JP2655125B2 - デバイスシミュレーション方法 - Google Patents

デバイスシミュレーション方法

Info

Publication number
JP2655125B2
JP2655125B2 JP7492295A JP7492295A JP2655125B2 JP 2655125 B2 JP2655125 B2 JP 2655125B2 JP 7492295 A JP7492295 A JP 7492295A JP 7492295 A JP7492295 A JP 7492295A JP 2655125 B2 JP2655125 B2 JP 2655125B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
potential
analysis
initial value
time
electric field
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP7492295A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08130311A (ja
Inventor
郁宏 横田
成孝 熊代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
Nippon Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Co Ltd filed Critical Nippon Electric Co Ltd
Priority to JP7492295A priority Critical patent/JP2655125B2/ja
Publication of JPH08130311A publication Critical patent/JPH08130311A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2655125B2 publication Critical patent/JP2655125B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Complex Calculations (AREA)
  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体デバイスの数値解
析に関する。
【0002】
【従来の技術】 一般的なデバイス解析手法の概要 半導体デバイスの数値解析においては、キャリア(電
子、正孔)を、流体と見做して近似したドリフト−拡散
モデルが広く用いられている。より高次の近似をしたエ
ネルギー輸送モデルが用いられることもある。本明細書
で述べる本発明の手法も、従来手法も、ドリフト−拡散
モデル、エネルギー輸送モデルのどちらにおいても適用
可能である。定常状態でのドリフト−拡散モデルのデバ
イスシミュレーションにおいては、基本方程式として、
以下に示される様な、電荷保存式、電子電流連続式、正
孔電流連続式が設定される[壇良編著“プロセス・デバ
イス・シミュレーション技術”、産業図書、1990
年]。
【0003】
【0004】D :電束密度 ρ :電荷密度 Ε :電界 ε :誘電率 q :素電荷 p :正孔密度 n :電子密度 ND :ドナー密度 NA :アクセプタ密度
【0005】
【0006】Jn :電子電流 Jp :正孔電流 R :キャリア再結合項 G :キャリア生成項
【0007】
【0008】μn :電子移動度 μp :正孔移動度 Dn :電子拡散係数 Dp :正孔拡散係数
【0009】
【0010】kB :ポルツマン定数 Τ :温度 上述の式で、解かれるべき変数はポテンシャルψ、電子
密度n、正孔密度pである。一般に、指定された複数の
印加バイアスを境界条件として、順次バイアスを更新し
て、これらの電荷保存式、電子電流連続式、正孔電流連
続式が計算される。
【0011】これら電荷保存式、電子電流連続式、正孔
電流連続式は非線形な方程式であるため、一般に、ニュ
ートン法と呼ばれる反復計算を行って、解を求める。ニ
ュートン法とは、以下のような手法である。
【0012】変数xについて方程式
【0013】
【0014】が与えられているとする。ある初期値x0
を与えた時、ある変動量δx0 をx0に加えた値が解を
与えるならば
【0015】
【0016】である。そして、F(x)の微係数をF′
(x0 )として、F(x0 +δx0 )をδx0 について
一次のテイラー展開を行うと、
【0017】
【0018】となる。そこで今度は、
【0019】
【0020】とおいて、x1 について同様の計算を行
う。これを順次繰り返してi回目の計算でのδxi が、
適当な微小量εよりも小さくなったならば(これを“収
束した”と言い、この判定を“収束判定”、微小量εを
“収束条件”と言う)、その時のxi が方程式(22)
の解である。処理の流れは図12の手順となる。また、
図13はこの手順を模式的に表したものである。一次元
の場合では、図13のように、接線とx軸との交点を次
回のxの値としながら、解へ近付いて行く。与えられた
初期値が解に近ければ近いほど、解を得るのに必要な反
復回数が少なくて済み、解を得るまでの計算時間が短
い。すなわち、解により近い初期値ほど、より良い初期
値である。以上がニュートン法の手法である。
【0021】前述のニュートン法の説明においては、1
個の変数の方程式の場合であったが、デバイスシミュレ
ーションにおいては、図14のように、解析領域全体に
メッシュを生成し、メッシュ点上の変数について方程式
を設定する。すなわち、ポテンシャル、電子密度、正孔
密度がメッシュ点数Nの数だけ変数として表れるため、
3N個の連立方程式を解くことになる。前述の電荷保存
式、電子電流連続式、正孔電流連続式を、右辺の項を移
行した形で、次式のように表す。
【0022】
【0023】上式のψ,n,pはそれぞれポテンシャ
ル、電子密度、正孔密度を表し、また、それぞれN個の
変数を表す。この場合、電荷保存式、電子電流保存式、
正孔電流保存式を同時に解くカップル法(結合法)と、
電荷保存式、電子電流保存式、正孔電流保存式を別々に
解くガンメル法(非結合法、または、デカップル法)と
がある。カップル法の手順を図15に、ガンメル法の手
順を図16に示す。図15では、xによって、ψ,n,
p全てを表している。カップル法は少ない反復回数で解
を得ることが可能であるが、良い初期値を与えて計算し
ないと収束しないことがある。ガンメル法は、初期値依
存性は強くないが、反復回数を多く必要とする。一回の
反復にかかる計算時間はガンメル法の方がカップル法よ
りも短いが、反復回数はカップル法の方がガンメル法よ
りも少なくて済むため、解を得るまでにかかる全体の計
算時間は、カップル法の方が短い。そのため、良い初期
値さえ与えることが出来れば、カップル法によって、短
い計算時間で半導体デバイスの解析を行うことができ
る。すなわち、より良い初期値を設定することが重要と
なる。 Edwards et al.の方法 初期値設定の従来技術として、Edwards et
al.の手法がある(S.P.Edwards,A.
