JP2646620B2 - 中空ポリマー微粒子の製造法 - Google Patents

中空ポリマー微粒子の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、中空ポリマー微粒子の製造法に関する。更
に詳しくは、紙、繊維、皮革等のコーテイング剤、ある
いは各種の塗料などに使用しうる光散乱剤あるいは光散
乱助剤又はマイクロカプセルとして有用である内孔を有
する中空ポリマー微粒子の製造方法に関するものであ
る。
<従来の技術> 粒子内部に孔を有するポリマー粒子はその内孔に各種
の物質を含有させることによりマイクロカプセル粒子と
して、あるいはその内孔を中空にすることでたとえば光
散乱剤として利用される中空ポリマー粒子などの有機素
材として、利用されている。
従来、内孔を有するポリマー粒子の製造方法として
は、下記の方法が知られている。
(I)ポリマー粒子中に発泡剤を含有させ、のちにこの
発泡剤を発泡させる方法。
(II)ポリマーにブタン等の揮発性物質を封入し、のち
にこの揮発性物質をガス化膨潤させる方法。
(III)ポリマーを溶融させ、これに空気等の気体ジエ
ツトを吹付け、気泡を封入する方法。
(IV)ポリマー粒子の内部にアルカリ膨潤性の物質を浸
透させて、アルカリ膨潤性の物質を膨潤させる方法。
(V)w/o/w型モノマーエマルジヨンを作成し、重合を
行なう方法。
(VI)不飽和ポリエステル溶液中に顔料を懸濁させた懸
濁溶液中でモノマーを重合する方法。
(VII)架橋ポリマー粒子をシードとして、相溶性の異
なるポリマーをそのシード上に重合、架橋する二段階架
橋方法。
(VIII)ポリマーの重合収縮により製造する方法。
<発明が解決しようとする問題点> しかし、これらの製造方法では、製造条件のコントロ
ールあるいは所望の内孔を有するポリマー粒子を安定に
製造することが難かしかつた。又、従来の中空微粒子
は、塗膜形成物質に光散乱剤として添加した場合に、要
求される物性である隠ぺい性を有したが、光沢、塗膜強
度、弾性、接着性、耐水性、耐アルカリ性、耐候性等の
物性バランスが劣つていた。特に従来の内孔を有するポ
リマー粒子の製造方法では、ポリマー粒子中に内孔を発
現させるために、シエルのポリマーとしてガラス転移温
度の高いものを使用することが必要となるが、それによ
つて接着性の良好な内孔を有するポリマー粒子が得られ
ないという致命的な問題点を有していた。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決した中
空微粒子とその製造方法を提供するものである。
<問題を解決するための手段> 本発明は (A) 平均粒径が0.05〜15μmの範囲にある第1の中
空ポリマー微粒子、および (B) 重合性不飽和カルボン酸0.5〜80重量%と他の
共重合可能なモノマー20〜99.5重量%からなるモノマー
混合物を (C) 上記第1の中空ポリマー微粒子(A)とモノマ
ー混合物(B)の合計重量100重量部当り5重量部以下
の乳化剤及び/又は分散剤 の存在下、水性媒体中で重合に付し、該第1の中空ポリ
マー微粒子(A)の表面に該モノマー混合物(B)の重
合体被膜を生成せしめて平均粒径が0.1〜20μmの範囲
にある第2の中空ポリマー微粒子を形成することを特徴
とする中空ポリマー微粒子の製造法を提供するものであ
る。
以下本発明について詳細に説明する。
(I)本発明の(A)成分である平均粒子径が0.05〜15
μmの範囲にある第1の中空ポリマー微粒子について: (A)成分の中空微粒子は従来の技術の項で示した
(I)〜(VIII)の方法及びその方法により製造するこ
とができる。
第1の中空微粒子(A)の平均粒子径は0.05〜15μ
m、好ましくは0.15〜10μmである。平均粒子径が0.05
μm未満であると製造しにくく、又製造できたとして
も、中空を有さないポリマー粒子が少くとも一部生成さ
れ、それらが含有されるので好ましくない。一方、外径
が15μmを超えると粒子径分布がブロードになり、これ
を第1の中空微粒子(A)として用いて得られる第2の
中空微粒子は粒子径のそろつたものとして得られず好ま
しくない。
第1の中空微粒子(A)の外径に対する内径の比は好
ましくは0.15〜0.9倍である。0.15倍以上であると1段
と優れた本発明の目的とする物性の中空微粒子が得られ
るので好ましく、一方0.9倍を超えると、第1の中空微
粒子(A)の製造が困難になり、工業的生産としては、
好ましくない。
第1の中空微粒子(A)の好ましい製造方法は、特開
昭61−62510号及び特開昭61−66710号等で提案されてい
る従来の技術項で示した(VII)の方法及び特開昭61−8
7734号、特開昭61−86941号、特開昭62−127336号、特
開昭62−156387号等で提案されている従来の技術項で示
した(VIII)の方法である。これらの方法の第1の中空
微粒子(A)を用いて得られた第2の、中空微粒子は隠
ぺい性に優れる。特に好ましくは(VIII)の方法であ
り、この方法では中空微粒子の外径、内径のコントロー
ルが容易であり、その結果、得られた中空微粒子を第1
の中空微粒子(A)として用いて得られた第2の中空微
粒子は隠ぺい性、耐溶剤性、耐熱性に優れている。
(VIII)の方法の中で最も優れているのは特開昭62−
127336号の方法で得られる第1の中空微粒子(A)であ
り、この方法は、第1の中空微粒子(A)の重合に於け
る重合安定性及び生産性に於いて優れており、又、物性
上は隠ぺい性が優れている。
第1の中空微粒子(A)の好ましい構成組成について
以下に示す。
第1の中空ポリマー微粒子(A)としては該ポリマー
が (a)親水性の非架橋性モノマー20〜99重量%、架橋性
モノマー1〜80重量%及びこれらのモノマーと共重合可
能な他のモノマー0〜70重量%からなるモノマー成分の
共重合体、および (b)上記共重合体とは異なる重合体、 から成り、そして (c)上記重合体(a)100重量部に対し、上記重合体
(b)1〜100重量部の組成、 を有するものが好ましい。更に好ましくは(a)成分が
非架橋性モノマー40〜98重量%、架橋性モノマー2〜60
重量%、およびこれらと共重合可能な他のモノマー0〜
70重量%である。
(a)成分中の親水性の非架橋性モノマーの種類につ
いては、特に限定するものでないが、好ましくは不飽和
カルボン酸及び/又はそれ以外の親水性モノマーとから
なる。
(a)成分中の親水性の非架橋性モノマーの種類とし
て、更に好ましくは不飽和カルボン酸および/またはそ
れ以外の親水性モノマーからなり、特に好ましくは、そ
の組成割合は不飽和カルボン酸1〜70重量%とそれ以外
の親水性モノマー30〜99からなるものである。
第1の中空微粒子(A)の(a)成分として上記の好
ましい、更に好ましいと示したものを使用することで、
1段と優れた本発明の目的とする物性の中空微粒子を製
造することができる。
第1の中空微粒子(A)の上記(b)成分である重合
