JP2670532B2 - 流体の流向検出装置 - Google Patents

流体の流向検出装置

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JP2670532B2
JP2670532B2 JP21463594A JP21463594A JP2670532B2 JP 2670532 B2 JP2670532 B2 JP 2670532B2 JP 21463594 A JP21463594 A JP 21463594A JP 21463594 A JP21463594 A JP 21463594A JP 2670532 B2 JP2670532 B2 JP 2670532B2
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安彦 鹿野
俊夫 浜田
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喜一郎 丹治
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建設省東北地方建設局長
産電工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体の流向を検出する
流体の流向検出装置に係り、例えば、住宅地や農地を流
れる小河川から、中,大主流河川への流入口に設けら
れ、あるいはまた、中,大河川から農業用水の取水口等
に設けられ、主流河川の緊急増水に際し適切な信号を発
して、樋門の開閉調節に支障を生じないようにする等の
目的で用いられる流体の流向検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、流体の流向検出装置としては、例
えば、所謂トーマスメータや境界層流量計等に具現され
ている装置がある。この流向検出装置は、図11に示す
ように、例えば水路内において、流体に発熱体4を臨ま
せ、この発熱体4の流れ方向左右に温度センサSa,S
bを配置し、この温度センサSa,Sbにより左右の温
度を検知するとともに、左右の温度差ΔTを算出し、こ
の温度差ΔTを用いて流体の流向を順流,滞流,逆流に
分けて検出するようにしている。
【0003】この検出原理は、図11中順流Fa方向の
流れが存在し、発熱体部分で一定電力が消費される時
は、温度センサSaにおける温度Taは温度センサSb
における温度Tbよりも低くなり、温度差(ΔT=Tb
−Ta)の符号が正になる(ΔT>0)。流向が逆転し
て逆流Fbになると、温度差ΔTの符号が逆の負になる
(ΔT<0)。また、その間の温度差ΔT(絶対値)は
流速が大きくなると小さくなり、流速が小さくなると大
きくなる。そのため、温度差ΔTと流速・流向とに一定
の関係が生じ、この関係により上記の流れ状態を検出す
るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の流体
の流向検出装置にあっては、流体の流速が小さくなった
場合は、発熱体4に沿う自然対流が支配的となり、その
左右対称な流れ構造のため温度差ΔTが減少するが、微
小な流速の変化に対しても温度差ΔTの変化の傾きが大
きく現われ流体の動きに鋭敏過ぎることから、順流Fa
方向や逆流Fb方向に流体が微妙に動く流向の逆転現象
時、即ち、滞流状態の検出が不正確になり、流れ状態を
充分に把握することができないという問題があった。特
に、上記のような河川等に用いた場合には、流れが複雑
で滞流状態の検出が困難になっている。
【0005】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
もので、その課題は、流向の逆転現象時に生じる滞流状
態の検出を正確に行なうことができるようにし、流向の
検出精度の向上を図った流体の流向検出装置を提供する
点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るための本発明の技術的手段は、流体に発熱体を臨ませ
て温度検知を行なう温度検知部と、この温度検知部の検
知結果により流体の流向を検出する流向検出部とを備え
た流体の流向検出装置において、上記温度検知部を、流
