JP3221354B2 - デバイスシミュレーション方法 - Google Patents

デバイスシミュレーション方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイスの
シミュレーション方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスシミュレーション技術と
して例えば下記記載の文献等が参照される。
【0003】(1)壇 良 編著、「プロセス・デバイ
ス・シミュレーション技術」、産業図書、pp.99〜10
4、1990年。 (2)R. Thoma et al.,“Hydrodynamic Equatio
ns for Semiconductors with Nonparabolic Band
Structure”, IEEE Transactions onElectro
n Devices, Vol. 38, No. 6, pp.1343〜135
3, June, 1991。 (3)横山清行 他、「緩和時間近の基本検討」(A
Study on RelaxationTime Application for Semi
conductor Device Analysis)、信学技法SSD84-68、
Vol. 84, No. 180,pp.31〜36, 1984。 (4)K. W. Chai et al., “HYDRODYNAMIC S
IMULATION OF ELECTRON HEATING IN CONVENTIONAL
AND LIGHTLY-DOPED-DRAIN MOSFETS WITH APPLICA
TION TO SUBSRATE CURRENT CALCULATION”, Inte
rnational J.of Numerical Modelling: Electr
onic Networks, Devices and Fields, Vol.5,
pp.53〜66, 1992。 (5)R. K. Cook,“Numerical Simulation of
Hot-Carrier Transport in Silicon Bipolar Tra
nsistors”, IEEE Transaction on Electron
Devices, Vol. 30, No. 9, pp.1103〜1109,
1983。
【0004】[一般的なデバイスシミュレーションの概
要]半導体デバイスの数値解析においては、キャリア
(電子、正孔)を、流体と見做して近似したドリフト−
拡散モデルと、より高次の近似をしたエネルギー輸送モ
デルが広く用いられている。定常状態でのドリフト−拡
散モデルのデバイスシミュレーションにおいては、基本
方程式として、以下に示されるような、電荷保存式、電
子電流連続式、正孔電流連続式が設定される[上記文献
(1)参照]。
【0005】divD=ρ(電荷保存式) …(1) D=εE …(2) E=−gradψ …(3) ρ=q(p−n+ND−NA) …(4) D:電束密度 ρ:電荷密度 E:電界 ε:誘電率 q:素電荷 p:正孔密度 n:電子密度 ND:ドナー密度 NA:アクセプタ密度
【0006】 n:電子電流 Jp:正孔電流 R:キャリア再結合項 G:キャリア生成項
【0007】 μn:電子移動度 μp:正孔移動度 Dn:電子拡散係数 Dp:正孔拡散係数
【0008】Dn=μn・{(kB・T)/q} …(9) Dp=μp・{(kB・T)/q} …(10) kB:ボルツマン定数 T:格子温度
【0009】上述の式で解かれるべき変数は、ポテンシ
ャルψ、電子密度n、正孔密度pである。
【0010】定常状態のエネルギー輸送モデルは、上記
のドリフト−拡散モデルの方程式にキャリア(電子と正
孔)のエネルギー保存式が付加された以下のような形の
式が設定される[上記文献(2)参照]。
【0011】divD=ρ(電荷保存式)
…(11) D=εE …(12) E=−gradψ …(13) ρ=q(p−n+ND−NA) …(14)
【0012】
【数1】
【0013】Tn *:電子温度 Tp *:正孔温度 τin:電子運動量緩和時間 τip:正孔運動量緩和時間
【0014】
【数2】
