JP2669308B2 - アモルファス被覆体及びその成形方法 - Google Patents

アモルファス被覆体及びその成形方法

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JP2669308B2 JP5246990A JP24699093A JP2669308B2 JP 2669308 B2 JP2669308 B2 JP 2669308B2 JP 5246990 A JP5246990 A JP 5246990A JP 24699093 A JP24699093 A JP 24699093A JP 2669308 B2 JP2669308 B2 JP 2669308B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、アモルファス金属を母
材の表面に被覆層として成形するアモルファス被覆体の
成形方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】アモスファス金属は、機械的強度が大き
く、熱膨張係数が小さく、化学的耐蝕性および耐摩擦性
に優れている特性を有しているため、種々の部品に応用
されつつある。また、アモスファス金属の磁的特性を
利用して磁性材料としても多くの製品に利用されつつあ
る。例えば、トルクセンサの磁性材料としてアモルファ
スが利用されている。 【0003】このようなアモルファスの成形の方法とし
ては、従来より数多くの方法が考えられていた。例え
ば、特開昭57−211030号公報には、薄帯に成形
されたアモルファス金属を駆動軸の表面に接着剤(エポ
キシ樹脂等)あるいは半田付け等によって、接着される
方法が開示されている。 【0004】また、特開昭58−90345号公報に
は、磁歪材料としてアモルファス金属薄帯が固着された
トルクセンサが開示されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
57−211030号公報の方法では、駆動軸とアモル
ファス金属薄帯との接着部分の十分な接着強度を得るこ
とができないため、長時間使用すると疲労による剥離、
あるいは応力にともなう磁特性の変化が十分に生じな
いという問題が生じてしまう。 【0006】さらにまた、特開昭58−90345号公
報には、具体的なアモルファス金属の固着方法が開示さ
れていない。そこで、本発明の目的は、上記の問題点に
鑑み、被覆層としてアモルファス金属が母材の表面に強
固に固着されたアモルファス被覆層およびその成形方法
を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、第
1の発明として筒状容器の中央に金属製の母材を配置
し、且つ該母材と前記容器との間の空間に、粒径が0.
01μm〜200μmのアモルファス金属粉末を充填
し、前記容器を密封後、成形圧が0.7〜80GPaの
高速度加工を前記容器に施すことによって、前記母材の
表面にアモルファス金属の被覆層を成形するアモルファ
ス被覆体の成形方法を提供するものである。 【0008】また、第2の発明として、母体と該母材の
表面において、成形圧が0.7〜80GPaの高エネル
ギー速度加工を施すことによって成形されたアモルファ
ス金属の被覆層とからなるアモルファス被覆体を提供す
るものである。ここでアモルファス被覆体を形成する上
で特に留意すべき点を述べる。一般に母材の内部は、内
部応力、結晶粒界、成分不均一、格子欠陥、不純物の析
出など種々の原因により不均一である。このため母材の
透磁率は、場所および方向により、それぞれ異なる値と
なる。それ故、アモルファス金属を単に母材の表面に配
して高エネルギー速度加工により両者を固着させようと
すると、アモルファス金属の粉末および原子間には、格
子欠陥、粒界、成分不均一、不純物の析出等の問題が発
生する。これらの問題は両者が強固に固着されないとい
う原因となるものである。 【0009】したがって本発明においては以下の記す点
