JP2658778B2 - 鉄道車両構体 - Google Patents

鉄道車両構体

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JP2658778B2
JP2658778B2 JP4314598A JP31459892A JP2658778B2 JP 2658778 B2 JP2658778 B2 JP 2658778B2 JP 4314598 A JP4314598 A JP 4314598A JP 31459892 A JP31459892 A JP 31459892A JP 2658778 B2 JP2658778 B2 JP 2658778B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車両構体の構造に
関わり、高速で走行する鉄道車両に好適な鉄道車両構体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術は、特開平3−90468号
に記載のように、側構体、屋根構体、床構体等の外板に
軽合金製のろう付けハニカムパネルを用い、骨部材をパ
ネルより車両内部側に配置した構造が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、鉄道車両の高速
化の要求が高まっている。鉄道車両の高速化にともな
い、軌道破壊や走行時における騒音の増大や動力費の増
加等の問題が生じる。これらの問題を解決するために
は、鉄道車両の走行速度に応じた軽量化が必要である。
【0004】従来、鉄製構体および軽合金製構体におい
ては、外板部材および骨部材の薄肉化による軽量化が図
られているが、部材の強度及び剛性の面から軽量化の限
界がある。また、外板部材に軽合金製のハニカムパネル
を用い、骨部材との溶接構造を採用したものがあるが、
車体断面の曲率の変化する箇所やパネルの接合部におい
て局部的に応力が集中し、補強部材を必要とするため軽
量化の妨げになることがあった。
【0005】鉄道車両が高速でトンネル内を走行する
際、車内外圧力差が急激に変化することが知られてい
る。特に、車両同士がトンネル内ですれ違う場合には、
大きな圧力変動が短時間に発生する。200km/h以上の
高速で走行する車両は、このような圧力変動が車内に伝
播して乗客に不快感を与えないようにするために、気密
構造になっている。
【0006】したがって、車両の構体は、乗客、各種機
器の荷重と構体の自重および上述した車内外圧力差によ
る荷重にさらされることになる。このため、構体の剛性
および圧力荷重に対する強度向上を図らなければならな
い。ところが、構体の剛性および強度の向上を図ること
と軽量化を図ることとは相反する関係にあり、実現する
のが困難な状況にある。
【0007】本発明の目的は、積層パネルを用いた鉄道
車両構体の台枠を小型にすると共に強度を向上できる結
合構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、 2枚の表材
と、該2枚の表材の間に配置した芯材と、該2枚の表材
の間において該表材の縁部に配置した結合用部材と、か
らなり、前記2枚の表材に、前記芯材および前記結合用
部材をろう付けして積層パネルを構成しており、 複数の
前記積層パネルの前記結合部材同士を溶接して構成した
鉄道車両構体において、 前記積層パネルによって台枠の
床板を構成しており、 該台枠の床板の前記積層パネル同
士の溶接部において、一方の前記積層パネルの前記結合
用部材と他方の積層パネルの前記結合用部材との間に横
梁を配置して おり、 該横梁の上端は前記各積層パネルの
上方の表材側の前記結合用部材の上方のフランジに溶接
しており、 前記横梁の下端は前記各積層パネルの下方の
表材よりも下方に位置しており、該下方の位置において
該横梁の両側の側面に前記各積層パネル側に突出する突
起を備えており、 該突起に前記各積層パネルの下方の表
材が載っており、該突起に該下方の表材を溶接するこ
と、 によって達成できる。
【0009】
【作用】横梁の上部は積層パネルの一方の表材側の結合
用部材と他方の表材側の結合用部材に結合されている。
横梁の一端から他端までの長さは積層パネルの厚さ方向
の曲げに対する強度として、横梁の一端から他端までの
長さに所定距離が必要であるとき、横梁は積層パネルに
重なっているので、前記他方の表材側からの横梁の突出
量を小さくでき、全体として小型にできるものである。
また、結合用部材の曲がりを防止できるものである。ま
た、横梁の両側に積層パネルを載せる突起を設けている
ので、積層パネルを正確に横梁に接合できると共に、両
者の接合を容易にできるものである。
【0010】突起を横梁の上端に設けた場合も同様であ
る。この場合は上部の表材同士の溶接の裏当てにするこ
とができる。
【0011】
【実施例】まず、本発明の一実施例を図1、2によって
説明する。同図において、10は鉄道車両の構体であ
り、側構体20、台枠30、屋根構体40および妻構体
50から構成されている。
【0012】前記側構体20は、腰板21、幕板22、
吹寄せ23から構成されており、それぞれ後述する積層
構造の外板部材60を組合せ接合した構造で、車体にお
いて使用する部位により前述のような名称となってい
る。前記腰板21および幕板22は、側構体20の窓開
口部の上方および下方位置に配置される。また、前記吹
寄せ23は、該腰板21および幕板22の間に設置され
る。前記側構体20は、前記台枠30の側梁31の上面
から後述する屋根構体40の車体周方向端部までが一体
として構成される。個々の外板部材60の車体長手方向
の寸法は、側構体20を車体長手方向について複数に分
割した長さとなっている。側構体20は、個々の外板部
材60を車体長手方向に並べそれぞれを溶接接合して腰
板21及び幕板22の各ブロックを作り、吹寄せ23を
