JP2657825B2 - 外装用金属調フィルム及びその製造方法 - Google Patents

外装用金属調フィルム及びその製造方法

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JP2657825B2 JP63154805A JP15480588A JP2657825B2 JP 2657825 B2 JP2657825 B2 JP 2657825B2 JP 63154805 A JP63154805 A JP 63154805A JP 15480588 A JP15480588 A JP 15480588A JP 2657825 B2 JP2657825 B2 JP 2657825B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、装飾用金属調フィルム、詳しくは、接着剤
又は粘着剤を介し、或いは熱ラミネート等の手段によ
り、任意の対象に貼着して金属調の美麗な装飾を施すに
有用な装飾用金属調フィルムに関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来、外装用金属調フィルムは、例えば、ポリエステ
ル系フィルム、アクリル系フィルム、ポリ塩化ビニル系
フィルム等からなる表面樹脂層に金属層を蒸着、スパッ
タリング等の方法により被着・積層して形成され、装飾
用途等に用いられている。
上記表面樹脂層としてポリエステルフィルムを用いて
作成した金属調フィルムに於いては、金属層とポリエス
テルフィルムとの密着性は一般的に比較的良好である。
しかしながら、ポリエステル樹脂は、それ自体が耐候性
に乏しいために外装用途には適さず、また、ポリエステ
ルフィルムは非常に硬いために曲面追惰性に乏しく、曲
面に貼着することができないという欠点もあった。
また、表面樹脂層として上記アクリル樹脂フィルムを
用いて作成した金属調フィルムに於いては、アクリル樹
脂の特性として、耐溶剤性を向上させると柔軟性が低下
する傾向にあるため、印刷適性(耐溶剤性)に優れ且つ
柔軟性にも優れた性能を与えることができなかった。
また、表面樹脂層として塩化ビニル系樹脂からなるフ
ィルムを用いて作成した外装用金属調フィルムにおいて
は、塩化ビニル系フィルムの配合を種々調整して改質に
より、該フィルムに耐候性、柔軟性、耐溶剤性を付与す
ることができるが、この場合は、一般に金属層との密着
が得られにくく、そのため、特に屋外使用において、該
金属層に剥がれが発生する等の問題があった。また、こ
の場合は、屋外使用において、塩化ビニル樹脂の劣化に
起因して発生する塩酸により、金属層が腐食・劣化する
ことがあり、そのため真に耐候性の良い外装用金属調フ
ィルムが得られていないのが現状である。
一方では、塩化ビニル系フィルムを用いた場合の上記
欠点を解決するための試みもいくつかなされている。
例えば、特開昭58−42627号公報には、塩化ビニル樹
脂製品の表面に、エネルギー線照射により硬化するカチ
オン重合性樹脂組成物の硬化被膜層を設け、該被膜層の
表面に、金属蒸着を施すことを特徴とする塩化ビニル樹
脂製品の金属蒸着方法が提案されている。また、特開昭
51−140965号公報には、金属真空蒸着用プライマー組成
物としての種々の樹脂が提案されている。
しかしながら、上記提案では、何れも屋外使用を目的
としたものでないため耐候性についての考慮は全くなさ
れていない。また、印刷適性についての考慮も全くなさ
れていないため、上記提案の方法で作成した外装用金属
調フィルムは、その表面樹脂層にインク・クリアー等を
印刷し、次いでその乾燥をする場合、金属層に微細なク
ラックが発生する欠点があった。これは、上記乾燥のた
めに加熱した際に上記金属層が上記表面樹脂層の熱等に
よる変形に追惰しきれないために発生すると思われる。
また、表面樹脂層と金属層との間に中間層が介在する
外装用金属調フィルムを製造する場合において、特に表
面樹脂層として柔軟な樹脂を用いる場合は、上記中間層
又は金属層を被着する製造過程において、その製造途上
にある表面樹脂層等に張力や熱が加わったり溶剤が付着
したりして、該表面樹脂層に伸びや変形が生じ、その結
果上記金属層に亀裂が生じたり、時には上記表面樹脂層
が破れてしまうこともあり、それ故に安定して外装用金
属調フィルムを製造することが困難であるという問題も
ある。
従って、本発明の目的は、ポリ塩化ビニル系樹脂で形
成された表面樹脂層と金属層との密着性を向上し、且つ
該金属層の腐食・劣化を防止して前述の欠点を解消する
と同時に、外装用としての十分な耐候性と、曲面貼着可
能な柔軟性とを有し、しかも耐溶剤性、耐温水性、耐薬
品性等を有し、種々美麗な印刷が可能な優れた外装用金
属調フィルムを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、表面樹脂層と金属層との
間に中間層を介在してなる外装用金属調フィルムを安定
して製造できる外装用金属調フィルムの製造方法を提供
することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、種々検討した結果、特定の塩化ビニル
系樹脂からなる表面樹脂層(フィルム)と金属層との間
に特定の中間層を介在させることにより上記の目的が達
成されることを知見した。
本発明は上記知見によりなされたもので、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂からなる表面樹脂層に、金属層が、ポリウレ
タン系樹脂からなる中間層を介して被着形成されてお
り、 上記表面樹脂層が、 (A)0〜20重量%の共重合成分を含有する塩化ビニル
樹脂100重量部に対して (B)数平均分子量(Mn)が1,500以上の液状ポリエス