体に接する接流体と、該接流体に設けられ接流体を加温
する発熱体と、該発熱体の流れ方向左右の温度を検知す
る一対の温度センサからなる第一温度センサ部と、上記
発熱体の加温温度と該発熱体の周囲の加温外温度とを検
知する一対の温度センサからなる第二温度センサ部とを
備えて構成し、上記流向検出部を、上記発熱体の流れ方
向左右の第一の温度差と流向・流速との関係並びに上記
発熱体の加温温度及び該発熱体の周囲の加温外温度の第
二の温度差と流向・流速との関係に基づいて得られた関
係データを予め記憶しておく関係データ記憶手段と、上
記第一温度センサ部の温度データから上記第一の温度差
を算出する第一温度差算出手段と、上記第二温度センサ
部の温度データから上記第二の温度差を算出する第二温
度差算出手段と、上記関係データ記憶手段が記憶した関
係データと上記第一温度差算出手段及び第二温度差算出
手段が算出した第一の温度差及び第二の温度差とを比較
し流向が順流,滞流及び逆流のいずれであるかを判断す
る流向判断手段とを備えて構成したものである。
【0007】そして、必要に応じ、上記流向判断手段の
判断結果に基づいて流向が順流,滞流及び逆流のいずれ
であるかを表示する流向表示部を備えた構成としてい
る。
【0008】そして、また必要に応じ、上記流向判断手
段は、上記第二の温度差が関係データとしての所定温度
差範囲に有るか無しか判定する一次温度差判定手段と、
該一次温度差判定手段が所定温度差範囲に無いと判定し
たとき滞流と判断して滞流判断信号を送出する滞流判断
信号送出手段と、上記一次温度差判定手段が所定温度差
範囲に有ると判定したとき上記第一の温度差が関係デー
タとしての別の所定温度差範囲に有るか無しかを判定す
る二次温度差判定手段と、二次温度差判定手段が第一の
温度差が別の所定温度差範囲に有ると判定したとき順流
と判断して順流判断信号を送出する順流判断信号送出手
段と、二次温度差判定手段が第一の温度差が別の所定温
度差範囲に無いと判定したとき逆流と判断して逆流判断
信号を送出する逆流判断信号送出手段とを備えた構成と
している。
【0009】また、上記流向表示部は、順流判断信号送
出手段から送出された順流判断信号,滞流判断信号送出
手段から送出された滞流判断信号及び逆流判断信号送出
手段から送出された逆流判断信号に対応して、順流,滞
流及び逆流のいずれかを表示する機能を備えたことが有
効である。
【0010】更に、必要に応じ、上記関係データ記憶手
段が記憶した関係データと上記第一温度差算出手段及び
第二温度差算出手段が算出した第一の温度差及び第二の
温度差とを比較して発熱体のオン・オフ制御を行なう発
熱体制御手段を備えた構成としている。
【0011】更にまた、必要に応じ、上記関係データ記
憶手段が記憶した関係データと上記第一温度差算出手段
及び第二温度差算出手段が算出した第一の温度差及び第
二の温度差とを比較して流速を算出する流速算出手段を
備えた構成としている。
【0012】
【作用】このような構成からなる流体の流向検出装置に
よれば、流向検出部の流向判断手段において、関係デー
タ記憶手段が記憶した関係データと第一温度差算出手段
及び第二温度差算出手段が算出した第一の温度差及び第
二の温度差とが比較され、流向が順流,滞流及び逆流の
いずれであるかが判断される。
【0013】この判断原理は以下のとおりである。先
ず、第一の温度差と流向・流速との関係は、図1及び図
6を参照し、順流Faの場合には、上流の温度Taは下
流の温度Tbよりも低くなり、第一の温度差(ΔT1 =
Tb−Ta)の符号が正になる(ΔT1 >0)。流向が
逆転して逆流Fbになると、第一の温度差ΔT1 の符号
が逆の負になる(ΔT1 <0)。また、その間の温度差
ΔT1 (絶対値)は流速が大きくなると小さくなり、流
速が小さくなると大きくなる。この場合、流速ゼロのご
く近傍においては自然対流が支配的となり、その左右対
称な流れ構造のため第一の温度差ΔT1 が急速に減少
し、温度差の変化が大きく現われる。
【0014】また、第二の温度差と流向・流速との関係
は、図1及び図7を参照し、流速が比較的大きいときは
発熱体の加温部分からの強制対流による放熱が盛んであ
