JP2676936B2 - 方位探知装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、到来電波の到来方位を検知する方位探知装
置に関するものである。

〔従来の技術〕

第４図は、文献「ステフェン・リプスキー著，“マイ
クロ波パッシブ方位探知",発行：ウイリー・インタサイ
エンス・パブリケーション ジョン・ウイリーとサン
（STEPHEN E.LIPSKY,“Microwave Passive Direction F
inding",A Wiely Interscience Publication JOHN WILE
Y ＆ SONS）」の24頁に記載された従来の方位探知装置
を示すブロック系統図である。同図において、1,2は横
に並べられ、同じ方向に向けられ、特性が同じ空中線、
３はハイブリッドであり、これらは垂直軸を中心に回転
する。4a,4bはロータリジョイント、5a,5bは受信機、6,
7は方位算出器、８は角度検出器、９は方位データの出
力端子である。

次に動作について説明する。従来電波を２個の空中線
1,2で捕捉し、高速波信号をハイブリッド３に送る。ハ
イブリッド３は２つの高周波信号の和信号と差信号を作
成し、ロータリジョイント4a,4bを経て、それぞれ高周
波信号を回転側から固定側の受信機5a,5bに送り、それ
ぞれ高周波信号を受信復調する。

和信号および差信号を復調した結果をそれぞれ第５図
（ａ）および（ｂ）に示す。両信号を方位算出器６に送
り、和信号でもって到来波があることを検知し、差信号
でもって空中線1,2が向いている方位を基準にして到来
電波の到来方位を算出する。この算出信号と角度検出器
８の検出する空中線1,2の向いている方位角とを方位算
出器７に送り、電波の到来方位を算出する。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来の方位探知装置は以上のように、従来の方位探知
装置は、２つの同一特性の空中線が同一方向に向けて配
置されており、例えば、これら各空中線に対して入射す
る入射電波の入射方向が各中空線の指向方向からずれて
くると、各空中線の出力には位相差が生じ、この位相差
の応じた各空中線からの各出力が合成されると干渉が生
じるので、上記２つの空中線で捕捉した高周波信号の和
信号および差信号はいづれも第５図に示したような、電
波の到来方向に対して極大とヌル（ゼロ）を繰り返すと
いう現象が生じる。

従って、上記２つの信号からは一義的に電波の到来方
向を決定することができず、他のシステムによる方位の
粗測情報が必要である等の問題があった。

本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、他のシステム粗測方位情報を
必要とせず、到来電波の方位探知を可能とする新規な方
位探知装置を得ることにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明に係る方位探知装置は、水平方向に向けた第１
の空中線と、第１の空中線と同一方向に向けて横に並べ
て配置された互いに同じ特性を有する第２、第３の空中
線と、第２、第３の空中線からの高周波信号の差を作成
するハイブリッドと、第１の空中線およびハイブリッド
からの高周波信号を回転側から固定側にそれぞれ伝達す
るロータリジョイントと、このロータリジョイントから
のそれぞれの高周波信号をそれぞれ受信復調する２つの
受信機と、この２つの受信機から出力される受信信号に
より電波の到来方位を第１、第２、第３の空中線が向い
ている方位を基準として算出する第１の方位算出器と、
第１、第２、第３の空中線が向いている方位を検出する
角度検出器と、第１の方位算出器および角度検出器から
出力される信号により電波の到来方位を算出する第２の
方位算出器とを備え、第１の空中線の水平面内の開口幅
を第２および第３の空中線の水平面内の開口幅の２倍に
したものである。

〔作用〕

本発明による方位探知装置においては、差信号は従来
どおり電波の到来方向に対応して極大とヌルを繰り返す
が、別に設けた空中線からの受信信号は極大となる角度
が空中線の向いている方位のみとなるので一義的に電波
の到来方位を決定することができる。

〔実施例〕

第１図は、本発明による方位探知装置の一実施例を示
すブロック系統図である。同図において第３図と同一部
分又は相当部分には同一符号が付してあり、10は第１の
空中線である。第２の空中線１および第３の空中線２
は、横に並べられ、空中線10と同じ方向に向け配列さ
れ、第１、第２、第３の空中線１、２、10は互いに同じ
特性である。

