JP2650515B2 - ミシンのルーパー構造 - Google Patents

ミシンのルーパー構造

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JP2650515B2 JP15771791A JP15771791A JP2650515B2 JP 2650515 B2 JP2650515 B2 JP 2650515B2 JP 15771791 A JP15771791 A JP 15771791A JP 15771791 A JP15771791 A JP 15771791A JP 2650515 B2 JP2650515 B2 JP 2650515B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミシンのルーパー構造
に関し、特にルーパーの糸穴の糸出口側の糸穴端部の近
傍部に、この糸出口側から延びる下糸をルーパーの剣先
よりも上側に向かわせる為の案内溝を設けたものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、二重環縫いミシンや飾り縫いミシ
ンなどには、図17、図18に示すように、1又は複数
の縫針111を下端に装着した針棒を上下往復駆動する
針棒駆動機構、ルーパー154を針棒の上下往復動に調
時して加工布Wの布送り方向Kと直交する方向Cに往復
駆動するルーパー駆動機構を設けるとともに、ミシンベ
ッド部の針板の直ぐ下側に糸切り装置を設け、縫製終了
時に、ルーパー154の下糸155と縫針111の目孔
112から下方に延びる針糸113とを上メスと下メス
との協働で自動的に又は手動操作で切断するとともに、
切断した下糸155の糸端部を下メスと糸保持バネ17
9とで保持するようにしたものが実用に供されている。
【0003】ところで、このルーパー154の剣先の近
傍部には、下糸155を挿通させる為の糸穴154aが
形成されるとともに、縫針111が最上位置で且つルー
パー154が最左限位置のときに針糸113及び下糸1
55が切断され、下糸155の糸端部が糸保持バネ17
9で保持された状態で次の縫製が開始された後、縫針1
11が最下位置から上昇し始め且つルーパー154がそ
の最右限位置(図17参照)から左方へ移動し始めると
きに、糸穴154aから糸保持バネ179に延びる下糸
155に剣先側に向かう方向性を持たせるために、糸穴
154aの糸出口側の糸穴端部の近傍部に剣先側つまり
斜め下方に向かう方向に長溝100が形成されている。
尚、符号154bはルーパー154の左側面に沿って下
糸155を案内する糸案内溝であり、符号154dは下
降する縫針111の先端を案内するために設けた傾斜状
の案内面である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記ルーパー154の
糸穴154aの糸出口側の糸穴端部の近傍部には、剣先
側に向かう方向に長溝100が形成されているので、図
17で説明したように、縫製の開始後、縫針111が最
下位置から上昇し始め且つルーパー154がその最右限
位置から左方へ移動し始めるときに、糸穴154aから
糸保持バネ179に延びる下糸155は、この長溝10
0の方向により剣先側に向かうように方向付けられる。
その結果、この状態からルーパー154が左方へ移動す
るときに、図17に示すように、この下糸155に緩み
が発生して、糸穴154aの糸出口側から延びる下糸1
55はルーパー154の剣先よりも下側に移動する可能
性が大きくなる(図18参照)。
【0005】従って、糸出口側から延びる下糸155が
ルーパー154の剣先よりも下側に移動した場合には、
下糸155は目孔112の近傍に形成された針糸113
のループに係合できるが、その後布送りが実行されて縫
針111が下降するとともに、ルーパー154が左限位
置から右方へ移動するときに、下糸155はルーパー1
54の下側に密着した状態なので、針糸113がこの糸
出口側から延びる下糸155に係合できず、縫製開始後
の1針目に所謂「目飛び」が発生するという問題があ
る。
【0006】本発明の目的は、縫製終了に伴う糸切り動
作後、縫製開始直後の1針目から略確実に縫目が形成で
きるようなミシンのルーパー構造を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るミシンのル
