JP2668979B2 - ステンレス鋼mig溶接用ワイヤの製造方法 - Google Patents

ステンレス鋼mig溶接用ワイヤの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、溶接ワイヤ、とくにMIG溶接に用いるステ
ンレス鋼製ソリッドワイヤの製造方法の改良に関する。
【従来の技術】 ステンレス鋼のMIG溶接用ワイヤを含め、一般に、ア
ーク溶接用のワイヤには、それを使用して溶接を行なっ
たときに、溶接作業性がよいこと、すなわちアークが安
定でありスパッタの発生量が少ないこと、および形状良
好なビードが得られること、が要求される。 この要求にこたえるため、ワイヤ材質とくに不純物の
許容量や、表面潤滑剤の種類、適切な使用量などが検討
されている。 アーク溶接の作業性に関して、理由は明らかではない
が、Caの存在が悪影響を与えることが知られたので、ワ
イヤからCaを極力排除すべきことになった。それにはま
ず、ワイヤ材料の製造に当って、原料と精製の条件をえ
らぶことによりCaを実質上含有しない線材を用意するこ
とが有効であり、これを実施することに、とりたてて困
難はない。問題は、製造工程におけるCaの付着をいかに
防ぐかである。 溶接用ワイヤの製造工程で、線材圧延に続く伸線は冷
間引抜きによっており、その潤滑剤として、ステアリン
酸カルシウムのような「金属石鹸」が、その高い潤滑効
果を評価され常用されている。 直径5.5mmの線材から需要の多い直径1.2mmのワイヤに
伸線する場合に例をとると、代表的な工程では12パスに
わたりダイスを通す。前半の6パスを終り径2.2mmにし
たところで、焼純を行なってから後半6パスに移るのが
常であり、この後半の6パスにおいて、潤滑剤としてス
テアリン酸カルシウムを使用する。コイルにしたワイヤ
は有機溶剤中で超音波を当てて洗浄し、付着した潤滑剤
を除去する努力をしているが、なおワイヤ全体としては
20ppm程度のCaが残存することは避けられず、その影響
をなくすことはできない。
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述のような技術の現状を打破し
て、Caの存在がワイヤの溶接作業性に及ぼす悪影響をな
くした、ステンレス鋼MIG溶接用の溶接ワイヤを製造す
る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
本発明のステンレス鋼MIG溶接用ワイヤの製造方法
は、Caを実質上含有しないステンレス鋼をワイヤ材料と
して使用するとともに、冷間引抜きによる伸線加工の潤
滑剤として金属石鹸を使用し、ただし多段伸線ダイスの
終段側の少なくとも1パスにおいては金属石鹸に代えて
潤滑油を使用することを特徴とする。 好ましい態様においては、伸線後に洗浄を行なってワ
イヤ表面に付着した潤滑剤を極力除去すること、具体的
には10ppm以下にする。洗浄は、潤滑剤に対して溶解力
のある有機溶剤を使用することが好ましい。後記する実
施例に示すように、洗浄に当って超音波振動を加えると
効果的である。
【作 用】
通常「石鹸」とよばれるアルカリ金属高級脂肪酸塩
は、その冷間引抜ダイスへの潤滑効果がステアリン酸カ
ルシウムのような金属石鹸に及ばない。ステアリン酸基
の潤滑効果で比較した場合、Ca塩とNa塩とは、ダイス寿
命に及ぼす影響にしておおよそ100:70〜80の差があり、
金属石鹸の効果には捨て難いものがあ。そこで、本発明
の溶接用ワイヤの製造方法においては、上記のように、
伸線ダイスの潤滑剤としてCa石鹸のような金属石鹸を使
用するが、最終の1パス、好ましくは2パスにおいては
その使用をやめ、液体の潤滑剤、代表的には油を使用す
る。 金属石鹸は洗浄によっても除去しにくいものである
が、本発明の製造方法によるときは、ワイヤ表面に付着
した金属石鹸はワイヤ素材が後続のパスにおいてダイス
でしごかれたときにかなり取り除かれる。このとき残っ
た分も、液体潤滑剤と緊密に(おそらく分子レベル)で
混り合い、好ましい態様において実施する洗浄工程で有
機溶剤中へ分散することが容易になり、その結果として
除去率が高くできるものと考えられる。
【実施例】
19Cr−0.5Nbのフェライト系ステンレス鋼(SUS430
景、社内規格WS442M)の熱間圧延により、直径5.5mmの
