸銅等の連続鋳造を行なうことが出来る改良さ
れた方法及び装置を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記課題は、還元性ガス
充満用の空間を鋳型の頭部内に独立して設けるととも
に、当該空間を半密閉構造とすることによって解決する
ことが出来る。この種の半密閉空間は、例えば鋳型の上
にガス供給用フランジ部材を配設し、当該部材の上に所
定の寸法の制限開口又は隙間を有する天井仕切板を配設
することによって構成することが可能である。
充満用の空間を鋳型の頭部内に独立して設けるととも
に、当該空間を半密閉構造とすることによって解決する
ことが出来る。この種の半密閉空間は、例えば鋳型の上
にガス供給用フランジ部材を配設し、当該部材の上に所
定の寸法の制限開口又は隙間を有する天井仕切板を配設
することによって構成することが可能である。
【０００６】鋳型頭部の半密閉空間に供給された還元性
ガスは、高温状態の溶湯（１１２０〜１１６０℃）に触
れて直ちに燃焼（酸化）する結果、ほぼ完全に無害化さ
れた状態で外部に排出することが可能である。このた
め、たとえ一酸化炭素のような有害ガスを還元性ガスと
して使用するような場合であっても、安全上その他の点
で特に問題になることがない。寧ろ、本発明の場合は、
鋳型の頭部が半密閉空間となっているため、当該空間に
多量の還元性ガスを連続的に供給することが可能とな
り、理想的な条件をもって溶湯表面をガス被覆しながら
連続鋳造を行なうことが出来る。
ガスは、高温状態の溶湯（１１２０〜１１６０℃）に触
れて直ちに燃焼（酸化）する結果、ほぼ完全に無害化さ
れた状態で外部に排出することが可能である。このた
め、たとえ一酸化炭素のような有害ガスを還元性ガスと
して使用するような場合であっても、安全上その他の点
で特に問題になることがない。寧ろ、本発明の場合は、
鋳型の頭部が半密閉空間となっているため、当該空間に
多量の還元性ガスを連続的に供給することが可能とな
り、理想的な条件をもって溶湯表面をガス被覆しながら
連続鋳造を行なうことが出来る。
【０００７】天井仕切板は、半密閉空間を形成するため
の区画部材として使用するほか、溶湯表面からの飛散銅
を捕捉するための部材としても機能する。このため、同
仕切板は、飛散銅が付着し易くて剥離し難い性質を有す
るほか、熱伝導や耐熱性において優れていることが必要
であり、通常は、表面に細かい凹凸や溝を設けた銅製の
板を使用することが望ましい。また、この仕切板は、鋳
造の合間の交換が可能なように着脱可能な構造としてお
けば、必要に応じて再利用することが出来て好都合であ
る。
の区画部材として使用するほか、溶湯表面からの飛散銅
を捕捉するための部材としても機能する。このため、同
仕切板は、飛散銅が付着し易くて剥離し難い性質を有す
るほか、熱伝導や耐熱性において優れていることが必要
であり、通常は、表面に細かい凹凸や溝を設けた銅製の
板を使用することが望ましい。また、この仕切板は、鋳
造の合間の交換が可能なように着脱可能な構造としてお
けば、必要に応じて再利用することが出来て好都合であ
る。
【０００８】半密閉空間に供給する還元性ガスの組成
は、前記の従来技術の場合と同様、一酸化炭素、水素、
二酸化炭素及び窒素とすることが望ましい。このほか、
還元性ガスは、溶湯の表面を保温すると同時に水分の侵
入を防止するため、加熱乾燥状態で供給することが望ま
しく、また、鋳型内の溶湯表面を均一にガス被覆するた
め、旋回流の形で供給することが望ましい。
は、前記の従来技術の場合と同様、一酸化炭素、水素、
二酸化炭素及び窒素とすることが望ましい。このほか、
還元性ガスは、溶湯の表面を保温すると同時に水分の侵
入を防止するため、加熱乾燥状態で供給することが望ま
しく、また、鋳型内の溶湯表面を均一にガス被覆するた
め、旋回流の形で供給することが望ましい。
【０００９】
【実施例】以下、図１〜図３に示した一実施例を参照し
ながら本発明を更に詳細に説明する。図１において、タ
ンディシュ１内の溶湯１１は、ストッパー１２によって
流量の調節を受けた後、浸漬ノズル２を通って水冷鋳型
５の内部に連続的に注入される。一方、ブタンガスを燃
焼させることによって得た還元性ガス１７は、脱水器１
６によって脱水（乾燥）された後、ガス加熱器１４によ
って所定の温度まで昇温され、導管９を通ってガス供給
用フランジ部材４内に供給される。
ながら本発明を更に詳細に説明する。図１において、タ
ンディシュ１内の溶湯１１は、ストッパー１２によって
流量の調節を受けた後、浸漬ノズル２を通って水冷鋳型
５の内部に連続的に注入される。一方、ブタンガスを燃
焼させることによって得た還元性ガス１７は、脱水器１
６によって脱水（乾燥）された後、ガス加熱器１４によ
って所定の温度まで昇温され、導管９を通ってガス供給
用フランジ部材４内に供給される。
【００１０】フランジ部材４は、第一のシール材３ａを