体(以下異種ポリマーという)は(a)成分で示された
モノマーから得られる共重合体とは異なるものであり、
かつ重合性モノマーに溶解もしくは膨潤しやすいもので
あることが必要である。
このような異種ポリマーとしては、具体的には、ポリ
スチレン、カルボキシ変性ポリスチレン、カルボキシ変
性スチレンブタジエンコポリマー、スチレンブタジエン
コポリマー、スチレンアクリルエステルコポリマー、ス
チレンメタクリルエステルコポリマー、アクリルエステ
ルコポリマー、メタクリルエステルコポリマー、カルボ
キシ変性スチレンアクリルエステルコポリマー、カルボ
キシ変性スチレンメタクリルエステルコポリマー、カル
ボキシ変性アクリルエステルコポリマー、カルボキシ変
性メタクリルエステルコポリマーなどが例示される。
これらのうち特にポリスチレン又はスチレン成分を50
重量%以上含むスチレンコポリマーが好ましい。
第1の中空微粒子(A)の(b)成分である上記異種
ポリマーの量は、(a)成分の共重合体100重量部に対
し、1〜100重量部、好ましくは2〜50重量部、更に好
ましくは5〜20重量部である。
第1の中空微粒子(A)は、上記のとおり、好ましく
は、 (a)親水性の非架橋性モノマー20〜99重量%、架橋性
モノマー1〜80重量%およびこれらのモノマーと共重合
可能な他のモノマー0〜70重量%からなるモノマー成分
を、 (b)上記モノマー成分から得られる共重合体と異なる
種となるポリマー微粒子、 の存在下、該モノマー成分100重量部当り該ポリマー微
粒子1〜100重量部の割合で存在せしめて、水性媒体中
で重合に付して平均粒径が0.05〜15μmの範囲にある第
1の中空ポリマー微粒子を形成せしめることによつて製
造される。
その際上記(b)成分の異種ポリマーの使用量は、
(a)成分のモノマー100重量部に対して、好ましくは
2〜50重量部、更に好ましくは5〜20重量部である。上
記いずれの方法においても、異種ポリマーの使用量が1
重量部未満であると内孔を形成する効果が小さく、異種
ポリマーが100重量部を超えるとかえつて、内孔の形成
が抑制される傾向を示すので好ましくない。
また、上記(a)成分の親水性の非架橋性モノマーと
しては例えばビニルピリジン、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、メチルアクリレート、
メチルメタクリレート、アクリロニトリル、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、N−メチロールメタクリルアミド、アクリル酸、メ
タクリル酸、イタコン酸、フマル酸、スチレンスルホン
酸ナトリウム、酢酸ビニル、ジメチルアミノエチルメタ
クリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルメタクリレートなどのビニル系モノマーを例示す
ることができる。
これらのうち、好ましく使用されるものはメタクリル
酸などの不飽和カルボン酸、メチルメタクリレート、ビ
ニルピリジン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
などである。これらの親水性の非架橋性モノマーは水に
対する溶解度が0.5重量%以上特に1重量%以上である
ことが好ましい。
また、上記(a)成分の架橋性モノマーとしては、例
えばジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリ
レート、1,3ブチレングリコールジメタクリレート、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタ
クリレートなどのジビニル系モノマーあるいはトリビニ
ル系モノマーを例示することができ、特にジビニルベン
ゼン、エチレングリコールジメタクリレートおよびトリ
メチロールプロパントリメタクリレートが好ましい。
さらに、上記(a)成分の共重合可能な他のモノマー
としてはラジカル重合性を有するものであれば特に制限
されず、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、ハロゲン化スチレンの如き芳香族ビニル
単量体、プロピオン酸ビニルの如きビニルエステル類、
エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレー
ト、ラウリルメタクリレートの如き、エチレン性不飽和
カルボン酸アルキルエステル、ブタジエン、イソプレン
の如き共役ジオレフインなどを例示することができ、特
にスチレン及びエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエ
ステルが好ましい。
(a)成分に於ける各モノマーの更に好ましい組成割
合は親水性の非架橋性モノマー40〜98重量%、架橋性モ
ノマー2〜60重量%、および他の共重合可能なモノマー
0〜70重量%である。
親水性モノマーの使用量が過小であると、異種ポリマ
ーの相分離が不十分であつたり、あるいは異種ポリマー
がポリマー粒子の表面に露出するなどして、内孔の形成
が不確実となる傾向を示すので好ましくない。架橋性モ
ノマーの使用量が過小であると、重合中の粒子の強度が
不十分となつて粒子全体が収縮してしまい、粒子内部の
重合収縮による歪が不足して内孔が形成されなくなつた
り、あるいは内孔を有するポリマー粒子が形成されたと
しても殻の強度が小さくなるなどの問題を生ずる。
一方、架橋性モノマーの使用量が過大であると、異種
ポリマーが、重合中に生成するポリマー粒子の外側に排
斥される傾向が生じ、その結果得られるポリマー粒子が
真球状とならず、凹凸のある塊状粒子となる問題を生ず
る。
第1の中空微粒子(A)の製造方法は、特開昭62−12
7336号の重合技術を用いて、上記したとおり(b)成分
の異種ポリマーの存在下に(a)成分のモノマーを重合
することにより得られる。
上記製造方法は、(b)成分の異種ポリマーとして微
粒子を用い、この微粒子(種ポリマー粒子)に(a)成
分のモノマー成分と必要に応じて油性物質とを吸収さ
せ、その後上記モノマー成分を重合させる(イ)の方法
あるいは、(b)成分の異種ポリマーを(a)成分のモ
ノマー成分と必要に応じて油性物質とに溶解させて油性
溶液を形成し、この油性溶液を水に微分散して水中油滴
型エマルジヨンを生成し、その後上記モノマー成分を重
合させる(ロ)の方法によつて、実施できる。上記に於
いて異種ポリマーとともに油性物質を存在させることに
より、ポリマー粒子の内孔の径をコントロールすること
が容易になる。
異種ポリマーを上記(イ)の方法によつて粒子状態で
用いる場合には、これが種(シード)ポリマー粒子とし
て機能し、これに重合性モノマーおよび油性物質が吸収
されることから、当該異種ポリマーは重合性モノマーお
よび油性物質の吸収性が良好であることが好ましい。そ
のためには、異種ポリマーは分子量が小さいものである
