JP2679212B2 - 衣類乾燥機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は低騒音化をはかった除湿型の衣類乾燥機に関
するものである。

従来の技術 従来のこの種の衣類乾燥機を第４図および第５図に示
す。図に示すように、乾燥機の本体１は、衣類を収納す
る回転ドラム２、本体１の後面を覆う裏板３、熱交換の
ための熱交換ファン４、回転ドラム２および熱交換ファ
ン４を駆動するモータ５を有している。そして前記モー
タ５は熱交換ファン４にベルト６を介して動力を伝達し
ており、熱交換ファン４のファンケース７の一部にはモ
ータ冷却孔８が設けられており、裏板３には吸気孔９、
10が設けられている。前記吸気孔９はベルト６が位置す
る通路上の裏板３に設けられており、ここから熱交換の
ための冷却用の外気を吸気することにより、モータ冷却
孔８から本体１内に排出されたモータ５の冷却空気ａの
一部がベルト６部分を通して再吸気されることを防いで
いる。

すなわち、吸気孔９部分に外気の吸気流を作ることに
より、モータ５の冷却空気ａの一部がベルト６部分に回
り込み難くなり、その結果、冷却空気ａの再吸気を防い
でいる。これにより熱交換ファン４での熱交換効率を高
めている。

発明が解決しようとする課題 このような従来の衣類乾燥機では、吸気孔９部分に外
気の吸気流を作ることにより、冷却空気ａの再吸気は防
げるが、この吸気孔９から乾燥機の本体１内で発生する
音が漏れ出て騒音の原因になっていた。

本発明はこのような従来の問題を解決したものであ
り、簡単な構成により乾燥機の本体内で発生する音が本
体の外に漏れ出ないようにした衣類乾燥機を提供するこ
とを目的とする。

課題を解決するための手段 前記目的を達成するために、本発明の衣類乾燥機は、
乾燥機の本体の後面を覆う裏板と熱交換ファン側との間
に、モータの動力を熱交換ファンに伝えるベルトが位置
する通路を一部遮断してモータ側と熱交換ファン側とを
分離する分離部を設けたものである。

作用 上記構成とすることにより、乾燥機の本体内で発生し
た音は、モータ側と熱交換ファン側とを分離する分離部
により遮断されることになり、乾燥機の本体外への漏出
が低減されるものである。

実施例 以下、添付図面をもとに本発明の一実施例について説
明する。第１図〜第３図において、11は乾燥機の本体、
12は本体11内に回転自在に設けた回転ドラム、13は回転
ドラム12内に被乾燥物を投入するためのドア、14は送風
と熱交換の両機能を有する熱交換ファンで、この熱交換
ファン14の外周部には略リング状で断面がＶ字形状の可
とう性シール材15が固定してある。16は熱交換ファン14
を回転させるモータ、17は本体11の後面を覆う裏板、18
は熱交換ファン14の両面の空気の流れの通風路を形成す
る隔壁で、ファン当て板19と共に熱交換ファン14を内包
して渦巻室20を有するケーシングを形成している。21は
高温多湿な乾燥用空気をヒータ22に導く循環風胴、23は
吸気した冷却用空気を排出するための排気孔、24は除湿
水を本体外に排水する排水口である。25はモータ16の動
力を熱交換ファン14に伝達するベルト、26は前記ケーシ
ング７の一部に設けたモータ冷却孔、27は裏板17とファ
ン当て板19間のベルト25が位置する通路を一部遮断して
モータ16側と熱交換ファン14側とを分離する分離部で、
この実施例ではベルト25の間に裏板17から一体に突出形
成して設けている。28は裏板17に設けた吸気孔である。
図中、a,bはそれぞれ乾燥用空気と冷却用空気、ｃはモ
ータ冷却風を示す。

上記衣類乾燥機において、モータ16が回転し熱交換フ
ァン14が回転すると、空気の流れａとｂが生じ、被乾燥
物を乾燥させた高温多湿の乾燥用空気は、熱交換ファン
14のブレード部分で冷却用空気により冷却され除湿され
る。除湿された乾燥用空気はヒータ22で加熱され再び回
転ドラム12内に送風され衣類が乾燥処理される。勿論、
このとき回転ドラム12もモータ16から動力を得て回転し
ている。また、モータ冷却孔26より冷却用空気の一部を
排出してモータ16およびその他の冷却部材の冷却を行っ
ている。

上記衣類乾燥機の場合、モータ側と熱交換ファン側と
を分離する分離部27によりモータ冷却風ｃの一部がベル
ト25部分に回り込み難くなり、その結果、冷却風ｃの再
吸気を防いでいる。これはまた回転ドラム12の回転にと
もなって発生する摺動音や熱交換ファン14の回転により
発生する風切り音等、本体１内で発生した音がベルト25
部分を通して漏れ出て来る音も分離部27により遮断され
ることになり、乾燥機の本体11外への漏出が低減される
ものである。なお、分離部27がモータ冷却風ｃの再吸気
するのを防ぐことが出来るので、従来例における吸気孔
（第４図の９）はとくに必要ではなくなり、吸気孔を実
施例のように無くしたものでは、そこから漏れ出て来る
音は全く無くなる。具体的には本体11の後面での騒音値
が51dBから50dBとなり1dBの低騒音化がはかれた。また
本体11に向かって右側（第２図においては左側）の騒音
値も47dBから46.5dBとなり0.5dBの低騒音化がはかれ
た。さらに本体11を実際に設置した場合についても、本
体後面の壁から反射してくる音が軽減されるので、全体
的には大きな低騒音化がはかれるものである。

なお、ここでは裏板17のベルト25の通路の上の吸気孔
を全てなくした場合の例について述べたが、この吸気孔
を分離部27のモータと反対側の裏面17位置に設けてもよ
いものである。また、モータ16側と熱交換ファン14側と
を分離する分離部27の構成については、ファン当て板19
側からベルト25の通路に突出部を設ける方法、また新た
に別の部材を設ける方法等、色々考えられるものであっ
て、実施例の構成に限定されるものではない。

発明の効果 以上のように本発明の衣類乾燥機は、裏板と熱交換フ
ァン側との間に、モータの動力を熱交換ファンに伝える
ベルトが位置する通路を一部遮断してモータ側と熱交換
ファン側とを分離する分離部を設けたという簡単な構成
により、モータ冷却風をベルトの通路から再吸気するの
を防ぎ、同時に本体内で発生した音が漏れ出るのを低減
できる。これによって、低騒音で熱交換効率のよい衣類
乾燥機が提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における衣類乾燥機の概略構
成を示す側断面図、第２図は同衣類乾燥機の裏板の正面
図、第３図は第２図のＡ−Ａ線における拡大断面図、第
４図は従来の衣類乾燥機の概略構成を示す側断面図、第
５図は同裏板の正面図である。 11……本体、12……回転ドラム、14……熱交換ファン、
16……モータ、17……裏板、25……ベルト、27……分離
部。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】乾燥機の本体と、この本体内に回転自在に
   設けた回転ドラムと、この回転ドラムの後部に設けた送
   風と熱交換機能をもった熱交換ファンと、前記回転ドラ
   ムと熱交換ファンを駆動するモータと、前記本体の後面
   を覆う裏板とを備え、前記裏板と熱交換ファン側との間
   でかつベルト間に突出形成する分離部を設けてモータの
   動力を熱交換ファンに伝えるベルトが位置する通路を一
   部遮断してモータ側と熱交換ファン側とを分離する構成
   とした衣類乾燥機。