介してそれぞれを溶接することによって組み立てられ
る。
【0013】31は前記台枠30を構成する側梁で、台
枠30の車体幅方向両端部において車体長手方向に引通
して配置される。32は平行に配置された前記側梁31
の間に、車体幅方向に引き通して設置される横梁であ
り、その両端を側梁31の側面31aに接合している。
また、該横梁32は、前記側梁31の間に、車体長手方
向に所定のピッチで平行に配置されている。33は前記
横梁32の上に設置される床板である。床板33は、後
述する積層構造部材製である。該床板33を車体長手方
向に複数並べ、図10、11に示すように横梁32を介
して接合するとともに、各床板33は側梁31の車体幅
方向垂直断面の内側の側面31aに接合されることによ
り台枠30が構成される。また、隣接した床板33を横
梁32にその端部を突合せ、各床板33同士および各床
板33を横梁32に接合している配置されている。
【0014】前記屋根構体40は、後述する積層構造の
外板部材60を組合せ接合した構造である。屋根構体4
0は、構体10の両側面をなす側構体20と後述する両
端面をなす妻構体50の上部の間を一体のブロックとし
て構成される。個々の外板部材60の車体長手方向と幅
方向の寸法は、屋根構体40を車体長手方向および幅方
向について複数に分割した長さおよび幅になっている。
なお、図1および図2に示した車両構体10において
は、複数の外板部材60を車体長手方向に並べて接合し
た屋根構体40を構成しているが、外板部材60が小さ
い場合には、車体長手方向および車体幅方向にそれぞれ
並べて接合し屋根構体40を構成してもよい。屋根構体
40は、個々の外板部材60を車体長手方向および幅方
向に並べ溶接接合して、屋根構体40のブロックを作
り、側構体20と妻構体50に溶接することによって組
立てられる。
【0015】前記妻構体50は、従来車両の骨部材に外
板を溶接した構造とすることもできるが、ここでは後述
する積層構造の外板部材60を用いた場合を説明する。
これはトンネル内走行時における耐圧性が、特に問題に
なる場合に有効である。車体形状を球形に近づけて行く
と車体の耐圧性が向上されるが、妻構体50は車体同士
の連結部に当るため垂直断面になっている。このため、
妻構体50の中央部における変位量は、他の部位に比べ
て大きい。したがって、後述する外板部材60の特性を
発揮できる。妻構体50は、構体10の両端面を構成
し、側構体20、台枠30、屋根構体40の端部を一体
として構成される。外板部材60は、妻構体50の貫通
路51の上部および左右に配置し、妻構体50が構成さ
れる。
【0016】以上のような構成において、構体10の組
立方法を説明する。構体10は、側構体20、台枠3
0、屋根構体40および妻構体50をそれぞれ個別に製
作し、これらを互いに接合して完成させる。まず、台枠
30の車体幅方向の両側の上面すなわち側梁31の上部
に側構体20を垂直に配置し、かつ、該台枠30の車体
長手方向両端部の上面に妻構体50をそれぞれ配置す
る。そして、前記台枠30と側構体20および台枠30
と妻構体50を接合する。また、同時に前記側構体20
と妻構体50を接合する。この二つの側構体20および
二つの妻構体50の上に屋根構体40を載せ、該屋根構
体40と前記二つの側構体20および二つの妻構体50
をそれぞれ接合する。このようにして、構体10は組み
立てられる。
【0017】つぎに、図3、4について説明する。外板
部材60は、表材61および62、該表材61および6
2の間に設置される芯材63、強度用部材64、補強用
部材65、さらにこれらの外周端に配置した結合用部材
66とから構成されている。強度用部材64は、基本的
には結合部材66間に引き通して配置され、該各結合部
材をつなぐように配置される。ただし、二本の強度用部
材64同士を交差するように配置する場合には、該強度
用部材64同士は該交差部で結合される。また、補強用
部材65は、隣接した強度用部材64間および強度用部
材64と結合用部材66間をつなぐように設置される。
なお、外板部材60自体が湾曲して構成されている場
合、前記強度用部材64は当然外板部材60自体の厚さ
方向に湾曲した構造に構成されている。この湾曲した外
板部材60を構成する前記芯材63が折り曲げた複数の
板材を接合して構成するハニカムコアの場合には、該ハ
ニカムコアのL方向67aを前記強度用部材64に直交
する方向とする。言い替えれば、外板部材60が湾曲し
ている方向に対して、前記芯材63であるハニカムコア
はそのL方向67aを直交する方向に配置する。ただ
し、ハニカムコアを構成する複数の板状素材を、台形を
なす接続面で接続し、ハニカムコア自体を曲面状に形成
すれば、外板部材60の湾曲方向に対して平行に前記強
度用部材64を配置することもできる。
【0018】外板部材60は、表材61、62が芯材6
3により一定以上の厚さが離隔され、それぞれの芯材6
3が密に支持されているため、単なる平板に比べて曲げ
および剪断剛性が高い。前記外板部材60としては、例
えば軽合金製の表材61、62、芯材63として六角格
子状のハニカムコア、強度用部材64、補強用部材65
をろう付けしたハニカムパネル材が用いられる。前記ハ
ニカムコアは二枚の表材間で連通した複数のセルを有す
る構成となっている。前記軽合金製の芯材63に代え
て、格子状或いはその他の連続性のある形状に形成した
軽合金製もしくは樹脂製の薄板或は発泡材を用い接着に
よって接合してもよい。これらのパネル同士の接合は、
溶接時の温度上昇を考慮した熱硬化形の樹脂および接着
剤を用いる必要がある。また、結合用部材の接合フラン
ジ部を伸ばすことも有効であり、溶接による熱影響を防
止できる。なお、表材としてステンレス鋼を用い、芯材
として軽合金製材料を用いる組合せ等異種金属材料を組
み合わせても良い。
【0019】前記強度用部材64は、それ自体が平板状
に形成されており、表材に対してその幅方向が直交する
