JP2661915B2 - 垂直ビデオ信号フィルタ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は、その各々が１つの加算器と１つの切り換え
スイッチと１つのラインメモリとを含むところの、１番
目及び１番目の再帰型フィルタ回路を有して成る垂直ビ
デオ信号フィルタ装置に関する。 〔従来の技術〕 画中画（PIP−picture−in−picture）機能を持つテ
レビジョン受信機、すなわち大きい「主（“main"）画
面の中にビデオ信号の小さい圧縮された変形（veresio
n）が表示されるテレビジョン受信機では、２つのチャ
ネル、すなわち主チャネルとPIPチャネルとが設けられ
ている。主チャネルは普通のテレビジョンチャネルであ
って、入って来るテレビジョン信号を受信して、輝度信
号及びそれに対する２つの色差信号を供給する。PIPチ
ャネルも同様にテレビジョン信号を受信し、その信号を
デジタル的に処理する。受信した信号のデジタル化し縮
小した変形はメモリに記憶される。このデジタル化し縮
小した変形メモリから読み出されて、その結果の色差信
号及び輝度信号は、同期切り換え回路の制御の下に主チ
ャネルからの応対する信号と組み合わせられる。次に、
この組み合わせられた信号はディスプレイに与えるため
に赤、緑、及び青の色信号に変換される。垂直ビデオ信
号フィルタ装置が設けられて、デジタルテレビジョン信
号がメモリに記憶される前に、該デジタルテレビジョン
信号を処理する。PIP画面は主画面よりも遥かに小さい
面積内に表示されるのだから、標本化（sampling）が必
要である。しかし、ナイキスト（Nyquist）周波数より
低いところでの標本化は低周波の鼓動（beats）を導入
する。それと共に、圧縮された信号は、もし前処理され
ないならば、ラインのちらつき及び折り返し歪み（エイ
リアシング−aliasing）を起こし易い。 英国特許出願明細書第GB−Ａ−1,326,386号には、低
域通過フィルタ機能を実行する垂直ビデオ信号フィルタ
装置が開示されている。しかしこの既知の垂直ビデオ信
号フィルタ装置で使われているコンポネントの数は極め
て莫大である。 〔発明が解決しようとする課題〕 本発明の目的は、信頼性のある低域通過濾波機能を最
小数のコンポネントで実行する垂直ビデオ信号フィルタ
装置を提供することである。 〔課題を解決するための手段〕 この目的を達成するために、本発明は特許請求の範囲
の独立項に記載の垂直ビデオ信号フィルタ装置を提供す
る。すなわち第８図及び第10図に示す実施例を参照して
記述すれば： 入力ビデオ信号を濾波するための垂直ビデオ信号フィ
ルタ装置であって、該装置は、１番目及び２番目の濾波
されたビデオ信号を供給するための１番目及び２番目の
再帰型フィルタ回路を有して成り、それらの濾波された
ビデオ信号とは、上記入力ビデオ信号の引き続くライン
期間から毎回複数のビデオ信号を組み合わせたものであ
り、上記垂直ビデオ信号フィルタ装置は、上記１番目の
濾波されたビデオ信号の１ラインを供給した後で、上記
２番目の濾波されたビデオ信号の１ラインを毎回一定数
のライン期間供給し、上記１番目の再帰型フィルタ回路
は、上記垂直ビデオ信号フィルタ装置の入力に結合して
いる第１入力を持つ加算器（62;74）と；第１切り換え
スイッチ（S2;76）と；上記第１加算器（62;74）の出力
に結合している入力及び上記第１加算器（62;74）の第
２入力の結合している出力を持つ第１ラインメモリ（5
6;75）と；を有し、上記２番目の再帰型フィルタ回路
は、上記垂直ビデオ信号フィルタ装置の上記入力に結合
