JP2666196B2 - 抄紙機用のフローボツクス - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、抄紙機用のフローボックスであって、分配
ボックスと、該分配ボックスに接続されていて、抄紙機
への流れ方向に繊維紙料サスペンションを案内しかつ該
サスペンションを抄紙機の幅にわたって分配する案内装
置とが設けられており、この場合案内装置がノズル室に
開口していて、該ノズル室が２つの制限リップと抄紙機
に通じる流出間隙と該流出間隙を制限する絞りとを有し
ており、ノズル室の少なくとも１つの制限リップがノズ
ル室におけるサスペンションの流れ方向に対して傾斜角
の異なった少なくとも２つの区分を有している形式のも
のに関する。 従来の技術 例えば西ドイツ国特許出願第3321406号明細書又は米
国特許第3738910号明細書に基づいて公知のこのような
フローボックスでは、案内装置は例えば孔明きプレート
又は段付きディフューザとして構成されており、この結
果分配ボックスから抄紙機に向かってノズル室へと変向
されるサスペンションはある程度の乱流を有している。
ノズル室を制限しているリップは通常平らな又は幾分湾
曲した壁として構成されている。この場合しばしばノズ
ル室端部における流出間隙には調節可能な絞りが設けら
れており、この絞りは横断面修正及び乱流増大のために
有益である。この場合絞りは鉛直方向に対して多くの場
合35゜よりも小さな角度で流れ方向に傾斜していて、ノ
ズル室内に例えば5mmよりも小さなわずかな区間だけ突
出しているので、間隙幅に対する絞り突出の比は通常0.
5よりも小さい。 上に述べた公知のフローボックスでは以下のような欠
点が存在する。すなわち公知のフローボックスでは、形
成される紙匹の地合品質がしばしば不十分であり、試料
の片寄り時又は局部的な間隙幅の変化時に横方向におけ
る紙匹重量分布の感度が極めて敏感であり、横断面修正
時に流速度の差に対する感度が極めて敏感であり、かつ
多くの場合に所望の大きな縦横強度比が得られない。 発明が解決しようとする課題 ゆえに本発明の課題は、上に述べた従来技術における
欠点を除去し、紙匹の十分な地合品質が得られ、間隙幅
の変化時に横方向における紙匹重量分布の感度が鈍化さ
れ、横断面形状修正時に流速度の差に対する感度が鈍化
され、しかも高められた縦横強度比を得ることができる
フローボックスを提供することである。 課題を解決するための手段 この課題を解決するために本発明の構成では、冒頭に
述べた形式のフローボックスにおいて、ノズル室を制限
する両制限リップのうちの上側の制限リップの、案内装
置に直接接続するノズル室区分の傾斜角が、０゜〜30゜
の間であり、上側の制限リップの、流出間隙の直前に位
置するノズル室区分の傾斜角が、60゜〜90゜の間であ
り、さらに、案内装置に直接接続するノズル室区分の長
さが、流出間隙の直前に位置するノズル室区分の長さの
数倍であるようにした。 発明の効果 本発明のように構成されていると、小さな傾斜角を備
えた第１の区分において、変向後及び繊維薄片を分散さ
せる乱流発生後にサスペンションは十分に鎮静させられ
る。次いで後続の区分においてつまり流出間隙の直前に
おいてサスペンションはノズル室の壁のより大きな傾斜
角に基づいて極めて強く加速され、ひいては既に存在す
るもしくは新たに形成された繊維薄片はゆがめられて破
壊される。これによって柔らかな地合が生ぜしめられ
る。これに加えて強度の縦横比が高められる。それとい
うのは強い加速によって繊維は既にフローボックスから
の流出間隙において縦方向にあらかじめ方向付けられる
からである。また比較的長い加速区間および乱流発生器
と流出間隙との間における比較的長い滞在時間によっ
て、系の不都合な影響はさらに柔らげられかつ除去され
る。しかしながら加速は、渦流が発生するほど強く選択
されてはいない。 実施例 次に図面につき本発明の実施例を説明する。 第１図に示されたフローボックスでは繊維紙料サスペ
ンションが圧力下で分配ボックス１に供給される。分配
ボックス１に接続された案内装置２はサスペンションを
抄紙機への流れ方向Ｍに変向し、フローボックス及び抄
紙機の幅にわたって分配する。案内装置２はこの場合単
数又は複数の孔明きプレート又は例えばスイス国特許第
518406号明細書又は米国特許第3725197号明細書に開示
されている段付きディフューザから成っていてもよい
し、又はその他の適当な案内装置から成っていてもよ
い。 サスペンションは案内装置２からノズル室３に流入
し、このノズル室３は両側をリップ4,5によって制限さ
れていて、端部に流出間隙６を有している。この流出間
隙６から繊維紙料サスペンションは図示されていない抄
紙機の湿部に流出する。 ノズル室３の少なくとも１つの制限壁例えば上側の制
限リップ４は流れ方向Ｍで見て、サスペンションの流れ
方向に対して異なった傾斜をもつ２つの異なった区分7,
