JP2660837B2 - 過酸化活性物質検出用の試験片 - Google Patents
過酸化活性物質検出用の試験片Info
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は体液や***物等の試料中の過酸化活性物質を
検出するための試験片に関するものである。 〔従来の技術〕 体液や***物、例えば、尿，吐物，胃腸内容物，糞便
等に含まれている過酸化活性物質、特に血液の検出は、
例えば、腎炎，腫瘍，出血性素因，膀胱炎等の疾病を早
急に発見する方法の１つとして使用されているが、通
常、前述疾病に起因する試料中の血液の含有量は極めて
少なく、肉眼での鑑別が殆んど困難である。 このため、試料中の血液の検出には、試料を顕微鏡観
察する方法が採られてきたが、この方法は再現性に乏し
いばかりでなく、操作が複雑であることから、多数の検
体を迅速に処理することができないという欠点を有して
いる。 前記顕微鏡観察による方法の欠点を解消する方法とし
て、有機ヒドロペルオキシドと酸化呈色指示薬とが担持
されている担体からなる試験片を使用する方法、すなわ
ち、体液や***物等の試料中に含有されている過酸化活
性物質のペルオキシダーゼ様活性によってヒドロペルオ
キシドを分解し、その結果発生する酸素が前記試験片中
の酸化呈色指示薬を呈色させる原理を使用する方法が採
られている。 然して、前記過酸化活性物質検出用の試験片において
は、該試験片の感度を高めたり、その安定化を意図した
り等の諸種の試験片が提案されている。例えば試験片中
に存在している有機ヒドロペルオキシドと酸化呈色指示
薬との間に介入する物質を安定剤として添加するものと
して、特開昭49−54093号公報にはリン酸アミドを、ま
た特開昭53−115288号公報にはトリエタノールアミンボ
レート等のホウ酸エステルを介入させ、有機ヒドロペル
オキシドと酸化呈色指示薬との間の安定性の向上を計る
ことが記載されている。更には、特開昭56−147066号公
報には、 等の安定剤を添加することによって過酸化活性物質の不
在下において有機ヒドロペルオキシドと酸化呈色指示薬
とが反応してしまうのを防ぎ、経時安定性の向上を計る
ことが、また試験片中に存在する有機ヒドロペルオキシ
ドと酸化呈色指示薬とを完全に隔離させることによっ
て、有機ヒドロペルオキシドと酸化呈色指示薬との間の
安定性の向上を計る方法として、例えば特開昭39−1474
7号公報にはマイクロカプセル化を利用する方法が、ま
た特開昭51−65694号公報にはフィルム形成性重合体を
利用する方法がそれぞれ開示されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 ところで、前記従来の過酸化活性物質検出用の試験片
においては、該試験片中に存在している有機ヒドロペル
オキシドと酸化呈色指示薬との間に発生する酸化還元反
応による安定性の低下は効果的に阻止されているもの
の、大気中の酸化物質（光特に紫外線）の作用による変
色や感度の低下までをも阻止し得るものではなく、これ
が品質のばらつきの要因となっているばかりでなく、長
期保存性能にも欠ける等の欠点を有している。 これに対して本発明の過酸化活性物質検出用の試験片
は、大気中の酸化物質（光特に紫外線）の作用による変
色，感度低下が無く、安定した品質で、しかも長期保存
性能に優れた作用を奏するものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の過酸化活性物質検出用の試験片は、担体に、
少なくとも、有機ヒドロペルオキシド，酸化呈色指示
薬、及び紫外線吸収剤が担持されているものであり、前
記有機ヒドロペルオキシド，酸化呈色指示薬、及び紫外
線吸収剤のほかに、この種の試験片における一般的な担
持物質、例えば、緩衝剤，湿潤剤，増感剤等が所望に応
じて担持されているものである。 前記構成からなる本発明の過酸化活性物質検出用の試
験片は、一般的には、濾紙，綿，不織布，ガラス繊維等
の吸収性担体に、前記有機ヒドロペルオキシド，酸化呈