M.Howland and P.J.Mole,NA
SECODE IV,p.272,1985.)。この
手法では、今回解析するバイアス条件を電子と正孔の擬
フェルミポテンシャルの境界条件として、前回バイアス
条件で得られた擬フェルミポテンシャル、電子密度、正
孔密度を用いた電子電流、正孔電流の発散の式の値が保
存するように、擬フェルミポテンシャルの変動量推定値
を決定し、それから、ポテンシャルの初期値を得てい
る。
【0024】具体的には、まず、電子電流連続式、正孔
電流連続式のdivの変化をゼロにする式を解く。
【0025】
【0026】ここで、δψn ,δψp はそれぞれ、電子
擬フェルミポテンシャル、正孔擬フェルミポテンシャル
の変動量である。これらから、電子擬フェルミポテンシ
ャルψn と正孔擬フェルミポテンシャルψp の推定値を
得る。
【0027】
【0028】最後に、ポテンシャルの初期値は、多数キ
ャリアのキャリア密度を前回バイアス条件の解の値から
変化させない様に決定する。
【0029】
【0030】n0 :真性キャリア密度 この手法では、式(30)、式(31)の係数μn
n、μp ・pのオーダーの違いが大きいため、数値計算
的に高い精度で計算することが難しいという問題点があ
る。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、従来
技術では、初期値を得るための電子擬フェルミポテンシ
ャル変動量、正孔擬フェルミポテンシャル変動量につい
ての方程式の係数が、電子密度、正孔密度を因子として
持つ為に、オーダーの変化が大きく、数値計算的に精度
よく計算することが困難であるという問題がある。ま
た、この従来技術では、N個のポテンシャル初期値を得
る為に、2N個の電子擬フェルミポテンシャル変動量、
正孔擬フェルミポテンシャル変動量を必要とするので、
2N個の方程式を解かなければならず、計算量が大きい
という問題がある。
【0032】
【課題を解決するための手段】上述した問題点を解決す
るため、本発明の初期値推定方法では、電界強度の逆数
を用いた係数で重み付けをした、ポテンシャル変動量に
ついてのラプラス方程式
【0033】
【0034】δψ :ポテンシャル変動量。 ψi :前回バイアス条件時解析結果のポテンシャル。 ψi+1 :今回解析時のポテンシャルの初期値。 Ε :電界強度。 cs0 :デバイス構造を特徴付ける長さの最大値の目
安。 cs1 :デバイス構造を特徴付ける長さの最小値の目
安。 cf0 :電界強度の最大値の目安。 cf1 :電界強度の最小値の目安。 c0 :正の定数 を解いて、ポテンシャル初期値を得る。
【0035】また、本発明によればコンピュータによる
半導体デバイスの過渡解析の数値解析において、バイア
ス条件更新時の初期値推定について、前記電界強度の逆
数を用いた係数に加えて、前々回解析時刻と前回解析時
刻との間のポテンシャル変化量に対して一様増加な関数
によって重み付けされた係数を有する、ポテンシャル変
動量についてのラプラス方程式
【0036】
【0037】δψi :推定ポテンシャル変動量。
【0038】ψi+1 :今回解析時刻についての推定ポテ
ンシャル。
【0039】ψi :前回解析時刻ポテンシャル。
【0040】ψi-1 :前々回解析時刻ポテンシャル。
【0041】δti :前回解析時刻と今回解析時刻との
間の時刻間隔。
【0042】CR :正の定数。
【0043】PR :定数。
【0044】cs0 :デバイス構造を特徴付ける長さの
最大値の目安。
【0045】cs1 :デバイス構造を特徴付ける長さの
最小値の目安。
【0046】cf0 :電界強度の最大値の目安。
【0047】cf1 :電界強度の最小値の目安。
【0048】c0 :正の定数 を解き、ポテンシャルの初期値推定を行う手順を有する
デバイスシミュレーション方法を得る。
【0049】
【実施例】本発明の第1の実施例について図面を参照し
て説明する。 本発明の解くべ方程式の導出 一連の印加バイアス条件を解析している途中を考える
と、i番目のバイアス条件を解析後、i+1番目のバイ
アス条件が今回の解析であるとすると、前回のバイアス
では次の電荷保存式が成立している。
【0050】
【0051】D:電束密度 ρ:電荷密度 ε:誘電率 Ε:電界 ポテンシャル変動量をδψi として、今回のバイアスの
ポテンシャルをψi+1 =ψ+δψi と表す。ここで、キ
ャリア(電子と正孔)の再分布を考えずに(電荷密度ρ
の変動を考えずに(ρi+1 =ρi ))、すなわち電子電
流保存式と正孔電流保存式を考慮せずに、電荷保存式だ
けを成立させると、
【0052】
【0053】という式を書くことができる。これら両式
の辺々を引き算すると、
【0054】
【0055】というラプラス方程式が得られる。このラ
