JP2661702B2

JP2661702B2 - デイスクブレーキ装置のデイスクロータ構造

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Publication number: JP2661702B2
Application number: JP63114976A
Authority: JP
Inventors: アランルイガシア
Original assignee: KARUBOONU IND SA
Current assignee: KARUBOONU IND SA
Priority date: 1987-05-13
Filing date: 1988-05-13
Publication date: 1997-10-08
Anticipated expiration: 2012-10-08
Also published as: JPS646534A; ES2028345T3; EP0291429A3; FR2615259A1; DE3866946D1; EP0291429B1; EP0291429A2; US5005676A; FR2615259B1

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は地上走行用の車両に備えられる回転手段の制
動並びに停止手段としてのデイスクブレーキ装置の内、
単数もしくは複数枚の、例えば炭素含有材料（カーボン
−カーボン）製のデイスクロータを備えるデイスクブレ
ーキ装置のデイスクロータ構造に関する。

［従来の技術］最近の高性能のデイスクブレーキ装置には、炭素含有
材料（カーボン−カーボン）形式が通常採用され、少な
くとも１枚以上のデイスクロータが回転軸体に対して設
けられており、このデイスクロータの回転を制御、停止
するためのステータもしくは摩擦体がデイスクロータの
側面に対する圧接動作により制動するように構成されて
いる。

このように構成されるデイスクブレーキ装置におい
て、摩擦体により制動動作がなされるデイスクロータの
摩擦フランジ部材が炭素含有材料で形成される場合に、
制動トルクによつては高温時にも正常な制動、停止機能
を確保するために、通常は通気による冷却機能を有する
ウエブに対して、上記の摩擦フランジ部材が取り付けら
れることになる。

したがって、摩擦フランジ部材は一般に非常に薄く形
成されるとともに、ウエブは空気の流路をラジアル方向
に備える構成が一般的である。

つまり、このように空気の流路を確保することによつ
て、遠心力による作用で制動動作に伴う発熱に対処でき
る熱交換作用が働いて、正常な制動並びに停止動作を確
保できるようになつている。

一方、このように形成されるデイスクロータは制動ト
ルクに十分に耐えうるだけの強度並びに厚さが要求され
る結果、通気機能を有するウエブと摩擦フランジ部材と
で構成される全体の厚みはかなり大きくなつていた。

［発明が解決しようとする課題］上述の理由により、このような従来のデイスクロータ
を備えるデイスクブレーキ装置は製造が高価であるばか
りか、使用にあたつては、摩擦フランジ部材が摩耗した
場合に、制動トルクの確保ができなくなると、通気性能
を有するウエブと摩擦フランジ部材とは一体的に構成さ
れている関係から、同時に交換されることになり、使用
者にはかなりの金額的な負担となる問題点があつた。

これらの理由から、この種のデイスクブレーキ装置の
利用は、種々の優れたブレーキ特性にもかかわらず、一
部の限定された使用しかできないという問題点があつ
た。

したがつて本発明になるデイスクブレーキ装置のデイ
スクロータ構造は、上述の問題点に鑑みなされたもので
あり、その目的とするところは、ブレーキ特性に優れる
炭素含有材料（カーボン−カーボン）等を含む素材から
構成される摩擦板を使用することが出来、製造コストが
安価で、かつ製造が容易で、しかも制動動作を確保する
ための熱交換機能を充分に保証することができ、特に、
摩擦板に炭素含有材料を使用する場合に、製造コストを
低くできるとともに、維持費を低減することのできるデ
イスクブレーキ装置のデイスクロータ構造を提供するこ
とにある。

