JP2679311B2 - 楽音合成装置 - Google Patents

楽音合成装置

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、擦弦楽器、撥弦楽器、打弦楽器等の弦楽
器音の合成に用いて好適な楽音合成装置に関する。
「従来の技術」 自然楽器の発音メカニズムをシミュレートすることに
より得られたモデルを動作させ、これにより、自然楽器
の楽音を合成する装置が知られている。弦楽器音等の楽
音合成装置としては、弦の音響損失をシミュレートした
ローパスフィルタと、弦における振動の伝播遅延をシミ
ュレートした遅延回路とを、閉ループ状に接続した構成
のものが知られている。このような構成において、閉ル
ープに例えばインパルス等の励起信号を導入すると、閉
ループ内において信号の循環が発生する。この場合、弦
を振動が一往復する周期に等しい時間で、閉ループ内を
信号が一巡し、かつ、ローパスフィルタを通過する際に
信号の帯域制限がなされる。この閉ループを循環する信
号が取り出され、楽音として出力される。このような装
置によれば、遅延回路の遅延時間、ローパスフィルタの
特性等を調整することにより、ギター等の撥弦楽器音、
ピアノ等の打楽器音等、自然の弦楽器音にある程度近い
楽音を合成することができる。また、バイオリン等の撥
弦楽器音の楽音合成装置は、上述と同様な閉ループ回路
に対し、弓によって弦に励起される振動を演算する励振
回路を接続することにより実現される。なお、この種の
技術は、例えば特開昭63−40199号公報あるいは特公昭5
8−58679号公報に開示されている。
「発明が解決しようとする課題」 さて、バイオリンの場合、弓が弦を摩擦することによ
り、弦に振動が励起され、楽音が発生される。しかし、
バイオリンの弓は、馬の尾の毛を多数束ねることにより
構成されており、多数の毛が弦と接する各擦弦位置を介
して、弦への励起振動の導入が行われる。しかしなが
ら、上述した従来の楽音合成装置は、閉ループ回路にお
ける特定の一点に励起信号を入力するようにしていたの
で、多くの擦弦位置から励起振動が導入されるバイオリ
ン等の擦弦楽器の楽音を忠実に合成することができない
という問題があった。このことは擦弦楽器に限られたこ
とではなく、例えばギター等の撥弦楽器の場合において
も、弦における一点ではなく、ある長さを持った部分が
ピックによって弾かれ、楽音が発生される。従って、励
起信号の導入点を1個しか持たない従来の楽音合成装置
では、リアリティに富んだ楽音が得られないという問題
があった。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、弦
楽器における弦への励起振動の導入メカニズムを忠実に
シミュレートした楽音合成装置を提供することを目的と
している。
「課題を解決するための手段」 上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、遅
延手段を少なくとも含み、ループ状に接続してなる閉ル
ープ手段と、励振信号を発生して前記閉ループ手段の異
なる少なくとも4点に入力する励振手段とを具備し、前
記遅延手段は前記少なくとも4点の各間に設けられてい
ることを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、遅延手段を少なくとも
含み、ループ状に接続してなる閉ループ手段と、所定の
演奏情報と前記閉ループ手段を循環する信号とに基づい
て少なくとも2つの異なる励振信号を発生する励振信号
発生手段とを具備し、前記少なくとも2つの励振信号を
前記閉ループ手段の異なる点に各々入力することを特徴
とする。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2
記載の楽音合成装置において、前記閉ループ手段全体の
遅延を発生すべき楽音の音高に応じて制御するととも
に、前記遅延手段の遅延時間の一部を所定の演奏情報に
基づいて変更制御する制御手段を具備することを特徴と
する。
「作用」 上記構成によれば、励振信号が入力される少なくとも
4点が閉ループ手段に設けられた遅延素子を挟むように
設定されており、入力された励振信号は励振信号が入力
される他の点へ到達する前に必ず遅延されることにな
る。そして、導入された励振信号は遅延を受けながら閉
ループ回路を循環する。
また、所定の演奏情報と閉ループ手段を循環する信号