プラス方程式(47)を解いて得られるδψi は、キャ
リアの再分布を考えないという仮定の下での、近似的な
ポテンシャル変動量と見做すことが出来る。しかし、キ
ャリアの再分布を考えないということで、かなり粗い近
似である。
【0056】一般に、PN接合領域では、電子と正孔が
対消滅してキャリア密度が低く、不純物イオンの電荷に
よってポテンシャルの傾きが急で、電界が高くなってお
り、周囲の領域よりも抵抗が高い。そのため、印加され
たバイアスによるポテンシャルの変動は、PN接合領域
により多く伝播する。すなわち、ラプラス方程式(4
7)において、電界が高い領域では、見掛け上、誘電率
が小さくなっているものと見做すことが出来る。それゆ
え、ラプラス方程式(47)において、電界が高い領域
だけ係数を小さくしてやれば、その領域により多くのポ
テンシャル変動量を伝播させることができ、キャリア再
分布を考慮したものと見做すことができる。すなわち、
電界強度の逆数に相当するような係数を与えることで、
より良い近似のポテンシャル変動推定値が得られ、より
良いポテンシャル初期値が得られる。
【0057】このとき、解くべきラプラス方程式は、求
めるポテンシャル初期値の数と同じ、N個だけで済むた
め、従来手法が2N個の方程式を解かねばならないのに
対して、初期値の計算時間の短縮が期待できる。
【0058】このような論拠によって、本発明では、具
体的に、以下のような、電界強度の逆数を用いた係数に
よって重み付けした、ポテンシャル変動量についてのラ
プラス方程式を計算する。
【0059】
【0060】δψ :ポテンシャル変動量。 ψi :前回バイアス条件時解析結果のポテンシャル。 ψi+1 :今回解析時のポテンシャルの初期値。 Ε :電界強度。 cs0 :デバイス構造を特徴付ける長さの最大値の目
安。 cs1 :デバイス構造を特徴付ける長さの最小値の目
安。 cf0 :電界強度の最大値の目安。 cf1 :電界強度の最小値の目安。 c0 :正の定数 上式で、定数c0 は、電界強度がゼロのとき(Ε=
0)、分母がゼロになって、計算不能にならないため
の、正の定数であって、数値計算的に割り算できる大き
さの適当な値を設定する。定数cf1は、電解強度Εの規
格化定数の役割を持ち、係数ωのオーダーを調節する。
定数cs0と定数cs1の比(cs0/cs1)は、数値計算に
現れるデバイス構造に関連した長さの量の最大変動比に
相当する量であり、これもまた、係数ωのオーダーを調
節する。定数cf0と定数cf1との比(cf0/cf1)は、
電解強度の最大変動比に相当する量である。長さの量の
最大変動比に相当する量と電解強度の最大変動比に相当
する量との対数比(ln(cs0/cs1)/ln(cf0
f1))によって、電解強度変動と係数ωの変動との結
合の強さを調節している。
【0061】これらの定数について、本実施例1、およ
び実施例2においては、以下の様な値を設定した。
【0062】cs0:1.0E+4 cs1:1.0 cf0:1.0E+6 cf1:1.0 c0 :1.0 このラプラス方程式の係数は、従来手法と異なり、大き
なオーダーの変動をするキャリア密度のような因子を含
んでいないため、数値計算的な困難を生じない。
【0063】本発明の具体的な処理の手順 本発明におけるデバイスシミュレーションの手順を図1
に示す。
【0064】図1の処理13において、前述の電解強度
の逆数による係数で重み付けしたラプラス方程式(式
(48)〜式(52))を解いて、ポテンシャル初期値
を得る。また、キャリア密度(電子密度、正孔密度)に
ついては、前回の解析結果を今回の初期値として設定す
る。設定された初期値を用いて、図1(a)の処理4に
おいて、前述のカップル法(図15)によって、電荷保
存式、電子電流連続式、正孔電流連続式を解く。処理5
の分岐によって、指定されたバイアス条件の数だけ解析
を反復する。
【0065】この手順をN型MOSFETデバイス構造
に対して適用した場合の、解析例を説明する。対象のN
型MOSFETのデバイス構造を図2に示す。PN接合
を破線(25,26)で表している。ゲート界面下の横
方向の不純物分布を図3に示す。黒四角印■・実線(d
onorと記述されているもの)がドナー、白四角印□
・点線(acceptorと記述されているもの)がア
クセプタを表す。解析メッシュを図4に示す。メッシュ
点数は1475点である。本発明の手法をこのデバイス
構造に適用した結果のポテンシャル初期値と、ポテンシ
ャル解析結果とを、ゲート界面下の水平方向について図
5に示す。これは、ゲート電極(図2の22)に1.0
V、ドレイン電極(図2の23)に0.5V、ソース電
極(図2の21)と基板電極(図2の24)とに0.0
Vのバイアス条件を前回解析バイアス条件として、今回
バイアス条件は、ドレインバイアスだけが前回バイアス