【0015】mn *:電子の有効質量 mp *:正孔の有効質量 Mn -1:電子の逆有効質量テンソル Mp -1:正孔の逆有効質量テンソル 〈〉:k空間での平均操作
【0016】
【数3】
【0017】Sn:電子エネルギー流密度 Sp:正孔エネルギー流密度 Tn eq:電子平衡温度 Tp eq:正孔平衡温度
【0018】
【数4】
【0019】〈εn〉:平均電子エネルギー 〈εp〉:平均正孔エネルギー 〈εn ep〉:電子平衡エネルギー 〈εp ep〉:正孔平衡エネルギー τwn:電子エネルギー緩和時間 τwp:正孔エネルギー緩和時間
【0020】
【数5】
【0021】τsn:電子エネルギー流密度Snに対応し
た緩和時間 τsp:正孔エネルギー流密度Spに対応した緩和時間 vn:電子速度 vp:正孔速度
【0022】上述のエネルギー輸送モデルの式で、解か
れるべき変数はポテンシャルψ、電子密度n、正孔密度
p、電子温度Tn *、正孔温度Tp *である。ここで、キャ
リア温度の記号に*を付けてあるのは、次式のような熱
力学的な温度の定義と区別するためである。繁雑さを避
けるために、以下の記述では*を省略する。
【0023】
【数6】
【0024】一般に、指定された複数の印加デバイスを
境界条件として、順次バイアスを更新して、これらの電
荷保存式、電子電流連続式、正孔電流連続式、電子エネ
ルギ保存式、正孔エネルギー保存式の5つの方程式が計
算される。
【0025】これらの式は、非線形な方程式であるた
め、一般に「ニュートン法」と呼ばれる反復計算を行っ
て解を求める。ニュートン法とは、以下のような手法で
ある。
【0026】変数xについて方程式(31)、が与えら
れているとする。ある初期値x0を与えた時、ある変数
量δx0をx0に加えた値が解を与えるならば、次式(3
2)となる。
【0027】F(x)=0 …(31) F(x0+δx0)=0 …(32)
【0028】そして、F(x)の微係数を、F′
(x0)として、F(x0+δx0)をδx0について一次
のテイラー展開を行うと、次式(33)、(34)とな
る。
【0029】 F(x0+δx0) =F(x0)+F′(x0)δx0 =0 …(33) δx0=−F(x0)/F′(x0) …(34)
【0030】そこで今度は、次式(35)とおいて、x
1について同様の計算を行う。
【0031】x1=x0+δx0 …(35)
【0032】これを順次繰り返してi回目の計算でのδ
iが、適当な微小量εよりも小さくなったならば(こ
れを“収束した”といい、この判定を“収束判定”、微
小量εを“収束条件”という)、その時のxiが方程式
(31)の解である。
【0033】処理の流れは図6にフローチャートとして
示した手順となる。
【0034】また、図7はこの手順を模式的に表したも
のである。一次元の場合では、図7のように、接線とx
軸との交点を次回のxの値としながら、解へ近付いて行
く。与えられた初期値が解に近ければ近いほど、解を得
るのに必要な反復回数が少なくて済み、解を得るまでの
計算時間が短い。すなわち、解により近い初期値ほど、
より良い初期値である。以上がニュートン法の手法であ
る。
【0035】前述のニュートン法の説明においては、1
個の変数の方程式の場合であったが、デバイスシミュレ
ーションにおいては、解析領域全体にメッシュを生成
し、メッシュ点上の変数について方程式を設定する。解
析メッシュの例を図5に示す。すなわち、ポテンシャ
ル、電子密度、正孔密度、電子温度、正孔温度がメッシ
ュ点数Nの数だけ変数して表れるため、5N個の連立
方程式を解くことになる。前述の電荷保存式、電子電流
連続式、正孔電流連続式、電子エネルギー保存式、正孔
エネルギー保存式を、右辺の項を移項した形で、次式の
ように表す。
【0036】
【数7】
【0037】上式のψ、n、p、Tn、Tpは、それぞれ
ポテンシャル、電子密度、正孔密度、電子温度、正孔温
度を表し、また、それぞれN個の変数を表す。
【0038】この場合、電荷保存式、電子電流連続式、
正孔電流保存式、電子エネルギー保存式、正孔エネルギ
ー保存式を同時に解くカップルド法(結合法)と、電荷
保存式、電子電流連続式、正孔電流保存式、電子エネル
ギー保存式、正孔エネルギー保存式を別々に解くガンメ
ル法(非結合法、または、デカップルド法)と、があ
る。
