JP2683725B2 - スラブ形状で溶鋼から連鋳材を連続鋳造するための液冷される定盤金型 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 背景技術 本発明は、例えば100mm以下のスラブ厚を有するスラ
ブ形状で溶鋼から連鋳材を連続鋳造するための液冷され
る幅調整可能な定盤金型に関する。

技術分野 スラブ形状で連鋳材を製造するためには、空の横断面
が金型出口において所望の連鋳材形状に対応する金型が
用いられる。

米国特許第US−PS2767448号明細書から、長円形横断
面を有する連鋳材のための対応する金型が公知である。
この金型はいわゆるブロック金型である。すなわち横断
面が可変でなく、異なる連鋳材形状への調整に適してい
ない。さらにドイツ特許出願公開第DE3501422C2号公報
により、異なる連鋳材寸法に狭幅側面壁が調整可能であ
り鋳込み開口が長円形横断面を有す金型が公知である。
この金型は、スラブ広幅側面壁が平行に形成されこれに
対して狭幅側面壁は鋳込み側から出口側に向かって拡散
するが凹部形状を維持するように出口端部へ向かって先
細りする。このような金型はヨーロッパ特許出願第EP02
49146号明細書又は米国特許第US−PS4716955号明細書か
ら公知である。

ドイツ特許出願公開第DE−A1−3627991号公報及び国
際特許出願公開第WO87/00099号公報から、金型狭幅側面
が平面であり広幅側面が金型の全高にわたり外方へ向か
って膨らんでいる金型が公知である。

これらの金型はいずれも利用の際、金型への連鋳材初
期凝固シェルの異なる当接が明らかに原因で連鋳材の金
型通過の際に連鋳材初期凝固シェルが変形しこれにより
連鋳材初期凝固シェルに亀裂が形成されることがある。

技術的課題 本発明の課題は、連続鋳造金型の中の冷却状態を改善
することと、連鋳材の進行方向に対して垂直な面による
連鋳材の断面の寸法が長い方の辺の方向を幅方向、、短
い方の辺の方向を高さ方向、連鋳材の進行方向を長手方
向とするとき、連鋳材が金型を通過する際に連鋳材が幅
方向に運動することを回避し、連鋳材が金型を通過する
際に、連鋳材初期凝固シェルが変形することにより生じ
る長手方向亀裂が発生しこれにより初期凝固シェルが決
壊する危険を排除することにある。

請求の範囲第１項の上位概念に記載の金型の場合に、
上記課題は本発明により請求の範囲第１項の特徴部分に
記載の特徴により解決される。

本発明のその他の実施例はその他の項に記載されてい
る。

さらに本発明では頂部高さの減少が線形でも指数関数
でも実現可能である。本発明で設けられている湾曲は円
形でなく多角形から成るか又は多角形区間と円弧要素の
組合せから成ることも可能である。総括すると、金型の
基部にすなわち連鋳材出口端部に、各側面当り例えば1m
mの圧延にとって最適の湾曲が設けられている。これに
より、同一の直径のすべてのロールの位置は任意に交換
可能であり湾曲の変更に関する変形作業を行う必要がな
い利点が得られる。

次の本発明の金型を１つの実施例に基づき図を用いて
詳細に説明する。

図面の簡単な説明 第１図は最小のスラブ幅のための第３図の金型横断面
Ａ−Ａの上面図、第２図は最大のスラブ幅のための狭幅
側面の位置を有する第１図の部分図、第３図は第１図の
長手方向切断面Ｂ−Ｂの断面図、第４図は第１図及び第
２図の金型の調整領域の拡大図、第５図は別の実施例の
長手方向の断面図、第６図−第８図は変形された実施例
の断面図である。

発明の最良の実施形態 異なる図に示されている同一部分は同一の参照番号が
付されている。金型は広幅側面定盤１と、広幅側面定盤
１と広幅側面定盤１の間を移動可能に配置されている狭
幅側面定盤２から成る。第１図に示されている位置で狭
幅側面定盤２は、この金型により実現可能な最小の鋳造
横断面すなわち最小のスラブ横断面を定める（bmin）。
この領域内３で広幅側面定盤１の鋳造横断面を形成する
側に、横断面で見て、この領域３にわたり延在する偏平
な円弧状の凹部が形成されている。円弧の高さすなわち
頂部の高さ13は、この凹部の両端を四隅とする矩形の短
辺に対して、すなわち円弧の弦に対して、金型の鋳込み
側４の金型の高さの約1/3の区間６にわたり最大12mmで
あり、次いで金型の下縁５に向かって1mmの円弧の高さ
へ減じる（第５図）。連鋳材は冷却により１％程度収縮
する。連鋳材が収縮すると、連鋳材が金型に接続しない
部分が生じ冷却が不均一になり、冒頭に説明した問題が
生じる。本発明では、金型の鋳込み側４での、金型の壁
面の長さより、連鋳材出口端部（５）での金型の壁面の
長さを短くしてこの問題を解決している。

