JP2653628B2 - 構造物の制振装置 - Google Patents

構造物の制振装置

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JP2653628B2 JP28747193A JP28747193A JP2653628B2 JP 2653628 B2 JP2653628 B2 JP 2653628B2 JP 28747193 A JP28747193 A JP 28747193A JP 28747193 A JP28747193 A JP 28747193A JP 2653628 B2 JP2653628 B2 JP 2653628B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造物の制振装置、特
に高層または超高層の構造物に作用する風圧力に起因し
て発生する構造物の振動を制振する制振装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】今日、構造物の高層化に伴い、強風等に
より引き起こされる構造物の振動現象が問題となってい
る。特に、各種超高層タワーや、超高層建築物は、構造
物全体が柔構造に形成される場合が多い。従って、風圧
力により大きな影響を受けやすく、例えば風向きが構造
物に正対する場合は、図15に示すよう構造物10の裏
面に周期的なカルマン渦20が発生し、このカルマン渦
20により、構造物10が風と直角する方向に振動する
という現象が生ずる。
【0003】従って、このカルマン渦の発生を抑制でき
れば、構造物10の振動を大幅に低減し、居住性のよい
高層,超高層の構造物を得ることができる。
【0004】このため、従来より制振翼を用いた制振装
置についての提案がなされている(特開平−12047
6号公報,特開平4−297675号公報)。
【0005】例えば特開平2−120476号公報に係
る従来技術では、図14に示すよう、構造物1の上層階
における外壁の角部に、ブレード2を配置している。そ
して、構造物1の振動を小さくするように、風に対する
各ブレード2の迎角を制御している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の装置で
は、構造物1の外壁に設けられるブレード2として、設
置スペース等の制約から余り大きなものを設けることは
できない。これが十分な制振効果を発揮できない原因と
なっていた。
【0007】本発明は、このような従来の課題に鑑みな
されたものであり、その目的は、制振翼及び制振用エア
カーテンを組み合わせて用いることにより、風圧力によ
る構造物の振動を効果的に抑制することができ、特に前
記制振用エアカーテンへの空気の供給を行う配管を、空
調用の配管の一部と共用することにより、配管構造を簡
略化することができる構造物の制振装置を得ることにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め。請求項1に記載の発明は、風圧力による構造物の振
動を制振する制振装置において、前記構造物の上方に縦
方向に配置された複数の制振翼と、前記制振翼に設けら
れ、制振用エアカーテンを作成するエア吹出部と、前記
エア吹出部へエアカーテン作成用のエアを供給するとと
もに、前記構造物内へ空調されたエアを供給するエア供
給部と、前記エア供給部を制御する供給部制御手段と、
を含み、前記エア供給部は、構造物の外部から新鮮空気
を構造物内へ取り入れる新鮮空気供給路と、前記エアカ
ーテンの形成に必要な空気を前記エア吹出部へ向け供給
するカーテン用エア供給ダクトと、前記構造物内に空調
に必要な空気を室内に供給する空調用ダクトと、前記新
鮮空気供給路及び構造物内から空気を取り入れ、前記カ
ーテン用エア供給ダクト及び空調用ダクトへ供給する混
合空調部と、を含み、前記供給部制御手段は、前記新鮮
空気供給路及び構造物内から空気を取り入れて空調した
後、前記空調用ダクトへ供給するとともに、前記エアカ
ーテンの形成に必要な空気量が構造物内からの取り入れ
が許される取入れ許容空気量より少ないとき、前記構造
物内から空気を取り入れ、前記カーテン用エア供給ダク
トへ供給し、前記エアカーテンの形成に必要な空気量が
前記取入れ許容空気量より多いとき、前記構造物内及び
新鮮空気供給路から空気を取り入れ、前記カーテン用エ
ア供給ダクトへ供給するよう前記混合空調部を制御する
ことを特徴としている。
【0009】また、請求項2記載の発明は、請求項1に
おいて、前記混合空調部は、前記エアカーテンの形成に
必要な空気量が前記取入れ許容空気量よりも多いとき、
