JP2654181B2 - ヒトヘモグロビンの検出方法 - Google Patents

ヒトヘモグロビンの検出方法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は抗ヒトヘモグロビン抗体を用いた免疫学的な
ヒトヘモグロビン検出方法に関し、特に低濃度にて存在
するヒトヘモグロビンを高感度にて検出することができ
る方法に関する。
<従来の技術> 近年、大腸癌などの下部消化器の疾患を検査する方法
として、消化器管からの出血に起因する糞便中の潜血成
分、特にヒトヘモグロビンの検出が主に行なわれてい
る。
ヒトヘモグロビンの検出方法は、従来からヘモグロビ
ンのペルオキシダーゼ活性を利用する方法や、グアヤッ
ク法、オルトトリジン法などが採用されている。
しかし、これらの方法ではペルオキシダーゼ活性を有
する野菜や動物ヘモグロビンを含む食品の摂取を制限し
たり、一部の薬剤の投与(併用)を制限する必要があ
る。
そこで、食品摂取や薬剤投与の制限を必要としない、
抗ヒトヘモグロビン抗体を用いた免疫学的な検出方法が
提案されている。
このような検出方法には例えば、寒天板内での抗ヒト
ヘモグロビン抗体と、被検液中のヒトヘモグロビンとの
沈降線を利用してヘモグロビンを検出する一次元免疫拡
散法や、動物血球に抗ヒトヘモグロビン抗体を感作した
ものと、被検液とを混合して生じる沈降現象像を利用し
て検出する逆受身血球凝集法、高分子ラテックス粒子に
抗ヒトヘモグロビン抗体を感作したものと、被検液を混
合して生じる凝集像を利用して検出するラテックス凝集
法、酵素や放射性同位元素で標識した抗ヒトヘモグロビ
ン抗体を利用するエンザイムノムノアッセイ法やラジオ
アッセイ法などがある。
上記検出方法においては被検物質であるヒトヘモグロ
ビンは通常、溶解液状で検査に供され、例えば便潜血検
査では糞便を生理食塩水や緩衝液中に溶解することによ
り、糞便中のヒトヘモグロビンを溶解液状態にして被検
液として用いられている。
ヒトヘモグロビンの構造は、例えばヘモグロビンAで
はアミノ酸141個からなるα鎖とアミノ酸146個からなる
β鎖と呼ばれるポリペプチドが、それぞれ2個から形成
してなる四量体であり、これらが立体構造で配置されて
いる。このような構造のヒトヘモグロビンは、通常の緩
衝液中では徐々に変性し、ヒトヘモグロビン表面の抗原
決定基がくずれる(失活する)ため、その結果、従来か
らの免疫学的方法では検出感度が著しく低下するもので
ある。特に、被検液中のヒトヘモグロビンが低濃度であ
る場合は、上記失活が顕著であり診断上、意義のある低
濃度域での検出が困難となる。
一方、便潜血検査では検査員の手間や不快感を少なく
するために、被験者自身が自宅などで糞便中に含まれる
ヒトヘモグロビンを溶解液状態にする場合があり、この
ような場合は溶解液状態で数日間放置されることが多
い。また、検査員がヒトヘモグロビンを溶解液状態にし
た場合でも、作業の都合上、検査までに数時間放置され
る場合もあり、このような放置状態では前述のようにヒ
トヘモグロビンの失活が起こってしまい好ましない。
このようなヒトヘモグロビンの失活を防止する目的
で、例えばウシ血清アルブミンや糖類などを添加するこ
とが行なわれているが、充分に効果を発揮するものでは
ない。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は上記従来の技術の欠点を解決するためになさ
れたものであって、その目的とするところは、被検液中
のヒトヘモグロビン、特に低濃度にて存在するヒトヘモ
グロビンの放置中での失活を防止して高感度で正確にヒ
トヘモグロビンを検出できる方法を提供することにあ
る。
<課題を解決するための手段> 即ち、本発明の検査方法は、抗ヒトヘモグロビン抗体
を用いたヒトヘモグロビンの検出において、ヒト以外の