ーパー構造は、下端に1又は複数の縫針を装着可能な針
棒と、この針棒を上下に往復駆動させる針棒駆動機構
と、1又は複数の針糸に下糸を係合させるためのルーパ
ーと、このルーパーを針棒の上下動と調時して布送り方
向と直交する方向に往復駆動させるルーパー駆動機構
と、下メス及び上メスを有し前記ルーパーが針糸に係合
した係合位置のときに下メスと上メスとの協働により下
糸及び針糸を切断するとともに切断された下糸の糸端部
を保持する糸切り装置とを備えたミシンにおいて、前記
ルーパーにおけるその糸穴の糸出口側の一側面の糸穴端
部の近傍部に、正面視にて糸穴端部を頂点とする略三角
形状の案内溝であって、糸穴より導出された下糸が糸穴
端部よりも常に上方へ向かうように下糸を支える下面を
有し前記一側面且つ剣先側へ開口した案内溝を形成した
ものである。
【0008】
【作用】本発明に係るミシンのルーパー構造において
は、縫製終了に伴って、縫針が最上位置で且つルーパー
が針糸に係合した係合位置のときに、糸切り装置の下メ
スと上メスとの協働により下糸及び針糸が切断されると
ともに、切断された下糸の糸端部が保持される。この状
態から縫製が開始された後、縫針が最下位置から上昇し
始め且っルーパーがその最右限位置から左方へ移動し始
めたときに、下糸は幾分緩むことになる。ここで、ルー
パーにおけるその糸穴の糸出口側の一側面の糸穴端部の
近傍部には、正面視にて糸穴端部を頂点とする略三角形
状の案内溝であって、糸穴より導出された下糸が糸穴端
部よりも常に上方へ向かうように下糸を支える下面を有
し前記一側面且つ剣先側へ開口した案内溝が形成されて
いるので、このとき糸穴から延びて縫針に係合する下糸
は、この案内溝の下面で支えられて糸穴端部よりも常に
上方へ向かうように案内され易くなり、ルーパーの剣先
より下側に移動する可能性が非常に少なくなる。従っ
て、殆どの場合、糸穴から延びる下糸はルーパーの剣先
よりも上側に移動する。その結果、縫製実行中と同様
に、その後下糸は目孔の近傍に形成された針糸のループ
に係合した後布送りが実行され、その後縫針が下降する
とともに、ルーパーが左限位置から右方へ移動するとき
に、下糸はルーパーの上側に移動した状態なので、針糸
は縫針を介してこの糸出口側から延びる下糸に確実に係
合され、縫製開始後の1針目から縫目が形成される。
【0009】
【発明の効果】本発明に係るミシンのルーパー構造によ
れば、〔作用〕の項で説明したように、ルーパーにおけ
るその糸穴の糸出口側の一側面の糸穴端部の近傍部に
正面視にて糸穴端部を頂点とする略三角形状の案内溝で
あって、糸穴より導出された下糸が糸穴端部よりも常に
上方へ向かうように下糸を支える下面を有し前記一側面
且つ剣先側へ開口した案内溝を形成したので、糸切断後
の縫製の開始後において、ルーパーがその右限位置から
左方へ移動するときに、糸穴から延びて縫針に係合する
下糸は、この案内溝によりルーパーの剣先よりも上側に
案内され易くなり、縫製開始後の1針目から略確実に縫
目を形成することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基いて
説明する。本実施例は、糸切り装置や糸払い兼保持装置
を設けた飾り縫いミシンのルーパー構造に本発明を適用
した場合のものである。飾り縫いミシン1は図1に示す
ように、ミシンベッド部2と、そのベッド部2の右端部
から立設された脚柱部3と、その脚柱部3からベッド部
2に対向するように左方へ延びるアーム部4とから構成
され、ベッド部2には送り歯(図7参照)7を上下動さ
せる送り歯上下駆動機構(図示略)及び前後動させる送
り歯前後駆動機構(図示略)、ルーパー54を布送り方
向(矢印K方向)と直交する方向(矢印C方向)に往復
駆動させるルーパー駆動機構40、ルーパー54の下糸
55と縫針11の針糸13とを同時に切断する糸切り装
置60などが設けられ、アーム部4には3本の縫針11
を下端に装着可能な針棒9を上下動させる針棒駆動機
構、天秤を針棒9の上下動に調時して上下動させる天秤
駆動機構(図示略)、糸切り装置60で切断された針糸
13を押え足8の上側に払い且つ針糸13の糸端部13
aを保持する糸払い兼保持装置20などが設けられてい
る。
【0011】前記針棒駆動機構は、通常のミシンのもの
と同様なので図示せずに簡単に説明すると、ミシンモー
タで回転駆動される上軸に固着された針棒クランクに連