るため、発熱体の加温温度Tcが低く押えられ、加温外
温度Tdは略一定であることから、第二の温度差(ΔT
2 =Tc−Td)は小さい。一方、流速が減少して行く
と、放熱プロセスは自然対流のみとなるため放熱効果も
減少し、発熱体の加温温度Tcは徐々に上昇し、第二の
温度差ΔT2 は大きくなる。
【0015】したがって、流向は、例えば、第二の温度
差ΔT2 が所定温度以上に大きいときは、第一の温度差
ΔT1 に無関係に、滞流と判断すればよい。即ち、流体
の流速が小さくなった場合は、第一の温度差ΔT1 と流
向・流速との関係では、微小な流速の変化に対しても温
度差の変化の傾きが大きく現われ流体の動きに鋭敏過ぎ
ることから、第一の温度差ΔT1 の符号の検出だけで
は、順流Fa方向や逆流Fb方向に流体が微妙に動く流
向の逆転現象時、即ち、滞流状態の検出が不正確になる
が、第二の温度差ΔT2 に係る関係を用いることによ
り、滞流状態の検出が正確に行なわれる。
【0016】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の実施例に
係る流体の流向検出装置について説明する。尚、上記と
同様のものには同一の符号を付して説明する。図1及び
図2に示すように、実施例に係る流向検出装置は、流体
として水路等を流れる水流体の流向を検出する装置であ
って、温度検知を行なう温度検知部1と、この温度検知
部1の検知結果により流体の流向を検出する流向検出部
20を有した制御盤10とを備えている。制御盤10
は、図2及び図3に示すように、スタンド11に支持さ
れている。12はスタンド11上部に設けられた太陽電
池、13は太陽電池12で生成された電気エネルギーを
充電するとともに電源となる蓄電池である。
【0017】温度検知部1は、図1,図4及び図5に示
すように、流体に接する板状の接流体2(例えば150
mm×120mm 厚さ1mm)と、箱形のケース3と
を備えている。この接流体2は、例えば、ステンレスや
アルミダイキャストで形成され、周囲に取付けフランジ
2aが形成されており、ケース3の開口フランジ3aに
取付けられている。この接流体2がケース3に取付けら
れた状態では、ケース3内部は密閉される。このケース
3は、接流体2を流体側に露出させて水路の壁部8等に
取付けられる。
【0018】ケース3内部側の接流体2の裏面中央に
は、接流体2を加温する矩形板状の電熱型発熱体4が矩
形状の銅板5を介して付設されている。銅板5を用いる
のは、この銅板5が付設された部位の温度を均等にする
ためである。また、銅板5の左右の接流体2の裏面に
は、発熱体4の流れ方向左右の温度Ta,Tbを検知す
る一対の例えば熱電対型の温度センサSa,Sbが設け
られ、第一温度センサ部S1 として構成されている。更
に、銅板5の接流体2に対向する中央には凹部5aが形
成されており、この凹部5aに発熱体4による接流体2
の加温温度Tcを検知する例えば熱電対型の温度センサ
Scが設けられているとともに、発熱体4下部の接流体
2に発熱体4の周囲の加温外温度Tdを検知する例えば
熱電対型の温度センサSdが設けられ、これらの一対の
温度センサSc,Sdは第二温度センサ部S2 として構
成されている。また、発熱体4,銅板5及び4つの温度
センサSa,Sb,Sc,Sdは、シリコン樹脂等のモ
ールド剤6でモールディングされている。
【0019】流向検出部20は、図1に示すように、関
係データ記憶手段21を備えている。この関係データ記
憶手段21は、上記発熱体4の流れ方向左右の第一の温
度差ΔT1 と流向・流速との関係、並びに、上記発熱体
4の加温温度及び該発熱体4の周囲の加温外温度の第二
の温度差ΔT2 と流向・流速との関係に基づいて得られ
た関係データを予め記憶しておく。
【0020】次に、上記第一の温度差ΔT1 と流向・流
速との関係及び第二の温度差ΔT2と流向・流速との関
係について、実験装置(図示せず)での実験における例
を挙げて説明する。実験装置は、長さ3mほどの水路の
側壁に、上記の構造を有する温度検知部1を設置し、水
路の上流に整流板を取り付け、ポンプから排出される流
水を整流して水路内に流す構造とした。流速はポンプ電
動機の回転数を変えることにより変化させた。その結