している第１入力を持つ第２加算器（62;74）と；第２
切り換えスイッチ（S2;76）と；上記第２加算器（62;7
4）の出力に結合している入力及び上記第２加算器（62;
74）の第２入力に結合している出力を持つ第２ラインメ
モリ（58;75′）と；を有するところの垂直ビデオ信号
フィルタ装置が、 上記第１加算器及び上記第２加算器は１個の加算器
（62;74）により構成されており、それに対して、上記
第１ラインメモリ（56;75）及び上記第２ラインメモリ
（58;75′）は、２個の別々のラインメモリであること
を特徴とする。 また、有用な実施例が特許請求の範囲の従属項に規定
されており、そのうちの特許請求の範囲第２項、第３項
及び第５項の記載は第８図に示す実施例に係わるもので
あり、特許請求の範囲第４項及び第６項の記載は第10図
に示す実施例に係わるものである。 〔実施例〕 以下に、図面を参照して本発明を詳細に説明する。 第１図は、画中画（PIP−picture−picture）機能を
持つテレビジョン受信機の一部を示す図である。PIPテ
レビジョン受信機は、ディスプレイのほぼ全面積を充た
す主画面を表示することができ、またそれと同時に、主
画面よりかなり小さく、主画面の対応する部分をそれに
置き換えるところのPIP画面を表示することができる。P
IP画面は、主画面とは別のチャネルから導かれることも
あり、又は他の入力デバイス、例えばビデオテープレコ
ーダから導かれることもある。 このPIPテレビジョン受信機は、入力部10を持つ主信
号経路があり、該入力部10は主テレビジョン信号を受信
し、主画像を構成する輝度信号（Ym）及びクロミナンス
信号（Um,Vm）を供給する。このPIPテレビジョン受信機
は更に、入力部12を持つPIP信号経路を有し、該入力部1
2はPIPテレビジョン信号を受信し、PIP画像を構成する
輝度信号（Yp）及びクロミナンス信号（Up,Vp）を供給
する。次にこれらの信号Yp,Up,Vpは、別々にデジタル化
するために、それぞれがアナログ−デジタル変換器14の
３つのチャネルに与えられる。アナログ−デジタル変換
器14の出力は、別々の低域通過濾波するために、それぞ
れ垂直ビデオ信号フィルタ16の３つのチャネルに与えら
れる。 垂直ビデオ信号フィルタ16の出力はPIPプロセッサ18
に与えられ、該PIPプロセッサ18は、その中の走査ライ
ンを３つ置きにPIPメモリ20に与える。次いで該PIPメモ
リ20は主チャネルと同期を採って読み出され、その出力
をデジタル−アナログ変換器22に供給する。これらの低
域通過濾波され間引きされた（decimated）信号Yp,Up,V
pは、切り換えスイッチ24の第１組の入力に与えられ、
その第２組の入力には主信号経路の信号Ym,Um,Vmが与え
られる。該切り換えスイッチ24の出力はマトリクス回路
26に与えられて色信号R,G,Bを形成し、それが表示デバ
イス（これは図示されていない）に与えられる。 第２図は、１信号経路の垂直ビデオ信号フィルタの１
つのチャネル30を示す図である（第１図中の垂直ビデオ
信号フィルタ16は、第２図の垂直ビデオ信号フィルタの
チャネル30を３個並列に含んでいるものと理解される、
すなわち、信号Yp,Up,Vpの各々に対してそれぞれこのフ
ィルタ30が設けられているのである。以下にその機能を
更に詳細に説明する。）該チャネル30は乗算回路32を含
み、該乗算回路32には、多数の乗算因数ｈ（Ｋ）を順次
設定するための因数設定信号を受信するように適合させ
てある因数設定入力があり、上記乗算因数ｈ（Ｋ）に、
ビデオ信号Yp,Up,Vpのうちの１つの順次のライン期間か
