JP2650989B2 - 繊維強化熱硬化性樹脂成形品の製造用材料 - Google Patents

繊維強化熱硬化性樹脂成形品の製造用材料

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、熱硬化性樹脂よりなる繊維強化プラスチ
ックス(略称FRP)成形品の製造用の材料に関するもの
であり、更に詳細に云えば、高温高圧の条件下に、金型
内において、その成形加工を受けるバルクモールディン
グコンパウンド(略称BMC)、シートモールディングコ
ンパウンド(略称SMC)、メタルマッチドダイ成形用材
料(略称MMD用材料)、あるいはレヂンインジェクショ
ン成形用材料(略称RI用材料)に関する。
[従来の技術および解決しようとする課題] FRPは軽量であるにも拘らず、大きい強度、剛性を有
し、耐熱性と耐蝕性を併有する構造物用の材料として、
広く賞用されている。
FRP成形品の材料としてのBMC、SMC、MMD用材料、RI用
材料は、高温高圧の条件下に、金型または、樹脂製の成
形型を使用する機械成形を受けて製品化されるのであ
り、各種のFRPの生産法中、特に、量産性を含めて生産
性が高い材料として知られており、建築関連素材、電機
機器部品用の素材、工業機器用の素材、また更に、船
舶、車両用の素材として今後一層の需要の増大が期待さ
れている。
また、近年、軽量化を目的とし、自動車部品のプラス
チックス化の必要性が増大している状況下にあって、こ
の成形材料は剛性、耐熱性、コストにおいて優れている
こと、更に製品である成形品の表面の平滑度が従来のス
チール製品のそれと同等の性能であることにより、特
に、自動車ボディ外板材料として注目を集めており、こ
の用途分野における需要の飛躍的増大が期待されてい
る。
これらBMC、SMC、MMD用材料、およびRI用材料には、
通常、加熱硬化に伴う成形時の収縮、あるいは、この収
縮に伴う成形品のそり、ねじれなどの変形を防止する目
的、および成形品の表面の平滑性を向上させることを目
的として、ポリエチレン、ポリスチレン、酸変性酢酸ビ
ニル共重合体、酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタク
リレート、SBS、飽和ポリエステルなどの熱可塑性樹脂
の一種、または二種以上が組合わされて配合されてい
る。
これら熱可塑性樹脂には、一般に、収縮抑制剤(略称
LPA、LPA=Low Profile Additive)が、収縮率および表
面の平滑度に対する要求水準が極めて高い精密成形の用
途、例えば自動車ボディ外板製造用などの用途の成形用
材料中に、高濃度に混合されて、使用されている。
LPAは、不飽和ポリエステル樹脂と混合された状態下
に、顕微鏡的スケールにおいて、境界面が形成されず相
互に溶解するものと、境界面が形成されて島状に分散す
るものとに大別される。
各々のLPAは、混合物の貯蔵安定性、成形性、また成
形品の機械的物性、耐水性などの諸性能について損失が
あるが、所望の成形品の要求諸性能を満足させるように
充分な検討と試験を経た後にこれらの選択と配合が行わ
れている。
代表的LPAとして、酸変性酢酸ビニル共重合体と、飽
和ポリエステルおよびその変性体があるがこれらは収縮
防止性を始めとして諸性能において優れていること、ま
た、不飽和ポリエステル樹脂と混合された状態における
混合物の粘度が低いこと、およびこれに無機質充填材と
強化用繊維が配合された状態における混合物の貯蔵安定
性が優れていること、更には成形の過程において往々発
生するLPAの分離に起因する成形品の表面の光沢不良、
ピンホールなどの外観不良がないという特徴があり、自
動車ボディ外板用などのように、その形状が精緻であっ
て、長期間の安定した性能を要求される用途において多
用される可能性がある。
しかしながら、酸変性酢酸ビニル共重合体、または飽
和ポリエステルなどを、LPAとして使用する場合には成
型用材料の成形型内における加熱硬化終了後、成形品が
成形型から離脱させられる段階において、成形品と成形
型の鏡面状表面との密着力によって成形品の表面が破損
し易くなるという障碍がある。
多くの場合、成形品の表面に亀裂が発生する現象、あ
るいは局部的に薄膜状に成形品の表面が剥ぎ取られる現
象があり、これにより成形品の物理的機械的性能までが
損なわれるものではないが、自動車ボディ外板のように
外観品質について要求水準が極めて高い成形品が目的製
品である場合は、成形品が成形型から離脱させられる時
に生じた表面的な僅かな傷があっても、その製品は不合
格品として処分される結果となる。
また、成形品が成形型へ離脱させられる時に製品外観
の不良化が発生することに原因し、剥ぎ取られた成形品
の薄片が成形型へ密着して成形型の汚損が生じる。
この汚損に対して、製品一個の成形が終了する都度、
成形型の清掃と調整が必要となり高能率の生産が実質的
に不可能となる。
このように大きい不利益を招く離型性の不良に基く障
碍を除く手段として、内部混入型離型剤として成形材料
中に添加するステアリン酸亜鉛、あるいはリン酸塩化合
物、例えばデュポン社製のゼレックUN(商品名)、脂肪
酸アミド化合物などの配合量を増加させる方法がある
が、この手段による場合には、成形品の物理的性状、あ
るいは、耐水性能の低下が生じるとともに製品表面の平
滑性も著しい悪影響を受ける。