色指示薬，及び紫外線吸収剤、更にはその他の物質を担
持させ、これを、例えば、ポリエチレン，ポリプロピレ
ン，ポリスチレン等のプラスチック片からなる基体に貼
着した構成からなるものが最も一般的な形態である。 吸収性担体に担持される有機ヒドロペルオキシドは液
状でも固体状でも良いが、一般にヒドロペルオキシドは
光や熱に対して不安定であるため、より安定な有機ヒド
ロペルオキシドを選択することが好ましく、例えば、ｔ
−ブチルヒドロペルオキシド，パラメタンヒドロペルオ
キシド，クメンヒドロペルオキシド,2,5−ジメチルヘキ
サン−2,5−ジヒドロペルオキシド等の１種または２種
以上の混合物が使用される。 酸化呈色指示薬は、酸化作用を受けて発色するもので
あれば良く、例えば、オルトトリジン、3,3′,5,5′−
テトラメチルベンチジン、ベンチジン、パラジアニシジ
ン、オルトジアニシジン、2,7−ジアミノフルオレン等
が使用される。 更に、紫外線吸収剤として使用される主なものには、 サリチル酸系紫外線吸収剤 フェニルサリシレート、 Ｐ−tert−ブチルフェニルサリシレート、 Ｐ−オクチルフェニルサリシレート、 ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、 ヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノン、 ２−ヒドロキシ−４−オクトキシベンゾフェノン、 2,2′−ジヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノン、 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 ２−（２′−ヒドロキシ−５′−メチルフェニル）ベン
ゾトリアゾール、 ２−（２′−ヒドロキシ−５′−tert−ブチルフェニ
ル）ベンゾトリアゾール、 ２−（２′−ヒドロキシ−３′,5′−ジ−tert−ブチル
フェニル）ベンゾトリアゾール、 ２−（２′−ヒドロキシ−３′−tert−ブチル−５′−
メチルフェニル）−５−クロロベンゾトリアゾール、 シアノアクリレート系紫外線吸収剤 ２−エチルヘキシル−２−シアノ−3,3′−ジフェニル
アクリレート、 エチル−２−シアノ−3,3′−フェニルアクリレート、 等が存する。 尚、担持物質を吸収性担体に担持させる際に利用され
る含浸液の調製は、有機ヒドロペルオキシド１〜５重量
％、酸化呈色指示薬0.1〜1.0重量％、紫外線吸収剤0.1
〜0.5重量％程度の濃度に調製されるものである。 更に、本発明の過酸化活性物質検出用の試験片に所望
に応じて担持されている一般的な担持物質たる緩衝剤
は、本発明の試験片による過酸化物質の検出作用を鋭敏
に行ない得るようにするためのものであり、担持物質を
含有している含浸液のpHが４〜７、特に５〜６に保持さ
れ得るように、クエン酸塩，燐酸塩，コハク酸塩，フタ
ル酸塩等の緩衝液が使用される。 また、湿潤剤は、例えば、試験片中に検体を浸透させ
易くしたり、酸化呈色指示薬が酸化されて生じたラジカ
ルカチオンを安定化させたりするためのもので、これら
の両作用を兼備する湿潤剤としては、例えば、ラウリル
硫酸ナトリウム，ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム，ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の陰イオン
性界面活性剤が使用される。 更に、増感剤は、体液及び***物中の過酸化活性物質
特に血液の検出が、臨床医学上、100万倍希釈の血液で
も検出し得ることが要求されることの関係から使用され
るもので、例えば、キノリン誘導体，ベンゾキノリン誘
導体，ピリジン誘導体,2−アミノベンゾチアゾール誘導
体等が、含浸液中にて0.05〜1.0重量％で使用される。 吸収性担体に担持物質を担持させる最も一般的な方法
は、水−アルコール混合液中に所定量の有機ヒドロペル
オキシド，緩衝剤，増感剤，湿潤剤を溶解させた溶液に
濾紙を浸漬し、これを60〜80℃で乾燥した後、更に、所