らのビデオ信号を掛け算する。乗算回路32からの出力
は、加算器34の１番目の入力に与えられ、また切り換え
スイッチ36の１番目の入力にも与えられ、該切り換えス
イッチ36の２番目の入力には加算器34の出力が与えられ
る。切り換えスイッチ36の出力はラインメモリ38を経由
して加算器34の２番目の入力に与えられ、この加算器34
の出力は上記１信号経路の垂直ビデオ信号フィルタの出
力を形成するのである。 第3A図は、第２図に示した１信号経路の垂直ビデオ信
号フィルタへの入力ラインを示す。 第3B図は、それに対応する係数（乗算因数）ｈ（Ｋ）
を示す。 第3C図は、切り換えスイッチ36に対するタイミングを
示し、また第3D図は、有効な出力（Ｔ（true）すなわち
正か、又はＦ（False）すなわち誤か）が得られている
かどうかを示し、従ってPIPプロセッサにより選択され
ようとするラインのタイミングを示す。自明のことであ
るが、上記１信号経路の垂直ビデオ信号フィルタの長さ
は間引き因数（decimation factor）に等しい。 第４図は、１信号経路を含むもう１つ別の垂直ビデオ
信号フィルタの１つのチャネルを示し、これは、１番目
の乗算器41、２番目の乗算器42、及び１番目の切り換え
スイッチ43を持つ乗算回路を含む。ビデオ信号入力が上
記１番目の乗算器41と２番目の乗算器42とに同時に与え
られる。上記１番目の切り換えスイッチ43は１番目の乗
算器41の出力と２番目の乗算器42の出力とを交互に選択
して、それを加算器44の１番目の入力に与え、また該加
算器の２番目の入力には２番目の切り換えスイッチ46の
出力が与えられる。該加算器44の出力はラインメモリ45
の入力に与えられる。該ラインメモリ45の出力は、上記
２番目の切り換えスイッチ46の１番目の入力に与えら
れ、またその２番目の入力には“0"が与えられる。 第5A図は、第４図に示す垂直ビデオ信号フィルタの信
号経路の入力ラインを示す。第5B図は、上記１番目の切
り換えスイッチ43に対するタイミングを示し、また第5C
図は、上記２番目の切り換えスイッチ46に対するタイミ
ングを示す。第5D図は、有効な出力（Ｔ（true）か、又
はＦ（false）か）が得られているかどうかを示し、従
ってPIPプロセッサにより選択されようとするラインの
タイミングを示す。 第６図は、同時に両立することのない（non−coincid
ing）２つの信号経路を含む垂直ビデオ信号フィルタ30
の１つのチャネルを示す。該垂直ビデオ信号フィルタ30
のこのチャネルは、上述のすなわち第２図に示したとこ
ろの１信号経路の垂直ビデオ信号フィルタの上記１つの
チャネル30Aを含み、また、それとほぼ同一であって、
乗算回路32′並びにそれに対応する係数（乗算因数）ｈ
（Ｌ），加算器34′，切り換えスイッチ36′，及びライ
ンメモリ38′を含むところの１信号経路の垂直ビデオ信
号フィルタの２番目のチャネル30A′を含む。上記１信
号経路の垂直ビデオ信号フィルタのチャネル30Aを、以
後「垂直ビデオ信号フィルタ30の第１信号経路30A」と
呼ぶことにし、上記１信号経路の垂直ビデオ信号フィル
タのチャネル30A′を、以後「垂直ビデオ信号フィルタ3
0の第２信号経路30A′」と呼ぶことにする。この垂直ビ
デオ信号フィルタ30は更に、切り換えスイッチとして図
示されているマルチプレクサー40をも含み、該切り換え
スイッチ40は第１信号経路30Aの出力に接続する１番目
の入力、どこにも接続しない２番目の入力、及び第２信
号経路30A′に接続する３番目の入力を持ち、該マルチ
プレクサー40の出力がこの垂直ビデオ信号フィルタ30の