動物ヘモグロビンを被検液中に添加することを特徴とす
るものである。
本発明の方法において被検体としてのヒトヘモグロビ
ンを溶解するための液として、例えばりん酸緩衝液、グ
リシン緩衝液、トリス−塩酸緩衝液、アンモニア緩衝
液、ほう酸緩衝液などがベース液として用いられる。緩
衝液のpHは5〜10、好ましくは6.5〜8.5の範囲とする。
緩衝液中には生理食塩濃度近傍の食塩を添加することが
好ましい。また、細菌等によるヒトヘモグロビンの変性
を抑制するために、抗菌剤として0.05〜0.5重量%濃度
のアジ化ナトリウムを添加することが好ましい。
本発明の方法においては上記緩衝液中に、ヒト以外の
動物由来ヘモグロビン、またはヒト以外の動物の溶血液
を添加する。ヒト以外の動物種としてはウサギ、ヤギ、
ヒツジ、ウマ、ウシ、ブタ、マウスなどが挙げられる。
これらのうちヒトヘモグロビンとアミノ酸配列が非常に
類似したサルやヒヒなどのヘモグロビンを用いると、検
出時に抗ヒトヘモグロビン抗体と結合してしまう、所謂
交叉反応を起こすことがあるので、このようなときはこ
れらの動物ヘモグロビンを用いないほうがよい。なお、
交叉反応性あってもその程度が小さい場合には、抗ヒト
ヘモグロビン抗体と結合しないような高濃度の動物ヘモ
グロビンを添加すればよい。
また、ヒト以外の動物ヘモグロビンと、用いる抗ヒト
ヘモグロビン抗体の由来動物が同一である場合は交叉反
応性が極めて低いので、このような動物ヘモグロビンを
添加することが好ましい。
ヒト以外の動物ヘモグロビンの添加濃度は100ng/ml以
上、好ましくは100μg/ml以上とする。添加濃度が低す
ぎると、ヒトヘモグロビンの変性を抑制する効果が小さ
くなり、正確にヒトヘモグロビンの検出を行なうことが
できない。
本発明の方法では上記のようにしてヒト以外の動物ヘ
モグロビンを添加した緩衝液中に、被検物質であるヒト
ヘモグロビンを溶解して被検液とする。具体的には、便
潜血検査の場合、被験者の糞便の一定量を前記動物ヘモ
グロビンを含有する緩衝液中の一定量に溶解することに
より調製することができる。
本発明の検出方法を実施するには、従来から知られて
いる抗ヒトヘモグロビン抗体を用いた免疫学的検出方法
が採用できる。
以下にラテックス凝集法を利用した検出方法について
例示する。
精製したヒトヘモグロビンAを抗原としてウサギ、ヤ
ギなどの動物に免疫したのち、採血、精製をして抗ヒト
ヘモグロビン抗体を得る。この抗体を中性pHでポリスチ
レンラテックス(粒径0.3μm)と混合して数時間吸着
反応させたのち、ウシ血清アルブミンおよび食塩を含む
緩衝液などで遠心分離精製を行ない、抗ヒトヘモグロビ
ン抗体感作ラテックス試薬を得る。
次に、このラテックス試薬と被検液とをガラス板上で
撹拌混合し、数分後のラテックスの凝集像によって、ヒ
トヘモグロビンを定性的に検出することができる。
また、酵素免疫法の場合は、抗ヒトヘモグロビン抗体
を感作したマイクロプレートのウエルに被検液を入れ、
洗浄した後、ペルオキシダーゼやアルカリフォスファタ
ーゼで標識した抗体を添加し、洗浄して基質溶液を添加
する。
<発明の効果> 以上のように、本発明の方法によれば、ヒト以外の動
物ヘモグロビンを添加しているので、被検液中のヒトヘ
モグロビンを放置中の失活を抑制できるので、高感度に
て検出することができるものである。
<実施例> 以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的に説明す
る。
実施例1 0.2mol/−グリシン、0.1%アジ化ナトリウム、0.9
%塩化ナトリウムからなる水溶液を作製し、1N−水酸化
ナトリウム水溶液にてpH8.0に調整し、この溶液100mlに
ウサギ、ヤギ、ブタ、ウシ、ウマ由来のヘモグロビンを
それぞれ100ml添加して溶解し、溶液状にした。