【0039】カップルド法の手順を図8に、ガンメル法
の手順を図9に示す。図8の処理手順802の行列の式
において、Fψn′の記号は次の偏微分を表している。
【0040】
【数8】
【0041】他の添字の場合も同様である。カップルド
法では全ての変数について同時に解いている。
【0042】一方、ガンメル法では、注目している変数
以外は固定して、それぞれの方程式を解いている。例え
ば、電子エネルギー保存式を解く処理手順では、電子温
度以外のポテンシャル、電子密度、正孔密度、正孔温度
が固定される。
【0043】それぞれの反復で方程式を解くためには行
列計算が行われる。一回の反復で、カップルド法では、
5N×5Nの行列をひとつ解き、ガンメル法ではN×N
の行列を5個解く。
【0044】カップルド法は、少ない反復回数で解を得
ることが可能であるが、良い初期値を与えて計算しない
と収束しないことがある。
【0045】ガンメル法は、初期値依存性は強くない
が、反復回数を多く必要とする。一回の反復にかかる計
算時間はガンメル法の方がカップルド法よりも短いが、
反復回数はカップルド法の方がガンメル法よりも少なく
て済む。
【0046】多くの場合、解を得るまでにかかる全体の
計算時間は、カップルド法の方が短いことが知られてい
る。このため、良い初期値さえ与えることができれば、
カップルド法によって短い計算時間で半導体デバイスの
解析を行うことができる。すなわち、より良い初期値を
設定することが重要となる。
【0047】解くべき基本方程式を解析メッシュ上で表
される式へ変形する離散化には、コントロール・ボリュ
ーム法が用いられる。図10の実線で表されている三角
形メッシュの一部を例にとると、図10の破線で示され
るようなメッシュ点につながるメッシュエッジの2等分
線によって作られる多角形がコントロールボリュームで
ある。
【0048】コントロールボリュームの多角形の頂点は
メッシュの三角形要素の外心(外接円の中心)となって
いる。
【0049】コントロールボリューム法では、メッシュ
エッジIJ上の物理量の流れ(たとえば電流)は、その
エッジ上の流れの密度(たとえば電流密度)に、コント
ロールボリュームの辺OPの長さ(一般に2次元のとき
でも「断面積(crosssection)」と呼ばれ
ている)を乗じた量で表される。
【0050】[エネルギー輸送モデル解析の初期値推定
の従来技術]エネルギー輸送モデル解析では、キャリア
温度(電子温度、正孔温度)の初期値をよりよく、すな
わち、より解に近い値に設定する必要がある。
【0051】第1の従来の方法は、熱平衡温度をキャリ
ア温度の初期値とするものである[上記文献(3)参
照](図11参照)。前述の方程式中の記号で表せば、
次式(42)、(43)となる。ここで添字のkで節点
を区別した。
【0052】Tnk=Tneq(k=1〜N) …(42) Tpk=Tpeq(k=1〜N) …(43)
【0053】エネルギー輸送モデル解析では、デバイス
電極にバイアスが印加されるにつれて、キャリア温度は
高くなり、熱平衡温度から大きくずれてくる。そのた
め、この従来手法ではバイアスが印加された状態におい
て、初期値が解から遠くなるため、収束性が悪くなる。
【0054】第2の従来の方法は、近似的な解析を行っ
て得た解を初期値とするものである[上記文献(4)参
照](図12参照)。
【0055】まずドリフト拡散モデルを解き、ポテンシ
ャル、電子密度、正孔密度を得る(図12:ステップ1
202)。得られたポテンシャル、電子密度、正孔密度
を用いて、電子エネルギ保存式、正孔エネルギー保存
式を解き、電子温度、正孔温度を得る(図12:ステッ
プ1203)。こうして得られた電子温度、正孔温度を
キャリア温度初期値とする(図12:ステップ120
4)。
【0056】この従来の方法では、エネルギー保存式を
一回解いているため解に近い初期値を得られる反面、エ
ネルギー保存式を解くための行列計算を必要とするの
で、計算時間がかかる。
【0057】第3の従来の方法は、直前のバイアス条件
で解析して得られた解を初期値とするものである[上記
文献(5)参照](図13参照)。
【0058】まず、最初のバイアス条件については熱平
衡温度をキャリア温度の初期値として、印加バイアスま
で過渡解析的にエネルギー輸送モデルを計算する(図1