出力を形成する。 第7A図は、垂直ビデオ信号フィルタ30への入力ライン
を示す図であって、茲で数値Ｎは垂直ビデオ信号フィル
タの長さを表している。第7B図は、それに対応する係数
ｈ（Ｋ）及びｈ（Ｌ）を示す図である。第7C図及び第7D
図は、切り換えスイッチ36及び36′のタイミングを示す
図であって、入力ライン番号に関して云えばスイッチ36
はライン番号１のときに動作し、スイッチ36′はライン
番号Ｎ＋１のときに動作する、ということに留意された
い。最後に第7E図はマルチプレクサー40のタイミング及
びポジションを示す図である。該垂直ビデオ信号フィル
タ30の信号経路30A及び30A′の長さがそれぞれ2Nであ
り、間引き因数がＮであることは明らかであろう。 動作中には２つの信号経路30A及び30A′は一定の位相
差で多重化される、換言すれば、第２信号経路を経由し
て得られる濾波された信号は、第１信号経路を経由して
得られる濾波された信号の後で、毎回一定数のライン期
間に亙ってビデオ信号フィルタの出力から供給されるの
である。標本化された走査ラインｘ（ｎ）は各信号経路
に共通の入力をもつ。第１信号経路30Aでは、標本化さ
れた走査ラインｘ（１）に、ｈ（Ｎ）が乗算回路32内で
掛け算される。その積は、最初はポジションＡにある切
り換えスイッチ36を通って、ラインメモリ38の入力に至
る。第7C図に示すように、切り換えスイッチ36はそれに
続く走査ラインの間はポジションＢに変わる。2N個のラ
インの後では、ラインメモリ38は重み付けした和： ｈ（Ｎ）×ｘ（１）＋ｈ（Ｎ−１）×ｘ（２）＋…＋ｈ
（０）×ｘ（Ｎ＋１）＋ｈ（１）×ｘ（Ｎ＋２）＋…＋
ｈ（Ｎ−１）×ｘ（2N） を含むことになる。この過程が、ラインメモリ38内のデ
ータを初期化してライン2N＋１で繰り返され、またそれ
と同時に加算器34の出力における畳み込み和（convolut
ional sum）に同じ項ｈ（ｎ）×（2N＋１）を加算す
る。このようにして、2N個の走査ライン毎の第１信号経
路30Aの初期化の間に濾波された出力が周期的に生成さ
れる。また、第２信号経路30A′も第１信号経路30Aと同
じように動作するが、但し初期化及び同時に起きる出力
は精確にＮ入力ラインだけ遅延する。マルチプレクサー
40は、１つの出力ライン時間中Ｎライン毎に行ったり来
たりする２つの信号経路の出力を多重化する。この垂直
ビデオ信号フィルタ30は入力走査ラインを、長さ2N＋１
の線型位相フィルタを用いて濾波し、また出力を因数Ｎ
で間引きする。このようにして第２図及び第４図の１信
号経路の垂直ビデオ信号フィルタ中のＮラインのフィル
タ長さの限界が、垂直ビデオ信号フィルタ30中では同じ
間引き率Ｎに対して2N＋１に増加したのである。 第２図に示すような１信号経路の垂直ビデオ信号フィ
ルタ２個の代わりに、第４図に示すような１信号経路の
垂直ビデオ信号フィルタ２個を用いて、同時に両立する
ことのない２つの信号経路を含む垂直ビデオ信号フィル
タを得ることも同様に可能なことは明らかであろう。ま
た、第２図の乗算回路を第４図の乗算回路と取り替える
ことも可能である。 第８図は、本発明の垂直ビデオ信号フィルタ30の１番
目の実施例を示す。乗算回路50が、引き続くライン期間
から入力ビデオ信号を順次受け取る。切り換えスイッチ
52の出力が乗算回路50の因数設定入力に与えられ、ま
た、該切り換えスイッチ52の２つの入力Ａ及びＢには、
複数の第１乗算因数ｈ（Ｋ）を順次設定する信号及び複
数の第２乗算因数ｈ（Ｌ）を順次設定する信号が、それ
ぞれ与えられる。乗算回路50の出力が切り換えスイッチ
54の第１入力Ａに与えられ、該切り換えスイッチ54の出
