JP2671113B2 - ばね限界値試験機 - Google Patents

ばね限界値試験機

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JP2671113B2
JP2671113B2 JP7054094A JP5409495A JP2671113B2 JP 2671113 B2 JP2671113 B2 JP 2671113B2 JP 7054094 A JP7054094 A JP 7054094A JP 5409495 A JP5409495 A JP 5409495A JP 2671113 B2 JP2671113 B2 JP 2671113B2
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昌三 岩崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温条件におけるばね
限界値の測定を行うためのばね限界値試験機に関する。
【0002】
【従来の技術】板ばねまたは線ばねは、使用状態におい
てヘタリを生じないで、いかに高い応力で使用できるか
が重要な条件となる。このために使用される尺度が、ば
ね限界値である。ばね限界値Kbとは、曲げ変形により
応力を加え、その応力解放後の永久変形が「規定の永久
変形」になるときの表面最大応力をいう。ここで、規定
の永久変形は、(1)式で得られる表面最大応力σr
負荷されたときの試験片の特定位置の弾性変形量と同じ
値とする。 σr =(3/80000)E … (1) ここに、Eは試料のヤング率(MPa)である。
【0003】このようなばね限界値Kbを求める手順
は、以下の説明において、ばね限界値Kbを規定するた
めに与える応力σr の状態における特定位置の変形量を
「規定の変形量δ」ということにすると、次の手順
(1),(2)による。 (1)応力を段階的に変化させながら、各段階の応力解
放時における特定位置の永久変形量の測定を永久変形量
が規定の変形量δを超えるまで繰り返す。 (2)前記永久変形量の測定値が規定の変形量δを超え
る直前の応力σi と変形量di 、直後の応力σi+1 と変
形量di+1 を用いて、規定の変形量δに対応する応力を
(2)式による比例配分で求め、ばね限界値Kbとす
る。 Kb=σi +(σi+1 −σi )(δ−di )/(di+1 −di ) …(2)
【0004】しかし、このような基本定義だけでは実用
的な試験方法を規定することはできないので、JIS等
の規格では、次のような内容を具体的に定めて、試験方
法を規定している。 試料の変形形態 永久変形量の測定位置 規定の永久変形量δ 応力負荷方法 応力ステップ 測定条件(長さlおよび厚みtに対しl2 /t) 応力計算式
【0005】JISでは、ばね限界値の試験方法とし
て、例えば、次の2通りの方法が規定されている。 モーメント負荷方式 繰り返したわみ方式 この方法の概要を説明すると、以下のようになる。
【0006】(1) モーメント負荷方式(JIS,APT
方式) 負荷モーメントMと試験片の断面係数Zとの比として、
負荷応力σを計算する。すなわち、bを板幅、tを板
厚、dを線径とすると、 σ=M/Z …(3) Zp=bt2 /6 …(4) Zw=(π/32)d3 …(5) そして、試験片に与えるモーメントMは図6に示す各値
に対して次式のようになる。 M=rW sinθ … (6) この場合に、錘Wと振上げ角θの選択により負荷モーメ
ントを変更する。なお、同一錘を使うとき、角度目盛が
sinθi+1 / sinθi ≒1.06となるようにしてあ
る。現在生産されているこの方式の試験機ではr=14
0mmとなっている。モーメントの負荷と除荷は、図6に
示す負荷点Pを押圧する爪を手動操作で回転移動させる
メカニズムによる。除荷後の負荷点の永久変形量は1μ
m読みのダイヤルゲージで測定する。
【0007】(2) 繰り返したわみ方式(JIS,SSF
方式) はりの撓み量と応力との関係式(7)を基にして、撓み
量fから応力を求める。すなわち、σは試験片に与えら
れる表面最大応力、fは図7に示す負荷点Pの撓み量と
すると、 σ∝E(l2 /t)f … (7) 初期の試験機における最大たわみ率は試験中の最大応力
時において、fmax /l<0.5であった。このことを
考慮してf/l<0.5となるように試験条件をl2
tの設定を行うようにしている。そのためには、σmax
≒Kbとし、次式を満足するようにすることが必要であ
