JP2648584B2 - グリコシル−蛋白誘導体 - Google Patents

グリコシル−蛋白誘導体

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JP2648584B2
JP2648584B2 JP7137708A JP13770895A JP2648584B2 JP 2648584 B2 JP2648584 B2 JP 2648584B2 JP 7137708 A JP7137708 A JP 7137708A JP 13770895 A JP13770895 A JP 13770895A JP 2648584 B2 JP2648584 B2 JP 2648584B2
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博行 岩沢
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬物を標的組織とくに
骨髄又は脳に選択的に運搬させるための担体として有用
なグリコシル−蛋白誘導体及びその中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】骨髄組織は、赤血球、リンパ球、単球、
顆粒球を作り出す組織であり、体内の造血、免疫を担う
最も重要な組織である。ガン患者における放射線治療及
び抗癌剤投与によって、骨髄機能低下が起こることは、
現在避けることのできない副作用であり、骨髄抑制が起
った結果、白血球や血小板の大幅な減少、特に顆粒球の
減少に伴った重症感染症は大きな問題となっている。
【0003】また、脳組織へ薬剤が輸送されるためには
血液脳関門を通過しなければならないため、脳内への薬
剤の移行を妨げている。このため、脳内への薬剤の運搬
手段の開発が要望されている。
【0004】一方、近年の免疫学の発展に伴い、多くの
生理活性蛋白が単離精製され、その薬理作用についても
明らかにされてきている。さらに遺伝子工学技術の発展
に伴い、多くのサイトカイン類、例えば赤血球の造血ホ
ルモンであるエリスロポエチン、白血球の造血因子であ
る数種類のコロニー刺激因子(CSF)、さらにα−、
β−、γ−インターフェロン、インターロイキン2など
が、大量生産できるようになり、医薬品への応用が試み
られてきている。
【0005】しかしながら、多くのサイトカイン類は、
生体内に投与した後、すばやく代謝されてしまうため、
目的とする組織での薬効発現が十分に達成できない問題
点がある。
【0006】この問題点を解決するために、生理活性物
質や合成医薬品を標的部位に運搬する担体として、抗
体、糖蛋白、リポ蛋白、レクチン、ホルモン、リポソー
ム、デオキシリボ核酸、多糖類、合成ポリマー、ポリア
ミノ酸等、天然由来高分子、分子集合体及び合成ポリマ
ーに至る広い範囲の物質が提案されている。
【0007】例えば、Proc. Nath. Acad. Sci. USA8 4,
1487-1491 (1987)には数種のサイトカイン類をポリエチ
レングリコールなどの合成ポリマーで修飾し、サイトカ
イン類自身の活性を失うことなく生体内での半減期を延
長させる研究が報告されている。
【0008】また、特開昭63−152393号公報に
は、糖鎖を有するポリエチレングリコール誘導体がサイ
トカイン類の修飾に用いることができ、この修飾蛋白は
生体内におけるクリアランスを遅延させ、あるいは特定
の細胞・組織への送達を向上させるために使用すること
が示唆されている。しかしながら、骨髄又は脳指向性に
関する報告は存在しない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、骨髄又は脳
細胞表面の糖認識性を利用し、薬物(サイトカイン類及
び低分子の医薬品など)を標的組織である骨髄又は脳組
織により多く送達することを可能とし、並びに薬物の生
体内半減期を遅延させることを可能とする薬物運搬担体
の発明であり、目的とする薬物を標的とする組織に送達
するシステム(Targeting Drug Delivery System)の開
発を目的とするものである。
【0010】とくに本発明は、再生不良性貧血等の造血
機能の疾患、各種リンパ球疾患に伴う免疫不全症等の骨
髄機能異常を起こしている患者、さらには、骨髄性白血
病、ミエローム、形質細胞腫、多発性骨髄腫などの骨髄
性ガン患者やガンの治療等に伴う副作用により骨髄機能
低下を引き起こしている患者に対して、その治療に使わ
れる薬物を効率よく骨髄組織に集めることによって、ま
たその薬物の生体内半減期を遅延させることができる、
より高い有効性が期待できる薬物運搬担体の開発を目的
とするものである。
【0011】また、本発明は、アルツハイマー病等の治
療のため、脳内への直接的な薬剤運搬担体の開発を目的
とするものであり、これにより少量の薬剤であっても、
その活性を保持したままで、かつ副作用の可能性を少な
くして治療を可能にする。
【0012】
【課題を解決するための手段】 本発明は、式:〔R−O−(CH2)n −CO−〕m −Z (I) (式中Rはグリコシル基を表し、Zは蛋白を表し、nは
3〜14を表し、mは5〜50を表す)で示されるグリ
コシル−蛋白誘導体。
【0013】 また、式:〔R−O−C64 −NH−CS−〕m −Z (II) (式中Rはグリコシル基を表し、Zは蛋白を表し、mは
5〜50を表す)で示されるグリコシル−蛋白誘導体。
【0014】また、式: 〔R−O−(CH2)2 O(CH2)2 O(CH2)3 −CO−〕m −Z (III) (式中Rはグリコシル基を表し、Zは蛋白を表し、mは
5〜50を表す)で示されるグリコシル−蛋白誘導体で
ある。
【0015】本発明の上記化合物は、薬物を目的とする
細胞、臓器、器官、とくに骨髄又は脳組織への薬物運搬
担体として利用することができる。薬物運搬担体は
(i)生体適合性が良いこと、(ii) 投与後、一定時間
は安定であること、(iii) 薬物が作用部位に到達したと
き化学的、酵素的反応により薬物が遊離されること、が
要求される。
【0016】上記式の運搬担体を構成する糖鎖は、標的
とする細胞臓器、器官等を特異的に認識する能力を持っ
た標的識別部位として利用することができる。Rで示さ
れるグリコシル基としては、キシロピラノシル基、マン
ノピラノシル基、フコピラノシル基、2−ガラクトピラ
ノシル基、2−アセトアミド−2−デオキシ−フコピラ
ノシル基、2−アセトアミド−2−デオキシ−マンノピ
ラノシル基、2−アセトアミド−2−デオキシ−ガラク
トピラノシル基のような単糖類;マンノピラノシル−マ
ンノピラノシル基、(2−アセトアミド−2−デオキシ
−マンノピラノシル)−マンノピラノシル基、(2−ア
セトアミド−2−デオキシ−グルコピラノシル)−マン
ノピラノシル基、フコピラノシル−(2−アセトアミド
−2−デオキシ−グルコピラノシル)基、ガラクトピラ
ノシル−(2−アセトアミド−2−デオキシ−グルコピ
ラノシル)基、ガラクトピラノシル−(2−アセトアミ
ド−2−デオキシ−マンノピラノシル)基、ガラクトピ
ラノシル−グルコピラノシル基のような二糖類又はジ
(2−アセトアミド−2−デオキシ−グルコピラノシ
ル)−マンノピラノシル基、ジ(ガラクトピラノシル)
−2−アセトアミド−2−デオキシ−グルコピラノシル
基のような三糖類をあげることができる。とくに好まし
くは、マンノピラノシル基、フコピラノシル基、2−ア
セトアミド−2−デオキシ−フコピラノシル基、マンノ
ピラノシル−マンノピラノシル基、(2−アセトアミド
−2−デオキシ−グルコピラノシル)−マンノピラノシ
ル基、及びガラクトピラノシル−グルコピラノシル基が
あげられる。
【0017】式(I)の化合物において、糖鎖と蛋白を
結ぶ修飾剤のカルボン酸はアルキレン部分が3−14個
であり、好ましくはオクタン酸である。糖鎖とカルボン
酸との結合はα−結合でもβ−結合でもよい。Zの蛋白
としては、ヒト血清アルブミンのような蛋白である以外
に、それ自体生理活性蛋白であるサイトカイン類のイン
ターロイキン、エリスロポエチン、インターフェロン、
組織プラスミノーゲンアクチベーター、潰瘍壊死因子
(TNF)又はコロニー刺激因子(CSF)であっても
よい。これらの蛋白自体は臓器特異性を持たないが、標
的識別能力を持つ糖鎖で化学修飾することにより標的識
別性を有するものになる。
【0018】式(I)の運搬担体を製造するには、例え
ばグリコシル−アルカン酸のアルキルエステル又は2−
アセトアミド−2−デオキシ−グリコシル−アルカン酸
のアルキルエステルにヒドラジンを反応させ、得られた
酸ヒドラジドを常法で酸アジドに変換し、これを蛋白と
反応させてグリコシル−アルカン酸が蛋白中のアミノ基
の一部とアミド結合した目的物を得る。修飾基の結合数
は蛋白1分子当り5〜50モルである。修飾の程度は、
蛋白に対するグリコシル−アルカン酸のモル比を増減す
るか、または蛋白とグリコシル−アルカン酸の反応液濃
度を増減することによって選択することができる。
【0019】反応に用いる溶媒は反応を妨害しないもの
であればいずれでもよいが、リン酸緩衝液、トリス緩衝
液、酢酸緩衝液、ホウ酸緩衝液などがあげられる。反応
は中性付近で0〜室温で行なわれる。反応液は透析、イ
オン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過などの通常の蛋
白の精製法により精製して目的物を得る。修飾基の導入
数は、修飾蛋白を塩酸で加水分解後エルソン−モーガン
法などで測定することにより知ることができる。
【0020】グリコシル−アルカン酸と蛋白との反応
は、水溶性カルボジイミドなどの縮合剤の存在下に反応
させることによっても製造することができる。またアル
カン酸の他の活性誘導体を用いてもよく、そのような活
性誘導体としては、アミド化合物、活性エステル、活性
チオエステルなどがあげられる。これらの活性誘導体は
蛋白とアミド結合を形成させるために当業者において適
宜選択することができる。
【0021】本発明はまた、式(I)の薬物運搬担体を
製造するための中間体に関し、中間体は式(IV)で示され
るグリコシル−カルボン酸又はその活性誘導体である。 R−O−(CH2 )n−COOH (IV) ここに、Rはとくにキシロピラノシル基、フコピラノシ
ル基、ガラクトピラノシル基、2−アセトアミド−2−
デオキシ−フコピラノシル基、2−アセトアミド−2−
デオキシ−マンノピラノシル基、2−アセトアミド−2
−デオキシ−ガラクトピラノシル基、(2−アセトアミ
ド−2−デオキシ−マンノピラノシル)−マンノピラノ
シル基、(2−アセトアミド−2−デオキシ−グルコピ
ラノシル)−マンノピラノシル基、フコピラノシル−
(2−アセトアミド−2−デオキシ−グルコピラノシ
ル)基、ガラクトピラノシル−(2−アセトアミド−2
−デオキシ−グルコピラノシル)基、ガラクトピラノシ
ル−(2−アセトアミド−2−デオキシ−マンノピラノ
シル)基、ガラクトピラノシル−グルコピラノシル基、
ジ(2−アセトアミド−2−デオキシ−グルコピラノシ
ル)−マンノピラノシル基又はジ(ガラクトピラノシ
ル)−2−アセトアミド−2−デオキシ−グルコピラノ
シル基のようなグリコシル基である。
【0022】式(IV)の中間体を製造するには、(A)ヒ
ドロキシル基を保護したグリコシルハライドにω−ヒド
ロキシアルカン酸アルキルエステルを反応させて、グリ
コシル−α(又はβ)−アルカン酸アルキルエステルと
し、これを脱保護して得られるか、(B)また2−アセ
トアミド−2−デオキシ−グリコシル−アルカン酸アル
キルエステルは対応する2−アジド−2−デオキシ−グ
リコシル−アルカン酸アルキルエステルをアセチル化し
て得られる。さらに必要により他の活性誘導体に導くこ
とができる。
【0023】式(I)及び式(IV)の化合物の具体的な製
法は、以下の反応式を参照することにより明らかにな
る。
【0024】
【化1】
【0025】
【化2】
【0026】
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】
【化11】
【0035】
【化12】
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】式(II)の運搬担体を製造するには、 式: R−O−C64 −NH2 (V) の中間体から、以下の反応式に示す方法により製造する
ことができる。
【0041】
【化17】
【0042】式(III) の運搬担体を製造するには、 式:R−O−(CH2)2 O(CH2)2 O(CH2)3 −COOH (VI) の中間体から以下の反応式に示す方法により製造するこ
とができる。
【0043】
【化18】
【0044】
【化19】
【0045】
【化20】
【0046】
【化21】
【0047】
【発明の効果】本発明のグリコシル−蛋白誘導体は、後
記参考例56に示すように薬剤を結合させ、これを試験
例に示すように動物に投与したとき、薬剤を骨髄又は脳
組織に集中的に分布させることができる。
【0048】
【実施例】以下に本発明の実施例、参考例及び試験例を
示す。
【0049】参考例1 6−メトキシカルボニルヘキサノール(2) ピメリン酸モノメチルエステル(1)、25g(156
ミリモル)およびトリエチルアミン21.7ml(156
ミリモル)の無水テトラヒドロフラン100ml溶液を、
窒素気流下、−18℃に冷却する。この溶液に撹拌しな
がらクロル炭酸エチル15ml(156ミリモル)の無水
テトラヒドロフラン100ml溶液を滴下した。同温度で
20分間撹拌した後、析出した塩をろ去し、少量の無水
テトラヒドロフランで洗浄した。ろ液および洗液を合
せ、氷冷した水素化ホウ素ナトリウム14.7g(39
0ミリモル)の水溶液150mlに滴下した。更に同温度
で1時間撹拌した後、酢酸エチルと水層とに分配した。
有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃
縮乾固してシロップ状残渣18gを得た。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル
=2:1)で精製して化合物(2)3.45gを得た。
【0050】 IR(film)cm-1:3400, 1737, 1438, 1207, 11741 H-NMR (CDCl3,δppm):3.68(3H, s, OMe),3.66(2H, t,
J=6.4Hz, HOCH2-),2.34(2H, t, J=7.2Hz, -CH2CO-),1.
75〜 1.30(8H, m, -(CH2)4-)
【0051】 元素分析 C7H14O3 計算値 C 57.51% H 9.65% 実測値 C 57.64% H 9.82%
【0052】参考例2 6−メトキシカルボニルヘキシル 2,3,4,6−テ
トラ−O−ベンジル−β−D−マンノピラノシド(5)
および6−メトキシカルボニルヘキシル 2,3,4,
6−テトラ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシド
(6)
【0053】2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−
α−D−マンノピラノシルクロリド(3)、608mg
(1.087ミリモル)および6−メトキシカルボニル
ヘキサノール(2)159mg(1.087ミリモル)の
乾燥トルエン溶液に、モレキュラーシーブ4A750mg
を加えて、窒素気流下、室温で30分間撹拌した。次い
で銀シリケート500mgを加えて、72時間撹拌した。
反応混合物をセライトを用いてろ過した後、ろ液を減圧
下濃縮乾固してシロップ状残渣720mgを得た。残渣を
ローバーカラム(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を用
いて精製して化合物(5)380mg(収率52.2%)
および化合物(6)130mg(収率17.9%)をそれ
ぞれシロップ状物質として得た。
【0054】 化合物(5) 〔α〕22.50 D-47.1 °(C 0.550, CHCl3) IR(film)cm-1:1740, 1440, 1365, 11051 H-NMR (CDCl3,δppm):7.5 〜7.1(20H, m, ph),4.36(1
H, s, H-1),3.65(3H, s, OMe),2.31(2H, t, J=7.5Hz, -
CH2CO-) 1.7 〜1.4(8H, m, -(CH2)4-)
【0055】 元素分析 C41H68O8 計算値 C 73.62% H 7.23% 実測値 C 73.25% H 7.04%
【0056】 化合物(6) 〔α〕22.50 D+21.1 °(C 1.05, CHCl3) IR(film)cm-1:1738, 1455, 1275, 11051 H-NMR (CDCl3,δppm):7.4 〜7.2(20H, m, ph),4.62(1
H, s, H-1),3.64(3H, s, OMe),2.29(2H, t, J=7.5Hz, -
CH2CO-) 1.8 〜1.2(12H, m, -(CH2)4-)
【0057】 元素分析 C41H68O8 計算値 C 73.62% H 7.23% 実測値 C 73.59% H 7.11%
【0058】参考例3 8−メトキシカルボニルオクチル 2,3,4,6−テ
トラ−O−ベンジル−β−D−マンノピラノシド(7)
および8−メトキシカルボニルオクチル 2,3,4,
6−テトラ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシド
(8)
【0059】Bull. Chem. Soc. Jpn., 49, 2639(1976)
に記載の方法で合成した2,3,4,6−テトラ−O−
ベンジル−α/β−D−マンノピラノース1.0g
(1.85ミリモル)の無水テトラヒドロフラン溶液2
0mlに窒素気流下、氷冷しながら50%水素化ナトリウ
ムのオイル懸濁物90mg(1.87ミリモル)を加え、
同温度で40分間撹拌した。次いで8−メトキシカルボ
ニルオクチルトリフルオロメタンスルホン酸エステル6
00mg(1.87ミリモル)の無水テトラヒドロフラン
溶液4mlを滴下し、更に2時間撹拌した。反応液を氷水
中に注いだ後、生成物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エ
チル相を水洗いし、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下
溶媒留去してシロップ状残渣1.3gを得た。残渣をロ
ーバーカラム(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)を用い
て精製して化合物(7)650mg(収率56.7%)お
よび化合物(8)171mg(収率14.9%)を得た。
【0060】化合物(7) m.p. 54.5 〜55℃ 〔α〕25 D-46.7°(C 0.85, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 :1732, 1497, 1454, 1362, 11001 H-NMR (CDCl3,δppm):7.6 〜7.1(20H, m, ph),4.61(1
H, s, H-1),3.66(3H, s, OMe),2.30(2H, t, J=7.5Hz, -
CH2CO-) 1.8 〜1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0061】 元素分析 C44H54O8 計算値 C 74.38% H 7.66% 実測値 C 74.31% H 7.62%
【0062】 化合物(8) 〔α〕25 D+21.6°(C 1.10, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 :1732, 1497, 1454, 11001 H-NMR (CDCl3,δppm):7.5 〜7.1(20H, m, ph),4.73(1
H, s, H-1),3.66(3H, s, OCH3),2.30(2H, t, J=7.5Hz,
-CH2CO-) 1.7 〜1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0063】 元素分析 C44H54O8 計算値 C 74.38% H 7.66% 実測値 C 73.95% H 7.65%
【0064】例 1 6−メトキシカルボニルヘキシル β−D−マンノピラ
ノシド(9) 化合物(5)350mg(0.523ミリモル)のメタノ
ール15mlおよび酢酸5ml混液に、10%パラジウム炭
素100mgを加え、室温で4.5kg/cm2 の加圧下で2
4時間水素添加した。触媒をろ去した後、ろ液を減圧下
濃縮乾固した。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精
製して化合物(9)130mgを結晶として得た。
【0065】m.p. 113〜114 ℃ 〔α〕D -44.4 °(C 0.54, MeOH) IR(KBr)cm-1 :1732, 1084, 1026,1H-NMR (CD3OD,δpp
m):4.48(1H, d, J=0.5Hz, H-1) 3.64(3H, s, OMe),2.33(2H, t, J=7.5Hz, -CH2CO-) 1.7 〜1.25(8H, m, -(CH2)4-)
【0066】 元素分析 C14H26O8 ・ 0.5H2O 計算値 C 50.74% H 8.21% 実測値 C 50.60% H 7.94%
【0067】例 2 6−メトキシカルボニルヘキシル α−D−マンノピラ
ノシド(10) 化合物(6)130mg(0.19ミリモル)を例1の場
合と同様にして、メタノール−酢酸混液中、10%パラ
ジウム−炭素存在下に水素添加して脱O−ベンジル化し
て化合物(10)90mgを得た。
【0068】〔α〕26 D+50.0°(C 0.49, MeOH) IR(film)cm-1:3446, 1728, 1438, 10601 H-NMR (CD3OD,δppm):4.73(1H, d, J=1.5Hz, H-1) 3.65(3H, s, OMe),2.33(2H, t, J=7.5Hz, -CH2CO-) 1.7 〜1.35(8H, m, -(CH2)4-)
【0069】 元素分析 C14H26O8 ・ 0.5H2O 計算値 C 50.74% H 8.21% 実測値 C 50.99% H 8.01%
【0070】例 3 8−メトキシカルボニルオクチル β−D−マンノピラ
ノシド(11) 本化合物はCarbohydr. Res., 156, 1(1986) 記載の方法
により合成した。
【0071】例 4 8−メトキシカルボニルオクチル α−D−マンノピラ
ノシド(12) 化合物(8)300mg(0.483ミリモル)のメタノ
ール溶液15mlに、10%パラジウム炭素54mgを加
え、室温で8時間水素添加した。触媒をろ去した後、ろ
液を減圧下濃縮乾固した。得られた結晶を酢酸エチル−
エーテル混液で洗浄し、結晶をろ取して化合物(12)
120mg(収率71%)を得た。
【0072】m.p. 76 〜77℃ 〔α〕25 D+52.7°(C 0.423, MeOH) IR(KBr)cm-1 :1735, 1728,1H-NMR (CD3OD,δppm):4.7
3(1H, d, J=1.6Hz, H-1) 3.65(3H, s, OMe),2.32(2H, t, J=7.5Hz, -CH2CO-) 1.7 〜1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0073】 元素分析 C16H30O8 計算値 C 54.84% H 8.63% 実測値 C 54.73% H 8.55%
【0074】参考例 4 8−メトキシカルボニルオクチル 3,4,6−トリ−
O−アセチル−2−アジド−2−デオキシ−α−D−マ
ンノピラノシド(14)および8−メトキシカルボニル
オクチル 3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アジ
ド−2−デオキシ−β−D−マンノピラノシド(15)
【0075】8−メトキシカルボニルオクタノール24
1mg(1.27ミリモル)を乾燥トルエン20mlに溶解
した後、窒素気流下で溶媒5mlを留去した。この溶液を
氷浴中で冷却した後、Carbohydr. Res.,136 , 153(1985)
記載の方法で合成した3,4,6−トリ−O−アセチル
−2−アジド−2−デオキシ−α−D−マンノピラノシ
ルブロマイド(13)505mg(1.27ミリモル)を
乾燥トルエン5mlに溶解した溶液を加えた。粉末状モレ
キュラーシーブ4A500mgを加えて15分間撹拌した
後、銀シリケート500mgを加え、更に同温度で18時
間撹拌した。反応混合物をセライトを用いてろ過した
後、ろ液を減圧下濃縮乾固してシロップ状残渣を得た。
残渣をローバ−カラムを用いてヘキサン:酢酸エチル=
3:1で各分画15mlずつ溶出した。分画No. 33−4
0を集めて化合物(14)250mg(収率45.2%)
を得た。
【0076】 化合物(14)〔α〕23 D+67.0°(C 1.3, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 :2028, 1745, 1439, 1370, 10531 H-NMR (CDCl3,δppm):5.42〜 5.25(2H, m, H-3, H-
4),4.83(1H, d, J1,2=1.6Hz, H-1),4.25(1H, dd, J5,6a
=4.8Hz, J6a,6b=12Hz, H-6a),4.09(1H, dd, J5,6b=2.2H
z, H-6b),4.01(1H, dd, J2.3=1.4Hz, H-2),3.88〜 3.86
(1H, m, H-5),3.67(3H, s, OCH3),2.30(2H, t, J=6Hz,
-CH2CO-),2.10(6H, s, 2×OAc),2.05(3H, s, OAc),1.2
〜1.7(12H, m, -(CH2)6-)
【0077】 元素分析 C22H35N3O10 計算値 C 52.68% H 7.03% N 8.38% 実測値 C 52.68% H 6.90% N 8.47%
【0078】分画No. 59−84を集めて化合物(1
5)273mg(収率42.6%)を得た。
【0079】 化合物(15)〔α〕23 D-75.5°(C 0.83, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 :2028, 1745, 1439, 1370, 10531 H-NMR (CDCl3,δppm):5.25(1H, t, J3.4=10Hz, H-4),
4.98(1H, dd, J2.3=4Hz, H-3),4.66(1H, d, J=1.5Hz, H
-1),4.28(1H, dd, J5,6b=4.8Hz, J6a,6b=12Hz, H-6a),
4.13(1H, dd, J5.6b=2.2Hz, H-6b),2.30(2H, t, J=7Hz,
-CH2CO-),2.11(3H, s, OAc),2.10(3H, s, OAc),2.04(3
H, s, OAc),1.2 〜1.7(12H, m, -(CH2)6-)
【0080】 元素分析 C22H35N3O10 計算値 C 52.68% H 7.03% N 8.38% 実測値 C 52.55% H 7.08% N 8.39%
【0081】参考例 5 6−メトキシカルボニルヘキシル 3,4,6−トリ−
O−アセチル−2−アジド−2−デオキシ−α−D−マ
ンノピラノシド(16)
【0082】6−メトキシカルボニルヘキサノール
(2)271mg(1.85ミリモル)および3,4,6
−トリ−O−アセチル−2−アジド−2−デオキシ−α
−D−マンノピラノシルブロマイド(13)730mg
(1.85ミリモル)を、参考例4の場合と同様にトル
エン中、モレキュラーシーブ4Aの存在下に銀シリケー
トを用いて縮合させて化合物(16)424mg(収率4
9.9%)を得た。
【0083】〔α〕25 D+67.8°(C 0.72, CHCl3) IR(film)cm-1:2110, 1747, 1436, 1369, 1228, 10531 H-NMR (CDCl3,δppm):5.44〜 5.26(2H, m, H-3, H-
4),4.82(1H, d, J1.2=1.5Hz, H-1),4.24(1H, dd, J5,6a
=4.5Hz, J6a,6b=10Hz, H-6a),4.08(1H, dd, J5,6b=2.5H
z, H-6b),4.00(1H, dd, J2.3=3.5Hz, H-2),3.84〜 3.87
(1H, m, H-5),2.32(2H, t, J=7.5Hz, -CH2CO-),2.09(6
H, s, 2×OAc),2.04(3H, s, OAc),1.70〜 1.25(8H, m,
-(CH2)4-)
【0084】 元素分析 C19H29N3O10 計算値 C 49.67% H 6.36% N 9.15% 実測値 C 49.33% H 6.05% N 9.01%
【0085】参考例 6 8−メトキシカルボニルオクチル 2−アジド−2−デ
オキシ−α−D−マンノピラノシド(17)
【0086】化合物(14)283mg(0.564ミリ
モル)のメタノール溶液7mlに1Nナトリウムメトキシ
ド−メタノール溶液0.1mlを加え、室温に4時間放置
した。反応液にイオン交換樹脂アンバーライトIR−1
20B(H+ 型)を加えて中和した後、樹脂をろ去し、
少量のメタノールで洗浄した。ろ液および洗液を合して
減圧下で溶媒を留去してシロップ状残渣を得た。残渣を
メタノールに溶解した後、活性炭を加えてしばらく放置
した。ミリポアフィルターを用いてろ過した後、ろ液を
減圧下濃縮乾固して化合物(17)210mg(定量的)
をシロップ状物質として得た。
【0087】〔α〕24 D+68.6°(C 0.614, MeOH) IR(CHCl3)cm-1 :3600, 3440, 2028, 17301 H-NMR (CD3OD,δppm):4.77(1H, d, J1,2=1.5Hz, H-
1),3.65(3H, s, OMe),2.32(2H, t, J=7Hz, -CH2CO-),1.