テル系可塑剤を1〜20重量部及び、他の塩化ビニル樹脂
用可塑剤を0〜10重量部、及び (C)エチレン/飽和カルボン酸のビニルエステル/一
酸化炭素系重合体樹脂からなる主鎖中に−C(=O)−
結合を有するエチレン/ビニルエステル系樹脂 を、上記(B)可塑剤合計量に対して45〜350重量%の
量、 で含有しており、厚さ20〜100μm、全光線透過率30%
以上、及び5%伸長時の引張強度2.0Kg/cm以下であり、 上記中間層が、厚さ0.5〜50μm、及び全光線透過率3
0%以上であり、且つ 上記金属層が、厚さ50〜200A0である外装用金属調フ
ィルムを提供するものである。
また、本発明は本発明は、上記外装用金属調フィルム
の好適な製造方法として、 支持フィルム上に、 (A)0〜20重量%の共重合成分を含有する塩化ビニル
樹脂100重量部に対して (B)数平均分子量(Mn)が1,500以上の液状ポリエス
テル系可塑剤を1〜20重量部及び、他の塩化ビニル樹脂
用可塑剤を0〜10重量部、及び (C)エチレン/飽和カルボン酸のビニルエステル/一
酸化炭素系重合体樹脂からなる主鎖中に−C(=O)−
結合を有するエチレン/ビニルエステル系樹脂 を、上記(B)可塑剤合計量に対して45〜350重量%の
量、 で含有しており、厚さ20〜200μm、全光線透過率30%
以上、及び5%伸長時の引張強度2.0Kg/cm以下のポリ塩
化ビニル系樹脂からなる表面樹脂層を被着形成し、 次いで該表面樹脂層に、厚さ0.5〜50μm、及び全光
線透過率30%以上のポリウレタン系樹脂からなる中間層
を被着形成し、 更に該中間層に、厚さ50〜2000A0である金属層を被着
形成し、然る後上記支持フィルムを剥離することを特徴
とする外装用金属調フィルムの製造方法を提供するもの
である。
次に、本発明の外装用金属調フィルムについて詳細に
説明する。
本発明において、表面樹脂層は塩化ビニル系樹脂で形
成され、その厚さは20μ〜200μに調整され、好ましく
は25μ〜100μに、更に好ましくは30μ〜70μに調整さ
れる。上記厚さが20μ未満の場合は、フィルムの強度が
低いため破れ易く、また貼着作業性が悪くなる傾向にあ
るため好ましくない。また上記厚さが200μを超える場
合は、表面樹脂層の柔軟性が失われる傾向にあり、且つ
コスト的にも高くなるため好ましくない。
また、上記表面樹脂層は、5%伸張時の引張強度が2.
0kg/cm以下の柔軟なフィルムとして調整される。5%伸
張時の引張強度が2.0kg/cmを超える場合、曲面貼着適性
が失われる傾向にあるため好ましくない。
更に、上記表面樹脂層は、全光線透過率が30%以上、
好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上になるよ
うに調整される。全光線透過率が30%未満の場合は、金
属光沢感が損われる傾向にあるため好ましくない。
上記塩化ビニル系樹脂としては、単独の塩化ビニル樹
脂又は共重合成分を含有する塩化ビニル樹脂を含有する
樹脂組成物であって、上記条件を満足する範囲内で安定
剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、改質樹脂、着色剤等の種
々の添加剤を必要に応じて含めることができ、特に耐候
性があるものが好ましく、次の組成からなる半硬質塩化
ビニル樹脂成形用のものである。即ち、 (A)0〜約20重量%の共重合成分を含有する塩化ビニ
ル樹脂100重量部に対して、 (B)数平均分子量(Mn)が約1,500以上の液状ポリエ
ステル系可塑剤を約1〜約20重量部及び、他の塩化ビニ
ル樹脂用可塑剤を0〜約10重量部、及び (C)エチレン/飽和カルボン酸のビニルエステル/一
酸化炭素系重合体樹脂からなる主鎖中に 結合を有するエチレン/ビニルエステル系樹脂を、上記
(B)可塑剤合計量に対して約45〜約350重量%の量、 で含有して成り、且つ降伏応力が1〜6kg/mm2である組
成物。
上記組成物において、(A)の塩化ビニル樹脂には特
に制約はなく、成形用に通常用いられるものであれば適
宜選択利用することができる。また、上記塩化ビニル樹
脂としては、塩化ビニル単独重合体のほかに、約20重量
%まで、好ましくは約10重量%、特に好ましくは約6重
量%までの共重合成分を含有する共重合体であってもよ
い。このような共重合体成分としては、塩化ビニルモノ
マーと共重合可能なビニルモノマーであれば特に制限な
く利用できる。
上記組成物において、(B)の可塑剤は、上記(A)
の塩化ビニル樹脂100重量部に対して、約1〜約20重量
部、好ましくは約1〜約15重量部、更に好ましくは約2
〜約10重量部の液状ポリエステル系可塑剤、及び0〜約
10重量部の他の塩化ビニル樹脂用可塑剤である。上記液
状ポリエステル系可塑剤としては、数平均分子量(Mn)
が約1,500以上、好ましくは約1,500〜約6,000、より好
ましくは約1,500〜約4,000、更に好ましくは約2,000〜
約4,000である。また、上記液状ポリエステル系可塑剤
としては、炭素数4〜15の二塩基酸と炭素数2〜20の二
価アルコールから導かれた液状ポリエステルを挙げるこ
とができ、その中でもアジピン酸、フタル酸、マレイン
酸の中から選ばれた1〜2種と、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオール、ブタ
ンジオールの中から選ばれた1〜3種とから導かれた液
状ポリエステルを好ましい例として挙げることができ
る。
また、併用可能な塩化ビニル樹脂用可塑剤としては特
に制限はなく、フタル酸エステルやエポキシ化合物等の
通常の可塑剤を挙げることができる。
前記組成物において、(C)のエチレン/ビニルエス
テル系樹脂は、上記(B)の可塑剤合計量に対して約45
〜350重量%、好ましくは約50〜約300重量%含有する。