結レバーの一端部が回転可能に連結され、この連結レバ
ーの他端部が針棒抱きを介して針棒9に連結され、針棒
クランクの回転により連結レバーを介して針棒9が上下
に往復駆動される。この針棒9の下端部には、図1に示
すように針取付け具10が固着され、この針取付け具1
0には3本の縫針11が布送り方向と直交する方向に所
定間隔おきに着脱可能に装着されている。但し、図2に
示すように、左側の縫針11の先端は中央の縫針11の
先端より所定寸法だけ低く、また右側の縫針11の先端
は中央の縫針11の先端より所定寸法だけ高くなってい
る。尚、符号12は目孔である。
【0012】次に、糸払い兼保持装置20について、図
1〜図3に基いて説明すると、アーム部4の頭部5のミ
シン機枠21には、正面視略クランク状の固定板22が
ビス23で取付けられ、この固定板22の右端部分の後
側にはロータリーソレノイド(以下、単にソレノイドと
いう)24が固着され、その左端部には糸払いレバー2
5がビス26で回動可能に枢支され、糸払いレバー25
の他端部には糸払い部材27の基端部がビス28で固着
されている。更に、ソレノイド24の駆動軸29には回
動板30が固着され、左右方向向きに配設された糸払い
リンク31の右端部はこの回動板30にビス32により
回動可能に枢支されるとともに、その左端部は糸払いレ
バー25の一端部にビス33により回動可能に枢支され
ている。但し、回動板30は、ソレノイド24に内装さ
れた図示外の巻きバネにより図2にて常に時計回転方向
に回動付勢されている。
【0013】前記糸払い部材27の先端部には、図3に
示すように、ガイド溝34及び係合孔35を有するフッ
ク部27aが形成され、目孔12から下方に延びる針糸
13がフック部27aに係合可能になっている。
【0014】薄板状のバネ部材からなる糸掴みバネ36
はその基端部でビス37により固定板22に固着され、
この糸掴みバネ36の先端近傍部には、糸払い部材27
のフック部27aと協働して針糸13を保持する為に上
方に湾曲した糸保持部36aが形成され、その糸保持部
36aよりも縫針11側の先端部分には、フック部27
aに係合して下方に垂れる針糸13を案内するV字状の
案内部36bが一体形成されている。
【0015】従って、ソレノイド24が駆動されないと
きには、前記巻きバネにより回動板30と糸払いリンク
31は図2に実線で示す待機位置に位置しているので、
糸払い部材27のフック部27aは、針上停止状態の縫
針11の略側方の実線で示す糸保持位置に位置してい
る。後述の糸切り装置60により針糸13が切断された
後、ソレノイド24が駆動されたときには、回動板30
が2点鎖線で示す回動位置に回動するので、糸払いリン
ク31、糸払いレバー25を介して糸払い部材27が2
点鎖線で示す位置に揺動移動されるので、フック部27
aは縫針11の下方近傍の糸捕捉位置に移動して目孔1
2から下方に延びる針糸端部13aに係合する(図3参
照)。その後、ソレノイド24の駆動が停止されたと
き、フック部27aは針糸端部13aを係合した状態で
糸保持位置に復帰移動する。このとき、フック部27a
から下方に垂れる針糸端部13aは、案内部36bのV
字状の縫針11に向かう狭い範囲に規制されているの
で、フック部27aと糸保持部36aとの協働により確
実に保持される。尚、符号14は下端に押え足8を着脱
可能に取付けた押え棒、符号15は針板、符号Wは加工
布である。
【0016】次に、ルーパー54を布送り方向と直交す
る方向に駆動するルーパー駆動機構40について、図4
に基いて説明する。ベッド部2内に左右方向に配設さ
れ、前記上軸の回転に同期してミシンモータにより回転
駆動される下軸41には、前後方向に延びる連杆43の
前端部が偏心カム42を介して揺動可能に連結され、連
杆43の後端部は、下軸41に平行に配設された回動軸
44に固着された揺動アーム45に回動可能に連結され
ている。一方、下軸41と直交状に配設され、ルーパー
取付け部材53が固着されたルーパー作動軸46は機枠
21に回動可能且つ前後方向移動可能に支持されてい
る。
【0017】そして、このルーパー作動軸46には、係
合溝が形成された係合体47が回動可能且つ前後方向移
動不能に支持され、この係合溝に係合する係合駒49
は、回動軸44に取付けた回動アーム48の先端部に回
動可能に取付けられている。更に、上下方向に配設さ
れ、ルーパー作動軸46を回動させる揺動アーム50の
