JP2668388B2

JP2668388B2 - 液体研磨性組成物

Info

Publication number: JP2668388B2
Application number: JP63120020A
Authority: JP
Inventors: 誠治阿部; 正志三浦
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1988-05-16
Filing date: 1988-05-16
Publication date: 1997-10-27
Anticipated expiration: 2012-10-27
Also published as: JPH01289888A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、長期保存安定性に優れた液体研磨性組成物
に関するものである。さらに詳しくは長期間保存して
も、色調、香り、外観等の性状の変化をきたさない液体
クレンザー組成物に関するものである。

〔従来技術及びその問題点〕

液体クレンザー組成物は、界面活性剤水溶液中に水不
溶性研磨物質を分散させるとともに、さらに、無機塩、
ハイドロトロープ剤、有機高分子等の分散安定剤を添加
したもので、従来各種のものが知られている（例えば、
特公昭59−48080号公報、特開昭59−59796号公報、特公
昭60−6998号公報、特開昭62−95400号公報、特開昭62
−70497号公報等）。

ところで、このような液体クレンザー組成物において
は、その添加物や水を経由して細菌が浸入しやすい。そ
して、従来の液体クレンザー組成物は、細菌の繁殖に適
した成育条件を与えるため、長期間保存しておくと、細
菌の繁殖によって、その色調、香り、外観等の性状が劣
化し、品質の悪化したものとなる。このような品質劣化
は、手肌へのマイルド性を付与するために天然果汁と保
湿剤を添加した時には、特に顕著である。

（目的）本発明は、細菌汚染されやすい天然果汁を含む液体研
磨性組成物に見られる前記細菌繁殖による品質劣化の問
題を解決することを目的とする。

（問題点を解決するための手段）本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ね
た結果、特定の抗菌剤を配合することによってその目的
を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに到っ
た。

すなわち、本発明によれば、天然果汁（Ａ）と、保湿
剤（Ｂ）と、５−クロロ−２−メチル−４−イソチアゾ
リン−３−オン又は２−メチル−４−イソチアゾリン−
３−オンあるいはそれらの混合物からなる抗菌剤（Ｃ）
を含有する液体研磨性組成物が提供される。

本発明の組成物は、手肌へのマイルド性を付与すらた
めに、天然果汁と保湿剤を含有する。天然果汁として
は、ライム、レモン、オレンジ、パインアップル等の日
本農林規格に定めた果汁飲料基準の天然果汁が用いら
れ、希釈品や濃縮品であってもよい。その添加量は、未
希釈及び未濃縮の天然果汁換算で0.01〜0.1重量％、好
ましくは0.03〜0.06重量％である。

保湿剤としては、従来公知のものが用いられる。この
ようなものとしては、例えば、ミリスチン酸イソプロピ
ル、パルミチン酸イソプロピル等の高級脂肪酸アルキル
エステルや、ピロリドンカルボン酸又はその塩（例え
ば、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ピロリドンカル
ボン酸カリウム、ピロリドンカルボン酸トリエタノール
アミド等の塩）が挙げられる。保湿剤は、0.001〜0.01
重量％の範囲で添加するのが好ましい。

水不溶性研磨性としては、従来公知のものが用いられ
る。このようなものとしては、例えば、硅砂及び石英砂
等のシリカ類、パーライト、シラス、白土及び長石等の
アルミナシリケート類、天然ゼオライト、炭酸カルシウ
ム、砂もしくは貝ガラ等の天然粉砕物、リン酸カルシウ
ム、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化チタン、炭酸バリ
ウム等の粉体が用いられる。組成物に十分な研磨力を保
持させるためには、モース硬度３以上で且つ半均粒径５
〜40μｍの粉体の使用が好ましい。平均粒径が５μｍ認
満であれば、研磨力が乏しく、40μｍを超えると被洗物
の表面を傷付け易くなる。尚、ここで言う平均粒径と
は、ストークスの式を利用した沈降法による測定で得ら
れるメジアン径を意味する。上記研磨剤の添加量は７〜
70重量％が良く、40〜55重量％が更に好ましい。７重量
％未満であれば研磨力が乏しく、且つ保存安定性も劣
り、70重量％を超えると粘度が高くなり、ボルトから出
しにくくなる。