条件よりも0.1V増加した状況である。黒四角印■・
実線(Resultと記述されているもの)で示されて
いるものが今回バイアス条件の解析結果であり、白四角
印□・点線(Estimate(proposed m
ethod)と記述されているものが本発明の手法によ
るポテンシャル初期値であり、白丸印○・破線(Est
imate(Edwards et al.)と記述さ
れているもの)で示されているものが前述の従来手法に
よるポテンシャル初期値である。
【0066】図5で示されているように、本発明の手法
によるポテンシャル初期値の方が、従来手法によるポテ
ンシャルの初期値よりも、解析結果により近い値を与え
ている。すなわち、本発明の手法によるポテンシャル初
期値はより良い初期値となっている。
【0067】実際に、本発明の手法、従来手法、それぞ
れの初期値を与えた場合に、解を得るまでに必要な反復
回数は、収束条件を1.0E−6として、本発明の手法
が4回、従来手法が5回であり、本発明の手法による初
期値の方が、より少ない反復回数で解を得ることができ
る。
【0068】また、この場合の初期値を得るための計算
時間についても、33MIPSのCPUを搭載した計算
機において、本発明の手法が4.35E−3秒、従来手
法が6.23E−3秒であり、本発明の手法の方が高速
である。
【0069】次に、本発明の第2の実施例の手法をNP
N型バイポーラトランジスタ構造に適用した場合を図を
用いて説明する。
【0070】図6にこの例のバイポーラトランジスタ構
造を示す。61と63がベース電極、62がエミッタ電
極、64がコレクタ電極、65が基板電極を表す。PN
接合を破線(66,67)で表している。図7に、エミ
ッタ電極下の深さ方向の不純物分布を示す。黒四角印■
・実線(donorと記述されてるもの)がドナー、白
四角印□・点線(acceptorと記述されているも
の)がアクセプタを表す。図8に、この例における解析
メッシュを示す。メッシュ点数は1495点である。本
発明の手法をこのバイポーラトランジスタ構造に適用し
た結果得られたポテンシャル初期値と、従来手法による
ポテンシャル初期値と、解析結果のポテンシャル値と
を、エミッタ電極下の深さ方向について、図9に示す。
これは、ベース電極(図6の61,63)に0.8V、
コレクタ電極(図6の64)に1.0V、エミッタ電極
(図6の62)と基板電極(図6の65)とに0.0V
のバイアス条件を前回解析バイアスとして、今回バイア
ス条件はベースバイアスだけが前回バイアス条件よりも
0.02V増加した状況である。黒四角印■・実線(R
esultと記述されているもの)で示されているもの
が今回バイアス条件の解析結果であり、白四角印□・点
線(Estimate(proposedmetho
d)と記述されているもの)で示されているものが本発
明の手法によるポテンシャル初期値であり、白丸印○・
破線(Estimate(Edwards et a
l.)と記述されているもので示されているものが前述
の従来手法によるポテンシャル初期値である。
【0071】図9で示されているように、本発明の手法
によるポテンシャル初期値の方が、従来手法によるポテ
ンシャル初期値よりも、解析結果により近い値を与えて
いる。すなわち、本発明の手法によるポテンシャル初期
値はより良い初期値となっている。
【0072】実際に、本発明の手法、従来手法、それぞ
れの初期値を与えた場合に、解を得るまでに必要な反復
回数は、収束条件を1.0E−12として、本発明の手
法が5回、従来手法が6回であり、本発明の手法による
初期値の方が、より少ない反復回数で解を得ることがで
きる。
【0073】また、この場合の初期値を得るための計算
時間についても、33MIPSのCPUを搭載した計算
機において、本発明の手法が5.26E−3秒、従来手
法が5.29E−3秒であり、本発明の手法の方がわず
かであるが、高速である。
【0074】次に本発明の第3の実施例について図面を
参照して説明する。
【0075】本実施例は過渡解析の場合に関する本発明
の請求項2に係るものである。
【0076】一般に過渡解析の場合には、デバイスシミ
ュレーションの基本方程式にキャリアの時間偏微分項d
n/dt,dp/dtが付加された式が解析される。そ
して、過渡解析ではキャリアが時間変化することによっ
て発生する変位電流が現れる。このよえな過渡解析時の
初期値推定においては、変位電流を考慮する事により、
さらにより良い初期値を得る事が出来る。本発明の請求
項2の手法では、ポテンシャルの時間変化が大きい領域
の変位電流の影響も大きいとして、変位電流が大きい領
域では見掛け上の抵抗が小さくなるものとみなし、ラプ
ラス方程式における見掛け上の誘電率が小さくなってい
るものと考える。すなわち、前述の本発明の請求項1の