る。 l2 /t=((3/4)・(E/σmax ))2 ・t … (8) この方式では、応力の負荷方法は、負荷点Pのたわみ量
fを(9)式により選択できるようにしている。 fi =4+4i/3.(mm,i=0〜15) … (9) fi のたわみに対する応力ai は(10)式となる。 ai =1.5E(t/l2 )fi …(10) 試験条件l2 /t=4000,E=100GPaのと
き、応力ステップが50MPaで、範囲は150〜90
0MPaである。実際の試験機では、同一たわみを20
0rpmの速度で50回繰り返した後の負荷点の永久変
形量を100倍の顕微鏡で測定する。負荷点の運動は、
試験片の初期姿勢に対して直角方向ではなく半径76m
mの円弧運動であるが、応力計算上の負荷点位置は、図
7に示す応力0における初期位置の長さlを(10)式
に入れた値としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来にお
ける試験方法は、いずれも大気条件下の試験として規定
されているものである。したがって、これらのばね限界
値試験では室温のみで板ばねのばね限界値の測定を行っ
ていた。それは高温(摂氏数百度)で測定を行える装置
がなかったためである。高温試験装置がなかったのは、
主として、次の理由による。 高温室内の板ばねの変形量(板ばねに曲げモーメン
トが負荷された場合の変形量)の測定が困難であったこ
と。 高温室内の板ばねに正確な曲げモーメントを負荷す
ることが困難であったこと。
【0009】本発明は、従来の技術における前記問題点
を解消するためのものであり、そのための課題は、試料
に与えられた高温条件下の負荷に対するばね限界値が測
定できるばね限界値試験機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を達成
できるようにするため、図1乃至図5の実施例図で例示
するように、装置を構成する。すなわち、請求項1記載
のばね限界値試験機は、高温槽を貫通する二重軸を設
け、該二重軸の高温槽内収容部には、一方の軸に形成さ
せた試料取付け部と該試料取付け部周辺に他方の軸に接
続する試料への荷重負荷用の接触片とを設けるととも
に、前記二重軸の高温槽外配置部には、前記試料取付け
部形成側の軸に設けた荷重負荷手段および測定範囲と測
定精度とが異なる複数の回転検出手段と、前記接触片接
続側の軸に設けた駆動手段とを設けたことを特徴とす
る。
【0011】また、請求項2記載のばね限界値試験機
は、一端に試料を支持し他端に回転角を求めるエンコー
ダを取り付けるとともに錘を取付交換可能に形成した負
荷アームを固着した主軸と、該主軸を回動自在に内嵌さ
せるとともに一端に接触アームを設け他端に駆動手段を
設けた駆動パイプと、前記接触アームの先端部に長手方
向へ移動可能に取り付け前記試料に先端を接触させる接
触片と、該接触片が試料に荷重を負荷する前に当接させ
た前記試料の当接位置に先端を位置させて前記試料に接
触させるとともに位置固定させる接触針とを設け、前記
負荷アームの中央部に反射鏡を固定し、該反射鏡に向け
て発光する光学的変位計を設け、前記接触アームと前記
駆動用歯車との間に高温槽の貫通孔を位置させて前記試
料の周辺部分を高温槽内に収容したことを特徴とする。
【0012】また、請求項3記載のばね限界値試験機
は、駆動パイプとその内側にベアリングで支持した主軸
を設け、両者の一端を高温槽に挿入し、高温室内で、前
記主軸に試料を片持はり状態で固定し、前記駆動パイプ
には前記試料に撓みを与える接触片を位置変更可能に設
け、前記試料の初期位置に接触端を位置固定する試料変
位測定用の接触針を試験機架台側に配設し、高温室外で
は、光学的変位計を設置し、前記主軸には錘が負荷でき
る負荷アームを取り付けるとともに前記主軸の回転角を
求めるエンコーダを設け、さらに前記負荷アームに前記
光学的変位計の反射器を取り付け、前記駆動パイプには
駆動手段を設けて試料への負荷の増減ができるようにし
たことを特徴とする。
【0013】また、請求項4記載のばね限界値試験機
は、駆動パイプとその内側にベアリングで支持した主軸
を設け、両者の一端を高温槽に挿入し、高温室内で、前
記主軸に試料を片持はり状態で固定し、前記駆動パイプ
には前記試料に撓みを与える接触片を位置変更可能に設
け、高温室外では、光学的変位計を設置し、前記主軸に
はおもりが負荷できる負荷アームを取り付けるとともに
前記主軸の回転角を求めるエンコーダを設け、さらに前
記負荷アームに光学的変位計の反射器を取り付け、前記