7 〜1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0088】 元素分析 C16H29N3O7 計算値 C 51.19% H 7.79% N 11.19% 実測値 C 50.87% H 7.66% N 11.02%
【0089】参考例 7 8−メトキシカルボニルオクチル 2−アジド−2−デ
オキシ−β−D−マンノピラノシド(18) 化合物(15)273mg(0.54ミリモル)を参考例
6の場合と同様に、メタノール中触媒量のナトリウムメ
トキシドを用いて脱O−アセチル化して化合物(18)
133mgを結晶として得た。
【0090】m.p. 47 〜49℃ 〔α〕24 D-83.8°(C 0.798, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 :3420, 2028, 17321 H-NMR (CD3OD,δppm):4.68(1H, d, J1,2=1.0Hz, H-
1),3.65(3H, s, OCH3),2.31(2H, t, J=7Hz, -CH2CO-),
1.7 〜1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0091】 元素分析 C16H29N3O7 計算値 C 51.19% H 7.79% N 11.19% 実測値 C 51.00% H 7.82% N 10.55%
【0092】参考例 8 6−メトキシカルボニルヘキシル 2−アジド−2−デ
オキシ−α−D−マンノピラノシド(19) 化合物(16)420mg(0.914ミリモル)を参考
例6の場合と同様に、メタノール中触媒量のナトリウム
メトキシドを用いて脱O−アセチル化して化合物(1
9)265mg(収率87%)をシロップ状物質として得
た。
【0093】〔α〕22.5 D+75.8°(C 0.89, MeOH) IR(film)cm-1:3400, 2120, 1735, 1270, 10601 H-NMR (CD3OD,δppm):4.77(1H, s, H-1),3.65(3H, s,
OCH3),2.33(2H, t, J=7.5Hz, -CH2CO-),1.28〜1.70(8
H, m, -(CH2)4-)
【0094】例 5 8−メトキシカルボニルオクチル 2−アセトアミド−
2−デオキシ−α−D−マンノピラノシド(20) (i)化合物(17)180mg(0.477ミリモル)
のメタノール溶液10mlに無水酢酸0.5mlを加えて、
10%パラジウム−炭素30mgの存在下に、室温で1時
間水素添加した。触媒をろ去した後、ろ液を減圧下で濃
縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(クロロホルム:メタノ−ル=10:1)で精製して
化合物(20)85mg(収率45.4%)を無定形粉末
として得た。
【0095】〔α〕25 D+37.1°(C 0.421, MeOH) IR(CHCl3)cm-1 :1732, 1655, 1439, 1375, 1130, 107
0,10271 H-NMR (CD3OD,δppm):4.66(1H, d, J1.2=1.6Hz, H-
1),4.28(1H, dd, J3.4=4.8Hz, H-2),3.65(3H, s, OMe),
2.32(2H, t, J=7.5Hz, -CH2CO-),2.00(3H, s, NAc),1.2
5〜 1.70(12H, m, -(CH2)6-)
【0096】 元素分析 C18H33NO8・0.2H2O 計算値 C 54.72% H 8.52% N 3.55% 実測値 C 54.60% H 8.41% N 3.72%
【0097】(ii)化合物(17)210mg(0.55
9ミリモル)のエタノール5ml溶液に、塩化ニッケル六
水和物380mg(1.6ミリモル)をエタノール10ml
に溶解した液0.1mlを加えた後、水素化ホウ素ナトリ
ウム63mg(1.677ミリモル)のエタノール溶液5
mlを撹拌しながら加えた。室温で30分間撹拌した後、
反応液に酢酸を加えて中和した。次いで無水酢酸0.2
mlを加えて室温に1時間放置した。反応混合物を減圧下
で濃縮乾固して、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製
して上記と同一の化合物(20)147mg(収率67.
4%)を得た。
【0098】例 6 8−メトキシカルボニルオクチル 2−アセトアミド−
2−デオキシ−β−D−マンノピラノシド(21) 化合物(18)149mg(0.396ミリモル)を例5
(ii)の場合と同様に、エタノール中触媒量の塩化ニッ
ケル六水和物の存在下に、水素化ホウ素ナトリウムでア
ジド基をアミノ基に還元した後、無水酢酸でN−アセチ
ル化して化合物(21)101mg(収率65.1%)を
シロップ状物質として得た。
【0099】〔α〕24 D-49.4°(C 0.842, MeOH) IR(KBr)cm-1 :1740, 1645, 1550, 11001 H-NMR (CD3OD,δppm):4.60(1H, d, J1.2=1.6Hz, H-
1),4.42(1H, dd, J2.3=4.2Hz, H-2),3.64(3H, s, OMe),
2.30(2H, t, J=7.5Hz, -CH2CO-),2.01(3H, s, NAc),1.7
〜1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0100】 元素分析 C18H33NO8・0.3H2O 計算値 C 54.47% H 8.53% N 3.53% 実測値 C 54.55% H 8.36% N 3.59%
【0101】例 7 6−メトキシカルボニルヘキシル 2−アセトアミド−
2−デオキシ−α−D−マンノピラノシド(22) 化合物(19)265mg(0.795ミリモル)を例5
(ii)の場合と同様に、エタノール中触媒量の塩化ニッ
ケル六水和物の存在下に、水素化ホウ素ナトリウムでア
ジド基をアミノ基に還元した後、無水酢酸でN−アセチ
ル化して化合物(22)228mg(収率82%)をシロ
ップ状物質として得た。
【0102】〔α〕23.5 D+38.3°(C 0.52, MeOH) IR(film)cm-1:3328, 1730, 1650, 1552, 1438, 13771 H-NMR (CD3OD,δppm):4.65(1H, d, J1.2=1.2Hz, H-
1),4.27(1H, dd, J2.3=4.3Hz, H-2),3.65(3H, s, OMe),
2.33(2H, t, J=7.5Hz, -CH2CO-),1.99(3H, s, NAc),1.7
0〜 1.35(8H, m, -(CH2)4-)
【0103】 元素分析 C15H27NO8・H2O 計算値 C 49.04% H 7.96% N 3.81% 実測値 C 49.34% H 8.02% N 3.65%
【0104】参考例9 8−メトキシカルボニルオクチル 2−O−(2,3,
4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−マンノピラノ
シル)−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マ
ンノピラノシド(24)および8−メトキシカルボニル
オクチル 2−O−(2,3,4,6−テトラ−O−ベ
ンジル−α−D−マンノピラノシル)−3,4,6−ト
リ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシド(25)
【0105】8−メトキシカルボニルオクチル 3,
4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシ
ド(23)(Carbohydr. Res., 156, 1 (1986)) 600
mg(0.966ミリモル)および2,3,4,6−テト
ラ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシルクロライ
ド(3)602mg(1.08ミリモル)の無水ベンゼン
溶液(20ml)に、窒素気流下、粉末状モレキュラーシ
ーブ4Aを2g加え、室温で30分間撹拌した。次いで
銀シリケート1.0gを加え、室温で48時間撹拌し
た。反応混合物をセライトを用いてろ過した後、ろ液を
減圧下濃縮乾固して残渣1.09gを得た。残渣をロー
バーカラムを用いて分離精製して化合物(24)484
mg(収率42.3%)および化合物(25)120mg
(収率10%)をそれぞれシロップ状物質として得た。
【0106】化合物(25)〔α〕25 D+15.0°(C 0.808, CH
Cl3) IR(CHCl3)cm-1 :1732, 1498, 1455, 1315, 1105, 10291 H-NMR (CDCl3,δppm):7.4 〜7.1(35H, m, ph),5.18(1
H, d, J=1.0Hz, H-1 or H- 1′),4.86(1H, d, J=1.0Hz,
H-1 or H- 1′),3.66(3H, s, OMe),2.30(2H, t, J=7.5
Hz, -CH2CO-),1.7〜 1.15(12H, m, -(CH2)6-)
【0107】 元素分析 C71H82O13 計算値 C 74.58% H 7.23% 実測値 C 74.46% H 7.22%
【0108】化合物(24)〔α〕25 D-38.5°(C 0.924, CH
Cl3) IR(CHCl3)cm-1 :1731, 1498, 1452, 1362, 1100, 10651 H-NMR (CDCl3,δppm):7.6 〜7.0(35H, m, ph),4.90(1
H, s, H-1 or H-1′),3.67(3H, s, OMe),2.30(2H, t, J
=7.5Hz, -CH2CO-),1.7 〜1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0109】 元素分析 C71H82O13 計算値 C 74.58% H 7.23% 実測値 C 74.32% H 7.30%
【0110】例 8 8−メトキシカルボニルオクチル 2−O−(β−D−
マンノピラノシル)−α−D−マンノピラノシド(2
6) 化合物(24)480mg(0.42ミリモル)をメタノ
ール中10%パラジウム炭素の存在下に水素添加して脱
O−ベンジル化して化合物(26)181mg(収率84
%)を無色粉末として得た。
【0111】〔α〕24 D-4.9 °(C 0.658, MeOH) IR(KBr)cm-1 :3400, 1740, 10601 H-NMR (CD3OD,δppm):4.86(1H, overlapped with CD3
OH, H-1 or H-1′),4.65(1H, d, J=0.8Hz, H-1′ or H-
1) 3.65(3H, s, OMe),2.31(2H, t, J=7.5Hz, -CH2CO-),1.7
〜1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0112】 元素分析 C22H40O13・H2O 計算値 C 49.80% H 7.98% 実測値 C 50.10% H 7.67%
【0113】例 9 8−メトキシカルボニルオクチル 2−O−(α−D−
マンノピラノシル)−α−D−マンノピラノシド(2
7) 本化合物は Carbohydr. Res., 156, 1 (1986) に記載の
方法で合成した。
【0114】参考例10 8−メトキシカルボニルオクチル 2,3,4−トリ−
O−ベンジル−β−D−マンノピラノシド(28)
【0115】(i)J. Carbohydr. Chem., 6, 645-660
(1987) に記載の方法で合成した1,6−ジ−O−アセ
チル−2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−D−マン
ノピラノシド5.00g(9.35ミリモル)の塩化メ
チレン60ml溶液に、−20℃で塩化水素ガスを吹き込
み飽和させた。反応液を室温に戻して2時間放置した
後、減圧下濃縮して6−O−アセチル−2,3,4−ト
リ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシルクロライ
ド4.69g(収率98.2%)をシロップ状物質とし
て得た。このクロライド4.69gの1,2−ジクロロ
エタン100ml溶液にシアン化第二水銀7.09g(2
8.1ミリモル)、粉末モレキュラーシーブ4A30g
と8−メトキシカルボニルオクタノール1.76g
(9.35ミリモル)を加え、アルゴン気流中、80℃
で22時間撹拌した。沈澱をろ去後、ろ液を減圧下濃縮
乾固してシロップ状残渣を得た。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=
7:1)で精製して8−メトキシカルボニルオクチル
6−O−アセチル−2,3,4−トリ−O−ベンジル−
α/β−D−マンノピラノシド混合物3.24g(収率
52.2%)を得た。
【0116】(ii)上記で得た混合物2.45g(3.
70ミリモル)のメタノール50ml溶液に2Nナトリウ
ムメチラート5mlを加え、室温で1.5時間撹拌した。
反応液をアンバーライトIR−120B(H+ 型)で中
和した後樹脂をろ去した。ろ液を減圧下濃縮乾固してシ
ロップ状残渣を得た。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(トルエン:酢酸エチル=16:1)で精製
して化合物(28)1.20g(収率52.2%)を得
た。同時に Carbohydr. Res., 161, 195 (1987) に公知
の化合物(29)834mg(収率36.2%)を得た。
【0117】〔α〕24 D-38.7°(C 1, CHCl3) IR(KBr)cm-1 :3500, 2930, 2850, 17401 H-NMR (CDCl3,δppm):2.28(2H, t, J=7.6Hz, CH2COOC
H3),3.65(3H, s, OCH3)
【0118】参考例11 8−メトキシカルボニルオクチル 2,3,4−トリ−
O−ベンジル−6−O−(2,3,4,6−テトラ−O
−ベンジル−β−D−マンノピラノシル)−α−D−マ
ンノピラノシド(30)および8−メトキシカルボニル
オクチル 2,3,4−トリ−O−ベンジル−6−O−
(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−α−D−マ
ンノピラノシル)−α−D−マンノピラノシド(31)
【0119】(i)2,3,4,6−テトラ−O−ベン
ジル−α−D−マンノピラノシルクロライド(3)26
5mg(0.47ミリモル)と化合物(29)300mg
(0.483ミリモル)の1,2−ジクロロエタン5ml
溶液に銀トリフレート496mg(1.93ミリモル)と
1,1,3,3−テトラメチル尿素337mg(2.90
ミリモル)を加え、アルゴン気流中、室温で3時間撹拌
した。さらに、化合物(3)265mg(0.474ミリ
モル)を加えて2日間撹拌した。反応液を減圧濃縮して
得られたシロップをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(トルエン:酢酸エチル=30:1)で精製して化合
物(30)151mg(収率27.3%)および化合物
(31)273mg(収率42.9%)を得た。
【0120】化合物(30)〔α〕24 D-5.3 °(C 1, CHC
l3) IR(KBr)cm-1 :2930, 2850, 17401 H-NMR (CDCl3,δppm):2.28(2H, t, J=7.6Hz, CH2COOC
H3),3.65(3H, s, OCH3)
【0121】化合物(31)〔α〕24 D+56.2°(C 1, CHCl3) IR(KBr)cm-1 :2930, 2850, 17401 H-NMR (CDCl3,δppm):2.28(2H, t, J=7.6Hz, CH2COOC
H3),3.65(3H, s, OCH3),4.70(1H, d, J=1.8Hz, H-1)
【0122】(ii)化合物(3)90mg(0.161ミ
リモル)と化合物(29)100mg(0.161ミリモ
ル)の1,2−ジクロロエタン2.5ml溶液に銀シリケ
ート325mgと粉末モレキュラーシーブ4A1.5gを
加え、3時間撹拌した。さらに化合物(3)90mg
(0.161ミリモル)を加え21時間撹拌した。沈澱
をろ去後、ろ液を減圧下濃縮乾固してシロップ状残渣を
得た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ト
ルエン:酢酸エチル=30:1)で精製して上記と同一
の化合物(30)103mg(収率55.9%)および化
合物(31)44mg(収率23.9%)を得た。
【0123】参考例12 8−メトキシカルボニルオクチル 2,3,4−トリ−
O−ベンジル−6−O−(2,3,4,6−テトラ−O
−ベンジル−β−D−マンノピラノシル)−β−D−マ
ンノピラノシド(32)および8−メトキシカルボニル
オクチル 2,3,4−トリ−O−ベンジル−6−O−
(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−α−D−マ
ンノピラノシル)−β−D−マンノピラノシド(33)
【0124】(i)化合物(3)180mg(0.322
ミリモル)と化合物(28)200mg(0.322ミリ
モル)とを、参考例11(i)の方法と同様にして、
1,2−ジクロロエタン5ml溶液中、1,1,3,3−
テトラメチル尿素の存在下、銀トリフレートを用いて縮
合して化合物(32)25mg(収率6.8%)および化
合物(33)228mg(収率61.9%)を得た。
【0125】 化合物(32)〔α〕24 D-41.9°(C 0.5, CHCl3) IR(KBr)cm-1 :2930, 2850, 17401 H-NMR (CDCl3,δppm):2.28(2H, t, J=7.6Hz, CH2COOC
H3),3.65(3H, s, OCH3)
【0126】 化合物(33)〔α〕24 D-5.2 °(C 1, CHCl3) IR(KBr)cm-1 :2930, 2850, 17401 H-NMR (CDCl3,δppm):2.28(2H, t, J=7.6Hz, CH2COOC
H3),3.65(3H, s, OCH3)
【0127】(ii)化合物(3)180mg(0.322
ミリモル)と化合物(28)200mg(0.322ミリ
モル)とを、参考例11(ii)の方法と同様に、1,2
−ジクロロエタン5ml溶液中、粉末モレキュラーシーブ
4Aの存在下、銀シリケートを用いて縮合して上記と同
一の化合物(32)196mg(収率53.2%)および
化合物(33)94mg(収率25.5%)を得た。
【0128】例 10 8−メトキシカルボニルオクチル 6−O−(β−D−
マンノピラノシル)−α−D−マンノピラノシド(3
4) 化合物(30)117mg(0.102ミリモル)のメタ
ノール20ml溶液に10%パラジウム炭素100mgを加
え、パールの装置(50psi )で2日間接触還元した。
触媒をろ去後、ろ液を減圧下濃縮乾固してシロップ状残
渣を得た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム:メタノール:濃アンモニア水=5:
5:1)で精製して化合物(34)45.1mg(収率8
6.3%)を得た。
【0129】〔α〕24 D+0.1 °(C 0.9, MeOH)1 H-NMR (CD3OD,δppm):2.31(2H, t, J=7.6Hz, CH2COOC
H3),3.65(3H, s, OCH3),4.59(1H, s, H- 1′) 4.70(1H, d, J=1.8Hz, H-1) MS(SIMS):m/z 535(M+Na)+
【0130】例 11 8−メトキシカルボニルオクチル 6−O−(α−D−
マンノピラノシル)−α−D−マンノピラノシド(3
5) 化合物(31)183mg(0.160ミリモル)を例1
0の場合と同様に、メタノール中10%パラジウム炭素
の存在下に水素添加して、脱O−ベンジル化して化合物
(35)38.6mg(収率47.1%)を得た。
【0131】〔α〕24 D+55.1°(C 0.8, MeOH)1 H-NMR (CD3OD,δppm):2.31(2H, t, J=7.6Hz, CH2COOC
H3),3.65(3H, s, OCH3),4.70(1H, d, J=1.8Hz, H-1) MS(SIMS):m/z 535(M+Na)+
【0132】例 12 8−メトキシカルボニルオクチル 6−O−(β−D−
マンノピラノシル)−β−D−マンノピラノシド(3
6) 化合物(32)151mg(0.132ミリモル)を例1
0の場合と同様に、メタノール中10%パラジウム炭素
の存在下に水素添加して、脱O−ベンジル化して化合物
(36)49.0mg(収率72.4%)を得た。
【0133】〔α〕24 D-53.3°(C 1, MeOH)1 H-NMR (CD3OD,δppm):2.31(2H, t, J=7.6Hz, CH2COOC
H3),3.65(3H, s, OCH3),4.48(1H, s, H-1) 4.61(1H, s, H- 1′) MS(SIMS):m/z 535(M+Na)+
【0134】例 13 8−メトキシカルボニルオクチル 6−O−(α−D−
マンノピラノシル)−β−D−マンノピラノシド(3
7) 化合物(33)196mg(0.171ミリモル)を例1
0の場合と同様に、メタノール中10%パラジウム炭素
の存在下に水素添加して、脱O−ベンジル化して化合物
(37)49.0mg(収率72.4%)を得た。
【0135】〔α〕24 D-53.3°(C 1, MeOH)1 H-NMR (CD3OD,δppm):2.31(2H, t, J=7.6Hz, CH2COOC
H3),3.65(3H, s, OCH3),4.48(1H, s, H-1) MS(SIMS):m/z 535(M+Na+)
【0136】参考例13 8−メトキシカルボニルオクチル 2−O−(3,4,
6−トリ−O−アセチル−2−アジド−2−デオキシ−
α−D−マンノピラノシル)−3,4,6−トリ−O−
ベンジル−α−D−マンノピラノシド(38) Carbohydr. Res., 156, 1 (1
986)に記載の方法で合成した8−メトキシカルボニルオ
クチル 3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マ
ンノピラノシド(23)793mg(1.278ミリモ
ル)のトルエン溶液20mlを窒素気流下氷冷した。これ
に粉末状モレキュラーシーブ4A800mgおよび銀シリ
ケート800mgを加えて30分間撹拌した。次いで3,
4,6−トリ−O−アセチル−2−アジド−2−デオキ
シ−α−D−マンノピラノシルブロマイド(13)50
5mg(1.278ミリモル)のトルエン溶液5mlを加
え、同温度で更に48時間撹拌した。反応混合物をセラ
イトを用いてろ過した後、ろ液を減圧下濃縮乾固して残
渣1.22gを得た。残渣をローバーカラム(ヘキサ
ン:酢酸エチル=3:1)を用いて精製して化合物(3
8)557mg(収率59.7%)を得た。
【0137】〔α〕25 D+37.4°(C 0.901, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 :2028, 1745, 1452, 1369, 1045.1H-NM
R (CDCl3,δppm):7.5 〜7.1(15H, m,ph),5.43(1H, dd,
J3',4'=9.4Hz, J2',3'=3.7Hz, H- 3 ′),5.29(1H, t,
H-4),4.98(1H, d, J1',2'=1.8Hz, H- 1′),4.85(1H, d,