手法に加えて、ポテンシャルの時間変化の大きい領域に
ついてもポテンシャル変動量を伝播させることによっ
て、変位電流の影響を考慮する。具体的には以下に示す
ような、請求項1の電界強度の逆数を用いた係数ωに加
えて、前々回解析時刻と前回解析時刻との間のポテンシ
ャル変化量に対して一様増加な関数によって重み付けさ
れた係数Rを有する、ポテンシャル変動量についてのラ
プラス方程式を計算する。
【0077】
【0078】δψi :推定ポテンシャル変動量。
【0079】ψi+1 :今回解析時刻についての推定ポテ
ンシャル。
【0080】ψi :前回解析時刻ポテンシャル。
【0081】ψi-1 :前々回解析時刻ポテンシャル。
【0082】δti :前回解析時刻と今回解析時刻との
間の時刻間隔。
【0083】CR :正の定数。
【0084】PR :定数。
【0085】cs0 :デバイス構造を特徴付ける長さの
最大値の目安。
【0086】cs1 :デバイス構造を特徴付ける長さの
最小値の目安。
【0087】cf0 :電界強度の最大値の目安。
【0088】cf1 :電界強度の最小値の目安。
【0089】c0 :正の定数。 上式で、定数CR は、ポテンシャル時間変化に関する係
数Rと電界強度に関する係数ωとの重みの割合を決める
定数である。定数PR は、ポテンシャル時間変化と係数
Rの変動との結合の強さを調節している。また、定数C
0 は、電界強度がゼロのとき(E=0)、分母がゼロに
なって、計算不能にならないための、正の定数であっ
て、数値計算的に割り算できる大きさの適当な値を設定
する。定数cf1は、電界強度Eの規格化定数の役割を持
ち、係数ωのオーダーを調節する。定数cs0定数cs1
比(cs0/cs1)は、数値計算に現れるデバイス構造に
関連した長さの量の最大変動比に相当する量であり、こ
れもまた、係数ωのオーダーを調節する。定数cf0と定
数cf1との比(cf0/cf1)は、電界強度の最大変動比
に相当する量である。長さの量の最大変動比に相当する
量と電界強度の最大変動比に相当する量との対数比(l
n(cs0/cs1)/ln(cf0/cf1))によって、電
界強度変動と係数ωの変動との結合の強さを調節してい
る。
【0090】これらの定数について、本実施例3、およ
び実施例4においては、以下の様な値を設定した。
【0091】 CR :0.1・ωmax /|ψi −ψi-1 max R :0.5 cs0:1.0E+4 cs1:1.0 cf0:1.0E−6 cf1:1.0 c0 :1.0 このラプラス方程式の係数も、本発明の請求項1の手法
と同様に、従来手法と異なり、大きなオーダーの変動を
するキャリア密度のような因子を含んでいないため、数
値的困難を生じない。 本発明の具体的の処理の手段 本発明における過渡解析時のデバイスシミュレーション
の手順を図1(b)に示す。
【0092】図1(b)の処理9において、前述のポテ
ンシャル時間変化による係数と電界強度の逆数による係
数で重み付けしたラプラス方程式(式(53)〜式(5
8))を解いて、ポテンシャル初期値を得る。また、キ
ャリア密度(電子密度、正孔密度)については、前回の
解析結果を今回の初期値として設定する。設定された初
期値を用いて、図1(b)の処理10において、前述の
カップル法(図15)によって、電荷保存式、電子電流
連続式、正孔電流連続式を解く。処理11の分岐によっ
て、指定された解析時刻のバイアス条件の数だけ解析を
反復する。
【0093】この手順をN型MOSFETデバイス構造
に対して適用した場合の、過渡解析の解析例を説明す
る。対象のN型MOSFETのデバイス構造を図2に示
す。PN接合を破線(25,26)で現している。ゲー
ト界面下の横方向の不純物分布を図3に示す。黒四角印
■・実践(donorと記述されているもの)がドナ
ー、白四角印□・点線(acceptorと記述されて
いるもの)がアクセプタを現す。解析メッシュを図4に
示す。メッシュ点数は1475点である。本発明の請求
項2の手法をこのデバイス構造の過渡解析に適用した結
果のポテンシャル初期値と、ポテンシャル解析結果と
を、ゲート界面下の水平方向について図10に示す。こ
の図は、ゲート電極(図2の22)を2.0V、ソース
電極(図2の21)と基板電極(図2の24)とを0.
0Vに固定して、ドレイン電極(図2の23)のバイア
ス条件のみを0.0sから0.0nsまでの時間に0.
4Vから2.2Vまで変化させた過渡解析における、
0.833nsの時刻(ドレインバイアス1.9V)の
ときの状況を示す。黒四角印■・実線(Resultと
記述されているもの)で示されているものが今回バイア
ス条件の解析結果であり、白丸印○・破線(Estim
ate(proposedmethod No.1)と
記述されているもの)で示されているものが前述の本発