上端部は、下軸41の左端部に固着された偏心カム51
に回動可能に嵌合され、その下端部には、ルーパー作動
軸46に固着された回動アーム52の球軸部52aが嵌
合連結されている。また、前記ルーパー取付け部材53
には、正面視略コ字状のルーパー54の基端部がロッド
54aを介して取付けられている。
【0018】従って、下軸41がミシンモータにより回
転すると、連杆43は偏心カム42を介して前後方向に
往復運動し、揺動アーム45を介して回動軸44が往復
回動するので、回動アーム48及び係合駒49と係合溝
との係合を介してルーパー作動軸46が前後方向に往復
移動される。一方、下軸41の回転により揺動アーム5
0が偏心カム51を介して略上下方向に往復運動するの
で、ルーパー作動軸46は回動アーム52を介して往復
回動される。その結果、ルーパー54の先端部は、布送
り方向と直交する方向にルーパー作動軸46の回動量に
比例する往復運動と、ルーパー作動軸46の前後方向移
動量に相当する往復運動とにより、3本の針糸13に係
合し得るように楕円軌跡を描くようになっている。
【0019】ところで、前記ルーパー54の剣先の近傍
部には、図5・図6に示すように、下糸55を挿通させ
る為の糸穴54aが形成されるとともに、ルーパー54
の後側面のうちの糸穴54aの糸出口側の糸穴端部の近
傍部に、下糸55を上方及びルーパー54の剣先側へ案
内する為の、正面視にて糸穴端部を頂点とする略三角形
状の案内溝54cであって、糸穴54aより導出された
下糸55が糸穴端部よりも常に上方へ向かうように下糸
55を支える下面54eを有し後側面且つ剣先側へ開口
した案内溝54cが形成されている。尚、符号54bは
ルーパー54の手前側の面に沿って下糸55を案内する
糸案内溝であり、符号54dは下降する縫針11の先端
を案内するために設けた傾斜状の案内面である。
【0020】次に、ルーパー駆動機構40の直ぐ上側の
ベッド部2内に配設された糸切り装置60について、図
7・図8に基いて説明する。前記ベッド部2内にベース
プレート61が水平に配設され、機枠21に設けた複数
のボス部にビス止めされている。このベースプレート6
1には、平面視略扇形状の上メスレバー62と略クラン
ク状の下メスレバー64とがビス87で回動可能に枢支
されている。上メスレバー62の突出部62aには上メ
ス63が固着されている。下メスレバー64には、第1
フック65a及び第2フック65bが先端部に形成され
た平面視湾曲状の下メス65の基端部が固着されるとと
もに、略左右方向に延びる駆動連杆66の左端部がビス
67で回動可能に連結されている。この駆動連杆66の
右端部は糸切り駆動機構70の作動軸71にビス68で
回動可能に枢支されている。この駆動連杆66の一部分
には、ターンバックルを用いたストローク調節部66a
が設けられ、駆動連杆66の長さはこのストローク調節
部66aにより調節可能になっている。
【0021】次に、糸切り駆動機構70について説明す
ると、前記左右方向に延びる作動軸71は、機枠21に
取付けた平面視コ字状の支持部材72に左右方向移動可
能に支持され、この支持部材72の内側に位置する作動
軸71には、作動レバー73とバネ受け部材74とが夫
々作動軸71を挿通させた状態でビス止めされ、このバ
ネ受け部材74と支持部材72との間の作動軸71には
圧縮バネ75が外装されている。従って、作動軸71及
び作動レバー73は圧縮バネ75のバネ力により常に左
方(矢印B方向)に弾性付勢されている。更に、作動レ
バー73には、機枠21の後側に左右方向向きに配設さ
れた糸切りソレノイド76のプランジャー77が連結さ
れ、この糸切りソレノイド76は機枠21に固着した取
付け板78に取付けられている。
【0022】従って、糸切りソレノイド76が駆動され
ないときには、作動レバー73及び作動軸71は実線で
示す待機位置に位置しているので、下メスレバー64は
駆動連杆66を介して実線で示す待機位置に位置してい
る。しかし、ルーパー54が最左限位置に移動して、ル
ーパー54に3本の針糸13が係合した係合位置のとき
に、糸切りソレノイド76が駆動されたときには、作動
レバー73及び作動軸71が矢印A方向に移動して2点
鎖線で示す作動位置に位置するので、同時に下メスレバ
ー64は駆動連杆66を介して2点鎖線で示すように時
計回転方向に回動され、下メス65はその先端部分がル
ーパー54の直ぐ上側に位置する作用位置(図8参照)