J1,2=1.7Hz, H-1),3.66(3H, s, OMe),2.30(2H, t, J=7
Hz, -CH2CO-),2.10(3H, s, OAc),2.09(3H, s, OAc),1.9
9(3H, s, OAc),1.8 〜1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0138】 元素分析 C49H63N3O15 計算値 C 62.94% H 6.79% N 4.49% 実測値 C 62.76% H 6.83% N 4.61%
【0139】参考例14 8−メトキシカルボニルオクチル 2−O−(2−アジ
ド−2−デオキシ−α−D−マンノピラノシル)−3,
4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシ
ド(39)
【0140】化合物(38)557mg(0.596ミリ
モル)のメタノール溶液20mlに1M ナトリウムメトキ
シド−メタノ−ル溶液0.15mlを加え、室温に2時間
放置した。反応液にイオン交換樹脂アンバーライトIR
−120B(H+ 型)を加えて中和した後、樹脂をろ去
し、少量のメタノールで洗浄した。ろ液および洗液を合
し、減圧下で濃縮乾固して化合物(39)447mg(収
率93%)をシロップ状物質として得た。
【0141】〔α〕24 D+46.7°(C 0.559, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 :3600, 3460, 2027, 1731, 1498, 145
3, 10651 H-NMR (CD3OD,δppm):7.40〜 7.15(15H, ph),4.99(1
H, d, J1',2'=1.4Hz, H- 1′),4.93(1H, d, J1,2=1.8H
z, H-1),3.62(3H, s, OMe),2.30(2H, t, J=7Hz, -CH 2 CO
-),1.7 〜1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0142】 元素分析 C43H57N3O12 計算値 C 63.92% H 7.11% N 5.20% 実測値 C 63.17% H 7.09% N 5.22%
【0143】参考例15 8−メトキシカルボニルオクチル 2−O−(2−アセ
トアミド−2−デオキシ−α−D−マンノピラノシル)
−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピ
ラノシド(40)
【0144】化合物(39)310mg(0.384ミリ
モル)のエタノール溶液8mlに、0.16M 塩化ニッケ
ル六水和物のエタノール溶液0.07mlを加えた後、室
温で撹拌下に水素化ホウ素ナトリウム44mg(1.15
ミリモル)をエタノール5mlに溶かした液を加えた。反
応混合物を40分間撹拌した後、酢酸を加えて中和し
た。次いで無水酢酸0.2mlを加えて室温に1時間放置
した。反応混合物を減圧下濃縮乾固した後、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタ
ノール=10:1)で精製して化合物(40)184mg
(収率58.2%)をシロップ状物質として得た。
【0145】〔α〕24 D+42.3°(C 0.522, MeOH)1 H-NMR (CD3OD,δppm):7.40〜 7.10(15H, m, ph),4.95
(1H, d, J=1.8Hz, H-1 or H- 1′),4.93(1H, d, J=1.6H
z, H-1′ or H-1),3.62(3H, s, OMe),2.28(2H, t, J=7H
z, -CH 2 CO-),2.01(3H, s, NAc),1.7〜 1.2(12H, m, -(C
H2)6-)
【0146】 元素分析 C45H61NO13 計算値 C 65.59% H 7.46% N 1.70% 実測値 C 65.23% H 7.33% N 1.95%
【0147】例14 8−メトキシカルボニルオクチル 2−O−(2−アセ
トアミド−2−デオキシ−α−D−マンノピラノシル)
−α−D−マンノピラノシド(41)
【0148】化合物(40)170mg(0.206ミリ
モル)のメタノール溶液15mlに、10%パラジウム−
炭素50mgを加え、室温で27時間水素添加した。反応
混合物をろ過した後、ろ液を減圧下濃縮乾固して化合物
(41)86mg(収率75.4%)を不定型粉末として
得た。
【0149】〔α〕25 D+49.3°(C 0.708, MeOH) IR(KBr)cm-1 :3400, 1740, 1650, 1545, 1125, 1060,
10201 H-NMR (CD3OD,δppm):5.01(1H, s, H-1),4.90(1H, d,
J1',2'=1.5Hz, H- 1′),4.44(1H, dd, J2',3'=4.6Hz,
H-2′),3.65(3H, s, OMe),2.31(2H, t, J=7Hz, -CH 2 CO
-),2.00(3H, s, NAc),1.7 〜 1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0150】 元素分析 C24H43NO13・H2O 計算値 C 50.43% H 7.94% N 2.45% 実測値 C 50.52% H 7.76% N 2.62%
【0151】参考例16 8−メトキシカルボニルオクチル 3,6−ジ−O−ア
セチル−2,4−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピ
ラノシド(43)
【0152】Tetrahedron, 37, 2779 (1981)に記載の方
法で合成した3,6−ジ−O−アセチル−2,4−ジ−
O−ベンジル−α−D−マンノピラノシルクロライド
(42)3.24g(7.58ミリモル)および8−メ
トキシカルボニルオクタノール1.43g(7.58ミ
リモル)を無水ベンゼン60mlに溶解した後、窒素気流
下で溶媒10mlを留去した。室温まで冷却した後、粉末
状モレキュラーシーブ4A2.0gを加え15分間撹拌
した。次いで銀シリケート3.25gを加えて室温で1
8時間撹拌した。反応混合物をセライトを用いてろ過し
た後、ろ液を減圧下濃縮乾固した。残渣4.51gをロ
ーバーカラム(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)を用い
て精製して化合物(43)2.93g(収率63%)を
シロップ状物質として得た。
【0153】〔α〕25 D+4.4 °(C 1.128, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 :1735, 1455, 1365, 1075.1H-NMR (CDC
l3,δppm):7.45〜 7.2(10H, m, ph),5.25(1H, dd, J
2,3=3.4Hz, J3,4=8.8Hz, H-3),4.82(1H, d, J=1.6Hz, H
-1),3.67(3H, s, OMe).2.31(2H, t, J=7.5Hz, -CH 2 CO
-),2.08(3H, s, OAc),2.00(3H, s, OAc),1.7 〜1.2(12
H, m, -(CH2)6-)
【0154】 元素分析 C34H46O10 計算値 C 66.43% H 7.54% 実測値 C 66.10% H 7.41%
【0155】参考例17 8−メトキシカルボニルオクチル 2,4−ジ−O−ベ
ンジル−α−D−マンノピラノシド(44) 化合物(43)1.48g(2.40ミリモル)のメタ
ノール30ml溶液に1Mナトリウムメトキシド−メタノ
ール溶液0.6mlを加えて、室温に8時間放置した。反
応液にイオン交換樹脂アンバーライトIR−120B
(H+ 型)を加えて中和した後、樹脂をろ去した。ろ液
を減圧下で濃縮乾固して残渣1.34gを得た。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸
エチル=2:1)で精製して化合物(44)876mg
(収率69%)をシロップ状物質として得た。
【0156】〔α〕25 D+18.2°(C 0.626, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 :3560, 1731, 1498, 1455, 1438, 110
0, 10751 H-NMR (CDCl3,δppm):7.45〜 7.20(10H, m, ph),4.84
(1H, d, J=1.2Hz, H-1),3.67(3H, s, OMe),2.30(2H, t,
J=7.5Hz, -CH2CO-),1.7 〜1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0157】 元素分析 C30H42O8 計算値 C 67.90% H 7.98% 実測値 C 67.39% H 8.03%
【0158】参考例18 8−メトキシカルボニルオクチル 6−O−(3,4,
6−トリ−O−アセチル−2−アジド−2−デオキシ−
α−D−マンノピラノシル)−2,4−ジ−O−ベンジ
ル−α−D−マンノピラノシド(45)
【0159】化合物(44)710mg(1.339ミリ
モル)、銀トリフラート757mg(2.94ミリモル)
およびテトラ−N−メチル尿素1.4ml(11.78ミ
リモル)のジクロロメタン溶液(15ml)を、窒素気流
下で−78℃に冷却した後、3,4,6−トリ−O−ア
セチル−2−アジド−2−デオキシ−α−D−マンノピ
ラノシルブロミド(13)1.01g(2.678ミリ
モル)のジクロロメタン溶液5mlを加えた。その後冷却
浴を除き、反応温度を徐々に室温まで上昇させ、18時
間撹拌した後、反応混合物をセライトを用いてろ過し
た。ろ液を炭酸水素ナトリウム水溶液および水で順次洗
浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留
去してシロップ状残渣を得た。残渣をローバーカラム
(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)を用いて精製して化
合物(45)486mg(収率43%)をシロップ状物質
として得た。
【0160】〔α〕25 D+62.3°(C 0.925, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 :3560, 2110, 1745, 1455, 1370, 10601 H-NMR (CDCl3,δppm):7.5 〜7.25(10H, m, ph),5.42
〜 5.22(2H, m, H-3′, H- 4′),5.04(1H, d, J=1.6Hz,
H-1 or H- 1′),4.81(1H, d, J=1.4Hz, H-1′ or H-
1),3.66(3H, s, OMe),2.30(2H, t, J=7.5Hz, -CH2CO-),
2.08(3H, s, OAc),2.06(3H, s, OAc),2.03(3H, s, OA
c),1.7 〜1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0161】 元素分析 C42H57N3O15・0.5H2O 計算値 C 59.14% H 6.85% N 4.93% 実測値 C 59.07% H 6.77% N 5.07%
【0162】参考例19 8−メトキシカルボニルオクチル 6−O−(2−アジ
ドー2−デオキシ−α−D−マンノピラノシル)−2,
4−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシド(4
6)
【0163】化合物(45)470mg(0.557ミリ
モル)を参考例14の場合と同様に、メタノール中触媒
量のナトリウムメトキシドを用いて脱O−アセチル化し
て化合物(46)333mg(収率83.2%)をシロッ
プ状物質として得た。
【0164】〔α〕25 D+69.1°(C 0.739, MeOH) IR(CHCl3)cm-1 :3560, 2120, 1731, 10751 H-NMR (CD3OD,δppm):7.5 〜7.2(10H, m, ph),3.64(3
H, s, OMe),2.30(2H, t, J=7.5Hz, -CH2CO-),1.7 〜1.2
5(12H, m, -(CH2)6-)
【0165】 元素分析 C36H51N3O12・0.6H2O 計算値 C 59.34% H 7.22% N 5.77% 実測値 C 59.04% H 7.02% N 5.80%
【0166】参考例20 8−メトキシカルボニルオクチル 6−O−(2−アセ
トアミドー2−デオキシ−α−D−マンノピラノシル)
−2,4−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシ
ド(47)
【0167】化合物(46)320mg(0.446ミリ
モル)を参考例15の場合と同様に、エタノール中触媒
量の塩化ニッケル六水和物の存在下に、水素化ホウ素ナ
トリウムでアジド基をアミノ基に還元した後、無水酢酸
でN−アセチル化して化合物(47)234mg(収率7
1.5%)を無定型粉末として得た。
【0168】〔α〕25 D+54.7°(C 0.569, MeOH) IR(CHCl3)cm-1 :1730, 1660, 1455, 1075.1H-NMR (CD3
OD,δppm):7.5 〜7.2(10H, m, ph),4.41(1H, dd, J
1',2'=1.2Hz, J2',3'=5Hz, H- 2 ′),3.64(3H, s, OM
e),2.31(2H, t, J=7.5Hz, -CH2CO-),2.00(3H, s, NAc),
1.7 〜1.25(12H, m, -(CH2)6-)
【0169】 元素分析 C38H55NO13・H2O 計算値 C 60.70% H 7.64% N 1.86% 実測値 C 60.84% H 7.56% N 2.02%
【0170】例 15 8−メトキシカルボニルオクチル 6−O−(2−アセ
トアミドー2−デオキシ−α−D−マンノピラノシル)
−α−D−マンノピラノシド(48) 化合物(47)230mg(0.313ミリモル)を例1
4の場合と同様に、メタノール中10%パラジウム−炭
素存在下に水素添加して脱O−ベンジル化して化合物
(48)118mgを無定形粉末として得た。
【0171】〔α〕24 D+56.6°(C 0.758, MeOH) IR(KBr)cm-1 :1740, 1650, 1545.1H-NMR (CDCl3,δpp
m):4.74(1H, d, J1',2'=1.2Hz, H- 1′),4.71(1H, d,
J1,2=1.4Hz, H-1),4.36(1H, dd, J2',3'=5Hz, H-2′),
3.65(3H, s, OMe),2.32(2H, t, J=7.5Hz, -CH 2 CO-),2.0
1(3H, s, NAc),1.70〜 1.25(12H, m, -(CH2)6-)
【0172】 元素分析 C24H43NO13・H2O 計算値 C 50.43% H 7.94% N 2.45% 実測値 C 50.55% H 7.76% N 2.58%
【0173】参考例21 8−メトキシカルボニルオクチル 2−O−(3,4,
6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイ
ミド−β−D−グルコピラノシル)−3,4,6−トリ
−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシド(50)
【0174】Synthetic Methods for Carbohydrate Che
mistry, 1976に記載の方法で合成した2,3,4−トリ
−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β
−D−グルコピラノシルブロマイド(49)410mg
(0.66ミリモル)および化合物(23)427mg
(0.85ミリモル)を無水ジクロロメタン20mlに溶
解した後、窒素気流下、モレキュラーシーブ4A10g
を加え1時間撹拌した。次いで銀シリケート400mgを
加えて、室温で16時間撹拌した。反応混合物をセライ
トを用いてろ過した後、ろ液を減圧下濃縮乾固してシロ
ップ状残渣710mgを得た。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で
精製して化合物(50)400mg(収率58.3%)を
得た。
【0175】〔α〕24 D+13.7°(C 0.35, CHCl3)1 H-NMR (CDCl3,δppm):6.9 〜7.9(19H, m, aromatic
H),5.82(1H, t, J=10Hz, H- 4′),5.51(1H, d, J=8.5H
z, H-1′),5.20(1H, t, J=10Hz, H- 3′),3.65(3H, s,
OMe),2.28(2H, t, J=7.5Hz),2.04(6H, s, 2 × Ac),1.8
7(3H, s, Ac),1.7 〜1.0(12H, m, -(CH2)6-)
【0176】参考例22 8−メトキシカルボニルオクチル 2−O−(2−デオ
キシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル)
−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピ
ラノシド(51)
【0177】化合物(50)275mg(0.265ミリ
モル)を参考例6の場合と同様に、メタノール中触媒量
のナトリウムメトキシドを用いて脱O−アセチル化して
化合物(51)240mgを得た。
【0178】1H-NMR (CDCl3,δppm):7.8 〜7.1(19H,
m, aromatic H),5.30(1H, d, J=7.5Hz, H-1′),4.49(1
H, d, J=1.6Hz, H-1),3.65(3H, s, OMe),2.28(2H, t, J
=7.5Hz, -CH 2 CO-),1.7 〜1.1(12H, m, -(CH2)6-)
【0179】参考例23 8−メトキシカルボニルオクチル 2−O−(2−アセ
トアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)
−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピ
ラノシド(52)
【0180】化合物(51)230mg(0.252ミリ
モル)の無水メタノール溶液(50ml)にヒドラジンア
セテート1.53g(16.6ミリモル)を加え、窒素
気流下で5時間加熱還流した。室温まで冷却した後、反
応液を減圧下で濃縮乾固した。残渣を酢酸エチル層と水
層とに分配した。有機層を分離し、水洗後、硫酸マグネ
シウムで乾燥し、溶媒を留去して残渣210mgを得た。
残渣を無水メタノール20mlに溶解した後、無水酢酸2
mlを加えて、室温に16時間放置した。反応混合物を減
圧下で濃縮乾固して残渣236mgを得た。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノ
ール=10:1)で精製して化合物(52)154mg
(74.4%)を得た。
【0181】〔α〕25 D-6.1 °(C 0.676, MeOH)1 H-NMR (CD3OD,δppm):7.5 〜7.1(15H, m, aromatic
H),4.53(1H, d, J=1.6Hz, H-1),3.62(3H, s, OMe),2.27
(2H, t, J=7.5Hz, -CH 2 CO-),1.94(3H, s, NAc),1.7 〜
1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0182】例 16 8−メトキシカルボニルオクチル 2−O−(2−アセ
トアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)
−α−D−マンノピラノシド(53) 化合物(52)144mg(0.174ミリモル)をメタ
ノール中10%パラジウム炭素の存在下に水素添加して
脱O−ベンジル化して化合物(53)84mgを得た。
【0183】〔α〕24 D+4.7 °(C 0.838, MeOH) IR(KBr)cm-1 :1740, 1645, 1560, 1065.1H-NMR (CD3O
D,δppm):4.77(1H, d, J=1.5Hz, H-1),4.45(1H, d, J=
8.1Hz, H-1′),3.65(3H, s, OMe),2.32(2H, t, J=7.5H
z, -CH 2 CO-),1.99(3H, s, NAc),1.7 〜1.2(12H, m, -(C
H2)6-)
【0184】参考例24 8−メトキシカルボニルオクチル 6−O−(3,4,
6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイ
ミド−β−D−グルコピラノシル)−2,4−ジ−O−
ベンジル−α−D−マンノピラノシド(54)および8
−メトキシカルボニルオクチル 3,6−ジ−O−
(3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2
−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル)−2,4
−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシド(5
5)
【0185】化合物(44)564mg(1.06ミリモ
ル)の無水ベンゼン溶液25mlに、銀シリケート1.0
gおよび粉末状モレキュラーシーブ4A1.0gを加
え、窒素気流下、室温で30分間撹拌した。次いで化合
物(49)1.05g(2.12ミリモル)の無水ベン
ゼン溶液5mlを加え、室温で16時間撹拌した。反応混
合物をセライトを用いてろ過した後、ろ液を減圧下濃縮
乾固して残渣1.6gを得た。残渣をローバーカラム
(ヘキサン:酢酸エス=1:1)を用いて精製して化合
物(54)184mg(収率18.9%)および化合物
(55)693mg(収率48.9%)を得た。
【0186】化合物(54)〔α〕24 D+22.3°(C 0.783, Me
OH) IR(CHCl3)cm-1 :1750, 1721, 1389, 1369, 1080, 104
0.1H-NMR (CDCl3,δppm):5.83(1H, dd, J=10.0Hz, J=
9.0Hz, H- 3′),5.45(1H, d, J=8.6Hz, H-1′),5.19(1
H, t, J=9.6Hz, H-4′),3.6 (3H, s, OMe),2.30(2H, t,
J=7.5Hz, -CH2CO-),2.09, 2.04, 1.87(each 3H, each
s, 3 ×OAc),1.7 〜1.1(12H, m, -CH2)6-
【0187】 元素分析 C50H61NO17・H2O 計算値 C 62.11% H 6.57% N 1.45% 実測値 C 61.87% H 6.27% N 1.50%
【0188】 化合物(55)〔α〕25 D+16.0°(C 0.688, CHCl3)1 H-NMR (CDCl3,δppm):5.78(1H, dd, J=9.2Hz, 11Hz,
H-3′or H-3"),5.76(1H, dd, J=9.2Hz, 11Hz, H-3"or
H-3′),5.47(1H, d, J=8Hz, H-1′or H-1"),5.35(1H,
d, J=8.4Hz, H-1" or H- 1′),5.14(1H, t, J=9.4Hz,
H-4′ or H-4"),5.13(1H, t, J=9.6Hz, H-4" or H-
4′),3.68(3H, s, OMe),2.05, 2.01, 1.99, 1.84, 1.82
(total 18H, 6×Ac).