に留意してアモルファス被覆体を形成する。まず両者の
高エネルギー速度加工する前に、留意する点として、第
1はアモルファス金属粉末の製造時は、すべて不活性ガ
スであるアルゴン(Ar)の雰囲気中で行なう。これは
アモルファス金属の粉末の表面に酸化物層が形成されな
いようにするためである。第2は、アモルファス金属粉
末の粒径を0.01〜200μmとする。これは、高エ
ネルギー速度加工時にアモルファス金属薄帯と母材が良
好に固着されるためである。第3は、被覆層の形成され
る母材の表面、およびアモルファス金属の粉末の表面
を、10-2〜10Torrの水素雰囲気中でプラズマ処
理する。これは前記表面の酸化物層を除去すると同時
に、高エネルギー速度加工時に固着性をよくするように
前記表面を活性化するためである。 【0010】 第4として、高エネルギー速度加工時に
は、単位時間当たりのエネルギーが、母材とアモルファ
ス金属に均一に加わる方法を用いる。これはアモルファ
ス金属の粉末と粉末、アモルファス金属の粉末と母材表
面が、どの部分においても均一に接合、固着するためで
ある。第5として、高エネルギー速度加工後、高エネル
ギーが加わることによって発生する、母材とアモルファ
ス金属との境界での歪み、あるいはアモルファス金属粒
子内の歪みを取り除くため行う熱処理は、不活性雰囲気
中で行う。そして、熱処理温度は非質であるアモルフ
ァス金属か結晶化しない温度で行うものとする。 【0011】以上述べた点に留意することにより、本発
明は母材の表面にアモルファス金属を強固に固着したア
モルファス被覆材を形成することができる。 【0012】 【発明の効果】上記成形方法を採用することによって、
高エネルギー速度加工による高エネルギーをアモルファ
ス金属に確実に伝達することができ、従って母材表面に
アモルファス被覆層を強固に固着したアモルファス被覆
体を得ることができる。 【0013】 【実施例】 (第1実施例)アモルファス金属が粉末である場合につ
いて説明する。ここでアモルファス金属は金属元素であ
る鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、
クロム(Cr)、シリコン(Si)の少なくとも一種を
主体とするアモルファス金属粉末である。このアモルフ
ァス金属粉末は、金属元素と半金属(燐(P)、炭素
(C)、ボロン(B)、シリコン(Si)など)との合
金、あるいは鉄系元素と希土類金属(Gd、Tb、Dy
など)との合金を用いることができる。代表的なアモル
ファス金属粉末としては、Fe70Co1515、Fe 80
15Bi5 、Fe40Ni40146 、Fe70Co1515
Co801515、Ni782 Si10などがある。(ここ
で70、15、5などの数値は原子%を示す。)アモル
ファス金属粉末の粒子形状は、対称性に優れた球状、細
長いひょうたん状が良いが、場合によっては薄片状、リ
ボン状、線状でもよい。 【0014】本発明ではアモルファス金属粉末の粒径は
0.01〜200μm程度のものを用いる。ここで0.
01〜200μmと数値を限定した理由は以下のようで
ある。即ち0.01μm未満では粉末粒子の表面積に比
べて粉末粒子の体積が小さくなる。そのため爆発成形な
どの高エネルギー速度加工を施したときにアモルファス
金属粉末の粒子表面で発生する熱を、該粒子の内部へ奪
いとることが不十分となる。その結果該粒子表面に存す
るアモルファス金属超微粉末のアモルファス性が失われ
易くなるからである。また200μmを越えると、粉末
充填密度が低くなり、粉末粒子の接合性が低下するから
である。 【0015】粒径0.01〜200μmのアモルファス
金属粉末は通常用いられる方法で製造できる。例えば回
転ロール法、アトマイズ法、スプレー法、スパーク法、
キャビティション法などを用いることができる。粒子が
球状のアモルファス金属粉末はスパーク法、アトマイズ
法で製造できる。回転ロール法でアモルファス金属粉末
を製造する代表的な例について更に具体的に説明する。