とに基づいて励振信号発生手段によって発生された励振
信号は閉ループの異なる2点に入力され、閉ループを循
環する。
また、所定の演奏情報に基づいて遅延手段の遅延時間
の一部が変更されるとともに閉ループ手段全体の遅延が
発生すべき楽音の音高に応じて制御され、励振信号は遅
延量が制御された閉ループ手段中を循環する。このよう
にして、多くの駆動位置を介して弦に励起振動が与えら
れるバイオリン等の楽器の発音メカニズムが忠実にシミ
ュレートされる。
「実施例」 以下、図面を参照し、本発明の実施例を説明する。
第1図はこの発明の一実施例による楽音合成装置の構
成を示すブロック図である。この楽音合成装置は、バイ
オリン音の合成を行うものであり、バイオリンの弦をシ
ミュレートした閉ループ回路100、弓が弦に与える励起
振動に相当する励起信号を発生する励振回路101、102、
および装置全体を制御する制御部103からなる。
ここで、上記各構成要素の詳細な説明を行う前に、バ
イオリンの弦に励起振動が導入される際のメカニズムに
ついて説明する。第2図において、Sはバイオリンの
弦、Lは弓を示す。また、弦Sの両端を固定する固定端
T1およびT2は、各々バイオリンのナットおよび駒に相当
する。弓Lを弦Sに押し当てて弾くと(矢印U)、弓L
と弦Sとの間の静止摩擦力が働く期間は弦Sが弓Lの移
動に伴って移動し、弦Sの変位が大きくなって弦Sの弾
性力によって決まるり力積が静止摩擦力を上回ると、弦
Sは弓Lに対して滑り、元の位置の方向に戻ろうとす
る。このようにして弓Lによって弦Sに振動が励起され
る。実際には、弓Lは多数の毛の束によって構成されて
いるので、弦Sと1本1本の毛とが接触する各擦弦位置
において、上記振動の励起が行われる。第2図における
A1は弦Sにおける最も固定端T1よりの擦弦位置、A2は最
も固定端T2寄りの擦弦位置を示す。
各擦弦位置において弦Sに励起された振動は2分岐さ
れ、固定端T1側に振動波Waとなって伝播すると共に固定
端T2側に振動波Wbとなって伝播する。そして、振動波Wa
は、固定端T1において位相反転されて反射され、その反
射波が固定端T2側へ伝播し、振動波Wbは、固定端T2にお
いて位相反転されて反射され、その反射波が固定端T1
へ伝播する。そして、弦Sは振動波WaおよびWbを加算し
て得られる固定端T1およびT2を節とする定在波Wsに従っ
て振動する。
第1図におけるループ回路100は、上述したような弦
Sにおける振動の伝播メカニズムをシミュレートしたも
のであり、遅延回路1、加算器2、ローパスフィルタ
3、位相反転回路4、遅延回路5、加算器6、遅延回路
7、加算器8、ローパスフィルタ9、位相反転回路10、
遅延回路11および加算器12によって構成される。
遅延回路1、5、7および11は、各々、遅延時間の調
整が可能な構成となっており、制御部103によって遅延
時間が制御される。なお、この種の遅延回路は、例えば
シフトレジスタおよびシフトレジスタの各遅延出力を選
択するセレクタとによって実現することができる。各遅
延回路の遅延時間は、制御部103により、以下説明する
ように設定される。まず、遅延回路11の遅延時間τa
は、弦Sにおける擦弦位置A1から固定端T1までの部分を
振動波Waが往復するのに要する時間に合わせて設定され
る。また、遅延回路5の遅延時間τbは、弦Sにおける
擦弦位置A2から固定端T2に至る部分を振動波Wbが往復す
る時間に合わせて設定される。また、遅延回路1および
7の遅延時間τは、弦Sにおける擦弦位置A1から擦弦
位置A2までの部分の振動の伝播遅延時間に合わせて設定
される。
位相反転回路4および10は、固定端T1およびT2におい
て振動波WaおよびWbが位相反転する現象をシミュレート
するために設けたものである。また、ローパスフィルタ
3および9は、弦Sにおける振動の減衰の周波数特性を
シミュレートするために介挿されたものである。これら
を介挿することにより、弦Sに発生された振動の各周波
数成分において、高次の高調波成分になる程、急速に減
衰する現象が忠実にシミュレートされる。
励振回路101および102は、各々、弓Lによって弦Sに
与えられる励起振動に相当する励起信号を発生する。
励振回路101は、加算器21、除算器22、非線形関数発
生回路23、乗算器24および25からなる。加算器21では、
遅延回路11の出力信号Va1、遅延回路7の出力信号Va2
よび弓Lの移動速度を示す信号VA(以下、弓速度信号VA