介して水冷鋳型５の頭部に配設されており、更にその上
に、第二のシール材３ｂを介して天井仕切板１３が配設
されている。同仕切板の中心部には、浸漬ノズル２の外
径より若干大きい内径の貫通孔１９が設けられており、
この貫通孔を通って浸漬ノズル２が水冷鋳型５の内部ま
で延びている。この結果、フランジ部材４と天井仕切板
１３とによって囲まれた部分が半密閉空間８として機能
する。
介して水冷鋳型５の頭部に配設されており、更にその上
に、第二のシール材３ｂを介して天井仕切板１３が配設
されている。同仕切板の中心部には、浸漬ノズル２の外
径より若干大きい内径の貫通孔１９が設けられており、
この貫通孔を通って浸漬ノズル２が水冷鋳型５の内部ま
で延びている。この結果、フランジ部材４と天井仕切板
１３とによって囲まれた部分が半密閉空間８として機能
する。
【００１１】フランジ部材４には、中心方向に対して一
定の角度を持たせた複数のガス噴出孔１０が設けられ、
また、流入した還元性ガス１７の流れを分散させるため
の整流板１８が設けられている（図２及び図３参照）。
このため、フランジ部材４内に流入した還元性ガス１７
は、複数のガス噴出孔１０から半密閉空間８の内部へ旋
回流となって噴出し、鋳型５内の溶湯表面２０を均一に
被覆する。なお、図１において、６は水冷鋳型５に流入
する冷却水、７は鋳型５によって鋳造されたインゴッ
ト、１５は加熱器１４の加熱バーナー、２１は水冷鋳型
５の内部に設けた整流板を夫々示す。
定の角度を持たせた複数のガス噴出孔１０が設けられ、
また、流入した還元性ガス１７の流れを分散させるため
の整流板１８が設けられている（図２及び図３参照）。
このため、フランジ部材４内に流入した還元性ガス１７
は、複数のガス噴出孔１０から半密閉空間８の内部へ旋
回流となって噴出し、鋳型５内の溶湯表面２０を均一に
被覆する。なお、図１において、６は水冷鋳型５に流入
する冷却水、７は鋳型５によって鋳造されたインゴッ
ト、１５は加熱器１４の加熱バーナー、２１は水冷鋳型
５の内部に設けた整流板を夫々示す。
【００１２】本実施例における具体的な鋳造条件は、次
の通りとした。 鋳造速度 ２４０（mm／min） 鋳型冷却水量 ８００〜１０００（ｌ／min） タンディシュ内溶湯温度 １１７０〜１２００℃ 還元性ガス組成 ＣＯ：３〜１５％ Ｈ2 ：５％以下 残部：ＣＯ2＋Ｎ2 還元性ガス温度 ４００℃以下 還元性ガス流量 ５０〜１５０（ｌ／min） 鋳造速度を２００mm／min 以下にすると、還元性ガスに
よる保温効果が現れないため、鋳型内の凝固シェルが溶
湯表面近くまで上昇し、湯じわが発生する。一方、鋳造
速度を２５０〜３００mm／min 程度まで増加させると、
インゴット中央部の割れ発生の確立が高くなる。なお、
還元性ガスの発生源は、ブタンガスの代わりにプロパン
ガスや天然ガス等を使用することも可能である。
の通りとした。 鋳造速度 ２４０（mm／min） 鋳型冷却水量 ８００〜１０００（ｌ／min） タンディシュ内溶湯温度 １１７０〜１２００℃ 還元性ガス組成 ＣＯ：３〜１５％ Ｈ2 ：５％以下 残部：ＣＯ2＋Ｎ2 還元性ガス温度 ４００℃以下 還元性ガス流量 ５０〜１５０（ｌ／min） 鋳造速度を２００mm／min 以下にすると、還元性ガスに
よる保温効果が現れないため、鋳型内の凝固シェルが溶
湯表面近くまで上昇し、湯じわが発生する。一方、鋳造
速度を２５０〜３００mm／min 程度まで増加させると、
インゴット中央部の割れ発生の確立が高くなる。なお、
還元性ガスの発生源は、ブタンガスの代わりにプロパン
ガスや天然ガス等を使用することも可能である。
【００１３】
【発明の効果】本発明の場合は、鋳型内の溶湯表面の空
間を半密閉構造としたため、多量の還元性ガスを連続的
に供給することが可能となり、理想的な条件で溶湯表面
をガス被覆しながら連続鋳造を行なうことが出来る。ま
た、半密閉空間の構成部材として天井仕切板を採用して
いるので、同部材を飛散銅の捕捉部材としても兼用する
ことにより、タンディシュの下面に飛散銅が付着するこ
とを防止することが出来る。この仕切板は、着脱可能に
配設することが可能であるから、必要に応じて再利用す
ることが出来て極めて好都合である。
間を半密閉構造としたため、多量の還元性ガスを連続的
に供給することが可能となり、理想的な条件で溶湯表面
をガス被覆しながら連続鋳造を行なうことが出来る。ま
た、半密閉空間の構成部材として天井仕切板を採用して
いるので、同部材を飛散銅の捕捉部材としても兼用する
ことにより、タンディシュの下面に飛散銅が付着するこ
とを防止することが出来る。この仕切板は、着脱可能に
配設することが可能であるから、必要に応じて再利用す
ることが出来て極めて好都合である。
【図１】本発明の一実施例を説明するためのガス被覆鋳
造装置の断面図。
造装置の断面図。
【図２】図１のガス被覆鋳造装置のフランジ部材部分を
