JP2648451B2 - 回転弾性的なカップリング - Google Patents

回転弾性的なカップリング

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は，１つの軸線を中心にし
て回転する機械部分のための回転弾性的なカップリング
であって，軸方向で一方の側に向かって開いていて２つ
の側面と１つの底面とによって制限されている溝を有し
ている内輪と，軸線に対して平行に延びるリング形のウ
ェブを有している外輪とを備え，外輪のウェブは，内輪
の溝内に受容されていて，案内リングによって内輪の溝
の一方の側面に相対回動可能に支えられているととも
に，エラストマ材料から成る緩衝リングによって内輪の
溝の他方の側面に結合されている形式のものに関する。
【０００２】
【従来の技術】このようなカップリングはドイツ連邦共
和国特許第４０１８５９６号明細書によって公知であ
る。案内リング及び緩衝リングは半径方向で，別個に製
作され，後から組み付けられた支承ブッシュによって，
互いに支えられており，これによって半径方向の力の伝
達が可能になり，ベルトプーリ及び（又は）ねじり振動
緩衝器の内部で有利に使用することができる。案内リン
グ及び緩衝リングを半径方向で内外に配置することによ
って，カップリングの軸方向の長さが短くなる。しか
し，製作費はかなり高価である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は，この
ようなカップリングを安価に製作し得るようにすること
である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に，本発明の構成では，最初に述べた形式の回転弾性的
なカップリングにおいて，案内リング及び緩衝リングが
一体の素材によって構成されていて，エラストマ材料か
ら成っているおり，案内リングと緩衝リングとは，外輪
のウェブを貫通している付加部によって互いに結合され
ているようにした。
【０００５】
【発明の効果】製作費が安価になるのは，滑り軸受けで
ある案内リングと緩衝リングとが一体の素材によって構
成されているためである。更に，案内リングと緩衝リン
グとを，外輪のウェブの端面をつかむ支持リングによっ
て互いに結合することができ，この場合支持リングは内
輪の溝の底面に接触して支えられる。これによって，両
方の機械部分が付加的に互いに軸方向に支えられる。
【０００６】案内リングは内輪の溝の一方の側面に向い
た側に，円周方向で均一に分配され潤滑剤例えばワセリ
ン及び（又は）脂肪を満たされている潤滑剤ポケットを
有することができる。これによって案内リングの耐磨滅
性が著しく改善される。
【０００７】本発明によるカップリングは簡単な場合，
たんに２つの部分から成り，これらの部分は特に簡単に
結合することができる。このことは，カップリングの安
価な製作のために大きな利点となる。
【０００８】案内リング及び緩衝リングの製作に使用さ
れるエラストマ材料は良好な緩衝作用並びにわずかな磨
滅性質を有していなければならない。これに適した材料
は，３５から９０，有利には４５から８５のショアＡ硬
度を有している。
【０００９】緩衝リングは両方の機械部分と接着結合さ
れる。これによって長い使用期間にわたって一定の良好
な緩衝作用が保証される。有利には，緩衝リングは回転
対称的に構成される。
【００１０】振動緩衝作用を更に増大させるために，少
なくとも一方の機械部分に，エラストマ材料から成る第
２の緩衝リングによって慣性リングを固定しておくこと
ができる。この場合慣性リング及び第２の緩衝リングは
第１の緩衝リング及び案内リングと同一の半径方向平面
内に配置しておくことができ，これによって傾動モーメ
ントの発生が阻止される。特に，カップリングが大きな
回転数で回転する場合，このような構成は大きな利点と
なる。
【００１１】第２の緩衝リングはエラストマ材料から成
り，半径方向の初応力をかけて，慣性リングと相対的に
回転可能な機械部分との間の環状すきま内に押し込むこ
とができる。このような構成の場合には，固定はもっぱ
ら付着摩擦力に基づいて行われる。しかし，互いに接触
する部分を相互に接着することも可能である。
【００１２】第２の緩衝リングは，案内リングと第１の
緩衝リングとを有する部材と一体の部分として構成する
ことができる。このようにすると，製作が特に簡単にな
る。すなわち，たんに１つの成形工具が必要なだけであ
り，特別な修正手段を必要とすることなしに，カップリ
ングの申し分のない回転対称性が保証される。
【００１３】機械部分を相互に半径方向で申し分なく支
えることによって，大きな半径方向の力を伝達すること
が可能になり，カップリングをベルトプーリ若しくはね
じり振動緩衝器の内部で問題なく使用することが可能に