という)が加算される。ここで、信号Va1およびVa2は、
各々、弦Sの擦弦位置A1における振動波WaおよびWbの速
度成分に相当するので、これらの加算値は、擦弦位置A1
における弦Sの速度に相当する。そして、上記加算値に
さらに弓速度信号VAを加算した値、すなわち、弦Sが弓
Lに全く追従しないと仮定した場合における弓Lと弦S
との仮の相当速度に相当する信号VAS(以下、速度差信
号VASという)が加算器21から出力される。ここで、弓
速度信号VAは制御部103から出力される。この弓速度信
号VAは、制御部103の図示しないメモリに、実際のバイ
オリン演奏における弓Lの動きを観測することによって
得られた弓速度の時間的変化を示すデータを記憶してお
き、楽音発生時に読み出すようにしてもよいし、特殊な
操作子によって入力しても良い。
除算器22、非線形関数発生回路23および乗算器24から
なる回路は、弓Lの移動に対する弦Sの追従性をシミュ
レートするものである。除算器22および乗算器24には、
擦弦位置A1において弓Lが弦Sを押圧する圧力に相当す
る信号F1(以下、弓圧信号F1という)が、各々、除算係
数および乗算係数として供給される。これに対し、励振
回路102におけるこれと対応する箇所には擦弦位置A2
対応した弓圧信号F2が与えられる。これらの弓圧信号F1
およびF2も、前述の弓速度信号VAと同様、制御部103か
ら供給される。
ここで、実際のバイオリン演奏では弓Lの弦Sに対す
る角度が時間と共に変化するので、擦弦位置A1およびA2
における弓圧も時間的に変化する。本実施例では、この
ことを考慮し、弓Lの全圧力の時間的変化と弓Lの弦S
に対する角度の時間的変化に基づいて、擦弦位置A1およ
びA2における弓圧の時間的変化を示すデータを作成して
制御部103のメモリに記録し、楽音発生時に順次読み出
して弓圧信号F1およびF2として出力するようにした。な
お、弓圧信号F1およびF2は特殊な操作子の操作により実
時間制御してもよい。
非線形関数発生回路23は、第3図に示すように、ROM4
1,42、乗算器43および加算器44によって構成される。RO
M41および42には共に第1図に示す除算器22の出力が入
力Xとして与えられる。ROM41には第4図にその内容を
示す非線形関数Aのテーブルが記憶されている。同図に
示すように、入力Xが−Xm〜Xmの範囲の場合、ROM41の
出力Yは−Xとなり、それ以外の場合は、ROM41の出力
Yは0となる。ROM42には第5図に示す非線形関数Bの
テーブルが記憶されている。同図に示すように、入力X
が−Xm〜Xmの範囲の場合、ROM41の出力Yは0である。
そして、入力XがXmを上回ると出力Yは負の値となり、
以後、入力Xが正の方向に大きくなるのに従ってYは徐
々に0に近づく。また、入力Xが−Xmを下回ると出力Y
は正の値となり、入力Xが負の方向に大きくなるのに従
ってYは徐々に0に近づく。そして、ROM42の出力に対
し、乗算器43によって弓圧信号F1が乗算され、その乗算
結果とROM41の出力とが加算器44によって加算される。
従って、非線形関数発生回路23全体の入出力特性として
第6図に示すものが得られる。同図に示すように、非線
形関数発生回路23は、入力Xが−Xm〜Xmの区間において
は非線形関数Aに従った出力Y(=−X)が得られ、入
力Xが−Xmより小さい区間および入力XがXmより大きい
区間においては非線形関数Bを弓圧信号F1の値に応じて
Y軸方向に伸張した出力Yが得られる。
そして、非線形関数発生回路23の前段には除算器22
が、後段には乗算器24が介挿されているので、第7図に
示すように、第6図の入出力特性をX方向およびY方向
に弓圧信号F1に従って伸張した入出力特性が、除算器2
2、非線形関数発生回路23および乗算器24全体の入出力
特性として得られる。
加算器21から供給される速度差信号VASの絶対値が小
さい場合、第7図の入出力特性における直線領域S0に従
って出力信号が決定され、VAM1=−VASなる励起信号VAM
1が乗算器24から出力される。そして、励起信号VAM1
乗算器25によって1/2が乗算され、乗算結果(1/2)VAM1
が加算器12および8に入力される。この結果、加算器12
の出力Va3は、 Va3=Va1+(1/2)VAM1 =Va1−(1/2)VAS =Va1−(1/2)(VA+VS) ……(1) となり、加算器8の出力Va4は、 Va4=Va2+(1/2)VAM1 =Va2−(1/2)VAS =Va2−(1/2)(VA+VS) ……(2) となる。ただし、上記式(1)および(2)において、