上記(C)の共重合体樹脂及びその製法は公知であり
(例えば、特公昭55−50063号;特開昭48−26228号)、
更に市場で入手可能(例えば、商品名;エルバロイ・米
国デュポン社製)である。
上記(C)の樹脂の製造に用いられるビニルエステル
としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸エステルを
挙げることができる。
また、前記組成物において、降伏応力は1〜6kg/m
m2、好ましくは1〜5kg/mm2、より好ましくは1.2〜4.5k
g/mm2である。
以上説明した各要件を充足する組成物からなるフィル
ムは、該フィルムで外装用金属調フィルムを作成した場
合、印刷性、耐候性、曲面貼着適性、紫外線吸収剤保持
性等の外装用金属調フィルムとして要求される諸種の特
性を備えている。
本発明において、前記中間層は、ポリウレタン系樹脂
で形成される。
上記のポリウレタン系樹脂としては、ポリウレタン、
ポリウレタン尿素、ポリウレタン及びポリウレタン尿素
の混合物、ポリウレタン及び/又はポリウレタン尿素と
他の樹脂成分との混合物、ポリウレタン及び/又はポリ
ウレタン尿素の変性物を挙げることができる。
上記ポリウレタン及びポリウレタン尿素(以下、ポリ
ウレタン等ともいう)としては特に制限なく任意のもの
を利用でき、該両者を併用する場合も、その混合比率も
任意に変更できる。
また、上記ポリウレタン及び/又はポリウレタン尿素
に混合する他の樹脂成分としては、フェノール樹脂、フ
ラン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ポ
リイミド樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビリニデン樹脂、
酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルア
セタール、アルキド樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS
樹脂、AXS樹脂、メタクリル樹脂、アクリル酸エステル
樹脂、EVA樹脂、ポリアミド、繊維素樹脂、石油樹脂を
挙げることができる。
また、上記ポリウレタン等の変性物としては、重合成
分(変性成分)を作用させてなるグラフトポリマー、グ
ラフトポリマーと他成分との混合物又は反応物等を挙げ
ることができる。上記重合成分としては、アルキル(メ
タ)アクリレート類、アルキルアミノ(メタ)アクリレ
ート類、リン酸オキシアルキル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、N−ビニル
ピロリドン、アクリロニトリル、スチレン、アクリルア
ミド、ビニルトルエン、酢酸ビニル等のビニルモノマー
を挙げることができる。
上記変性物がグラフトポリマーである場合、該グラフ
トポリマーに混合又は反応させる他の成分としては、フ
ェノール樹脂、フラン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹
脂、グアナミン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、ケイ素樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニール樹脂、
塩化ビリニデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアル
コール、ポリビニルアセタール、アルキド樹脂、ポリス
チレン、AS樹脂、ABS樹脂、AXS樹脂、メタクリル樹脂、
アクリル酸エステル樹脂、EVA樹脂、ポリアミド、繊維
素樹脂、石油樹脂を挙げることができる。
また、上記ポリウレタン等の変性物の中でも、中間層
の形成に特に有効なものとしては、ポリウレタン及び/
又はポリウレタン尿素をグラフト化してなるグラフトポ
リマーと、アミノ樹脂系架橋剤とからなるものであっ
て、上記グラフトポリマーのグラフト鎖が、少なくとも
水酸基含有α−βエチレン系モノマー及びカルボキシル
基含有α−βエチレン系モノマーを含む混合モノマーの
共重合体で形成されているものを挙げることができる。
上記ポリウレタン系樹脂(ポリウレタン等の変性物)
について更に詳述すると、上記グラフトポリマーを構成
するポリウレタン及びポリウレタン尿素としては、塗
料、成型、印刷インキ等の分野で一般に用いられてい
る、ポリエステルジオールとジイソシアネートを原料と
して合成されるものが使用でき、その分子量が5,000〜1
00,000、好ましくは8,000〜50,000の範囲にあり、また
グラフト反応を円滑に実施するうえで、1分子中に0.2
〜3個、好ましくは0.5〜2個のα−βエチレン性不飽
和結合を有するものが好適である。
上記ポリウレタン中にα−βエチレン性不飽和結合を
導入する方法としては、中間原料としての、ボリエステ
ルジオールを合成する際に、適量のマレイン酸、イタコ
ン酸等を原料の一部として縮合させてやる方法を挙げる
ことができる。
上記ポリウレタンの製造に用いられるポリオールとし
ては、前記のα−βエチレン性不飽和結合を有する上記
ポリエステルに、α〜βエチレン性不飽和結合を含まな
いポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオー
ル、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタ
ンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタ
ノール、ネオぺンチルグリコール等の他の2官能アルコ
ールを混合して用いても良い。更に、高分子量化を望む
等の場合には、トリメチロールプロパン、トリメチロー
