JP2657235B2 - 被覆超硬質合金工具 - Google Patents

被覆超硬質合金工具

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JP2657235B2
JP2657235B2 JP2108238A JP10823890A JP2657235B2 JP 2657235 B2 JP2657235 B2 JP 2657235B2 JP 2108238 A JP2108238 A JP 2108238A JP 10823890 A JP10823890 A JP 10823890A JP 2657235 B2 JP2657235 B2 JP 2657235B2
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裕介 井寄
順彦 島
正幸 松崎
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は超硬合金の被覆、特に基体と皮膜の密着性の
改良に関する。
[従来の技術] 従来、超硬合金にTiC、TiN、Al2O3等を被覆した工具
に関しては数多くの製品が実用化されているが、その傾
向は耐摩耗性の向上を主眼とした改善であった。
しかし、被覆工具の用途拡大によってその使用される
領域も拡大し、荒加工、重断続切削等にも使用可能な工
具が要求されている。
また、高速切削化も進み、中または軽断続切削では仕
上げに近い速度で行われるため、化学的な安定性にたい
しても長寿命化が求められている。しかし、超硬合金は
基本的に脆性材料であるためチッピング、衝撃等による
欠けが生じやすく、また皮膜に関しても連続切削でない
ため、膜相互間の密着性が十分でないと剥離しやすい。
[発明が解決しようとする問題点〕 つぎに、超硬合金の基体については、従来M20〜M30相
当の合金にTiN等の窒化物を添加し、表面近傍に、いわ
ゆる脱ベータ層を作り(基体表面から5〜50ミクロン程
度をWC−Co相とする)、皮膜から伝播するクラック等の
伸展を阻害し、基体−皮膜の強度を高める方法が取られ
ている。(特開昭54−87719) しかし、この方法では、 1)基体中に多量の窒化物を添加するため、焼結性が悪
くなり、欠陥が発生しやすくなる。
2)皮膜最内層がTiC、TiN等のTi化合物であり、接合部
分が同種の材料でないため、密着強度が弱く、特にTiC
の場合にはカーボンの移動による脱炭相が生じやすい等
の欠点がある。そのため、特開昭54−87719では、基体
中にフリーカーボンを0.01〜0.5%程度含有させる等の
対策を講じている。
つぎに、皮膜については、その要因は数多くあり、用
途により特長を持たせる事が可能である。そのため化学
蒸着法(CVD)の特長を生かして、強度を優先する皮膜
の適用、すなわち、基体と皮膜間の脱炭層を少なくする
ためにはカーボンの移動を阻害する膜質を選定し、か
つ、基体−皮膜間の密着性を確保するため1つの層を薄
くすることに効果がある。
[問題点を解決する手段〕 そのため、本発明者らはJIS M系超硬合金において
脱ベータ相を前提とし、脆弱な脱炭層の生成の防止に関
して種々検討した結果、CVD法でTiN皮膜を組み合わせる
と脱炭層の原因となるカーボンの移動が減少し脱炭層の
生成が著しく減少するが、同時に窒化物を基体上に被覆
するため基体−皮膜間の密着が悪く実用には適さなかっ
た。しかし、最内層にTiCを密着性が改善される程度組
み合わせる事により双方のパランスがとれ、脱ベータ相
による強度の向上、密着性をおとさずに、脱炭層を減少
する事が可能となり、総合的に重断続切削の衝撃による
チッピングや皮膜の剥離に対し、十分な強度の被覆工具
が得られた。
[作用〕 以上のごとく、本発明は周期律表の4a,5a,6a族の炭化