果、水路内の平均流速は数mm/secから20cm/
sec程度の範囲で自由に設定できることが確認でき
た。さらに、ポンプを逆転させることにより水路中に逆
方向流れを実現した。この実験装置により、流速を順次
変え、そのときの温度差ΔT1 ,ΔT2 を測定した。
【0021】図6は、発熱体4の流れ方向左右の温度T
a,Tbの第一の温度差ΔT1 と流向・流速との関係を
示すグラフ図である。これは、水路内の平均流速が順流
Fa方向から徐々に減少し、流向の逆転を経て、逆流F
bになり、その流速が増加して行くときの温度差と流速
・流向の関係を示す。この時のヒーターでの消費量は一
定に保っており、流水の温度も約20℃で略一定であっ
た。流速ゼロのごく近傍においては自然対流が支配的と
なり、その左右対称な流れ構造のため第一の温度差(Δ
T1 =Tb−Ta)の値は急速に減少する。流向が逆転
すると第一の温度差ΔT1 の符号も逆になる。また、順
流Fa及び逆流Fb時において、夫々、極値を有し、温
度差が下降する温度差縮小領域Qと、温度差が上昇する
温度差拡大領域Pとに分けられる。この状態を、図8に
も示す。図8から分かるように、温度差縮小領域Qと温
度差拡大領域Pとに、夫々、温度差の絶対値が同一の点
Xが生じる。
【0022】図7は、発熱体4の加温温度Tc及び発熱
体4の周囲の加温外温度Tdの第二の温度差ΔT2 と流
向・流速との関係を示すグラフ図である。順流Fa、逆
流Fbいずれの場合も、水路内流速が減少するにしたが
い、第二の温度差(ΔT2 =Tc−Td)が大きくな
り、流向の逆転時に最大温度差となることがわかる。こ
れは、水路内流速が減少するに従い強制対流による放熱
効果が減少するためである。
【0023】次に、上記第一の温度差ΔT1 と流向・流
速との関係及び第二の温度差ΔT2と流向・流速との関
係に基づいて得られた関係データについて説明する。実
施例での関係データは、先ず、第二の温度差ΔT2 と
流向・流速との関係から、発熱体4の加温状態を判定す
るための温度t0 =0〜2℃と、温度検知部1が空気中
に露出したときを判定するための温度t1 =6〜10℃
と、水流の滞流域及び流動域の境界を判定する温度t2
=3〜5℃と、発熱体4のオン・オフ制御のための温度
3 =4〜6℃とを関係データとする。また、第一の温
度差ΔT1 と流向・流速との関係から、水流方向を判定
するための温度t4 =0〜0.05℃を関係データとす
る。具体的には、図9に示すように、関係データとして
の所定温度を、例えば、t0 =2℃,t1 =10℃,t
2 =4℃,t3 =4℃,t4 =0℃として一義的に定め
る。これらの所定温度は、流体の性状や水路の条件等に
よって適宜に定める。
【0024】また、上記流向検出部20において、22
は上記第一温度センサ部S1 の温度データから発熱体4
の流れ方向左右の第一の温度差ΔT1 を算出する第一温
度差算出手段、23は上記第二温度センサ部S2 の温度
データから発熱体4の加温温度と該発熱体4の周囲の加
温外温度との第二の温度差ΔT2 を算出する第二温度差
算出手段である。また、24は上記関係データ記憶手段
21が記憶した関係データと上記第一温度差算出手段2
2及び第二温度差算出手段23が算出した第一の温度差
ΔT1 及び第二の温度差ΔT2 とを比較し流向が順流F
a,滞流Fc及び逆流Fbのいずれであるかを判断する
流向判断手段である。
【0025】流向判断手段24において、25は上記第
二の温度差ΔT2 が上記関係データとしての所定温度差
範囲(ΔT2 ≦t2 =4℃)に有るか無しか判定する一
次温度差判定手段、26は一次温度差判定手段25が所
定温度差範囲に無いと判定したとき滞流Fcと判断して
滞流判断信号を送出する滞流判断信号送出手段である。
27は一次温度差判定手段25が所定温度差範囲に有る
と判定したとき上記第一の温度差ΔT1 が別の所定温度
差範囲(ΔT1 >t4 =0℃)に有るか無しかを判定す
る二次温度差判定手段、28は二次温度差判定手段27
が第一の温度差ΔT1 が別の所定温度差範囲に有ると判
定したとき順流Faと判断して順流判断信号を送出する
順流判断信号送出手段、29は二次温度差判定手段27