また、成形前にシリコン系、弗素系、リン酸エステル
系、またはカルナバワックスなどの植物性ワックスを外
部離型剤として成形型に塗布することにより離型膜を形
成させ、成形板と成形型の密着力を減少させる手段があ
る。
しかし、この手段による場合には、成形前の外部離型
剤の塗布作業が存在することによってBMC、SMC、MMD用
材料、RI用材料の特徴である高速大量生産が阻止される
とともに成形型に塗布される外部離型剤によって、製品
に塗装が施される場合に塗膜の固着性が著しく損なわれ
るという障碍がある。
[発明の目的] この発明の目的は、FRP成形用材料中に不飽和ポリエ
ステル樹脂と相溶性を有するLPAである酸変性された酢
酸ビニル共重合体、または飽和ポリエステル化合物およ
びまたはその変性体が配合されることにより、成形時の
収縮率が顕著に低減されているFRP成形用の材料を成形
する際に発生する前記の障碍が解消されて、強度、剛
性、表面の平滑性において優れた成形品が製造されるこ
とを可能とするFRP成形用の材料を提供することであ
る。
[課題を解決する手段] この発明の材料は、不飽和ポリエステル樹脂、無機質
充填材、および繊維状強化剤が主成分である成形用材料
において、酸価(JIS−K−6901記載の方法により測
定)が1g当り5〜35mg KOHの範囲内にある酸変性された
酢酸ビニル共重合体が1.5〜6.0wt.%の範囲内、含有さ
せられるか、エステル結合1個当りの分子量が70〜250
の範囲内の飽和ポリエステル化合物が1.0〜7.0wt.%の
範囲内、含有させられ、同時に、高級脂肪酸カルシウム
塩が0.5〜2.5wt.%の範囲内、含有させられることを特
徴とするFRP成形用の材料である。
この明細書中の説明に使用されるwt.%は、成形用材
料の全重量が、その基準である。
この発明において使用される酸変性された酢酸ビニル
共重合体は、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、懸
濁重合法など、その製造方法の如何に拘わることなく、
その全てが使用可能であり、その分子量は、10,000〜20
0,000の範囲内にあることが望ましい。
酸変性のために使用される酢酸ビニルと共重合可能な
エチレン性不飽和結合を有する不飽和酸には、アクリル
酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン
酸、ビニル酢酸などがあり、これらはその二種以上が混
合使用されてもよい。
また、この他にエチレン、プロピレン、塩化ビニル、
アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、マレイ
ン酸エステル、フマル酸エステル、クロトン酸エステ
ル、ステレンなどのエチレン性不飽和単量体の一種以上
が使用されたランダム共重合体、あるいはブロック共重
合体も利用可能である。
この発明において、酸変性酢酸ビニル共重合体の酸価
(JIS−K−6901に記載の方法により測定)が共重合体1
g当り5mg〜35mg KOHの範囲内にあることが必須要件であ
り、これが5mg KOH以下である場合には成形材料からの
遊離が激しくなり所望の収縮率の低下は実現しないので
あり、また35mgKOH以上である場合には、共重合体中の
酢酸ビニル含有量が小さくなり、同様に収縮率の低下が
実現しない。
また、この発明においては、上記の酸変性酢酸ビニル
共重合体の特定された含有量も発明の効果獲得のための
必須要件であり、その範囲は1.5〜6.0wt.%である。
この含有量が1.5wt.%以下である場合には成形時の成
形品表面の不具合発生の抑止のための酸変性された酢酸
ビニル共重合体の性能が発揮されず、また6.0wt.%以上
である場合には、酢変性された酢酸ビニル共重合体が、
成形材料から遊離することにより、同様に、成形品の収
縮率の低減の効果が損なわれる現象、あるいは熱可塑性
樹脂含有量の増大に伴うFRPの物理的性能の低下が顕著
となり、製品は実用的でないものとなる。
酸変性された酢酸ビニル共重合体の上記の添加量と範
囲内において、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチ
ルメタクリレート、またはSBR、NBR、SBSなどのゴム成
分、およびこれらのゴム成分の水素化物など他の熱可塑
性樹脂成分が混用されることも、この発明の範囲に包含
される。
この発明において酸変性酢酸ビニル重合体は、必要に
応じ、スチレン、メチルメタクリレート、ビニルトルエ
ンなどのエチレン性不飽和単量体、あるいはジビニルベ
ンゼン、ジアリルフタレートなどの多価ビニル化合物に
混合され使用される。
次に、この発明に使用される飽和ポリエステル化合物
としては、通常、エチレン性不飽和結合を含まない飽和
多塩基酸かそれらの酸無水物と、多価アルコールが縮合
させられて得られるものであり、飽和多塩基酸、または
それらの酸無水物としては、フタル酸とその無水物、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、コハク酸とこ
れらの無水物、ヘット酸、テトラヒドロフタル酸とその
無水物、ヘキサヒドロフタル酸とその無水物などが挙げ
られる。
また、多価アルコールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、1.6−ヘキサンジオール、ジエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、