ルエタン、ペンタエリスリトール等の3官能以上のアル
コール類を一部に併用してもよい。但し、その量は3次
元化によるゲル化を考慮して技術的に許容される範囲内
に設定する必要がある事は言うまでもない。
また、上記ポリウレタンの製造に用いられるイソシア
ネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート等の一般に用いら
れるジイソシアネートを挙げることができ、これらは単
独で又は2種以上を併用して使用することができる。
また、ポリウレタン尿素は、上記ポリウレタンの合成
原料として例示した前記ポリオール化合物の1種以上
と、ポリイソシアネートの1種以上の原料を用いて常法
に基づいて末端イソシアネート基含有プレポリマーを合
成し、該プレポリマーについて1分子中に2つの第1級
及び/又は第2級のアミノ基を有するジアミン類による
鎖伸長度反応を常法に基づいて実施することにより得る
ことができる。
上記ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、
プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラ
ジン、イソホロンジアミン、シクロヘキシルメタンジア
ミン等を挙げることができる。
尚、ポリウレタン及びポリウレタン尿素の何れを製造
する場合においても、メタノール、エタノール、プロパ
ノール等のモノアルコールやジエチルアミン、ジプロピ
ルアミン、ジブチルアミン等のモノアミン、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、モノプロパノールア
ミン、ジプロパノールアミン等のアルカノールアミンを
鎖伸長停止剤として用いることもできる。
次に、前記グラフトポリマーを構成するグラフト鎖に
ついて説明すると、上記グラフト鎖の合成に用いられる
混合モノマーに含有される水酸基含有α−βエチレン系
モノマーとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリル
ート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、これらヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレートのカプロラクトン
変性物(商品名:プラクセルFMシリーズ・ダイセル化学
工業(株)製)、ポリエーテルジオールの(メタ)アク
リル酸エステル、即ちヒドロキシポリアルキレンエーテ
ルグリコールモノ(メタ)アクリレート等を挙げること
ができる。
尚、上記ヒドロキシル基含有α−βエチレン系モノマ
ーは、後に詳述する架橋構造を均一にするために上記混
合モノマーに5〜80モル%、好ましくは10〜50モル%範
囲で含有させることが望ましい。
また、上記混合モノマーに含有されるカルボキシル基
含有α−βエチレン系モノマーとしては、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸等
を挙げることができる。
尚、上記カルボキシル基含有α−βエチレン系モノマ
ーは架橋剤との相溶性を向上させ、均質なクリヤーフィ
ルムを形成させる観点より、上記混合モノマーに1〜40
モル%、好ましくは2〜20モル%の範囲で含有させるこ
とが望ましい。
更に、上記混合モノマーには、上記二つ必須のモノマ
ーの他に、アクリル共重合体製造時に通常用いられるモ
ノマー類、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)
アクリレート類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート等のアルキルアミノ(メタ)アクリレート類、リ
ン酸オキシアルキル(メタ)アクリレート、ジシクロペ
ンテニル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリゾ
ン、アクリロニトリル、スチレン、アクリルアミド、ビ
ニルトルエン、酢酸ビニル等を必要に応じて一種以上混
合することもできる。
前記ポリウレタン等と反応させる混合モノマーとして
は、塗膜の強靭性を維持する観点から等倍までであるこ
とが好ましい。但し、少なすぎる場合には架橋剤との相
溶性が低下し、クリヤーフィルム形成に支障をきたすと
ころから、上記ポリウレタン等100重量部に対し、混合
モノマーの量は2重量部以上好ましくは4重量部以上で
あることが好ましい。
また、上記ポリウレタン等のグラフト化反応は、該ポ
リウレタン等と上記混合モノマーとの混合系に、反応触
媒の存在下で重合を行わせることにより実施可能であ
る。その際に使用可能な反応触媒としては、アゾビスイ
ソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジター
シャルブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキ
サイド等の通常のラジカル重合反応に使用されるものを
挙げることができる。
尚、前記ポリウレタン系樹脂を製造するに当たり、中
間原料として用いられる前述のポリウレタン、ポリウレ
タン尿素及びグラフトポリマー等の製造に際しては、適
宜、有機溶剤の1種又は2種以上を用いて適切な粘度に
調整することができることはいうまでもない。
前記ポリウレタン系樹脂を形成するために、グラフト
ポリマーと共に使用されるアミノ樹脂系架橋剤として
は、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂等
のアミノ樹脂をメチロール化、メトキシ化、ブトキシ化
等の処理を施したアミノ樹脂誘導体を挙げることができ
る。
上記グラフトポリマーと上記アミノ樹脂系架橋剤との