ように配置される。さらに、該強度用部材64の長手方
向は、パネル内で車体の周方向に合わせて配置されてい
る。したがって、外板部材60が平面状でなく、車体形
状に合わせた曲面の場合には、強度用部材64を平板か
ら扇形状に切断することにより容易に、かつ、精度良く
製作できる。強度的にも平板状の強度用部材64を芯材
63が密に保持しているので、該強度用部材64の倒れ
がなく、曲げ剛性を十分確保できる。また、強度用部材
の形状としては、前記板状以外にU字型或いはロ字型の
型材を用いることも考えられる。これらの型材の場合に
は、全体を極端に曲げることはできないが、断面形状を
損なうこと無く曲げることは可能であり、これらの型材
を用いても良い。なお、これらの型材においては、曲げ
加工に伴う寸法制度の低下は機械加工によって避けるこ
とができる。これにより、強度用部材として前記のよう
な型材を用いることも可能である。以上のように構成さ
れた構体10の車内外圧力差が変動した場合、外板部材
60が車内の圧力を一定に保つ気密壁となる。
【0020】図5に芯材63の配置を示す。芯材63
は、波型形状の板をL方向67aに六角形のセル68を
形成するように重ね合わせ、それらの隙間をろう材69
にて接合する構造になっている。該芯材63を用いた積
層パネルの場合、前記芯材63のL方向67aすなわち
板材の連続している方向は、W方向67bすなわち前記
L方向に直角な方向に比べて約6割程度剪断強度が高
い。これは、芯材63の配列の相違によるものである。
【0021】さらに、補強用部材65は、強度用部材6
4に対して60°、結合用部材66に対して、30°を
成す角度に設置すると、外板部材60の芯材63が個々
の芯材63の山63aもしくは谷63bで切断できるの
で、芯材63の形態を2種類に標準化することができ
る。また、補強用部材65は強度用部材64に対して3
0°、結合用部材66に対して60°を成す角度に設置
すると、外板部材60の芯材63が個々の芯材63の山
63aの中間で切断できるので、芯材63の形態を1種
類に標準化することができる。
【0022】図6において、前記外板部材60は、その
外周端に結合用部材66を設け、これを介して、他の外
板部材60と結合する構造になっている。このため、表
材61、62同士を直接結合する場合に比べて、接合部
分の強度低下を防止できる。
【0023】また、強度用部材64は、従来の側柱、垂
木等に相当するものを積層構造の一部として表材61、
62の間に設置したものである。前記強度用部材64
は、特に車体内外気圧差による荷重を考慮して、車両構
体10の垂直断面の周方向に配置する必要がある。
【0024】すなわち、腰板21,幕板22および吹寄
せ23においては、強度用部材64が側構体20の垂直
方向に引き通して配置される。なお、該強度用部材64
は、前述のように表材に対して直行するように配置され
る。前記幕板22の強度用部材64の幅方向の縁の曲率
半径は、腰板21および吹寄せ23の強度用部材64の
縁の曲率半径よりも小さくなっている。また、幕板22
の強度用部材64の幅方向の縁の曲率半径は、屋根構体
40に近づくに従って該曲率半径が短くなる方向に変化
している。このように外板部材60においては、内部に
設置する強度用部材64の幅方向の縁の曲面を円弧状の
曲面或いは曲率の異なる曲面等任意に形成して積層パネ
ルを形成することができる。
【0025】屋根構体40においては、強度用部材64
が該屋根構体40の幅方向に引き通して配置されてい
る。すなわち、前記強度用部材64が従来の垂木に相当
するように配置されている。そして、構体10について
見ると、図7に示すように各外板部材60同士の強度用
部材64が同一断面線上となるようにそれぞれ配置され
ている。なお、図7は各外板部材60同士の配置とそれ
ぞれの内部構造の関係を判り易くするため、表面の表材
を無視して作図している。すなわち、屋根構体40と前
記腰板21,幕板22および吹寄せ23の各強度用部材
64を車体の周方向に連なるように該各外板部材60が
配置されている。したがって、前記各強度用部材64に
荷重を分担させることができる。すなわち、各強度用部
材64が車体幅方向両側の側梁間に配置されたリング状
の強度部材となるため、構体10に作用する圧力変動に
対して十分な強度を発揮することができる。
【0026】さらに補強用部材65を、強度用部材64
と結合用部材66、もしくは強度用部材64同士を結合
するように設置することにより、各外板部材60同士の
結合部である溶接線27の荷重を分散させ、応力集中を
緩和することができる。すなわち、前記強度用部材64
を各外板部材60の内部に設置することにより、該外板
部材60においては結合部材66と該強度用部材64が
種々の力を伝達することになる。したがって、該強度用
部材64と結合部材66との接合部には、応力が集中す
る可能性が高い。そこで、前記補強用部材65を前述の
ように設けることにより、前記力を分散させて伝達する
ことができ、応力集中を防止することができる。このこ
とは、結合部材66の厚さの低減による軽量化或いは構
体10全体の強度向上につながる。
【0027】前記曲面形状の外板部材60の製作状況を
説明する。必要な曲面に支持面が形成された下型の上に
表材61を載せ、該表材61に上に折り曲げられた複数
の芯材63,強度用部材64および補強用部材65を載
せる。そして、これらの各部材相互の位置決めを行う
が、強度用部材64および補強用部材65は縁がそれぞ
れ曲面に形成されているため、前記型への位置決めを正
確に行う。これらの上に表材62を乗せ、上型を置く。
このような状態で、前記各部材を例えばろう付けによっ
て接合するのであれば、真空炉内で加温しながら前記上
下の型で加圧して接合を行う。なお、ろう付けのろう材
は表材61,62のパネル内面側,芯材63,強度用部
材64および補強用部材65の表面にそれぞれクラッド