不足分の空気を前記新鮮空気供給路からカーテン用エア
供給ダクトへ振り分ける振分部を含むことを特徴として
いる。
【0010】また、請求項3に記載の発明は、請求項
1,2のいずれかにおいて、前記供給部制御手段は、前
記エアカーテンの形成に必要な空気量と、前記取入れ許
容空気量とを比較する比較部を含み、エアカーテンの形
成に必要な空気量が前記取入れ許容空気量より多いと
き、不足分の空気を前記新鮮空気供給路からカーテン用
エア供給ダクトへ振り分けるよう前記混合空調部の前記
振分部を制御することを特徴としている。
【0011】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
〜3のいずれかにおいて、前記供給ダクトには、制振翼
が設けられていない下層階から取り入れられた空気を供
給する補給ダクトが接続されていることを特徴としてい
る。
【0012】
【作用】本発明では、構造物の上方に設けられた複数の
制振翼に、エアカーテン作成用のエア吹出部を設けてい
る。これにより、制振翼自体が小さい場合でも、制振翼
の実効的な長さは、制振翼自体の長さと制振用エアカー
テンの長さを足した大きさとなり、大きな制振翼を設け
た場合と同様な制振効果を得ることができる。
【0013】特に、本発明の制振装置では、エアカーテ
ン形成用の空気として、室内の空気を取り入れ許容空気
量の範囲内で活用する構造を採用している。そして、エ
アカーテンの形成に必要な空気量が構造物内から取り入
れられる空気量だけでは不足するとき、新鮮空気供給路
を介して構造物外から供給される空調用の新鮮空気を、
供給ダクトに振り分けるようにしている。
【0014】このような構成とすることにより、室内の
急激な減圧等を効果的に防止しながら、エアカーテンの
作成を行うことができる。
【0015】さらに、空調用に用いられる新鮮空気供給
路を、エアカーテン形成用にも用いるため、その分、構
造物内の配管構造を簡略化することができる。
【0016】さらに、エアカーテンの形成に必要な空気
を全て構造物外から取り入れる場合に比べ、新鮮空気供
給路の最大流路容量を小さくすることができ、その分シ
ステム全体のコストダウンを図ることができる。
【0017】また、請求項3の制振装置では、制振翼に
エアカーテンを形成する際、比較部によって、室内から
の取り入れ許容空気量と、エアカーテンの形成に必要な
空気量とを比較し、エアカーテンの形成に必要な空気量
が取り入れ許容空気量よりも多いときに、不足分を新鮮
空気供給路から供給ダクトに供給する。
【0018】このようにすることにより、供給ダクトへ
の新鮮空気の供給を自動的に行うことができる。
【0019】また、請求項4の制振装置では、エアカー
テンが形成される上層階に、制振翼が設けられていない
下層階の室内から取り入れられた空気を供給し、これに
よりエアカーテン作成用の空気を補充するようにしてい
る。
【0020】これにより、本来排気として捨てられる下
層階の室内空気を、エアカーテン作成用の空気として用
いることができる。このため、その分、室内からの取り
入れが許される許容空気量を大きくすることができる。
従って、その分、新鮮空気供給路の最大流路容量を小さ
くし、システム全体のコストダウンを図ることができ
る。特に、このような排気は、通常は各フロアから屋上
等に設けられた排気口へ向けて設置された排気ダクトを
介してなされるため、排気ダクトの一部または全部を供
給ダクトとして活用できる。
【0021】
【実施例】次に本発明の好適な実施例を、図面に基づき
詳細に説明する。
【0022】図1には、本発明が適用された超高層構造
物の一例が示されている。実施例の超高層構造物30
は、ほぼ四角柱形状に形成され、その屋上32には、風
速および風向きを検出する風センサ(風向・風速計)5
0と、構造物30の水平2方向(x,y方向)の振動を
検出する振動センサ(地震計)52とが設けられてい
る。
【0023】また、前記超高層構造物30は、その側面
の各コーナ部36に制振翼40が設けられている。前記
各制振翼40は、後述するアクチュエータ48を駆動す
ることにより、構造物30内から外部へ進退自在に形成
されている。さらに、図2に示すよう、前記各制振翼4
0は、構造物30の外部へ突出した状態において、支持
軸42を中心として水平方向に回動自在に形成されてい
る。従って後述するアクチュエータ48を制御すること
により、制振翼40の翼方向を任意の向きに設定するこ
とができる。
【0024】図3には、前記制振翼40の構造が示され
ている。実施例の制振翼40は、その前端部に複数のエ
ア吹出口44が所定間隔で形成されている。そして、エ