配合割合は、耐水性の向上と塗膜の強靭性とのバランス
を維持する観点より、該グラフトポリマー100重量部に
対し、上記架橋剤5〜60重量部、より好ましくは10〜40
重量部であることが望ましい。
また、前記ポリウレタン系樹脂を調整するに際して
は、前記グラフトポリマーと前記架橋剤以外に、塗料技
術分野等で通常用いられている希釈溶剤、レベリング
剤、チキソトロピー付与剤等を添加し、更に必要に応じ
硬化触媒、染料、顔料等を加えて調整することができる
ことはいうまでもない。
以上の如く詳述してきたポリウレタン系樹脂で本発明
の外装用金属調フィルムにおける中間層を形成する方法
としては、特に制限はなく、上記ポリウレタン系樹脂を
溶液とし、更に所望の成分を添加してポリマー溶液を調
整し、該ポリマー溶液をスプレー塗装、カーテンフロー
塗装、ロールコーター塗装、ドクターナイフ塗装、浸漬
塗装、流し塗り、刷毛塗り等の通常用いられる塗装方法
を制限なく挙げることができる。
上記のようにポリウレタン系樹脂で中間層を形成する
ことにより、後に説明する金属層の保護、その十分な固
定及び金属層の密着性、また、金属調フィルムとしての
長期耐候性を得ることが可能となる。
上記中間層の厚さは0.5〜50μ、好ましくは1〜30
μ、更に好ましくは2μ〜20μに調整される。上記中間
層の厚さが0.5μ未満の場合は、金属層の固定が難し
く、その上、塩化ビニル系樹脂の劣化に起因する塩酸等
から金属層を保護し、且つ塩化ビニル系樹脂からなるフ
ィルム(以下、塩化ビニル系フィルムともいう)からの
配合剤等の移行を有効に防止することができない。ま
た、上記厚さが50μ以上の場合は、コストが高くなるた
め好ましくないことはもとより、塩化ビニル系フィルム
の持つ柔軟性が損なわれる等の問題も生じるため好まし
くない。また、上記中間層は、塩化ビニル系フィルムの
柔軟性を阻害しないように、且つ金属層を十分に保持・
固定するように、その硬さを鉛筆硬度B〜2Hにすること
が好ましい。
また、上記中間層は、全光線透過率が30%以上に調整
される。全光線透過率が30%未満の場合は、金属光沢感
が失われる傾向にあり好ましくない。また、上記中間層
は必要に応じて架橋させることもでき、更に該中間層に
は上記の光線透過率等の条件を満足する範囲で種々配合
剤が添加できる。その配合剤としては、例えば、一般顔
料、パール顔料及び金属箔等の着色剤や紫外線吸収剤、
安定剤、カップリング剤、抗酸化剤、改質剤等を挙げる
ことができる。
本発明において、金属層は下記金属で形成することが
でき、その厚さは、使用する金属によって異なるが、50
Å〜2,000Å、好ましくは100Å〜1,000Å、更に好まし
くは300Å〜600Åである。上記金属層の厚さが50Åより
薄い場合は、金属層の隠弊性が十分でないため、金属光
沢感が損なわれる等の問題があって好ましくなく、また
逆に2,000Åを超える場合は、金属層にクラックが入り
易く、その上コスト的にも高くなるため好ましくない。
上記金属層を設ける方法としては、得に限定されるも
のではなく、通常の蒸着法、スパッタリング法、転写
法、プラズマ法等が利用できる。特に作業性の面から蒸
着法、スパッタリング法が好ましく用いられる。本発明
の金属層を形成する金属も特に限定されるものではな
く、例えばアルミニウム、金、銀、銅、ニッケル、クロ
ム、マグネシウム、亜鉛等の金属を挙げることができ、
中でも作業性、形成のし易さ、耐久性等を考慮するとア
ルミニウム、クロム又はニッケルが好ましく、更には、
腐食性に優れたクロムを用いるのが特に好ましい。尚、
上記金属層は、二種以上の金属からなる合金で形成して
もよい。
通常、本発明の外装用金属調フィルムは、上述のよう
に金属層を被着形成した後、該金属層に重ねて粘着剤層
又は接着剤層を形成し、更に該粘着剤層等に剥離紙を貼
着合わせて完成される。そして、上記外装用金属調フィ
ルムは、上記粘着剤層又は接着剤層を介して所望の被貼
着体に貼り合わせて使用されるものである。上記粘着剤
層又は接着剤層としては特に制限はないが、アクリル
系、それも耐水性の良いアクリル系の粘着剤又は接着剤
で形成することが好ましい。尚、上記粘着剤層又は接着
剤層を形成する場合、金属層との間に他の樹脂層からな
る保護層を設けることもできる。
本発明の外装用金属調フィルムは、必ずしも上述のよ
うな粘着剤層又は接着剤層を形成したものに限るもので
なく、熱ラミネート等の他の手段で貼着する構造のもの
であってもよい。
次に、本発明の外装用金属調フィルムを作成するに好
適な外装用金属調フィルムの製造方法について説明す
る。
本発明の外装用金属調フィルムは、次のような方法で
容易且つ確実に製造することができる。
即ち、先ず支持フィルムを用意し、該支持フィルムの
一面に表面樹脂層を被着形成する。この支持フィルムと
しては各製造工程において、張力、熱、溶剤等の製造条
件に耐え得る材料からなるフィルムであれば特に制限は
ない。一般に工程紙と呼ばれるものを使用可能である
が、表面平滑性、厚み精度の面よりポリエステルフィル
ムが好適である。
また、上記表面樹脂層の形成方法も特に限定されるも
のではなく、例えば、スプレー法、印刷法、コーティン
グ法等を挙げることができるが、中でも作業性に優れる
溶液コーティング法、ゾルコーティング法等のコーティ
ング法が好適である。
次に、上記支持フィルムに形成した表面樹脂層の上に
ポリウレタン系樹脂からなる中間層を被着形成する。こ
の中間層の形成方法も特に限定されるものでなく、前記
表面樹脂層の場合と同様にスプレー法、印刷法、コーテ
ィング法等を採用することができ、また、場合によって
は熱ラミネート法を採用することもできる。
更に、表面樹脂層の上に形成した上記中間層の上に、
金属層を被着形成する。この金属層の形成方法も特に限
定されるものでなく、真空蒸着法、スパッタリング法、