定量の酸化呈色指示薬と紫外線吸収剤とが溶解されてい
る含浸液を含浸させ、これを乾燥させる方法であり、担
持物質が担持されている吸収性担体例えば濾紙小片を、
所定のプラスチック片等に貼着することによって、本発
明の過酸化活性物質検出用の試験片を容易に得ることが
できるものである。 〔実 施 例〕 以下、本発明の過酸化活性物質検出用の試験片の具体
的な構成を実施例に基いて説明する。 実施例１ クロマトグラフィー用の濾紙〔ワットマン（社）製:3
MM〕に下記第１含浸溶液を含浸させてから60℃にて60分
間乾燥し、次いで、同じく下記第２含浸液で含浸し、50
℃にて20分間乾燥した後プラスチック板に両面テープを
貼着し、これを短冊状に裁断して、幅5mm、長さ80mmの
プラスチック片からなる基体の片隅みに、５×5mmの濾
紙が貼着されている本発明の１実施例品たる過酸化活性
物質検出用の試験片〔１〕を得た。 第１含浸溶液 （１） １モルクエン酸塩緩衝液 ……50ml （pH5.25） （２） クメンヒドロペルオキシド −β−シクロデキストリン包接体 ……12.5g （３） ラウリル硫酸ナトリウム ……2.0g （４） ２−アミノベンゾチアゾール硫酸塩 ……0.3g （５） エタノール ……30ml を蒸留水にて100mlに調製したもの。 第２含浸溶液 （１） オルトトリジン ……0.5g （２） ポリビニルピロリドン ……1.5g （Ｋ−90） （３） サリチル酸 ｐ−tert−ブチルフェニルエステ
ル ……1.0g をトルエンにて100mlに調製したもの。 実施例２ 前記実施例１における第２含浸溶液のサリチル酸 ｐ
−tert−ブチルフェニルエステルの代わりに、２−ヒド
ロキシ−４−オクトキシベンゾフェノン1.0gを使用する
以外は全て前記実施例１と同一の手順を施し、本発明の
１実施例品たる過酸化活性物質検出用の試験片〔２〕を
得た。 実施例３ 前記実施例１における第２含浸溶液のサリチル酸 ｐ
−tert−ブチルフェニルエステルの代わりに、２−
（２′−ヒドロキシ−３′−tert−ブチル−５′−メチ
ルフェニル）−５−クロロトリアゾール1.0gを使用する
以外は全て前記実施例１と同一の手順を施し、本発明の
１実施例品たる過酸化活性物質検出用の試験片〔３〕を
得た。 実施例４ 前記実施例１における第２含浸溶液のサリチル酸 ｐ
−tert−ブチルフェニルエステルの代わりに、２−シア
ノ−3,3′−ジフェニルアクリル酸エチル1.0gを使用す
る以外は全て前記実施例１と同一の手順を施し、本発明
の１実施例品たる過酸化活性物質検出用の試験片〔４〕
を得た。 比較例 前記実施例１における第２含浸溶液中のサリチル酸
ｐ−tert−ブチルフェニルエステルを除去する以外は全
て前記実施例１と同一の手順を施し、比較のための過酸
化活性物質検出用の試験片〔５〕を得た。 実験１ 前記試験片（１）〜（５）は、いずれも、体液中及び
***物中の過酸化活性物質、特に血液の検出を、100万
倍希釈の状態で行なうことができ、試料中の過酸化活性
物質検出用の試験片として十分に使用し得るものであっ
た。 実験２ 前記試験片（１）〜（５）を、それぞれ、照度400ル
クス及び750ルクスの大気中に、１時間,2時間,4時間放
置し、その外観色の変化と感度変化とを測定した結果を
表にて示す。 尚、試験片（１）〜（５）の外観色の変化は、明度，
彩度，色相という３つの尺度からなる色立方の空間的な
位置によって決定される色座標の距離で表される外観色
に関与する数値を色差計で読み取り、各試験片の放置前
のものと放置後のものとの差（ΔＥ）で表示したもので
ある。 また、感度変化は、0.06mg/dlのヘモグロビン水溶液
を用いて感度（発色強度）測定し、各試験片の放置前の
ものの感度を100としたときの放置後の試験片の感度の
割合を示した。 〔発明の作用及び効果〕 本発明の過酸化活性物質検出用の試験片は、有機ヒド
ロペルオキシド，酸化呈色指示薬、及び紫外線吸収剤が
担持されている担体からなるものであり、試験片中にお
ける紫外線吸収剤の作用によって300〜400mμの領域に