ことが好ましく、たとえば、その数平均分子量が20,000
以下、好ましくは10,000以下、さらに好ましくは700〜
7,000である。なお、ここにおける数平均分子量は、異
種ポリマーをその良溶媒に溶かし、得られた溶液をゲル
パーミエーシヨンクロマトグラフイー(GPC)、浸透圧
分子量測定装置、蒸気圧低下法分子量測定装置などの通
常の方法で測定して得られるものである。
異種ポリマーの数平均分子量が20,000より大きいと、
種ポリマー粒子に吸収されないモノマーが多くなり、こ
れが水性分散体中において種ポリマー粒子と別個に重合
し、その結果内孔を有するポリマー粒子とならない微粒
子が多量に生成するだけでなく、重合系が不安定となる
問題が生ずる。
また、種ポリマー粒子として用いられる異種ポリマー
の粒子径は、目的とする内孔を有するポリマー粒子の外
径の0.3〜0.8倍であることが好ましい。
このような種ポリマー粒子として用いられる異種ポリ
マーを製造する方法は特に制限されないが、たとえば連
鎖移動剤を比較的多量に使用した乳化重合あるいは懸濁
重合などの製造方法を用いることができる。
なお、異種ポリマーを種ポリマー粒子として用いる場
合には、この種ポリマー粒子にあらかじめ水に対する溶
解度が10-3重量%以下の高親油性物質を吸収させておく
ことにより、種ポリマー粒子に対する重合性モノマーお
よび油性物質の吸収能力を増大することができる。
このように種ポリマー粒子な高親油性物質を吸収させ
る手段を用いる場合には、異種ポリマーの数平均分子量
は20,000を超えてもよい。
上記高親油性物質としては、1−クロルドデカン、オ
クタノイルペルオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノ
イルペルオキシドなどを例示することができる。
これらの高親油性の物質を種ポリマー粒子に吸収させ
るには、当該高親油性物質を微分散させた水性分散体を
調製し、この分散体と種ポリマー粒子の水性分散体とを
混合して前記高親油性物質と種ポリマー粒子とを接触さ
せるとよい。
種ポリマー粒子を用いた場合に得られる内孔を有する
ポリマー粒子の粒子径は、種ポリマー粒子が重合性モノ
マーおよび油性物質を吸収して肥大化した粒子の粒子径
とおおよそ一致する。このため、種ポリマー粒子の粒子
径、重合性モノマーおよび油性物質に対する種ポリマー
粒子の相対的使用量などを調整することにより、生成す
る内孔を有するポリマー粒子の粒子径をコントロールす
ることができる。
具体的には、内孔を有するポリマー粒子の製造におい
て、白色度および隠ペイ力の優れた0.1〜0.6μmの粒子
径の中空ポリマー粒子を得るためには、種ポリマー粒子
として0.06〜0.40μmの粒子径のものを用いればよい。
また、種ポリマー粒子を用いることは、粒子径が1μ
m以下の小粒径の内孔を有するポリマー粒子を製造する
場合に、小粒径のモノマー液滴を容易にそして安定に形
成できる点で特に好ましい。
異種ポリマーを前記(ロ)の方法で使用する場合に
は、異種ポリマーの分子量は特に制限されず、数平均分
子量が20,000以上のものを好ましく使用することができ
る。
この製造方法においては、必要に応じて油性物質を用
いることができる。かかる油性物質としては、水に対す
る溶解度が0.2重量%以下の親油性のものであれば特に
制限されず、植物油、動物油、鉱物油、合成油いずれも
使用することができる。
この製造方法においては、油性物質を用いなくとも内
孔を有するポリマー粒子を得ることができるが、油性物
質を用いそしてその使用量などを調節することにより内
孔の径を確実にコントロールすることができる。
前記油性物質としては、例えばラード油、オリーブ
油、ヤシ油、ヒマシ油、綿実油、灯油、ベンゼン、トル
エン、キシレン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロ
ヘキサン、二硫化炭素、四塩化炭素などを例示すること
ができる。
また、油性物質としては、さらにオイゲノール、ゲラ
ニオール、シクラメンアルデヒド、シトロネラール、ジ
オクチルフタレート、ジブチルフタレートなどの高沸点
油も用いることができる。これらの高沸点油を用いる
と、コア中に香料、可塑剤などが含まれたカプセル状ポ
リマー粒子が得られる。
油性物質の使用量は、通常、モノマー全成分100重量
部に対して0〜1,000重量部、好ましくは0〜300重量部
である。なお、架橋性モノマー材料として供給されるも
ののなかに通常含有される不活性溶剤類も、ここにおけ
る油性物質として算入することができる。上記油性物質
の使用量が過大であると相対的にモノマー成分が不足し
てポリマーの外殻の膜厚が薄くなり、カプセルの強度が
不十分となつて圧潰されやすいという問題を生ずる。
また、前記油性物質の概念には、既に述べた重合性モ
ノマーを含むことができる。この場合には、重合工程に
おいて、生成するポリマー粒子の内部に重合性モノマー
が残つた状態で重合を停止させることにより、この残余
のモノマーを油性物質として代用することができる。こ
の場合、重合収率は97%以下、好ましくは95%以下に留
める必要がある。このためには、少量の重合抑制剤を加
えて重合する方法、重合途中で反応系の温度を下げる方
法、あるいは重合途中で重合停止剤を加えて重合を停止
させる方法などを採用することができる。
また、この製造方法においては、油性物質を含むカプ
セル状ポリマー粒子あるいは上述のように油性物質を水
と置換して得られる含水中空ポリマー粒子を水性分散体
より分離して乾燥処理することにより、内部に空間を有
する中空ポリマー粒子が得られる。
上記した重合技術を用いて得られる(A)成分の中空
微粒子は次の長所を有している。
(i)製造工程が簡単でありかつ生産性に優れる。
(ii)製造コントロールが容易であり、目的とする外
径、内径の中空微粒子が得られる。
(iii)中空微粒子の水性分散体のpHは自由に選択でき
るので該中空微粒子の表面に形成させる重合体のモノマ
ーに制限なく使用できる。
(iv)この中空微粒子を本発明の第1の中空微粒子
(A)として用いて、得られた第2の中空微粒子は一段
と優れた隠ぺい性、光沢、接着性、塗膜、強度を示す。
本発明の(B)成分について: (B)成分の重合性の不飽和カルボン酸としては、例
えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸、フマール酸、イタコン酸等のモノまたはジカルボン
酸、ジカルボン酸の酸無水物、ジカルボン酸のモノアル
キルエステル、ジカルボン酸のモノアミド等を好ましい
ものとして挙げられる。この中でより好ましくはアクリ
ル酸、メタクリル酸およびイタコン酸である。上記以外
の不飽和カルボン酸としては、カルボキシル基1個あた
りの不飽和カルボン酸モノマーの分子量が100以上の不
飽和カルボン酸も使用することができる。これらの例を
一般式にて以下に示す、この不飽和カルボン酸を使用す