即ち、Fe65部、Co15部、B15部、Si5部の
組成を持つ粒径1〜1000μmの粉末をボールミルに
て混合した後、13.56MHZの高周波加熱にて14
00℃以上で溶解させる。その後この溶湯を直径5〜3
0mmの棒状に形成する。次にこの棒状成形体を石英製
又はセラミック製の容器にて1350℃から1400℃
の温度で加熱溶解する。加熱溶解は高周波溶解がよい。
次に上記のように形成した溶湯を容器のノズルから回転
ロールに向けて噴出させ、水面にて粉砕しつつ、かつ1
4 〜106 ℃/secで急冷する。これにより粒径
0.01〜200μmのアモルファス金属粉末を製造す
る。このようにアモルファス金属粉末の製造時は、粉末
表面に酸化物層を作らないようにアルゴン(Ar)ガス
の雰囲気が好ましい。このように製造された粉末の粒子
形状は、球状、ラグビーボール形、楕円球状、ピーナッ
ツ形状等のものができる。 【0016】次に、上述したアモルファス金属粉末をト
ルクセンサの磁性材料として被覆した場合についてさら
に詳細に説明する。本実施例においては上述した粉末
を、被覆層が形成される母材である駆動軸の表面に配し
た後、両者を高エネルギー速度加工することにより、固
着し、アモルファス被覆体を形成する。 【0017】図1は本発明のアモルファス被覆体を駆動
軸として用いたトルクセンサの模式図であり、図2は励
磁コイル配置状態を示す部分外観図、図3は図1のII
I−III線に沿う断面図、図4は図3の一部拡大図で
ある。図4から明らかなように、高エネルギー速度加工
した状態では、アモルファス金属の粉末は、駆動軸の表
面に固着されて被覆を形成している。ここで高エネル
ギー速度加工とは、極めて短時間(一般的には10-3
10-8秒程度の極めて短い時間)にエネルギーを瞬間的
に放出して成形する加工方法の意味である。高エネルギ
ー速度加工を用いれば、単位時間当たりのエネルギー即
ちエネルギー速度が極めて大きいため、熱をあまり生じ
させることなく固結できる。従ってアモルファス性を
損なうことなく固結できる。高エネルギー速度加工によ
る形成圧力は0.7〜80GPaがよい。ここで成形圧
力が0.7GPa以上であると一体成形が可能であり、
更に好ましくは1.5GPaを越えた方がより良好で均
一質な被覆材を得ることができる。代表的な高エネルギ
ー速度加工としては爆発成形加工がある。爆発成形加工
は、TNT火薬がダイナマイトの爆発によって生じる衝
撃波やガス膨脹で瞬間的に圧力を加える方法である。爆
発成形は一般的には水中で火薬を爆発させて行う。爆発
成形の圧力は、水面から火薬までの深さ、火薬から被成
形物への距離、火薬の量によって調整できる。爆発成形
を用いた場合の圧力も0.7〜80GPaが望ましい。
それよりも高圧を加えると、接合時の熱量が大きくなり
すぎ、アモルファス金属の一部が結晶化するためアモル
ファス性が失われ易くなり、又それよれも低圧であると
粒子が十分に接合しないからである。 【0018】具体的には、まず前述のアモルファス金属
の粉末を、水素を含む10-2〜10Torrの還元雰囲
気中にて、10〜30分間プラズマ下で還元処理をす
る。このときの温度は、アモルファス金属が結晶化する
温度(450℃)より低くし、250℃〜450℃であ
る。これにより、アモルファス金属の粉末表面は酸化物
層が全く取り除かれると同時に、活性化される。また直
径20mm、長さ250mmの駆動軸も同様にプラズマ
下で処理して活性化する。このとき駆動軸材質としては
ビッカース硬度が100〜300Hvであるものが適当
である。それは鉄系あるいはNi系の金属たとえばS4
5C,S55C,SUS416,SUS304,SUS
316などが良い。ビッカーズ硬度を限定する理由は3
00Hv以上になると、母材表面が変形しないため、粉
末が母材の内部に入り込むことができにくいために固着
強度が悪い。100Hv未満では爆発圧縮時に母材が変
形するため形状が保てないからである。 【0019】次に、銅または鉄系材料の円筒容器の中央
に、前記処理の実施された駆動軸を配設する。そして駆
