JP2651833B2 - 無限軌道式引取機のケーブル端末通過方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の技術分野） 本発明は、無限軌道式引取機においてケーブル端末を
通過させる方式に関する。

（発明の技術的背景） ケーブルを布設する場合には、無限軌道式引取機の一
対の無限軌道にてケーブルを挟持して引き取ることがあ
る。

ところで、無限軌道式引取機として、上下に無限軌道
が配された構造のものを用いると、ケーブル端末が上下
の無限軌道間に導入される際に上下に振動して該無限軌
道に当接し、損傷してしまう虞れがあった。

そこで、従来は上方の無限軌道を上動させた上でケー
ブル端末を複数の作業者にてワイヤ等を介して吊り上
げ、この吊り上げた状態でケーブルと共に作業者が移動
することにより、ケーブル端末が無限軌道に当接するを
防止している。

（背景技術の課題） しかし、このような吊り上げ方式では、作業者に多大
な労力を強いてしまう上に引取機に引き込まれる虞れが
あるために非常に危険である。また、特に大径のケーブ
ルの場合には重量が大きいことから多数の作業者が必要
になってしまう。

（発明の目的） 本発明の目的は、ケーブル端末を損傷させることなく
簡単かつ安全に無限軌道間を通過させることができる方
式を提供することにある。

（発明の概要） 本発明は、ケーブルの端末に支持ローラを着脱可能に
取付けると共に無限軌道のケーブル導入口側に傾斜面を
含む案内部材を配し、上方の無限軌道を上動させた後支
持ローラを傾斜面及び下方の無限軌道上で転動させて両
無限軌道間にケーブル端末を通過させることを特徴とす
る。

（発明の実施例） 以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明す
る。

第１図は本発明に係るケーブル端末通過方式を説明す
るための全体図である。

この第１図において、１は無限軌道式引取機を示し、
この引取機１は下方に位置する無限軌道２を備えてい
る。この無限軌道２は駆動輪３及び従動輪４に巻き掛け
られている、駆動輪３は図示しない駆動機構により駆動
され、駆動機構は基台５上に取付けられている。基台５
は床６上に載置されている。無限軌道２のケーブル導入
口７側及びケーブル導出口８側にはガイドローラ９がそ
れぞれ配されている。これらのガイドローラ９は支持部
材10A、10Bに回転自在に支持されている。無限軌道２の
上方には他の無限軌道11が配されている。この無限軌道
11は従動輪12、12に巻き掛けられ、これら従動輪12、12
は図示しない上下動機構に回転自在に装着されて後述す
るように無限軌道11と共に上下動する。

以上の構成を有する無限軌道式引取機１は、従動輪1
2、12を図示しない上下動機構により下動させることに
より上方の無限軌道11を一点鎖線で示す位置まで下動さ
せ、これにより両無限軌道２、11にて布設すべきケーブ
ル13を挟持する。そして、駆動輪３を駆動することによ
り、ケーブル13を矢印方向に引き取る。

さて、本発明のケーブル端末通過方式は、先ず、ケー
ブル13の引取作業が終了する直前、即ち、ケーブル13の
端末13aが無限軌道式引取機１に近づいた時点で該引取
機１の作動を停止すると共に無限軌道11を実線で示す位
置まで上動させる。

また、同時にケーブル13の端末13aに支持ローラ14を
取付ける。即ち、この支持ローラ14は一方のクランプ材
15Aに回転自在に取付けられ、このクランプ材15は他の
クランプ材15Bと共にケーブル13の端末13aを着脱可能に
挟持している。

一方、ケーブル導入口７側の支持部材10Aの先端に、
案内板16の上端を取り外し可能に取り付ける。この案内
板16は軽量なアルミ板より形成され、下端が床６上に係
止している。そして、この案内板16は床６面よりケーブ
ル導入口７に向かって傾斜している傾斜面16aを有して
いる。

次に、ケーブル13を図示しないけん引装置等によりけ
ん引する。このけん引によりケーブル13が矢印方向に移
動するので、ケーブル13の端末13aに取付けた支持ロー
ラ14は該端末13aを支持しつつ床６上を転動し、その後
案内板16の傾斜面16a上を転動し、更に下方の無限軌道
２上を転動する。

従って、ケーブル13の端末13aは支持ローラ14にて支
持されて両無限軌道２、11間を通過するので、該端末13
aが無限軌道２に当接することがなく、よって、その損
傷を防止することができる。また、作業者は単にケーブ
ル13の端末13aに支持ローラ14を取付け、かつ案内板16
を配設するだけなので、ケーブル13の端末13aを簡単
に、しかも安全に無限軌道２、11間に通過させることが
できる。

尚、上記実施例において、ケーブル導入口８側にも案
内板16を配設するのが好ましい。

（発明の効果） 本発明によれば、ケーブルの端末に支持ローラ着脱可
能に取付けると共に無限軌道のケーブル導入口側に傾斜
面を含む案内部材を配し、上方の無限軌道を上動させた
後支持ローラを傾斜面及び下方の無限軌道上で転動させ
るようにしたので、ケーブル端末を両無限軌道間に損傷
させることなく簡単かつ安全に通過させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る無限軌道式引取機のケーブル端末
通過方式を説明するための図である。 １……無限軌道式引取機、 ２、11……無限軌道、 ７……ケーブル導入口 13……ケーブル、 14……支持ローラ、 16……案内板、 16a……傾斜面。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上下に位置する無限軌道にて布設すべきケ
   ーブルを挟持して引き取る無限軌道式引取機において、
   前記ケーブルの端末に支持ローラを着脱可能に取付ける
   と共に前記無限軌道のケーブル導入口側に傾斜面を含む
   案内部材を配し、前記上方の無限軌道を上動させた後前
   記支持ローラを前記傾斜面及び前記下方の無限軌道上で
   転動させて前記両無限軌道間に前記ケーブルの端末を通
   過させることを特徴とする無限軌道式引取機のケーブル
   端末通過方式。