ると第2の中空微粒子の強度接着性が一段と改良され
る。
(ここでR1、R2、R3はHまたは炭素数1〜20のアルキル
基である) (ここでXは のごとき芳香族または環状アルキル基であり、YはHま
たはCH3である) (上記2つの式において、R4、R5、R6はHまたは炭素数
1〜12のアルキル基であり、EOはエチレンオキサイド基
であり、POはプロピレンオキサイド基である) (上記2つの式において、R7、R8はHまたは炭素数1〜
20のアルキル基である) これら、高級カルボン酸モノマーの中では、下記式 が好ましい。
(B)成分の他の共重合可能な単量体としては、例え
ば芳香族ビニル化合物、ビニルシアン化合物、アクリル
酸又はメタクリル酸のエステル脂肪族共役ジエン、有機
酸ビニル化合物、α−オレフイン類、ビニルエーテル
類、ハロゲン化ビニリデン類、ヒドロキシル基含有モノ
マー、アミノ基含有モノマー、グリシジル基含有モノマ
ー、アミド系モノマーおよび架橋性モノマー等が好まし
く用いられる。
芳香族ビニル化合物としては例えばスチレン、α−メ
チルスチレン、メチルスチレン、p−メチルスチレン、
ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレ
ン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロ
スチレン、p−ターシヤリーブチルスチレン、エチルス
チレン、ビニルナフタレン等が好ましく、特に好ましく
は、スチレン、α−メチルスチレンである。
ビニルシアン化合物としては例えばアクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等が好ましく、より好ましく
は、アクリロニトリルである。
アクリル酸又はメタクリル酸のエステル化合物として
は、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、
プロピレンアクリレート、ブチルアクリレート、アミル
アクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキ
シルアクチレート、ドデシルアクリレート、オクタデシ
ルアクリレート、フエニルアクリレート、ベンジルアク
リレート等のアクリル酸のアルキルエステル;メチルメ
タクリレート、エチレメタクリレート、プロピレンメタ
クリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレ
ート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシ
ルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデ
シルメタクリレート、フエニルメタクリレート、ベンジ
ルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステルを
好ましいものとして挙げられる。このうち、メチルメタ
クリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレートが好ましい。
脂肪族共役ジエンとしては、例えば1,3−ブタジエ
ン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,
3−ブタジエン、2−ネオペンチル−1,3−ブタジエン、
2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−シアノ−1,3−ブタ
ジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、直鎖および側鎖
共役ヘキサジエンなどが好ましい。これらのうち1,3−
ブタジエンの使用が特に好ましい。
有機酸ビニル化合物としては例えば酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、などが好まし
い。
その他、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、4
−メチルペンテン−1などのα−オレフイン類;ビニル
メチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブ
チルエーテル、ビニルフエニルエーテルなどのビニルエ
ーテル類;塩化ビニリデン、フツ化ビニリデンなどのハ
ロゲン化ビニリデン類;ビニルメチルケトン、ビニルピ
リジン、イソブチレン、1,1−塩化フツ化エチレン、塩
化ビニル等も(B)成分の他の共重合可能な単量体とし
て用いられる。
ヒドロキシル基含有モノマーとしては、例えばアクリ
ル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキ
シエチル、n−ヒドロキシエチルアクリルアミド、1−
ヒドロキシプロピル−アクリレート又はメタクリレー
ト、ヒドロキシエチル−アクリレート又はメタクリレー
ト等を好ましいものとして挙げることができる。
グリシジル基含有モノマーとしては、例えばアクリル
酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、ビニルグリシ
ジルエーテル等を好ましいものとして挙げることができ
る。
アミノ基含有モノマーとしては、例えばアミノ基含有
アクリレート又はメタクリレート、β−アミノエチルビ
ニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル等
を好ましいものとして挙げることができる。
アミノ基含有アクリレート又はメタクリレートとして
は、 下記式(I) 式中、RはHまたはCH2であり、R1及びR2は炭素数1
〜8好ましくは炭素数1〜3の炭化水素基であり、Xは
炭素数2〜4のアルキレン基である、 で表わされるものが好ましい。
一般式(I)のアクリレートとしては、具体的にはジ
メチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレー
ト、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、ジプロピ
ルアミノエチルメタアクリレート、メチルエチルアミノ
エチルメタアクリレート、ジブチルアミノエチルメタア
クリレート、ジブチルアミノプロピルメタアクリレー
ト、ジエチルアミノブチルメタアクリレート、ジヘキシ
ルアミノエチルメタアクリレート、ジオクチルアミノエ
チルメタアクリレートなどが挙げられる。
これらのうち好ましいものとしてはジメチルアミノエ
チルメタアクリレート、ジエチルアミノエチルメタアク
リレート、ジプロピルアミノエチルメタアクリレート、
メチルエチルアミノエチルメタアクリレートなどがあげ
られる。
アミド系モノマーとしては、例えばアクリルアミド、
メタクリルアミド、n−メチロールメタクリルアミド、
ジアセトンアクリルアミド、エタクリルアミド、クロト