アブロアー46から供給されるエアが各エア吹出口44
から吹き出され、制振翼40の前方に所定幅L2 の制振
用エアカーテン70が形成される構造となっている。こ
の制振用エアカーテン70は、制振翼40の本体ととも
に、構造物30に吹き付ける風100を受けることにな
る。このため、制振翼40は、実質的にこのエアカーテ
ン70の面積L2 ×H分だけ大きなものとして機能する
ことになる。すなわち、幅L1 ,高さH1 の制振翼40
が、幅L,高さHの大きな制振翼として機能することに
なる。
【0025】前記各制振翼40は、複数階に跨って配置
される。このため、エアブロワー46は図3に示すよう
に1枚の制振翼40対し、1台設けてもよく、また、必
要に応じ、各フロア毎に設けてもよい。前者の場合に
は、大型のエアブロワー46が必要となるが、後者の場
合には、小型のエアブロワー46を用いることができ
る。本実施例では、後者の構造を採用するものとする。
例えば、1枚の制振翼40が、10階に跨って配置され
ている場合には、10階分の各フロアに、エアブロアー
46が各制振翼に対応して設けられているものとする。
【0026】図4には、構造物30内に設けられた空調
用のエア流路と、エアカーテン形成用のエア流路が概略
的に示されている。
【0027】この構造物30は、制振翼40が設けられ
ている上層階30Aと、制振翼が設けられていない下層
階30Bとではエア流路は若干異なるように構成されて
いる。
【0028】上層階30Aでは、各フロアの天井裏にエ
アカーテン形成用及び空調用の混合空調部として機能す
る各階ユニット200Aが設けられている。下層階30
Bでは、各フロアの天井裏に、従来と同様に空調専用の
各階ユニット200Bが設けられている。
【0029】図5には、実施例に用いられる空調用のシ
ステムが概略的に示されている。構造物30の屋上32
に設けられた空気取り入れ口210からは、外部の新鮮
空気110がエアフィルターを介して取入れられ、新鮮
空気供給路として機能する新鮮空気用縦ダクト220を
介し、各フロアの各階ユニット200A、200Bへ向
け供給される。また、構造物30の地下室に設けられた
中央機械室205からは、通常の空調施設と同様にし
て、冷温水用配管224を介し各階ユニット200へ向
け空調用の冷温水が供給される。
【0030】各フロアの天井裏には、各階ユニット20
0A,200Bから、空調用ダクト240が配管されて
おり、各空調用ダクト240の所定箇所には、室内へ向
けた吹出口242が設けられている。そして、図6
(A)に示すよう、各階ユニット200A,200B
は、室内からの戻り空気の一部と、新鮮空気取入れ用ダ
クト220から取入れた外気110とを混合し、冷温水
用配管224を介して供給される冷温水との間で熱交換
を行い、空調された空気を空調ダクト240を介して室
内へ向け供給するように形成されている。なお、下層階
30Bの各階ユニット200Bは、室内からの戻り空気
で、空調用に使用されないものは、補給ダクトとして機
能する排気ダクト222から排気するように構成されて
いる。
【0031】このような冷暖房用の空調システムは、既
に周知であるので、ここではその詳細に付いては省略す
る。
【0032】本実施例においては、このような空調用の
配管システムの一部を用い、エアカーテン形成用の空気
供給システムを構築している。
【0033】以下、エアカーテン形成用の空気供給シス
テムを詳細に説明する。
【0034】本実施例の制振装置のように、制振用エア
カーテン70を形成する場合には、エアカーテン形成用
の空気を構造物30の内部または外部から供給してやる
必要がある。このとき、カーテン形成用の空気を、構造
物30の外部から取入れると、空調用ダクトとは全く別
にエアカーテン形成用のダクトを構造物30内に独立し
て設けなければならず、配管が複雑になり、装置全体の
費用が高価なものとなってしまうという問題が生ずる。
【0035】また、エアカーテン形成用の空気を、構造
物30の室内から取入れると、エアカーテンの形成に大
量の空気を必要とする場合に、室内の気圧が急激に下が
り、生理的な不快感を室内の人に与える場合がある。
【0036】そこで、実施例の制振装置は、原則として
エアカーテン作成用に建物内の空気を用い、エアカーテ
ンに形成に必要な空気量が、建物内から取り入れられる
空気量だけでは不足する場合に、その不足分を新鮮空気
用縦ダクト220から供給するように構成されている。
【0037】このため、図4に示すように、上層階30
Aの各フロアには、空調したエアを供給する機能と、カ
ーテン形成用のエアを供給する機能の双方を供えた各階
ユニット200Aが設けられ、しかも各フロアの天井の