トリメチロール、プロパン、ペンタエリスリトール、ビ
スフェノールのエチレンオキシドかプロピレンオキシド
付加物、ビスフェノール水素化物などが挙げられる。
多塩基酸の一部は、脂肪酸、安息香酸などの一塩基酸
を以て、また多価アルコールの一部は、一価アルコール
を以て、置換されてもよい。
また、飽和多塩基酸が代替されて、例えば、ジメチル
テレフタレートのようにエステル化されたものが使用さ
れ、これと多価アルコールとのエステル変換反応による
飽和ポリエステル化合物とされてもよい。
また、分子内にエステル結合があるカプロラクトンな
どの開環反応により得られる飽和ポリエステル化合物で
あってもよい。
更に、得られた飽和ポリエステル化合物がトリレンジ
イソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、
ポリメチルポリフェニルイソシアネート(粗製MDI)、
イソホロンジイソシアネートなどの多官能性イソシアネ
ート化合物により連鎖延長反応をさせられて得られる化
合物もこの発明における飽和ポリエステル化合物に包含
される。
これらの飽和ポリエステル化合物は必要に応じスチレ
ン、メチルメタアクリレート、ビニルトルエンなどのエ
チレン性不飽和単量体、あるいはジビニルベンゼン、ジ
アリルフタレートなどの多価ビニル化合物に混合され溶
解させられて使用され得る。
この発明では、飽和ポリエステル化合物のエステル結
合1個当りの分子量が70〜250の範囲内のものが利用さ
れる。この分子量が70以下、または250以上の場合に
は、不飽和ポリエステル樹脂からの遊離などによって所
望の収縮率低減の効果が得られない。
この発明におけるエステル結合1個当りの分子量と
は、飽和ポリエステルの合成に使用される酸成分と、グ
リコール成分の合成仕込みモル数から計算されるもので
あり、酸成分とグリコール成分は化学的に同当量で反応
したものとしたモデル的繰り返し単位の分子量を、その
繰り返し単位中に含まれるエステル結合の数で除した数
値である。
この場合、エステル化反応に相当して除去される水、
およびまたはエステル交換した場合のアルコール、およ
び過剰に仕込まれる酸成分、またはグリコール成分、お
よび飽和ポリエステルの変性に使用される多官能性イソ
シアネート成分などは除いて計算される。例えば、アジ
ピン酸1.0モル、エチレングリコール0.5モル、ネオペン
チルグリコール0.5モルのモデル的繰り返し単位は となり、そのエステル結合1個当りの分子量は、炭素原
子量を12、酸素原子量を16、水素原子量を1として、下
記のように計算される。
(19×12+16×8+30×1)÷4=96.5 また、より一般的には、n個の酸成分、m個のアルコ
ール成分との組合せにおいて i番目の酸成分のモル比を AM(i) i番目の酸成分の分子量を AW(i) j番目のアルコール成分のモル比を BM(j) j番目のアルコール成分の分子量を BW(j) として(ただし、 (j)=1)成分比に応じた分子量が加算され、下記の
通り仮想的1モルの分子量から2分子の水が反応により
離脱したものとし、この分子量相当36が控除され、かつ
仮想的1モル中のエステル結合基数2で除されたものと
されてもよい。
即ち、エステル結合1個当りの分子量は次の式により
算出される。
エステル結合1個当りの分子量= この発明の効果が得られるためには、飽和ポリエステ
ル化合物の成形材料中の含有量の範囲も、また必須の要
件であり、その範囲は1.0〜7.0wt.%である。
この含有量が1.0wt.%以下の場合は、飽和ポリエステ
ル化合物の添加があっても成形時の成形品表面の不具合
が発生し、また7.0wt.%以上である場合は、飽和ポリエ
ステル化合物の不飽和ポリエステル樹脂からの分離によ
り成形品の収縮率の低下の効果が損なわれる現象、およ
びまたは、熱可塑性樹脂成分量の増大に伴うFRPの物理
的性能の低下が著しく、実用的でないものとなる。
上述の飽和ポリエステル化合物の添加量の範囲におい
て、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタアク
リレート、あるいはSBR、NBR、SBSなどのゴム成分、お
よびそれらの水素化物など他の熱可塑性樹脂成分が併用
されることも、この発明の範囲に含まれるものであるこ
とは勿論である。
この発明に使用される高級脂肪酸カルシウム塩はその
製法の如何を問わず、全て利用可能でありその粒径は、
100メッシュ以下、好ましくは200メッシュ以下に調整さ
れて使用される。
また、この高級脂肪酸カルシウム塩には飽和脂肪酸カ
ルシウム塩と不飽和脂肪酸カルシウム塩いずれも利用可
能であり、脂肪酸部分の炭素原子数が12〜30であるもの
が望ましく、これらの高級脂肪酸カルシウム塩として
は、例えば、ラウリン酸カルシウム、パルミチン酸カル
シウム、ミリスチン酸カルシウム、ステアリン酸カルシ
ウム、オレイン酸カルシウム、リノール酸カルシウム、
リノレン酸カルシウムなどが挙げられる。
その添加量の範囲は、0.5〜2.5wt.%であり0.75〜1.5
0wt.%であることが、特に好ましい。
添加量が0.5wt.%以下である場合には成形時に発生す
る成形品表面の不具合発生の抑止の効果がなく、また2.