が第一の温度差ΔT1 が別の所定温度差範囲に無いと判
定したとき逆流Fbと判断して逆流判断信号を送出する
逆流判断信号送出手段である。
【0026】更に、上記流向検出部20において、30
は発熱体制御手段であって、発熱体4のオン・オフ制御
のための温度範囲(ΔT2 ≦t1 =10℃,ΔT2 ≦t
3 =4℃)に有るか無しかを判断して発熱体4のオン・
オフ制御を行なう。また、流向検出部20は、発熱体4
の加温状態を判定するための温度範囲(ΔT2 ≦t0
2℃)に有るか無しかを判断して、後述の表示部に準備
中を表示する機能、温度検知部1が空気中に露出したと
きを判定するための温度範囲(ΔT2 ≦t1 =10℃)
に有るか無しかを判断して、後述の表示部に準備中を表
示する機能、その他、発熱体4の電流検知によりセンサ
の故障を検出する機能等を備えている。
【0027】また、図1に示すように、31は上記第一
の温度差ΔT1 と流向・流速との関係及び第二の温度差
ΔT2 と流向・流速との関係に基づいて得られた関係デ
ータと、上記算出された第一の温度差ΔT1 及び第二の
温度差ΔT2 とを比較して流速を算出する流速算出手段
である。この、流速算出手段31においては、第二の温
度差ΔT2 の速度依存性が強いので、図7の関係を用い
て流速の絶対値を算出する。尚、上記流向検出部20の
各手段は、マイクロコンピュータのCPU等の機能によ
って実現される。
【0028】図1乃至図3に戻り、40は表示部であっ
て、上記流向判断手段24の判断結果に基づいて流向が
順流Fa,滞流Fc及び逆流Fbのいずれであるかを表
示する流向表示部41を備えている。流向表示部41
は、順流判断信号送出手段28から送出された順流判断
信号,滞流判断信号送出手段26から送出された滞流判
断信号及び逆流判断信号送出手段29から送出された逆
流判断信号に対応して、順流Fa,滞流Fc及び逆流F
bのいずれかを表示する3種類の順流ランプ42,滞流
ランプ43及び逆流ランプ44で構成されている。この
ランプ42,43,44は上記スタンド11に設けられ
ている。また、表示部40は、液晶表示部(図示せず)
を備え、上記準備中,センサの故障あるいは、流速を表
示する機能を有している。
【0029】次に、この流体の流向検出装置の処理につ
いて、図10に示すフローチャートを用いて説明する。
装置の電源をON(10−1)にすると、先ず、発熱体
4の電流検知が行なわれ(10−2)、電流検知がない
ときは故障と判断して、表示部に異常を表示する(10
−3)。正常な状態では、常時、発熱体4により接流体
2が加温され、温度センサSa,Sb,Sc,Sdによ
る温度検知が行なわれる。この場合、発熱体4は銅板5
を介して接流体2を加温するので、銅板5が付設された
部位の温度が均等化し、そのため、むらのない温度検知
が行なわれる。また、接流体2は板状なので、流路に突
出するものに比較して、流木やごみによって損傷を受け
にくく、耐久性が向上させられる。
【0030】また、上記流向検出部20においては、第
一温度差算出手段22が、第一温度センサ部S1 の温度
データから発熱体4の流れ方向左右の第一の温度差ΔT
1 を算出する。また、第二温度差算出手段23が、第二
温度センサ部S2 の温度データから発熱体4の加温温度
と該発熱体4の周囲の加温外温度との第二の温度差ΔT
2 を算出する。そして、先ず、第二の温度差ΔT2 が発
熱体4の加温状態を判定するための温度範囲(ΔT2 ≦
0 =2℃)に有るか無しかを判断し(10−4)、無
い場合には、表示部40に準備中を表示し(10−
5)、有る場合には次に進む。
【0031】次に、発熱体制御手段30が第二の温度差
ΔT2 が温度範囲(ΔT2 ≦t1 =10℃)に有るか無
しかを判断し(10−6)、無いときは温度検知部1が
空気中に露出したとして、発熱体4の電源をオフにする
(10−7)。また、この状態で、発熱体制御手段30
が、第二の温度差ΔT2 が温度範囲(ΔT2 ≦t3 =4
℃)に有るか無しかを判断し(10−8)、有ると判断
した場合には、発熱体4の電源をオンにする(10−
9)。また、発熱体制御手段30の第二の温度差ΔT2
が温度範囲(ΔT2 ≦t1 =10℃)に有るか無しかの