【0189】 元素分析 C70H80N2O26・H2O 計算値 C 60.77% H 5.97% N 2.03% 実測値 C 60.63% H 5.85% N 1.96%
【0190】参考例25 8−メトキシカルボニルオクチル 6−O−(2−デオ
キシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル)
−2,4−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシ
ド(56)
【0191】化合物(54)161mg(0.176ミリ
モル)を参考例6の場合と同様に、メタノール中触媒量
のナトリウムメトキシドの存在下に脱O−アセチル化し
て化合物(56)111mgを得た。
【0192】〔α〕24 D+5.5 °(C 0.667, CHCl3)1 H-NMR (CDCl3,δppm):7.72〜 7.15(14H, m, aromatic
H),5.31(1H, d, J=8.1Hz, H-1′),3.65(3H, s, OMe),
2.30(2H, t, J=7.5Hz, -CH 2 CO-),1.7 〜1.1(12H, m, -
(CH2)6-)
【0193】参考例26 8−メトキシカルボニルオクチル 6−O−(2−アセ
トアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)
−2,4−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシ
ド(57)
【0194】化合物(56)104mg(0.132ミリ
モル)を参考例23の場合と同様に、メタノール中ヒド
ラジンアセテートと加熱還流して脱フタロイル化した
後、無水酢酸でN−アセチル化して化合物(57)66
mgを得た。
【0195】〔α〕25 D+12.3°(C 0.733, MeOH) IR(KBr)cm-1 :1740, 1652, 15551 H-NMR (CD3OD,δppm):7.25〜 7.48(10H, m, aromatic
H),4.69(1H, d, J=1.6Hz, H-1),4.47(1H, d, J=8.2Hz,
H-1′),3.63(3H, s, OMe),2.30(2H, t, J=7.5Hz, -CH 2
CO-),1.98, 1.86(total 3H, NAc),1.7 〜1.2(12H, m, -
(CH2)6-)
【0196】例 17 8−メトキシカルボニルオクチル 6−O−(2−アセ
トアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)
−α−D−マンノピラノシド(58) 化合物(57)54mg(0.0826ミリモル)をメタ
ノール中10%パラジウム炭素の存在下に水素添加し
て、脱O−ベンジル化して化合物(58)36mgを得
た。
【0197】〔α〕24 D-12.4°(C 0.723, MeOH)1 H-NMR (CD3OD,δppm):4.68(1H, d, J=1.2Hz, H-1),4.
44(1H, d, J=8.4Hz, H-1′),3.65(3H, s, OMe),2.23(2
H, t, J=7.5Hz, -CH 2 CO-),1.98(3H, s, NAc),1.7 〜1.2
5(12H, m, -(CH2)6-)
【0198】参考例27 8−メトキシカルボニルオクチル 3,6−ジ−O−
(2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピ
ラノシル)−2,4−ジ−O−ベンジル−α−D−マン
ノピラノシド(59)
【0199】粗生成物(55)1.0g(0.732ミ
リモル)を参考例6の場合と同様に、メタノール中触媒
量のナトリウムメトキシドの存在下に脱O−アセチル化
して化合物(59)277mgを得た。
【0200】〔α〕25 D+2.1 °(C 0.973, MeOH) IR(KBr)cm-1 :1775, 1712, 1390, 1072.1H-NMR (CD3O
D,δppm):5.34(1H, d, J=8.2Hz, H-1′or H-1"),5.21
(1H, d, J=8.4Hz, H-1" or H-1′),3.65(3H, s, OMe),
2.35(2H, t, J=7.5Hz, -CH 2 CO-),1.7 〜1.1(12H, m, -
(CH2)6-)
【0201】 元素分析 C58H68N2O20・H2O 計算値 C 61.58% H 6.24% N 2.48% 実測値 C 61.70% H 6.23% N 2.66%
【0202】参考例28 8−メトキシカルボニルオクチル 3,6−ジ−O−
(3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アセトアミド
−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−2,4
−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシド(6
0)
【0203】化合物(59)277mg(0.256ミリ
モル)のメタノール溶液50mlに、ヒドラジンアセテー
ト3.06g(33.28ミリモル)を加え、窒素気流
下、3時間加熱撹拌した。室温まで冷却した後、反応液
を減圧下で濃縮乾固して残渣3.59gを得た。残渣を
ピリジン15mlに溶解した後、無水酢酸15mlを加え
て、室温に48時間放置した。反応混合物を氷水中に注
ぎ、生成物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル相を、
希塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液および水で順次洗浄
した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を
留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル)で精製して化合物(60)212mg(収
率71.6%)を得た。
【0204】〔α〕25 D+1.3 °(C 1.085, CHCl3)1 H-NMR (CDCl3,δppm):7.5 〜7.2(10H, m, aromatic
H),3.67(3H, s, OMe),2.42, 2.16, 2.05, 2.02, 2.00,
1.84, 1.75, 1.72 (each 3H, each s, NAc and OAc),2.30(2H, t, J=7.5H
z, -CH 2 CO-),1.7 〜1.2(12H, m, -(CH2)6-)
【0205】参考例29 8−メトキシカルボニルオクチル 3,6−ジ−O−
(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピ
ラノシル)−2,4−ジ−O−ベンジル−α−D−マン
ノピラノシド(61)
【0206】化合物(60)190mg(0.164ミリ
モル)を参考例6の場合と同様に、メタノール中触媒量
のナトリウムメトキシドを用いて脱O−アセチル化して
化合物(61)134mgを得た。
【0207】〔α〕25 D+3.4 °(C 0.698, MeOH) IR(KBr)cm-1 :1735, 1655, 1555, 1070.1H-NMR (CD3O
D,δppm):7.6 〜7.25(10H, m, aromatic H),3.64(3H,
s, OMe),2.30(2H, t, J=7.5Hz, -CH2CO-),1.98(3H, s,
NAc),1.88, 1.76(total 3H, NAc),1.7 〜1.2(12H, m, -
(CH2)6-)
【0208】 元素分析 C46H68N2O18・2.2H2O 計算値 C 56.57% H 7.47% N 2.87% 実測値 C 56.87% H 7.24% N 2.70%
【0209】例 18 8−メトキシカルボニルオクチル 3,6−ジ−O−
(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピ
ラノシル)−α−D−マンノピラノシド(62) 化合物(61)143mgを、メタノール中10%パラジ
ウム炭素存在下に水素添加して脱O−ベンジル化して化
合物(62)68mgを得た。
【0210】〔α〕28 D+6.1 °(C 0.23, MeOH)1 H-NMR (CD3OD,δppm):4.70(1H, d, J=1.5Hz, H-1),4.
56(1H, d, J=8.5Hz, H-1′ or H-1"),4.46(1H, d, J=
8.5Hz, H-1" or H- 1′),3.65(3H, s, OMe),2.32(2H,
t, J=7.5Hz, -CH 2 CO-),1.98(3H, s, NAc),2.00, 1.89(t
otal 3H, s, NAc),1.65〜 1.30(12H, m, -(CH2)6-)
【0211】 元素分析 C32H56N2O18・3H2O 計算値 C 47.40% H 7.71% N 3.46% 実測値 C 47.12% H 7.55% N 3.13%
【0212】参考例30 8−メトキシカルボニルオクチル 2,3,4−トリ−
O−ベンジル−α−L−フコピラノシド(65)および
8−メトキシカルボニルオクチル 2,3,4−トリ−
O−ベンジル−β−L−フコピラノシド(67)
【0213】2,3,4−トリ−O−ベンジル−1−p
−ニトロベンゾイル−β−L−フコピラノース4.00
g(6.85ミリモル)より調製した新しい2,3,4
−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシルブロマ
イド(63)〔Carbohydr,Res., 18, 219-226 (1971).]
のベンゼン40ml溶液に、8−メトキシカルボニルオク
タノール1.29g(6.85ミリモル)、シアン化第
二水銀1.73g(6.85ミリモル)および粉末無水
硫酸カルシウム3.60gを加え、アルゴン気流中室温
で2日間撹拌した。沈殿をろ去した後、ろ液に酢酸エチ
ル60mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液60m
l、水60mlで順次洗浄した。無水硫酸マグネシウムで
脱水後、減圧濃縮して得たシロップをシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1
5:1)で精製して化合物(65)1.66g(収率4
0.1%)と化合物(67)(収率12.6%)を得
た。
【0214】 化合物(65) 〔α〕24 D-34.0°(C 1.0, CHCl3) IR(NaCl)cm-1:17251 H-NMR (CDCl3,δppm):1.10(3H, d, J=7.5Hz, H-6, CH
3),2.28(2H, t, J=7.6Hz, CH 2 COOCH3),3.65(3H, s, OCH
3)
【0215】 化合物(67)〔α〕24 D+6.2 °(C 1.0, CHCl3) IR(NaCl)cm-1:17251 H-NMR (CDCl3,δppm):1.15(3H, d, J=7.5Hz, H-6),2.
28(2H, t, J=7.6Hz, CH 2 COOCH3),3.65(3H, s, OCH3),4.
32(1H, d, J=8.6Hz, H-1)
【0216】例 19 8−メトキシカルボニルオクチル α−L−フコピラノ
シド(66) 化合物(65)1.89g(3.12ミリモル)の酢酸
50ml溶液に10%パラジウム炭素1.0gを加え、パ
ールの装置(50psi)を用い室温で3日間接触還元し
た。沈殿をろ去した後、ろ液を減圧濃縮して得られた固
体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム:メタノール=30:1)で精製して化合物(66)
848mg(収率81.3%)を得た。
【0217】〔α〕23 D-110.1 °(C 1.0, MeOH) IR(NaCl)cm-1:3350, 17401 H-NMR (CD3OD,δppm):1.18(3H, d, J=7.5Hz, H-6,),
2.31(2H, t, J=7.6Hz, CH 2 COOCH3),3.65(3H, s, OCH3),
4.74(1H, d, J=2.7Hz, H-1)
【0218】例 20 8−メトキシカルボニルオクチル β−L−フコピラノ
シド(68) 化合物(67)596mg(0.985ミリモル)を例2
と同様な方法で接触還元して化合物(68)226mg
(収率68.6%)を得た。
【0219】〔α〕23 D+4.5 °(C 1.0, MeOH) IR(NaCl)cm-1:3350, 17401 H-NMR (CD3OD,δppm):1.21(3H, d, J=7.5Hz, H-6,),
2.31(2H, t, J=7.6Hz, CH 2 COOCH3),3.65(3H, s, OCH3),
4.17(1H, d, J=8.1Hz, H-1)
【0220】参考例31 6−メトキシカルボニルヘキシル 2,3,4−トリ−
O−アセチル−β−L−フコピラノシド(69)
【0221】1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−
L−フコピラノース1.00g(3.01ミリモル)よ
り調製した新しい2,3,4−トリ−O−アセチル−α
−L−フコピラノシルブロマイド(64)〔Carbo
hydr, Res., 4, 189−195 (196
7)〕のベンゼン10ml溶液に、6−メトキシカルボニル
ヘキサノール241mg(1.50ミリモル)、シアン化
第二水銀380mg(1.50ミリモル)および粉末無水
硫酸カルシウム900mgを加え、アルゴン気流中室温で
24時間撹拌した。沈殿をろ去した後、ろ液に酢酸エチ
ル15mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液15m
l、水15mlで順次洗浄した。無水硫酸マグネシウムで
脱水後、減圧濃縮して得たシロップをシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=8:1)
で精製して化合物(69)401mg(収率61.6%)
を得た。
【0222】〔α〕23 D+1.7 °(C 1.0, CHCl3) IR(NaCl)cm-1:17401 H-NMR (CDCl3,δppm):1.22(3H, d, J=6.4Hz, H-6),1.
99, 2.05, 2.17(3H, s, CH3CO),2.31(2H, t, H=7.6Hz,
CH 2 COOCH3),3.67(3H, s, OCH3),4.42(1H, d, J=8.1Hz,
H-1)
【0223】例 21 6−メトキシカルボニルヘキシル β−L−フコピラノ
シド(70) 化合物(69)389mg(0.899ミリモル)のメタ
ノール4ml溶液に28%ナトリウムメチラート0.1ml
を加え、室温で2時間撹拌した。アンバーライトIR−
120B(H+ 型) で中和後、樹脂をろ去し、ろ液を減
圧濃縮してシロップ状の化合物(70)268mg(収率
97.3%)を得た。
【0224】〔α〕23 D+3.3 °(C 0.64, MeOH) IR(NaCl)cm-1:3450, 17401 H-NMR (CD3OD,δppm):1.23(3H, d, J=6.6Hz, H-6,),
2.37(2H, t, J=7.6Hz, CH 2 COOCH3),3.67(3H, s, OCH3),
4.19(1H, d, J=7.3Hz, H-1)
【0225】参考例32 8−メトキシカルボニルオクチル 2−アセトアミド−
3−O−(2,3,4−トリ−O−アセチル−β−L−
フコピラノシル)−4,6−O−ベンジリデン−2−デ
オキシ−β−D−グルコピラノシド(72)
【0226】1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−
L−フコピラノース156mg(0.469ミリモル)よ
り調製した新しい2,3,4−トリ−O−アセチル−α
−L−フコピラノシルブロマイド(64)のベンゼン−
ニトロメタン(10ml−10ml)溶液に、8−メトキシ
カルボニルオクチル 2−アセトアミド−4,6−O−
ベンジリデン−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシ
ド(71)〔J. Am. Chem. Soc., 97, 4076-4083 (197
5) 〕150mg(0.313ミリモル)およびシアン化
第二水銀79mg(0.313ミリモル)を加え、アルゴ
ン気流中室温で24時間撹拌した。沈殿をろ去した後、
ろ液に酢酸エチル10mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液10ml、水10mlで順次洗浄した。無水硫酸マ
グネシウムで脱水後、減圧濃縮して得たシロップをシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタ
ノール=150:1)で精製して粉末状の化合物(7
2)205mg(収率87.1%)を得た。
【0227】〔α〕27 D-15.2°(C 1.1, CHCl3) IR(KBr) cm-1:1750, 1230, 10801 H-NMR (CDCl3,δppm):1.18(3H, d, J=5.9Hz, H-6′),
1.81(3H, s, NCOCH3),1.97, 1.98, 2.16(3H, s, OCOC
H3),2.30(2H, t, J=7.1Hz, CH 2 COOCH3),3.67(3H, s, OC
H3),4.67(1H, d, J=7.8Hz, H-1),5.86(1H, d, J=6.8Hz,
NH)
【0228】例 22 8−メトキシカルボニルオクチル 2−アセトアミド−
2−デオキシ−3−O−(β−L−フコピラノシル)−
β−D−グルコピラノシド(73) 化合物(72)124mg(0.165ミリモル)のジオ
キサン10ml溶液に0.5M 硫酸3.3mlを加え、90
℃で20分間撹拌した。クロロホルム20mlを加え、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液20ml、水20mlで順次洗
浄した。無水硫酸マグネシウムで脱水後、減圧濃縮して
得た残渣をメタノール2mlに溶解し、28%ナトリウム
メチラート0.02mlを加え、室温で2時間撹拌した。
アンバーライトIR−120B(H+ 型) で中和後、樹
脂をろ去し、ろ液を減圧濃縮して得たシロップをシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノ
ール:水=16:4:1)で精製して化合物(73)3
3.5mg(収率47.0%)を得た。
【0229】〔α〕25 D-26.9°(C 0.82, MeOH) IR(KBr)cm-1 :3400, 1740, 1660, 10801 H-NMR (CD3OD,δppm):1.27(3H, d, J=6.4Hz, H-6′),
1.95(3H, s, NCOCH3),2.30(2H, t, J=7.6Hz, CH2COOC
H3),3.65(3H, s, OCH3),4.39(1H, d, J=7.3Hz, H-1′),
4.51(1H, d, J=8.5Hz, H-1)
【0230】参考例33 8−メトキシカルボニルオクチル 2−アセトアミド−
3,4−ジ−O−アセチル−2−デオキシ−6−O−ト
リチル−β−D−グルコピラノシド(74)
【0231】8−メトキシカルボニルオクチル 2−ア
セトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド
〔J. Am. Chem. Soc., 97, 4076-4083 (1975) 〕895
mg(2.29ミリモル)のピリジン20ml溶液を約5ml
になるまで減圧濃縮した。塩化トリチル715mg(2.
56ミリモル)を加え、室温で一晩撹拌した。水0.1
mlを加え室温で10分間撹拌した後、減圧濃縮した。残
渣にクロロホルム30mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウ
ム30ml、水30mlで順次洗浄した。無水硫酸マグネシ
ウムで脱水後、減圧濃縮してシロップ状の化合物を得
た。ピリジン5mlおよび無水酢酸5mlを加え、室温で4
時間撹拌した。氷冷下メタノール2mlを加え20分間撹
拌した。減圧濃縮して得た残渣にクロロホルム30mlを
加え、飽和炭酸水素ナトリウム30ml、水30mlで順次
洗浄した。無水硫酸マグネシウムで脱水後、減圧濃縮し
て得たシロップをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム:メタノール=120:1)で精製して
化合物(74)1.12g(収率68.3%)を得た。
【0232】m.p. 159〜160 ℃ 〔α〕25 D+31.8°(C 0.86, CHCl3) IR(KBr)cm-1 :17401 H-NMR (CDCl3,δppm):1.71(3H, s, NCOCH3),1.94, 2.
00(3H, s, OCOCH3),2.27(2H, t, J=7.3Hz, CH2COOCH3),
3.65(3H, s, OCH3),4.61(1H, d, J=8.3Hz, H-1),5.51(1
H, d, J=8.8Hz, NH),7.2 〜7.3 及び7.4 〜7.5(15H, m,
C6H5)
【0233】参考例34 8−メトキシカルボニルオクチル 2−アセトアミド−
3,4−ジ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グ
ルコピラノシド(75) 化合物(74)1.00g(1.39ミリモル)の酢酸
5ml溶液に、15℃で25%臭化水素の酢酸溶液1mlを
加え、1.5分間撹拌した。沈殿をろ去した後、ろ液を
氷水30mlに加え、クロロホルム10mlで3回抽出し
た。クロロホルム溶液を水30mlで洗浄した後、無水硫
酸マグネシウムで脱水後、減圧濃縮して得たシロップを
シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム:
メタノール=40:1)で精製して化合物(75)49
3mg(収率74.6%)を得た。
【0234】m.p. 129〜130 ℃ 〔α〕25 D-11.2°(C 0.98, CHCl3) IR(KBr)cm-1 :17401 H-NMR (CDCl3,δppm):1.94(3H, s, NCOCH3),2.04, 2.
05(3H, s, OCOCH3),2.30(2H, t, J=7.6Hz, CH 2 COOCH3),
3.67(3H, s, OCH3),3.7 〜3.9(4H, m, H-2, H-5, H-6),
4.69(1H, d, J=8.3Hz, H-1),5.00(1H, t, J=9.8Hz, H-
4),5.32(1H, t, J=9.6Hz, H-3),5.54(1H, d, J=8.6Hz,
NH)
【0235】参考例35 8−メトキシカルボニルオクチル 2−デオキシ−3,
4−ジ−O−アセチル−6−O−(2,3,4−トリ−
O−アセチル−β−L−フコピラノシル)−2−デオキ
シ−β−D−グルコピラノシド(76)
【0236】1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−
L−フコピラノース126mg(0.379ミリモル)よ
り調製した新しい2,3,4−トリ−O−アセチル−α
−L−フコピラノシルブロマイド(64)の1,2−ジ
クロロエタン8ml溶液に化合物(75)120mg(0.
252ミリモル)、銀トリフレート227mg(0.88
2ミリモル)および1,1,3,3−テトラメチル尿素
176mg(1.51ミリモル)を加え、アルゴン気流中
室温で24時間撹拌した。沈殿をろ去した後、ろ液にク
ロロホルム10mlを加え、水10mlで洗浄した。無水硫
酸マグネシウムで脱水後、減圧濃縮して得たシロップを
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:
メタノール=200:1)で精製して化合物(76)1
36mg(収率72.2%)を得た。
【0237】〔α〕27 D+4.5 °(C 0.81, CHCl3) IR(NaCl)cm-1:17401 H-NMR (CDCl3,δppm):1.19(3H, d, J=6.4Hz, H-6′),
1.92, 1.96. 1.99, 2.00, 2.10, 2.15(3H, s, COCH3),
2.29(2H, t, J=7.6Hz, CH 2 COOCH3),5.49(1H, d, J=8.8H
z, NH),
【0238】例 23 8−メトキシカルボニルオクチル 2−アセトアミド−
2−デオキシ−6−O−(β−L−フコピラノシル)−
β−D−グルコピラノシド(77) 化合物(76)125mg(0.167ミリモル)のメタ
ノール2ml溶液に28%ナトリウムメチラート0.04
mlを加え、室温で一晩撹拌した。アンバーライトIR−
120B(H+ 型) で中和した後、樹脂をろ去し、ろ液
を減圧濃縮して得たシロップをシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=16:
4:1)で精製して化合物(77)68.9mg(76.
7%)を得た。
【0239】〔α〕27 D-16.7°(C 0.84, MeOH) IR(KBr) cm-1:3400, 1740, 10801 H-NMR (CD3OD,δppm):1.26(3H, d, J=6.6Hz, H-6′),
1.95(3H, s, NCOCH3),2.30(2H, t, J=7.6Hz, CH2COOC
H3),3.7 〜3.8(2H, m, H-6),4.24(1H, d, J=7.3Hz H-
1′),4.40(1H, d, J=8.3Hz, H-1)
【0240】参考例36 2,3,4−トリ−O−アセチル−6−0−(2,3,
4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラ
ノシル)−α−D−グルコピラノシルブロミド(アセト
ブロモメリビオース)(78)
【0241】メリビオース(シグマ社製)12.5g
(36.5ミリモル)、ピリジン130mlおよび無水酢
酸38mlの溶液を室温にて24時間撹拌反応させた後、
溶媒を減圧にて留去してパーアセチルメリビオースを得
た。得たパーアセチルメリビオースを酢酸50mlに溶解
し、25%臭化水素−酢酸溶液20mlを加え、室温で2
4時間撹拌した。反応終了後、クロロホルム200mlを
加え、反応液を氷水300mlに注ぎ、よく撹拌した後分
液ロートに移してクロロホルム相を分離し、水、飽和重
曹水、飽和食塩水で順次洗浄した。得たクロロホルム溶
液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒
を留去して粗ブロミドを得た。これをシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)
で精製して無色キャラメル状の精製アセトブロモメリビ
オース(78)14.7g(収率60%)を得た。
【0242】〔α〕20 D+178.5 °(C 1.27, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 :1750(OAc)1 H-NMR (CDCl3,δppm):1.99(3H, s, OAc),2.04(3H, s,
OAc),2.05(3H, s, OAc),2.07(3H, s, OAc),2.10(3H,
s, OAc),2.12(3H, s, OAc),2.14(3H, s, OAc),3.52〜3.
