JP2645473B2 - 糸条加工ノズル - Google Patents

糸条加工ノズル

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JP2645473B2 JP61157551A JP15755186A JP2645473B2 JP 2645473 B2 JP2645473 B2 JP 2645473B2 JP 61157551 A JP61157551 A JP 61157551A JP 15755186 A JP15755186 A JP 15755186A JP 2645473 B2 JP2645473 B2 JP 2645473B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、加圧流体の噴射力によって糸条にループ
や絡みなどを生じさせ、それによって糸条に嵩高性を持
たせるための糸条加工ノズルに関する。
(従来の技術とその問題点) カーペットなどの繊維製品を製造するにあたっては、
嵩高性を有する糸条が使用されることは周知の通りであ
る。ところが、合成繊維は本来このような嵩高性を持っ
ていないため、紡出後の複数のフィラメントを単に寄合
せて得られる糸条はこのような用途に不向きである。そ
こで、加圧流体の噴射力によって、糸条を形成する合成
繊維フィラメントに第18図(a)に示すループや同図
(b)に示す絡みなどを生じさせ、それによって糸条に
人工的な嵩高性を持たせるための糸条加工ノズルが種々
提案されている。
このような糸条加工ノズルの代表的なもののひとつと
して、特開昭52−21446号に開示されているノズル(い
わゆる「タスランノズル」)がある。第19図はこのタス
ランノズルの断面図であり、第20図はそのA−A断面図
である。
これらの図において、このノズル1は、ほぼ中空円筒
状のノズル本体2の軸心に沿って設けられた中心孔3内
に、導糸路5を有するニードル4が挿入された構造とな
っている。この導糸路5は、その両端に糸条導入口6と
糸条放出口7とをそれぞれ有しているが、糸条放出口7
に対向した位置にはベンチュリ部材8が設けられてい
る。このベンチュリ部材8は、上記糸条放出口7の周囲
を取巻くような円錐面9と、この円錐面9から伸びて外
部へと通ずる糸条導出路10とを備えている。そして、上
記中心孔3には、圧縮空気を外部から供給するための気
体供給孔11が、この中心孔3の軸心方向に対してほぼ直
角方向に連通している。
このような構造を有するノズル1において、気体供給
孔11から圧縮空気が供給されると、この圧縮空気は、中
心孔3とニードル4との間の隙間によって形成された第
1の環状気室12に充満した後、オリフィス13を通って第
2の環状気室14へと移動する。そして、この圧縮空気
は、糸条導出路10を通って、ノズル開口15から、このノ
ズル1の外部へと噴出する。
一方、加工を施すべき糸条Yは、糸条導入口6から導
入される。この糸条Yは導糸路5を通って糸条放出口7
へと導かれるが、この糸条放出口7の周囲には、第2の
気室14から糸条導出路10を通ってノズル1の外部へと向
う高速の気流がある。このため、糸条Yはベンチュリ効
果によって糸条導出路10内へと吸引される。そして、糸
条Yを形成する各フィラメントが上記気流によって互い
に絡み合いながらノズル開口15から導出される。
ところで、このようなタスランノズル1は、嵩高性の
付与効率が高いという利点がある反面、操作性が低いと
いう問題がある。すなわち、ニードル4やベンチュリ部
材8を用いているために、これらにおける目づまりが生
じ易く、清掃周期がかなり短くなってしまうのである。
この欠点を解消したノズルは既に提案されており、そ
のうちの代表的なノズルは特開昭53−19446号に開示さ
れているノズル(いわゆる「ヘバーラインノズル」)で
ある。第21図はこのノズル20の断面図である。同図に示
すように、このノズル20には、断面円形の導糸路21の一
部分が、同じく断面円形の渦室22となっている。この渦
室22の軸心に対して斜め方向には気体噴射孔23が連通し
ており、この気体噴射孔23から圧縮空気を噴入させるこ
とによって、渦室22内に空気の渦流が発生する。
一方、この渦室22の開口端には、円錐面24を有するノ
ズルヘッド25が配設されており、この円錐面24に対向し
て球形のガイド部材26が設けられている。
したがって、糸条Yを導糸路21内の渦室22に導けば、
この渦室22内の渦流によって糸条Yを形成するフィラメ
ントが連動して互いに絡み合うとともに、フィラメント
のループが形成される。その後、この糸条Yは、ガイド
部材26によってガイドされつつ、ガイド部材26と円錐面
24との間の間隙を通ってこのノズル20の外部へと引取ら
れる。このガイド部材26は、糸条Yを圧縮空気に十分に
曝すことによって嵩高性の付与効率を上げるためのもの
である。そして、このヘバーラインノズルでは、このよ