プラズマ蒸着法等を採用することができる。
上記の如くして金属層を形成した後、上記支持フィル
ムを表面樹脂層から剥離することにより、本発明の外装
用金属調フィルムが形成される。尚、例えば、粘着剤、
接着剤を外装用金属調フィルムに積層する工程等の後工
程まで、上記外装用金属調フィルムを支持フィルムから
剥がさずに種々の処理を行うことができることはいうま
でもない。
以上説明した本発明の製造方法によれば、上記支持フ
ィルムが各工程において金属調フィルム各層の固定用キ
ャリヤーとして機能すると同時に、表面樹脂層の保護層
としても機能するため、上記外装用金属調フィルムを容
易且つ確実に製造することができると共に、各工程にお
いて外的要因によって表面に傷が付くことを有効に防止
することができる。
尚、本発明の製造方法において、所望により、表面コ
ート層、金属層の保護層を形成する工程を付加すること
も可能である。
〔実施例〕
次に実施例を挙げて、本発明の外装用金属調フィルム
について更に詳細に説明する。
先ず、実施例の説明に先立って、実施例及び比較例で
行った試験方法について説明する。
全光線透過率 直読ヘイズメータ(株式会社 東洋精機製作所製)を
用い、JIS−K−6714の平行光線透過率の測定に準拠し
て全光線透過率を測定した。
引張試験(5%伸張時の引張強度測定) JIS−K−6734に従い、試料フィルムを所定形状に裁
断して引張試験用サンプルを作成し、このサンプルにつ
いて、温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境下、引張
速度200mm/min、引張間隔100mm、チャートスピード500m
m/min.の条件で引張試験機(株式会社 東洋精機製作所
製)により引張り試験を行った。その時のチャートから
伸び5%の時の強度を読みとり、5%伸張時の引張強度
とした。
耐熱性 外装用金属調フィルムを50mm×50mmに裁断し、剥離紙
をはがした後、スキージを用いてアルキッドメラミン塗
装板(日本テストパネル工業(株)製)の上に貼りつけ
た。次にこれを72時間室温に放置後、80℃±2℃に設定
された循環式熱風乾燥機中に168時間静かに放置し、加
熱処理を行った。上記加熱処理終了後、パネルを取り出
し、フィルムのクラックの状態を観察し、下記内容の○
・△・×の3段階で評価した。
○…フィルム表面にクラックがなく、且つ鏡面性があ る。
△…フィルム表面の一部分にクラックの発生が見られ る。
×…フィルム表面にクラックがあり、且つ鏡面性が失わ
れている。
曲面貼着適性 外装用金属調フィルムを直径180mmのステンレス製ボ
ールの底の曲面を利用して貼り付け、直径何mmの円形の
外装用金属調フィルムが皺を生じさせることなく貼着可
能であるかにより評価した。評価方法は、皺が無い状態
で貼ることができた最大直径値を曲面貼着適性値とし
た。
表面樹脂層に対する中間層の密着性 金属蒸着する前の段階のフィルムに粘着剤層を形成
し、それをアルミ板に貼り付けて80℃の温水に4時間浸
漬し、その後温水中より取り出し、24時間室温に放置し
た後、表面樹脂層と中間層との間の密着力を一枚刃のか
みそり刃でそれらの分離を試みることによりチェック
し、下記内容のの ○・×で評価した。
○…表面樹脂層と中間層が完全に密着している。
×…表面樹脂層と中間層が分離する。
金属層の密着性 粘着剤層(又は接着剤層)を形成する前の段階にある
試験片の金属層側にセロハンテープを圧着する。上記セ
ロハンテープを勢いよく引き剥がした際の金属層の剥離
状態を観察し、下記内容の○・×で評価した。
○…金属層が剥がれない。
×…金属層が一部分でも剥がれる。
耐温水性 耐温水性(1)…金属層蒸着前のフィルムを40℃の温水
に168時間浸漬し、そのときのフィルムの白化の程度に
より下記内容の○、△、×の3段階で評価した。
○…異常無し △…フィルムの全面あるいは一部にごく薄い白化が生じ ている。
×…フィルムの全面に白化が生じている。
耐温水性(2)…外装用金属調フィルムを50mm×50mmに
裁断し、剥離紙をはがした後、スキージを用いてアルキ
ッドメラミン塗装板(日本テストパネル工業(株)製)
の上に貼りつけた。次にこれを72時間室温に放置後、80
℃の温水に4時間浸漬し、同様に評価した。
耐溶剤性 (1)耐ガソリン…外装用金属調フィルムを50mm×50mm
に裁断し、剥離紙をはがした後、スキージを用いてアル
キッドメラミン塗装板(日本テストパネル工業(株)
製)の上に貼りつけた。次にこれを72時間室温に放置
後、20℃のガソリンに30分間浸漬し、そのときのフィル
ムの外観により、下記内容の○、△、×の3段階で評価
した。
○…異常無し △…フィルムの一部にクラックが生じている。
×…フィルムの全面にクラックが生じている。
(2)耐メタノール…外装用金属調フィルムを50mm×50
mmに裁断し、剥離紙をはがした後、スキージを用いてア
ルキッドメラミン塗装板(日本テストパネル工業(株)
製)の上に貼りつけた。次にこれを72時間室温に放置
後、20℃のメタノールに10分間浸漬し、そのときのフィ
ルムの外観により、下記内容の○、△、×の3段階で評
価した。
○…異常無し △…フィルムのエッジ部分の鏡面性が失われている。
×…フィルムの全面の鏡面性が失われている。
耐薬品性 (1)耐酸性…外装用金属調フィルムを50mm×50mmに裁
断し、剥離紙をはがした後、スキージを用いてアルキッ
ドメラミン塗装板(日本テストパネル工業(株)製)の
上に貼りつけた。次にこれを72時間室温に放置後、200P
PMのH2SO3水溶液に常温で14日間浸漬し、そのときのフ
ィルムの外観により、下記内容の○、△、×の3段階で
評価した。
○…異常無し △…フィルムのエッジ部分のみアルミニウムの腐食が生 じている。
×…フィルムの全面にアルニミウムの腐食が生じてい る。