ある紫外線が吸収され、そのエネルギーが主として無害
な熱エネルギーとして再輻射されるもので、紫外線吸収
剤自体には何らの変質も生ずることのないものである。 従って、本発明の試験片は、紫外線の照射によって生
ずる試験片の外観色の変化を阻止し、過酸化活性物質検
出性能の低下を防止する作用，効果が極めて有効に果さ
れるものである。
検出するための試験片に関するものである。 〔従来の技術〕 体液や***物、例えば、尿，吐物，胃腸内容物，糞便
等に含まれている過酸化活性物質、特に血液の検出は、
例えば、腎炎，腫瘍，出血性素因，膀胱炎等の疾病を早
急に発見する方法の１つとして使用されているが、通
常、前述疾病に起因する試料中の血液の含有量は極めて
少なく、肉眼での鑑別が殆んど困難である。 このため、試料中の血液の検出には、試料を顕微鏡観
察する方法が採られてきたが、この方法は再現性に乏し
いばかりでなく、操作が複雑であることから、多数の検
体を迅速に処理することができないという欠点を有して
いる。 前記顕微鏡観察による方法の欠点を解消する方法とし
て、有機ヒドロペルオキシドと酸化呈色指示薬とが担持
されている担体からなる試験片を使用する方法、すなわ
ち、体液や***物等の試料中に含有されている過酸化活
性物質のペルオキシダーゼ様活性によってヒドロペルオ
キシドを分解し、その結果発生する酸素が前記試験片中
の酸化呈色指示薬を呈色させる原理を使用する方法が採
られている。 然して、前記過酸化活性物質検出用の試験片において
は、該試験片の感度を高めたり、その安定化を意図した
り等の諸種の試験片が提案されている。例えば試験片中
に存在している有機ヒドロペルオキシドと酸化呈色指示
薬との間に介入する物質を安定剤として添加するものと
して、特開昭49−54093号公報にはリン酸アミドを、ま
た特開昭53−115288号公報にはトリエタノールアミンボ
レート等のホウ酸エステルを介入させ、有機ヒドロペル
オキシドと酸化呈色指示薬との間の安定性の向上を計る
ことが記載されている。更には、特開昭56−147066号公
報には、 等の安定剤を添加することによって過酸化活性物質の不
在下において有機ヒドロペルオキシドと酸化呈色指示薬
とが反応してしまうのを防ぎ、経時安定性の向上を計る
ことが、また試験片中に存在する有機ヒドロペルオキシ
ドと酸化呈色指示薬とを完全に隔離させることによっ
て、有機ヒドロペルオキシドと酸化呈色指示薬との間の
安定性の向上を計る方法として、例えば特開昭39−1474
7号公報にはマイクロカプセル化を利用する方法が、ま
た特開昭51−65694号公報にはフィルム形成性重合体を
利用する方法がそれぞれ開示されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 ところで、前記従来の過酸化活性物質検出用の試験片
においては、該試験片中に存在している有機ヒドロペル
オキシドと酸化呈色指示薬との間に発生する酸化還元反
応による安定性の低下は効果的に阻止されているもの
の、大気中の酸化物質（光特に紫外線）の作用による変
色や感度の低下までをも阻止し得るものではなく、これ
が品質のばらつきの要因となっているばかりでなく、長
期保存性能にも欠ける等の欠点を有している。 これに対して本発明の過酸化活性物質検出用の試験片
は、大気中の酸化物質（光特に紫外線）の作用による変
色，感度低下が無く、安定した品質で、しかも長期保存
性能に優れた作用を奏するものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の過酸化活性物質検出用の試験片は、担体に、
少なくとも、有機ヒドロペルオキシド，酸化呈色指示
薬、及び紫外線吸収剤が担持されているものであり、前
記有機ヒドロペルオキシド，酸化呈色指示薬、及び紫外
線吸収剤のほかに、この種の試験片における一般的な担
持物質、例えば、緩衝剤，湿潤剤，増感剤等が所望に応
じて担持されているものである。 前記構成からなる本発明の過酸化活性物質検出用の試
験片は、一般的には、濾紙，綿，不織布，ガラス繊維等