5wt.%を越えた場合にはBMC、SMC、MMD用材料、およびI
R用材料の製造時において、強化用繊維以外の全成分で
ある樹脂コンパウンドの粘度が上昇することにより、樹
脂コンパウンドの強化用繊維間への充分な侵入状態が得
られなくなり、製品FRPの物理的性能、化学的性能が著
しく損なわれるとともに、成形品の外観も甚だ悪いもの
となる。
高級脂肪酸カルシウム塩の添加量の範囲内において、
ステアリン酸亜鉛、リン酸塩アルコール、およびまたは
脂肪酸アミドなど、成形型からの離型性向上の目的を以
て添加される所謂、内部離型剤が併用されることも、こ
の発明の範囲内に包含される。
この発明において、使用される不飽和ポリエステル樹
脂は、通常、多塩基酸またはそれらの無水物と多価アル
コールとが縮合させられたポリエステル化合物の一部分
に、エチレン性不飽和結合が含まれるものであり、これ
に必要に応じ、反応性希釈剤として、スチレン、メチル
メタアクリレート、ビニルトルエン、パラメチルスチレ
ンなどのエチレン性不飽和単量体の一種以上が混合され
て溶解させられたものである。
また、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレートなどの
多価ビニル化合物が反応性希釈剤とされてもよい。
不飽和ポリエステル樹脂の原料である多塩基酸または
その多塩基酸無水物としては、フマル酸、マレイン酸、
およびその無水物、イタコン酸などがエチレン性不飽和
結合がある不飽和多塩基酸として挙げられ、また、オル
ソフタル酸、およびその無水物、イソフタル酸、テレフ
タル酸、トリメリット酸、アジピン酸などが飽和多塩基
酸として挙げられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチル
グリコール、1.6−ヘキサンジオール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ビスフェノールのエチレンオキシド、
あるいはプロピレンオキシド付加物、ビスフェノール水
素化物などが挙げられる。
なお、この他に多塩基酸の一部が脂肪酸、安息香酸な
どの一塩基酸を以て、また、多価アルコールの一部が一
価アルコールで置換されてポリエステル化合物とされ得
る。
また、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレ
ート、イソシアネート化合物により変性された不飽和ポ
リエステル化合物が前記エチレン性不飽和単量体に混合
され溶解させられたものもこの発明でいう不飽和ポリエ
ステル樹脂の範鋳に含まれる。
この発明の成形用材料が、FRPとしての物理的要求性
能を満足させる成型体を与えるものであるためには、強
化用繊維成分は必須成分である。
この強化用繊維成分として、この技術分野において公
知、乃至、周知であるガラス繊維、炭素繊維、金属繊維
などの無機質系、ならびにビニロン繊維、ポリエステル
繊維、ポリアミド繊維、レーヨン繊維などの有機質系の
繊維が利用可能であり、また、これらの二種以上が組合
わせられて使用され得る。
これら強化用繊維の配合量は、FRP成形製品の物理的
性能と外観の良好性を両立させるために10〜50wt.%の
範囲内であることが好ましく、特に20〜40wt.%の範囲
内がよい。
また、この成形材料の収縮率を減少させ、また成形型
内における流動性を良好なものとするために、微粒子状
無機質充填材は必須成分である。
無機質充填材としては、この技術分野においてBMC、S
MC、MMD用材料、RI用材料用の充填材として公知、乃
至、周知の炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレ
ー、カルシウム・マグネシウム複合炭酸塩、硫酸バリウ
ム、ガラスビーズ、ガラスマイクロバルーン、珪酸アル
ミニウムとその発泡体などが利用され得るのであり、ま
た、これらが組合わせられて利用され得る。
これら微粒子状無機質充填材の配合量は、10〜70wt.
%の範囲内であることが望ましいのであり特に、自動車
ボディ外板のように高級な外観品質が求められるものに
ついては、30〜60wt.%の範囲内がよい。
また、その粒径は100μ以下であることが望ましく、
特に、30μ以下であることが好ましい。
この発明の成形用材料において、上記必須成分以外に
も硬化剤、重合禁止剤、着色剤、増粘剤、その他の有機
系、無機系の添加剤が必要に応じて配合され得る。
即ち、これら添加剤として従来からBMC、SMC、MMD用
材料、RI用材料に、通常、使用されている全ての材料の
利用が可能であって、これらの種類、配合量により、こ
の発明が制限を受けるものではない。
[発明の効果] この発明のFRP成形用材料は、成形型内で加熱硬化さ
せられた後の成形型からの離型時において成形型と成形
品の表面との密着力が小さくなっていることに起因し
て、成形収縮率が高度に低減された成形用材料に通常頻
発する成形品の表面の不具合の発生が全くないという優
れた作用と効果を与える。
成形材料中に配合されたLPAが、その性能を充分に発
揮し、成形品表面の平滑度と光沢が良好な成形品が高能
率を以て生産される。
更に、この発明によれば成形用材料の成形直前に一回
の成形の都度か、あるいは頻繁に、成形型に塗布される
外部離型剤が不要となり、量産性が向上すると同時に、