(2)耐塩水性…外装用金属調フィルムを50mm×50mmに
裁断し、剥離紙をはがした後、スキージを用いてアルキ
ッドメラミン塗装板(日本テストパネル工業(株)製)
の上に貼りつけた。次にこれを72時間室温に放置後、3
%NaCl水溶液に常温で1ケ月間浸漬し、そのときのフィ
ルムの外観により、下記内容の○、△、×の3段階で評
価した。
○…異常無し △…フィルムのエッジ部分のみアルミニウムの腐食が生 じている。
×…フィルムの全面にアルミニウムの腐食が生じてい
る。
耐候性(QUV) 外装用金属調フィルムをアルミ板(17×35mm)に貼り
つけ、充分室温で放置した後、Q.U.V.(The Q−Panel C
ompany)で促進暴露試験を行った。
評価は300時間経過時及び700時間経過時に、標準試料
片(表面樹脂層)と比較して下記内容の○・△・×の3
段階で評価した。
○…異常無し △…フィルムのエッジ部分の鏡面性が失われている。
×…フィルムの全面の鏡面性が失われている。
〔実施例1〕 先ず、次の基本配合からなる樹脂組成物を用いてキャ
スティング法により厚さ40μのフィルムを作成し、外装
用金属調フィルムの表面樹脂層とした。このフィルム
は、5%伸張時の引張強度が1.5kg/cmで、全光線透過率
が89%であった。尚、後に示すように、上記フィルムは
支持フィルムに被着された状態で後の工程が行われる。
基本配合 塩化ビニル樹脂 100 エチレン/ビニルエステル系樹脂 25 ポリエステル可塑剤 10 尚、上記塩化ビニル樹脂としては、ニカビニルSG−11
00N(日本カーバイド工業(株)製)を、エチレン/ビ
ニルエステル系樹脂としてはエルバロイをそれぞれ用
い、また、ポリエステル可塑剤としてはプロピレングリ
コール、ブタンジオール及びヘキサンジオールからなる
混合二価アルコールとアジピン酸とから合成された数平
均分子量(Mn)が約3000のものを用いた。また、キャス
ティング法によるフィルムの作成は、具体的には次のよ
うにして行った。
混合樹脂成分の樹脂濃度が20重量%になるようにテト
ラヒドロフランを加え、密閉容器中100℃、2時間撹拌
溶解して樹脂溶液組成物を得た。
次いで上記樹脂溶液組成物を冷却し脱泡したのち、ポ
リエステルフィルム(支持フィルム)上にキャスターを
用いて流延し、140℃で15分間熱風乾燥を行ない、支持
フィルムに被着された状態の表面樹脂層を構成するフィ
ルムを作成した。
次に、下記ポリウレタン(ポリウレタン系樹脂)溶液
を、スクリーン印刷機(商品名:ミノマット600L・ミノ
グループ製)で、180メッシュ・モノテトロン製スクリ
ーンを用い、表面樹脂層を構成する上記フィルムの片面
にコーティングした。次いで、120℃±3℃に調整され
たオーブン中で60分間乾燥を行い、厚さ10μの中間層を
形成した。この中間層の全光線透過率は88%であった。
尚、上記ポリウレタン溶液としては、商品名:バーノッ
クL7−920(大日本インキ化学工業(株)製・不揮発分2
5±1%、溶剤トルエン、セカンダリーブタノール、粘
度Z1〜Z4)を用いた。
次に、上記中間層の表面にアルミ蒸着を行って金属層
を厚さ約500Åで形成した後、該金属層の表面にアクリ
ル系粘着剤(商品名:PE−121・日本カーバイド工業
(株)製)100重量部と架橋剤(商品名:コロネートL
・日本ポリウレタン工業(株)製)1重量部の混合溶液
を塗布し、乾燥して厚さ約35μの粘着剤層を形成し、更
に該粘着剤層に塗布面にシリコーンコートした剥離紙を
貼り合わせた後、ポリエステルからなる前記支持フィル
ムを剥がすことにより外装用金属調シートを作成した。
こうして作成した本実施例1の外装用金属調フィルム
について行った前記各試験項目の評価結果を以下の実施
例の結果とともに下記表1に示した。
尚、比較のために標準として表面樹脂層単独の場合
(後に説明する比較例1)の結果をも併記した。
〔実施例2〕 本実施例2の外装用金属調フィルムは、中間層を下記
ポリウレタン系樹脂で形成した以外は、構造、寸法及び
製造方法等は前記実施例1の場合と略同様である。
本実施例2におけるポリウレタン系樹脂は、以下のポ
リウレタン樹脂をアクリルモノマーでグラフト化してな
るグラフトポリマーである。即ち、本実施例1で用い
た、商品名:バーノックL7−920をベースウレタンとし
て使用し、それに少なくとも水酸基含有α−βエチレン
系モノマー及びカルボキシル基含有α−βエチレン系モ
ノマーを含む混合モノマーをグラフト化させた不変色ア
クリルグラフト化ウレタンラッカー・商品名:バーノッ
クL8−971(大日本インキ化学工業(株)製・不揮発分2
5±1%、溶剤トルエン、DMF)である。そして、上記ポ
リウレタン系樹脂で形成した中間層の全光線透過率は88
%であった。
〔実施例3〕 本実施例3の外装用金属調フィルムは、中間層を下記
ポリウレタン系樹脂で形成した以外は、構造、寸法及び
製造方法等は前記実施例1の場合と略同様である。
本実施例3におけるポリウレタン系樹脂は、ウレタン
樹脂100重量部、及び架橋剤25重量部を基本配合とする
ものである。尚ここで、上記ウレタン樹脂としては本実
施例1で使用した、商品名:バーノックL7−920を、ま
た、架橋剤としては、ブチル化メラニン樹脂・商品名:
スーパーベッカミンJ−820−60(大日本インキ工業
(株)製)・不揮発分60%、溶剤キシレン、n−ブタノ
ール、粘度Q〜T)を用いた。そして、上記ポリウレタ
ン系樹脂で形成した中間層の全光線透過率は88%であっ
た。
〔実施例4〕 本実施例4の外装用金属調フィルムは、中間層を下記
ポリウレタン系樹脂で形成した以外は、構造、寸法及び
製造方法等は前記実施例1の場合と略同様である。
本実施例4におけるポリウレタン系樹脂は、グラフト
化ポリウレタン樹脂100重量部、及び架橋剤25重量部を
基本配合とするものである。尚ここで、上記グラフト化