判断(10−6)において、有ると判断したときは、流
向判断手段24において、一次温度差判定手段25が第
二の温度差ΔT2 が所定温度差範囲(ΔT2 ≦t2 =4
℃)に有るか無しかを判定し(10−10)、無いと判
定した場合には、滞流と判定して滞流判断信号送出手段
26から滞流判断信号が送出され、滞流ランプ43が点
灯する(10−11)。
【0032】また、一次温度差判定手段25が第二の温
度差ΔT2 が所定温度差範囲(ΔT2 ≦t2 =4℃)に
有ると判定した場合には(10−10)、二次温度差判
定手段27が第一の温度差ΔT1 が別の所定温度差範囲
(ΔT1 >t4 =0℃)に有るか無しかを判定し(10
−12)、第一の温度差ΔT1 が別の所定温度差範囲に
有ると判定したときは、順流Faと判断されて順流判断
信号送出手段28から順流判断信号が送出され、順流ラ
ンプ42が点灯する(10−13)。一方、二次温度差
判定手段27が第一の温度差ΔT1 が別の所定温度差範
囲に無いと判定したときは(10−12)、逆流Fbと
判断されて逆流判断信号送出手段29から逆流判断信号
が送出され、逆流ランプ44が点灯する(10−1
4)。上記のように逐時流向が判断され、流向表示部4
1に表示される。
【0033】この場合、図6に示すように、流体の流速
が小さくなった場合は、微小な流速の変化に対しても温
度差の変化が大きく現われ流体の動きに鋭敏過ぎること
から、従来のような第一の温度差ΔT1 の符号の検出だ
けでは、順流Fa方向や逆流Fb方向に流体が微妙に動
く流向の逆転現象時、即ち、滞流状態時の測定が不正確
になるが、滞流状態での温度差特性が明瞭な第二の温度
差ΔT2 に基づいて判断を行なうので、滞流Fcの測定
が正確に行なわれる。
【0034】また、図8に示すように、滞流Fcと、順
流Fa及び逆流Fbとの境界が、温度差縮小領域Qと温
度差拡大領域Pとの境界にあるような場合には、温度差
が同一の点Xが温度差縮小領域Qと温度差拡大領域Pと
の両方にあって、その判断があいまいになるが、滞流状
態での温度差特性が明瞭な第二の温度差ΔT2 に基づい
て判断を行なうので、滞流Fcの測定が正確に行なわれ
るのである。
【0035】また、流速算出手段31の流速の測定の場
合には、図7から分かるように、第二の温度差ΔT2 の
速度依存性が強いので、図7を用いて流速の絶対値を知
ることができる。このように、図6及び図7に示される
結果を利用することにより水路内の流速と流向、および
流向の逆転時を正確に測定できる。流速の計測可能範囲
は接流体2の大きさにもよるが、例えば200mm×1
60mm程度の大きさでは20cm/sec程度の水路
内流速まで計測できることが確かめられた。原理的には
流れ方向に長さを伸ばした接流体2にすることにより第
一の温度差ΔT1 を大きくし、より高流速域の流速と流
向の計測も可能である。
【0036】尚、上記実施例では、関係データを所定温
度としたが、この温度の設定は上述したものに限らず適
宜変更して良い。また、温度に限らず、他の要素を関係
データとして良いことは勿論である。更に、上記実施例
では、流向判断手段24の判断を流向表示部41に表示
させたが、この他に、有線あるいは無線で遠隔地に伝達
するようにしたり、ブザーよる警報を鳴らしたりする
等、適宜、流向認知のための手段を設けて良い。また、
太陽電池のみならず、一般の電源や、小型発電機を用い
る等、電源供給も適宜に定めて良い。更にまた、流向表
示部41はランプで構成したが、これに限定されず、L
ED表示にする等適宜変更して差支えない。尚また、上
記実施例は、流体として水路の水について検出するもの
であるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、本
装置をオイルや気体等の他の流体の検出に適用できるこ
とは勿論である。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の流体の流
向検出装置によれば、流向検出部において、発熱体の流
れ方向左右の第一の温度差と流向・流速との関係データ
のみならず、発熱体の加温温度及び発熱体の周囲の加温