ンアミド、イタコンアミド、メチルイタコンアミド、マ
レイン酸モノアミド、メチレンジアクリルアミドなどが
挙げられる。アクリルアミド、メタアクリルアミドが特
に好ましい。
架橋性モノマーとしては、例えばジビニルベンゼン、
エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレン
グリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート、アリルメタクリレートなどのジビ
ニル系モノマーあるいはトリビニル系モノマーを例示す
ることができる。特にジビニルベンゼン、エチレングリ
コールジメタクリレートおよびトリメチロールプロパン
トリメタクリレートが好ましい。
(B)成分の重合性不飽和カルボン酸対上記の如き他
の共重合可能なモノマーの組成比は0.5〜80重量%対20
〜99.5重量%であり、好ましくは0.5〜50重量%対50〜9
9.5重量%であり、更に好ましくは1〜35重量%対65〜9
9重量%である。
不飽和カルボン酸が80重量%を越えると、重合安定性
及び得られた水性分散体の流動性が悪く、取扱時の支障
となる。又、中空微粒子の隠ぺい性、接着性、耐水性、
耐アルカリ性の物性も劣る。
また、上記架橋性モノマーは(B)成分100重量部に
対して0.5〜20重量%、好ましくは1〜5重量%の範囲
で使用すると第2の中空微粒子の隠ぺい性、耐溶剤性、
耐水性強度のバランスが1段と改良される。
本発明の(C)工程について: 本発明の(C)工程は第1の中空微粒子(A)とモノ
マー混合物(B)の合計重量100重量部当り5重量部以
下の乳化剤及び/又は分散剤の存在下、水媒体中で重合
することで、該第1の中空ポリマー微粒子(A)の表面
にモノマー混合物(B)の重合体被膜を生成せしめて平
均粒子径が0.1〜20μmの範囲にある第2の中空ポリマ
ー微粒子を形成する工程である。
上記製造方法に於いて、モノマー混合物(B)として
重合性不飽和カルボン酸を含有する単量体混合物である
ときは、重合時のpHは7以下であることが特に好まし
い。
重合工程に於いて、モノマー混合物(B)の添加方法
は、第1の中空ポリマー微粒子(A)とモノマー混合物
(B)を撹拌混合し重合させる方法、モノマー混合物
(B)を第1の中空ポリマー微粒子(A)の存在する重
合系へ連続的あるいは分割的に供給し重合を行なわせる
インクレメント重合法などがある。効率的に内孔を有す
るポリマー粒子表面に重合性モノマーを共重合させるに
は、インクレメント重合法が、安定に重合するためにも
好ましい。
中空微粒子の重合に際しては、アニオン型、ノニオン
型、カチオン型、両性型などの乳化剤、および/または
分酸剤(懸濁保護剤)を使用する。これらは1種もしく
は2種以上併用することができる。
乳化剤としては、例えばロジン酸カリウム、ロジン酸
ナトリウム等のロジン酸塩;オレイン酸カリウム、ラウ
リン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸
ナトリウム、ステアリン酸カリウム等の脂肪酸のナトリ
ウム、カリウム塩及びラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪
族アルコールの硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム等のアルキルアリルスルホン酸塩、ジ
アルキルスルホコハク酸ナトリウム、ナフタレンスルホ
ン酸のホルマリン縮合物塩などのアニオン型乳化剤;ポ
リエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキル
エーテル型、アルキルフエニルエーテル型などの非イオ
ン型乳化剤が好ましい。中でも、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチ
ルスルホコハク酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸の
ホルマリン縮合物塩、ポリエチレングリコールのアルキ
リフエニルエーテル型が、好ましい。
カチオン型乳化剤としては、第4級アンモニウム塩型
などがあるが、水性分散体をカチオン型とする場合に、
単独又は、ノニオンと併用して使用される。
また分散剤としては、例えばポリアクリル酸、ポリメ
タクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール
などの親水性合成高分子物質;ゼラチン、水溶性澱粉な
どの天然親水性高分子物質;カルボキシメチルセルロー
スなどの親水性半合成高分子物質などを挙げることがで
きる。
乳化剤及び/又は分散剤の使用量は5重量部以下、好
ましくは2重量部以下、更に好ましくは1重量部以下で
ある。5重量部を超えると重合中の新粒子発生により、
本発明の第2の中空微粒子の生産効率が低下し、更に隠
ぺい性、光沢が低下するので好ましくない。
重合開始剤としては、例えばクメンハイドロパーオキ
サイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド、パラメンタンハイドロパーオキサイド等で代表され
る有機ハイドロパーオキサイド類と含糖ピロリン酸処
方、スルホキシレート処方、含糖ピロリン酸処方/スル
ホキシレート処方の混合系処方等で代表される還元剤と
の組合わせによるレドツクス系の開始剤;更に過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;アゾビスイ
ソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイド等を使用するこができる。
好ましくは、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等
の過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイル
パーオキサイドに、必要に応じて還元剤を組合わせたも
のである。特に好ましくは過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウム等の過硫酸塩である。これらの重合開始剤は第
1の中空微粒子表面にラジカルが集中しやすいため
(B)成分による被膜の生成が効率良く行なわれる。重
合開始剤量は第1の中空微粒子(A)とモノマー混合物
(B)の合計量に対して、好ましくは0.05〜2重量部、
更に好ましくは0.05〜0.8重量部である。この範囲で使
用すると耐水性、耐アルカリ性に優れた第2の中空ポリ
マー微粒子が得られる。
重合温度としては、通常5〜95℃が良好であり、特に
50〜90℃が好ましい。
その他必要に応じて連鎖移動剤を併用することができ
る。
連鎖移動剤としては、例えばt−ドデシルメルカプタ
ン、オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプ
タン、オクチルメルカプタン、t−ヘキシルメルカプタ
ンなどのメルカプタン類、四塩化炭素、臭化エチレンな
どのハロゲン系化合物を挙げることができる。
本発明の乳化重合においては、重合系のpHにより、重
合安定性および第2の中空微粒子の粒子径分布、内径/
外径比が少なからず左右される。pH7以下の場合は、上
記項目について良好であり、目的とする第2の中空微粒
子が得られる。pHが7を越える場合では、モノマー混合
物(B)に重合性不飽和カルボン酸を含まない時は上記
項目について、同様に問題なく良好であるが、重合性不
飽和カルボン酸を含む場合は、重合安定性が低下する傾
向が見られ好ましくない。
第1の中空微粒子(A)として前述の特開昭62−1273
36で得られた中空微粒子の水分散体を使用すると、その
pHが7以下である為、該中空微粒子の表面に形成させる
重合体のモノマーを制限なく使用でき、極めて好まし
い。
一方、アルカリ中和膨潤により、内孔を生じさせて中
空微粒子を製造する方法で得られた水分散体のpHは当然
ながら7を越えるから、特にモノマー混合物(B)に重
合性不飽和カルボン酸が含まれる場合には該水分散体の
使用は好ましくない。又、このもののpHを下げるべく、
炭酸水素ナトリウムのようなバツフアーあるいは酸を添
加すると、重合安定性の不良を招く為、やはり、第1の
中空微粒子としてアルカリ中和膨潤で製造した粒子を用
いるのは好ましくない。
以上のようにして得られた本発明の水分散体(C)
は、外径が0.1〜20μm、内径が外径の0.1〜0.85倍であ
ることが好ましい。外径が0.1μm未満のものは、光散
乱助剤として用いた時の隠ぺい性が劣り、20μmを越え
るものは、重合安定性が悪く、又、重合中新粒子が発生
し、目的とする隠ぺい性、と光沢をはじめとする各種の
物性のバランスがとれない。
又、内径が外径の0.1倍未満である場合は、隠ぺい性
がかなり劣り好ましくなく、0.85倍を越えるものは隠ぺ
い性と接着性、光沢、強度のバランスが劣り、好ましく
ない。
本発明の水性分散体(C)の固形分としては制限はな
いが各用途の配合物の固形分から見て、通常10〜65%で
あることが好ましい。
尚、本発明の水性分散体のポリマー粒子が、孔を有し
ているかどうかは、簡単に確認できる。透過型電子顕微
鏡で、一般的には、確認できるし、比重を測定すること
によつても確認できる。
本発明で得られた水性分散体を乾燥することによつて
粉末化することができる。粉末化は、一般に行なわれて
いる水性分散体の粉末化法で粉末化でき、例えば130〜1
60℃における噴霧乾燥、熱風雰囲気中で例えば、50〜70
℃でのトレイ乾燥などである。乾燥前の水性分散体の固
形分は、20%以上が好ましい。得られた本発明水性分散
体の粉末の粒子径は、使用した水性分散体の粒子径とほ
ぼ同等である。
このようにして得られた粉末は、このものが有機溶媒
に不溶である場合は、有機溶媒系塗料にも使用すること
ができる。
上記、本発明の水性分散体及びその粒子は、隠ぺい性
と、光沢、接着性、耐水性、耐溶媒性、耐熱性、等の諸
物性とのバランスに優れたプラスチツクピグメント(有
機性樹脂顔料)に有用であり、塗料、紙用被覆剤、イン
キ、接着剤、粘着剤、プライマー剤、皮革処理剤などに
応用できる。又、内包性を利用し、ポリマー粒子の内孔
に香料、医薬、農薬、染料、洗剤、油脂、食品、酵素、
液晶、防錆剤、触媒、難燃剤、老化防止剤、接着剤など
を用途に応じてその有効成分を浸漬処理、減圧、加圧浸
漬処理等の手段により封入でき、内部に含まれた有用成
分に応じて各種用途に利用することができる。
[実施例] 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
これにより本発明が制限されるものではない。なお、以
下の記載において「%」及び「部」は、重量%及び重量
部を表わす。
第1の中空微粒子(A)の製造: (1)A−1の製造 異種ポリマー(b)の製造 (b−1) スチレン80部、メタクリル酸メチル17部、メタクリル
酸3部及びt−ドデシルメルカプタン7部を、水200部
にラウリル硫酸ナトリウム0.5部及び過硫酸カリウム1.0
部を溶かした水溶液に入れ、撹拌しながら70℃で4時間
重合してポリマー粒子を得た。このポリマー粒子は平均
粒子径0.2μm、GPCによるポリスチレン換算の数平均分
子量6,000であつた。これをb−1とする。
第1の中空微粒子(A)の製造(A−1) 次にこのポリマー粒子分散体(b−1)を種ポリマー
粒子として用い、このポリマー粒子を固形分で10部、ポ
リオキシエチレンノニルフエニルエーテル0.1部、ラウ
リル硫酸ナトリウム0.3部及び過硫酸カリウム0.5部と水
390部を反応容器に仕込んだ。これにメタクリル酸メチ
ル75部、ジビニルベンゼン(純品換算)20部及びアクリ
ル酸5部の混合物を加えて30℃で1時間撹拌したとこ
ろ、上記物質は種ポリマー粒子にほぼ完全に吸収され
た。これを70℃で5時間撹拌しながら重合したところ、
重合収率99%で水を粒子内部に含むカプセル粒子の分散
液が得られた。この分散液を乾燥し、透過型電子顕微鏡
で観察したところ、このポリマー粒子は、中央部が透け
ている完全な球形の中空ポリマー粒子であつた。この中
空粒子は外径が0.4μm、内径が0.3μmであつた。これ
をA−1とした。
このようにして得た第1の中空微粒子(A)を以後に
述べる本発明の中空微粒子製造におけるシードとして用
いた。
(2) A−2〜6、8、9、11、13及びb−2〜7の
製造: 異種ポリマー粒子b−1及び中空微粒子A−1製造方
法中のモノマー、異種ポリマー使用量などを第一表に示
したものにかえたほかは、b−1及びA−1と同様な方
法で重合を行ない、A−2〜6、8、9、11、13および
異種ポリマーb−2〜7を得た。
ただし、A−5、6、は、それぞれの異種ポリマーb
−2(10部)に前者はトルエン10部、後者はジブチルフ
タレート15部吸収させたのちに重合したものである。重
合条件と結果は第一表に示した。
(3) A−7の製造 モノマー成分: 4−ビニルピリジン ;50部 ジビニルベンゼン ; 2部 スチレン ;28部 ブチルアクリレート ;20部 芯材の油性物質: トルエン ;10部 重合開始剤: 3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド 2部 [パーロイル355、日本油脂(株)社製] 以上の物質を混合して油性溶液を調製した。ついでこ
の油性溶液を、ポリビニルアルコール(ゴーセノールGH
20、日本合成化学(株)製)10部を溶解した水350部に
加え、この系を直径5cmのプロペラ型撹拌翼を用いて回
転数5,000r.p.m.で15分間撹拌することによつて、前記
油性溶液をその油滴の径が5〜15μmとなるよう水中に
分散させた。このようにして得られた懸濁液を容量2
の反応容器に入れ、窒素雰囲気下において回転数120r.