明の請求項1の手法によるポテンシャル初期値である。
【0094】図10で示されているように、過渡解析に
おいては、本発明の請求項2の手法によるポテンシャル
初期値は、本発明の請求項1の手法によるポテンシャル
初期値よりも、解析結果により近い値を与えている。す
なわち、過渡解析においては、本発明の請求項2の手法
によるポテンシャル初期値は、さらにより良い初期値と
なっている。
【0095】実際に、本発明の請求項2の手法、それぞ
れの初期値を与えた場合に、解を得るまでに必要な反復
回数は、収束条件を1.0E−8として、本発明の請求
項2の手法が5回、本発明の請求項1の手法が6回であ
り、本発明の請求項2の手法による初期値の法は、過渡
解析において、さらにより少ない反復回数で解を得るこ
とができる。
【0096】次に、本発明の請求項2の手法をNPN型
バイポーラトランジスタ構造の過渡解析に適用した第4
の実施例を図を用いて説明する。
【0097】図6にこの例のバイポーラトランジスタの
構造を示す。61と63がベース電極、62がエミッタ
電極、64がコレクタ電極、65が基板電極を現す。P
N接合を破線(66,67)で現している。図7に、エ
ミッタ電極下の深さ方向の不純物分布を示す。黒四角印
■・実線(donorと記述されているもの)がドナ
ー、白四角印□・点線(acceptorと記述されて
いるもの)がアクセプタを現す。図8に、この例におけ
る解析メッシュを示す。メッシュ点数は1495点であ
る。本発明の請求項2の手法をこのバイポーラトランジ
スタ構造の過渡解析に適用した結果得られたポテンシャ
ル初期値と、本発明の請求項1の手法によるポテンシャ
ル初期値と、解析結果のポテンシャル値とを、エミッタ
電極下の深さ方向について、ベース付近を拡大して表示
した図11に示す。この図は、エミッタ電極(図6の6
2)と基板電極(図6の65)のバイアスを0.0V
に、また、コレキタ電極(図6の64)のバイアスを
1.0Vに固定して、ベース電極(図6の61,63)
のみを0.0sから1.0nsの時間に0.75Vから
0.85Vにバイアス条件を変化させたときの過渡解析
において、時刻が0.5ns(ベースバイアスが0.8
V)のときの状況を示す。黒四角印■・実線(Resu
ltと記述されているもの)で示されているものが今回
バイアス条件の解析結果であり、白四角印□・点線(E
stimate(proposed method N
o.2)と記述されているもの)で示されているものが
本発明の請求項2の手法によるポテンシャル初期値であ
り、白丸印○・破線(Estimate(propos
ed method No.1)と記述されているも
の)で示されているものが前述の本発明の請求項1の手
法によるポテンシャル初期値である。
【0098】図11で示されているように、本発明の請
求項2の手法によるポテンシャル初期値は、本発明の請
求項1の手法によるポテンシャル初期値よりも、解析結
果により近い値を与えている。すなわち、過渡解析にお
いては、本発明の請求項2の手法によるポテンシャル初
期値はより良い初期値となっている。
【0099】実際に、本発明の請求項2の手法、本発明
の請求項1の手法、それぞれの初期値を与えた場合に、
解を得るまでに必要な反復回数は、収束条件を1.0E
−9として、本発明の請求項2の手法が4回、本発明の
請求項1の手法が5回であり、本発明の請求項2の手法
による初期値の方が、より少ない反復回数で解を得るこ
とができる。
【0100】
【発明の効果】以上、述べたように本発明の手法は、数
値計算的な困難がなく、より良い初期値を与えることが
出来、解析の高速化、計算時間の短縮の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の手法によるデバイスシミュレーション
の処理の手順の説明図。
【図2】実施例1,3のN型MOSFETの構造の説明
図。
【図3】実施例1,3のN型MOSFETのゲート界面
下の横方向の不純物分布の説明図。
【図4】実施例1,3の解析メッシュの説明図。
【図5】実施例1の本発明の手法によるポテンシャル初
期値、従来手法によるポテンシャル初期値、および、解
析結果のポテンシャル値の説明図。
【図6】実施例2,4のNPN型バイポーラトランジス
タの構造の説明図。
【図7】実施例2,4のNPN型バイポーラトランジス
タのエミッタ電極下の深さ方向の不純物分布の説明図。
【図8】実施例2,4の解析メッシュの説明図。
【図9】実施例2の本発明の手法によるポテンシャル初
期値、従来手法によるポテンシャル初期値、および、解
析結果のポテンシャル値の説明図。
【図10】実施例3の本発明の請求項2の手法によるポ
テンシャル初期値、本発明の請求項1の手法によるポテ
ンシャル初期値、および、解析結果のポテンシャル値の