動軸と円筒容器の間の空間に振動(5〜100Hz)を
与えながら前記処理の実施されたアモルファス金属粉末
を理論密度の約50%に充填し、真空脱気後、容器を密
封する。その後シート爆薬を爆発させ、容器内のアモル
ファス金属粉末と駆動軸とを予備圧着処理を行なう。次
に成形用チャンバ内の爆薬の中央に容器を置き、爆発成
形を行なう。このとき、***による点爆発は爆薬レンズ
によって平面爆発波になり、主爆薬の上面に同時に伝播
し、主爆薬を爆発させる。容器内の粉末は、衝撃波によ
って半径方向と軸方向とに同時に圧縮される。そしてア
モルファス金属粉末は、容器を介して受ける衝撃波によ
り固着され、粉末相互及び粉末と駆動軸の表面とが確実
に固着接合される。この爆発衝撃波によって、粉末が衝
撃作用を受ける時間は10-6秒程度である。またこの時
の圧力は0.7〜80GPaである。 【0020】この衝撃作用により受ける圧力は、図5に
示すようにアモルファス金属粉末の粒径の割合に基づい
て、以下に述べるように制御する。図5(a)に示すよ
うな粉末の粒径割合のときは(50〜200μmのもの
が100%のとき)約10〜80GPaの圧力を加え
る。図5(b)に示すような粒径割合のときは(10〜
50μmのものが5〜20%、50〜130μmのもの
が80〜95%とき)約8〜50GPaの圧力を加え
る。図5(c)に示すような粒径割合のとき(0.01
〜0.08μmの超微粉末のものが0.1〜0.5%、
10〜40μmのものが5〜30%、50〜130μm
のものが55〜95%のとき)は0.7〜10GPaの
圧力を加える。すると、アモルファス金属粉末は理論密
度の90〜99.9%の密度となって駆動軸表面上に固
着される。また、爆発成形加工時の母材の変形を考える
と、その圧力は小さい方がよい。そのため、図5(c)
に示す粒径割合のアモルファス金属粉末を用いたものが
好ましく、その圧力は0.7〜10GPaが適当であ
る。 【0021】この爆発圧力範囲は粒子と粒子との境界が
なくなる圧力で下限が決まり、上限は爆発時に発生する
熱によってアモルファス相が保たれることによって決ま
る。即ち90GPa以上では、爆発時の粉末粒子と粉末
粒子間に発生する熱にてアモルファス粒子が加熱され、
そのためアモルファス相が結晶相に変化し、それが急冷
されても、もとのアモルファス相にもどらなくなる。 【0022】尚、駆動軸の外周部に設置した銅または鉄
系材料の容器は、爆発形成後研削や切断にて取り除く。
またこの容器が取り除かれた駆動軸は、アモルファスが
結晶化しない温度(100℃〜350℃)にて、磁気
(1000〜2000エルステッド)を印加しつつ、約
1〜2時間熱処理すると磁気特性は著しく改善される。
この様にして形成したアモルファス被覆体は、図4に示
すように、駆動軸4の表面にアモルファス金属の被覆層
(100〜500μm)が強固に固着されたものとな
る。このとき、アモルファス金属の被覆相は、粉末粒子
どうしの結び付きの良い均一な層であった。アモルファ
ス金属の被覆層の内部には、粉末粒子と粉末粒子との境
界、欠陥が殆どないものである。またアモルファス金属
粉末と母材である駆動軸の表面との界面では、お互いの
原子が入り込み、原子間の結合が強固になされている。
さらに、これを電子線回析で分析した結果、ハローパタ
ーンを提出するものであり、どの部分においてもアモル
ファス状態であった。 【0023】次のこのように形成されたアモルファス被
覆材を磁性材料として用いたトルクセンサの作動につい
て説明する。図1に示したようにこの被覆層を形成した
駆動軸4の表面近傍に、被覆層を励磁するコイル2と、
被覆層の磁歪特性を検出する検出コイル3を設置する
と、駆動軸に伝達するトルクによる歪に基因する起電力
が測定できる。こき起電力は増幅され電気信号として取
り出される。検出回路としては発振器11から出された
信号を駆動回路12にて方形波にし、励磁コイル3に電
流を付加する。検出コイル2にて、駆動により生じた歪
にて発生する起電力を交流増幅器13にて増幅し、サン