なる。この場合，一方の機械部分自体がこのようなねじ
り振動緩衝器及び（又は）ベルトプーリの一部分を形成
することができる。これによって形成されるユニット
は，特に内燃機関の付随装置の駆動に使用することがで
きる。
【００１４】案内リング及び緩衝リングが外輪のウェブ
を貫通する少なくとも１つの付加部１１によって結合さ
れている場合には，案内リング及び緩衝リングはウェブ
に係合によって固定される。このことは，カップリング
の耐久性にとって大きな利点である。
【００１５】案内リングの滑り面の範囲において潤滑剤
を満たされた潤滑剤ポケットが設けられている場合に
は，磨滅が減少せしめられるほかに，相対回動が申し分
なく行われる。付着摩擦から滑り摩擦への移行は，著し
く減少せしめられた摩擦係数によって，均一にかつ徐々
に行われる。
【００１６】潤滑剤が早期になくなってしまうことを避
けるために，摩擦領域を少なくとも一方の軸方向で，案
内リングと一体に構成されている周方向のシールリップ
によって対抗面に対してシールしておくのが有利である
と分かった。この構成によって，なお付加的に潤滑剤に
よって周囲の大気が汚されることが避けられる。相対的
に動く機械部分に対してシールリップを充分に弾性的に
圧着するために，シールリップが組み立て時に対抗面に
当て付けられる際に，シールリップが弾性的に変形する
ように，シールリップを製作しておく。組み立ての際に
シールリップが損傷することを避けるために，シールリ
ップが丸みのあるシール縁を有しているようにすると有
利である。
【００１７】
【実施例】以下においては，図面に示した実施例に基づ
いて本発明の構成を具体的に説明する。
【００１８】図１に示した第１実施例においては，案内
リング９及び緩衝リング１０は一体に構成されており，
案内リングは半径方向に支承されているほかに，一方の
軸方向でも支承されている。両方のリングの加硫は同一
の加硫工具内で行われる。
【００１９】一方の機械部分は軸線１を中心にして回転
する。この機械部分は内輪２と結合され，他方の機械部
分は外輪７と結合される。この場合内輪２は一方の機械
部分にねじで結合されるようになっている。外輪７はベ
ルトプーリ１７として構成されていて，例えば自動車の
発電機である他方の機械部分の駆動に使用することがで
きる。内輪２及び外輪７はそれぞれＵ字形の溝３及び１
８を有している。これらの溝は軸方向で互いに逆の向き
に開いている。溝３は２つの側面４及び５と１つの底面
６とによって制限されている。内輪２の溝３及び外輪７
の溝１８は外輪７の軸方向に延びるウェブ８若しくは内
輪２の軸方向に延びるウェブ１９によって，それぞれ半
径方向で分割されている。この分割によって，半径方向
で重なり合った３つの環状の部分室２０・２１・２２が
形成され，案内リング９は部分室２１内に配置されてい
て，内輪２のウェブ１９及び外輪７のウェブ８と少なく
とも半径方向で支えあっており，かつこれらのウェブの
一方と結合されている。案内リング９を有する部分室２
１に隣接している部分室２０及び２２の一方の部分室内
には，振動の緩衝のためにエラストマ材料から成る緩衝
リング１０があり，案内リング９と緩衝リング１０とは
一体の素材によって構成されている。図示の実施例にお
いては，緩衝リング１０は内輪２及び外輪７と接着結合
されている。すべての実施例において，案内リング９は
エラストマ材料から成っている。
【００２０】図１においては，緩衝リング１０は部分室
２０内に配置されており，内輪２の半径方向で内方の脚
部２３を外輪７の半径方向で内方のウェブ８に結合して
いる。この結合は例えば加硫によって行われる。内輪２
及び外輪７は，他のすべての実施例におけるように，金
属材料あるいはポリマ材料から成ることができる。第２
の部分室２１内に配置されている案内リング９は外輪７
の半径方向で内方のウェブ８に結合されている。内輪２
及び外輪７を互いに軸方向で支えるために，案内リング
９は大体においてＬ字形の断面形状を有していて，内輪
２のウェブ１９の端面２４をつかんでいる。この第１実
施例においては，ウェブ１９の内周面と案内リング９の
外周面との間で相対的な滑り運動が行われるようになっ
ている。案内リング９及び緩衝リング１０は，ウェブ８
を貫通している付加部１１によって，一体的に結合され
ている。
【００２１】図２においては，図１の“Ｘ”で示した部
分が拡大されて示されている。滑り面の範囲において，
案内リング９に，潤滑剤を満たされている潤滑剤ポケッ
ト１４が配置されており，これらの潤滑剤ポケット１４
はシールリップ２６によって取り囲まれている。付着磨
滅を減少させるこのような構成は図３〜図５の実施例に
おいても適用することができる。
【００２２】図３に示した実施例は図１に示した実施例
と大体において同じである。案内リング９及び緩衝リン