すなわち金型の鋳込み側４では、中央の領域３に、連
鋳材の進行方向から見て偏平な円弧状の凹部が設けられ
ている。この凹部を連鋳材の進行方向から見たときの壁
面の長さである湾曲長ａは、この円弧状の凹部が無く平
面であるときの壁面の長さｂより長い。

例えば、連鋳材の幅が1000mmであるとして、収縮が0.
8％であると8mm収縮する。このとき、（ａ−ｂ）がこの
収縮長8mmの20％である1.6mmとなるように、円弧の形状
が定められている（ａ−ｂ）＝1.6mm。

連鋳材出口端部（５）における金型を連鋳材の進行方
向から見たときその形状は製造されるべき連鋳材の矩形
形状に対応するので、その部分での壁面の長さｂ′は略
々上記長さｂに対応する。したがって、逆の言い方をす
ると鋳型の壁面の長さは、連鋳材出口端部（５）に対し
て鋳込み側４では略々（ａ−ｂ）に付加的長さを有す
る。

スラブ幅を大きくするために広幅側面定盤１の領域３
に側方領域３′が接続され、この側方領域３′の中で狭
幅側面定盤２は調整可能である（第２図）。製造する連
鋳材のために横断面が不変のまま、この側方領域３′は
金型の高さ全域にわたり延在する。広幅側面定盤１は側
方領域３′内で、広幅側面により閉じられている面が、
上面図で台形の下辺が上記矩形の辺と一致するように、
上記矩形の矩辺から出発する等辺台形を形成するように
加工されている。台形の下辺は対向上辺より0.4mm長
い。領域３′のこの傾斜の面で幅調整の際は、まず初め
に狭幅側面定盤への広幅側面定盤の押圧が減じられ、次
いで狭幅側面定盤がずらされて接続され、次いで広幅側
面定盤が押圧される。広幅側面定盤１の前述の構造は直
線状及び円弧状金型に利用可能であり、第３図にR1−R4
により示されているように、複数の異なる曲率半径を有
する湾曲状金型にも利用可能である。

第５図には鋳込み側が直線区間６とこれに続く円弧状
部分から成る金型が示されている。溶融金属供給のため
に、横断面が長めの浸漬ノズル７が金型の直線区間６の
中に突出している。広幅側面定盤１は、スラブを成形す
る銅製壁の背面の中のチャネル８を貫流する水により、
冷却される。この銅壁は、チャネル８を同時に被覆する
図示されていないプレートに、凹部９内で係合するボル
トにより通常のように固定されている。

この冷却用のチャネル８は少なくとも金型の上半分の
中では、金型中央10から狭幅側面定盤２に向かうに従っ
て、上面図で見てチャネル８の底部８′の間隔が広幅側
面定盤１の溶湯に面する表面に対抗する面内で大きくな
る凹部を有する。

第５図では、頂部の高さ13が一定である領域６が、金
型の高さの約1/3を包囲し、そしてどのような場合にも
溶湯の液面領域を、広幅側面定盤の内側側面の円弧部の
頂部高さが金型出口５に向かって線形に減少している領
域が覆っている。

第３図は他の実施例を示す。この実施例では、金型は
異なった円弧部頂部の高さ13の３つの領域から成る。第
５の領域６に対応する領域はL1と記されている。金型の
高さのほぼ中央でL1に終わっている接続区間L2の中で、
頂部の高さ13は線形に高さ14にまで下がり、この高さは
金型の出口５の高さに対応する。したがって金型の下部
区間12は一定の頂部高さ13を有する。

これまで述べてきた実施例ではある程度の湾曲が金型
の下縁５にも設けられているのに対して、第６図−第８
図の実施例では広幅側面定盤１の形状は金型の下縁にお
いて、すなわち連鋳材出口端部において、製造されるべ
き連鋳材形状に対応している。湾曲されている鋳込み側
４から下縁５への移行は、第６図−第８図に示されてい
るステップから明瞭に分かる。