裏には、図7乃至図10に示すよう、空調用ダクト24
0以外に、カーテン用エア供給ダクト230が設けられ
ている。
【0038】前記カーテン用エア供給ダクト230に
は、室内からの空気取り入れ口250と、下層階からの
排気ダクト222が接続されている。さらに、図11に
示すよう、各階ユニット200Aからは、新鮮空気取り
入れ縦ダクト220から分岐した分岐ダクト204が接
続され、ダンパ202を開閉することにより、所望の量
の新鮮空気110を取入れることができるように構成さ
れている。
【0039】そして、このカーテン用エア供給ダクト2
30に供給された、カーテン形成用の空気は、各コーナ
ー部に設けられたチャンバー232内に一旦蓄えられ、
このチャンバー232内に設置された図示しないエアブ
ロア46を用い、必要量の空気が制振翼40へ向け供給
されるように構成されている。
【0040】このようにして、各チャンバー232から
は、エアカーテン形成に必要な空気が各制振翼40に供
給され、そして、余りの空気は供給ダクト230を介し
て各階ユニット200Aへ循環して戻ってくるように構
成されている。このとき、循環して戻ってくる空気の量
が、各フロアの空調用に必要とされる空気量以上の場合
には、図示しない排気ダクトを介し、不要な量の戻り空
気が構造物30の外部へ排出されるように構成されてい
る。
【0041】このようにして各階ユニット200Aに、
カーテン用エア供給ダクト230を循環した空気が戻っ
てくると、この戻り空気と、新鮮空気用縦ダクト220
を介して得られた新鮮空気とを混合して空調し、空調ダ
クト240を介し、室内へ向け供給するように構成され
ている。
【0042】なお、図6(B)には、このような制振お
よび空調用の空気の流れが概略的に示されている。
【0043】図12には、実施例のシステムの回路図が
示されている。実施例のシステムでは、風センサ(風向
・風速計)50として、風速計50a,風向計50bが
設けられている。
【0044】そして、超高層構造物30の上空における
風100の風速および風向きは、前記各センサ50a,
50bで検出され、制振翼制御回路60へ入力される。
【0045】さらに、超高層構造物30に風100が吹
き付けると、構造物上方にはいろいろな振動が発生し、
特に風100が吹き付ける面と反対側の面にはカルマン
渦が発生し、これが構造物30を風方向と直交する方向
に振動させる原因となる。
【0046】このような超高層構造物30の振動量およ
び振動方向は、建物上層階に、水平2方向同時測定でき
るように設置された振動センサ52により検出され、制
御回路80の制振翼制御回路60へ入力される。
【0047】制振翼制御回路60は、前記各センサ50
a,50b,52からの検出信号に基づき、超高層構造
物30の振動を抑制するよう、各制振翼40を制御す
る。
【0048】具体的には、前記制振翼制御回路60は、
突出長演算部62,エアカーテン長演算部64,方向演
算部66を含み、風量および風向きに合わせて構造物の
振動を抑制するよう、各制振翼40の構造物外壁からの
突出長L1 ,カーテン長L2,翼方向を各制振翼40毎
に演算する。そして、その演算値に基づき各制振翼40
に対応して設けられたアクチュエータ68を駆動制御す
る。
【0049】各制振翼40に対応して設けられたアクチ
ュエータ68は、前述したエアブロアー46と、制振翼
40を進退させ、かつ任意の方向に向ける制振翼アクチ
ュエータ48とを含む。すなわち、各アクチュエータ6
8は、突出長演算部62で演算された突出長L1 の値に
基づき対応する制振翼40を構造物30から外部へ突出
させ、さらに方向演算部66で演算された翼方向に基づ
き制振翼40を所定方向へ向ける。さらに、カーテン長
演算部64で演算された値に基づきエアブロアー46が
駆動され、制振翼40の前方に所定長L2 のエアカーテ
ン70を形成する。
【0050】また、実施例の制御回路80には、エア供
給部制御回路82が設けられている。このエア供給部制
御回路82は、各フロアに設けられた空調ユニット20
0A,200Bを制御し、空調用ダクト240を介して
各フロア毎の空調を行わせる。さらに、各フロアの各階
ユニット200Aを制御し、カーテン用エア供給用ダク
ト230を介し、カーテン形成用の空気を制振翼へ向け
供給させる。なお、各フロア毎の空調は、従来技術と同
様にして行うので、ここではカーテン用エアの供給動作
を詳細に説明する。
【0051】前記エア供給部制御回路82は、比較部8
4を含む。前記比較部84は、各フロア毎にエアカーテ
ンの形成に必要な空気量と、室内からの取り入れが許さ
れる許容空気量とを比較し、この比較の結果、エアカー