力は第１ラインメモリ56と第２ラインメモリ58とに与え
られる。ラインメモリ56及びラインメモリ58の出力は、
切り換えスイッチ60の入力Ａ及びＢにそぞれ与えられ、
該切り換えスイッチ60の出力は加算器62の第２入力に与
えられ、該加算器62はその第１入力で乗算回路50の出力
を受け取る。切り換えスイッチ54の第２入力Ｂには加算
器62の出力が与えられる。 第9A図に示すように、１つのライン期間からの各ビデ
オ信号はＭ個の入力標本から成る。次いで各個別の入力
標本は２つの等しい期間に分割される。これらの半標本
期間が３つの切り換えスイッチ52,54,60の安定状態を規
定する。各切り換えスイッチは、１つの半標本期間の全
体に亙って、ポジションＡかポジションＢかのどちらか
にあるが、上記ライン期間からのビデオ信号内の任意の
標本の始め又は真ん中でポジションを切り換えてもよ
い。このことにより、１つの標本期間中の各標本上で２
つの別個の動作の実行されることが許容される。 切り換えスイッチ52及び60は、第9D図に示すように、
各標本期間の前半にはポジションＡに、また各標本期間
の後半にはポジションＢに在るように、その両者間を絶
えず行き来する。切り換えスイッチ52の出力は第9B図に
示す乗算因数ｈ（ｋ）及びｈ（Ｌ）を、各標本期間の前
半及び後半にそれぞれ乗算回路50に供給する。これが入
力ライン中の各標本に対して２つの乗算を生成し、一つ
の積は第１ラインメモリ56用であり、もう１つの積は第
２ラインメモリ58用である。切り換えスイッチ60も同様
に、各標本期間の前半には第１ラインメモリ56の出力を
加算器62の第２入力に供給し、各標本期間の後半には第
２ラインメモリ58の出力を加算器62の第２入力に供給す
る。加算器62の第１入力には乗算回路50の出力が与えら
れる。標本期間の前半には、加算器62の出力は、入力ラ
インの現在の標本にｈ（Ｋ）を掛け算したものプラス第
１ラインメモリ56の出力標本である。標本期間の後半に
は、加算器62の出力は、入力ラインの同じ標本にｈ
（Ｌ）を掛け算したものプラス第２ラインメモリ58の出
力標本である。 切り換えスイッチ54は、第9C図に示すように、半標本
期間に交互に、加算器の出力か又は増幅器50の出力か
を、ライン遅延回路56及び58の入力に供給する。切り換
えスイッチ54は、信号経路30A及び30A′の初期化及び起
こり得る有効な出力にそれぞれ対応する入力ライン“1"
の標本期間の前半及び入力ライン“Ｎ＋1"の標本期間の
後半に、ポジションＡに至る。上述の動作は2N個の走査
ライン毎に周期的に繰り返される。第9E図のＴで示すよ
うに、上記有効な出力の期間中に生成される濾波され間
引きされた出力走査ライン標本は、第６図の垂直ビデオ
信号フィルタ中で生成されるものと同一である。 第10図には、本発明の垂直ビデオ信号フィルタ30のも
う１つの代替実施例を示し、この実施例は第１乗算器7
1、第２乗算器72、及び第１切り換えスイッチ73を含む
乗算回路を持つ。ビデオ信号入力が、第１乗算器71と第
２乗算器72とに同時に与えられる。複数の第１乗算因数
ｈ（Ｋ）を順次設定する信号が第１乗算器71の因数設定
入力に与えられる。また、複数の第２乗算因数ｈ（Ｌ）
を順次設定する信号が第２乗算器72の因数設定入力に与
えられる。第１切り換えスイッチ73は、第１乗算器71の
出力と第２乗算器72の出力とを交互に選択して、加算機
74の第１入力に与え、該加算機74の第２入力には第２切
り換えスイッチ76の出力が与えられる。加算機74の出力
は第１ラインメモリ75の入力及び第２ラインメモリ75′
の入力に与えられる。第１ラインメモリ75の出力が第２