［課題を解決するための手段］上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明
のデイスクブレーキ装置のデイスクロータ構造は以下の
構成を備える。即ち、デイスクブレーキ装置のデイスク
ロータ構造において、回転軸体（１）と、前記回転軸体
（１）に対して固定されるとともに、少なくとも１つの
凹部（10）を外周面上においてラジアル方向に突出し、
開口部を備えた駆動ドラム体（３）と、少なくとも一端
が外周側に開口するとともに他端が前記回転軸体側に開
口する流路（13）を構成する複数のスペーサ部と、前記
凸部（10）に対して係合する少なくとも１つの凹部（1
2）とを備えてなり、前記駆動ドラム（３）の回転軸心
に対して略平行に移動可能にされ、かつ駆動ドラム
（３）とともに回転駆動される中央ハブ体（11）と、前
記中央ハブ体（11）の左右側面に夫々位置するように分
離構成されるとともに、前記凸部（10）に対して係合す
る凹部（15）を形成し、前記駆動ドラム（３）の回転軸
心に対して略平行に移動可能にされ、かつ駆動ドラム
（３）とともに回転駆動される略円環状の摩擦体（14）
を具備し、前記各摩擦体（14）の一部が前記スペーサ部
に対して直に当接して流路（13）を構成することを特徴
としている。

［作用］上記のように構成されたデイスクブレーキ装置におい
て、例えば炭素含有材料で形成された摩擦板に対して摩
擦手段が作用して、デイスクロータを制動、停止するよ
うに働く。また、回転軸体が回転されると、中央ウエブ
に形成された空気の流路を通過して、空気流が発生し
て、制動動作に伴う摩擦板の温度上昇を抑制するように
働く。

そして、デイスクブレーキ装置の所定期間使用後に、
摩擦板が所定量以上摩耗した後には、摩擦板を、中央ハ
ブから取り外し、新品もしくは摩耗していない摩擦板に
交換する。

［実施例］以下に、実施例について図面を参照に説明する。第１
図は本発明になるデイスクブレーキ装置のデイスクロー
タ構造の実施例の要部断面図、第２図は第１図のII−II
断面矢視図である。

第１図、第２図の両図において、回転自在にされる回
転軸体１に対して、制御動作を行なう摩擦手段４を支持
するキヤリア２が、例えばブレーキ装置の取付られる車
両に対して固定状態にされて設けられている。ここで、
この回転軸体１は種々の回転手段に対して適用可能であ
るが、例えば車両用の車輪に対して使用することが出来
る。

ここで、上記の構成のみならず、キヤリア２を回転側
にして、回転軸体１を固定側にする構成も可能である。

また、第１図においては駆動ドラムであるデイスクロ
ータ３が１枚のみ設けられる構成例を示しているが、こ
のデイスクロータ３を複数枚設けるデイスクブレーキ装
置にも適用可能である。

このデイスクロータ３に対しては少なくとも１台の摩
擦手段４が設けられるが、例えば不図示のステータがこ
のデイスクロータ３に対して制動、停止動作を行なうよ
うに構成してもよい。

また、図示のように摩擦手段４はキヤリア２に対して
固定されるＵ型の本体内に摺動可能にされた１対の摩擦
板５により、デイスクロータ３を挾持して制動、停止動
作を行なう周知の構成とされている。

一方、デイスクロータ３の構成について説明すると、
上記の回転軸体１に対して一体的に設けられたフランジ
８の外周縁部近くに穿設された複数の取付穴に対して、
複数のボルト７で固定されるウエブ６が固着される。こ
のウエブ本体６には円筒形状の外周面部９が形成されて
いるが、この外周面部９上には外側に向かつて凸設され
る複数の凸部10が当間隔に形成される。この凸部10で、
後述するウエブと摩擦板とで構成される部材がウエブ本
体６に対して回転方向には不動状態にされる係合状態で
設けられる事になる。

次に、第１図、第３図の両図を参照して、中央ウエブ
のウエブ11は制動トルクに十分に耐えうる機械的強度を
有する材料が選択されて、図示のような形状にされる
が、上記の回転軸体１を形成する材料も十分な熱交換特
性を有することが要求される。

例えば、回転軸体１は鋳鉄、チタン、アルミニウムも
しくは摩擦力に優れる合成材料である炭素含有材料（カ
ーボン−カーボン）等が材料として選択される。一方、
ウエブ11の内周面には、上記ウエブ本体６の凸部10と着
脱自在に係合することができる複数個の凹部12が図示の
ように形成されている。このウエブ11は選択材料に対し
て最適な製造方法で製作されるが、空気の流路13をその
厚さ方向に形成できるとともに、流路13の両端が図示の
ように、開口部分を形成する製造方法が選ばれる。