物、窒化物、炭窒化物の1種以上と、Fe族、Cr族の1種
以上よりなる超硬質合金を基体とし、該基体表面に5〜
50ミクロンの脱ベータ相を生成し、その基体上に、 1)最内層としてTiC 0.2〜1ミクロン 2)第2層としてTiN 1.0〜5ミクロン 3)第3層としてTiC、TiCNまたはAl2O3の1種または2
種以上5〜15ミクロン 4)最外層としてTiNを1.0〜5ミクロン 被覆したことを特徴とする被覆超硬合金工具である。
本発明による被覆工具の脱ベータ相、皮膜は以下の理
由により限定される。
1)脱ベータ相 5〜50ミクロン 脱ベータ相の厚さが5ミクロン未満では充分な強度を
付与することが出来ず、50ミクロンをこえると耐摩耗性
(耐溶着性)が悪くなるため5〜50ミクロンとした。
また、脱ベータ相を生成するためには窒化物を添加
し、その脱窒現象を応用した溶質移動により生成する方
法が一般的に行われているが、本発明では焼結時の雰囲
気調整を窒素雰囲気と浸炭性雰囲気を調整することによ
り結合金属量をほぼ同量に保ちつつ生成する事ができ
る。また、TiNでも十分生成出来るが、他の窒化物で
も、例えばTa、Nb等の5a族の窒化物、炭窒化物でもその
添加量と窒素雰囲気調整により十分生成する事ができ
る。
2)最内層 TiC 0.2〜1ミクロン 基体WC−Co合金との密着性を保つためには0.2ミクロ
ン以上必要であり、また1ミクロンを越えると界面に脱
炭層を生じやすくなるため0.2〜1ミクロンとした。
3)第2層 TiN 1.0〜5ミクロン 基体WC−Co合金からの脱カーボンを阻害するため、1
ミクロン以上必要であり、また5ミクロンを越えると耐
摩耗性の付与が十分でないため1.0〜5ミクロンとし
た。
3)第3層 TiC、TiCNまたはAl2O3の1種または2種以
上 5〜15ミクロン 耐摩耗性を十分にもたせるため、5ミクロン以上必要
であり、また15ミクロンを越えると皮膜全体の厚さが厚
くなり剥離を生じやすくなるため、5〜15ミクロンとし
た。
4)最外層 TiN1.0〜5ミクロン 耐溶着性を十分にもたせるため、1.0ミクロン以上必
要であり、また5ミクロンを越えると剥離を生じやすく
なるため、1.0〜5ミクロンとした。
以下、本発明に関し具体的に説明する。
[実施例1] 市販のWC粉末(平均粒度5.0μm)、TiC粉末(同1.0
μm)、TiN粉末(同1.0μm)、TaC粉末(1.5μm)及
び結合相としてCo粉末を使用して、一般に旋削用の基体
に使用されるJIS M20相当(組成86WC−2TiC−5TaC−7C
o−0.2TiN)になるように配合した。これらの粉末をN
量を変化させつつ配合し、混合終了後、乾燥した後、プ
レス成形し、メタン、窒素雰囲気を調整した真空中1400
℃で1hr焼結したのち、SNMF432の形状に加工した。
このチップを研磨し脱ベータ層の厚さを測定した結果
を第1表に示す。N量が少ないと十分な脱ベータ層は生
成できずある程度以上の添加量が必要であり、また、添
加はTiNとして実施した。
[実施例2] 実施例1と同様な粉末とTaN粉末(1.5μm)NbN粉末
(1.5μm)を使用して、液相発生温度以下における焼
結時の真空度、保持時間を変化させる事により脱ベータ
層の厚さを変化させ、実施例1と同様な方法で測定し
た。第2表にその脱ベータ層の厚さ示す。
TaN、NbN等の窒化物でも添加量と雰囲気の調整により
十分な厚さの脱ベータ層が得られる。
[実施例3] 実施例1、試料番号3で用いたJIS M30相当の超硬合
金(脱ベータ相25ミクロンを生成)、でSNMA432を製作
した。その表面に目的に応じて様々な表面処理を実施し
た。TiCはCVD反応炉中に設置し、H2ガスを流しながら、
1000℃まで昇温しTiCl42%、CH44%、H2残からなる混合
気体を流量7リッター/min圧力40mmHgの条件で供給し0.