ポリウレタンとしては、本実施例2で使用した、商品
名:バーノックL8−971を、また、架橋剤としては本実
施例3で使用したブチル化メラミン樹脂・商品名:スー
パーベッカミンJ−820−60を用いた。そして、上記ポ
リウレタン系樹脂で形成した中間層の全光線透過率は88
%であった。
下記表1より、本発明の外装用金属調フィルムは、記
載した各種性質に優れていることが明らかである。
〔比較例1〕 先ず、次の基本配合からなる樹脂組成物を用いてキャ
スティング法により厚さ40μのフィルムを作成し、外装
用金属調フィルムの表面樹脂層とした。このフィルム
は、5%伸張時の引張強度が1.5kg/cmで、全光線透過率
が89%であった。尚、後に示すように、上記フィルムは
支持フィルムに被着された状態で後の工程が行われる。
基本配合 塩化ビニル樹脂 100 エチレン/ビニルエステル系樹脂 25 ポリエステル可塑剤 10 尚、上記塩化ビニル樹脂としては、ニカビニルSG−11
00N(日本カーバイド工業(株)製)を、エチレン/ビ
ニルエステル系樹脂としてはエルバロイをそれぞれ用
い、また、ポリエステル可塑剤としてはプロピレングリ
コール、ブタンジオール及びヘキサンジオールからなる
混合二価アルコールとアジピン酸とから合成された数平
均分子量(Mn)が約3000のものを用いた。また、キャス
ティング法によるフィルムの作成は、具体的には次のよ
うにして行った。
混合樹脂成分の樹脂濃度が20重量%になるようにテト
ラヒドロフランを加え、密閉容器中100℃、2時間撹拌
溶解して樹脂溶液組成物を得た。
次いで上記樹脂溶液組成物を冷却し脱泡したのち、ポ
リエステルフィルム(支持フィルム)上にキャスターを
用いて流延し、140℃で15分間熱風乾燥を行い、支持フ
ィルムに被着された状態の表面樹脂層を構成するフィル
ムを作成した。
次に、上記表面樹脂層の表面にアルミ蒸着を行って金
属層の厚さ約500Åで形成した後、該金属層の表面にア
クリル系粘着剤(商品名:PE−121・日本カーバイド工業
(株)製)100重量部と架橋剤(商品名:コロネートL
・日本ポリウレタン工業(株)製)1重量部の混合溶液
を塗布し、乾燥して厚さ約35μの粘着剤層を形成し、更
に該粘着剤層に塗布面にシリコーンコートした剥離紙を
貼り合わせた後、ポリエステルからなる前記支持フィル
ムを剥がすことにより外装用金属調シートを作成した。
こうして作成した比較例1の外装用金属調フィルムに
ついて行った前記各試験項目の評価結果を下記表−1に
示した。
〔発明の効果〕 本発明の外装用金属調フィルムは、金属層の密着性が
良好で、且つ曲面貼着が可能で、更に表面樹脂層には種
々美麗な印刷が可能であり、しかも上記金属層に経時的
な腐食・劣化が生じることがなく、耐候性にも優れ、更
に耐温水性、耐溶剤性、耐薬品性にも優れている。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリ塩化ビニル系樹脂からなる表面樹脂層
    に、金属層が、ポリウレタン系樹脂からなる中間層を介
    して被着形成されており、 上記表面樹脂層が、 (A)0〜20重量%の共重合成分を含有する塩化ビニル
    樹脂100重量部に対して (B)数平均分子量(Mn)が1,500以上の液状ポリエス
    テル系可塑剤を1〜20重量部及び、他の塩化ビニル樹脂
    用可塑剤を0〜10重量部、及び (C)エチレン/飽和カルボン酸のビニルエステル/一
    酸化炭素系重合体樹脂からなる主鎖中に−C(=O)−
    結合を有するエチレン/ビニルエステル系樹脂を、 上記(B)可塑剤合計量に対して45〜350重量%の量、 で含有しており、厚さ20〜200μm、全光線透過率30%
    以上、及び5%伸長時の引張強度2.0Kg/cm以下であり、 上記中間層が、厚さ0.5〜50μm、及び全光線透過率30
    %以上であり、且つ 上記金属層が、厚さ50〜2000A0である外装用金属調フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】上記中間層を構成するポリウレタン系樹脂
    が、ポリウレタン及び/又はポリウレタン尿素をグラフ
    ト化してなるグラフトポリマーとアミノ樹脂系架橋材と
    からなり、上記グラフトポリマーのグラフト鎖が、少な
    くとも水酸基含有α−βエチレン系モノマー及びカルボ
    キシル基含有α−βエチレン系モノマーを含む混合モノ
    マーの共重合体で形成されている請求項(1)記載の外
    装用金属調フィルム。
  3. 【請求項3】支持フィルム上に、 (A)0〜20重量%の共重合成分を含有する塩化ビニル
    樹脂100重量部に対して (B)数平均分子量(Mn)が1,500以上の液状ポリエス
    テル系可塑剤を1〜20重量部及び、他の塩化ビニル樹脂
    用可塑剤を0〜10重量部、及び (C)エチレン/飽和カルボン酸のビニルエステル/一
    酸化炭素系重合体樹脂からなる主鎖中に−C(=O)−
    結合を有するエチレン/ビニルエステル系樹脂を、 上記(B)可塑剤合計量に対して45〜350重量%の量、 で含有しており、厚さ20〜200μm、全光線透過率30%
    以上、及び5%伸長時の引張強度2.0Kg/cm以下のポリ塩
    化ビニル系樹脂からなる表面樹脂層を被着形成し、 次いで該表面樹脂層に、厚さ0.5〜50μm、及び全光線
    透過率30%以上のポリウレタン系樹脂からなる中間層を
    被着形成し、 更に該中間層に、厚さ50〜2000A0である金属層を被着形
    成し、然る後上記支持フィルムを剥離することを特徴と
    する外装用金属調フィルムの製造方法。
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