p.m.で懸濁液を撹拌しながら、温度70℃で15時間にわた
り重合を行ない、ポリマー粒子を製造した。この反応に
おける重合収率は98%であつた。
得られたポリマー粒子を光学顕微鏡によつて観察した
ところ、中空ポリマー粒子であつた。この中空粒子は、
外径13μm、内径は9μmであつた。これをA−7とし
た。
(4) A−10、12の製造 A−7の製造方法のモノマー組成及び油性物質トルエ
ンの使用量を第一表に示したものにかえたほかはA−7
と同様な方法で重合を行ないA−10、12を得た。
第2の中空微粒子(本発明の中空微粒子)の製造: 実施例1 前記の方法で準備された中空粒子水性分散体A−1を
シード粒子に使用し、固形分で20部、水127部、過硫酸
カリウム0.7部を2の反応容器に入れ、窒素雰囲気下
で温度を85℃に上昇させ、次のモノマーエマルジヨンを
3時間にわたり連続滴下した。
モノマーエマルジヨン: 水 40 部、 アクリル酸ブチル 5 部、 メタクリル酸メチル 89 部、 メタクリル酸 5 部、 N−メチロールメタクリルアミド 1 部および ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.3部 滴下終了後2時間その温度を保ち、その後冷却した。
得られた分散体には凝固物はなかつた。分散体の粒子径
をナノサイザー(コールター社、N−4モデル)で測定
した所、0.63μmであつた。得られた分散体を乾燥し、
透過型電子顕微鏡で観察した所、第1の中空微粒子表面
にポリマー層がコートされていた。この中空粒子は外径
が0.63μm、内径が0.3μmであつた。又新粒子の発生
はなく、すべての粒子が中空を有していた。製造条件と
結果を第二表に示す。
実施例2、3、6、9、比較例1〜5 実施例1において、一部の条件を第二表の実施例2、
3、6、9及び比較例1〜5の欄に記載の条件に変えた
ほかは、実施例1と全く同様に重合した。
実施例4 100のステンレス製耐圧容器に水150部、過硫酸カリ
ウム1.0部、亜硫酸水素ナトリウム0.4部、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、ポリオキシエチレン
ノニルフエニルエーテル(EO=30モル)0.1部、及びシ
ード粒子として前記A−3を固形分換算で40部を仕込
み、撹拌しながら窒素雰囲気下、70℃に昇温し、以下の
モノマー混合物を12時間わたり連続的に滴下した。
モノマー混合物; スチレン 50部、 1,3−ブタジエン 40部、 メタクリル酸 5部及び アクリエステルHH 5部 さらにモノマー添加終了後5時間80℃において熟成を
行ない、その後冷却した。得られた分散体には凝固物は
なかつた。分散体の粒子径は0.55μm、乾燥後のポリマ
ー粒子の外径は0.54μm、内径0.3μmの中空粒子であ
り、新粒子の発生はなかつた。
実施例5、7および8 実施例4において、一部の条件を第二表の実施例5、
7、8の欄に記載の条件に変えたほかは、実施例4と全
く同様に重合した。
実施例10 中空粒子水性分散体A−1をシード粒子に使用し、固
形分で500部、水1400部、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム0.7部、ポリオキシエチレンノニルフエニル
エーテル(EO=30モル)0.1部を2の反応容器に入れ
た。これにアクリル酸−n−ブチル5部、メタクリル酸
メチル89部、メタクリル酸6部の混合物を加えて、40℃
で1時間撹拌し、上記モノマー混合物をシード中空ポリ
マー粒子にほぼ完全に吸収させた。これにベンゾイルパ
ーオキサイド1.0部、亜硫酸水素ナトリウム0.5部、を添
加し、70℃に昇温し、5時間重合し、その後冷却した。
得られた分散体には凝固物はなく、乾燥後のポリマー粒
子の外形は0.41μm、内径は0.3μmの中空粒子であ
り、新粒子の発生はなかつた。
比較例6および7 実施例1の第1の中空微粒子分散体のかわりに下記に
示す通常のポリマー粒子分散体を使用したものであり、
得られたポリマー粒子の粒子径は、0.64μmで内孔はな
かつた。これを比較例6とする。
シードのポリマー粒子分散体C−1; 通常の乳化重合で製造された水性分散体。
粒子径0.4μm、pH7.2、固形分40%。
組成は、アクリル酸ブチル/メタクリル酸メチル/ス
チレン/アクリル酸=45/10/42/3で、内孔は存在しな
い。
上記方法のシードのポリマー粒子の種類及び使用量を
第二表と下記のものにかえたものを比較例7とした。
シードのポリマー粒子分散体C−2; 通常の懸濁重合で製造された水性分散体。
粒子径4μm、pH7.8固形分45%。
組成はアクリル酸エチル/スチレン/アクリル酸=20
/79/1で、内孔は存在しない。
比較例8、9および10 前記A−1の中空微粒子および市販のポリマー微粒子
(Rohm.& Haas社製OP−84(D−1)および旭化成社プ
ラスチツクピグメントAK8801(D−2)をそれぞれ単味
で使用した例をそれぞれ比較例8、9及び10とした。
[応用例] 実施例1〜10、比較例1〜10の各水性分散体を固形分
で60部、ルチル型二酸化チタンの71%水分散体を固形分
で40部、バインダーとしてアクリル系共重合エマルジヨ
ン(日本合成ゴム(株)製、JSRAE315)を固形分で150
部、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイ
ソブチレート(テキサノールCS−12チツソ(株)製)7
部、エチレングリコール3部、β−ナフタレンスルホン
酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩2部、ヒドロキシエ
チルセルロース1.5部、水150部からなる配合物を配合
し、粘度が一定になるまで撹拌した。このようにして各
塗料配合物を作製した。
上記各種塗料をモレスト隠幣カチヤート上およびガラ
ス板上に塗布し、同一の厚さの塗膜となし3日間風乾し
た。第二表にこれらの塗膜の物理学的な性質を示した。
尚、試験条件は以下の通り。
(試験条件) (I)隠ぺい率; 隠ぺい率試験紙(日本テストパネル工業(株)製)に
6ミルアリケーターにて塗布し、20℃、60%RH中にて5
日乾燥後村上式光沢計にて45゜/0゜の光沢を試験上の黒
白部について測定しそれらの比率より下式を用いて算出
した。(JIS K−5400) (2)光沢(ガラス板); 作成した塗料を1日放置後、ガラス板に3ミルアプリ
ケーターにて塗布し20℃、60%RH中にて5日乾燥後、村
上式光沢計にて測定した。
(3)耐水性; (2)にて作成したガラス板塗膜を1日乾燥後、室温
で水に14日間浸漬し、目視で判定した。
(4)付着性;(密着性) 作成した塗料をフレキシブル板へ刷毛にて2回塗り
(200g/m2)を行ない、5日間乾燥後、カミソリで2mm角
のゴバン目を作り、セロハンテープで剥離テストを行な