後続工程である成形品の塗装のための表面の脱脂などの
前処理が簡略化されて容易になり、更に塗料薄膜の密着
性とブリスター性などの塗料薄膜の性能が向上する効果
も併せて提供される。
この発明の成形用材料は、これによって製作されるFR
Pの離型性に影響を与えることがなく、酸変性された酢
酸ビニル共重合体と飽和ポリエステル化合物の優れた成
形収縮率の低減化性能を導出するのであり、一般成形品
への応用は、もとより、自動車、航空機、船舶、鉄道車
両などその設計と製作において、構成部品の寸法安定性
と、平滑性を始めとする外観品質に関して、要求水準が
高い用途にFRPの利用範囲を拡大するのであり産業上の
利用可能性が極めて大きい。
実施例 実施例に基いて、この発明を更に詳細に説明する。
これらの実施例は、発明の具体化例であるに過ぎない
のであり、これらの記載によりこの発明が限定されるも
のではない。
BMC、SMC、MMD用材料、RI用材料はいずれも、その原
材料と製造工程が相違しているが、FRP成形用材料とし
てその機能作用が同様である成分によった同様構成の組
成であることと、組成による作用効果も同様であること
により、以下の実施例と比較例においてはSMCによるも
ののみが例示される。
実施例と比較例において使用された不飽和ポリエステ
ル樹脂は、次に述べる手順により得られたものである。
即ち、無水マレイン酸17,650g(180モル)、プロピレ
ングリコール7,190g(94.5モル)、ネオペンチルグリコ
ール9,842g(94.5モル)がダウサムを熱媒とする60lジ
ャケット型加熱装置付反応容器に装入され、窒素ガス雰
囲気下に200℃に加熱され脱水縮合反応が生起させら
れ、JIS−K−6901に規定する方法により反応生成物1g
当りの酸価が25mgKOHになったときに、冷却が開始され
て反応が停止させられて、生成した不飽和ポリエステル
化合物に、重合禁止剤としてパラベンゾキノン、反応性
希釈剤としてスチレンが混合されて、不飽和ポリエステ
ル樹脂Aが製造された。
パラペンゾキノンとスチレンの量は、不飽和ポリエス
テル樹脂中に、それぞれ500ppmと40%となるように調整
された。
得られた不飽和ポリエステル樹脂Aの粘度は、JIS−
K−6901に記載の方法、即ち、ブルックフィールド型粘
度計法によって測定され、その測定値は3.5ポイズであ
った。
また、同様に、JIS−K−6901に規定の高温硬化特性
が測定された結果は、ゲル化時間が22分30秒キュア時間
が24分10秒、最高加熱温度は255℃であった。
以下の実施例と比較例において使用された高級脂肪酸
カルシウム塩は、脂肪酸を50℃の無水アルコール中に溶
解させ、水酸化ナトリウム水溶液が滴下されて得られる
脂肪酸ナトリウム塩と、酸化カルシウムとの水・アルコ
ール混合液中における複分解法により調製された。
複分解により生成した高級脂肪酸カルシウム塩の沈殿
は濾別後、水、アルコール、アセトンを以て洗浄され、
真空乾燥後に粉砕され200メッシュの篩を通過したもの
が使用された。
不飽和ポリエステル樹脂Aに熱可塑性樹脂、炭酸カル
シウムなどの無機質充填材、ならびに硬化用触媒、内部
離型剤などが通常方法にて混合され撹拌された。これに
更に粘度調整剤として酸化マグネシウムが同様に常法に
て混合され撹拌が行われてSMC用の樹脂コンパウンドと
された。
このSMC用樹脂コンパウンドが、ポリエチレンのシー
ト上に塗布され、SMC製造機により1インチ長に切断さ
れた所定量の強化用ガラスロービングチョップに連続的
に含浸させられた。
SMCのポリエチレンシート上への塗布の幅員は300mm、
塗布の厚さは、約0.8mmになるようにドクターボックス
が調整された。
1インチ長に切断のガラスロービングチョップのポリ
エチレンシート上への供給量は、毎分400gとされ、所定
のガラス含有量にされるためにポリエチレンシートの走
行速度が調整された。
ガラスロービングチョップに含浸されたコンパウンド
は、紙製軸筒に巻き取られて、ポリエステルフィルムを
以て密封された後、40℃の空気中にて40時間粘度調整の
熟成が行われて成形用材料とされた。
この成形用材料の900cm2(30×30cm)当り重量は約27
0gであった。
SMCの成形は900cm2(30×30cm)の鏡面を有する正方
形の平板成形用の金型により行われた。
成形条件は、金型表面温度145℃、加圧圧力75Kg/c
m2、加熱硬化のための加圧保持時間は120秒間とされ
た。
また、離型性の評価が目的とされたために外部離型剤
は、一切使用されなかった。
SMC成形材料は、一辺が180mmの正方形に切断され、こ
れが4枚重ねられて成形された。この時の成形板1枚当
りの重量は約400gであり、成形板の厚さは約2.5mmであ
った。
成形板の平滑性の測定法は、東京貿易製の樹脂パネル
歪測定器によって行われた。
この測定は、定盤上に水平に置かれたSMC成形品の表
面をセンサーが移動しつつ、1mmのピッチにて表面の高
さの測定値を、最小分解能1μmを以てサンプリングし
て、得られた測定値群から5次回帰式が求められ、その
後、この回帰式と測定値群が連続線とされたものとの差
が単位長さ当りの面積として表わされるものであり、こ
の測定の数値が小さいものほど、収縮量低減の効果が良
好であるのであり、加えて、平滑性も良好になったもの
と評価される。