プリング回路14にてサンプリングし、更に励磁方形波
と比較することによりトルクを検出する。 【0024】上述の実施例において、母材としてトルク
センサの駆動軸、すなわち円柱形状の部材を用いた。し
かし、母材の形状としてはこのような円柱形状限定され
るものではなく、アモルファス金属の被覆層が形成され
る表面を有する形状なら他の形状であっても良い。たと
えば角柱、楕円柱、平板等であってもよい。さらに、母
材は電磁クラッチ、磁気ヘッド等のような複雑な形状で
あってもよい。これらの形状の母材に高エネルギー速度
加工する場合は、特に衝撃圧力がその表面に均一に加わ
るようにする必要があることは言うまでもない。 【0025】また、上記実施例のアモルファス金属は粉
末であるため、高エネルギー速度加工等の衝撃圧力が小
さくても強固に固着することができる。そして、この圧
力か小さくてもよいことから、被覆層の形成される母材
の変形がない。その結果、形成されたアモルファス被覆
体の寸法精度がよくなる。上述実施例にて形成したアモ
ルファス被覆体は、被覆層の厚みが異なるが、その特性
は変わらないため、以下に実施例で形成したアモルファ
ス被覆体の測定値を記す。 【0026】図6はアモルファス金属粉末の組成とその
結果得られた被覆体の磁歪特性の関係を示す図である。
これによれば本発明のものは参考例(従来のニッケルメ
ッキにより厚さ10μmの被覆層を形成したもの)と比
べて著しく磁歪特性が向上している。尚、これは被覆層
が10μmで5Kθe(エルステッド)のときの値であ
る。 【0027】図7は、図6中のNo.2の組成(Fe76
8 Si16)からなるアモルファス金属粉末から形成さ
れるアモルファス被覆体に加えられるトルクとその出力
との関係を示す図である。これによれば、駆動軸である
アモルファス被覆体に加えられるトルクと、その結果ア
モルファス被覆層から得られる出力は、従来のもの(N
iメッキ20μm)に比較して良い比例関係が成立して
いる。また、印加トルクの上昇と下降とによるヒステリ
シスの差も、従来のもの(Niメッキ20μm)に比較
して小さく、感度(トルクと出力の比)も良い。このよ
うに本発明のものは、磁気特性が向上する。 【0028】また、次にこの本発明のアモルファス被覆
体(図6中No.2)と従来のもの(厚さ25〜30μ
mのアモルファス薄帯が駆動用に厚さ5〜15μmのエ
ポキシ樹脂によって接着されたもの)との接着強度を比
較する。駆動軸に14kg・mのトルクを加えて、従来
のものは約100回のトルクを加えて使用したときに感
度が落ち、出力が低下した。ところが上述の本発明のも
のは100,000回使用しても何ら変化もなく、出力
は低下しなかった。このことより、本発明のものは、従
来のものに比較して十分な耐久性を有する。 【0029】さらに図7中No. 5〜No. 8のものは耐蝕
性もあるので耐腐食環境下で用いることができる。次
に、駆動軸(直径20mm、材質:S45C)の表面に
異なったアモルファス金属粉末を固着させたアモルファ
ス被覆を形成したときのビッカースの硬度、及び磁気
特性(図8)、被覆層の厚さとビッカースの硬度の関係
(図9)、被覆層の厚さと剥離荷重との関係(図10)
について説明する。 【0030】図8は本発明のものの磁気特性(飽和磁束
密度、透磁率、保持力)とビッカース硬度を示す図で、
各アモルファス被覆は厚さ100〜500μmであ
る。これは、駆動軸の表面に形成される被覆層の厚みを
実験上厳密に制御することが難しいため、厚みに100
〜500μmと範囲がある。ところが、図9からも明ら
かなように、100μm以上の被覆層の厚みになるとそ
のビッカース硬度は飽和するため、ビッカース硬度を比
較するデータとしては、厚みが100μm以上であれば
異なっていても問題はない。 【0031】図9は被覆層の厚さとビッカース硬度の関
係を示す図であり、○印は本発明の被覆対(組成:Ni
8218)の測定値を示し、×印は従来のもの(メッキ、
組成:Ni8218)の測定値を示し、△印は本発明の被