まで時計回転方向に回動する。このとき、第1フック6
5aにはルーパー54の下糸55が係合され且つ第2フ
ック65bには針糸13が係合される。
【0023】その後、糸切りソレノイド76が駆動され
なくなったときには、圧縮バネ75のバネ力により作動
レバー73及び作動軸71が待機位置まで矢印B方向に
移動復帰するので、同時に下メスレバー64が待機位置
に回動する。この下メスレバー64の待機位置への回動
途中において、第1フック65aに係合した下糸55と
第2フック65bに係合した針糸13とが上メス63に
より順次切断される。ここで、上メス63の下面には、
図7・図8に示すように、下メス65の下面に下方から
当接する糸保持バネ79が固着され、上メス63により
切断された下糸55だけが下メス65とこの糸保持バネ
79とにより保持される。
【0024】ところで、前記上メスレバー62には、下
メスレバー64に当接する円形の当接部材80がビス止
めされ、上メスレバー62のバネ受け部62bとベース
プレート61とに複数回屈曲させた線状のバネ81が張
架され、上メスレバー62はこのバネ81のバネ力によ
り常に時計回転方向に弾性付勢されている。更に、上メ
スレバー62の時計回転方向の回動量を規制する為に、
ベースプレート61にビス止めされた側面視クランク状
のストッパ部材82の係止部に上メスレバー62の係合
部62cが当接するようになっている。
【0025】即ち、下メスレバー64が待機位置のとき
には、上メスレバー62は、当接部材80と下メスレバ
ー64との当接によりバネ81のバネ力に抗して実線で
示す待機位置に位置している。このとき、係合部62c
とストッパ部材82の係止部とには所定量の隙間が設け
られている。そして、下メスレバー64が作用位置へ回
動するのに伴って、上メスレバー62も同時に時計回転
方向に回動するが、係合部62cがストッパ部材82の
係止部に当接したとき、上メスレバー62は2点鎖線で
示す切断位置でその回動が規制される。また、下メスレ
バー64が待機位置に復帰するときには、上メスレバー
62は、下メスレバー64と当接部材80とが当接した
時点から下メスレバー64と同期して待機位置に復帰回
動される。
【0026】従って、縫製終了に伴って、縫針11が針
上位置に上昇し且つルーパー54が最左限の係合位置に
移動したときに、糸切り装置60により下糸55と針糸
13とが切断されるとともに、切断された下糸55の糸
端部が糸保持バネ79により保持される。更に、切断さ
れた針糸13の針糸端部13aが糸払い兼保持装置20
で糸払い且つ糸保持される。次に、この状態において、
縫製が開始されたときの縫目形成について、図9〜図1
6に基いて説明する。但し、糸切り装置60により両糸
13・55が切断された後、縫製が開始されるときの上
軸と下軸41の位相角を夫々0°とし、この0°のとき
の縫針11とルーパー54との位置関係及び下糸55と
針糸13との係合関係を図9に示す。尚、図10〜図1
6も同様である。
【0027】図9に示すように0゜の位相角から縫製が
開始され、図10(約90°の位相角)を経て図11
(約180゜の位相角)に示すように、下糸55は左側
の縫針11から順次3本の縫針11つまり3本の針糸1
3に係合して、縫針11が針下位置から上昇し始めるタ
イミングとなり、ルーパー54が最右限位置から左方へ
移動し始めるタイミングとなる。ここで、ルーパー54
の糸穴54aから縫針11に係合して糸保持バネ79に
延びる下糸55は幾分緩むことになる。このとき、前記
略三角形状の案内溝54cにより、この下糸55は上方
及びルーパー54の剣先側へ向かう斜め上方へ案内さ
れ、糸穴54aから延びる下糸55はルーパー54の剣
先よりも上側に移動する。
【0028】次に、縫針11が上昇途中で且つルーパー
54が左方への移動途中である図12(約240°の位
相角)、図13(約255°の位相角)を経て図14
(約360°の位相角)に示すように、縫針11が針上
位置に上昇し且つルーパー54が係合位置に移動する。
その後、加工布Wの布送りが実行された後、図15(約
(360°+90°)の位相角)に示すように、下糸5
5はルーパー54の上側に移動した状態なので、縫針1
1はその下降途中において、糸穴54aの糸出口側から
延びる下糸55に確実に係合される。その結果、図16
(約(360°+255°)の位相角)に示すように、