次の動作について説明する。到来電波を第１の空中線
10,2個の第2,第３の空中線1,2で捕捉し、空中線10から
の高周波信号をロータリジョイント4aを介して回転側か
ら固定側に伝達し、受信機5aに送る。

一方、２個の空中線1,2からの高周波信号をハイブリ
ッド３に送り、両者の差信号を作成し、ロータリジョイ
ント4bを介して受信機5bに送る。受信機5a,5bではそれ
ぞれ入力信号を受信復調する。空中線10からの復調信号
対電波の到来方位との関係、および２個の空中線1,2か
らの差信号の復調信号対電波の到来方位との関係をそれ
ぞれ第２図（ａ）および（ｂ）に示す。これら両信号を
第１の方位算出器６に送り、空中線10からの復調信号で
もって到来波の存在を検知し、２個の空中線1,2からの
差信号の復調信号でもって空中線1,2,10が向いている方
位を基準にして到来電波の到来方位を算出する。この算
出信号と角度検出器８の検出する空中線1,2,10が向いて
いる方位角とを第２の方位算出器７に送り、電波の到来
方位を算出する。

なお、空中線10の空間を２個の空中線1,2を横に並べ
たアレイの等価的な開口にほぼ等しくすることにより、
空中線10から出力される信号は、１つの極大値のみをも
つ信号であるのみならず、従来の和信号と同じパターン
の信号となり、従来の方位探知装置とほぼ同等の方位探
知精度と方位探知感度を得ることができる。これを第３
図に第１の空中線10aとして示す。第１図の空中線1,2,1
0は互いに同じ特性であるので、第１の空中線10の利得
は従来の和信号の利得よりも小さくなる。第３図の装置
はこれを防止できるものである。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明は、第２、第３の空中線と
同じ方向に向けて別の第１の空中線を設けたことによ
り、電波の到来方位を一義的に決定できるため、粗測情
報を得るための別の方位探知装置を必要とせず、小型に
して安価な方位探知装置が得られる効果がある。

また、第１の空中線の開口を、第２、第３の空中線を
横に並べたアレイの等価的な開口に等しくすれば、別の
粗測用方位探知粗測を必要とせず、従来と同程度の精度
と感度を持つ方位探知装置が得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による方位探知装置の一実施例を示すブ
ロック系統図、第２図は第１図の装置における受信レベ
ル対到来角度の特性を示す特性図、第３図は本発明の他
の実施例を示すブロック系統図、第４図は従来の方位探
知装置を示すブロック系統図、第５図は第４図の装置に
おける受信レベル対到来角度の特性を示す特性図であ
る。 １……第２の空中線、２……第３の空中線、３……ハイ
ブリッド、4a,4b……ロータリジョイント、5a,5b……受
信機、６……第１の方位算出器、７……第２の方位算出
器、８……角度検出器、９……出力端子、10……第１の
空中線。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水平方向に向けた第１の空中線と、この第
   １の空中線と同一方向に向けて横に並べて配置された互
   いに同じ特性を有する第２、第３の空中線と、これら第
   ２、第３の空中線からの高周波信号の差を作成するハイ
   ブリッドと、前記第１の空中線およびハイブリッドから
   の高周波信号を回転側から固定側にそれぞれ伝達するロ
   ータリジョイントと、このロータリジョイントからのそ
   れぞれの高周波信号をそれぞれ受信復調する２つの受信
   機と、この２つの受信機から出力される受信信号により
   電波の到来方位を前記第１、第２、第３の空中線が向い
   ている方位を基準として算出する第１の方位算出器と、
   前記第１、第２、第３の空中線が向いている方位を検出
   する角度検出器と、前記第１の方位算出器および角度検
   出器から出力される信号により電波の到来方位を算出す
   る第２の方位算出器とを備え、 前記第１の空中線の水平面内の開口幅を前記第２および
   第３の空中線の水平面内の開口幅の２倍にすることを特
   徴とする方位探知装置。