駆動パイプには歯車をとりつけてモーター駆動又は手動
で試料への負荷の増減ができるようにし、前記主軸に取
付られた試料の自由端の変位を、前記主軸と一体になっ
て回転する負荷アームの前記反射器取付け位置の変位か
ら求め、その変位の読取り位置を接触針と試料との接
触、非接触の電気的境界位置として判別させることを特
徴とする。
【0014】
【作用】このように構成したことにより、請求項1記載
のばね限界値試験機を適用すると、高温槽内において試
料を高温度に加熱している時に高温槽外に配置した荷重
負荷手段から高温槽を貫通する二重軸を介して接触片に
より試料を押圧して、試料に曲げモーメントを負荷し、
その時の試料を取り付けた軸の回転角を測定回転角範囲
の大きな回転検出手段により検出して負荷された曲げモ
ーメントの大きさを測定し、高温負荷後には、試料取付
け部を設けた軸を荷重負荷方向と反対方向へ回動させ
て、試験前の初期位置から逆方向へ回動する逆回転角
を、微小回転角測定範囲につき高精度で測定する回転検
出手段によって検出し、試料に生じた永久変形量を測定
する。
【0015】また、請求項2記載のばね限界値試験機を
適用すると、高温槽内を所定の温度に昇温し、負荷アー
ムに所定重量の錘を負荷させ、駆動用歯車を回転させて
駆動パイプを回動させると、接触アームが回動するため
接触片が試料を押圧し、所定の曲げモーメントによって
試料を曲げる。このとき、試料を介して曲げられた主軸
の回転角をエンコーダにより検出して曲げモーメントの
大きさを測定する。高温において曲げモーメントを負荷
した後、主軸を荷重負荷時の回転方向と反対の方向へ接
触針の先端が試料に接触するまで回動させて、光学式変
位計が反射鏡に反射させた光の反射方向の変化量を検出
して、試料の永久変形量を測定する。
【0016】また、請求項3記載のばね限界値試験機を
適用すると、高温室内で主軸に片持はり状態で固定され
た試料を、歯車を介してモーター駆動又は手動で試料へ
の負荷の増減をした駆動パイプに設けた接触片が試料に
撓みを与え、主軸に取り付けられて錘が負荷された負荷
アームによる試料への曲げモーメントをエンコーダによ
って主軸の回転角から測定し、高温荷重負荷後の残留変
位量を、接触針の接触端が試料に接触するまで回転を戻
した場合の、負荷アームに取り付けた反射器から光学的
変位計に反射された光の変化量によって、高精度に測定
する。
【0017】また、請求項4記載のばね限界値試験機を
適用すると、高温室内で主軸に試料を片持はり状態で固
定し、高温室外では主軸に取り付けた負荷アームに錘を
負荷して、高温室内を昇温し、モーター駆動又は手動に
より歯車を介して駆動パイプを回動することにより、接
触片が試料に撓みを与えて試料の高温試験が行われ、主
軸の回転角をエンコーダで検出して錘が負荷された負荷
アームによる試料への曲げモーメントを測定し、そし
て、その高温試験後に、接触片による押圧方向と反対の
方向へ試料に接触針を当接させるまで主軸を回動させ
て、主軸と一体になって回転する負荷アームの前記反射
器取付け位置の変位から光学的変位計が試料の永久変形
量を求める。
【0018】
【実施例】本発明における以下の実施例ではモーメント
負荷方式を適用する試験機において試料周辺部を高温槽
に収容した場合について説明する。 〔実施例の構成〕実施例における試験機の全体構成を図
1に、その平面図を図2に、試料周辺部分の正面図を図
3に示す。高温槽100(図2)は、モーメント負荷方
式を適用する試験機200の試料周辺部を収容できる大
きさに形成し、厚い断熱壁101で囲い、室内を任意に
昇温させて一定時間一定温度に保持できるようにし、裏
面側の断熱壁101の略中央部に貫通孔102を設け
て、試験機200の主軸11が高温槽内外を貫通できる
ようにする。
【0019】試験機200は、主軸11を同心的に駆動
パイプ12の中に回転自在に嵌合させた二重軸構造を形
成する。主軸11の一端部には円板状の端部材13を取
り付け、その端部材13の偏心させた位置に軸方向へ延
びた試料保持部材14を設け、そして、主軸11の他端
部には軸に垂直な方向へ延設させて先端に錘16を取り
付けられるようにした負荷アーム15の一端部を固着さ
せ、主軸11の負荷アーム固着側の先端に主軸11の回
転を検出するエンコーダ17を取り付ける。また、駆動
パイプ12の一端部には軸に垂直な方向へ延設させた接
触アーム18の一端部を固着し、他端部には駆動用の歯
車19を同心的に組み付ける。そして、主軸11と駆動
パイプ12とからなる二重軸を高温槽100の貫通孔1
01を介して挿入し、試料保持部材配設側を高温槽10