本発明の金型により実現される僅かに湾曲されている
スラブ又は薄肉スラブ製造のための方法により次の利点
が得られる： − ロール間隙の中の帯材幅にわたる圧延素材の一様な
材料流及びこれにより − 仕上げ材帯材の高い横断面輪郭一定性、 − 金型の中及び孔型ロール対から孔型ロール対までの
スラブすなわち圧延素材の中心走行。

金型の中をスラブが中心走行することにより次の利点
が得られる： − 水平及び垂直方向での狭幅側面銅製定盤及び広幅側
面銅製定盤の中での一様な比熱伝達、 − 溶融金属液面領域内の鋳材初期凝固シェルと銅製定
盤の間の一様な間隙形成、 − 溶融金属スラグの一様な潤滑膜形成、 − 特に幅方向での連鋳材の収縮が、平行な広幅側銅製
面定盤により妨害又は阻止されずむしろ湾曲により容易
になり、 − 狭幅側面端縁の隣の領域内でのスラブ幅にわたる温
度プロフィルの上昇。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ゴシオ，ジョヴァンニ イタリア国、イ−25038 ロヴァト、ヴ ィア・コケッティ 29／ア (72)発明者 ジーゲルス，ウルリヒ ドイツ連邦共和国、デー 1000 ベルリ ン 21、ヴォルツォーゲンシュトラーセ 21 (72)発明者 マニーニ，ルチアーノ イタリア国、イ−26010 アザネッロ、 ヴィア・マナーラ ４ (72)発明者 プレシウチュニッヒ，フリッツ−ペータ ー ドイツ連邦共和国、デー 4100 デュイ スブルク 29、ライザーヴェーク 69 (72)発明者 パルシャート，ローター ドイツ連邦共和国、デー 4030 ラーテ ィンゲン、アン・デァ・デレン ２アー (72)発明者 トゥルム，ハンス−ギュンター ドイツ連邦共和国、デー 4100 デュイ スブルク 29、ヘルトルファー・シュト ラーセ 70 (72)発明者 リュドルフ，ハラルト ドイツ連邦共和国、デー 4018 ランゲ ンフェルト、イム・ブルーフフェルト 16 (56)参考文献 特開 平４−33750（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−210153（ＪＰ，Ａ) 特公 昭59−27672（ＪＰ，Ｂ２) 特表 平２−500501（ＪＰ，Ａ)