の吸収性担体に、前記有機ヒドロペルオキシド，酸化呈
色指示薬，及び紫外線吸収剤、更にはその他の物質を担
持させ、これを、例えば、ポリエチレン，ポリプロピレ
ン，ポリスチレン等のプラスチック片からなる基体に貼
着した構成からなるものが最も一般的な形態である。 吸収性担体に担持される有機ヒドロペルオキシドは液
状でも固体状でも良いが、一般にヒドロペルオキシドは
光や熱に対して不安定であるため、より安定な有機ヒド
ロペルオキシドを選択することが好ましく、例えば、ｔ
−ブチルヒドロペルオキシド，パラメタンヒドロペルオ
キシド，クメンヒドロペルオキシド,2,5−ジメチルヘキ
サン−2,5−ジヒドロペルオキシド等の１種または２種
以上の混合物が使用される。 酸化呈色指示薬は、酸化作用を受けて発色するもので
あれば良く、例えば、オルトトリジン、3,3′,5,5′−
テトラメチルベンチジン、ベンチジン、パラジアニシジ
ン、オルトジアニシジン、2,7−ジアミノフルオレン等
が使用される。 更に、紫外線吸収剤として使用される主なものには、 サリチル酸系紫外線吸収剤 フェニルサリシレート、 Ｐ−tert−ブチルフェニルサリシレート、 Ｐ−オクチルフェニルサリシレート、 ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、 ヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノン、 ２−ヒドロキシ−４−オクトキシベンゾフェノン、 2,2′−ジヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノン、 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 ２−（２′−ヒドロキシ−５′−メチルフェニル）ベン
ゾトリアゾール、 ２−（２′−ヒドロキシ−５′−tert−ブチルフェニ
ル）ベンゾトリアゾール、 ２−（２′−ヒドロキシ−３′,5′−ジ−tert−ブチル
フェニル）ベンゾトリアゾール、 ２−（２′−ヒドロキシ−３′−tert−ブチル−５′−
メチルフェニル）−５−クロロベンゾトリアゾール、 シアノアクリレート系紫外線吸収剤 ２−エチルヘキシル−２−シアノ−3,3′−ジフェニル
アクリレート、 エチル−２−シアノ−3,3′−フェニルアクリレート、 等が存する。 尚、担持物質を吸収性担体に担持させる際に利用され
る含浸液の調製は、有機ヒドロペルオキシド１〜５重量
％、酸化呈色指示薬0.1〜1.0重量％、紫外線吸収剤0.1
〜0.5重量％程度の濃度に調製されるものである。 更に、本発明の過酸化活性物質検出用の試験片に所望
に応じて担持されている一般的な担持物質たる緩衝剤
は、本発明の試験片による過酸化物質の検出作用を鋭敏
に行ない得るようにするためのものであり、担持物質を
含有している含浸液のpHが４〜７、特に５〜６に保持さ
れ得るように、クエン酸塩，燐酸塩，コハク酸塩，フタ
ル酸塩等の緩衝液が使用される。 また、湿潤剤は、例えば、試験片中に検体を浸透させ
易くしたり、酸化呈色指示薬が酸化されて生じたラジカ
ルカチオンを安定化させたりするためのもので、これら
の両作用を兼備する湿潤剤としては、例えば、ラウリル
硫酸ナトリウム，ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム，ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の陰イオン
性界面活性剤が使用される。 更に、増感剤は、体液及び***物中の過酸化活性物質
特に血液の検出が、臨床医学上、100万倍希釈の血液で
も検出し得ることが要求されることの関係から使用され
るもので、例えば、キノリン誘導体，ベンゾキノリン誘
導体，ピリジン誘導体,2−アミノベンゾチアゾール誘導
体等が、含浸液中にて0.05〜1.0重量％で使用される。 吸収性担体に担持物質を担持させる最も一般的な方法
は、水−アルコール混合液中に所定量の有機ヒドロペル
オキシド，緩衝剤，増感剤，湿潤剤を溶解させた溶液に