3:ステップ1301)。
【0059】第二バイアス以降については、直前のバイ
アス条件の解析で得られた解をキャリア温度初期値に設
定する(図13:ステップ1302)。
【0060】この従来の方法は、初期値設定のために行
列計算を行っていないので、計算時間が少なくてすむ。
また、印加バイアスが細かく刻まれているときには解に
近い初期値が得られる。しかし、印加バイアスの変化が
大きいときには解から遠い初期値となり、収束性が悪く
なる。
【0061】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、エネ
ルギー輸送モデル解析の初期値推定の第1の従来の方法
では、印加バイアスが高い状態で収束が悪化するという
問題点がある。
【0062】また上記第2の従来の方法では、初期値の
計算に時間を要するという問題点がある。
【0063】そして、上記第3の従来の方法では、印加
バイアスの変化が大きいときに、収束が悪化するという
問題点がある。
【0064】したがって、本発明の目的は、上記問題点
を解消し、コンピュータによる半導体デバイスの数値解
析において、比較的短い計算時間で良い初期値を設定し
て、デバイスシミュレーションの高精度化及び高速化を
図るデバイスシミュレーション方法に提供することにあ
る。
【0065】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本願第1発明は、エネルギー輸送モデルをカップル
ド法(Newton法)を用いて解く場合に、キャリア
温度の初期値を、ドリフト拡散モデルを解いて得られた
電界の値を用いて、エネルギー保存式をはじめとして解
くべき基本方程式とは別にあらかじめ用意された、電界
とキャリア温度の関係を解析的に表す関係式から計算し
て設定するステップを有する。
【0066】また、電界とキャリア温度の関係式に、モ
ンテカルロ法シミュレーションの計算結果から得た近似
式を用いるステップを有する。
【0067】また、本願第2発明では、本願第1発明に
おいて、ポテンシャルのかわりに擬フェルミポテンシャ
ルを用いて電界を計算するステップを有する。
【0068】
【発明の実施の形態】本発明のデバイスシミュレーショ
ン方法は、その好ましい実施の形態において、半導体デ
バイスの数値解析において、エネルギー輸送モデルをカ
ップルド法(Newton法)を用いて解く場合に、キ
ャリア温度の初期値を、ドリフト拡散モデルを解いて得
られた電界の値を用いて、電界とキャリア温度の関係式
から計算して設定する、ようにしたものであり、エネル
ギー輸送モデルの解析において、比較的短い計算時間で
良い初期値を設定することができ、シミュレーションの
高速化、高精度化が図れる。
【0069】
【実施例】上記した本発明の実施の形態について更に詳
細に説明すべく、本発明の実施例について図面を参照し
て以下に説明する。
【0070】
【実施例1】図1は、本発明の実施例の処理フローを説
明するためのフローチャートである。
【0071】各バイアス条件の設定(ステップ101)
をしたあと、ドリフト拡散モデルを解く(ステップ10
2)。このとき、収束条件を緩くして解くことで、計算
時間を短縮できる。この初期値計算のためのドリフト拡
散モデルの計算は、それほど精度を必要としないので、
収束条件がゆるくても悪影響はない。
【0072】この計算によって、ポテンシャル、電子密
度、正孔密度を得る。これらの量は、ドリフト拡散モデ
ルの解であって、エネルギー輸送モデルの解とは異なっ
ているが、ある程度近いものである。
【0073】次に、得られたポテンシャルを用いて電界
を計算する(ステップ103)。前述したように、ポテ
ンシャルはメッシュ節点上で定義される量であるため、
ポテンシャルの傾きで表される電界は、メッシュエッジ
上で定義される量となる。すなわち、あるメッシュエッ
ジをlで表し、その両端点をi、jで表すと、電界El
はポテンシャルψi、ψjによって、次式(44)とな
る。ここで、Llはメッシュエッジlの長さである。
【0074】El=−(ψj−ψi)/Ll …(44)
【0075】次に、得られた電界を用いて、キャリア温
度と電界の関係式から、キャリア温度を得る(ステップ
104)。