次に、5%カルボキシル化ポリスチレン10mlに、1mg/
mlの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)
カルボジイミド10mlを加え、20分間撹拌しながら反応さ
せた後、0.01mol/−ほう酸緩衝液(pH8.0)で2回遠
心分離精製した。
このラテックス(濃度5%)10mlに、精製ヒトヘモグ
ロビンをウサギに免疫して作製した抗ヒトヘモグロビン
抗体(ウサギ1gG、濃度5mg/ml)7mlを添加し、5時間ゆ
っくりと撹拌しながら反応させ、さらに0.1%−ウシ血
清アルブミンを含む0.01mol−ほう酸緩衝液(pH8.0)で
3回遠心分離精製し、ラテックス濃度1%の抗ヒトヘモ
グロビン抗体感作ラテックス試薬を得た。
次いで、前記動物由来のヘモグロビン溶液を前記グリ
シン、塩化ナトリウムを含有するグリシン緩衝液で倍々
希釈し、この溶液80μと前記ラテックス試薬20μを
血清反応盤上のウエル内で混合、撹拌して5分後の凝集
像を肉眼にて観察した。その結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、ブタ、ウシヘモグロビン
と交叉反応が見られた。
次に、ヤギ、ブタ、ウシ、ウマヘモグロビンを溶解し
た前記溶解液(希釈倍数×1)中に、ヒトヘモグロビン
の濃度を変えて溶解したものを80μと、前記1%ラテ
ックス試薬20μをウエル内で混合し、撹拌して、5分
後の凝集像を肉眼にて観察いた。その結果を第2表に示
す。
第2表から明らかなように高感度にヒトヘモグロビン
を検出することができることが判明した。
次いで、ウサギヘモグロビン濃度を変えて溶解した前
記溶解液中に、ヒトヘモグロビンを濃度を変えて溶解し
たものを80μと、前記1%ラテックス試薬20μをウ
エル内で混合、撹拌して、5分後の凝集像を肉眼にて観
察した。
さらに、このヒトヘモグロビン溶解液をそれぞれの濃
度で25℃にて5日間放置したのち、再度ラテックス試薬
と混合し、凝集像を観察した。
これらの結果を第3表および第4表に示す。
下記第3表及び第4表から明らかなようにウサギヘモ
グロビンを高濃度にて添加することにより、ヒトヘモグ
ロビンを高感度にて検出することができる。
比較例1 実施例1と同様にして作製したグリシン緩衝液(0.2m
ol/)に、ウシ血清アルブミンを濃度を変えて溶解し
た。この溶解液にヒトヘモグロビンを濃度を変えて溶解
したもの80μと、実施例1で作製した1%ラテックス
試薬20μを混合、撹拌して5分後の凝集像を肉眼で観
察した。また、このヒトヘモグロビン溶解液をそれぞれ
の濃度で25℃にて5日間放置した後、再度ラテックス試
薬と混合して凝集像を観察した。
その結果を第5表および第6表に示す。
下記比較例1の結果(第5表及び第6表)から明らか
なように、何も添加しなかった場合は感度が低下した。
また、ウシ血清アルブミンの添加によってもある程度感
度は上昇したが、5日間の放置によって感度が低下し
た。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗ヒトヘモグロビン抗体を用いたヒトヘモ
    グロビンの検出において、ヒト以外の動物ヘモグロビン
    を被検液中に添加することを特徴とするヒトヘモグロビ
    ンの検出方法。
  2. 【請求項2】ヒト以外の動物ヘモグロビンを被検液中に
    100ng/ml以上の濃度で添加する請求項(1)記載のヒト
    ヘモグロビンの検出方法。
  3. 【請求項3】ヒト以外の動物ヘモグロビンが、使用する
    抗ヒトヘモグロビン抗体と同一由来動物から得られたも
    のである請求項(1)または(2)記載のヒトヘモグロ
    ビンの検出方法。
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