されている。前記表材61,62は予め曲面状に曲げら
れていれば、作業性は向上される。
【0028】また、本発明の外板部材60によって車両
構体10を製作することにより、該車両構体10の内側
10aを平滑化することができる。したがって、従来、
側柱、垂木等によって取付位置の制約を受けていた内装
材用の取付金具の配置の自由度を広げることができる。
このことによって、内装材取付金具又は内装材及び内装
構造を標準化することができる。
【0029】以下、個々の構体に外板部材60を使用し
た場合について詳細に説明をする。図6において、側構
体20には、構体10自体の自重、台枠30から伝わる
該台枠30の下面に設置される各種機器ならびに乗客等
による垂直荷重と、車内外圧力変動による荷重が作用す
る。これらの荷重に対して前記側構体20は、前述の外
板部材60を主体に構成されているため、十分な面外曲
げ剛性及び剪断剛性を有する。すなわち、前記外板部材
60は、各表材を芯材によって相互にずれないように接
合していることから面外曲げ剛性が高く、構体10とし
て十分な剛性を確保することができる。また、各外板部
材60は、その内部に前記強度用部材64を内蔵してい
ることから、表材と芯材を組み合わせた通常の積層パネ
ルよりも面外強度が高く、その強度は通常の積層パネル
表面に骨部材を設置したものと同等以上になる。詳述す
ると、外板部材60の強度用部材64は、その両面を芯
材で支えられているため、比較的薄いものであっても座
屈し難く、積層パネル表面に設置される板厚の厚い型材
と同等の強度を発揮することができる。したがって、前
記強度用部材64と同一断面積を有する型材を積層パネ
ルに接合した場合よりも剛性を向上させることができ
る。さらに、前記強度用部材64は、外板部材60が曲
面状に形成されていも前述のように剛性向上が図れる。
したがって、前記側構体20は変形を生じにくく、前記
荷重に対して十分に耐えうる。
【0030】さらに、強度上必要とされる窓周辺部に
は、強度用部材64、補強用部材65を配置しているた
め、局部的な応力集中の少ない車両構体10が得られ
る。さらに、構体10を構成する各外板部材のうち腰板
21,幕板22,吹寄せ23および屋根構体40を構成
する外板部材のそれぞれを、車体長手方向について強度
用部材64、補強用部材65の配置が同一になるように
標準化して構体10の設計を行なえば、前記外板部材6
0のコスト低減を図ることができる。なお、腰板21と
幕板22は、その寸法関係を同様にして同一の外板部材
としても良い。
【0031】図7は前記屋根構体40、腰板21、幕板
22、吹寄せ23および台枠部の側梁31の配置を示し
ている。屋根構体40、幕板22、吹寄せ23、腰板2
1を構成する各外板部材60を車体長手方向に対し、交
互に配置して車体幅方向もしくは車体上下方向の溶接線
27の集中を避けている。これは結合用部材66におけ
る母材の機械的性質に比べて、溶接部の機械的性質が劣
るためであり、各外板部材60の溶接線27の集中を防
ぐことにより、該構体10の強度信頼性を向上できる。
溶接線27で結合される結合用部材66を強度用部材6
4の位置に配置してこれを兼用することにより、軽量化
を促進することも可能である。ところで、前記吹寄せ2
3の幅方向両側の垂直方向に配置される結合用部材66
は、その端部を直交する水平方向に配置された結合用部
材66よりも幕板20或いは腰板21側へ突出させて構
成されている。この吹寄せ23の結合用部材66の突出
によって、腰板21および幕板22との接合部分の溶接
線長を長くすることができ、強度向上が図れる。
【0032】前記図7の構成においては、腰板21同士
および幕板22同士を接合する溶接線27が側窓24の
中央部に位置している。しかし、この溶接線27すなわ
ち腰板21同士および幕板22同士の接合部を、吹寄せ
23の幅方向の両側の強度用部材に一致させて互いにず
らして配置すれば、強度用部材64を低減することがで
き、軽量化が図れる。すなわち、腰板21同士の接合溶
接線27を吹寄せ23の幅方向の一方の強度用部材例え
ば向かって右側の強度用部材に一致させて配置し、幕板
22同士の接合溶接線27を吹寄せ23の幅方向の他方
の強度用部材例えば向かって左側の強度用部材に一致さ
せて配置する。このようにすることにより、側構体20
において、腰板21同士および幕板22同士を接合する
溶接線27が吹寄せ23の幅寸法だけずれることにな
る。このような構成によれば、まず、図7に示した構造
と同様な効果を達成することができる。この効果以外
に、腰板21同士および幕板22同士の接合部分の結合
用部材66を図7に示されている吹寄せ23に対応して
配置されている強度用部材64として兼用することがで
きる。したがって、図7に示した構造に比べて外板部材
60の強度用部材64を少なくすることができる。この
ことは各外板部材を軽量化することになる。
【0033】前記外板部材60は、曲げおよび剪断剛性
が高いため、前述のように側構体20に用いた場合、垂
直荷重および溶接に伴う残留応力によって車体表面に歪
が生じることが少なく、見栄えを向上できる。また、車
体形状にあわせた強度用部材および補強用部材を前記外
板部材60内部に組み込むことにより、平板状の外板部
材を曲げたものに比べ、さらに車体表面の歪の少ない車
両用構体が得られる。結果として車体表面の歪取り作業
を省略できる。さらに、従来、構体完成後に行なってい
た側構体20表面の塗装用パテを用いた平滑化作業を簡
略化することができる。
【0034】図8に示す台枠30の該床板33は、前記
外板部材60もしくは前記外板部材60において強度用
部材65と補強用部材66を省略したものを車両の運用
条件や荷重条件によって使い分けて用いる。台枠30に
おいて、車体内外気圧差による床板33に加わる荷重を
受け持つのは側梁31と横梁32であるが、車両が高速
になればなるほど、トンネル内走行時の気密荷重が大き