うな斜め噴射型の構成をとることによってニードルやベ
ンチュリ部材を不要とし、それによって清掃周期を長く
している。
ところが、このような斜め噴射型のノズルの場合に
は、嵩高性の付与効率が上述したタスランノズルなどに
比較して低いという欠点があり、このような斜め噴射型
で、かつ嵩高性の付与効率が高いノズルの開発が望まれ
ていた。
(発明の目的) この発明は従来技術における上述の問題の克服を意図
しており、目づまりが少ないという斜め噴射型ノズルの
特徴を生かしつつ、糸条の嵩高性の付与効率が高い糸条
加工ノズルを提供することを目的とする。
(目的を達成するための手段) 上述の目的を達成するため、この発明にかかる糸条加
工ノズルは、糸条を挿通させる導糸路を有し、前記導糸
路内の糸条に対して斜め方向から加圧流体を噴射させて
前記糸条に推進力を付与するとともに、前記加圧流体の
噴射力によって前記糸条に嵩高性を持たせるための糸条
加工ノズルであって、 (A)前記導糸路の横断面形状を長円形とするととも
に、 (B)前記加圧流体を前記導糸路内に噴射させるための
加圧流体噴射孔を、その加圧流体噴射孔の軸心の方向が
前記導糸路の長円の長軸方向になるように設けたことを
特徴とする。
すなわち、従来の斜め噴射型のノズルでは、第22図に
示すように、導糸路28の横断面形状が円形であることに
着目すると、加圧流体噴射孔29から噴射された加圧流体
は対称流とはならず、横断面における流れは、左右どち
らかに偏った偏流となる。またこの流れの中に、外乱と
もいうべき糸条を曝すと、偏流は、さらに助長されるこ
とになり、図中S0で示すように回転流成分を持つことに
なる。このように、加圧流体が回転流成分を多く持つよ
うになると、糸条Yの全体が図中Sで示すように導糸路
28内で回転し、糸条Yを構成するフィラメントが十分に
開繊されない。その結果、従来では嵩高性の付与効率が
低くなっていたわけである。
そこで、この発明では、導糸路28の横断面形状と、
加圧流体噴射孔29の配設方向とに改良を加えて、この
ような回転流の発生を防止する。
(実施例) A.実施例の構成と動作 第1図はこの発明の一実施例である糸条加工ノズルの
縦断面図であり、第2図はこのノズルの平面図である。
さらに、第3図(a)、(b)はそれぞれ第1図のB−
B、C−C断面図である。以下、これらの図を参照して
この実施例の構成と動作とを説明する。
これらの図において、この糸条加工ノズル30は、ほぼ
円筒形のノズルアセンブリ31の上面にノズルヘッド32を
設けて形成されている。これらのうち、ノズルアセンブ
リ31は、金属によって形成された円筒形のハウジング33
を有しており、このハウジング33には、その軸心に沿っ
て横断面円形の中心孔34が形成されている。この中心孔
34には、円筒形のノズル本体35が挿入されており、この
ノズル本体35はO−リング36によってシールされてい
る。
ノズル本体35の内部には、その軸心方向に沿って導糸
路37が通っており、この導糸路37のうち、このノズル本
体35内に存在する部分は長円形の横断面形状を有する透
孔となっている。この横断面形状としての長円形は、第
4図に示すように、半径rの2個の半円38を長方形39の
対向する2辺に結合させた形状を有する長円であり、そ
の長軸方向の長さaはたとえば1.6mm、短軸方向の長さ
bはたとえば1.2mmである。
第1図に示すように、導糸路37の途中には、加圧流体
としての圧縮空気をこの導糸路37内に噴射させるための
気体噴射孔40が、導糸路37の軸心方向に対して角度θを
有する斜め方向に連通している。ただし、第3図(b)
からわかるように、第1図の上面側から見れば、この気
体噴射孔40の軸心方向は、上記導糸路37の横断面の長軸
方向αとほぼ同一の方向となっている。この気体噴射孔
40の配設方向を第16図を参照してさらに詳しく説明する
と、上述したように本発明は、気体噴射孔40から噴射さ
れた圧縮空気が衝突する導糸路37の内壁面形状、すなわ
ち横断面形状に一つの特徴があるが、この内壁面に衝突
する圧縮空気の進行方向としては破線矢印Lで示すよう
に複数のものが存在する。しかし、本発明ではこれら複
数の進行方向の中でもほぼ長軸αの方向に沿うものであ
ればよいのである。したがって、気体噴射孔40は、その
軸心方向が導糸路37の横断面の長軸方向αとほぼ同一の
方向となっているとともに、導糸路37の軸心方向P(第
1図)に対しては斜め方向となっているような向きに設
けられていることになる。また、この気体噴射孔40の径
φ(第3図(b))は特に限定するものではないが、こ
の実施例では上記導糸路37の横断面の短軸方向の長さb
と同一の径としてある。
このノズル本体35は、単一種類の金属や合金で形成し
てもよいが、導糸路37の壁面に耐磨耗性が高い物質(例
えばクロムなど)をメッキもしくはコーティングしてお
けば、後述するような糸条の運動による耐磨耗性が著し
く向上する。また、アルミナ、窒化ケイ素などのセラミ