加工布Wには縫製開始後の1針目から確実に縫目が形成
される。但し、縫製途中においては、糸出口側から延び
る下糸55は加工布Wの下側に連なっているので、縫製
開始後の2針目以降の縫目は確実に形成される。
【0029】尚、ロータリーソレノイド24や糸切りソ
レノイド76に代えて、エアシリンダや種々のアクチュ
エータを用いることが可能である。尚、スプレダーを設
けて上飾り糸を用いるようにした飾り縫いミシンや二重
環縫いミシンなどの種々のミシンのルーパーに本発明を
適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】糸切り装置を設けた飾り縫いミシンの斜視図で
ある。
【図2】アーム部及びミシンベッド部の部分拡大正面図
である。
【図3】糸払い部材が糸捕捉位置へ移動したときの針糸
と糸払い部材と糸掴みバネとの位置関係を示す斜視図で
ある。
【図4】ルーパー駆動機構の斜視図である。
【図5】ルーパーの先端部分の背面図である。
【図6】ルーパーの先端部分の平面図である。
【図7】ミシンベッド部内に設けられた糸切り装置の平
面図である。
【図8】下メスが作用位置に移動したときのルーパーと
下メスと上メスとの位置関係を示す部分斜視図である。
【図9】約0°の位相角のときの縫針とルーパーとの位
置関係及び針糸と下糸との係合関係を説明する説明図で
ある。
【図10】約90°の位相角のときの図9相当図であ
る。
【図11】約180°の位相角のときの図9相当図であ
る。
【図12】約240°の位相角のときの図9相当図であ
る。
【図13】約255°の位相角のときの図9相当図であ
る。
【図14】約360°の位相角のときの図9相当図であ
る。
【図15】約(360°+90°)の位相角のときの図
9相当図である。
【図16】約(360°+255°)の位相角のときの
図9相当図である。
【図17】従来技術に係る図11相当図である。
【図18】従来技術に係る図5相当図である。
【符号の説明】
1 飾り縫いミシン 9 針棒 11 縫針 13 針糸 40 ルーパー駆動機構 46 ルーパー作動軸 53 ルーパー取付け部材 54 ルーパー 54a 糸穴 54c 案内溝 54e 下面 55 下糸 60 糸切り装置 61 ベースプレート 62 上メスレバー 63 上メス 64 下メスレバー 65 下メス 66 駆動連杆 70 糸切り駆動機構 71 作動軸 73 作動レバー 76 糸切りソレノイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 常文 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザ ー工業株式会社内 (72)発明者 岩越 弘恭 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザ ー工業株式会社内 (72)発明者 上田 清志 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザ ー工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭52−121450(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下端に1又は複数の縫針を装着可能な針
    棒と、この針棒を上下に往復駆動させる針棒駆動機構
    と、1又は複数の針糸に下糸を係合させるためのルーパ
    ーと、このルーパーを針棒の上下動と調時して布送り方
    向と直交する方向に往復駆動させるルーパー駆動機構
    と、下メス及び上メスを有し前記ルーパーが針糸に係合
    した係合位置のときに下メスと上メスとの協働により下
    糸及び針糸を切断するとともに切断された下糸の糸端部
    を保持する糸切り装置とを備えたミシンにおいて、 前記ルーパーにおけるその糸穴の糸出口側の一側面の糸
    穴端部の近傍部に、正面視にて糸穴端部を頂点とする略
    三角形状の案内溝であって、糸穴より導出された下糸が
    糸穴端部よりも常に上方へ向かうように下糸を支える下
    面を有し前記一側面且つ剣先側へ開口した案内溝を形成
    したことを特徴とするミシンのルーパー構造。
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