テン形成に必要な空気量が許容空気量より多いときに
は、この必要な空気量に従って、各階ユニット200A
のダンパ202を開閉するように形成されている。ここ
で、前記許容空気量は、室内の人が不快とならない程度
の気圧低下の限界値に基づいて設定されている。
【0052】図13には、実施例のエアカーテン形成及
び空調動作を示す概略フローチャートが示されている。
【0053】まず、構造物30の屋上等に設置されてい
る各センサからの検出出力に基づき、各制振翼のエアカ
ーテン70の長さを決定して、このエアカーテン長を得
るためのブロアー風量を求める(ステップS1)。
【0054】次に、求められたブロアー風量に基づき、
エアカーテンを作成するために必要な空気量を各フロア
毎に決定する(ステップS2)。
【0055】次に、各フロア毎に、エアカーテンの形成
に必要な風量が、室内からの取り入れ許容量を上回るか
否かの判断が行われる(ステップS3)。
【0056】<エアカーテンの形成に必要な空気量が室
内からの戻り空気量よりも少ない場合>この判断の結
果、必要風量が、取り入れ許容量以下の場合には、空調
ユニット00Aのダンパ202が閉制御される。図11
(A)には、このときの各階ユニット200A内及びそ
の周辺における空気の流れが概略的に示されている。同
図に示すよう、ダンパ202が閉じられると、カーテン
用エア供給ダクト230には、図7に示すよう、吸気ダ
クト250からの当該階からの戻り空気120と、排気
ダクト222からの下層階からの戻り空気122とが取
り込まれ、当該供給ダクト230内を循環することにな
る。
【0057】そして、エアカーテンに使用されるノズル
の弁が開かれ、各チャンバー232内に設けられたブロ
アー46のファンが駆動され(ステップS5)、制振翼
40からは、所定長のエアカーテンが吹出形成されるこ
とになる。
【0058】供給ダクト230内を一巡した残りの空気
が前記各階ユニット200Aに達すると、この戻り空気
は、各階ユニット200Aにおいて前記新鮮空気取入れ
用縦ダクト220を介して取り入れられた新鮮空気11
0と混合される。この混合空気は、この各階ユニット2
00A内の熱交換器によって所定温度に調整され、さら
にフィルタによってホコリ等が除去された後、図8に示
すよう、空調用ダクト240に送出されて当該室内を空
調する。 <エアカーテンの形成に必要な空気量が室内から取り入
れが許される許容空気量よりも多い場合>また、前記ス
テップS3の判断において、エアカーテンの形成に必要
な風量が室内からの取り入れ許容量を上回った場合に
は、不足空気量の取入量に対応するダンパ開度が決定さ
れ(ステップS6)、ダンパ202が開制御される(ス
テップS7)。
【0059】図11(B)には、この状態における各階
ユニット200A及びその周辺における空気の流れが示
されている。
【0060】この場合、カーテン用エア供給ダクト23
0には、取り入れ口250を介して室内からの戻り空気
120、排気ダクト222を介して下層階からの戻り空
気122が取り込まれるとともに、新鮮空気取入れ用縦
ダクト220を介して新鮮空気が取り込まれる。このよ
うにして、供給ダクト230に取り込まれた混合空気
は、供給ダクト230内を一巡する途中で、各チャンバ
ー232内に設けられたブロアーにより各制振翼40か
ら吹き出され、エアカーテン70を形成する。
【0061】そして、供給ダクト230内を一巡した空
気が前記各階ユニット200Aに達すると、この各階ユ
ニット200Aにおいて前記新鮮空気取入れ用縦ダクト
220を介して取り入れられた新鮮空気と混合される。
この混合空気は、この各階ユニット200A内の熱交換
器によって所定温度に調整され、さらにフィルタによっ
てホコリ等が除去された後、図10に示すよう、空調用
ダクト240を介して当該室内に供給される。 <エアカーテンを形成しない場合>エアカーテンの形成
が必要ない場合には、供給ダクト230に取り入れられ
た戻り空気120,122は、当該供給ダクト230内
を一巡した後、余分な空気は最終コーナー部に設けられ
た排出孔(図示しない)から外部に排出される。そし
て、残りの空気は各階ユニット200Aを介して新鮮空
気と混合され、空調された後、空調ダクト240に供給
され、室内に排風される。
【0062】上述した装置であれば、供給ダクト230
に新鮮空気を取り入れるダクト(220)と、空調ダク
ト240に新鮮空気を取り入れるダクト(220)とを
共通なものとすることができる。これにより、ダクトの
配管構造を簡略化することができる。
【0063】また、各階から取り入れた空気量では必要