この実施例中における測定では、センサー移動距離は
約330mmであり、正方形の成形品の対角線二本上が測定
され、その平均値がSN(サーフェスナンバー)とされ
た。
自動車ボディ外板用など、平滑性の要求の程度が高い
用途については、この数値は200以下、望ましくは100以
下である。
なお、使用された酸化マグネシウムは、協和化学製の
酸化マグネシウム#20(商品名)でありこれについて
は、以下の実施例と比較例の中において、特に指摘がな
い限り、同様である。
また、実施例と比較例に関する表の中の配合量につい
ては、強化用繊維は成形材料中の重量%でであり、これ
以外の他の成分については重量部数で示されている。
また、酸変性された酢酸ビニル共重合体と、高級脂肪
酸カルシウム塩については、重量部数の表示とともに、
成形材料中の重量%も括弧の中に示されている。
これらに関しても、以下の実施例と比較例の中におい
て特に述べられない限り同様である。
また、表中にある成形品表面の評価項目の目視可能の
ピンホール、クラック、および面破壊の評価基準の表示
については次の通りである。
ピンホール: なし ○;あり(1〜10個)× あり(10個以上)×× クラック: なし ○;あり(1〜10個)× あり(10個以上)×× 面破壊:なし ○;あり × なお、上記の基準中の面破壊とは、成形品表面に線状
の分断が生じて破壊され、破壊された表面の部分が成形
品表面に留まっているクラックとは相違して、破壊され
た表面部分が剥離されて成形型の表面に付着したままの
状態となる現象であり離型性について、クラックより
も、更に一層悪い状態であると理解されるべきである。
上記の成形品表面の評価基準は、以下の実施例と比較
例中にて特に指摘がない限り同じである。
実施例1〜3 酸変性された酢酸ビニル共重合体として、電気化学製
のデンカASRM−5(商品名)が、40重量%の濃度になる
ように、200ppmのパラベンゾキノンが予め溶解させられ
ているスチレンに、混合されて溶解させられ、酢酸ビニ
ル樹脂Aとされた。
この共重合体のJIS−K−6901記載の測定法による酸
価は、1g当り5.4mgKOHであり、その粘度はブロックフィ
ールド型粘度計により25℃において測定されて60ポイズ
であった。
酢酸ビニル樹脂Aと、先の記述によって説明されてい
る不飽和ポリエステル樹脂Aが、使用されて先に説明さ
れている方法によりSMCが製造された。このときの配合
と、先に説明された方法により成形されて得られた成形
品の外観評価の結果、ならびに樹脂パネル歪測定器によ
る平滑性評価の結果が表1の実施例1〜3に示される。
なお、表1中の酢酸ビニル樹脂Aと併用されている熱
可塑性樹脂LPA 1には、ポリスチレン35%スチレン溶液
である三井東圧化学製のエスタ(ESTA)EM−116(商品
名)が、また、LPA 2にはポリエチレン微粉砕品である
製鉄化学製のフローセン(FLOTHENE)UF−20(商品名)
が使用された。
この他、炭酸カルシウムには、日東粉化製のNS#200
(商品名)、硬化用触媒にはターシャリーブチルパーオ
キシベンゾエート(TBPB)、強化用ガラス繊維には、日
本電気硝子製ERK4630−ED240(商品名)、ステアリン酸
亜鉛は、淡南化学製ジンクステアレートN、また、増粘
剤としては、協和化学製の酸化マグネシウム#20(商品
名)が使用された。
比較例1〜3 これらの比較例では、実施例1〜3において配合され
たステアリン酸カルシウムが、同一配合量にて、ステア
リン酸亜鉛に代えられて、SMCが製造された。
実施例1〜3と同様に成形されて評価された結果が表
1中に、比較例1〜3として示される。
実施例1〜3と、比較例1〜3によって、この発明の
特定範囲内の酸変性酢酸ビニル共重合体中のステアリン
酸カルシウムの効果は顕著であり、成形品外観に明確な
改良があることが判明する。
比較例4〜5 これらの比較例においては、比較例2の配合につき、
ステアリン酸亜鉛の配合量が増大された場合について比
較例2と同様に、SMCが製造され成形され、評価され
た。
評価の結果が、表2に示される。
これらの結果から、ステアリン酸亜鉛の増量は成形品
表面のクラックと面破壊に対しては効果が認められる
が、ピンホールが発生する傾向となることと、SN値が増
加し、平滑度が損なわれるようになり、有効な解決策と
はならないことが明かとなった。
実施例4 実施例2配合においてステアリン酸カルシウム配合量
が変化させられた場合について、先に説明された方法に
よってSMCが製造され成形された。
評価の結果が表3に示される。
実施例5 実施例3配合においてステアリン酸カルシウム配合量
が変化させられた場合について、先に説明された方法に
よってSMCが製造され成形された。
評価の結果が表3に示される。
表3の結果から、酸変性された酢酸ビニル共重合体と
の組合わせにおいて、ステアリン酸カルシウムの含有量
の特定範囲が、特に効果を有することが認識される。
実施例6 実施例2配合において、酢酸ビニル樹脂Aに代替され
て酸変性された酢酸ビニル共重合体の40wt.%スチレン
溶液であるユニオンカーバイド社製のLP−40A(商品
名)が使用された配合について先に説明された方法によ
ってSMCが製造され成形された。
評価の結果が表4に示される。
なお、JIS−K−6901の方法により測定されたLP−40A