グ１０はやはり一体の素材によって構成されている。案
内リング９も，また緩衝リング１０も，外輪７のウェブ
８と，接着及び係合によって，結合されている。ウェブ
８は多数の半径方向の透孔を有しており，これらの透孔
は円周方向で分配されて配置されている。内輪２及び外
輪７を互いに軸方向で支えることは，この実施例では，
ウェブ８の端面１２がエラストマ材料によって取り囲ま
れていることによって，行われている。案内リング９は
内輪２のウェブ１９の側面４に相対回動可能に接触して
いる。外輪７はベルトプーリ１７として構成されてい
て，細歯付きベルト２５が巻き掛けられている。
【００２３】図４に示したカップリングは，大体におい
て図１のカップリングと同じである。第３の部分室２２
内に慣性リング１５が配置されており，この慣性リング
はエラストマ材料から成る緩衝層１６によって内輪２の
ウェブ１９に接着結合されている。この実施例では，案
内リング９はウェブ１９に相対回動可能に支えられてお
り，外輪７のウェブ８と係合によって結合されている。
その都度の用途に合わせて個々に調整し得るようにする
ために，緩衝層１６及び案内リング９は２部分から構成
されている。これによって，両者のために種々の材料を
使用することができる。
【００２４】図５に示した第４実施例は図４に示した実
施例と類似している。緩衝層１６，案内リング９及び緩
衝リング１０は一体の素材によって構成されていて，同
一の材料から成っている。
【００２５】内輪２と外輪７とを互いに軸方向で支える
ために，案内リング９はウェブ８の端面１２をつかん
で，内輪２の溝３の底面６に支えられている。
【図面の簡単な説明】
【図１】第１実施例の断面図である。
【図２】図１の一部分の拡大図である。
【図３】第２実施例の断面図である。
【図４】第３実施例の断面図である。
【図５】第４実施例の断面図である。
【符号の説明】
１ 軸線， ２ 内輪， ３ 溝， ４及び５ 側面，
６ 底面， ７ 外輪， ８ ウェブ， ９ 案内リ
ング， １０ 緩衝リング， １１ 付加部，１２ 端
面， １３ 支持リング， １４ 潤滑剤ポケット，
１５ 慣性リング， １６ 緩衝層， １７ ベルトプ
ーリ， １８ 溝， １９ ウェブ，２０・２１・２２
部分室， ２３ 脚部， ２４ 端面， ２５ 細歯
付きベルト， ２６ シールリップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ユルゲン アイヒホルン ドイツ連邦共和国 ヴァインハイム ケ トラーシュトラーセ 19 (56)参考文献 実公 平２−21616（ＪＰ，Ｙ２) ***国特許4018596（ＤＥ，Ｂ)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 １つの軸線を中心にして回転する機械部
    分のための回転弾性的なカップリングであって，軸方向
    で一方の側に向かって開いていて２つの側面と１つの底
    面とによって制限されている溝を有している内輪と，軸
    線に対して平行に延びるリング形のウェブを有している
    外輪とを備え，外輪のウェブは，内輪の溝内に受容され
    ていて，案内リングによって内輪の溝の一方の側面に相
    対回動可能に支えられているとともに，エラストマ材料
    から成る緩衝リングによって内輪の溝の他方の側面に結
    合されている形式のものにおいて，案内リング（９）及
    び緩衝リング（１０）が一体の素材によって構成されて
    いて，エラストマ材料から成っており，案内リング
    （９）及び緩衝リング（１０）が，外輪（７）のウェブ
    （８）を貫通している少なくとも１つの付加部（１１）
    によって互いに結合されていることを特徴とする，回転
    弾性的なカップリング。
  2. 【請求項２】 案内リング（９）及び緩衝リング（１
    ０）が，外輪（７）のウェブ（８）の端面（１２）をつ
    かむ支持リング（１３）によって互いに結合されてお
    り，支持リング（１３）が内輪（２）の溝（３）の底面
    （６）に接触して支えられていることを特徴とする，請
    求項１記載のカップリング。
  3. 【請求項３】 案内リング（９）が内輪（２）の溝
    （３）の一方の側面（４）に面した側に，円周方向で均
    一に分配され潤滑剤を満たされている潤滑剤ポケット
    （１４）を有していることを特徴とする，請求項１又は
    ２記載のカップリング。
JP6074705A 1993-04-17 1994-04-13 回転弾性的なカップリング Expired - Lifetime JP2648451B2 (ja)

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