なエアカーテンを形成できないときには、新鮮空気取入
れ用縦ダクト220からの新鮮空気を供給ダクト230
に取り入れるようにしているので、室内の急激な減圧を
防止することができる。
【0064】また、実施例では、カーテン用エア供給ダ
クト230に取入れる戻り空気として、当該階からの戻
り空気120のみならず、下層階からの戻り空気122
を用いるようにしているので、排気ダクト222を設け
ない場合に比べ、室内からの取り入れ許容空気量を大き
く設定することができる。従って、その分新鮮空気取入
れ用縦ダクト220の最大流路容量を小さく設定するこ
とができる。
【0065】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲内で各種の変形実施が
可能である。
【0066】前記実施例では、供給ダクト230からの
戻り空気の一部を、空調ダクト240に供給する例につ
いて説明したが、供給ダクト230の終端部を空調ダク
ト240に接続しないで室内に開放した構造とするとと
もに、供給ダクト230の始端部並びに空調ダクト24
0の始端部に配置された各階ユニット200Aに、前記
単一の新鮮空気ダクトを接続した構成としてもよい。こ
の場合であっても、前記実施例と同様の効果を得ること
ができる。
【0067】また、前記実施例では下層階30Bからの
空気を取り入れるようにした例を示したが、エアカーテ
ンの形成に必要な空気量等が上層階30Aから取り入れ
る空気で充分であれば、必ずしも必要ではない。この場
合であっても、前記実施例と同様の効果を得ることがで
きる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
構造物の上方に設けられた複数の制振翼に、エアカーテ
ン作成用のエア吹出部を設けている。これにより、制振
翼自体が小さい場合でも、制振翼の実効的な長さは、制
振翼自体の長さと制振用エアカーテンの長さを足した大
きさとなるため、大きな制振翼を設けた場合と同様な制
振効果を得ることができる。
【0069】さらに、本発明によれば、エアカーテン形
成用の空気として、室内の空気を許容空気量の範囲内で
活用する構造を採用している。そして、エアカーテンの
形成に必要な空気量が構造物内から取り入れられる空気
量だけでは不足するとき、新鮮空気供給路を介して構造
物外から供給される空調用の新鮮空気を、供給ダクトに
振り分けるようにしている。
【0070】このような構成とすることにより、室内の
急激な減圧等を効果的に防止しながら、エアカーテンの
作成を行うことができる。
【0071】さらに、空調用に用いられる新鮮空気供給
路を、エアカーテン形成用にも用いるため、その分、構
造物内の配管構造を簡略化することができる。
【0072】さらに、エアカーテンの形成に必要な空気
を全て構造物外から取り入れる場合に比べ、新鮮空気供
給路の最大流路容量を小さくすることができ、その分シ
ステム全体のコストダウンを図ることができる。
【0073】また、請求項3の制振装置では、制振翼に
エアカーテンを形成する際、比較部によって、室内から
の取り入れ許容空気量と、エアカーテンの形成に必要な
空気量とを比較し、エアカーテンの形成に必要な空気量
が取り入れ許容空気量よりも多いときに、不足分を新鮮
空気供給路から供給ダクトに供給する。
【0074】このようにすることにより、供給ダクトへ
の新鮮空気の供給を自動的に行うことができる。
【0075】また、請求項4の制振装置では、エアカー
テンが形成される上層階に、制振翼が設けられていない
下層階の室内から取り入れられた空気を供給し、これに
よりエアカーテン作成用の空気を補充するようにしてい
る。
【0076】これにより、本来排気として捨てられる下
層階の室内空気を、エアカーテン作成用の空気として用
いることができる。このため、その分、室内からの取り
入れが許される許容空気量を大きくすることができる。
従って、その分、新鮮空気供給路の最大流路容量を小さ
くし、システム全体のコストダウンを図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用された超高層構造物の概略斜視説
明図である。
【図2】制振翼の翼方向の制御の説明図である。
【図3】本実施例に用いられる制振翼の構造を示す概略
説明図である。
【図4】超高層構造物内の空気流路の概略説明図であ
る。
【図5】構造物内に設けられた空調用システムの概略説
明図である。
【図6】同図(A)は、空調のみを行う場合における空
気の流れの概略説明図であり、同図(B)は空調および
制振の双方を行う場合の空気の流れの概略説明図であ
る。
【図7】エアカーテンの形成に必要な空気量が室内から