覆対(組成:Fe70Co15 15)の測定値を示す。○印
(本発明のもの)と×印(従来のもの)とを比較する
と、どの厚さにおいてもビッカース硬度が大である。つ
まり本発明のものは従来のものより硬いといえる。 【0032】図10は被覆層の厚さと剥離した時の荷重
の関係を示す図である。これは被覆層の形成された駆動
軸を120℃の空気雰囲気中で回転自在に設置し、その
被覆層の表面上に摩擦係数0.3〜0.4の板材を介し
て各々荷重を加える。この状態で30分間回転させた
後、被覆層が剥離していたもののなかで最小の荷重をプ
ロットしたものである。○印が本発明のもの(組成:N
8218)×印が従来のもの(メッキ、組成:Fe70
1515)の測定値を示す。たとえば被覆層の厚みが1
00μmのとき、本発明のものは21kg/mm2 の荷
重を加えた状態で30分回転した後、被覆層が剥離して
いなかったのに対し、従来のものは3.7kg/mm2
以上の荷重を加えて回転するとすべてのものの被覆層
(メッキ層)が剥離してしまった。つまり本発明のもの
は、従来のもの(メッキ)に比較して強固に被覆層が固
着されている。 【0033】さらに本発明のもの(組成:Ni8218
は従来のもの(メッキ成:Ni8218)に比較して
的耐蝕性が510%向上した。これは1規定(1
N)の塩酸溶液中で、両者を48時間浸漬させた後、そ
れぞれの溶液中に発生する塩化物の重量を測定して比較
した。すると、本発明のものは浸漬溶液中に塩化物量が
5〜10%少なかったことより、上記化学的耐蝕性の向
上が理解できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】図1は、本発明のアモルファス被覆体を駆動軸
として用いたトルクセンサの模式図である。 【図2】図2は励磁コイルの配置状態を示す部分外観図
である。 【図3】図3は、図1のIII−III線に沿う断面図
である。 【図4】図4は、図3の一部拡大図である。 【図5】図5(a) 、(b) 、(c) はアモルファス金属粉末
の粒径の分布割合を示す図である。 【図6】図6は、アモルファス金属粉末の組成と被覆
を形成した後の磁歪特性を示す図である。 【図7】図7は、本発明のアモルファス被覆の特性を
示す特性図である。 【図8】図8は、本発明のアモルファス被覆体の組成を
示す特性図である。 【図9】図9は、本発明のアモルファス被覆体の特性を
示す特性図である。 【図10】図10は、本発明のアモルファス被覆体の特
性を示す特性図である。 【符号の説明】 1 アモルファス金属の被覆層 4 母材(トルクセンサの駆動軸)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 24/06 C23C 24/06

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.筒状容器の中央に金属製の母材を配置し、且つ該母
    材と前記容器との間の空間に、粒径が0.01μm〜2
    00μmのアモルファス金属粉末を充填し、前記容器を
    密封後、成形圧が0.7〜80GPaの高速度加工を前
    記容器に施すことによって、前記母材の表面にアモルフ
    ァス金属の被覆層を成形することを特徴とするアモルフ
    ァス被覆体の成形方法。 2.前記アモルファス金属は、シリコン、鉄、コバル
    ト、ニッケル、クロム、ボロンの少なくとも一種を主体
    とする金属であることを特徴とする請求項1記載のアモ
    ルファス被覆体の成形方法。 3.前記アモルファス金属の粉末を還元雰囲気中にてプ
    ラズマ処理することを特徴とする請求項1記載のアモル
    ファス被覆体の成形方法。
JP5246990A 1993-10-01 1993-10-01 アモルファス被覆体及びその成形方法 Expired - Fee Related JP2669308B2 (ja)

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