0の中に入れる。
【0020】試料保持部材14は2枚の板材14a,1
4bからなり、これらの板材14a,14bの間に板状
の試料10を挟み、ボルト締めして板材14a,14b
を密着することにより試料10を挟着する。試料10の
取付けには、板面を主軸11と平行な方向に向け、長手
方向を主軸11に対して直交する方向に向けて、主軸1
1の回動に対して板面が回動方向へ曲がるように取り付
ける。
【0021】接触アーム18は駆動パイプ取付側と反対
側の端部に、試料10と接触する接触片21の取り付け
部材としての移動部材22を、接触アーム18の長手方
向へ移動可能(すなわち、試料保持部材14に対して近
接離間可能)に取り付ける。移動部材22の位置変更に
は、正面に設けたつまみ22aを操作することにより行
う。
【0022】接触片21の試料10と接触する接触端に
は中央部に半球状の切欠き21aを設け、その切欠き2
1aの円弧中心の位置に接触する接触針23を垂下す
る。この接触針23は、フレーム側で移動部材22と同
様に試料保持部材14に対して近接離間可能に設けられ
た移動片24(図3)に、試料10に対して近接離間可
能に設ける。移動片24はフレーム側に設けられたブラ
ケット25に移動可能に取り付け、つまみ24aを操作
することにより試料保持部材14に対して近接離間可能
に移動させることができるようにする。
【0023】高温槽100の外部に出ている二重軸の部
分では、駆動パイプ12および接触アーム18が歯車1
9に噛み合う歯車31(図2)を介して駆動モータ(図
示せず)からの駆動力を受けて接触片21を試料10側
へ下げる方向に回動し、主軸11が負荷アーム15に取
り付けた錘16によって相対的に駆動パイプ12の回動
方向と反対の方向に回動して、接触片21と試料保持部
材14とにより試料10を曲げるために必要な力を加え
る。
【0024】負荷アーム15には、その中央部にミラー
面が主軸11の軸を通る平面と並行に向けたミラー32
を設け、そのミラー32のミラー面に光を投射させる光
学式変位計33を、投光および受光する検知面を前記ミ
ラー面に向けてフレーム側に固定して、負荷アーム15
の回転角をミラー32の移動量として非接触で測定させ
る。
【0025】主軸11に設けたエンコーダ17は、主軸
11にエンコーダ回転子17a(図2)を取り付け、フ
レーム側のブラケット35にエンコーダ本体17b(図
2)を取り付けて、主軸11の回転角を非接触で検出す
る。二重軸を構成する主軸11と駆動パイプ12との間
には、複数のベアリング36,36によって互いに回転
自在に嵌合させ、駆動パイプ12を複数のベアリング3
7,37を介してフレーム側に回転自在に支持させる。
【0026】〔実施例の作用〕このように構成した実施
例装置においては、所定の試料10を試料保持部材14
に教示させ、高温槽100を所定温度に昇温させて規定
時間維持するとともに歯車19を介して駆動パイプ12
に駆動力を伝達して回動させると、駆動パイプ12から
接触アーム18、移動部材22、および接触片21を介
して試料10が回動方向へ押圧される。
【0027】この時、主軸11には駆動パイプ12の回
動方向と同様な方向に回転力が加えられて主軸11が負
荷アーム15と共に回動する。負荷アーム15には所定
の錘16が取り付けられているため、錘16の下向き分
力だけ反対方向の力が働き、その荷重に抗して主軸11
が回転しなければならなくなり、駆動パイプ12の回動
角度ほど回転せず、相対的に試料10を駆動パイプ12
の回動方向と反対の方向へ回動させたことに等しい動作
になって、試料10が両端部を互いに反対方向へ曲げら
れるような力を加えられ、そのために弓なりに曲がり、
時間の経過に従い徐々に永久変形を起こすようになる。
【0028】この試験おいて、図4に示すように、主軸
11の中心から負荷アーム15に取り付けた錘16の中
心までの距離R、負荷アーム15の重量と使用する錘1
6を含む主軸によって生じた全体の不釣合力W、主軸の
回転角θとすると、駆動パイプ12の回転時に与えられ
る負荷モーメントMの値は、M=RW sinθで与えられ
る(図4)。そして、負荷アーム15の回動角θを確定
するためには、エンコーダ17の検出結果を用いる。
【0029】変形量は高温状態で負荷モーメントを除荷
した後に測定する。図5に示すように、試料の変形量x
は、高温槽100の外側に設けた光学式変位計33がミ
ラー32から反射した光の位置ずれから検出した変位X
から決定する。正面から見た主軸11から接触針23の