切り換えスイッチ76の第１入力Ｂに与えられ、該第２切
り換えスイッチ76の第２入力ラインメモリ75′の出力が
与えられ、また該第２切り換えスイッチ76の第３入力Ａ
には“0"が与えられる。 第11A図は、第9A図におけると同じような入力ライン
を示す。第11B図は、第9B図における同じような乗算因
数ｈ（Ｋ）及びｈ（Ｌ）を示す。第11C図に示すよう
に、ライン１の間にあっては、第２切り換えスイッチ76
は、各標本期間の前半にはポジションＡに、また各標本
期間の後半にはポジションＢ′に在るように、この両者
間を行き来する。 ライン２からラインＮまで、及びラインＮ＋２からラ
イン2Nまでの間にあっては、第２切り換えスイッチ76
は、各標本期間の前半にはポジションＢに、また各標本
期間の後半にはポジションＢ′に在るように、この両者
間を行き来する。また、ラインＮ＋１の間にあっては、
この第２切り換えスイッチ76は、各標本期間の前半には
ポジションＢに、また各標本期間の後半にはポジション
Ａに在るように、この両者間を行き来する。第１切り換
えスイッチ73は、第11D図に示すように、各標本期間の
前半にはポジションＡに、また各標本期間の後半にはポ
ジションＢに在るように、この両者間を絶えず行き来す
る。第11E図は、Ｔ（true）か、又はＦ（false）かとい
う有効な出力が得られているかどうかを示している。 本発明のこれまでに述べた実施例は、フレーム当たり
のライン数が３で割り切れる数を持つテレビジョン標
準、例えばライン数が525本とか1125本のテレビジョン
標準と組み合わせるのに有利である。それに対し、以下
に述べるような別の実施例が、３で割り切れないライン
数を持つテレビジョン標準、例えばライン数が625本と
か1250本のテレビジョン標準と組み合わせるのに有利で
ある。これらの実施例は、上に述べた実施例と類似であ
るが、その外に更に、偶数フィールドから奇数フィール
ドへ、又は奇数フィールドから偶数フィールドへの遷移
をそれぞれ検出するための偶数フィールド−奇数フィー
ルド遷移検出器を持つ。偶数フィールドとは、垂直同期
パルスと水平同期パルスとが一致しているフィールド
と、茲では定義され、また奇数フィールドとは、垂直同
期パルスが２つの水平同期パルスの間に在るフィールド
と定義されている。 ２番目の画像が奇数フィールドから偶数フィールドへ
遷移した後では、偶数フィールド−奇数フィールド遷移
検出器の出力は、垂直ビデオ信号フィルタを復帰させ、
その後はこの実施例も上述の実施例と全く同じ動作をす
る。 偶数フィールドから奇数フィールドへの遷移がなされ
た後では、偶数フィールド−奇数フィールド遷移検出器
の出力は、奇数フィールドの第１の全ラインの後で垂直
ビデオ信号フィルタを復帰させ、この実施例では、奇数
フィールドの第２の全ラインからは上述の実施例と全く
同じ動作をする。例えば、切り換えスイッチ36,36′,4
6、54,及び75をＡポジションにセットすることにより、
復帰動作を実行することができる。 当業者はすぐ気付くことであろうが、以上の対策を行
わないと偶数及び奇数フィールドの相互ポジションは絶
えず変わることになるから、この過程は必要なものであ
る。

【図面の簡単な説明】 第１図は、PIPテレビジョン受信機の一部分の概略ブロ
ック図であり、 第２図は、PIPテレビジョン受信機内で用いられる信号
経路を唯１つだけ含む垂直ビデオ信号フィルタの概略ブ
ロック図であり、 第3A図ないし第3D図は、第２図に示す垂直ビデオ信号フ
ィルタの信号及び時間ダイヤグラムを示す図であり、 第４図は、PIPテレビジョン受信機内で用いられる信号