VSはVa1+Va2であり、擦弦による効果を考慮しない場合
の弦Sの速度に相当する。このようにして得られた信号
Va3およびVa4は、各々、擦弦による効果の考慮された擦
弦位置A1における振動波WaおよびWbを示す信号として遅
延回路1およびローパスフィルタ9に入力される。ここ
で、信号Va3とVa4との和は、擦弦による効果を考慮した
場合の弦Sの速度VSLに相当する。この場合、 VSL=Va3+Va4 =Va1+Va2−(VA+VS) =−VA ……(3) となる。すなわち、弦Sは弓Lと同一速度で移動する。
なお、本実施例では、弓Lが移動する場合の正方向と弦
Sが移動する場合の正方向は逆向きに定義されている。
このようにして、弓Lと弦Sとの間に静止摩擦力が働
き、弦Sが弓Lに完全に追従して変位する場合の動作が
シミュレートされる。
一方、速度差信号VASの絶対値が大きくなると、励振
回路101の動作点は、第7図における直線領域S0から曲
線領域P1、P2、P3、…あるいはQ1、Q2、Q3、…に遷移
し、これらの曲線領域の値が励振信号VAM1として出力さ
れる。ここで、曲線領域P1、P2、P3、…およびQ1、Q2
Q3、…は、弦Sが弓Lに対して滑りながら変位する状態
に対応している。
ここで、直線領域S0から曲線領域に遷移するポイント
は第7図に示すように、弓圧信号F1が大きくなるに従
い、原点から遠ざかる。このようにすることにより、弓
Lの押圧力が大きい程、弦Sの弓Lへの追従性が良くな
る現象がシミュレートされる。また、遷移先たる曲線領
域は、弓圧信号F1が大きくなるに従い、P1(Q1)→P
2(Q2)→P3(Q3)→というように変化する。このよう
にすることにより、弦Sが弓Lに対して滑る場合におい
ても、弓Lの押圧力が大きい程、弦Sの弓Lに対する追
従性が良くなる現象がシミュレートされる。
そして、乗算器24の出力信号VAM1が乗算器25によって
2分され、加算器12および8に与えられる。この場合、
曲線領域の値が励振信号VAM1として用いられるため、信
号Va3およびVa4は、信号Va1およびVa2から僅かしか変化
しない。このようにして、弓Lと弦Sとの間に動摩擦が
働く場合の動作がシミュレートされる。
励振回路102も励振回路101と同様の構成により実現さ
れ、制御部103から供給される弓速度信号VAおよび弓圧
信号F2と、遅延回路1の出力信号Vb1および遅延回路5
の出力信号Vb2とに基づいて、励起信号VAM2が作成さ
れ、その1/2が加算器2および6に供給される。
以下、この楽音合成装置の動作を説明する。楽音の発
生に先立ち、制御部103によって遅延回路1,5,7,11の遅
延時間が設定される。この場合、閉ループ回路100を信
号が一巡するのに要する時間が、発生する楽音の1次共
振周波数の逆数になるように、各遅延回路の遅延時間が
設定される。そして、制御部103から弓速度信号VAおよ
び弓圧信号F1、F2が出力され、弓速度信号VAおよび弓圧
信号F1が励振回路101に供給され、弓速度信号VAおよび
弓圧信号F2が励振回路102に供給される。そして、上述
したようにして、励起信号VAM1が励振回路101により発
生され、その1/2が加算器12および8を介して閉ループ
回路100に入力され、励起信号VAM2が励振回路102により
発生され、その1/2が加算器2および6を介して閉ルー
プ回路100に入力される。
そして、励振回路101および102から出力され、閉ルー
プ回路100内に導入された信号は、ループ内を循環し、
励振回路101および102に再入力される。この動作は第2
図において弓Lによって弦Sに与えられた振動が、その
擦弦位置から左右に伝播し、各固定端で反射されて再び
擦弦位置に戻る現象に対応している。そして、以後、同
様に、励振回路101および102によって励起信号VAM1およ
びVAM2が演算され、閉ループ回路100に入力されるとい
う動作が繰り返される。そして、閉ループ回路100を循
環する信号が楽音信号として取り出されてサウンドシス
テムに送られ、バイオリン音の合成音が発音される。
なお、上述した実施例では、擦弦位置A1およびA2に対
して励振回路を2個設けた場合を説明したが、A1−A2
に存在する各擦弦位置に対応し、励振回路を追加する