本発明の組成物には、抗菌剤として、５−クロロ−２
−メチル−４−イソチアゾリン−３−オン又は２−メチ
ル−４−イソチアゾリン−３−オンあるいはそれらの混
合物を添加する。この抗菌剤は有効必要量で添加され、
好ましくは0.005〜0.05重量％の割合で添加される。

本発明の組成物には、通常、界面活性剤が添加される
が、その添加は必須ではなく、場合によっては省略する
ことも可能である。界面活性剤の具体例としては、例え
ば、炭素数８〜18のアルキル基を有する直鎖アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ア
ルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸
塩等のアニオン活性剤や脂肪酸アルカノールアミド又は
その誘導体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンアル
キルエーテル等のノニオン界面活性剤が用いられるが、
洗浄力、泡立ちの点から直鎖アルキルベンゼンスルホン
酸塩と脂肪酸アルカノールアミドの酸化エチレン付加物
若しはく脂肪酸ジエタノールアミドを併用するのが好ま
しい。界面活性剤の添加量は、最終組成の粘度を考慮し
て、通常２〜10重量％の範囲で選択されるが、５〜８重
量％が好ましい。

本発明の組成物には、以上の成分の他にも、液体研磨
性組成物としての性能を損わない範囲で、トルエンスル
ホン酸、安息香酸、クエン酸又はそれらの塩や、プロピ
レングリコール、エチレングリコール、グリセリン等の
ハイドロトロープ剤、香料、着色剤、防錆剤を添加する
ことができる。

（発明の効果）本発明の液体研磨性組成物は、長期保存においても、
細菌の繁殖はなく、色調、香り、外観等の性状の劣化を
生じるようなことはない。しかも、天然果汁と保湿剤を
含むことから、手肌に対する感触はマイルドである。

（実施例）次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。

実施例１次表に示す成分組成の液体研磨性組成物を調製した。

次に、前記で得た組成物について、その長期保存性を
調べるための保存性促進試験を次のようにして行った。

組成物に対し、腸内細菌群／線膿菌／汚染酵母群／カ
ビ菌＝1/1/1/1の混合菌を３×10⁷個植え込み、35℃で放
置した後、２週間目の細菌数（個/g）を測定するととも
に、組成物の外観及び香りについても以下の基準で評価
した。

外観： ○…異常なし △…若干黒褐色を示す ×…黒褐色を示す香り： ○…異常なし △…若干腐敗臭を示す ×…強い腐敗臭を示す以上の結果を表−２にまとめて示す。表−２の結果か
ら、抗菌剤を有効量（0.005〜0.05重量％）を含む本発
明の組成物は、細菌の繁殖がなく、長期間放置してもそ
の性状劣化が生じないことがわかる。

実施例２実施例１において、天然果汁、保湿剤及び抗菌剤の成
分組成を表−３に示した通りのものにした以外は同様に
して組成物を調製した。また、この組成物について、実
施例１と同様にして、保存性促進試験を行った。その結
果を表−３に示す。

表−３に示された結果から、同種の抗菌剤であって
も、本発明で特定した以外の抗菌剤では本発明の目的を
達成し得ないことがわかる。

実施例３表−４に示した成分組成の組成物（微量の香料を含
む、水バランスで全体で100重量部に調整）を調製し
た。また、この組成物について、実施例１と同様にし
て、その保存性促進試験を行った。その結果を表−４に
示す。

なお、表−４に示したPOE（９）POP（15）ラウリルエ
ーテルは、ラウリルアルコールにエチレンオキシド９モ
ル及びプロピレンオキシド15モルを付加重合させた生成
物を意味する。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】天然果汁（Ａ）と、保湿剤（Ｂ）と、５−
クロロ−２−メチル−４−イソチアゾリン−３−オン又
は２−メチル−４−イソチアゾリン−３−オンあるいは
それらの混合物からなる抗菌剤（Ｃ）を含有する液体研
磨性組成物。