くなり、床板33の面外曲げ剛性の高いものが必要とな
る。加えて軽量化が必要な場合には、前記外板部材60
を使用すると効果的である。図9に示すように台枠30
において、車端圧縮による荷重を受け持つのは、中梁3
5と枕梁36であるが、端梁34から枕梁36までの間
で中梁35,横梁32の上に載る床板33に前記外板部
材60を配置する。特に、枕梁36同士の間は、側梁3
1が荷重を受け持つので、枕梁36から側梁32に荷重
をスム−ズに流すために枕梁36の前後の床板33の内
部には強度用部材64を結合用部材66に対し、直角,
30°もしくは60°をなすように配置したものを使用
する。その他床板33に前記外板部材60から強度用部
材64と補強用部材65を省略したものを配置する。外
板部材60内部の芯材63を車体長手方向に配置する
と、車端圧縮強度の高い車両構体が得られる。また、図
10、11に示すように床板33の配置は、車体長手方
向に複数並べ、横梁32の上面で各外板部材60のコ字
形の結合用部材66を接合する。すなわち、隣合う外板
部材60の結合用部材66の下側のフランジは、横梁3
2の垂直部側面に突き当てて連続或いは断続溶接によっ
て接合する。隣合う外板部材60の結合用部材66の上
側のフランジは、横梁32の垂直部端面でルートギャプ
を設けて配置され、三者一体に溶接される。隣合う外板
部材60の結合面の一方より横梁32のT字形垂直部分
を貫入せしめ、他の結合面の内側にT字形の横梁32の
先端が接するように配置するために、該T字形垂直部側
面に位置決め用の突起を設けてもよい。また、外板部材
60の車体幅方向の結合については、側梁31の車体幅
方向垂直断面の内側の側面31aと結合用部材66とを
溶接する。
【0035】このような構成によれば、前記横梁32は
垂直部先端が外板部材60に連続的に接合されているこ
とから、従来I形或いはコ字形としていた横梁を上部平
板部分を形成することなく同等の断面係数を達成するこ
とができる。このことは横梁32自体の軽量化となり、
構体10の軽量化につながる。なお、隣接した外板部材
の前横梁32を介した前記結合構造は、構体10の他の
部分にも採用することができる。すなわち、前記横梁3
2の外板部材60からの突出部を機器の取付け用に用い
ることも考えられる。また、この構造は一般構造物例え
ば建築物の壁材に前記外板部材を用いた場合などにも適
用することができる。
【0036】次に、図12に示すように、側窓24から
の視野を確保するために、該側窓24を直方形に形成
し、該側構体20の吹寄せ23と幕板22および腰板2
1との接合部近傍の該側窓の縁に、局部応力緩和のため
の切欠き部25を設ける。また、前記各部材間の結合線
に面する吹寄せ23、幕板22および腰板21の内部に
は、補強用部材65、強度用部材64を設ける。この場
合、切欠き部25の側窓24に対して、最も離れた部分
26に応力が集中する。すなわち、応力の高い部分は結
合用部材66の母材部が受け持つようにする。さらに強
度的に必要な場合は、この部分の結合用部材66に補強
を追加するかもしくはそれ自体の肉厚を厚くする。
【0037】次に、図13、図14にて側窓24の構造
について説明する。側窓24の構造は、吹寄せ23の厚
さと吹寄せ23、幕板22および腰板21の結合用部材
66の形状を変えることによって、側窓ガラス24´が
吹寄せ23まで延長された連続窓もしくは通常の単独の
窓に適用できる。まず、側窓ガラス24´が吹寄せ23
まで延長された連続窓の構造については、側窓ガラス2
4´は結合用部材66に一体に形成された該ガラスを保
持するフランジ部に対して、締結板部材66aおよび締
結用部材66bで保持される。締結用部材66bとして
は、例えばボルト、リベット等があげられる。この時、
側窓24部分における結合用部材66の不要な部分66
cを除去することにより軽量化を図ることもできる。前
記図12は側窓ガラスを設けない状態を示し、図13,
14は側窓ガラスを設けた状態を示している。
【0038】また、図15、16、17により通常の単
独の窓の構造について説明する。前記図15は側窓ガラ
スを設けない状態を示し、図17は側窓ガラスを設けた
状態を示している。側窓24の周囲を形成する各結合用
部材66には、側窓ガラス24´を保持するフランジ部
が一体に形成されており、該フランジ部に締結板部材6
6aを介して締結用部材66bで側窓ガラス24´を締
結する。この場合、吹寄せ23の側面に設置している結
合用部材66にもガラス保持用のフランジ部を一体に形
成しており、締結板部材および締結用部材で側窓ガラス
24´を押え込み締結する。各結合用部材66の車体内
部側66cを除去すれば、側窓24の開口部に設置する
内装材形状の自由度を広げることができる。この構造は
幕板22および腰板21の厚さと吹寄せ23の厚さが同
じため、上述した連続窓の構造の車両構体10に比べて
強度上優位といえる。
【0039】つぎに、図18、19、20、21によ
り、該側構体20の吹寄せ23の構造について詳細に説
明する。吹寄せ23に用いる外板部材60の車体前後方
向の縁すなわち図示した該吹寄せ23の左右幅方向両側
の縁に設置した強度用部材66が比較的強度を有するの
で、基本的に捩じりに対して強い構造になっている。ま
た、ここで外板部材60の芯材63は、吹寄せ23の外
形線が直線の場合には、縦、横、斜断面方向に配置し、
主な荷重方向に適合することにより、強度用部材64、
補強用部材65を省略することができる。ただし、外形
が曲線形状の場合には、製作上車体長手方向(図18で
は、左右方向)に配置した方が好ましい。これは、芯材
63の材料である薄板の形状が、長方形になり加工が容
易で精度が得られ易いからである。まま、車体周方向
(図18では、上下方向)に配置すると、芯材63の材料
である薄板の形状が、扇形になり加工後の面精度を確保
するために複雑な加工を行なうことになる。