82(2H, m),4.00〜4.36(4H, m),4.79(1H, dd),5.00〜5.2
0(3H, m),5.34(1H, dd),5.47(1H, dd),5.56(1H, t),6.5
9(1H, d, J=3.9Hz, H-1)
【0243】参考例37 3,4−ジ−O−アセチル−6−O−(2,3,4,6
−テトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラノシ
ル)グルカール(79) アセトブロモメリビオース(78)4g(5.7ミリモ
ル)、酢酸25mlおよび水25mlの溶液を0〜5℃に冷
却下、亜鉛粉末8gを加え、4時間そのまま撹拌反応さ
せた。反応終了後セライトろ過して不溶物を除き、ろ液
を水に注ぎ析出物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル
相を分離、水洗を繰り返し、飽和食塩水で洗浄した後無
水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒留去後得られた
粗生成物2.7gをフラッシュクロマトグラフィー(酢
酸エチル:ヘキサン=1:2)にて精製して1.32g
(収率41.3%)のグリカール(79)を得た。
【0244】m.p.106 〜107 ℃ 〔α〕20 D+83.8°(C 1.00, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 :1740(OAc), 1650(C=C)1 H-NMR (CDCl3,δppm):1.99(3H, s, OAc),2.05(6H, s,
OAc × 2),2.10(3H, s, OAc),2.11(3H, s, OAc),2.14
(3H, s, OAc),3.60〜3.92(2H, m),4.00〜4.12(2H, m),
4.16〜4.32(2H, m),4.80〜4.88(1H, q),5.00〜5.40(5H,
m),5.47(1H, d, J=3.4Hz, H-1´),6.48(1H, d, J=7.3H
z, -OCH=CH-)
【0245】参考例38 1,3,4−トリ−O−アセチル−6−O−(2,3,
4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラ
ノシル)−2−アジド−2−デオキシ−α−D−グルコ
ピラノ−ス(80)及び1,3,4−トリ−O−アセチ
ル−6−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル
−α−D−ガラクトピラノシル)−2−アジド−2−デ
オキシ−α−D−マンノピラノース(82)
【0246】グリカール(79)6.8g(12.2ミ
リモル)をアセトニトリル70mlに溶解し、これをナト
リウムアジド1.2g(18.8ミリモル)および硝酸
セリウムアンモニウム20g(36.5ミリモル)の混
合物に−20℃にて滴下し激しく撹拌した。5時間反応
させた後、反応液にエーテル100mlおよび水50mlを
加えてよく振り、エーテル相を分離し、水、飽和食塩水
にて順次洗浄した。エーテル留去後、得た粗生成物7.
48gをフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル:
ヘキサン=3:2)で分離精製し、4.15g(51.
5%)のアジド化合物を得た。これを酢酸25mlに溶解
し、酢酸ナトリウム1.23gを加えて100℃で2時
間反応させた。反応終了後、塩化メチレン300mlおよ
び水30mlを加えてよく振った後、塩化メチレン相を分
離し、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄した。硫酸マ
グネシウムで乾燥した後、減圧にて溶媒を留去して得た
粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:1)にて精製して、化合物(80)
を2.35g(収率49.2%)、化合物(82)を
1.55g(収率32.4%)をそれぞれ得た。
【0247】 化合物(80)〔α〕20 D+145.2 °(C 1.00, CHCl3) IR(Nujol)cm-1 : 2120(N3), 1750(OAc)1 H-NMR (CDCl3,δppm):1.99(3H, s, OAc),2.05(3H, s,
OAc),2.06(3H, s, OAc),2.10(3H, s, OAc),2.11(3H,
s, OAc),2.14(3H, s, OAc),2.21(3H, s, OAc),3.50〜3.
80(3H, m),3.92〜4.24(4H, m),4.96〜5.20(3H, m),5.24
〜5.56(3H, m),6.25(1H, d, J=3.9Hz, H-1)
【0248】 化合物(82)〔α〕20 D+135.8 °(C 0.66, CHCl3) IR(Nujol)cm-1 : 2120(N3), 1750(OAc)1 H-NMR (CDCl3,δppm):1.99(3H, s, OAc),2.06(3H, s,
OAc),2.07(3H, s, OAc),2.12(6H, s, OAc × 2),2.14
(3H, s, OAc),2.19(3H, s, OAc),3.50〜3.80(2H, m),3.
88〜4.32(5H, m),5.00〜5.20(2H, m),5.20〜5.40(3H,
m),5.45(1H, d, J=3.4Hz, H-1′),6.04(1H, d, J=2.0H
z, H-1)
【0249】参考例39 2−アジド−2−デオキシ−3,4−ジ−O−アセチル
−6−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−
α−D−ガラクトピラノシル)−α−Dーグルコピラノ
シルブロマイド(81)
【0250】化合物(80)2.3g(3.47ミリモ
ル)、塩化メチレン35mlおよび酢酸エチル3.5mlの
溶液に四臭化チタン1.92g(5.2ミリモル)を加
え、室温で24時間撹拌反応させた。反応終了後、反応
液をロートに移し塩化メチレン100mlおよび飽和重曹
水20mlを加えてよく振り、塩化メチレン相を分離し
た。水、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、溶媒を減圧留去して粗生成物2.37gを
得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲ
ル40g、溶媒系、酢酸エチル:ヘキサン=3:2)に
て精製して無色キャラメル状の臭化物(81)1.2g
(収率50.6%)を得た。
【0251】〔α〕20 D+191.6 °(C 0.64, CHCl3) IR(Nujol) cm-1: 2120(N3), 1750(OAc)1 H-NMR (CDCl3,δppm):1.99(3H, s, OAc),2.05(3H, s,
OAc),2.07(3H, s, OAc),2.10(3H, s, OAc),2.12(3H,
s, OAc),2.14(3H, s, OAc),3.52〜3.80(3H, m),3.92〜
4.32(4H, m),4.96〜5.20(3H, m),5.24〜5.52(3H, m),6.
39(1H, d, J=3.4Hz, H-1)
【0252】参考例40 3,4−ジ−O−アセチル−6−O−(2,3,4,6
−テトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラノシ
ル)−2−アジド−2−デオキシ−α−D−マンノピラ
ノシルブロマイド(83)
【0253】参考例39に記載した方法により、化合物
(82)1.5g(2.27ミリモル)、塩化メチレン
25mlおよび酢酸エチル2.5mlの溶液に四臭化チタン
1.25g(3.4ミリモル)を加えることにより、臭
化物(83)を透明油状物として得た。これはやがて結
晶し、酢酸エチル−ヘキサンにて洗浄後乾燥して無色結
晶として化合物(83)1.1g(収率71%)を得
た。
【0254】m.p.146 〜148 ℃(分解)、〔α〕20 D+20
1.4 °(C 0.86, CHCl3) IR(Nujol)cm-1 : 2120(N3), 1750(OAc)1 H-NMR (CDCl3,δppm):1.99(3H, s, OAc),2.06(3H, s,
OAc),2.09(3H, s, OAc),2.11(3H, s, OAc),2.13(3H,
s, OAc),2.14(3H, s, OAc),3.52〜3.80(2H, m),3.96〜
4.24(4H, m),4.32(1H, q),5.04〜5.20(2H, m),5.24〜5.
48(3H, m),5.704(1H, q),6.33(1H, d, J=1.0Hz, H-1)
【0255】参考例41 8−メトキシカルボニルオクチル 3,4−ジ−O−ア
セチル−6−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセ
チル−α−D−ガラクトピラノシル)−2−アジド−2
−デオキシ−β−D−グルコピラノシド(86)
【0256】8−メトキシカルボニルオクタノール38
0mg(2.0ミリモル)、ドライライト400mg、炭酸
銀310mg(1.12ミリモル)およびクロロホルム7
mlの混合物をアルゴン気流下室温にて1時間撹拌した。
次に臭化物(81)682mg(1.0ミリモル)のクロ
ロホルム3mlの溶液をゆっくり滴加し、その後室温で4
時間撹拌した。反応終了後、セライトろ過し、ろ液を減
圧にて留去して透明油状物を1.07g得た。これをフ
ラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=
2:3)で精製して478mg(収率60.5%)の化合
物(86)を得た。
【0257】〔α〕20 D+103.2 °(C 0.62, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 : 2120(N3), 1750(OAc, CO2CH3)1 H-NMR (CDCl3,δppm):1.20〜1.44(8H, broad, s),1.5
0〜1.72(6H, broad, m),1.99(3H, s, OAc),2.03(3H, s,
OAc),2.05(3H, s, OAc),2.08(3H, s, OAc),2.11(3H,
s, OAc),2.24(3H, s, OAc),2.30(2H, t, CH2CO2CH3),3.
30〜3.80(5H, m),3.67(3H, s, CO2 CH 3 ),3.80〜3.96(1H,
m),4.00〜4.28(3H, m),4.38(1H, d, J=7.8Hz, H-1),4.
88〜5.20(4H, m),5.24〜5.36(1H, dd),5.44(1H, d, J=
2.4Hz, H-1′)
【0258】参考例42 8−メトキシカルボニルオクチル 3,4−ジ−O−ア
セチル−6−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセ
チル−α−D−ガラクトピラノシル)−2−アジド−2
−デオキシ−α−D−マンノピラノシド(84)
【0259】参考例41に記載した方法により、8−メ
トキシカルボニルオクタノール380mg(2.0ミリモ
ル)、ドライライト400mg、炭酸銀310mg(1.1
2ミリモル)およびクロロホルム7mlの混合物に臭化物
(83)682mg(1.0ミリモル)のクロロホルム3
mlの溶液をゆっくり滴下して238mg(収率30.1
%)の化合物(84)を得た。
【0260】〔α〕20 D+141.6 °(C 0.74, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 : 2120(N3), 1750(OAc, CO2CH3)1 H-NMR (CDCl3,δppm):1.20〜1.44(8H, broad, s),1.4
8〜1.70(6H, broad, m),1.98(3H, s, OAc),2.06(3H, s,
OAc),2.07(3H, s, OAc),2.09(3H, s, OAc),2.12(3H,
s, OAc),2.14(3H, s, OAc),2.31(2H, t, CH 2 CO2CH3),3.
30〜3.80(3H, m),3.67(3H, s, CO2 CH 3 ),3.80〜3.92(1H,
m),3.92〜4.32(5H, m),4.76(1H, d, J=1.5Hz, H-1),5.
00〜5.48(6H, m)
【0261】参考例43 8−メトキシカルボニルオクチル 3,4−ジ−O−ア
セチル−6−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセ
チル−α−D−ガラクトピラノシル)−2−アセトアミ
ド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド(87)
【0262】化合物(86)450mg(0.57ミリモ
ル)、酢酸エチル7mlおよび無水酢酸5mlの溶液に10
%パラジウム−炭素触媒400mgを加え、水素気流下に
8時間撹拌した。反応終了後ろ過して触媒を除き、ろ液
を減圧にて留去し、残留物をピリジン10ml、および無
水酢酸1mlに溶解し5時間撹拌した。溶液を減圧にて留
去し得た粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(酢
酸エチル:ヘキサン=3:2)で精製して、化合物(8
7)を125mg(収率27.2%)得た。
【0263】〔α〕20 D+68.3°(C 1.00, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 : 3440(NH),1750(OAc, CO2CH3), 1680
(NHCOCH3)1 H-NMR (CDCl3,δppm):1.10〜1.40(8H, broad, s),1.4
4〜1.72(6H, broad, m),1.94(3H, s, Ac),1.99(3H, s,
Ac),2.03(3H, s, Ac),2.04(3H, s, Ac),2.05(3H, s, A
c),2.12(3H, s, Ac),2.14(3H, s, Ac),2.30(2H, t, CH 2
CO2CH3),3.30〜3.90(5H, m),3.67(3H, s, CO2 CH 3 ),3.96
〜4.12(2H, m),4.16〜4.32(1H, m),4.62(1H, d, J=8.3H
z,H-1),4.90〜5.36(4H, m),5.45(1H, d, J=2.5Hz,),5.5
2(1H, d, J=8.8Hz, NH)
【0264】参考例44 8−メトキシカルボニルオクチル 3,4−ジ−O−ア
セチル−6−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセ
チル−α−D−ガラクトピラノシル)−2−アセトアミ
ド−2−デオキシ−α−D−マンノピラノシド(85)
【0265】参考例43に記載した方法に準じて、化合
物(84)200mg(0.25ミリモル)を10%パラ
ジウム−炭素触媒300mgの存在下に、還元して無色の
キャラメル状の化合物(85)を86mg(収率42.1
%)得た。
【0266】〔α〕20 D+113.14°(C 1.59, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 : 3400(NH), 1750(OAc, CO2CH3),1680
(NHCOCH3)1 H-NMR (CDCl3,δppm):1.20〜1.44(8H, broad, s),1.4
8〜1.76(6H, broad, m),1.98(3H, s, Ac),2.00(3H, s,
Ac),2.05(3H, s, Ac),2.07(3H, s, Ac),2.08(3H, s, A
c),2.15(3H, s, AC),2.16(3H, s, Ac),2.31(2H, t, J=
7.3Hz, CH 2 CO2CH3),3.30〜3.46(1H, m),3.50〜3.76(1H,
m),3.67(3H, s, CO2 CH 3 ),3.80〜3.94(1H, m),3.98〜4.
32(3H, m),4.52〜4.68(2H, m),4.92〜5.12(2H, m),5.24
〜5.50(4H, m),6.30(1H, d, J=9.3Hz, NH)
【0267】例 24 8−メトキシカルボニルオクチル 2−アセトアミド−
2−デオキシ−6−O−(α−D−ガラクトピラノシ
ル)−β−D−グルコピラノシド(88) 化合物(87)100mg(0.124ミリモル)のメタ
ノール2mlの溶液に、28%ナトリウムメトキシド−メ
タノール溶液0.05mlを加え、21時間撹拌反応させ
た。反応終了後、アンバーライトIR−120樹脂−メ
タノール3mlを加え、30分撹拌した後、ろ過して樹脂
を除き、ろ液を減圧留去して62.8mg(収率91.4
%)の脱アセチル体(88)を得た。
【0268】〔α〕20 D+47.7°(C 1.26, MeOH) IR(CHCl3)cm-1 : 3400, 1730(CO2CH3), 1650(NHAc)1 H-NMR (CDCl3-CD3OD,δppm):1.20〜1.40(8H, broad,
s),1.50〜1.65(4H, m),1.98(3H, s, NHAc),2.31(2H, t,
CH 2 CO2CH3),3.40〜3.50(4H, m),3.60〜3.65(1H, m),3.
66(3H, s, CO2 CH 3 ),3.68〜3.78(5H, m),3.80〜3.90(2H,
m),3.92(1H, broad, s),4.03(1H, dd),4.43(1H, d, J=
8.3Hz, H-1),4.89(1H, broad, s, H-1′)
【0269】例 25 8−メトキシカルボニルオクチル 2−アセトアミド−
2−デオキシ−6−O−(α−D−ガラクトピラノシ
ル)−α−D−マンノピラノシド(89)例24に記載
した方法に準じて、化合物(85)235mg(0.29
ミリモル)を脱アセチル化して140.3mg(86.9
%)の脱アセチル体(89)を得た。
【0270】〔α〕20 D+91.8°(C 0.4, MeOH) IR(CHCl3) cm-1 : 3400, 1730(CO2CH3), 1650(NHAc)1 H-NMR (CDCl3,δppm):1,28〜1.40(8H, broad, s),1.5
5〜1.70(4H, m),2.03(3H, s, NHAc),2.32(2H, t, J=7.6
Hz,CH 2 CO2CH3),3.36〜3.42(1H, m),3.62〜3.69(2H, m),
3.67(3H, s, CO2 CH 3 ),3.69〜3.79(4H, m),3.79〜3.84(2
H, m),3.90〜3.94(2H, m),3.920(1H, dd),4.04(1H, d
d),4.30(1H, dd),4.69(1H, d, J=1.0Hz, H-1),4.99(1H,
d, J=3.2Hz, H-1′)
【0271】参考例45 8−メトキシカルボニルオクチル 2,3,4−トリ−
O−アセチル−6−O−(2,3,4,6−テトラ−O
−アセチル−α−D−ガラクトピラノシル)−β−D−
グルコピラノシド(90)および8−メトキシカルボニ
ルオクチル 2,3,4−トリ−O−アセチル−6−O
−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−
ガラクトピラノシル)−α−D−グルコピラノシド(9
2)
【0272】8−メトキシカルボニルオクタノール2.
33g(12.4ミリモル)、ドライライト4.5g、
シアン化第二水銀3.2g(12.6ミリモル)および
無水ベンゼン50mlの混合物を、アルゴン気流下1時間
撹拌した。その後、アセトブロモメリビオース5g
(7.15ミリモル)のベンゼン10mlの溶液を滴下
し、室温にて4時間撹拌した。反応終了後、ろ過して不
溶物を除去し、ろ液を減圧留去して粗生成物6.88g
を得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エ
チル:ヘキサン=1:1)にて精製して化合物(90)
を2.55g(収率44.2%)および化合物(92)
を0.94g(収率16.3%)それぞれ得た。
【0273】 化合物(90)〔α〕20 D+53.9°(C 1.14, CHCl3) IR(CHCl3) cm-1 : 750(OAc, CO2CH3)1 H-NMR (CDCl3,δppm):1.20〜1.40(8H, broad, s),1.4
0〜1.70(4H, broad, m),1.99(3H, s, OAc),2.00(3H, s,
OAc),2.03(3H, s, OAc),2.04(3H, s, OAc),2.05(3H,
s, OAc),2.12(3H, s, OAc),2.13(3H, s, OAc),2.31(2H,
t, CH 2 CO2CH3),3.36〜3.90(6H, m),3.66(3H, s, CO2 CH
3 ),4.00〜4.36(3H, m),4.47(1H, d, J=8.3Hz, H-1),4.8
4〜5.38(5H, m),5.45(1H, d, J=2.0Hz, H-1′)
【0274】 化合物(92)〔α〕20 D+122.3 °(C 1.46, CHCl3) IR(CHCl3) cm-1 : 1750(OAc, CO2CH3)1 H-NMR (CDCl3,δppm):1.20〜1.40(8H, broad, s),1.4
6〜1.70(4H, broad, m),1.98(3H, s, OAc),2.05(9H, s,
OAc × 3),2.08(3H, s, OAc),2.10(3H, s, OAc),2.14
(3H, s, OAc),2.31(2H, t, CH 2 CO2CH3),3.36〜3.80(6H,
m),3.67(3H, s, CO2 CH 3 ),3.80〜4.00(1H, m),4.00〜4.
40(3H, m),4.87(1H, d, J=3.9Hz, H-1),4.88〜5.36(4H,
m),5.45(1H, d, J=2.9Hz, H-1′)
【0275】例 26 8−メトキシカルボニルオクチル 6−O−(α−D−
ガラクトピラノシル)−β−D−グルコピラノシド(9
1) 例24に記載した方法に準じて、化合物(90)2.0
g(2.48ミリモル)のメタノール20mlの溶液に、
28%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液0.05
mlを加えて、脱アセチル化して無色キャラメル状の目的
物(91)1.23g(収率96.9%)を得た。
【0276】〔α〕20 D+41.3°(C 0.6, H2O) IR(KBr) cm-1 : 3400(OH),1740(CO2CH3)1 H-NMR (D2O,δppm):1.20〜1.40(8H, broad, s),1.44
〜1.68(4H, broad, m),2.38(2H, t, J=7.3Hz, CH 2 CO2CH
3),3.16〜3.28(1H, m),3.30〜3.52(2H, m),3.52〜4.00
(11H, m),3.680(3H, s, CO2 CH 3 ),4.47(1H, d, J=8.3Hz,
H-1),4.97(1H, d, J=2.9Hz, H-1′)
【0277】例 27 8−メトキシカルボニルオクチル 6−O−(α−D−
ガラクトピラノシル)−α−D−グルコピラノシド(9
3) 例24に記載した方法に準じて、化合物(92)940
mg(1.17ミリモル)のメタノール10mlの溶液に、
28%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液0.05
mlを加えて脱アセチル化して無色キャラメル状の目的物
(93)546mg(収率91.5%)を得た。
【0278】〔α〕20 D+114.9 °(C 0.70, H2O) IR(KBr) cm-1 : 3400(OH),1740(CO2CH3)1 H-NMR (D2O,δppm):1.20〜1.40(8H, broad, s),1.44
〜1.72(4H, broad, m),2.38(2H, t, J=7.3Hz,CH 2 CO2C
H3),3.16〜3.28(1H, m),3.28〜4.00(13H, m),3.68(3H,
s, CO2 CH 3 ),4.91(1H, d, J=3.4Hz, H-1),4.96(1H, d, J
=2.9Hz, H-1′)
【0279】参考例46 8−メトキシカルボニルオクチル 2,3,4−トリ−
O−アセチル−α−D−キシロピラノシド(95)、8
−メトキシカルボニルオクチル 2,3,4−トリ−O
−アセチル−β−D−キシロピラノシド(96)
【0280】1.J. Am. Chem. Soc., 47, 1280 (1925)
の方法により調製した2,3,4−トリ−O−アセチル
−α−D−キシロピラノシルブロマイド(94)1.2
0g(3.54ミリモル)のベンゼン10ml溶液に、シ
アン化第二水銀447mg(1.77ミリモル)、粉末化
した無水硫酸カルシウム1.0g及び8−メトキシカル
ボニルオクタノール333mg(1.77ミリモル)を加
え、アルゴン気流中室温で24時間撹拌した。反応溶液
をろ過後、ろ液に酢酸エチル20mlを加え、水20mlで
洗浄した。これを無水硫酸マグネシウムで脱水後、減圧
濃縮して得たシロップをシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(トルエン:酢酸エチル=8:1)で精製して、
化合物(95)426mg(収率53.9%)及び化合物
(96)98mg(収率12.4%)を得た。
【0281】2.化合物(94)850mg(2.51ミ
リモル)のジクロロエタン10ml溶液に、銀トリフレー
ト1.61g(6.28ミリモル)、1,1,3,3−
テトラメチル尿素875mg(7.53ミリモル)及び8
−メトキシカルボニルオクタノール236mg(1.46
ミリモル)を加え、アルゴン気流中室温で9時間撹拌し
た。反応溶液を減圧濃縮して得たシロップをクロロホル
ム20mlに溶解させ、水20mlで洗浄した。これを無水
硫酸カルシウムで脱水後、減圧濃縮して得たシロップを
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸
エチル=8:1)で精製して化合物(96)375mg
(収率67.0%)を得た。
【0282】 化合物(95)〔α〕23 D+92.4°(C 1.05, CHCl3) IR(NaCl)cm-1:2940, 1760, 12301 H-NMR (CDCl3,δppm):2.03, 2.06(9H, 2s, OAc),2.31
(2H, t, J=7.6Hz, CH 2 COOCH3),3.67(3H, s, OCH3)
【0283】 元素分析 C21H34O10 計算値 C 56.49% H 7.68% 実測値 C 55.98% H 7.97%
【0284】 化合物(96)〔α〕22 D-19.5°(C 0.87, CHCl3) IR(NaCl)cm-1:2930, 1760, 12201 H-NMR (CDCl3, δppm):2.03, 2.05, 2.06(9H, 3s, OA
c),2.30(2H, t, J=7.4Hz, CH 2 COOCH3),3.67(3H, s, OCH
3),4.46(1H, d, J=6.8Hz, H-1)
【0285】 元素分析 C21H34O10 計算値 C 56.49% H 7.68% 実測値 C 56.12% H 7.91%
【0286】例 28 8−メトキシカルボニルオクチル α−D−キシロピラ
ノシド(97) 化合物(95)410mg(0.918ミリモル)のメタ
ノール4ml溶液に28%ナトリウムメチラート0.12
mlを加え、室温下3時間撹拌した。反応溶液をアンバー
ライトIR−120B(H+ 型)で中和し、沈殿をろ取
した後、ろ液を減圧濃縮した。得たシロップをシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノー
ル=30:1)で精製して化合物(97)243mg(収
率82.8%)を得た。
【0287】〔α〕25 D+90.9°(C 1.10, CH3OH) IR(NaCl)cm-1:3450, 2960, 1740, 10401 H-NMR (CD3OD,δppm):2.30(2H, t, J=7.6Hz, CH 2 COOC
H3),3.64(3H, s, OCH3) 4.69(1H, d, J=3.9Hz, H-1)
【0288】 元素分析 C15H28O7 計算値 C 56.23% H 8.81% 実測値 C 56.11% H 9.21%
【0289】例 29 8−メトキシカルボニルオクチル β−D−キシロピラ
ノシド(98) 化合物(96)101mg(0.226ミリモル)のメタ
ノール2ml溶液に28%ナトリウムメチラート0.03
mlを加え、室温下3時間撹拌した。反応溶液をアンバー
ライトIR−120B(H+ 型)で中和し、沈澱をろ取
した後、ろ液を減圧濃縮した。得たシロップをシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノー
ル=30:1)で精製して化合物(98)58.3mg
(収率80.5%)を得た。
【0290】〔α〕24 D-10.3°(C 1.02, CH3OH) IR(NaCl)cm-1:3450, 2960, 1740, 1290, 10501 H-NMR (CD3OD,δppm):2.31(2H, t, J=7.3Hz, CH 2 COOC
H3),3.65(3H, s, OCH3) 4.17(1H, d, J=7.6Hz, H-1)
【0291】 元素分析 C15H28O7 計算値 C 56.23% H 8.81% 実測値 C 56.15% H 9.34%
【0292】参考例47 3,4−ジ−O−アセチル−L−フカール(100) Carbohydr. Res., 4, 189 (1967)の方法に従い、1,
2,3,4−テトラ−O−アセチル−L−フコピラノー
ス630mg(1.90ミリモル)より調製した新しい
2,3,4−トリ−O−アセチル−α−L−フコピラノ
シルブロマイド(99)の50%酢酸水溶液4.2mlを
−10℃に冷却した後、亜鉛末1.26g及び硫酸銅
0.13gを加え、同温で1時間激しく撹拌した。沈澱
をろ取した後、ろ液をクロロホルム10mlで2回抽出し
た。この抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム20ml及び水
20mlで順次洗浄した。これを無水硫酸マグネシウムで
脱水後、減圧濃縮して得られたシロップをシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=3
0:1)で精製して化合物(100)284mg(収率6
9.7%)を得た。
【0293】〔α〕22 D+0.9 °(C 0.98, CHCl3) IR(NaCl)cm-1:2990, 1750, 1650, 12301 H-NMR (CDCl3,δppm):1.28(3H, d, J=6.6Hz, H-6),2.