【0076】一般的なデバイスシミュレーションでは、
系の状態の履歴に依存しない状況を解析する。(エネル
ギー輸送モデルの解析は系の状態の履歴に依存しない)
系の状態の履歴に依存しない解析を行う限りにおいて、
キャリア温度と電界の関係を一対一の対応で表現できる
ので、電界からキャリア温度を計算することができる。
【0077】すなわち、次式(45)、(46)のよう
に解析的に表現できる関数f、gを用意しておくことが
できる。
【0078】Tn=f(E) …(45) Tp=g(E) …(46)
【0079】解析的に表現された式の計算は、第2の従
来技術のように、行列計算を行うのに比べて、計算時間
がはるかに短くて済む。ここで得られたキャリア温度
も、ドリフト拡散モデルの解をもとにして得たものであ
るため、エネルギー輸送モデルの解とは異っているが、
ある程度近いものである。
【0080】この電界とキャリア温度の関係式に、モン
テカルロ法シミュレーションによって一様電界のもとで
のキャリア輸送を計算して得られた電界とキャリア温度
の関係を近似式で表したものを用いることができる。
【0081】モンテカルロ法は、方程式に従う個々の粒
子の運動をシミュレーションし、時間平均と集合平均を
計算して、解を得る手法である。利点は、原理的なモデ
ルを用いて計算ができることや、キャリア速度分布など
の統計データが得られることである。欠点は、極めて多
数の粒子について計算しなければならないため、計算時
間が非常にかかる点である。
【0082】モンテカルロ法のモデルは、「粒子モデ
ル」と呼ばれるのに対して、前述のドリフト拡散モデル
とエネルギー輸送モデルは、「流体モデル」と呼ばれ
る。
【0083】モンテカルロ法によって、図3、図4のよ
うに、電界とキャリア温度(電子温度、正孔温度)の関
係が得られる。
【0084】この関係は単純に、次式(47)〜(5
2)のように折れ線近似式で表せる。
【0085】 pi=(Tpi+1−Tpi)/(Epi+1−Epi) …(51) Epi≦E<Epi+1 …(52)
【0086】ここで、Mn、Mpは、それぞれ、図3、図
4のデータの数であり、(Eni,Tni)、(Epi,T
p,i)がデータである。また、データのある範囲の外側
については、線形に補外をしてキャリア温度を得ること
ができる。
【0087】つぎに、得られたキャリア温度をエネルギ
ー輸送モデル解析の初期値に設定する(ステップ10
5)。電界がメッシュエッジ上で定義されているため、
得られたキャリア温度もメッシュエッジ上の量となって
いる。これをメッシュ節点上の量に換算する。具体的に
は、以下のようなコントロールボリュームによる平均操
作を行う。
【0088】
【数9】
【0089】ここで、Tni、Tpiはメッシュ節点iでの
電子温度、正孔温度、Tnl、Tplはiにつながっている
メッシュエッジ上での電子温度、正孔温度、hlは各メ
ッシュエッジの断面積である。つぎに、エネルギー輸送
モデルの解析を行う(ステップ106)。
【0090】以上の処理を全てのバイアス条件について
解析が終わるまで繰り返す(ステップ107)。
【0091】この方法では、ドリフト拡散モデルを解い
ているため、バイアス条件の変化が大きい場合でも、解
に近い初期値を得ることが可能である。従来の方法と比
較すれば、精度では、第1、第3の従来の方法よりも良
く、計算時間では、第2の従来手法よりも高速である。
【0092】
【実施例2】本発明の別の実施例の処理手順のフローチ
ャートを図2に示す。
【0093】この処理手順では、図1の実施例1の処理
手順において、ポテンシャルのかわりに擬フェルミポテ
ンシャルを用いて電界を計算する(図2のステップ10
3)。すなわち、電子と正孔についてそれぞれ以下の式
で表される電界En、Epを用いる。
【0094】En=−gradφn …(55) Ep=−gradφp …(56)
【0095】
【数10】
【0096】ここで、φn、φpがそれぞれ電子擬フェル
ミポテンシャル、正孔擬フェルミポテンシャルである。
また、nieは真性キャリア密度である。メッシュエッジ
上の値として表すと、次式の通りとなる。
【0097】
【数11】
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