説明図。
【図11】実施例4の本発明の請求項2の手法によるポ
テンシャル初期値、本発明の請求項1の手法によるポテ
ンシャル初期値、および、解析結果のポテンシャル値の
説明図。
【図12】ニュートン法の説明図。
【図13】ニュートン法の模式的な説明図。
【図14】解析メッシュの例の説明図。
【図15】カップル法の説明図。
【図16】ガンメル法の説明図。
【符号の説明】
11〜12 処理ステップ 21 ソース電極 22 ゲート電極 23 ドレイン電極 24 基板電極 25,26 PN接合 61,63 ベース電極 62 エミッタ電極 64 コレクタ電極 65 基板電極 66,67 PN接合 101 初期値設定の処理ステップ 102 反復回数カウンタの初期化の処理ステップ 103 変動量を得る処理ステップ 104 収束判定の処理ステップ 105 値の更新の処理ステップ 106 終了の処理ステップ 111 初期値 112 解 131 初期値設定の処理ステップ 132 電荷保存式、電子電流連続式、正孔電流連続
式を同時に解いてポテンシャル、電子密度、正孔密度の
変動量を得る処理ステップ 133 収束判定の処理ステップ 134 値の更新の処理ステップ 135 終了の処理ステップ 141 初期値設定の処理ステップ 142 電荷保存式を解いてポテンシャル変動量を得
る処理ステップ 143 電子電流連続式を解いて電子密度の変動量を
得る処理ステップ 144 正孔電流連続式を解いて正孔密度の変動量を
得る処理ステップ 145 収束判定の処理ステップ 146 値の更新の処理ステップ 147 終了の処理ステップ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンピュータによる半導体デバイスの数
    値解析において、バイアス条件更新時の初期値推定につ
    いて、電界強度の逆数を用いた係数で重み付けをした、
    ポテンシャル変動量についてのラプラス方程式 δψ :ポテンシャル変動量。 ψi :前回バイアス条件時解析結果のポテンシャル。 ψi+1 :今回解析時のポテンシャルの初期値。 Ε :電界強度。 cs0 :デバイス構造を特徴付ける長さの最大値の目
    安。 cs1 :デバイス構造を特徴付ける長さの最小値の目
    安。 cf0 :電界強度の最大値の目安。 cf1 :電界強度の最小値の目安。 c0 :正の定数 を解き、ポテンシャルの初期値推定を行う手順を有する
    デバイスシミュレーション方法。
  2. 【請求項2】 コンピュータによる半導体デバイスの過
    渡解析の数値解析において、バイアス条件更新時の初期
    値推定について、前記電界強度の逆数を用いた係数に加
    えて、前々回解析時刻と前回解析時刻との間のポテンシ
    ャル変化量に対して一様増加な関数によって重み付けさ
    れた係数を有する、ポテンシャル変動量についてのラプ
    ラス方程式 δψi :推定ポテンシャル変動量。 ψi+1 :今回解析時刻についての推定ポテンシャル。 ψi :前回解析時刻ポテンシャル。 ψi-1 :前々回解析時刻ポテンシャル。 δti :前回解析時刻と今回解析時刻との間の時刻間
    隔。 CR :正の定数。 PR :定数。 cs0 :デバイス構造を特徴付ける長さの最大値の目
    安。 cs1 :デバイス構造を特徴付ける長さの最小値の目
    安。 cf0 :電界強度の最大値の目安。 cf1 :電界強度の最小値の目安。 c0 :正の定数。 を解き、ポテンシャルの初期値推定を行う手順を有する
    デバイスシミュレーション方法。
JP7492295A 1994-09-09 1995-03-31 デバイスシミュレーション方法 Expired - Lifetime JP2655125B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7492295A JP2655125B2 (ja) 1994-09-09 1995-03-31 デバイスシミュレーション方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21554194 1994-09-09
JP6-215541 1994-09-09
JP7492295A JP2655125B2 (ja) 1994-09-09 1995-03-31 デバイスシミュレーション方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08130311A JPH08130311A (ja) 1996-05-21
JP2655125B2 true JP2655125B2 (ja) 1997-09-17

Family

ID=26416085