中心までの位置をl、主軸11から光学式変位計の中心
の位置をLとすると、求める変位xの値は、x=X(l
/L)で求められる。
【0030】変位Xを求めるのは、まず変形を与える前
に、負荷アーム15を試験時に移動する方向と反対の方
向へ移動させ、試料10が接触針23の先端に触れて電
気信号が変化する(例えばパイロットランプがOFFか
らONに変わる)ようにし、それから、逆転して電気信
号が丁度逆に変わるまで戻し、この時の光学式変位計3
3の指示を読み、次に、試料10に負荷を与えて変形さ
せた後、変形前と同様に負荷アーム15を操作して、光
学式変位計33の指示を読み、それら変形前後における
光学式変位計33の読取り変位の差を変位Xとする。
【0031】〔実施例の効果〕このように実施例では、
高温槽100の内外に設けた曲げモーメント負荷機構に
よって高温度で試料に曲げモーメントを負荷し、その高
温条件下で与えられた負荷に対するばね限界値を、高温
槽100の内外に設けた接触針23および光学式変位計
33を有する変位測定装置を使用することにより、容易
に測定することができ、高温条件におけるばね限界値を
正確に求めることができる。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明による請求項1記載
のばね限界値試験機では、高温槽内において試料を高温
度に過熱している時に高温槽外に配置した荷重負荷手段
から高温槽を貫通する二重軸を介して接触片により試料
を押圧することができ、試料に曲げモーメントを負荷
し、その時の試料を取り付けた軸の回転角を測定回転角
範囲の大きな回転検出手段により検出することにより負
荷された曲げモーメントの大きさを測定することがで
き、高温負荷後には、試料取付け部を設けた軸を荷重負
荷方向と反対方向へ回動させて、試験前の初期位置から
逆方向へ回動する逆回転角を微小回転角測定範囲につき
高精度で測定する回転検出手段によって検出することに
より、試料に生じた永久変形量を測定することができる
ため、高温室内の板ばねに正確な曲げモーメントを負荷
することができるとともに高温室内の板ばねに曲げモー
メントが負荷された場合の永久変形量が容易に測定でき
て、試料に与えられた高温条件下の負荷に対するばね限
界値が測定できる。
【0033】また、請求項2記載のばね限界値試験機で
は、高温槽内を所定の温度に昇温し、負荷アームに所定
重量の錘を負荷させ、駆動用歯車を回転させて駆動パイ
プを回動させると、接触アームが回動するため接触片が
試料を押圧し、所定の曲げモーメントによって試料を曲
げ、このとき、試料を介して曲げられた主軸の回転角を
エンコーダにより検出して曲げモーメントの大きさを測
定することができ、また、高温において曲げモーメント
を負荷した後、主軸を荷重負荷時の回転方向と反対の方
向へ接触針の先端が試料に接触するまで回動させて、光
学式変位計が反射鏡に反射させた光の反射方向の変化量
を検出して、試料の永久変形量を測定することができる
ため、試料に与えられた高温条件下の負荷に対するばね
限界値が精度良く測定できる。
【0034】また、請求項3記載のばね限界値試験機で
は、高温室内で主軸に片持はり状態で固定された試料
を、歯車を介してモーター駆動又は手動で試料への負荷
の増減をした駆動パイプに設けた接触片が試料に撓みを
与え、主軸に取り付けられて錘が負荷された負荷アーム
による試料への曲げモーメントをエンコーダによって主
軸の回転角から測定することができ、高温荷重負荷後の
残留変位量を、接触針の接触端が試料に接触するまで回
転を戻した場合の、負荷アームに取り付けた反射器から
光学的変位計に反射された光の変化量によって、高精度
に測定することができるため、試料に与えられた高温条
件下の負荷に対するばね限界値が精度良く測定できる。
【0035】また、請求項4記載のばね限界値試験機を
適用すると、高温室内で主軸に試料を片持はり状態で固
定し、高温室外では主軸に取り付けた負荷アームに錘を
負荷して、高温室内を昇温し、モーター駆動又は手動に
より歯車を介して駆動パイプを回動することにより、接
触片が試料に撓みを与えて試料の高温試験が行われ、主
軸の回転角をエンコーダで検出して錘が負荷された負荷
アームによる試料への曲げモーメントを測定することが
でき、また、その高温試験後に、接触片による押圧方向
と反対の方向へ接触針が試料に当接するまで主軸を回動
させて、光学的変位計が主軸と一体になって回転する負
荷アームの前記反射器取付け位置の変位を検出して、試
料の永久変形量を求めることができるため、試料に与え