濾紙を浸漬し、これを60〜80℃で乾燥した後、更に、所
定量の酸化呈色指示薬と紫外線吸収剤とが溶解されてい
る含浸液を含浸させ、これを乾燥させる方法であり、担
持物質が担持されている吸収性担体例えば濾紙小片を、
所定のプラスチック片等に貼着することによって、本発
明の過酸化活性物質検出用の試験片を容易に得ることが
できるものである。 〔実 施 例〕 以下、本発明の過酸化活性物質検出用の試験片の具体
的な構成を実施例に基いて説明する。 実施例１ クロマトグラフィー用の濾紙〔ワットマン（社）製:3
MM〕に下記第１含浸溶液を含浸させてから60℃にて60分
間乾燥し、次いで、同じく下記第２含浸液で含浸し、50
℃にて20分間乾燥した後プラスチック板に両面テープを
貼着し、これを短冊状に裁断して、幅5mm、長さ80mmの
プラスチック片からなる基体の片隅みに、５×5mmの濾
紙が貼着されている本発明の１実施例品たる過酸化活性
物質検出用の試験片〔１〕を得た。 第１含浸溶液 （１） １モルクエン酸塩緩衝液 ……50ml （pH5.25） （２） クメンヒドロペルオキシド −β−シクロデキストリン包接体 ……12.5g （３） ラウリル硫酸ナトリウム ……2.0g （４） ２−アミノベンゾチアゾール硫酸塩 ……0.3g （５） エタノール ……30ml を蒸留水にて100mlに調製したもの。 第２含浸溶液 （１） オルトトリジン ……0.5g （２） ポリビニルピロリドン ……1.5g （Ｋ−90） （３） サリチル酸 ｐ−tert−ブチルフェニルエステ
ル ……1.0g をトルエンにて100mlに調製したもの。 実施例２ 前記実施例１における第２含浸溶液のサリチル酸 ｐ
−tert−ブチルフェニルエステルの代わりに、２−ヒド
ロキシ−４−オクトキシベンゾフェノン1.0gを使用する
以外は全て前記実施例１と同一の手順を施し、本発明の
１実施例品たる過酸化活性物質検出用の試験片〔２〕を
得た。 実施例３ 前記実施例１における第２含浸溶液のサリチル酸 ｐ
−tert−ブチルフェニルエステルの代わりに、２−
（２′−ヒドロキシ−３′−tert−ブチル−５′−メチ
ルフェニル）−５−クロロトリアゾール1.0gを使用する
以外は全て前記実施例１と同一の手順を施し、本発明の
１実施例品たる過酸化活性物質検出用の試験片〔３〕を
得た。 実施例４ 前記実施例１における第２含浸溶液のサリチル酸 ｐ
−tert−ブチルフェニルエステルの代わりに、２−シア
ノ−3,3′−ジフェニルアクリル酸エチル1.0gを使用す
る以外は全て前記実施例１と同一の手順を施し、本発明
の１実施例品たる過酸化活性物質検出用の試験片〔４〕
を得た。 比較例 前記実施例１における第２含浸溶液中のサリチル酸
ｐ−tert−ブチルフェニルエステルを除去する以外は全
て前記実施例１と同一の手順を施し、比較のための過酸
化活性物質検出用の試験片〔５〕を得た。 実験１ 前記試験片（１）〜（５）は、いずれも、体液中及び
***物中の過酸化活性物質、特に血液の検出を、100万
倍希釈の状態で行なうことができ、試料中の過酸化活性
物質検出用の試験片として十分に使用し得るものであっ
た。 実験２ 前記試験片（１）〜（５）を、それぞれ、照度400ル
クス及び750ルクスの大気中に、１時間,2時間,4時間放
置し、その外観色の変化と感度変化とを測定した結果を
表にて示す。 尚、試験片（１）〜（５）の外観色の変化は、明度，
彩度，色相という３つの尺度からなる色立方の空間的な
位置によって決定される色座標の距離で表される外観色
に関与する数値を色差計で読み取り、各試験片の放置前
のものと放置後のものとの差（ΔＥ）で表示したもので
ある。 また、感度変化は、0.06mg/dlのヘモグロビン水溶液
を用いて感度（発色強度）測定し、各試験片の放置前の
ものの感度を100としたときの放置後の試験片の感度の
割合を示した。 〔発明の作用及び効果〕 本発明の過酸化活性物質検出用の試験片は、有機ヒド
ロペルオキシド，酸化呈色指示薬、及び紫外線吸収剤が
担持されている担体からなるものであり、試験片中にお