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7492295A Expired - Lifetime JP2655125B2 (ja) 1994-09-09 1995-03-31 デバイスシミュレーション方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2655125B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3204300B2 (ja) * 1997-08-26 2001-09-04 日本電気株式会社 デバイスシミュレーション方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08130311A (ja) 1996-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Laux Techniques for small-signal analysis of semiconductor devices
KR20080010305A (ko) 반도체디바이스의 특성과 회로설계에 이용하는시뮬레이션장치, 시뮬레이션방법, 및 반도체장치의제조방법
McAndrew Practical modeling for circuit simulation
CN104899350B (zh) SiC MOSFET仿真模型的建模方法
JP3437959B2 (ja) Fet等価回路モデル・パラメータの決定方法
Krishna et al. The linearized performance penalty (LPP) method for optimization of parametric yield and its reliability
US6327555B1 (en) Semiconductor simulation method
Drury et al. A quasi-two-dimensional HEMT model for microwave CAD applications
JP2655125B2 (ja) デバイスシミュレーション方法
Singh et al. BSIM3v3 to EKV2. 6 Model Parameter Extraction and Optimisation using LM Algorithm on 0.18 μ Technology node
US20050203719A1 (en) Method for simulating reliability of semiconductor device
KR100316314B1 (ko) 비정질화영역 결정방법 및 장치
JP3116863B2 (ja) デバイスシミュレーション方法
US5828586A (en) High speed device simulating method
Wu et al. New approaches in a 3-D one-carrier device solver
JP3221354B2 (ja) デバイスシミュレーション方法
US5682338A (en) Method of estimating initial values of potential in semiconductor device simulation
Reid et al. Understanding LER-induced statistical variability: A 35,000 sample 3D simulation study
Donati et al. Sensitivity‐based optimization and statistical analysis of microwave semiconductor devices through multidimensional physical simulation (invited article)
Wilson et al. High-accuracy physical modeling of submicrometer MOSFET's
JP3340535B2 (ja) 半導体特性測定システム
Thoma et al. A new AC measurement technique to accurately determine MOSFET constants
JP3247367B2 (ja) 半導体素子の特性評価方法
JP3214108B2 (ja) 半導体デバイスのシミュレーション方法
JPH09191039A (ja) 半導体シミュレーション方法および半導体シミュレーション装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19970415