この流路13は等角度で夫々が形成されるとともに、第
３図に図示のようにラジアル方向にも当間隔にされて設
けられる。この流路13は機械加工の他、引き抜き加工、
打ち抜き加工、鋳造等の種々の製造方法で製作可能であ
る。

さらに、デイスクロータ３を構成するための、構成部
材としては、２枚の摩擦板である摩擦フランジ部材14が
ある。これらの摩擦フランジ部材14の使用材料として
は、炭素含有材料他の摩擦材料が使用される。この摩擦
フランジ部材14は高密度の固定であるとともに均一の厚
さを有していることが必要とされる。次に、第２図は第
１図のII−II断面矢視図であり、摩擦フランジ部材14の
様子を図示しているが、第２図において、摩擦フランジ
部材14の表面は機械加工等により平滑にされる一方で、
上記の凸部10に対して着脱可能にされる取り付け凹部15
を内周部分に形成するようにして製造される。

再度、第１図、第３図において、このようにして製造
された摩擦フランジ部材14は、上記の凸部10をウエブ11
との共通の係合部材として、ウエブ11の両側面に設けら
れるが、このように設けることで流路13の片方の壁面が
形成される結果、流路13は通気機能を行なうようにな
る。以上の構成により、摩擦フランジ部材14の摩擦面が
上記の摩擦制動板５により挾持状態にされて制動、停止
動作を行なうことになる。

さらに、ウエブ本体６の外周面部９上には上記流路13
の幾つかに対応する位置に、開口孔16を穿設してもよ
い。このように構成することで、デイスクロータ３が回
転する際には、遠心力の作用で全ての流路13から空気が
外方に向かつて流れる一方、開口孔16からも空気が外方
に向かつて流れる結果、制動、停止時に発生する熱量は
この空気流により、ウエブ11を介して摩擦フランジ部材
14に作用して発熱されたカロリーを奪うことになる。

また、ウエブ11は上記の摩擦制動板５が制動作用を行
なう際に加わる圧縮力に耐えうる機械的強度を有してい
ることが要求されるとともに、ウエブ11には上述した熱
交換特性に優れていることが要求されており、制動トル
クとこれらの特性を考慮の上でウエブ11の設計がなされ
る。

上述したように、本発明になるデイスクブレーキ装置
を構成する基本要素としては、回転軸と、回転軸に対し
て制動動作を行なう摩擦手段と、デイスクロータとの３
基本要素を備えているが、これらの基本要素は、使用条
件次第で夫々の熱膨張量が異なつてくるので、この熱膨
張量に対応可能なようにデイスクブレーキ装置が構成さ
れることになる。

ここで、上述した利点に加えて、任意に交換される摩
擦フランジ部材14に対して、ウエブ11が繰り返し使用可
能である点は注目に値するところである。

つまり、従来のデイスクロータのようにウエブの両側
面に対して２枚の摩擦フランジ部材が一体的に構成され
るデイスクロータに比較した場合において、任意に交換
されるのは摩擦フランジ部材14のみならず、ウエブ11も
含まれており、製造並びに維持のコストは大幅に削減さ
れるからである。

一方、ブレーキ特性に優れる摩擦フランジ部材を使用
して、しかも冷却特性に特に優れるウエブ構造を使用可
能にする点に、本発明の更なる目的がある。

すなわち、第３図においては、流路13はラジアル方向
に配設されている例が図示されていたが、流路13をデイ
スクロータ３の回転方向に対して傾斜させる構成も可能
である。このように構成することで、より高能率な熱交
換作用が可能となる。

また、流路13の幾つかに対応する位置に、開口孔16を
穿設することは既に述べたが、第３図において、流路13
の内周縁部分の近傍にはスキマ部17が形成されており、
デイスクロータ３の回転時に、開口孔16を通過した空気
流の一部がこのスキマ部17を通加して、外方に流れるよ
うにしている。

第４図は本発明の別の実施例を図示した、デイスクロ
ータ構造の要部を図示した斜視図である。第４図におい
て、ウエブの外周面部19上にはブレード18がラジアル方
向もしくは非ラジアル方向に等間隔に設けられている。
また、ブレードは図示のように斜めに延設されている。