外温度の第二の温度差と流向・流速との関係に基づいて
得られた関係データを用いて流向を判断するので、互い
の不足分を補って判断することができ、そのため、流向
の逆転現象時に生じる滞流状態時の検出を正確に行なう
ことができ、それだけ、流れ状態の検出精度を向上させ
ることができる。そのため、小河川や農業用水の水路等
で、主流河川の緊急増水に際し適切な信号を発して、樋
門の開閉調節に支障を生じないようにすることができ、
極めて有用になる。
【0038】また、流向表示部を備えた場合には、流向
の状態が即座に目視でき、それだけ、河川の緊急増水等
に即応することができる。
【0039】更に、一次温度差判定手段と二次温度差判
定手段とを備えた場合には、先に、第二の温度差に基づ
いて滞流状態の検出を行なうので、第二の温度差測定に
基づく検出が第一の温度差の符号の検出よりも、滞流に
対して明瞭なので、確実に滞流状態の検出を行なうこと
ができる。
【0040】更にまた、関係データと第一の温度差及び
第二の温度差とを比較して発熱体のオン・オフ制御を行
なう発熱体制御手段を備えた場合には、温度検知部が空
気中に露出したとき等に発熱体を保護することができ耐
久性を確保することができる。
【0041】また、第一の温度差と流向・流速との関係
及び第二の温度差と流向・流速との関係に基づいて得ら
れた関係データから流速を算出する流速算出手段を備え
た場合には、互いの不足分を補って流速を検出でき、そ
れだけ、流れ状態の検出精度を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る流体の流向検出装置の構
成を示す図である。
【図2】本発明の実施例に係る流体の流向検出装置を示
す図である。
【図3】本発明の実施例に係る流体の流向検出装置の要
部を示す正面図(a)及び側面図(b)である。
【図4】本発明の実施例に係る流体の流向検出装置の温
度検知部を示す正面図である。
【図5】本発明の実施例に係る流体の流向検出装置の温
度検知部を示す断面図である。
【図6】発熱体の流れ方向左右の温度の第一の温度差と
流向・流速との関係を示すグラフ図である。
【図7】発熱体の加温温度及び発熱体の周囲の加温外温
度の第二の温度差と流向・流速との関係を示すグラフ図
である。
【図8】発熱体の流れ方向左右の温度の第一の温度差と
流向・流速との関係を示す別のグラフ図である。
【図9】本発明の実施例に係る流向判断手段の判断に係
る関係データの一例と表示部での表示内容を示す図であ
る。
【図10】本発明の実施例に係る流体の流向検出装置の
流向検出部での処理を示すフローチャートである。
【図11】従来の流体の流向検出装置の一例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 温度検知部 2 接流体 3 ケース 4 発熱体 5 銅板 Sa,Sb,Sc,Sd 温度センサ S1 第一温度センサ部 S2 第二温度センサ部 Ta,Tb,Tc,Td 温度 11 スタンド 12 太陽電池 20 流向検出部 21 関係データ記憶手段 ΔT1 第一の温度差 ΔT2 第二の温度差 Q 温度差縮小領域 P 温度差拡大領域 Fa 順流 Fb 逆流 Fc 滞流 22 第一温度差算出手段 23 第二温度差算出手段 24 流向判断手段 25 一次温度差判定手段 26 滞流判断信号送出手段 27 二次温度差判定手段 28 順流判断信号送出手段 29 逆流判断信号送出手段 30 発熱体制御手段 31 流速算出手段 40 表示部 41 流向表示部 42 順流ランプ 43 滞流ランプ 44 逆流ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿曽 貢貴 宮城県仙台市太白区郡山五丁目6−6 建設省東北地方建設局仙台工事事務所内 (72)発明者 鹿野 安彦 岩手県盛岡市下厨川字四十四田1 建設 省東北地方建設局北上川ダム統合管理事 務所内 (72)発明者 浜田 俊夫 宮城県仙台市青葉区堤通雨宮町2番30号 産電工業株式会社内 (72)発明者 布田 孝一 宮城県仙台市青葉区堤通雨宮町2番30号 産電工業株式会社内 (72)発明者 丹治 喜一郎 宮城県仙台市青葉区堤通雨宮町2番30号 産電工業株式会社内 審査官 治田 義孝