【0040】図18の吹寄せ23aは、外板部材60の
内部に菱形に補強用部材65を設置した構造である。補
強用部材65は吹寄せ23aの剪断剛性を向上すると共
に特に水平方向の結合用部材66の中央付近に荷重を伝
える役割をはたし、結合部の溶接線に発生する応力を平
均化する。
【0041】次に、図19の吹寄せ23bの構造につい
て説明する。これは、強度用部材64bを外板部材60
の車体断面外周方向すなわち垂直方向に配置した結合用
部材66に直角に、しかも複数設置したものである。こ
の構造は、最も単純なで車両構体の負荷荷重が低い場合
には好適である。
【0042】図20の吹寄せ23cの構造は、上述した
吹寄せ23bと23cを合わせた構造になっており、図
19に示した構造における強度用部材64bと垂直方向
の結合用部材66との結合部の溶接線の応力集中を緩和
するために、補強用部材65を各部材間に配置したもの
である。車体の負荷荷重が比較的高い場合に好適であ
る。
【0043】図21の吹寄せ23dの構造について説明
する。垂直方向の結合用部材66と別の強度用部材64
cとで吹寄せ部分を細分化し、該区画された部分に補強
用部材65を各結合用部材66に対して斜めに配置し筋
交いとしたものである。この構造は左右の垂直方向に設
置される結合用部材66として剛性の高いものを応力集
中の関係から設置できない場合に、本吹寄せ自体の面外
曲げ剛性を高め、かつ、結合部溶接線27の応力分布を
均等にさせるのに有効な構造である。
【0044】図22,図23により更に別の吹寄せ23
の構造を説明する。吹寄せ23eは補強用部材65を水
平方向および垂直方向の結合用部材66の接合位置を結
ぶように筋交いに設置した構造となっている。この吹寄
せ23eの構造によれば、比較的簡単な構造で剪断剛性
を向上させることができる。また、吹寄せ23fは前記
吹寄せ23eの構造に強度用部材64bを追加して設置
した構造となっている。この吹寄せ23fの構造によれ
ば、前記吹寄せ23eよりも更に剪断剛性を向上させる
ことができる。ところで、これらの吹寄構造は補強部材
を筋交いとして交差して設けているが、補強部材を一方
のみとしてもよい。すなわち、吹寄せの構体における接
合位置を考慮して、補強部材が車体長手方向中央部を境
に両端側へその上端が車端側へ倒れるように傾斜して配
置してもよい。
【0045】なお、前記図18,図19,図20,図2
1,図22および図23は、図示を明瞭にするために表
面の表材を無視して作図している。
【0046】つぎに、図24、25にて屋根構体40に
ついて説明する。前述したように、屋根構体40は外板
部材60から構成されており、強度用部材64は車体内
外気圧差による荷重を考慮して、車両構体10の幅方向
垂直断面の周方向に配置されている。さらに、強度用部
材64が結合用部材66に接合する部分は、応力集中を
防ぐために補強用部材65を配置する。また、屋根構体
40と幕板22との外板部材60が車体長手方向に交互
に配置されている。これによって、車体周方向に伸びた
溶接線27の大部分が車体長手方向に対してずれること
になる。これは、前記したように溶接線27の集中する
部分を減らすことによって、強度信頼性を向上すること
ができる。さらに屋根構体40には、パンタグラフの碍
子を設置するための架台が必要である。そのための受け
台41は、外板部材60の内部に配置される。それぞれ
の受け台41の4辺には、強度用部材64を配置し、結
合用部材66に接合する。パンタグラフから加えられる
荷重は、車体上下方向と車体幅方向に変動し負荷され
る。本構造によれば、受け台41の4辺に強度用部材6
4が配置されているので、上述した荷重条件に対して十
分な強度を有する。
【0047】図26に妻構体50に該外板部材60を用
いた場合を説明する。該妻構体50には貫通路51の開
口が形成されている。上述したように妻構体50は、車
体同士の連結部に当るため垂直断面になっており、車両
が高速になればなるほど、トンネル内走行時における耐
圧性が問題になる。そのため、外板部材60の同士の強
度用部材64を一直線上になるように配置し、耐圧強度
を確保する。また、妻構体50には、車体の揺動防止の
ための装置を設置するための受け台52が必要である。
そのための受け台52は、外板部材60の内部に配置さ
れる。それぞれの受け台52の4辺に強度用部材64を
配置し、結合用部材66に接合する。揺動防止のための
装置から加えられる荷重は、車体長手方向、車体上下方
向と車体幅方向に変動し負荷される。本構造によれば、
受け台52の4辺に強度用部材64が配置されているの
で、上述した荷重条件に対して十分な強度を有する。
【0048】なお、前記図25および図26は、図示を
明瞭にするために表面の表材を無視して作図している。
【0049】図27〜図29に示す実施例について説明
する。図29はコア78,79の板状素材78a,79
aの方向を示すために接触部を離して示している。
【0050】左右方向の中央部には縦方向に強度用部材
70を配置している。強度用部材70は四角形断面の例
えばアルミニウム合金製押出し形材よりなる角パイプで
あり、表材61,62、コア78にろう付けによって接
合している。また強度用部材70の長手方向の端部は結
合部材66,66にろう付けによって接合している。強
度用部材70は表材61,62、コア78よりも板厚が
厚い。外板部材60Xの角部に配置される補強用部材7
5は板状の部材であり、表材61,62に対して直角に
接している。補強用部材75は、隣接した結合部材66
同士とが成す角部、結合部材66と強度用部材70とが
成す角部に配置されている。結合部材66と強度用部材
70との中間位置の近傍を中心として2つの補強用部材
75をV状に配置している。補強用部材75は直角三角
形の斜辺部に相当するように配置されている。2つの表
材61,62内の空間内にはハニカム状のコア78,7
9を配置している。コア78,79を構成する板状素材