の酸価は、2.5mgKOHであり、スチレン濃度から換算され
た酸変性された酢酸ビニル共重合体の酸価は、6.5mgKOH
である。
実施例7 酸変性された酢酸ビニル共重合体として、この共重合
体の20重量%スチレン溶液である日本油脂製のモディパ
ー(MODIPER)SV50−20A(商品名)使用の配合につき先
に説明された方法によりSMCが製造され成形された。
評価の結果が表4に示される。
JIS−K−6901方法によって測定されたモディパーSV5
0−20Aの酸価は、6.2mgKOHであり、スチレン濃度から換
算された酸変性酢酸ビニル共重合体の酸価は31.0mgKOH
である。
比較例6〜7 実施例6〜7の各配合について、ステアリン酸カルシ
ウムがステアリン酸亜鉛に代替されてSMCが製造され成
形された。
評価の結果が表4に示される。
実施例6〜7と、比較例6〜7によって、この発明の
酸変性酢酸ビニル共重合体の酸価範囲内において、ステ
アリン酸カルシウムが効能を有し、成形品の成形型から
の離型性、およびまたは成形品の平滑性が、顕著に、改
良されることが確認される。
実施例8〜10 5の4口フラスコに、アジピン酸1,461g(10モ
ル)、エチレングリコール326g(5.25モル)、1.6−ヘ
キサンジオール620g(5.25モル)が、装入され、220℃
にて窒素雰囲気下に脱水縮合反応が生起させられ、JIS
−K−6901記載方法によって測定される酸価が10 mgKOH
となったときに、冷却が開始されることにより反応が停
止させられた。
この反応生成物が、200ppmのパラベンゾキノンが予め
溶解させられているスチレン中に、飽和ポリエステル化
合物の濃度が40%となるように混合され溶解させられ
て、飽和ポリエステル樹脂Bとされた。
この飽和ポリエステル樹脂Bの粘度がブルックフィー
ルド型粘度計にて測定されたところ25℃において1.6ポ
イズであった。
また、先に説明された方法により計算されるポリエス
テル化合物のエステル結合1個当り分子量は98.5であ
る。
飽和ポリエステル樹脂Bと、先に説明された不飽和ポ
リエステル樹脂Aを使用して、既に説明された方法によ
りSMCが製造された。
この時の配合と、既に説明された方法により成形され
て得られた成形品の外観評価の結果、ならびに樹脂パネ
ル歪測定器による平滑性評価の結果が、表5に示され
る。
比較例8〜10 実施例8〜10の配合について、ステアリン酸カルシウ
ムがステアリン酸亜鉛に代替されたSMCが製造され、実
施例8〜10同様に成形された。
これらの評価の結果が表5に示される。
実施例8〜10と比較例8〜10により、この発明の範囲
の飽和ポリエステル化合物の含有量においてステアリン
酸カルシウムの効果が顕著であり、成形体外観に著しい
改良があることが確認される。
比較例11〜12 比較例9の配合について、ステアリン酸亜鉛の配合量
が増大された場合の配合品について、比較例9と同様に
SMCが製造され成形された。
これらが評価された結果が、比較例11と12として表6
に示される。
この結果からステアリン酸亜鉛の増量は成形体表面の
クラックと面破壊については、効果があることが認めら
れるが、ピンホールが発生するようになり、SN値が増大
らし平滑度の悪化があるようになるのであり有効な解決
策とはならないことが認められる。
実施例11 実施例9配合においてステアリン酸カルシウムの一部
を、ステアリン酸亜鉛で置換した場合について実施例8
〜10同様にSMCが製造され成形された。
これが評価された結果が表7に示される。
実施例12 実施例10の配合において、ステアリン酸カルシウムの
配合量が変化させられた場合の配合品につき実施例8〜
10と同様にSMCが製造され成形された。
これが評価された結果が表7に示される。
表7の結果から飽和ポリエステル化合物との組合わせ
において、この発明のステアリン酸カルシウムの含有量
の範囲が効果的であることが認められる。
実施例13 実施例9の配合において、飽和ポリエステル樹脂Bに
代替されて、エステル結合1個当り分子量が114となる
ε−カプロラクトンの開環重合反応による化合物が、そ
の含有量が40%になるようにパラベンゾキノン200ppmが
溶解されたスチレンに、混合され溶解させられたもの
を、飽和ポリエステル樹脂Cとして使用された配合のSM
Cが、既述の方法により製造され成形された。
これが評価された結果が表8に示される。
使用したε−カプロラクトンよりなるポリマーは、ダ
イセル化学工業製のプラクセルH−1(商品名)であ
り、これが40%の含有量を以て溶解した飽和ポリエステ
ル樹脂Cの粘度はブルックフィールド粘度計による測定
値が1.3ポイズであった。
実施例14 5の4口フラスコに、アジピン酸730g(5.0モ
ル)、KB−300(商品名、三井東圧化学製、ビスフェノ
ールに平均2.2モルのプロピレンオキシドを付加した化
合物、平均分子量357g/モル)937g(5.25モル)が装入
され、窒素雰囲気下220℃にて脱水縮合反応が生起させ
られ、JIS−K−6901の方法により測定される酸価が10
mgKOHとなったとき冷却されることにより反応が停止さ
せられて、この反応生成物に、200ppmのパラベンゾキノ
ンが予め溶解させられているスチレンが、上記の飽和ポ
リエステル化合物が40%の含量となるように混合され溶
解させられて、飽和ポリエステル樹脂Dとされた。