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体に発熱体を臨ませて温度検知を行な
    う温度検知部と、この温度検知部の検知結果により流体
    の流向を検出する流向検出部とを備えた流体の流向検出
    装置において、上記温度検知部を、流体に接する接流体
    と、該接流体に設けられ接流体を加温する発熱体と、該
    発熱体の流れ方向左右の温度を検知する一対の温度セン
    サからなる第一温度センサ部と、上記発熱体の加温温度
    と該発熱体の周囲の加温外温度とを検知する一対の温度
    センサからなる第二温度センサ部とを備えて構成し、上
    記流向検出部を、上記発熱体の流れ方向左右の第一の温
    度差と流向・流速の関係並びに上記発熱体の加温温度及
    び該発熱体の周囲の加温外温度の第二の温度差と流向・
    流速との関係に基づいて得られた関係データを予め記憶
    しておく関係データ記憶手段と、上記第一温度センサ部
    の温度データから上記第一の温度差を算出する第一温度
    差算出手段と、上記第二温度センサ部の温度データから
    上記第二の温度差を算出する第二温度差算出手段と、上
    記関係データ記憶手段が記憶した関係データと上記第一
    温度差算出手段及び第二温度差算出手段が算出した第一
    の温度差及び第二の温度差とを比較し流向が順流,滞流
    及び逆流のいずれであるかを判断する流向判断手段とを
    備えて構成したことを特徴とする流体の流向検出装置。
  2. 【請求項2】 上記流向判断手段の判断結果に基づいて
    流向が順流,滞流及び逆流のいずれであるかを表示する
    流向表示部を備えたことを特徴とする請求項2記載の流
    体の流向検出装置。
  3. 【請求項3】 上記流向判断手段は、上記第二の温度差
    が関係データとしての所定温度差範囲に有るか無しか判
    定する一次温度差判定手段と、該一次温度差判定手段が
    所定温度差範囲に無いと判定したとき滞流と判断して滞
    流判断信号を送出する滞流判断信号送出手段と、上記一
    次温度差判定手段が所定温度差範囲に有ると判定したと
    き上記第一の温度差が関係データとしての別の所定温度
    差範囲に有るか無しかを判定する二次温度差判定手段
    と、二次温度差判定手段が第一の温度差が別の所定温度
    差範囲に有ると判定したとき順流と判断して順流判断信
    号を送出する順流判断信号送出手段と、二次温度差判定
    手段が第一の温度差が別の所定温度差範囲に無いと判定
    したとき逆流と判断して逆流判断信号を送出する逆流判
    断信号送出手段とを備えたことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の流体の流向検出装置。
  4. 【請求項4】 上記流向表示部は、順流判断信号送出手
    段から送出された順流判断信号,滞流判断信号送出手段
    から送出された滞流判断信号及び逆流判断信号送出手段
    から送出された逆流判断信号に対応して、順流,滞流及
    び逆流のいずれかを表示する機能を備えたことを特徴と
    する請求項3記載の流体の流向検出装置。
  5. 【請求項5】 上記関係データ記憶手段が記憶した関係
    データと上記第一温度差算出手段及び第二温度差算出手
    段が算出した第一の温度差及び第二の温度差とを比較し
    て発熱体のオン・オフ制御を行なう発熱体制御手段を備
    えたことを特徴とする請求項1,2,3または4記載の
    流体の流向検出装置。
  6. 【請求項6】 上記関係データ記憶手段が記憶した関係
    データと上記第一温度差算出手段及び第二温度差算出手
    段が算出した第一の温度差及び第二の温度差とを比較し
    て流速を算出する流速算出手段を備えたことを特徴とす
    る請求項1,2,3,4または5記載の流体の流向検出
    装置。
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