2時間〜3時間反応させ基体上にTiCを0.2〜5ミクロン
の被覆層を形成させた。また同様にTiNの場合はガス系
をN22%に変更し0.2時間〜3時間反応させ基体上にTiN
を0.2〜5ミクロンの被覆層を形成させた。制作した資
料の膜質と膜厚を第1表に示す。
そのチップの耐欠損性と、剥離性を確認するため、フ
ライス工具での1枚刃切削にて切削試験を実施した。
ホルダー ダブルネガタイプ 1枚刃 チップ SNMA432 被削材 SCM440 HS45 切削速度 200m/min 送り 0.3mm/刃 切り込み 約5mm 寿命判定 5分切削後の損傷観察 切削後の損傷状態は、剥離によるもの、チッピングを
生じたもの、正常摩耗の3種類に分類できるが、その結
果を第3表に併記する。
第3表より最内層TiNではある程度薄くても剥離を生
じたがTiC層の場合には剥離はなく正常な摩耗を示し
た。しかし、最内層TiCが厚くなるにしたがい脱炭層の
生成が多くなり耐チッピング性が劣化する傾向にある。
[実施例4] 実施例1、試料番号5で用いたJIS M30相当の超硬合
金(脱ベータ相35ミクロンを生成)、でSNMA432を製作
した。その表面に目的に応じて様々な表面処理を実施し
た。その層構造を第4表に示す。
切削試験の条件は構造用鋼丸棒の断続切削にて実施し
た。断続切削では負荷が衝撃的に加わり、切削性能上重
要な耐チッピング性を確認した。
切削速度 200mm/min 送り 0.2mm/rev 切込み 3.0mm 切削時間 2min その結果、本発明のチップは皮膜の多層化に伴い、正
常な摩耗を示し、かつ、チッピングもなかった。さらに
耐摩耗性を比較するため同様な切削条件で継続して行っ
た。切削時間10分では各チップとも大差ないが、30分切
削後の逃げ面最大摩耗量ではいずれも正常摩耗を示し、
多層化の効果が確認できた。
[発明の効果〕 本発明の被覆超硬合金工具は脱ベータ層と皮膜最内層
TiCを特定することにより、基体中の強度アップと、脱
炭層の減少を達成し、刃先強度を増し、耐チッピング
性、耐摩耗性を向上させたものであり、被覆工具を断続
分野へより適用範囲を広げた工具である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−87719(JP,A) 特開 昭55−148762(JP,A) 特開 平2−38559(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周期律表の4a、5a、6a族の炭化物、窒化
    物、炭窒化物の1種以上と、Fe族、Cr族の1種以上より
    なる超硬合金を基体とし、該基体表面に5〜50ミクロン
    の脱ベータ層を生成し、その基体上には、 1)最内層として、TiC 0.2〜1ミクロン 2)第2層として、TiN 1.0〜5ミクロン 2)第3層として、TiC、TiN、TiCNまたはAl2O3の1種
    または2種以上 5〜15ミクロン 4)最外層として、TiN 1.0〜5ミクロン 被覆したことを特徴とする被覆超硬質合金工具。
  2. 【請求項2】請求項1記載の被覆超硬質合金工具におい
    て、該基体表面に脱ベータ層を生成するため、窒化物を
    N量に換算して0.05〜1.0%含有させたことを特徴とす
    る被覆超硬質合金工具。
  3. 【請求項3】請求項2記載の被覆超硬質合金工具におい
    て、窒化物がTiNで有ることを特徴とする被覆超硬質合
    金工具。
  4. 【請求項4】請求項2記載の被覆超硬質合金工具におい
    て、窒化物がTaNで有ることを特徴とする被覆超硬質合
    金工具。
  5. 【請求項5】請求項1記載の被覆超硬質合金工具におい
    て、該基体表面に脱ベータ層は基体の組成と比較して結
    合金属量がほぼ近似していることを特徴とする被覆超硬
    質合金工具。
  6. 【請求項6】請求項1記載の被覆超硬質合金工具におい
    て、外層のAl2O3皮膜が複層からなることを特徴とする
    被覆超硬質合金工具。
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