線材を得た。この線材中のCa量は、測定限界以下であ
る。 冷間引抜きダイス6パスを通して直径2.2mmまで伸線
したところでいったん焼純し、続いて冷間引抜きダイス
6パスを通して直径1.2mmまで伸線して溶接ワイヤとし
た。 この後半の伸線において、 (試料1:参考例) 一部の線材に対しては、潤滑剤とし
て、金属石鹸であるステンレス酸カルシウムに代えて、
アルカリ石鹸であるステンレス酸ナトリウムを使用し
た。潤滑剤の適用は、ワイヤ素材をアルカリ石鹸の粉末
中を通してダイスにかける。従来の手法に従った。得ら
れた溶接ワイヤのNa含有量は平均32ppmあったが、Caは2
ppm(測定限界)以下であった。 (試料2:実施例1) 一部の線材に対しては、4パスは
金属石鹸(ステンレス酸カルシウム)潤滑剤を使用し
(適用法は上記と同じ)、最後の2パスはダイスを炭化
水素系の潤滑油中に浸漬させて使用した。伸線後のワイ
ヤのCa含有量は、12ppmであった。 (試料3:実施例2) 試料2のワイヤのコイルを有機溶
剤(トリクロルエチレン)中に入れ、超音波振動を加え
て洗浄した。これにより、ワイヤのCa含有量は8ppmに減
少した。 (試料4:比較例) 残りは、従来技術に従って6パスと
も金属石鹸(ステアリン酸カルシウム)潤滑剤を使用
し、上記と同様の洗浄を行なった。このワイヤのCa残存
量は、20ppmであった。 上記4種のワイヤを使用して、MIG溶接を行なった。
溶接条件は、つぎのとおりである。 アーク電圧の変動状況を、第1図(短絡移行型)およ
び第2図(スプレー移行型)に示す。 試料1,2および4の3種のワイヤを用いた短絡移行型
の溶接において、電流−電圧を変化させて(その他の溶
接条件は前記と同じ。ただし電源は、松下HF−350)短
絡回数をしらべた。結果は、つぎのとおりであった。 ワイヤ径が1.0mmであるほかは試料1および試料4と
同様に製造した溶接ワイヤを用い、つぎの条件でスプレ
ー移行型の溶接試験を行なった。 電流−電圧 150A−25V 溶接方法 厚さ9mm鉄板上ビードオン 溶接速度 45cm/分 ガ ス Ar+5%O2 電 源 ダイヘンMM500U 得られたビードの形状とスパッタの状況を観察したと
ころ、Caを実質上含有しない試料1のワイヤは、アーク
が安定し、スパッタの少い形状良好なビードを与えるこ
とが確認された。
【発明の効果】
本発明の溶接用ワイヤの製造方法、すなわち伸線工程
の一部で金属石鹸を使用するが、後にそれが容易に取り
除かれるようにした方法によれば、溶接用ワイヤ中のCa
の量を、溶接作業性に与える影響が問題にならない程度
に減少できる。それによって、溶接作業性に悪影響を与
えるCaをかなりの程度排除でき、この製品ワイヤを使用
してステンレス鋼のMIG溶接を行なえば、アークが安定
しスパッタが減少し、形状良好なビードを得ることがで
きる。 好ましい態様に従って、伸線に続いて洗浄を行ない、
Caの残存量を10ppm以下の溶接作業性に影響を与えない
レベルまで低下させれば、上記の効果をいっそう高く得
ることができる。 本発明の製造方法は、金属石鹸のもつ高い潤滑効果を
利用でき、伸線用ダイスの寿命が短かくなることを避け
られるから、溶接ワイヤの製造コストを増大させること
はない。
【図面の簡単な説明】
図面はいずれも本発明の実施例における溶接作業の安定
性を示すものであって、第1図は短絡移行型の、第2図
はスプレー移行型の溶接における、電圧変動を示すチャ
ートである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステンレス鋼MIG溶接用ワイヤの製造方法
    において、Caを実質上含有しないステンレス鋼をワイヤ
    材料として使用するとともに、冷間引抜きによる伸線加
    工の潤滑剤として金属石鹸を使用し、ただし多段伸線ダ
    イスの終段側の少なくとも1パスにおいては金属石鹸に
    代えて潤滑油を使用することを特徴とする製造方法。
  2. 【請求項2】伸線後に洗浄を行なってワイヤ表面に付着
    した潤滑剤を極力除去することにより、溶接ワイヤ上の
    Caの付着量を10ppm以下にする請求項1の製造方法。
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