の取り込み許容空気量以内の場合において、エアカーテ
ン形成用に流れる空気の流路の説明図である。
【図8】空調用の空気の流れの説明図である。
【図9】エアカーテンの形成に必要な空気量が室内から
の取り込み許容空気量以上の場合における、エアカーテ
ン形成用の空気の流れ、及びこれに付随する空調用の空
気の流れの説明図である。
【図10】空調用の空気の流れの説明図である。
【図11】各階ユニット及びその周辺における空気の流
れの説明図である。
【図12】実施例の制振システムのブロック図である。
【図13】実施例の制振システムの動作を示す概略フロ
ーチャート図である。
【図14】従来の制振装置の概略説明図である。
【図15】カルマン渦の発生原理を示す説明図である。
【符号の説明】
30 超高層構造物 70 エアカーテン 80 制御回路 200A 各階ユニット 220 新鮮空気取り入れ用縦ダクト 230 カーテン用エア供給ダクト 240 空調ダクト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 守 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田 建設株式会社内 (72)発明者 早間 将之 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田 建設株式会社内 (72)発明者 鈴木 昌彦 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田 建設株式会社内

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 風圧力による構造物の振動を制振する制
    振装置において、 前記構造物の上方に縦方向に配置された複数の制振翼
    と、 前記制振翼に設けられ、制振用エアカーテンを作成する
    エア吹出部と、 前記エア吹出部へエアカーテン作成用のエアを供給する
    とともに、前記構造物内へ空調されたエアを供給するエ
    ア供給部と、 前記エア供給部を制御する供給部制御手段と、 を含み、 前記エア供給部は、 構造物の外部から新鮮空気を構造物内へ取り入れる新鮮
    空気供給路と、 前記エアカーテンの形成に必要な空気を前記エア吹出部
    へ向け供給するカーテン用エア供給ダクトと、 前記構造物内に空調に必要な空気を室内に供給する空調
    用ダクトと、 前記新鮮空気供給路及び構造物内から空気を取り入れ、
    前記カーテン用エア供給ダクト及び空調用ダクトへ供給
    する混合空調部と、 を含み、 前記供給部制御手段は、 前記新鮮空気供給路及び構造物内から空気を取り入れて
    空調した後、前記空調用ダクトへ供給するとともに、前
    記エアカーテンの形成に必要な空気量が構造物内からの
    取り入れが許される取入れ許容空気量より少ないとき、
    前記構造物内から空気を取り入れ、前記カーテン用エア
    供給ダクトへ供給し、前記エアカーテンの形成に必要な
    空気量が前記取入れ許容空気量より多いとき、前記構造
    物内及び新鮮空気供給路から空気を取り入れ、前記カー
    テン用エア供給ダクトへ供給するよう前記混合空調部を
    制御することを特徴とする構造物の制振装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記混合空調部は、 前記エアカーテンの形成に必要な空気量が前記取入れ許
    容空気量よりも多いとき、不足分の空気を前記新鮮空気
    供給路からカーテン用エア供給ダクトへ振り分ける振分
    部を含むことを特徴とする構造物の制振装置。
  3. 【請求項3】 請求項1,2のいずれかにおいて、 前記供給部制御手段は、 前記エアカーテンの形成に必要な空気量と、前記取入れ
    許容空気量とを比較する比較部を含み、エアカーテンの
    形成に必要な空気量が前記取入れ許容空気量より多いと
    き、不足分の空気を前記新鮮空気供給路からカーテン用
    エア供給ダクトへ振り分けるよう前記混合空調部の前記
    振分部を制御することを特徴とする構造物の制振装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記供給ダクトには、制振翼が設けられていない下層階
    から取り入れられた空気を供給する補給ダクトが接続さ
    れていることを特徴とする構造物の制振装置。
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