と、さらに厳密な楽音合成を行うことができる。逆に、
上記実施例のように、励振回路101および102の両方を用
意するのでなく、励振回路を一方のみとし、その励振回
路の出力を閉ループ回路100における擦弦位置A1およびA
2に対応した各位置に入力するようにしても、ある程
度、実際のバイオリン音に近い合成音を得ることができ
る。また、上記実施例では、擦弦位置A1−A2間の伝播遅
延に対応し、遅延時間の等しい遅延回路1および7を設
けたが、両者の遅延時間をアンバランスにしても良く、
また、片方の遅延回路を省略しても良い。また、上記実
施例による楽音合成装置に鍵盤を接続し、遅延回路1、
5、7、11の遅延時間の配分、弓圧信号F1およびF2、弓
速度信号VA等のパラメータを、鍵盤を叩く時のイニシャ
ルタッチ、アフタータッチ等に応じて変化させるように
しても良い。例えば、タッチが強い場合は遅延回路11の
遅延時間τaを小さくすると共に遅延回路5の遅延時間
τbを大きくし、かつ、遅延回路1および7の遅延時間
τを大きくし、さらに弓圧信号F1およびF2は大きくす
る。このようにすると、強い表現の音色が実現される。
また、タッチが弱い場合は、遅延回路11の遅延時間τa
と遅延時間5の遅延時間τbを近づけ、かつ、遅延回路
1および7の遅延時間τを小さくし、さらに弓圧信号
F1およびF2は小さくする。このようにすると、弱い表現
の音色が実現される。また、発生する楽音のキーコード
に対応し、各遅延回路の遅延時間の配分、弓圧信号F1
よびF2、弓速度信号VAを変化させるようにしても良い。
また、上記実施例では、本発明の擦弦楽器の楽音合成装
置に適用した場合の例に説明したが、本発明を撥弦楽
器、打弦楽器に適用しても、同様の効果が得られる。
「発明の効果」 以上説明したように、この発明によれば、遅延手段を
少なくとも含み、ループ状に接続してなる閉ループ手段
と、励振信号を発生して前記閉ループ手段の異なる少な
くとも4点に入力する励振手段とを具備し、前記遅延手
段は前記少なくとも4点の各間に設けたので、発音体に
おける広範囲の部分を介して励振振動が導入される楽器
を忠実に合成することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例による楽音合成装置のブロ
ック図、第2図はバイオリンの弦への励起振動の導入メ
カニズムを説明する図、第3図は第1図に示す実施例の
非線形関数発生回路23の構成を示すブロック図、第4図
〜第7図は同実施例において用いられる非線形関数を説
明する図である。 100……閉ループ回路、101,102……励振回路、103……
制御部。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遅延手段を少なくとも含み、ループ状に接
    続してなる閉ループ手段と、 励振信号を発生して前記閉ループ手段の異なる少なくと
    も4点に入力する励振手段と を具備し、 前記遅延手段は前記少なくとも4点の各間に設けられて
    いることを特徴とする楽音合成装置。
  2. 【請求項2】遅延手段を少なくとも含み、ループ状に接
    続してなる閉ループ手段と、 所定の演奏情報と前記閉ループ手段を循環する信号とに
    基づいて少なくとも2つの異なる励振信号を発生する励
    振信号発生手段と を具備し、前記少なくとも2つの励振信号を前記閉ルー
    プ手段の異なる点に各々入力することを特徴とする楽音
    合成装置。
  3. 【請求項3】前記閉ループ手段全体の遅延を発生すべき
    楽音の音高に応じて制御するとともに、前記遅延手段の
    遅延時間の一部を所定の演奏情報に基づいて変更制御す
    る制御手段を具備することを特徴とする請求項1又は請
    求項2記載の楽音合成装置。
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JPS5230417A (en) * 1975-09-03 1977-03-08 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd Device for combining musical sound waves of electronic musical instrum ent
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