この飽和ポリエステル樹脂Dの粘度はブルックフィー
ルド型粘度計による測定値が、25℃にて2.4ポイズであ
った。
また、エステル結合1個当り分子量は先述の方法によ
り計算すれば、236.5であった。
これが実施例9の配合の飽和ポリエステル樹脂Bに代
替使用され、SMCが製造され成形された。
これが評価された結果が表8に示される。
実施例15 5の4口フラスコに、コハク酸1,180g(10モル)、
エチレングリコール496g(8.4モル)とネオペンチルグ
リコール208g(2.1モル)が装入され、窒素雰囲気下、2
20℃にて脱水縮合反応が生起させられ、JIS−K−6901
方法にて測定した酸価が、10 mgKOHとなったときに、冷
却が開始されることにより反応が停止させられ、この反
応生成物に予め200ppmのパラベンゾキノンが溶解したス
チレンが、上記の飽和ポリエステル化合物が40%の含量
となるように混合され溶解させられて、飽和ポリエステ
ル樹脂Eとされた。
飽和ポリエステル樹脂Eの粘度は、ブルックフィール
ド型粘度計による測定値が、25℃にて1.9ポイズであっ
た。
また、エステル結合1個当りの分子量は、78.2であ
る。
これが実施例9の配合の飽和ポリエステル樹脂Bに代
替させられて使用され、既述の方法によりSMCが製造さ
れ成形された。
これが評価された結果が表8に示される。
実施例16 実施例8〜10で製造された飽和ポリエステル樹脂B 2,
000gと、MDI−CR(商品名、三井東圧化学製、粗製MIDで
あるポリメチレンポリフェニルイソシアネート)50g
が、5の4口フラスコに装入され、乾燥空気が吹き込
まれつつ、80℃にて反応させられ、約5時間後に赤外線
分光器(IR)による測定によって、イソシアネート基が
反応物中より消失したことが確認された後、冷却されて
反応が停止させられた。
得られた反応生成物の粘度はブルックフィールド型粘
度計による測定値が、25℃にて7.8ポイズであり、これ
が飽和ポリエステル樹脂Fとされた。
なお、この多官能基イソシアネートにより連鎖延長さ
れた飽和ポリエステル化合物のエステル結合1個当りの
分子量は、飽和ポリエステル樹脂Bの成分である飽和ポ
リエステル化合物と同一であることは、既に説明した通
りである。
飽和ポリエステル樹脂Fが、実施例9の配合の飽和ポ
リエステル樹脂Bに代替使用されて、SMCが製造され成
形された。
これが評価された結果が表8に示される。
比較例13〜16 実施例13〜16の各々についてステアリン酸カルシウム
が、ステアリン酸亜鉛に代替されたSMCが製造されて成
形された。
これらが評価された結果が表9に示される。
以上の実施例13〜16と、比較例13〜16によって、この
発明の飽和ポリエステル化合物のエステル結合1個当り
の分子量範囲内においてステアリン酸カルシウムが、有
効に作用し、成形体の成形型からの離型性、および成形
体の平滑性が著しく改善されることが確認される。
実施例17〜19 実施例2の配合において配合されたステアリン酸カル
シウムが、他の高級脂肪酸カルシウム塩に代えられたSM
Cが製造され、実施例2同様に成形されて評価された。
結果は表10に実施例17〜19として示される。
これにより、この発明の範囲内にある高級脂肪酸カル
シウム塩の効果が顕著であり、成形品外観に明確な改良
があることが判明する。
ここで使用された高級脂肪酸のカルシウム塩の脂肪酸
部の炭素原子数は次の通りである。
ラウリン酸 12、パルミチン酸 16 オレイン酸 18 実施例20、21 実施例9の配合において配合されたステアリン酸カル
シウムが、他の高級脂肪酸カルシウム塩に代えられたSM
Cが製造され、実施例9同様に成形されて評価された。
結果は表10に実施例20〜21として示される。
これにより、この発明の範囲内にある高級脂肪酸カル
シウム塩の効果が顕著であり、成形品外観に明確な改良
があることが判明する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67:02) (72)発明者 芳賀 康彦 神奈川県横浜市栄区飯島町2070 (72)発明者 重田 一誠 神奈川県横浜市緑区奈良町2913 (56)参考文献 特開 昭58−57416(JP,A) 特開 昭52−51490(JP,A) 特開 昭59−75917(JP,A) 特開 昭56−152820(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和ポリエステル樹脂、繊維状強化剤お
    よび無機質充填材が主成分として含有される繊維強化熱
    硬化性樹脂成形品製造用の材料において、 収縮抑制剤として、酸価が1g当り5mg〜35mg KOHの範囲
    内の酸変性された酢酸ビニル共重合体、およびもしくは
    エステル結合1個当りの分子量が70〜250の飽和ポリエ
    ステル化合物とからなる群から選択された一種以上の物
    質が、酢酸ビニル共重合体に関しては1.5〜6.0wt.%、
    飽和ポリエステル化合物に関しては1.0〜7.0wt.%、含
    有させられ、同時に高級脂肪酸カルシウム塩が0.5〜2.5
    wt.%、含有させられる製造用材料。
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