つた。(JISA−6910) (5)フイルム強度; 5日間乾燥した0.5mmの塗膜をダンベル2号で打ち抜
き、オートグラフで評価した。(20℃、60%RH) 実施例1〜10までは、優れた隠ぺい性、光沢、密着
性、耐水性、強度を示す。例えば中空でないポリマー粒
子を使用し重合した比較例、6、7に比較し、比較にな
らない程の優れた隠ぺい性、光沢を示し、又、プラスチ
ツクピグメント、市販の中空微粒子(D−1)、試作の
中空微粒子(第1の中空微粒子(A−1))単味のもの
を比較しても、比較例8〜10によつて明らかなように、
かなり優れた隠ぺい性、光沢、密着性、耐水性を示し
た。
特に実施例1〜5、および7〜10の中空微粒子は隠ぺ
い性、光沢、耐水性等が一段と優れ、特に好ましいもの
であり、特筆すべきものである。
比較例1は、単量体混合物(B)中のカルボン酸モノ
マー量が80重量部を越える量を使用しており、特に重合
安定性が悪く、新粒子の発生がある隠ぺい性、光沢、耐
水性、密着性、フイルム強度が著しく劣る。
比較例2、3は、得られた水性分散体の粒子径が0.1
〜20μmをはずれる例であり、隠ぺい性、光沢、付着性
が著しく劣り、重合安定性も悪く、新粒子も発生し、好
ましくない。
比較例4は、重合時の乳化剤及び/又は分散剤を、第
1の中空微粒子(A)と単量体混合物(B)の合計重量
100重量部あたり5重量部を越える量を使用した例であ
り、内孔を有さない新粒子が多くでき、従つて隠ぺい
性、光沢、が極めて劣り好ましくない。比較例5は、得
られた中空微粒子の粒子計が大きい例であり、重合安定
性、重合中の新粒子が発生し、目的とする隠ぺい性、光
沢をはじめとする各種の物性が劣る。
本発明方法で得られた中空微粒子は水性分散体の形と
なつており、このままでも使用できるし、又、乾燥し、
粉体としても使用できる。特に溶剤系塗料等の場合は、
粉体の方が好ましく、以下の方法で得られる。
(乾燥方法) 前記実施例1の水性分散体(固形分42%)5kgを噴霧
乾燥装置(小型研究開発用モービル・マイナー型、アン
ザワニロアトマイザー(株)社製)を用いて、入口温度
130〜180℃、滴下速度1.5kg/hrで粉末2.1kgを約3.5時間
で得た。
実施例3及び5についても同様の方法で粉末化を実施
した結果を第三表に示す。
<発明の効果> 本発明によれば、中空微粒子を水性媒体中において重
合を行なう簡易なプロセスによつて、重合して安定性良
く、かつ工業的に製造でき、今まで不可能であつた隠ぺ
い性、光沢、密着性、塗膜強度を飛躍的に向上させる中
空微粒子の製造方法が提供される。
本発明の中空微粒子は、前記した特異な光学性能を持
ち、隠ぺい性、光沢、密着性、塗膜強度が優れているこ
とにより、主に、高隠ぺい性、軽量、等を利用して、ピ
グメント等として用いられる。例えば塗料、紙塗工用、
インキ、カーペツト用、紙用内添剤などに広く利用で
き、通常の中空粒子では発現しえなかつた前記の特徴に
よつて、有用なものである。
又、カプセル機能の特徴を生かし、内部に溶剤、可塑
剤、香料、インク、農薬、医薬等の物質を含有すること
ができるだけでなく、中空ポリマー粒子表面を自由に変
性できるメリツトを有する。そのため、現在は、市販の
中空ポリマー粒子の接着性、などの改質技術がなく、ほ
とんど応用されていない本発明により、より具体的に上
記の用途および/又は、種々の用途分野に検討されて応
用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 19/20 D21H 1/28 A 19/56 1/34 D

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 平均粒径が0.05〜15μmの範囲に
    ある第1の中空ポリマー微粒子、および (B) 重合性不飽和カルボン酸0.5〜80重量%と他の
    共重合可能なモノマー20〜99.5重量%からなるモノマー
    混合物を (C) 上記第1の中空ポリマー微粒子(A)とモノマ
    ー混合物(B)の合計重量100重量部当り5重量部以下
    の乳化剤及び/又は分散剤 の存在下、水性媒体中で重合に付し、該第1の中空ポリ
    マー微粒子(A)の表面に該モノマー混合物(B)の重
    合体被膜を生成せしめて平均粒径が0.1〜20μmの範囲
    にある第2の中空ポリマー微粒子を形成することを特徴
    とする中空ポリマー微粒子の製造法。
  2. 【請求項2】第1の中空ポリマー微粒子(A)の該ポリ
    マーが (a) 親水性の非架橋性モノマー20〜99重量%、架橋
    性モノマー1〜80重量%およびこれらのモノマーと共重
    合可能な他のモノマー0〜70重量%からなるモノマー成
    分の共重合体、および (b) 上記共重合体とは異なる重合体 から成り、そして (c) 上記共重合体(a)100重量部に対し、上記重
    合体(b)1〜100重量部の組成、 を有する、 特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】上記親水性の非架橋性モノマーが不飽和カ
    ルボン酸および/またはそれ以外の親水性モノマーであ
    る特許請求の範囲第2項に記載の方法。
  4. 【請求項4】上記親水性の非架橋性モノマーが不飽和カ
    ルボン酸1〜70重量%とそれ以外の親水性モノマー30〜
    99重量%からなる特許請求の範囲第2項に記載の方法。
  5. 【請求項5】(1)(a) 親水性の非架橋性モノマー
    20〜99重量%、架橋性モノマー1〜80重量%およびこれ
    らのモノマーと共重合可能な他のモノマー0〜70重量%
    からなるモノマー成分を、 (b) 上記モノマー成分から得られる共重合体と異な
    る種となるポリマー微粒子 の存在下、該モノマー成分100重量部当り該ポリマー微
    粒子1〜100重量部の割合で存在せしめて、水性媒体中
    で重合に付して平均粒径が0.05〜15μmの範囲にある第
    1の中空ポリマー微粒子を形成せしめ、 次いで (2)(A) 上記第1の中空ポリマー微粒子、 および (B) 重合性不飽和カルボン酸が0.5〜50重量%及び
    他の共重合可能なモノマー50〜99.5重量%からなるモノ
    マー混合物を、 (C) 上記第1の中空ポリマー微粒子(A)とモノマ
    ー混合物(B)の合計重量100重量部当り5重量部以下
    の乳化剤及び/又は分散剤 の存在下、水性媒体中、pH値が7より小さい条件下で乳
    化重合に付し、該第1の中空ポリマー微粒子(A)の表
    面に該モノマー混合物(B)の重合体被膜を生成せしめ
    て平均粒径が0.1〜20μmの範囲にある第2の中空ポリ
    マー微粒子を形成することを特徴とする中空ポリマー微
    粒子の製造法。
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