ける紫外線吸収剤の作用によって300〜400mμの領域に
ある紫外線が吸収され、そのエネルギーが主として無害
な熱エネルギーとして再輻射されるもので、紫外線吸収
剤自体には何らの変質も生ずることのないものである。 従って、本発明の試験片は、紫外線の照射によって生
ずる試験片の外観色の変化を阻止し、過酸化活性物質検
出性能の低下を防止する作用，効果が極めて有効に果さ
れるものである。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 １．有機ヒドロペルオキシド、酸化呈色指示薬及び紫外
線吸収剤が担持されている担体からなることを特徴とす
る過酸化活性物質検出用の試験片。 ２．紫外線吸収剤が、サリチル酸Ｐ−tert−ブチルフェ
ニルエステル、２−ヒドロキシ−４−オクトキシベンゾ
フェノン、２−（２′−ヒドロキシ−３′−tert−ブチ
ル−５′−メチルフェニル）−５−クロロベンゾトリア
ゾール及びエチル−２−シアノ−3,3′−フェニルアク
リレートよりなる群から選ばれる１種又は複数の紫外線
吸収剤である特許請求の範囲第１項記載の過酸化活性物
質検出用の試験片。 ３．検出対象の過酸化活性物質が尿中の血液であること
を特徴とする特許請求の範囲第１項又は第２項記載の過
酸化活性物質検出用の試験片。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62238176A JP2660837B2 (ja) | 1987-09-22 | 1987-09-22 | 過酸化活性物質検出用の試験片 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62238176A JP2660837B2 (ja) | 1987-09-22 | 1987-09-22 | 過酸化活性物質検出用の試験片 |
Related Child Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP35415996A Division JPH09292385A (ja) | 1996-12-18 | 1996-12-18 | 過酸化活性物質検出用試験片の安定化剤ならびに安定化方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6479659A JPS6479659A (en) | 1989-03-24 |
| JP2660837B2 true JP2660837B2 (ja) | 1997-10-08 |
Family
ID=17026303
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62238176A Expired - Fee Related JP2660837B2 (ja) | 1987-09-22 | 1987-09-22 | 過酸化活性物質検出用の試験片 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2660837B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE3142862A1 (de) * | 1981-10-29 | 1983-05-11 | Behringwerke Ag, 3550 Marburg | "mittel zum nachweis von glucose in biologischen fluessigkeiten" |
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-
1987
- 1987-09-22 JP JP62238176A patent/JP2660837B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6479659A (en) | 1989-03-24 |
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