02, 2.17(6H, 2s, OAc),4.64〜4.66(1H, m, H-2),6.47
(1H, d, J=8.3Hz, H-1)
【0294】参考例48 8−メトキシカルボニルオクチル 3,4−ジ−O−ア
セチル−2−アジド−2−デオキシ−α−L−フコピラ
ノシド(102)、8−メトキシカルボニルオクチル
3,4−ジ−O−アセチル−2−アジド−2−デオキシ
−β−L−フコピラノシド(103)
【0295】化合物(100)1.17g(5.46ミ
リモル)のアセトニトリル30ml溶液にアジ化ナトリウ
ム532mg(8.19ミリモル)及び硝酸第二セリウム
アンモニウム10.8g(19.7ミリモル)を加え、
−15℃で4時間撹拌した。反応溶液に冷水50mlを加
え、クロロホルム30mlで2回抽出した。抽出液を冷水
50mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水後、減圧
濃縮して得られたシロップをシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(トルエン:酢酸エチル=20:1)で精製
してアジド混合物(101)982mg(収率56.6
%)を得た。混合物(101)830mg(2.61ミリ
モル)のアセトニトリル80ml溶液に、臭化リチウム9
07mg(10.4ミリモル)を加え、室温下2時間撹拌
した。反応溶液を減圧濃縮して得られたシロップを冷水
30mlに懸濁し、クロロホルム30mlで抽出した。無水
硫酸マグネシウムで脱水後、減圧濃縮して得たシロップ
のベンゼン8ml溶液にシアン化第二水銀331mg(1.
31ミリモル)、無水硫酸カルシウム800mg及び8−
メトキシカルボニルオクタノール246mg(1.31ミ
リモル)を加え、アルゴン気流中室温で17時間撹拌し
た。反応溶液をろ過後、ろ液に酢酸エチル20mlを加
え、水30mlで洗浄した。これを無水硫酸マグネシウム
で脱水後、減圧濃縮して得られたシロップをシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル
=6:1)で精製して化合物(102)187mg(収率
32.3%)及び化合物(103)249mg(収率4
3.0%)を得た。
【0296】 化合物(102) 〔α〕23 D-121.8 °(C 1.02, CHCl3) IR(NaCl)cm-1:2930, 1760, 12201 H-NMR (CDCl3,δppm):1.14(3H, d, J=6.6Hz, H-6),2.
06, 2.17(6H, 2s, OAc),2.31(2H, t, J=7.3Hz, CH 2 COOC
H3),3.58(1H, dd, J=3.4, 11.2Hz, H-2),3.67(3H, s, O
CH3),4.94(1H, d, J=3.4Hz, H-1),5.30(1H, m, H-4),5.
37(1H, dd, J=3.4, 11.2Hz, H-3)
【0297】 化合物(103) 〔α〕22 D-3.1 °(C 0.91, CHCl3) IR(NaCl)cm-1:2930, 1760, 12201 H-NMR (CDCl3,δppm):1.21(3H, d, J=6.4Hz, H-6),2.
05, 2.17(6H, 2s, OAc),2.30(2H, t, J=7.3Hz, CH 2 COOC
H3),3.64(1H, dd, J=8.1, 11.0Hz, H-2),3.67(3H, s, O
CH3),4.32(1H, d, J=8.1Hz, H-1),4.77(1H, dd, J=3.4,
11.0Hz, H-3)5.18(1H, m, H-4)
【0298】例 30 8−メトキシカルボニルオクチル 2−アセトアミド−
2−デオキシ−α−L−フコピラノシド(104) 化合物(102)180mg(0.406ミリモル)のエ
タノール10ml溶液に水素化ホウ素ナトリウム46.1
mg(1.22ミリモル)及び塩化ニッケル(6水和物)
29mgを加え、室温下4時間撹拌した。反応溶液をろ過
後、ろ液を減圧濃縮して得たシロップをシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:濃
アンモニア水=50:10:1)で精製した。得た化合
物のメタノール1ml溶液に無水酢酸0.5mlを加え室温
下一晩撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して得たシロップ
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム:メタノール=20:1)で精製して化合物(10
4)111mg(収率73.0%)を得た。
【0299】〔α〕20 D-158.3 °(C 0.53, CH3OH) m.p.92℃ IR(KBr)cm-1 :3300, 2930, 1740, 1650, 10501 H-NMR (CD3OD,δppm):1.21(3H, d, J=6.6Hz, H-6),1.
97(3H, s, NAc),2.31(2H, t, J=7.3Hz, CH 2 COOCH3),3.6
4(3H, s, OCH3),3.75(1H, dd, J=3.4, 11.1Hz, H-3),4.
19(1H, dd, J=3.9, 11.1Hz, H-2),4.73(1H, d, J=3.9H
z, H-1)
【0300】例 31 8−メトキシカルボニルオクチル 2−アセトアミド−
2−デオキシ−β−L−フコピラノシド(105) 化合物(103)240mg(0.541ミリモル)を例
30と同様に処理して化合物(105)141mg(6
9.9%)を得た。
【0301】〔α〕20 D+3.9 °(C 0.65, CH3OH) IR(KBr)cm-1 :3300, 2930, 1730, 1650, 10701 H-NMR (CD3OD,δppm):1.26(3H, d, J=6.6Hz, H-6),1.
96(3H, s, NAc),2.30(2H, t, J=7.3Hz, CH 2 COOCH3),3.6
4(3H, s, OCH3),4.31(1H, d, J=8.3Hz, H-1)
【0302】参考例49 3−ベンンジルオキシカルボニルプロピル 2,3,
4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−マンノピラノ
シド(110) 2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−α−D−マン
ノピラノシルクロリド(106)580mg(1.04ミ
リモル)の無水塩化メチレン3ml溶液を、4−ヒドロキ
シブタン酸ベンジルエステル(107)544mg(2.
8ミリモル)、炭酸銀500mg、硫酸カルシウム500
mg及び無水塩化メチレン10mlの混合物へ窒素気流下に
滴下し、室温で8時間反応させた。反応終了後、ろ過し
て不溶物を除き、ろ液を減圧留去して粗生成物1.11
4gを得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(ヘ
キサン:酢酸エチル=6:1)で分離精製して、化合物
(110)を462mg(収率63.8%)得た。
【0303】〔α〕25 D-41.68 °(C 0.95, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 :3060, 3040, 1740
【0304】参考例50 11−メトキシカルボニルウンデシル 2,3,4,6
−テトラ−O−ベンジル−β−D−マンノピラノシド
(111) 化合物(110)の合成と全く同様にして、クロリド
(106)とアルコ−ル(108)とを縮合させて化合
物(111)を489.3mg(収率62.5%)得た。
【0305】〔α〕25 D41.75°(C 1.20, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 :1740
【0306】参考例51 14−メトキシカルボニルテトラデシル 2,3,4,
6−テトラ−O−ベンジル−β−D−マンノピラノシド
(112) 化合物(110)の合成と全く同様にして、クロリド
(106)とアルコール(109)とを縮合させて化合
物(112)を478.2mg(収率57.8%)得
た。
【0307】〔α〕25 D-38.90 °(C 1.09, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 :1740
【0308】例 32 3−メトキシカルボニルプロピル−β−D−マンノピラ
ノシド(114) 化合物(110)758mg(1.05ミリモル)、10
%パラジウム−炭素530mg、メタノール10ml及び酢
酸エチル10mlの混合物を約5気圧の水素気流下に7時
間振盪した。反応終了後、触媒をろ過して除き、ろ液を
減圧留去して得た化合物(113)をメタノール20ml
に溶解し、ジアゾメタン/エーテル溶液を過剰に加え、
30分撹拌した。過剰のジアゾメタンを少量の酢酸にて
分解後、溶液を減圧留去して粗生成物を得た。これにイ
ソプロピルエーテルを加えて結晶化させ、化合物(11
4)を無色結晶として238mg得た。
【0309】m.p. 102〜108 ℃,〔α〕14 D-46.15 °(C
1.04, CH3OH) IR(KBr)cm-1 :3450, 3300, 17301 H-NMR (CD3OD,δppm):1.85〜1.95(2H, m),2.45(2H,
t, J=7.5Hz),3.16〜3.21(1H, m),3.41〜3.45(1H, dd),
3.48〜3.58(2H, m),3.65(3H, s, CO2CH3),3.67〜3.72(1
H, dd),3.83(1H, d, J=3.2Hz),3.84〜3.88(1H, dd),3.8
8〜3.95(1H, m),4.48(1H, d, J=0.7Hz)
【0310】例 33 11−メトキシカルボニルウンデシル−β−D−マンノ
ピラノシド(115) 化合物(111)631mg(0.84ミリモル)、10
%パラジウム−炭素500mg及びメタノール20mlの混
合物を約5気圧の水素気流中で振盪して一晩反応させ
た。反応終了後、触媒をろ過して除き、ろ液を減圧留去
して化合物(115)を196.3mg(収率59.5
%)得た。
【0311】m.p. 124.5〜125 ℃,〔α〕18 D-32.63 °
(C 1.14, CH3OH) IR(KBr)cm-1 :3400, 3300, 17351 H-NMR (CD3OD,δppm):1.26〜1.40(14H, broad s),1.5
0〜1.65(4H, m),2.30(2H, t, J=7.5Hz),3.16〜3.21(1H,
m),3.41〜3.45(1H, dd),3.48〜3.58(2H, m),3.64(3H,
s, CO2CH3),3.67〜3.72(1H, dd),3.83(1H, d, J=2.9H
z),3.84〜3.88(1H, dd),3.88〜3.92(1H, m),4.48(1H,
d, J=0.74Hz, H-1)
【0312】例 34 14−メトキシカルボニルテトラデシル−β−D−マン
ノピラノシド(116)
【0313】化合物(112)620mg(0.78ミリ
モル)、10%パラジウム−炭素500mg及びメタノー
ル20mlの混合物を約5気圧の水素気流中で一晩振盪し
た。反応終了後、触媒をろ過して除き、ろ液を減圧留去
して化合物(116)を170.7mg(収率50.4
%)得た。
【0314】〔α〕18 D-26.22 °(C 0.98, CH3OH) IR(CHCl3)cm-1 :3400, 17301 H-NMR (CD3OD,δppm):1.26〜1.40(20H, broad s),1.5
0〜1.65(4H, m),2.30(2H, t, J=7.5Hz),3.16〜3.21(1H,
m),3.41〜3.45(1H, dd),3.48〜3.58(2H, m),3.64(3H,
s, CO2CH3),3.67〜3.72(1H, dd),3.83(1H, d, J=2.9H
z),3.84〜3.88(1H, dd),3.88〜3.92(1H, m),4.48(1H,
d, J=0.7Hz)
【0315】参考例52 ベンジル 2−アセトアミド−3−O−(2,3,4,
6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシ
ル)−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド(11
9)
【0316】ベンジル 2−アセトアミド−2−デオキ
シ−4,6−O−イソプロピリデン−α−D−グルコピ
ラノシド(118)2.26g(6.43ミリモル)、
シアン化第二水銀1.67g、無水ニトロメタン100
mlおよび無水ベンゼン130mlの混合物を加熱還流し、
ベンゼンを約30ml留去した。次に反応液を60〜65
℃に保ちながらアセトブロムガラクトース(117)3
gのベンゼン10ml溶液をゆっくり滴下した。滴下後6
時間撹拌し、さらにシアン化第二水銀250mg、アセト
ブロムガラクトース550mg/ベンゼン10ml溶液を加
え、20時間撹拌した。反応終了後、不溶物をろ過して
除き、ろ液に水を加えてよく振り、有機層を分離した。
飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥
し、減圧にて溶媒を留去して粗生成物を得た。これに2
−プロパノール〜イソプロピルエーテルを加えて刺激す
ると結晶化し、化合物(119)がほぼ純粋な状態で
3.375g(81.8%)得た。
【0317】m.p. 193〜195 ℃,〔α〕25 D+73.5°(C 1.
0, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 :3500, 3450, 1750, 16901 H-NMR (CDCl3,δppm):1.95, 1.97, 2.05, 2.07, 2.15
(3H,s, Ac),3.54〜3.65, 3.68〜3.73(each 2H, each
m),3.73〜3.80, 3.84〜3.90, 3.93〜3.98 (each 1H, ea
ch m),4.05〜4.18(2H, m),4.28(1H, dt),4.52(1H, d, J
=8.1Hz),4.45, 4.73(2H, JAB=11.5Hz,OCH2Ph),4.98, 5.
16〜5.23, 5.37(each 1H,each dd),5.52(1H, d, J=10.0
Hz, NH),7.30〜7.45(5H, m)
【0318】 元素分析 C29H39NO15 計算値 C 54.29% H 6.13% N 2.18% 実測値 C 54.01% H 6.06% N 2.01%
【0319】参考例53 ベンジル 2−アセトアミド−3,6−ジ−O−(2,
3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクト
ピラノシル)−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシ
ド(121)
【0320】化合物(119)3.2g(5ミリモ
ル)、シアン化第二水銀1.5g、無水ベンゼン80ml
及び無水ニトロメタン60mlの混合物を加熱還流撹拌
し、ベンゼンを約20ml留去した。その後窒素気流下、
内温60〜65℃にてアセトブロムガラクトース2.1
g(5ミリモル)のベンゼン10ml溶液を滴下し、その
まま撹拌反応させた。15時間後、再びシアン化第二水
銀260mg、アセトブロムガラクトース410mg/ベン
ゼン5ml溶液を加えてさらに2時間撹拌した。反応終了
後、セライトろ過して不溶物を除き、溶媒を減圧留去し
て粗生成物5.87gを得た。これをフラッシュクロマ
トグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:1)にて分
離精製して化合物(120)を1.647g、化合物
(120)と(121)の混合物を598mg、そして化
合物(121)を1.553gそれぞれ得た。混合物を
更にフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキ
サン=3:1)にて分離精製し、先に得たものと合わせ
ると化合物(120)が1.647g(収率45.4
%)、化合物(121)が1.876g(収率38.6
%)を得た。
【0321】 化合物(121) 〔α〕26 D+39.9°(C 1.0, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 :3500, 3450, 1750, 16851 H-NMR (CDCl3,δppm):1.94, 1.96, 1.97, 2.00, 2.0
3, 2.05, 2.05, 2.12, 2.14 (each 3H, each s, Ac),3.42(1H, t, J=9.0Hz),3.55(1
H, s, OH),3.56〜3.60(1H, m),3.62〜3.68(1H, dd),3.7
9〜3.86(1H, m),3.89〜3.98(2H, m),4.05〜4.20(4H,
m),4.21〜4.29(2H, m),4.38, 4.70(2H, JAB=11,5Hz,OCH
2Ph),4.48(1H, d, J=8.1Hz),4.57(1H, d, J=8.1Hz),4.7
9(1H, d, J=3.7Hz, H-1),4.95, 5.02(each 1H, dd, J=
3.4Hz,10.5Hz),5.15〜5.21(1H, dd),5.22〜5.28(1H, d
d),5.33〜5.36, 5.37〜5.40(1H, m),5.50(1H, d, J=9.8
Hz, NH),7.25〜7.40(5H, m)
【0322】参考例54 2−アセトアミド−1,4−ジ−O−アセチル−3,6
−ジ−O−(2,3,4−6−テトラ−O−アセチル−
β−D−ガラクトピラノシル)−2−デオキシ−D−グ
ルコピラノース(122)
【0323】化合物(121)1.47g(1.51ミ
リモル)、酢酸30ml及び10%パラジウム−炭素54
0mgを水素気流下に19時間反応させた。反応終了後、
ろ過して触媒を除き、ろ液を減圧留去して得た粗生成物
にピリジン10ml及び無水酢酸2mlを加えて室温にて7
2時間撹拌した。反応終了後、減圧にて溶媒を留去して
粗生成物を1.766g得た。これをフラッシュクロマ
トグラフィー(酢酸エチル)にて精製して化合物(12
2)を1.337g(収率91.6%)得た。
【0324】〔α〕26 D+14.9°(C 1.0, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 :3450, 1750, 16901 H-NMR (CDCl3,δppm):1.95, 1.96, 1.99, 2.03, 2.04
(each 3H,s, Ac),2.04(6H, s, Ac× 2),2.06, 2.11, 2.
13, 2.18(each 3H, s, Ac),3.42〜3.48(1H, dd),3.84〜
3.96(4H, m),3.98〜4.04, 4.06〜4.12, 4.12〜4.18, 4.
18〜4.25(each 1H, m),4.45(1H, d, J=8.1Hz),4.45〜4.
52(1H, m),4.57(1H, d, J=7.6Hz),4.78〜4.86(1H, m),
4.90〜5.06(4H, m),5.10〜5.18(1H, m),5.32〜5.38(3H,
m),6.03(1H, d, J=3.7Hz)
【0325】参考例55 8−メトキシカルボニルオクチル 2−アセトアミド−
3,6−ジ−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセ
チル−β−D−ガラクトピラノシル)−2−デオキシ−
β−D−グルコピラノシド(123)
【0326】化合物(122)966mg(1ミリモル)
の塩化アセチル20ml溶液を−10℃に冷却し、乾燥塩
化水素ガスを1時間通じ、その後室温にて一晩放置し
た。反応終了後、塩化アセチルを減圧留去し、無水ベン
ゼンを加えて粗生成物を溶解した。再び減圧にて完全に
溶媒を留去後、得た粗クロリドを塩化メチレン15mlに
溶解、続いてトリフルオロメタンスルホン酸第一スズ4
20mg及びモレキュラーシーブ4A1.5gを加えて窒
素気流下に30分撹拌した。この混合物に8−メトキシ
カルボニルオクタノール400mg、テトラメチル尿素1
90mg及び塩化メチレン5mlの溶液を滴下し、17時間
撹拌した。反応終了後、クロロホルム10mlを加え、セ
ライトろ過し、ろ液を水洗、クロロホルム層を分離後、
無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧にて溶媒留去
して粗生成物1.15gを得た。これをフラッシュクロ
マトグラフィー(酢酸エチル)にて精製して化合物(1
23)を244mg(収率22.3%)得た。
【0327】〔α〕24 D-5.0 °(C 1.0, CHCl3) IR(CHCl3)cm-1 :3460, 1750, 16801 H-NMR (CDCl3,δppm):1.97, 1.98, 2.01, 2.05, 2.0
5, 2.06, 2.08, 2.15, 2.15(each 3H, s, Ac),1.30(10
H, broad, s),1.50〜1.70(4H, m),2.31(2H, t, J=7.6H
z),3.10〜3.20, 3.40〜3.50, 3.50〜3.60 (1H, m),3.67
(3H, s, CO2CH3),3.80〜3.95(3H, m),4.00〜4.20, 4.45
〜4.55(each 1H, m),4.55〜4.60 (2H, m),4.70〜4.80,
4.80〜4.90(each 1H, m),4.90〜5.04(2H, m),5.04〜5.1
0, 5.15〜5.25(each 1H, m),5.7
2(1H, d, J=6.35Hz)
【0328】例 35 8−メトキシカルボニルオクチル 2−アセトアミド−
3,6−ジ−O−(β−D−ガラクトピラノシル)−2
−デオキシ−β−D−グルコピラノシド(124) 化合物(123)224.4mgのメタノール10ml溶
液に28%ナトリウムメトキシド−メタノール0.05
mlを加え、室温にて24時間撹拌した。反応終了後、ア
ンバーライトIR120(H+ 型)−メタノール5mlを
加えて30分撹拌して中和した後、ろ過して樹脂を除い
た。続いてろ液を減圧留去して化合物(124)を無色
粉末として138mg(収率94.0%)得た。
【0329】m.p. 233〜234 ℃(CH3OH),〔α〕25 D-18.9
°(C 1.0, CH3OH) IR(KBr)cm-1 :3350, 1730, 16501 H-NMR (CD3OD,δppm):1.31(10H, broad s),1.48〜1.6
5(4H, m),1.95(3H, s, NHAc),2.30(2H, t, J=7.6Hz),3.