8を有している。案内装置２に接続する第１の区分７
は、例えば０゜〜30゜の間の比較的小さな傾斜角αを有
している。これに対して流れ方向において第１に区分７
に接続する、流出間隙６の前の区分８は、流れ方向に対
して例えば60゜〜90゜の間の範囲における著しく大きな
傾斜角βを有している。第１の区分７の長さｘは接続の
区分８の長さｙよりも有利には数倍長く、例えば少なく
とも長さｙの４倍である。またこの場合有利には区分８
の長さｙは流出間隙６の間隙幅ｓよりも大きく選択され
ている。 ノズル室３の上側の制限リップ４の代わりに下側の制
限リップ５が上述のように構成されていても、又は両方
の制限リップ4,5が上述のように構成されていてもよ
い。いずれの場合においても次のことが保証されていな
くてはならない。すなわちノズル室３は、案内装置２か
らの流出後における流れを鎮静することができる第１の
区分７と、流出間隙６の直前にサスペンションの流れを
強く加速する区分８とを有していなくてはならない。 流出間隙６には付加的に、公知のように構成された調
節可能の絞り９が設けられていてもよい。この場合絞り
の突出値ｂが間隙幅ｓの0.05〜0.5倍の間の範囲におい
て調節できるように、突出値ｂを選択すると有利であ
る。 また２つよりも多くの区分が設けられていてもよく、
この場合それぞれ後続の区分は先行する区分に比べてよ
り大きな壁傾斜を有している。 制限リップ4,5のうちの少なくとも１つが旋回可能に
構成されていてもよく、このように構成されていると、
流れを最適化し、流出間隙６の幅を変えて、その都度の
要求に適合させることができる。しかしながらまた、制
限リップの最後の区分８だけを旋回可能又はシフト可能
に構成することも、又は流出間隙６の局部的な調節をフ
ローボックスの作業幅にわたって行うことも可能であ
る。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明によるフローボックスの１実施例を示す
概略図である。 １……分配ボックス、２……案内装置、３……ノズル
室、4,5……制限リップ、６……流出間隙、7,8……ノズ
ル室の区分、９……絞り、Ｍ……流れ方向、α，β……
傾斜角、x,y……長さ、ｓ……流出間隙の幅

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヘルベルト・ホリク ドイツ連邦共和国ラーフエンスブルク・ モンテリ マールシユトラーセ 18 (56)参考文献 特開 昭59−130394（ＪＰ，Ａ) 特開 昭52−46104（ＪＰ，Ａ) 実開 昭54−139702（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭58−58480（ＪＰ，Ｂ２) 米国特許3738910（ＵＳ，Ａ)

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．抄紙機用のフローボックスであって、分配ボックス
   （１）と、該分配ボックスに接続されていて抄紙機への
   流れ方向（Ｍ）に繊維紙料サスペンションを案内しかつ
   該サスペンションを抄紙機の幅にわたって分配する案内
   装置（２）とが設けられており、この場合案内装置
   （２）がノズル室（３）に開口していて、該ノズル室が
   ２つの制限リップ（4,5）と抄紙機に通じる流出間隙
   （６）と該流出間隙を制限する絞り（９）とを有してお
   り、ノズル室（３）の少なくとも１つの制限リップ（4,
   5）がノズル室（３）におけるサスペンションの流れ方
   向（Ｍ）に対して傾斜角（α，β）の異なった少なくと
   も２つの区分（7,8）を有している形式のものにおい
   て、ノズル室（３）を制限する両制限リップのうちの上
   側の制限リップ（４）の、案内装置（２）に直接接続す
   るノズル室区分（７）の傾斜角（α）が、０゜〜30゜の
   間であり、上側の制限リップ（４）の、流出間隙（６）
   の直前に位置するノズル室区分（８）の傾斜角（β）
   が、60゜〜90゜の間であり、さらに、案内装置（２）に
   直接接続するノズル室区分（７）の長さ（ｘ）が、流出
   間隙（６）の直前に位置するノズル室区分（８）の長さ
   （ｙ）の数倍であることを特徴とする、抄紙機用のフロ
   ーボックス。 ２．流出間隙（６）の前に位置するノズル室区分（８）
   の長さ（ｙ）が、流出間隙（６）の幅（ｓ）よりも大き
   い、特許請求の範囲第１項記載のフローボックス。 ３．絞り（９）、該絞りの突出値（ｂ）が流出間隙
   （６）の幅（ｓ）のほぼ半分を成すように運動可能であ
   る、特許請求の範囲第１項又は第２項記載のフローボッ
   クス。 ４．少なくとも１つの制限リップ（４）の少なくとも１
   つの区分（7,8）が、旋回可能又はシフト可能に構成さ
   れている、特許請求の範囲第１項から第３項までのいず
   れか１項記載のフローボックス。