経路を唯１つだけ含むもう１つ別の垂直ビデオ信号フィ
ルタの概略ブロック図であり、 第5A図ないし第5D図は、第４図に示す垂直ビデオ信号フ
ィルタの信号及び時間ダイヤグラムを示す図であり、 第６図は、２つの同時に両立することのない信号経路を
含む垂直ビデオ信号フィルタの概略ブロック図であり、 第7A図ないし第7E図は、第６図に示す垂直ビデオ信号フ
ィルタの信号及び時間ダイヤグラムを示す図であり、 第８図は、本発明による垂直ビデオ信号フィルタの一実
施例の概略ブロック図であり、 第9A図ないし第9E図は、第８図に示す垂直ビデオ信号フ
ィルタの動作を説明するタイミングのダイヤグラムを示
す図であり、 第10図は、本発明による垂直ビデオ信号フィルタのもう
１つの実施例の概略ブロック図であり、 第11A図ないし第11E図は、第10図に示す垂直ビデオ信号
フィルタの動作を説明するタイミングのダイヤグラムを
示す図である。 〔符号の説明〕 30,30A,30A′…垂直ビデオ信号フィルタ（の１つのチャ
ネル） 32,32′,41,42,50…乗算回路 34,34′,44,62,74…加算器 36,36′,43,46,52,54,60,76;S1,S2,S3…切り換えスイッ
チ 38,38′,45,56,58,75…ラインメモリ 40…マルチプレクサー（切り換えスイッチ） A,B,B′,C…切り換えスイッチのポジション

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．入力ビデオ信号を濾波するための垂直ビデオ信号フ
   ィルタ装置であって、該装置は、１番目及び２番目の濾
   波されたビデオ信号を供給するための１番目及び２番目
   の再帰型フィルタ回路を有して成り、それらの濾波され
   たビデオ信号とは、上記入力ビデオ信号の引き続くライ
   ン期間から毎回複数のビデオ信号を組み合わせたもので
   あり、 上記垂直ビデオ信号フィルタ装置は、上記１番目の濾波
   されたビデオ信号の１ラインを供給した後で、上記２番
   目の濾波されたビデオ信号の１ラインを毎回一定数のラ
   イン期間供給し、 上記１番目の再帰型フィルタ回路は、上記垂直ビデオ信
   号フィルタ装置の入力に結合している第１入力を持つ第
   １加算器（62;74）と；第１切り換えスイッチ（S2;76）
   と；上記第１加算器（62;74）の出力に結合している入
   力及び上記第１加算器（62;74）の第２入力に結合して
   いる出力を持つ第１ラインメモリ（56;75）と；を有
   し、 上記２番目の再帰型フィルタ回路は、上記垂直ビデオ信
   号フィルタ装置の上記入力に結合している第１入力を持
   つ第２加算器（62;74）と；第２切り換えスイッチ（S2;
   76）と；上記第２加算器（62;74）の出力に結合してい
   る入力及び上記第２加算器（62;74）の第２入力に結合
   している出力を持つ第２ラインメモリ（58;75′）と；
   を有するところの垂直ビデオ信号フィルタ装置におい
   て、 上記第１加算器及び上記第２加算器は１個の加算器（6
   2;74）により構成されており、それに対して、上記第１
   ラインメモリ（56;75）及び上記第２ラインメモリ（58;
   75′）は、２個の別々のラインメモリであることを特徴
   とする垂直ビデオ信号フィルタ装置。 ２．特許請求の範囲第１項に記載の垂直ビデオ信号フィ
   ルタ装置において、 上記切り換えスイッチ（S2）の第１入力は、上記垂直ビ
   デオ信号フィルタ装置の上記入力に結合し、上記切り換
   えスイッチ（S2）の第２入力は、上記加算器（62）の上