42〜3.58(10H, m),3.64(3H, s, CO2CH3),3.65〜3.90(H,
m),4.16(1H, dd),4.26, 4.34(1H, d, J=7.6Hz),4.46(1
H, d, J=8.3Hz)
【0330】 元素分析 C30H53NO18・2H2O 計算値 C 47.93% H 7.64% N 1.86% 実測値 C 47.40% H 7.38% N 1.70%
【0331】例 50 N−アセチルマンノサミニル−β−オキシオクタノイル
アルブミン(200)
【0332】化合物(21)85mg(0.217ミリモ
ル)のエタノール1ml溶液に、ヒドラジン水和物0.2
mlを加えて、室温に24時間放置した。反応混合物を減
圧下濃縮乾固した。残渣に少量のエタノールおよび水を
加えて溶解した後、再び減圧下にて濃縮乾固し、過剰の
ヒドラジン水和物を除去した。得られた酸ヒドラジド8
5mgをジメチルホルムアミド2.9mlに溶解し、窒素気
流下、−25℃に冷却した。4.1N 塩酸−ジオキサン
溶液0.19mlを加えた後、亜硝酸tert−ブチル28mg
のジメチルホルムアミド溶液0.28mlを加え、30分
間撹拌した。スルファミン酸20mgのジメチルホルムア
ミド溶液0.3mlを加え、5分間撹拌した。次いで、こ
の酸アジドを含む溶液を、人血清アルブミン269mgの
0.08M ホウ酸ナトリウム−0.35M 炭酸水素カリ
ウム緩衝液27mlに、氷冷下、ゆっくりと撹拌しながら
滴下した。反応混合物を4℃で24時間放置した後、ス
ペクトラポール(分子量カットオフ12,000〜1
4,000)透析膜を用いて、精製水に対して4℃で2
4時間透析した。透析内液を取り出して凍結乾固してN
−アセチルマンノサミニル−β−オキシオクタノイルア
ルブミン270mgを得た。N−アセチルマンノサミニル
−β−オキシオクタノイルアルブミンを4N 塩酸で加水
分解処理した後、エルソン−モーガン法で滴定すると4
3個のN−アセチルマンノサミニルオクチル基が導入さ
れていることが明らかとなった。
【0333】例 51 化合物(9)、(11)、(12)、(20)、(2
2)、(26)、(27)、(34)、(35)、(3
6)、(37)、(41)、(48)、(53)、(5
8)、(62)、(66)、(68)、(70)、(7
3)、(77)、(88)、(89)、(91)、(9
3)、(97)、(98)、(104)、(105)、
(114)、(115)、(116)及び(124)を
用いて、例50に記載した方法と同一の方法により人血
清アルブミンへ糖残基の導入を行った。導入された糖含
量は、中性糖の場合にはフェノール硫酸法により、ヘキ
ソサミンの場合は4N 塩酸による加水分解後、エルソン
−モーガン法で行った。化合物と糖修飾アルブミン糖含
量の一覧を表1および表2に示した。
【0334】
【表1】
【0335】
【表2】
【0336】またこれらの化合物の物理恒数を表3及び
表4に示した。
【0337】
【表3】
【0338】
【表4】
【0339】なお、糖含量の測定及び液体クロマトグラ
フィー試験法は次のとおりである。
【0340】ネオグリコプロテイン(200)の糖含量
測定 人血清アルブミン1モル当りの2−アセトアミド−2−
デオキシ−D−マンノース含量をエルソン−モーガン法
により定量した。化合物(200)2.48mgを4N 塩
酸0.25mlに溶解し、100℃で4時間加熱した。反
応液は減圧下に濃縮乾固した。得られた残渣を精製水2
mlに溶解した後、その0.5mlをガラス栓付試験管にと
り、アセチルアセトン試薬1.0mlを加えて90℃に1
時間加熱した。水冷し、96%エタノール10mlを静か
に加え、ついでエールリッヒ試薬1.0mlを加えて撹拌
した。混和後、室温に1時間放置し530nmで比色定量
した。2−アセトアミド−2−デオキシ−D−マンノー
スを同様に処理して得た検量線から、化合物(200)
の2−アセトアミド−2−デオキシ−D−マンノース含
量を43個と決定した。
【0341】ネオグリコプロテイン(217)の糖含量
測定 化合物(217)における人血清アルブミン1モルに対
するフコースの結合モル数をフェノール硫酸法(マイケ
ル・ドゥボイス(Michel Dubois)ら、Anal. Chem., 28,
350-356(1956)) により測定した。
【0342】化合物(217)2.1mgを蒸留水に溶解
し、5%フェノール水溶液1mlを加えた後、濃硫酸5ml
を溶液中にすばやく添加した。これを10分間室温に放
置した後、20分間25℃から30℃の間に保った。こ
の溶液の吸光度(波長480nm)を測定し、文献の方法
に従い作成したフコースの検量線より糖含量を求めた。
この結果、人血清アルブミン1モルに対するフコースの
結合モル数は22と決定した。
【0343】液体クロマトグラフィー試験法 化合物(200)のゲルろ過液体クロマトグラフィーに
よる分子量測定を行った。使用機器、カラムは以下のも
のを使用した。 ポンプ:日本分光880−PV、 検出器:日本分光870−UV、 カラム:TSK−GEL G3000SW。
【0344】また分析条件として、 溶離液:0.008M 等張リン酸緩衝液 pH7.4、 流速:0.4ml/分 測定波長:280nm を使用した。
【0345】化合物(200)を1mg/mlになるよう
に、リン酸緩衝液に溶解し、その20μl カラムに添加
した。
【0346】その結果、化合物(200)は20.6分
に溶出されることが示された。また、分子量の異なる蛋
白、β−アミラーゼ(分子量200,000)、人血清
アルブミン(分子量67,000)、カルボニックアン
ハイドラーゼ(分子量29,000)について、同じ条
件で溶出時間を測定した結果、それぞれ19.5、2
1.8、26.7分であり、分子量により溶出時間が異
なることが示された。従って、化合物(120)は人血
清アルブミンよりも少し分子量の大きい化合物であるこ
とが示された。
【0347】化合物(202)〜(225)についても
同じ条件下で溶出時間を測定した。その結果も表3およ
び表4に示した。その結果、化合物(202)〜(22
5)はほぼ同程度の分子量を有することがわかった。
【0348】参考例56 N−アセチルマンノサミニルオキシオクチル人血清アル
ブミンとメトトレキセートとの複合体
【0349】Biol. Cell., 51, 187(1984)に記載の方法
で合成したメトトレキセートのN−ヒドロキシサクシン
イミドの活性エステルのジメチルホルムアミド溶液を、
N−アセチルマンノサミニル−β−オキシオクチル人血
清アルブミン(200)のリン酸緩衝液に氷冷下加え、
同温度で4時間撹拌した。反応液を遠心分離し、不溶物
をろ去した後、ミリポアフィルターを用いてろ過した。
ろ過をゲルろ過(G−100)カラムクロマトグラフィ
ーで分離精製して、メトトレキセートとN−アセチルマ
ンノサミニル−オキシオクチル人血清アルブミンとの複
合体を得た。
【0350】試験例 例50および例51で得たネオグリコプロテインを、ク
ロラミンT法を用いてヨードラベル化した。その結果、
比活性18〜30 MBq/20μg 蛋白質のヨードラベル
化ネオグリコプロテインを得た。放射性ヨードが蛋白に
結合していることを確認するために、TCA処理を行っ
た。即ち、0.5%牛の血清アルブミン含有0.1M リ
ン酸緩衝液を用いて適当に希釈した後、その300μl
を試験管に取り、15%TCA(トリクロル酢酸)溶液
600μl を加え、撹拌後3,000rpm で10分間遠
心し、上清、沈殿中に存在する放射性ヨードの活性を測
定した。その結果、全放射活性の95%以上が沈殿中に
存在しており、放射性ヨードが蛋白に結合していること
がわかった。
【0351】このヨードラベル化ネオグリコプロテイン
を用いて、動物における分布実験を行った。まず、ヨー
ドラベル化ネオグリコプロテイン4μg を0.5%牛の
血清アルブミン含有0.1M リン酸緩衝液(pH7.4)
1mlに溶解し、投与検液とした。またヨードラベルの比
活性が高いときは、未標識のネオグリコプロテインを用
いて希釈を行い、投与検液とした。
【0352】この溶液をSD系雄性ラット(体重240
〜300g)に、体重100g当り0.1mlになるよう
に大腿静脈より投与した。その後、正確に1分、2分、
3分後に頸静脈より採血を行い、投与後5分後に下大動
脈より全身血を採取し脱血死させる。その後、直ちに心
臓、肺臓、胸腺、脾臓、腎臓、筋肉、骨髄、皮膚、肝臓
を採取した。
【0353】投与後1分、2分、3分、5分の血清及び
5分の全血液、心臓、肺臓、胸腺、脾臓、腎臓、筋肉、
骨髄、皮膚、肝臓を正確に秤量し、その放射活性を測定
した。
【0354】また、投与検液及び投与後5分の血清中に
存在する放射活性が、ネオグリコプロテインに結合して
いることを確認するために、TCA処理を行った。操作
は前述と同様に行い、全放射活性の90%以上がネオグ
リコプロテインに結合していることを確認した。
【0355】次に、得られた血清中濃度(投与後1分、
2分、3分及び5分)の結果より、投与後0分から5分
までの血清中濃度下面積(AUC0-5)を台形近似法を用
いて計算した。AUC0-5 は、次式により定義される。 AUC0-5 =∫5 0 Cdt ここでCはネオグリコプロテインの時間(t)における
血清中濃度である。
【0356】さらに、ネオグリコプロテインの各組織中
濃度とAUC0-5 の比から、組織分布クリアランスを計
算した。その結果を表5に示した。
【0357】表5の結果から明らかなように、アルブミ
ンを糖鎖で修飾することにより、骨髄への分布クリアラ
ンスが増大していることがわかった。また、その中でも
マンノース(203)、マンノサミン(200)、フコ
ース(217)、マンノースα(1−6)マンノース
(208)及びマンノースβ(1−6)マンノース(2
09)で修飾したネオグリコプロテインにおいて、骨髄
への分布クリアランスが大きく増大しており、骨髄組織
への指向性を示していた。
【0358】このことは、グリコシル−蛋白誘導体は骨
髄組織を標的組織とする薬物運搬担体として有用である
ことを示している。
【0359】
【表5】
【0360】上記化合物の組織分布を検討してみると、
大きく2つのグループに分けられる。 静脈注射後すばやく血中から消失し、骨髄、肝臓など
の組織に分布する特性を有しているもの、 血中に比較的長く存在し、ゆっくり組織へ分布する特
性を有しているもの。
【0361】の特性を有する化合物の場合には、骨髄
への分布クリアランスが大きいものほど、すばやくまた
より多く骨髄に分布することになるので、骨髄への分布
クリアランスを比較することにより評価できる。これに
属する化合物としては、(200)、(202)、(2
04)、(208)(209)、(217)、(21
8)が挙げられ、血清アルブミン(HSA)のそれに比
べ約7倍から11倍高くなっていた。
【0362】また、の特性を有する化合物の場合に
は、骨髄への分布クリアランスが小さくても他の組織へ
の分布クリアランスも小さければ、より骨髄へ集まる化
合物となるので、骨髄への分布クリアランスと全身への
分布クリアランスの比を比較することにより評価でき
る。これに属する化合物としては、(204)、(20
5)、(212)、(213)、(215)、(21
9)が挙げられ、HSAのそれに比べて約1.3倍から
1.8倍高くなっていた。
【0363】例 52 例50に記載した方法と同一の方法により、人血清アル
ブミンへ糖残基の導入を行い、表6に記載する234か
ら249までの化合物を得た。各化合物についての物理
恒数を表7に示した。
【0364】
【表6】
【0365】
【表7】
【0366】試験例 2 例51で得た化合物226および例52で得た化合物2
36、238、242、245及び246を検体試料と
して、またHSAを対照試料としてそれぞれ用意した。
【0367】K,L,Audus らの方法 (Pharm.Res.,3,81(19
86))に従って単離した牛脳毛細血管内皮細胞(以下BB
CECsと略記する)5×104 cells/cm2 を6Well
(9.6cm2)のカルチャープレートで11日間培養した
後に、20mM HEPES0.1%リン酸緩衝液含有M
EM(pH7.4)(以下反応メディウムと略記する)で
3回洗浄した。反応メディウムを2ml添加し、30分間
プレインキュベートした後に、 125Iでラベルした試料
125I−リガンド)を、25ng/ml〜3μg/mlの濃
度において、特に化合物242及び245については更
に20μg /mlまでの濃度において添加し、インキュベ
ートした。その後残余の反応メディウムを除き、3回リ
ン酸緩衝液で洗浄し、0.1N 水酸化ナトリウム1mlを
添加した。4℃で30分間放置した後に可溶化したBB
CECsを集め、これについてガンマーカウンターで放
射活性を、また Bio-Rad プロティンアッセイキッドで
蛋白量を測定し、蛋白mg当たりの取り込み活性 (Total
Bound)を求めた。
【0368】別に前記各反応系に過剰量(100〜30
0倍量)の非ラベル試料(リガンド)を添加し、インキ
ュベートし、前記と同様に処理して測定し、蛋白mg当た
りの非特異的取り込み活性(+Cold)を求めた。取り込
み活性から非特異的取り込み活性を差引いて、特異的取
り込み活性(S.B.;取り込まれた蛋白mg当たりのリガン
ド量)を算出した。
【0369】結果を図1〜図9に示す。図中●印線、○
印線及び■印線はそれぞれ取り込み活性、非特異的取り
込み活性及び特異的取り込み活性を表す。図1から図5
は図の番号順に、それぞれHSA、化合物236、22
6、238及び246についての取り込み活性の結果
を、図6と図8は化合物245についての取り込み活性
の結果を、図7と図9は化合物242についての取り込
み活性の結果を示す。
【0370】図1〜図9より、化合物236、226、
238及び246では添加濃度3μg /mlで、また化合
物245では添加濃度10μg /mlで、それぞれ取り込
みに飽和が認められたが、対照試料であるHSAではB
BCECsに対して取り込み活性を持たないのに対し、
いずれの検体試料も取り込み活性を有しており、特に化
合物242の取り込み活性は添加濃度20μg /mlでも
飽和に達しないことが認められた。
【0371】表8は添加濃度3μg /mlにおける取り込
み活性の比較を示すものであるが、これによると糖の種
類によってBBCECsに対する取り込み認識に差のあ
ることが認められた。したがって、脳へ所定の薬物を送
達する目的および条件に応じて適宜に糖の種類を選択す
ればよいことが知られる。
【0372】
【表8】
【0373】試験例 3 例52で得た化合物235、236、237、240、
241、243及び244を試料として用意した。試験
例2において、 125Iでラベルした試料( 125I−リガ
ンド)を,100ng/mlの濃度において添加した以外
は、試験例2に記載と同様に行い、取り込み活性、非特
異的取り込み活性及び特異的取り込み活性を求めた。結
果を図10及び図11に示す。図10は化合物235、
236及び237、すなわちManβを糖種とし、m数
のみが異なる一連の化合物群について得られた結果であ
り、m数と特異的取り込み活性の関係を表す。図11は
化合物240、241、243及び244、すなわちF
ucβを糖種とし、m数のみが異なる一連の化合物群に
ついて得られた結果であり、m数と特異的取込み活性の
関係を表す。図10及び図11より、m数すなわち糖密
度の増加に伴い活性の増加が認められた。したがって、
脳へ所定の薬物を送達する目的及び条件に応じて適宜に
糖密度を選択すればよいことが知られる。
【0374】試験例 4 例52で得た化合物245を検体試料とした。検体試料
の取り込みを阻害する目的で添加する非ラベル試料とし
て、例51で得た化合物226、例52で得た化合物2
36、238、242、245、246、247、24
8及び249並びにHSAを用意した。
【0375】試験例2において、 125Iでラベルした検
体試料( 125I−リガンド)を、1μg /mlの濃度にお
いて添加し、各非ラベル試料は一様に100倍量を添加
した以外は試験例2と同様に行い、取り込み活性を求め
た。結果を図12に示す。図12は阻害の目的で添加し
た化合物と検体試料245の取り込み活性との関係を表
す。図12より、検体試料の取り込みに対していくつか
の化合物が阻害効果を示すが、もっとも強い阻害効果は
検体試料自身によってもたらされており、該取り込みが
糖特異的であることが認められる。
【0376】試験例 5(体内分布実験) 例52で得た化合物237、241、243及び245
を検体試料として、HSAを対照試料として用意した。
各試料を1mg秤量し、0.05M ホウ酸緩衝液5mlに溶
解した。一方, N−サクシニイミジル〔2,3−3H〕プ
ロピオネートのトルエン溶液100μlにモレキュラー
シーブ処理したDMF溶液100μl を混和し、上記ホ
ウ酸緩衝液に添加した。4℃にて一夜撹拌後、トルエン
層を除去し、水層をセントリコン30にて約200μl
にまで濃縮した。この濃縮液をPD−10カラムを用い
て溶出液のリン酸緩衝液でゲルろ過を行い、ボイド画分
に溶出された放射活性を回収した。この回収液の蛋白濃
度を測定し、1mg/mlとなるように各試料を加えて、動
物への投与液とした。
【0377】H3化した試料を1mg/kgとなるようにラ
ット(雄 SD系6週例) に大腿静脈より投与した。投
与30分後に下大動脈より脱血させることによりラット
を屠殺し、組織濃度を測定した。プラズマ中及び組織中
の放射活性は、サンプルオキシダイザーを用いて燃焼
後、液体シンチレーションカウンターで測定した。
【0378】なお、前記の方法により作成した検体は、
10%トリクロル酢酸溶液中において放射活性の99.
5%が沈殿することが認められた。
【0379】結果を図13に示す。図13は投与30分
後における脳中濃度とプラズマ中濃度との比(Kp値)を
試料毎に示すグラフである。図13より、糖の修飾によ
り脳への移行を高める可能性があることがわかる。
【0380】例 53 p−アミノフェニル α−D−グルコピラノシド(30
1) p−ニトロフェニル α−D−グルコピラノシド500
mgの水7ml−メタノール15ml溶液に、10%パラジウ
ム−炭素75mgを加え、室温で16時間水素ガスを吹き
込んだ。触媒をろ去した後、ろ液を減圧下濃縮乾固する
と、結晶性残渣490mgが得られた。残渣を少量のメタ
ノールで洗浄して結晶を集めると、表記化合物(30
1)210mg(47%)が得られた。同様の方法で表9
に示す化合物301〜308を得た。その物理恒数は表
9に示す。
【0381】
【表9】
【0382】例 54 p−イソチオシアナトフェニル α−D−グルコピラノ
シド(309) 化合物(301)200mg(0.737ミリモル)の8
0%含水エタノール溶液40mlに、チオホスゲン0.3
2ml(4.196ミリモル)を加え、室温で2時間撹拌
した。反応混合物に窒素ガスを吹き込んで過剰のチオホ
スゲンを追い出した後、水酸化ナトリウム溶液を加えて
pH 値を6に調整した。反応液を減圧下約10mlまで濃
縮すると表記化合物(309)を含む水溶液が得られ
た。この化合物の水溶液はそのまま人血清アルブミンと
の縮合反応に用いた。同様の方法で表10に示す化合物
309〜316を得た。
【0383】例 55 1−〔p−(α−D−グルコピラノシルオキシ)フェニ
ルアミノ〕メタンチオアミド人血清アルブミン(31
7) 化合物(309)を含む水溶液を、人血清アルブミン1
12mg(0.00167ミリモル)の0.08M ホウ酸
ナトリウム−0.35M 炭酸水素カリウム緩衝液60ml
に滴下した。反応混合物を室温に18時間放置した後、
透析膜スペクトラポール2(分子量カットオフ12,0
00〜14,000)を用いて精製水に対して4℃で2
4時間透析した。透析内液を取り出して凍結乾燥すると
表記化合物(317)120mgが得られた。導入された
グルコース含量をフェノール−硫酸法で定量すると、グ
ルコース含量(モル比)は32であった。同様の方法で
表10に示す化合物317〜324を得た。これら化合
物の物理恒数は表11に示す。
【0384】
【表10】
【0385】
【表11】
【0386】試験例 6 例53で得られたフェニルチオウレアをアームとするネ
オグリコプロティン318、320、322及び324
を検体試料として、またHSAを対照試料として用意し
た。試験例1と同一の方法により試料をヨードラベル化
し、動物における分布実験を行った。結果を表12に示
す。
【0387】
【表12】
【0388】表12より、フェニルチオウレアを介して
アルブミンを糖で修飾することにより、骨髄組織への分
布クリアランスが増大することが知られる。フェニルチ
オウレアを介した場合には分布クリアランスが大きくな
り、骨髄組織への指向性が著しい。
【0389】以上のことはフェニルチオウレアをアーム
とする本発明のグリコシル−蛋白誘導体が、骨髄組織を
標的組織とする薬物運搬担体として有用であることを示
している。
【0390】参考例 57 2−(2−ベンジルオキシエトキシ)エトキシエタノー
ル(402) 無水ジメチルホルムアミド300mlに60%水素化ナト
リウム13.5g (0.338モル)を懸濁させた溶液
に、トリエチレングリコール(401)50.0g
(0.33モル)を滴下した。室温で1時間撹拌した後
に、臭化ベンジル56.0g (0.33モル)を滴下
し、さらに室温で1時間撹拌した。反応終了後減圧にて
溶媒を留去し、得られた残留物を酢酸エチル200mlに
溶解し、水200mlで洗浄した。有機相を無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、これを減圧下濃縮乾固すると油状粗生
成物が得られた。これをシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー〔シリカゲル70−230メッシュ500g 、溶
媒系:ヘキサン/酢酸エチル(1:1)〕で精製する
と、表記化合物(402)が27.5g (34%)得ら
れた。
【0391】1H-NMR(CDCl3, δppm):7.26 〜7.35(5H,
m),4.57(2H, s),3.73(2H, t, J=4.5Hz),3.66 〜3.71(6
H, m),3.63 〜3.65(2H, m),3.62(2H, t, J=4.5Hz),2.25
(1H, br) IR(neat)cm-1: 3450(OH), 1099(C-O-C)
【0392】参考例 58 2−(2−ベンジルオキシエトキシ)エトキシエチルブ
ロミド(403) 化合物(402)36.0g (0.15モル)の無水エ
ーテル100ml溶液に、氷冷下に三臭化リン14.0g
(0.052モル)を加えて1時間撹拌した。さらに1
時間室温にて撹拌後、反応液に水100mlを加えて、酢
酸エチルで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾
燥し,減圧下濃縮乾固するとシロップ状の粗生成物が得
られた。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
〔シリカゲル70−230メッシュ250g 、溶媒系:
ヘキサン/酢酸エチル(9:1)〕で精製すると、表記
化合物(403)が13.6g (36%)得られた。
【0393】1H-NMR(CDCl3, δppm):7.26 〜7.35(7H,
m),4.58(2H, s),3.81(2H, t, J=7.0Hz),3.66 〜3.71(6
H, m),3.61 〜3.63(2H, m),3.47(2H, t, J=6.7Hz) IR(neat)cm-1: 1112(C-O-C)
【0394】参考例 59 メチル 4−〔2−(2−ベンジルオキシエトキシ)エ
トキシ〕−2−メトキシカルボニルブタノエート(40
4) 60%水素化ナトリウム10.0g (0.25モル)の
無水ジメチルホルムアミド300ml懸濁液に、マロン酸
ジメチル33.0g を加えて、40℃で1時間撹拌し
た。これに化合物(403)41.1g (0.136モ
ル)を一度に加えて、さらに40℃で6時間撹拌後、室
温で一晩放置した。反応混合物を10%塩酸で中和し、
溶媒を減圧下に留去して得られた残留物を水100mlお
よび酢酸エチル200mlで分配した。有機相を分離後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去すると
シロップ状の粗生成物が得られた。これをシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー〔シリカゲル70−230メッ
シュ250g 、溶媒系:ヘキサン/酢酸エチル(20:
1)〕で精製すると、表記化合物(404)が36.8
g(77%)得られた。
【0395】1H-NMR(CDCl3, δppm):7.26 〜7.34(5H,
m),4.56(2H, s),3.72(3H, s),3.52(2H, t, J=5.9Hz),2.