78a,79aの長手方向すなわちL方向は強度用部材
70の長手方向に平行に配置されている。なお、前記強
度用部材70が湾曲しており、外板部材60Xが曲面を
成す場合には、板状素材78a,79aのL方向を強度
用部材70の長手方向に直角な方向に配置する。前記角
部に配置するコア79の板状素材79aの端部又は各部
垂直方向の片の長さは補強用部材75の板厚分だけ短く
する。強度用部材70、補強用部材75のそれぞれの垂
直面にはろう材をクラッドされている。強度用部材7
0、補強用部材75、コア78,79はアルミニウム合
金製である。
【0051】これによれば、補強用部材75は三角形の
斜辺部のみであるので、重量が大幅に増大することがな
い。また、コア78,79の高さ寸法を同一にできるこ
とにより、板状素材78a,79aのを標準化が図れ
る。
【0052】補強用部材75は板状であるので、結合部
材66,66、強度用部材70との接触面積が小さい。
そこで、補強用部材75の長手方向の端部に、それ自体
の端を折曲げて接触片75a,75bを形成し、前記結
合部材66,66、補強用部材70との接触部の増大を
図っている。接触片75a,75bはセルS内に位置す
るようにする。これによれば、未完成のセルのなくすこ
とができる。
【0053】接触片75bに近接する他の補強用部材7
5がある場合は、接触片75bの部分で2つの補強用部
材75を接続して一体としてもよい。
【0054】強度用部材70はアルミニウム合金の押出
し型材である。強度用部材70は表材61,62を介し
て外部の強度部材(骨部材)85等へ溶接することがで
きる。また、強度用部材70はネジ等の締結手段の座に
することができる。これらは結合部材66,66につい
ても同様である。強度用部材70の断面形状がチャンネ
ル状の場合は、平行な2辺の間の辺が一方の表材に接す
るように、二枚の表材の間に配置される。また、前記強
度用部材70は、その断面形状をI形としてもよい。I
形断面の強度用部材70は、両端のフランジ部分の面積
が外板部材の曲げ剛性に大きく影響を与える。すなわ
ち、前記強度用部材70のI形断面の両端のフランジ部
分の面積が大きければ、これによって構成される外板部
材の曲げ剛性を向上できる。
【0055】前記強度用部材70の幅寸法Wは、外部の
強度部材85を溶接によって接合する際に、溶接熱が表
材61,62とコア78,79とを接合するろう材に悪
影響を与えない距離を確保できる寸法とするのがよい。
【0056】図27,図28および図29の実施例にお
いて、補強用部材75よりも角部側の三角形部のコア7
9のセルの大きさを他の部分のコア78のセルの大きさ
よりも小さくすれば、さらに角部の強度は向上する。上
記外板部材においては各部材の接合手段としてろう付け
を採用しているが、拡散接合や抵抗溶接が考えられる。
また、コアのセルの形状としては六角形以外も考えら
れ、セルの形状に対応して補強用部材の傾斜角度を設定
する。
【0057】図30および図31の台枠の実施例につい
て説明する。これらの台枠は隣接した外板部材60を横
梁32a,横梁32bを介して溶接によって接合する場
合の例である。図30の台枠を構成する横梁32aは、
隣接した外板部材60の間に上端部を挿入している。該
横梁32aのウエブ32wの両面には、表材61の表面
に接触する位置に突起32rがそれぞれ形成されてい
る。前記突起32rによって該横梁32aと隣接した外
板部材60の配置が正確に行なえる。組立ては、例え
ば、横梁32aに対して上方から外板部材60を載せる
ことによって行うことができ、容易に行うことができる
ものである。突起32rが表材61に接した状態で、前
記横梁32aの上端部が、結合部材66の端部に接触
するように前記横梁32aは構成されている。横梁32
aの上端部と隣接した外板部材60の端面は溶接部27
を形成することにより接合される。また、前記ウエプ3
2wと外板部材60は溶接部27を構成することにより
接合される。
【0058】図31の台枠を構成する横梁32bは、上
端部に突起32rが形成されているる。前記横梁32b
の突起32rに、隣接した結合部材60の結合部材6
6を接触させて配置する。このようにして横梁32bに
対して隣接した外板部材60を正確に配置する。これに
よれば、突起32rに上方のフランジ(66)を載せる
ので、溶接部27の裏当てを確実に構成できるものであ
る。
【0059】前記図30および図31に示した台枠の構
造によれば、各横梁32a,32bに形成されている突
起32rに外板部材60を接触させて配置することによ
り、溶接によって接合する各部材を正確に配置できる。
また、各横梁32a,32bと外板部材60とを突起3
2rの部分で溶接接合することにより、接合部の強度を
向上できる。図30および図31の溶接部27は、突起
32rおよび外板部材60の端部の形状を明確にするた
めに、実際よりも小さく示したが、該溶接部27は接合
する各部材の端部にそれぞれ十分溶け込んで構成されて
いる。また、横梁32a,32bの上部は外板部材(積
層パネル)60の一方の表材61側の結合用部材66と
他方の表材62側の結合用部材66に結合されている。
横梁32a,32bの一端から他端までの長さは積層パ
ネルの厚さ方向の曲げに対する強度として、横梁32
a,32bの一端から他端までの長さに所定距離が必要
であるとき、横梁32a,32bは積層パネルに重なっ
ているので、前記他方の表材66側からの横梁32a,
32bの突出量を小さくでき、全体として小型にできる
ものである。また、結合用部材66の曲がりを防止でき
るものである。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、鉄道車両構体の台枠を
小型にすると共に強度を向上でき、また、横梁と積層パ