Claims (11)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】溶鋼から連鋳材をスラブ幅を調整可能に連
   続鋳造するための液冷される定盤金型において、 上記定盤金型が一対の広幅側面定盤（１）と、狭幅側定
   盤（２）から成り、 上記広幅側定盤（１）が最小のスラブ幅を作るための最
   小スラブ幅領域（３）と、スラブの幅を調整するために
   上記最小スラブ幅領域（３）の両側に設けられた調整領
   域（３′）を有し、 上記広幅側定盤（１）は、少なくとも上記最小スラブ幅
   領域（３）においてはスラブの進行方向に対して横方向
   の断面で凹状に形成され、 上記広幅側定盤（１）の上記調整領域（３′）の部分で
   は、上記広幅側定盤は平面として形成され、 上記狭幅側面定盤（２）が両調整領域（３′）に、上記
   広幅側定盤を橋絡するように、ほぼ平行に配置され、 上記狭幅側面定盤（２）が、幅方向に移動可能であり、 上記最小スラブ幅領域（３）の凹状の金型壁の形状が、
   金型の入口側である鋳込み側（４）においてはこの凹状
   部分の両端を結ぶ弦に対する凹状部の高さ（13）の比が
   最大12mm/1000mmであり、金型の出口側である連鋳材出
   口端部（５）においては製造されるべき連鋳材形状に対
   応して形成され、 上記広幅側定盤（１）が溶鋼に面しない側に冷却用のス
   リット状チャネル（８）を有していることを特徴とす
   る、 スラブ形状で溶鋼から連鋳材を連続鋳造するための液冷
   される定盤金型。
2. 【請求項２】金型の鋳込み側（４）から金型の連鋳材出
   口端部（５）まで頂部高さ（13）が連続的に減少するこ
   とを特徴とする請求の範囲第１項に記載のスラブ形状で
   溶鋼から連鋳材を連続鋳造するための液冷される幅調整
   可能な定盤金型。
3. 【請求項３】頂部高さ（13）が鋳込み側（４）で5mmか
   ら12mmであることを特徴とする請求の範囲第１項又は第
   ２項に記載のスラブ形状で溶鋼から連鋳材を連続鋳造す
   るための液冷される幅調整可能な定盤金型。
4. 【請求項４】金型の連鋳材出口端部（５）において、上
   記広幅側定盤（１）が凹状の金型壁を有し、その形状が
   横断面で見て円弧状であり、この頂部高さ（13）が少な
   くとも0.5−2mmであるように形成されていることを特徴
   とする請求の範囲第１項から第３項のうちのいずれか１
   つの項に記載のスラブ形状で溶鋼から連鋳材を連続鋳造
   するための液冷される幅調整可能な定盤金型。
5. 【請求項５】上記広幅側定盤（１）の凹状金型壁の形状
   が、金型の鋳込み側（４）における金型高さの1/3の領
   域（６）にわたり、頂部高さ（13）が一定であることを
   特徴とする請求の範囲第１項から第４項のうちのいずれ
   か１つの項に記載のスラブ形状で溶鋼から連鋳材を連続
   鋳造するための液冷される幅調整可能な定盤金型。
6. 【請求項６】金型の鋳込み側（４）に一定の頂部高さ
   （13）の領域（６）があり、それに別の区間（L2）が接
   続し、この区間（L2）は金型高さの約半分（11）で終了
   し、この区間（L2）の中で頂部高さ（13）は線形で減少
   することを特徴とする請求の範囲第１項から第４項のう
   ちのいずれか１つの項に記載のスラブ形状で溶鋼から連
   鋳材を連続鋳造するための液冷される幅調整可能な定盤
   金型。
7. 【請求項７】金型の鋳込み側（４）に一定の頂部高さ
   （13）の領域（６）があり、それに別の区間（L2）が接
   続し、この区間（L2）は金型高さの約半分（11）で終了
   し、この区間（12）の中で頂部高さ（13）は金型出口
   （５）における頂部高さに対応する値（14）まで線形で
   減少し、従って金型の下半部（12）は一定の頂部高さの
   円弧状凹部を有することを特徴とする請求の範囲第１項
   から第６項のうちのいずれか１つの項に記載のスラブ形
   状で溶鋼から連鋳材を連続鋳造するための液冷される幅
   調整可能な定盤金型。
8. 【請求項８】最小のスラブ幅の領域（３）内の側壁の幅
   方向での円弧長が弦長に比して、スラブが収縮する長さ
   の20％より大きくはないことを特徴とする請求の範囲第
   １項から第７項のうちのいずれか１つの項に記載のスラ
   ブ形状で溶鋼から連鋳材を連続鋳造するための液冷され
   る幅調整可能な定盤金型。
9. 【請求項９】広幅側面定盤（２）の連鋳材に面している
   表面からの金型広幅側面（１）のチャネル（８）のチャ
   ネル底部（８′）の間隔が、上面図で見て金型中央（切
   断平面Ｂ−Ｂ）から外側領域（３′）に向かって増加す
   ることを特徴とする請求の範囲第１項から第８項のうち
   のいずれか１つの項に記載のスラブ形状で溶鋼から連鋳
   材を連続鋳造するための液冷される幅調整可能な定盤金
   型。
10. 【請求項１０】金型壁のチャネル（８）のチャネル底部
    （８′）が少なくとも金型上半部内では１つの平面内に
    中央平面（10）に平行に位置することを特徴とする請求
    の範囲第９項に記載のスラブ形状で溶鋼から連鋳材を連
    続鋳造するための液冷される幅調整可能な定盤金型。
11. 【請求項１１】広幅側面定盤（１）の調整領域（３′）
    が、平面として形成され、上面図で見て最小スラブ幅領
    域（３）の両端をそれぞれ結ぶ線を下辺とする台形を形
    成するように、この両端から出発して長手中央平面（1
    0）に向かって傾斜され、金型の鋳込み側（４）から下
    縁（５）まで不変の相互間隔を有することを特徴とする
    請求の範囲第１項から第10項のうちのいずれか１つの項
    に記載のスラブ形状で溶鋼から連鋳材を連続鋳造するた
    めの液冷される幅調整可能な定盤金型。