18(2H, m) IR(neat)cm-1: 1754(C=O), 1735(CO2CH3)
【0396】参考例 60 メチル 4−〔2−(2−ベンジルオキシエトキシ)エ
トキシ〕ブタノエート(405) 化合物(404)23.2g (65.5ミリモル)およ
び塩化ナトリウム4.5g (76.9ミリモル)を水4
mlとジメチルスルホキシド80mlの混合液に加え、15
0〜160℃で4時間加熱撹拌した。反応終了後、溶媒
を減圧下に留去し、得られた残留物を水100mlおよび
酢酸エチル100mlで分配し、有機相を分離後無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去して得られ
たシロップ状の粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー〔シリカゲル70−230メッシュ250g 、
溶媒系:ヘキサン/酢酸エチル(5:1)〕で精製する
と、表記化合物(405)が17.0g (87%)得ら
れた。
【0397】1H-NMR(CDCl3, δppm):7.24 〜7.33(5H,
m),4.57(2H, s),3.66(3H, s),3.63 〜3.68 (6H, m),3.5
7 〜3.58(2H, m),3.50(2H, t, J=6.2Hz),2.42(2H, t, J
=7.3Hz),1.90(2H, m) IR(neat)cm-1: 1738(CO2CH3), 1113(C-O-C)
【0398】参考例 61 メチル 4−〔2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキ
シ〕ブタノエート(406) 化合物(405)16.6g (56.0ミリモル)のメ
タノール20ml溶液に、10%パラジウム炭素2.0g
を加え、室温にて4時間水素添加した。反応終了後、触
媒をろ過し、ろ液を減圧下に濃縮乾固すると、無色油状
物の表記化合物406が11.3g (99%)得られ
た。
【0399】1H-NMR(CDCl3, δppm):3.73(2H, t, J=4.
5Hz),3.68(3H, s),3.65 〜3.68(2H, m),3.57 〜3.63(4
H, m),3.51(2H, t, J=6.2Hz),2.42(2H, t, J=7.3Hz),1.
92(2H, m),1.70(1H, br) IR(neat)cm-1: 3450(OH), 1738(CO2CH3), 1119(C-O-C) MS(EI)m/z : 207(M+H+)
【0400】例 56 2−〔2−(3−メトキシカルボニルプロピルオキシ)
エトキシ〕エチル−2,3,4,6−テトラ−O−ベン
ジル−β−D−マンノピラノシド(409)及び2−
〔2−(3−メトキシカルボニルプロピルオキシ)エト
キシ〕エチル−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル
−α−D−マンノピラノシド(408)
【0401】化合物(406)577mg(2.8ミリモ
ル)、炭酸銀500mg(1.79ミリモル)及びドライ
ライト500mgの塩化メチレン5ml溶液を窒素気流下0
℃にて30分間撹拌した後、Koto, Morishima, Miyata,
and Zen, Bull.Chem.Soc.Jpn.,49 ,2639(1976)の方法で
得た、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−α/β
−マンノピラノシル p−ニトロベンゾエートの塩化メ
チレン溶液に、乾燥塩化水素ガスを吹き込んで合成した
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−α−D−マン
ノピラノシルクロリド(407)580mg(0.84ミ
リモル)の塩化メチレン溶液3mlをゆっくり滴下した。
その後、内温0〜5℃にて4時間撹拌した。反応終了後
反応物をセライトを用いてろ過し、不溶物を塩化メチレ
ンでよく洗浄した。ろ液および洗液を合し、溶媒を減圧
下留去すると粗生成物1.1048g が得られた。粗生
成物をフラッシュクロマトグラフィー〔シリカゲル23
0〜400メッシュ60g 、溶媒系:酢酸エチル/ヘキ
サン(2:3)〕にて分離精製すると表記化合物(40
9)520mg(81.2%)および表記化合物(40
8)120mg(18.8%)が得られた。
【0402】化合物 (409) 〔α〕24 D - 44.6°(C O.67, CHCl3)1 H-NMR(CDCl3,δppm):7.18〜7.50(20H, m, aromatic
H),4.85〜4.97(2H, AB-q, J=12.5Hz, benzyl-CH2),4.54
〜4.62(2H, AB-q, J=12Hz, benzyl-CH2),4.50〜4.90(2
H, AB-q, J=12Hz, benzyl-CH2),4.41〜4.51(2H, AB-q,
J=12Hz, benzyl-CH2),4.44(1H, s, H-1),4.02〜4.08(1
H, m, H-2),3.64〜3.93(7H, m),3.63(3H, s, CO2CH3),
3.40〜3.64(8H, m),2.35〜2.40(2H, m, CH2CO-),1.80〜
1.95(2H, m, CH2CH2CO-) IR(CHCl3)cm-1: 1726(CO2CH3) MS(FAB)m/z : 751(M+Na+), 727(M-1)
【0403】化合物 (408) 〔α〕24 D + 13.9°(C O.70, CHCl3)1 H-NMR(CDCl3,δppm):7.18〜7.50(20H, m, aromatic
H),4.91(1H, d, J=1.71Hz, H-1),4.68〜4.75(2H, AB-q,
J=12.5Hz, benzyl-CH2),4.604(2H, s, benzyl-CH2),4.
47〜4.86(2H, AB-q, J=10.75Hz, benzyl-CH2),4.51〜4.
65(2H, AB-q, J=12Hz, benzyl-CH2),3.65〜4.00(8H,
m),3.63(3H, s, CO2CH3),3.44〜3.60(8H, m),2.30〜2.4
0(2H, m, CH2CO-),1.80〜1.90(2H, m, CH2CH2CO-) IR(CHCl3)cm-1: 1725(CO2CH3) MS(FAB)m/z : 727(M-1)
【0404】例 57 2−〔2−(3−メトキシカルボニルプロピルオキシ)
エトキシ〕エチル−β−D−マンノピラノシド(41
0) 化合物(409)500mg(0.686ミリモル)をメ
タノール10mlに溶解し、10%パラジウム−炭素50
0mgを加えて、水素気流下室温にて激しく40時間撹拌
した。反応終了後触媒をろ去し、ろ液を減圧下濃縮乾固
すると、表記化合物(410)232.4mg(92%)
が得られた。
【0405】化合物 (410) 〔α〕23 D - 22.3°(C 2.18, MeOH)1 H-NMR(CD3OD,δppm):4.53(1H, s, H-1),3.30〜4.00(1
4H, m),3.62(3H, s, CO2CH3),3.10〜3.25(2H, m),2.37
(2H, t, J=7.3Hz, CH2CO-),1.83(2H, t, J=7.3Hz, CH2C
H2CO-) IR(CHCl3)cm-1: 3350(OH), 1732(CO2CH3) MS(FAB)m/z : 391(M+Na+)
【0406】例 58 2−〔2−(3−メトキシカルボニルプロキシオキシ)
エトキシ〕エチル 2,3,4−トリ−O−アセチル−
β−L−フコピラノシド(412) H.M.Flowers らの方法〔Carbohydr.Res.,4,189-195(196
7)〕により調製した2,3,4−トリ−O−アセチル−
α−L−フコピラノシルブロマイド(411)166mg
(0.469ミリモル)のベンゼン10ml溶液に化合物
(406)100mg(0.485ミリモル)、シアン化
第二水銀123mg(0.485ミリモル)及び粉末化し
た無水硫酸カルシウム350mgを加え、アルゴン気流中
室温で24時間撹拌した。反応溶液をろ過後、ろ液に酢
酸エチル5mlを加え、水5mlで洗浄した。無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、減圧濃縮して得られたシロップをシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メ
タノール=200:1)で精製すると表記化合物(41
2)が136mg(58.6%)得られた。
【0407】化合物 (412) 〔α〕25 D -2.9°(C 1.1, CHCl3)1 H-NMR(CDCl3,δppm):1.22(3H, d, J=6.4Hz, H-6),1.9
9, 2.06, 2.18(9H, 3s, OAc),2.42(2H, t, J=7.3Hz, CH
2 , COOCH3),3.68(3H, s, OCH3),4.76(1H, d, J=8.1Hz,
H-1) IR(NaCl)cm-1 : 1750, 1700
【0408】例 59 2−〔2−(3−メトキシカルボニルプロピルオキシ)
エトキシ〕エチル 2,3,4−β−L−フコピラノシ
ド(413) 化合物(412)180mg(0.376ミリモル)をメ
タノール2mlに溶解させた後、28%ナトリウムメチラ
ート0.05mlを加え、室温で2時間撹拌した。反応溶
液をアンバーライトIR−120B(H+)で中和し、イ
オン交換樹脂をろ取した後、ろ液を減圧濃縮すると表記
化合物(413)が109mg(82.3%)得られた。
【0409】〔α〕26 D -2.1°(C 1.3, MeOH)1 H-NMR(CD3OD,δppm):1.23(3H, d, J=6.6Hz, H-6),2.3
7(2H, t, J=7.6Hz, CH 2 COOCH3),3.67(3H, s, OCH3),4.
19(1H, d, J=7.3Hz, H-1) IR(NaCl)cm-1 : 3450, 1740, 1070
【0410】例 60 2−〔2−(3−メトキシカルボニルプロピルオキシ)
エトキシ〕エチル 3,4,6−トリ−O−アセチル−
2−アジド−2−デオキシ−α−D−マンノピラノシド
(414)及び2−〔2−(3−メトキシカルボニルプ
ロピルオキシ)エトキシ〕エチル 3,4,6−トリ−
O−アセチル−2−アジド−2−デオキシ−β−D−マ
ンノピラノシド(415)
【0411】Carbohydr.Res.,136,153(1985)の方法で合
成した3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アジド−
2−デオキシ−α−D−マンノピラノシルブロマイド9
30mg(2.35ミリモル)とメチル 4−〔2−(2
−ヒドロキシエトキシ)エトキシ〕ブタノエート(40
6)485mg(2.35ミリモル)のトルエン20ml溶
液に、銀シリケート700mg及び粉末状モレキュラーシ
ーブ4Aを500mg加え、室温で16時間撹拌した。反
応溶液をセライトを用いてろ過した後、ろ液を減圧下に
濃縮乾固し、得られた残渣をローバーカラム(ヘキサ
ン:酢酸エチル=1:1)で精製すると表記化合物(4
14)525mg(43%)及び表記化合物(415)1
43mg(11.7%)が得られた。
【0412】化合物 (414) 〔α〕24 D + 58.2°(C O.57, CHCl3)1 H-NMR(CDCl3,δppm):5.39(1H, dd, J3,4=10Hz, J2,3=
4.0Hz, H-3),5.32(1H, t, J=10Hz, H-4),4.91(1H, s, H
-1),4.25(1H, dd, J5,6a=4.5Hz, J6a,6b=12Hz, H-6a),
4.02(1H, m, H-5),2.40(2H, t, J=7.5Hz, -CH 2 CO-),2.1
0, 2.09, 2.04(each 3H, each s, 3 × OAc) IR(film)cm-1 : 2110, 1747, 1438, 1369, 1230, 1049
【0413】化合物 (415) 〔α〕24 D - 60.1°(C O.9, CHCl3)1 H-NMR(CDCl3,δppm):5.24(1H, t, J3,4=9.5Hz, H-4),
4.99(1H, dd, J2,3=3.5Hz, H-3),4.79(1H, s, H-1),4.2
5(1H, dd, J5,6a=5.5Hz, J6a,6b=12Hz, H-6a),4.00(1H,
m, H-5),2.40(2H, t, J=7.5Hz, -CH 2 CO-),2.10, 2.08,
2.03(each 3H, each s, 3 × OAc) IR(film)cm-1 : 2112, 1743, 1371, 1236, 1055
【0414】例 61 2−〔2−(3−メトキシカルボニルプロピルオキシ)
エトキシ〕エチル 2−アジド−2−デオキシ−α−D
−マンノピラノシド(416) 化合物(415)525mg(1.01ミリモル)の無水
メタノール10ml溶液に、1M ナトリウムメトキシド−
メタノール溶液0.25mlを加え、室温に4時間放置し
た。反応液にイオン交換樹脂アンバーライトIR−12
0B(H+型)を加えて中和した後、樹脂をろ去し、少量
のメタノールで洗浄した。ろ液及び洗液を合し、減圧下
で溶媒を留去すると、シロップ状の表記化合物(41
6)154mgが得られた。
【0415】例 62 2−〔2−(3−メトキシカルボニルプロピルオキシ)
エトキシ〕エチル 2−アセタミド−2−デオキシ−α
−D−マンノピラノシド(417) 化合物(416)150mg(0.381ミリモル)のエ
タノール4ml溶液に、塩化ニッケル六水和物380mg
(1.6ミリモル)をエタノール10mlに溶解した液
0.1mlを加えた後、水素化ホウ素ナトリウム43mg
(1.143ミリモル)のエタノール溶液に4mlを撹拌
しながら加えた。室温で30分間撹拌した後、反応液に
酢酸を加えて中和した。次いで無水酢酸0.5mlを加え
て室温に1時間放置した。反応混合物を減圧下で濃縮乾
固して、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム:メタノール=7:1)で精製すると表
記化合物(417)が157mgが得られた。
【0416】〔α〕26 D + 26.4°(C 0.62, MeOH)1 H-NMR(CD3OD,δppm):4.72(d, 1H, J=1Hz, H-1),4.31
(dd, 1H, J1,2=1Hz, J2,3=4.7Hz),2.01(s, 3H, NAc) IR(KBr)cm-1: 3446, 1730, 1660, 1550, 1132, 1068
【0417】例 63 ネオグリコプロティン(419) 化合物(413)85mg(0.241ミリモル)のエタ
ノール0.8ml溶液に,ヒドラジンヒドラート0.24
mlを加え、室温で24時間撹拌した。反応溶液を減圧濃
縮した後、水1mlを加え,さらに減圧濃縮することによ
り2−〔2−(3−ヒドラジノカルボニルプロピルオキ
シ)エトキシ〕エチル β−L−フコピラノシド85mg
を得た。これにDMF3mlを加えて溶解させ、−25℃
に冷却後、4N 塩化水素のジオキサン溶液0.14mlを
加えた。さらに同温で亜硝酸t−ブチル35.5mg
(0.241ミリモル)のDMF0.2ml溶液を加えて
30分間撹拌した後、スルファミン酸16.8mgのDM
F0.2ml溶液を加え、15分間撹拌することにより、
対応する酸アジドを含む反応溶液を得た。これを0℃に
冷却した人血清アルブミン(HSA)332mg(4.8
2×10-3ミリモル)のホウ酸緩衝液(0.08M Na2
B4O7,0.35M KHCO3)20mlに加え、同温で24時
間撹拌した。4℃で一晩透析後、凍結乾燥することによ
りフコース修飾アルブミン(419)343mgの粉末を
得た。フェノール−硫酸法によりHSA/モルに結合し
た糖鎖のモル数は28であることがわかった。
【0418】ネオグリコプロティンと使用した中間体の
一覧を表13に示した。導入された糖含量は、中性糖の
場合にはフェノール−硫酸法により、ヘキソサミンの場
合には4N 塩酸による加水分解後、エルソン−モーガン
法で行った。またこれらのネオグリコプロティンの物理
恒数を表14に示した。
【0419】
【表13】
【0420】
【表14】
【0421】試験例 7 例54で得られたエチレンオキサイドをアームとするネ
オグリコプロティン418、419および420を検体
試料として、またHSAを対照試料として用意した。試
験例1と同一の方法により試料をヨードラベル化し、動
物における分布実験を行った。結果を表15に示す。
【0422】
【表15】
【0423】表15より,エチレンオキサイドを介して
アルブミンを糖で修飾することにより、骨髄組織への分
布クリアランスが増大することが知られる。エチレンオ
キサイドを介した場合、静脈内投与後の血中濃度持続性
がHSAにおけるものにほぼ匹敵するので、骨髄組織へ
は緩除に分布して行くという特徴がある。
【0424】以上のことは、エチレンオキサイドをアー
ムとする本発明のグリコシルー蛋白誘導体が、骨髄組織
を標的組織とする薬物運搬担体として有用であることを
示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】HSAの取り込み活性を示すグラフである。
【図2】化合物236の取り込み活性を示すグラフであ
る。
【図3】化合物226の取り込み活性を示すグラフであ
る。
【図4】化合物238の取り込み活性を示すグラフであ
る。
【図5】化合物246の取り込み活性を示すグラフであ
る。
【図6】化合物245の取り込み活性を示すグラフであ
る。
【図7】化合物242の取り込み活性を示すグラフであ
る。
【図8】化合物245の取り込み活性を示すグラフであ
る。
【図9】化合物242の取り込み活性を示すグラフであ
る。
【図10】m数が異なる( Man β-O(CH2)8CO)m-HASの特
異的取り込み活性の比較を示すグラフである。
【図11】m数が異なる( Fuc β-O(CH2)8CO)m-HASの特
異的取り込み活性の比較を示すグラフである。
【図12】化合物245に対する各種ネオグリコプロテ
ィンの阻害効果を示すグラフである。
【図13】各種ネオグリコプロティンの脳中濃度とプラ
ズマ中濃度との比(Kp値)を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥野 哲 埼玉県三郷市早稲田8−5−18 (72)発明者 加藤 隆 千葉県柏市東1−7−1 グランドール 亜梨104 (56)参考文献 特開 昭60−120819(JP,A) 特表 昭59−502065(JP,A) J.NEUROCHEM.(1986), P.655−657 NEUROCHEM.INT. (1988),VOL.13,NO.1,P. 75−79 J.CHEM.SOC.,C (1968),NO.12,P.1457−1461 RECENT ADV.DRUG D ELIVERY SYST.,PRO C.INT.SYMP.,(1984),M EETING DATE(1983),P. 123−136 CARBOHYDRATE RESE RCH,VOL.110(1982)P.345− 350 J.CARBOHYDRATES,N UCLEOSIDES,NUCLEOT IDES(1978),VOL.5,NO. 1,P.1−14 ACTA CHEMICA SCAN DINAVICA,SER.B (1984),VOL.B38,NO.3, P.195−201 J.NEUROCHEM.(1988), P.1297−1301 BIOCHEM.PHARMA.,V OL.40,NO.12(1990),P.2603 −2610

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式:〔R−X−〕m −Z (式中、Rはグリコシル基を表し、XはO−C64
    NH−CSを表し、Zは蛋白を表し、mは10〜50を
    表す) で示されるグリコシル−蛋白誘導体を含有する骨髄への
    薬剤運搬担体。
  2. 【請求項2】 グリコシル基が、キシロピラノシル基、
    マンノピラノシル基、フコピラノシル基、ガラクトピラ
    ノシル基、2−アセトアミド−2−デオキシ−フコピラ
    ノシル基、2−アセトアミド−2−デオキシ−マンノピ
    ラノシル基、2−アセトアミド−2−デオキシ−ガラク
    トピラノシル基、マンノピラノシル−マンノピラノシル
    基、(2−アセトアミド−2−デオキシ−マンノピラノ
    シル)−マンノピラノシル基、(2−アセトアミド−2
    −デオキシ−グルコピラノシル)−マンノピラノシル
    基、フコピラノシル−(2−アセトアミド−2−デオキ
    シ−グルコピラノシル)基、ガラクトピラノシル−(2
    −アセトアミド−2−デオキシ−グルコピラノシル)
    基、ガラクトピラノシル−(2−アセトアミド−2−デ
    オキシ−マンノピラノシル)基、ガラクトピラノシル−
    グルコピラノシル基、ジ(2−アセトアミド−2−デオ
    キシ−グルコピラノシル)−マンノピラノシル基又はジ
    (ガラクトピラノシル)−2−アセトアミド−2−デオ
    キシーグルコピラノシル基である、請求項1記載の薬剤
    運搬担体。
  3. 【請求項3】 蛋白が、アルブミン、サイトカイン類又
    は酵素である、請求項1又は2記載の薬剤運搬担体。
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CARBOHYDRATE RESERCH,VOL.110(1982)P.345−350
J.CARBOHYDRATES,NUCLEOSIDES,NUCLEOTIDES(1978),VOL.5,NO.1,P.1−14
J.CHEM.SOC.,C(1968),NO.12,P.1457−1461
J.NEUROCHEM.(1986),P.655−657
J.NEUROCHEM.(1988),P.1297−1301
NEUROCHEM.INT.(1988),VOL.13,NO.1,P.75−79
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