られた高温条件下の負荷に対するばね限界値が精度良く
測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例試験機の構成を示す斜視説
明図である。
【図2】本発明による実施例試験機の構成を示す平面説
明図である。
【図3】図2のA−A矢視を示す正面説明図である。
【図4】実施例における曲げモーメントの負荷機構を示
す正面説明図である。
【図5】実施例における変形量の測定を示す正面説明図
である。
【図6】従来のモーメント負荷方式を示す正面説明図で
ある。
【図7】従来の繰り返したわみ方式を示す正面説明図で
ある。
【符号の説明】
10 試料 11 主軸 12 駆動パイプ 13 端部材 14 試料保持部材 15 負荷アーム 16 錘 17 エンコーダ 18 接触アーム 19 歯車 21 接触片 21a 切欠き 22 移動部材 23 接触針 24 移動片 32 ミラー 33 光学式変位計 100 高温槽 200 試験機

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温槽を貫通する二重軸を設け、該二重軸
    の高温槽内収容部には、一方の軸に形成させた試料取付
    け部と該試料取付け部周辺に他方の軸に接続する試料へ
    の荷重負荷用の接触片とを設けるとともに、前記二重軸
    の高温槽外配置部には、前記試料取付け部形成側の軸に
    設けた荷重負荷手段および測定範囲と測定精度とが異な
    る複数の回転検出手段と、前記接触片接続側の軸に設け
    た駆動手段とを設けたことを特徴とするばね限界値試験
    機。
  2. 【請求項2】一端に試料を支持し他端に回転角を求める
    エンコーダを取り付けるとともに錘を取付交換可能に形
    成した負荷アームを固着した主軸と、該主軸を回動自在
    に内嵌させるとともに一端に接触アームを設け他端に駆
    動手段を設けた駆動パイプと、前記接触アームの先端部
    に長手方向へ移動可能に取り付け前記試料に先端を接触
    させる接触片と、該接触片が試料に荷重を負荷する前に
    当接させた前記試料の当接位置に先端を位置させて前記
    試料に接触させるとともに位置固定させる接触針とを設
    け、前記負荷アームの中央部に反射鏡を固定し、該反射
    鏡に向けて発光する光学的変位計を設け、前記接触アー
    ムと前記駆動用歯車との間に高温槽の貫通孔を位置させ
    て前記試料の周辺部分を高温槽内に収容したことを特徴
    とするばね限界値試験機。
  3. 【請求項3】駆動パイプとその内側にベアリングで支持
    した主軸を設け、両者の一端を高温槽に挿入し、高温室
    内で、前記主軸に試料を片持はり状態で固定し、前記駆
    動パイプには前記試料に撓みを与える接触片を位置変更
    可能に設け、前記試料の初期位置に接触端を位置固定す
    る試料変位測定用の接触針を試験機架台側に配設し、高
    温室外では、光学的変位計を設置し、前記主軸には錘が
    負荷できる負荷アームを取り付けるとともに前記主軸の
    回転角を求めるエンコーダを設け、さらに前記負荷アー
    ムに前記光学的変位計の反射器を取り付け、前記駆動パ
    イプには駆動手段を設けて試料への負荷の増減ができる
    ようにしたことを特徴とするばね限界値試験機。
  4. 【請求項4】駆動パイプとその内側にベアリングで支持
    した主軸を設け、両者の一端を高温槽に挿入し、高温室
    内で、前記主軸に試料を片持はり状態で固定し、前記駆
    動パイプには前記試料に撓みを与える接触片を位置変更
    可能に設け、高温室外では、光学的変位計を設置し、前
    記主軸にはおもりが負荷できる負荷アームを取り付ける
    とともに前記主軸の回転角を求めるエンコーダを設け、
    さらに前記負荷アームに光学的変位計の反射器を取り付
    け、前記駆動パイプには歯車をとりつけてモーター駆動
    又は手動で試料への負荷の増減ができるようにし、前記
    主軸に取付られた試料の自由端の変位を、前記主軸と一
    体になって回転する負荷アームの前記反射器取付け位置
    の変位から求め、その変位の読取り位置を接触針と試料
    との接触、非接触の電気的境界位置として判別させるこ
    とを特徴とするばね限界値試験機。
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