ネルの接合を正確に容易にできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による鉄道車両構体の一実施例を示した
断面斜視図である。
【図2】図1に示した鉄道車両構体の全体外観を示す斜
視図である。
【図3】図1の鉄道車両構体に用いられる外板部材の構
成を示した正面図である。
【図4】図3のCC部断面図である。
【図5】図3のD部を拡大した正面図である。
【図6】図2のAA部断面を含む斜視図である。
【図7】図2のB部を拡大して示した正面図である。
【図8】図2の鉄道車両構体の台枠を示した平面図であ
る。
【図9】図8のE部を拡大した平面図である。
【図10】図9のFF部断面図である。
【図11】図9のGG部断面図である。
【図12】側構体における側窓部分の一実施例を拡大し
て示した正面図である。
【図13】図12のHH部断面図である。
【図14】図12のII部断面図である。
【図15】側構体における側窓部分の他の実施例を拡大
して示した正面図である。
【図16】図15のJJ部断面図である。
【図17】図15のKK部断面図である。
【図18】各隅部に補強用部材を備えた吹寄せの詳細構
造を示した正面図である。
【図19】水平方向の強度用部材を備えた吹寄せの詳細
構造を示した正面図である。
【図20】水平方向の強度用部材および補強用部材を備
えた吹寄せの詳細構造を示した正面図である。
【図21】水平,垂直方向の強度用部材および補強部材
を備えた吹寄せの詳細構造を示した正面図である。
【図22】交差した筋交い状の補強用部材を備えた吹寄
せの詳細構造を示した正面図である。
【図23】交差した筋交い状の補強用部材および水平方
向の強度用部材を備えた吹寄せの詳細構造を示した正面
図である。
【図24】図2の鉄道車両構体の屋根構体を示した平面
図である。
【図25】図24のL部を拡大して示した平面図であ
る。
【図26】図2の鉄道車両構体の妻構体を示した正面図
である。
【図27】本発明による外板部材の他の実施例を示した
表材の一部を除いて示した正面図である。
【図28】図27のMM部断面図である。
【図29】図27のN部を拡大して示した平面図であ
る。
【図30】本発明による鉄道車両の台枠の他の実施例を
示す垂直断面図である。
【図31】本発明による鉄道車両の台枠のさらに別の実
施例を示す垂直断面図である。
【符号の説明】
10・・・構体、20・・・側構体、21・・・腰板、22・・・幕
板、23・・・吹寄せ、24・・・側窓、30・・・台枠、31・
・・側梁、32・・・横梁、33・・・床板、40・・・屋根構
体、50・・・妻構体、60・・・外板部材、61,62・・・
表材、63・・・芯材、64・・・強度用部材、65・・・補強
用部材、66・・・結合用部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡崎 正人 山口県下松市大字東豊井794番地 株式 会社 日立製作所 笠戸工場内 (72)発明者 奥野 澄生 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (72)発明者 武市 通文 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (56)参考文献 特開 平4−237667(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の表材と、該2枚の表材の間に配置し
    た芯材と、該2枚の表材の間において該表材の縁部に配
    置した結合用部材と、からなり、前記2枚の表材に、前
    記芯材および前記結合用部材をろう付けして積層パネル
    を構成しており、 複数の前記積層パネルの前記結合部材同士を溶接して構
    成した鉄道車両構体において、 前記積層パネルによって台枠の床板を構成しており、 該台枠の床板の前記積層パネル同士の溶接部において、
    一方の前記積層パネルの前記結合用部材と他方の積層パ
    ネルの前記結合用部材との間に横梁を配置しており、 該横梁の上端は前記各積層パネルの上方の表材側の前記
    結合用部材の上方のフランジに溶接しており、 前記横梁の下端は前記各積層パネルの下方の表材よりも
    下方に位置しており、該下方の位置において該横梁の両
    側の側面に前記各積層パネル側に突出する突起を備えて
    おり、 該突起に前記各積層パネルの下方の表材が載っており、
    該突起に該下方の表材を溶接していること、 を特徴とする鉄道車両構体。
  2. 【請求項2】 2枚の表材と、該2枚の表材の間に配置し
    た芯材と、該2枚の表材の間において該表材の縁部に配
    置した結合用部材と、からなり、前記2枚の表材に、前
    記芯材および前記結合用部材をろう付けして積層パネル
    を構成しており、 複数の前記積層パネルの前記結合部材同士を溶接して構
    成した鉄道車両構体において、 前記積層パネルによって台枠の床板を構成しており、 該台枠の床板の前記積層パネル同士の溶接部において、
    一方の前記積層パネルの前記結合用部材と他方の積層パ
    ネルの前記結合用部材との間に横梁を配置しており、 該横梁の上端部の両側の側面に前記各積層パネル側に突
    出する突起を備えており、該突起に前記各積層パネルの
    前記結合用部材のフランジが載っており、該突起に該フ
    ランジを溶接しており、 前記横梁の下端は前記各積層パネルの下方の表材よりも
    下方に位置しており、該下方の位置において該横梁の両
    側の側面に前記各積層パネルの下方の表材を溶接してい
    ること、 を特徴とする鉄道車両構体。
JP4314598A 1992-11-25 1992-11-25 鉄道車両構体 Expired - Lifetime JP2658778B2 (ja)

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