   記出力に結合し、また、上記切り換えスイッチ（S2）の
   出力は、上記ラインメモリの上記入力に結合しているこ
   とを特徴とする垂直ビデオ信号フィルタ装置。 ３．特許請求の範囲第２項に記載の垂直ビデオ信号フィ
   ルタ装置において、 もう１つ別の切り換えスイッチ（60）の第１入力が、上
   記第１ラインメモリ（56）の上記出力に結合し、上記も
   う１つ別の切り換えスイッチ（60）の第２入力が、上記
   第２ラインメモリ（58）の上記出力に結合し、また、上
   記もう１つ別の切り換えスイッチ（60）の出力が、上記
   加算器（62）の上記第２入力に結合していることを特徴
   とする垂直ビデオ信号フィルタ装置。 ４．特許請求の範囲第１項に記載の垂直ビデオ信号フィ
   ルタ装置において、 上記第１切り換えスイッチ及び上記第２切り換えスイッ
   チは１個の切り換えスイッチ（76）により構成され、該
   切り換えスイッチ（76）の第１入力（Ｂ）が上記第１ラ
   インメモリ（56）の上記出力に結合し、上記切り換えス
   イッチ（76）の第２入力（Ｂ′）が上記第２ラインメモ
   リ（58）の上記出力に結合し、上記切り換えスイッチ
   （76）の出力が上記加算器（74）の上記第２入力に結合
   していることを特徴とする垂直ビデオ信号フィルタ装
   置。 ５．特許請求の範囲第１項に記載の垂直ビデオ信号フィ
   ルタ装置において、 上記加算器（62）の上記第１入力は、因数設定入力を持
   つ乗算回路（50）を通して上記垂直ビデオ信号フィルタ
   装置の上記入力に結合しており、 上記複数のビデオ信号を組み合わせたものとは加重平均
   であり、 上記因数設定入力はもう１つ別の切り換えスイッチ（S
   1）の出力に結合し、該もう１つ別の切り換えスイッチ
   （S1）は、複数の第１重み付け因数（ｈ（Ｋ））を受け
   取る第１入力と複数の第２重み付け因数（ｈ（Ｌ））を
   受け取る第２入力とを持つことを特徴とする垂直ビデオ
   信号フィルタ装置。 ６．特許請求の範囲第１項に記載の垂直ビデオ信号フィ
   ルタ装置において、 上記複数のビデオ信号を組み合わせたものとは加重平均
   であり、 上記加算器（62）の上記第１入力は、乗算装置（71,72,
   73）を通して上記垂直ビデオ信号フィルタ装置の上記入
   力に結合しており、該乗算装置（71,72,73）は第１乗算
   回路（71），第２乗算回路（72），及び更にもう１つの
   切り換えスイッチ（73）を含み、 各乗算回路（71,72）は、上記垂直ビデオ信号フィルタ
   装置の上記入力に結合している入力と、複数の第１重み
   付け因数（ｈ（Ｋ））又は複数の第２重み付け因数（ｈ
   （Ｌ））を受け取る因数設定入力とを持ち、 上記更にもう１つの切り換えスイッチ（73）は、上記第
   １乗算回路（71）の出力に結合する第１入力と、上記第
   ２乗算回路（72）の出力に結合する第２入力と、上記加
   算器の上記第１入力に結合する出力とを持つことを特徴
   とする垂直ビデオ信号フィルタ装置。 ７．特許請求の範囲第１項に記載の垂直ビデオ信号フィ
   ルタ装置において、 偶数フィールドから奇数フィールドへ、又は奇数フィー
   ルドから偶数フィールドへの遷移をそれぞれ検出するた
   めの偶数フィールド−奇数フィールド遷移検出器を更に
   含んで成り、それにより、各フィールドの開始に当たっ
   て、上記垂直ビデオ信号フィルタ装置を、当該フィール
   ドに対応する正しい初期状態に戻すことを特徴とする垂
   直ビデオ信号フィルタ装置。