示す平面図。
示す平面図。
【図３】同じく図１のガス被覆鋳造装置のフランジ部材
部分を示す断面図。
部分を示す断面図。
１…タンディシュ ２…浸漬ノズル ３…シール材 ４…ガス供給用フランジ部材 ５…水冷鋳型 ６…冷却水 ７…インゴット ８…半密閉空間 ９…導管 １０…ガス噴出孔 １１…溶湯 １２…ストッパー １３…天井仕切板 １５…加熱バーナー １４…ガス加熱器 １６…脱水器 １７…還元性ガス １８…還元性ガス整流板 １９…貫通孔 ２０…溶湯表面 ２１…冷却水整流板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉野 昭雄 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電 線株式会社 土浦工場内 (72)発明者 大内 豊 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電 線株式会社 土浦工場内 (56)参考文献 特開 平２−52148（ＪＰ，Ａ) 特公 昭61−10217（ＪＰ，Ｂ２)
Claims (5)
- 【請求項１】タンディシュ内の溶湯を浸漬ノズルを通し
て鋳型に注入することによって連続鋳造を行う方法にお
いて、還元性ガスを雰囲気として充満させるための半密
閉空間を鋳型の頭部に独立して設け、当該空間内に加熱
乾燥状態の還元性ガスを旋回流にして供給することによ
り、当該還元性ガスをもって鋳型内の溶湯表面を被覆す
ることを特徴とする脱酸銅等のガス被覆鋳造方法。 - 【請求項２】還元ガスの組成は、一酸化炭素、水素、二
酸化炭素及び窒素であることを特徴とする請求項１に記
載のガス被覆鋳造方法。 - 【請求項３】連続鋳造用の鋳型と、当該鋳型にタンディ
シュ内の溶湯を注入するための手段と、鋳型の頭部内に
独立して設けた還元性ガス充満用の半密閉空間と、当該
空間に加熱乾燥状態の還元性ガスを連続して供給するた
めの手段とを備え、還元性ガスを供給するための手段が
半密閉空間に還元性ガスの旋回流を生ぜしめるための手
段を有することを特徴とする脱酸銅等のガス被覆鋳造装
置。 - 【請求項４】半密閉空間は、鋳型の上に配設したガス供
給用フランジ部材と当該部材の上に配設した所定の寸法
の制限開口又は隙間を有する天井仕切板とをもって構成
されていることを特徴とする請求項３に記載のガス被覆
鋳造装置。 - 【請求項５】天井仕切板は、脱着可能なように配設され
ていることを特徴とする請求項４に記載のガス被覆鋳造
装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4136898A JP2684923B2 (ja) | 1992-05-28 | 1992-05-28 | 脱酸銅等のガス被覆鋳造方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4136898A JP2684923B2 (ja) | 1992-05-28 | 1992-05-28 | 脱酸銅等のガス被覆鋳造方法及び装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05329600A JPH05329600A (ja) | 1993-12-14 |
| JP2684923B2 true JP2684923B2 (ja) | 1997-12-03 |
Family
ID=15186144
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4136898A Expired - Lifetime JP2684923B2 (ja) | 1992-05-28 | 1992-05-28 | 脱酸銅等のガス被覆鋳造方法及び装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2684923B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6110217A (ja) * | 1984-06-26 | 1986-01-17 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | フライパツクトランス |
| JP2523806B2 (ja) * | 1988-08-12 | 1996-08-14 | 株式会社日立製作所 | 連続鋳造機、及びその方法 |
-
1992
- 1992-05-28 JP JP4136898A patent/JP2684923B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05329600A (ja) | 1993-12-14 |
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