比較的短い計算時間でより解に近い初期値を得ること
で、エネルギー輸送モデルの解析の収束性を高め、高精
度化、高速化することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の処理手順を示すフロー
チャートである。
【図2】本発明の第2の実施例の処理手順を示すフロー
チャートである。
【図3】モンテカルロ法シミュレーションで得られた電
界と電子温度の関係のグラフである。
【図4】モンテカルロ法シミュレーションで得られた電
界と正孔温度の関係のグラフである。
【図5】デバイスシミュレーションで用いられるメッシ
ュの例を示した図である。
【図6】ニュートン法の処理手順のフローチャートであ
る。
【図7】ニュートン法の処理手順を模式的に表した図で
ある。
【図8】カップルド法の処理手順のフローチャートであ
る。
【図9】ガンメル法の処理手順のフローチャートであ
る。
【図10】コントロールボリュームを模式的に表した図
である。
【図11】第1の従来技術の処理手順のフローチャート
である。
【図12】第2の従来技術の処理手順のフローチャート
である。
【図13】第3の従来技術の処理手順のフローチャート
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−130820(JP,A) 特開 平8−130311(JP,A) 特開 平9−191039(JP,A) 特開 平9−266300(JP,A) International Jou rnal of Numerical Modeling;Electroni c Networks,Devices and Fields,vol.5, p.53−66(1992) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体デバイスのデバイスシミュレーショ
    ンを情報処理装置で数値解析を行う方法において、 エネルギー輸送モデルをカップルド法を用いて解く場合
    に、キャリア温度の初期値を、ドリフト拡散モデルを解
    いて得られた電界の値を用いて、エネルギー保存式とは
    別にあらかじめ用意された電界とキャリア温度の関係を
    解析的に表す関係式から計算して設定するステップを有
    する、ことを特徴とするデバイスシミュレーション方
    法。
  2. 【請求項2】半導体デバイスのデバイスシミュレーショ
    ンを情報処理装置で数値解析を行う方法において、 エネルギー輸送モデルをカップルド法を用いて解く場合
    に、キャリア温度の初期値を、ドリフト拡散モデルを解
    いて得られた電界の値を用いて、電界とキャリア温度の
    関係式から計算して設定するにあたり、 前記電界とキャ
    リア温度の関係式に、モンテカルロ法シミュレーション
    の計算結果から得た近似式を用いる、ことを特徴とする
    デバイスシミュレーション方法。
  3. 【請求項3】ポテンシャルのかわりに擬フェルミポテン
    シャルを用いて電界を計算するステプを有する、こと
    を特徴とする請求項1又は2記載のデバイスシミュレー
    ション方法。
  4. 【請求項4】エネルギー輸送モデルをカップルド法を用
    いて解く場合に、キャリア温度の初期値を、ドリフト拡
    散モデルを解いて得られた電界の値を用いて、エネルギ
    ー保存式とは別にあらかじめ用意された電界とキャリア
    温度の関係を解析的に表す関係式から計算して設定する
    手順を、情報処理装置で実行させて、半導体デバイスの
    デバイスシミュレーションを行う、プログラムを記録し
    た記録媒体。
  5. 【請求項5】請求項4記載の記録媒体において、 前記電界とキャリア温度の関係式に、モンテカルロ法シ
    ミュレーションによって一様電界のもとでのキャリア輸
    送を計算して得られた電界とキャリア温度の関係を近似
    式で表したものを用いる手順を、前記情報処理装置で実
    行させて、半導体デバイスのデバイスシミュレーション
    を行うプログラムを記録した記録媒体。
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