これらのブレード18の両側面に対して、上記の摩擦フ
ランジ部材14を設けることにより、流路13が形成される
ことになる。

このような場合においては、ウエブ110は、切り欠き
部20と凹部120とを備えるようにして形成して、ブレー
ド18の間から空気流が流れるようにされる。

なお、上述した構成のみに限定されることなく、他に
も種々の構成が本発明の範囲から、種々構成可能であ
る。

［発明の効果］本発明は、以上説明したように構成されているので、
ブレーキ特性に優れる炭素含有材料（カーボン−カーボ
ン）等を含む素材から構成される摩擦板を使用すること
が出来、製造コストが安価で、かつ製造が容易で、しか
も制動動作を確保するための熱交換機能が充分に保証で
き、特に、摩擦板に炭素含有材料を使用する場合に、製
造コストを低くできるとともに、維持費を低減すること
のできるデイスクブレーキ装置のデイスクロータ構造を
提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明になるデイスクブレーキ装置のデイスク
ロータ構造の実施例の要部断面図、第２図は第１図のII−II断面矢視図、第３図は本発明になるデイスクブレーキ装置のデイスク
ロータ構造の要部を図示した斜視図、第４図は本発明になるデイスクブレーキ装置のデイスク
ロータ構造の別の実施例を図示した、デイスクロータ構
造の要部図示の斜視図である。図中、１……回転軸体、２……キヤリア、３……デイス
クロータ（駆動ドラム）、４……摩擦手段、５……摩擦
制動板、６、60……ウエブ本体、７……ボルト、８……
フランジ、９、19……外周面部、10……凸部、11……ウ
エブ、12、120……凹部、13……流路、14……摩擦フラ
ンジ部材（摩擦板）、15……取り付け凹部、16……開口
孔、17……スキマ部、18……ブレード、20……切り欠き
部である。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】デイスクブレーキ装置のデイスクロータ構
造において、回転軸体（１）と、前記回転軸体（１）に対して固定されるとともに、少な
くとも１つの凸部（10）を外周面上においてラジアル方
向に突出し、開口部（16）を備える駆動ドラム体（３）
と、少なくとも一端が外周側に開口するとともに他端が前記
開口部に連通する流路（13）を構成する複数のスペーサ
部と、前記凸部（10）に対して係合する少なくとも１つ
の凹部（12）とを備え、前記駆動ドラム（３）の回転軸
心に対して略平行に移動可能にされ、かつ前記駆動ドラ
ム（３）とともに回転駆動される中央ハブ体（11）と、前記中央ハブ体（11）の左右側面に夫々位置するように
分離構成されるとともに、前記凸部（10）に対して係合
する凹部（15）を形成し、前記駆動ドラム（３）の回転
軸心に対して略平行に移動可能にされ、かつ駆動ドラム
（３）とともに回転駆動される略円環状の摩擦体（14）
を具備し、前記各摩擦体（14）の一部が前記スペーサ部に対して直
に当接して前記流路（13）を構成することを特徴とする
デイスクブレーキ装置のデイスクロータ構造。
【請求項２】前記流路（13）は、前記中央ハブ体（11）
の左右側面において交互に開口するように形成されるこ
とを特徴とする請求項第１項に記載のデイスクブレーキ
装置のデイスクロータ構造。
【請求項３】前記流路（13）は、中央ハブ体から形成さ
れるブレード（18）の間と前記摩擦板（14）の対向面と
の間に形成されることを特徴とする請求項第１項に記載
のデイスクブレーキ装置のデイスクロータ構造。
【請求項４】前記中央ハブ体（11）は概ラジアル方向に
配設される流路（13）を設けることを特徴とする請求項
第１項に記載のデイスクブレーキ装置のデイスクロータ
構造。
【請求項５】前記中央ハブ体（11）は前記駆動ドラムの
回転方向に傾斜する前記流路（13）を設けることを特徴
とする請求項第１項に記載のデイスクブレーキ装置のデ
イスクロータ構造。
【請求項６】前記駆動ドラム（３）を前記回転軸体に固
定されたハブ（８）に着脱可能に固定する手段（７）を
さらに備えることを特徴とする請求項第１項に記載のデ
イスクブレーキ装置のデイスクロータ構造。