ックス、タングステンカーバイトなどの超硬材を用いて
も、同様に耐磨耗性を向上させることができる。
一方、第1図のハウジング33の側面には圧縮空気供給
孔41が穿設されており、この圧縮空気供給孔41は、上記
ノズル本体35を囲むように設けられた気室42に連通して
いる。この気室42は、上記ノズル本体35の気体噴射孔40
にも連通している。このため、圧縮空気供給孔41を通じ
て外部から圧縮空気の供給を行なうと、この圧縮空気は
気室42でバッファされた後、気体噴射孔40を通って導糸
路37内に斜め方向から噴射されることになる。
セット用ネジ43によってノズルアセンブリ31の上面に
連結されているノズルヘッド32には、圧縮空気と糸条Y
とをこのノズル30の外部に噴出させるための噴射ガイド
孔44が、導糸路37の出口側部分として設けられている。
この噴射ガイド孔44は横断面円形の孔であるが、そのノ
ズル本体37側の部分45の径は、導糸路37の横断面の長軸
の長さaと同一とされている。また、この噴射ガイド孔
44は、そのノズル開口46に向けて曲面的に広がったラッ
パ状とされており、その壁面47は半径Rのアール面とさ
れている。なお、このノズルヘッド32は、金属や、Al2O
3のようなセラミックによって形成することができる。
次に、以上のような構成を有するこの実施例の動作を
説明する。この実施例においても、従来の斜め噴射型ノ
ズルと同様に、導糸路37の糸条導入口48側から、複数の
フィラメントからなる糸条Yを挿通させる。そして、こ
の糸条Yは、導糸路37を通してこのノズル30の外部へと
導かれ、導糸路37の軸心方向と直角な方向に引取られ
る。
一方、圧縮空気供給孔41を介して外部から圧縮空気を
このノズル30に供給すると、この圧縮空気は気体噴射孔
40を通して導糸路37内に噴入する。これによって、糸条
Yに図の上方への推進力が付与されるとともに、糸条Y
を形成するフィラメントが激しくかつ乱雑に運動し、そ
れによってフィラメントの絡み合いやループの形成が行
なわれる。このとき、導糸路37のうち、ノズル本体37内
に存在する部分の横断面が長円形とされており、かつ、
その長軸方向に沿って圧縮空気が噴入するため、この圧
縮空気の流れは回転流とはならず、たとえば、第5図に
矢印Tで示すように、回転成分をほとんど持たない流れ
となる。このため、糸条Yを構成する各フィラメントは
互いに離散集合を効率的に繰返し、絡み合いやループの
形成が十分に行なわれる。
そして、この様にして絡み合いやループの形成が行な
われた糸条Yは、第1図のノズルヘッド32内に設けられ
ている噴射ガイド孔44を通り、この噴射ガイド孔44から
噴出される圧縮空気に曝されながら図の右方へと引取ら
れる。この動作において、噴射ガイド孔44が曲面的なラ
ッパ状に広がっているため、圧縮空気は滑らかにノズル
外へと拡散噴出する。このため、噴射ガイド孔44の外部
で糸条Yに与えられる圧縮空気の流れは滑らかであり、
この流れが糸条Yに当ることによって、フィラメントの
絡み合いなどがさらに効率的に行なわれることになる。
B.実験データ例 次に、この実施例による嵩高性の付与性能を実験的に
検証した結果を示す。この実験は、オーバーフィードテ
ストとループ数カウントテストとの2種類について行な
われた。
まず、オーバーフィードテストでは、第6図に示すよ
うに、スピンドル51に巻回された糸条Yを第1の送りロ
ーラ52を介して糸条加工ノズル53へ導通させる。そし
て、このノズル53から導出された糸条Yは、第2の送り
ローラ54を介して圧縮空気を用いた糸条吸引器(サクシ
ョンガン)55によって引取られる。なお、上述したよう
に、ノズル53から導出された糸条Yは、ノズル53の軸心
方向に対して直角方向に引取られている。
この実験では、第2の送りローラ54の回転数を一定に
することによって、この第2の送りローラ54の位置にお
ける糸条Yの送り速度V2を一定値に固定する。そして、
ノズル53を種々のものに交換することによって、第1の
送りローラ52の回転数の変化、すなわちこの第1の送り
ローラの位置における糸条Yの走行速度V1の変化を観測
する。この場合、この速度V1が大きいほどノズル53にお
ける絡みの付与量などが多いことになる。実際の実験時
に設定した条件は以下の通りである。
糸条Y:ポリエチレンテレフタレート、150デニール、72
フィラメントノズル53への圧縮空気の供給圧力P: P=5kg/cm2G、V2=300m/min また、実験を行なったノズルは以下に示す実施例と比較
例のノズルである。
実施例 ノズル:第1図ないし第3図に示した実施例ノズルか
ら、ノズルヘッド32を取除いて得られるノズル。その断
面図および平面図が第7図(a)、(b)にそれぞれ示
されている。ただし、諸定数は以下の通りである。
a=1.6mm、b=φ=1.2mm、θ=55° 比較例 ノズル:第9図(a)、(b)にそれぞれ断面図および
平面図として示すように、導糸路37の横断面形状を円形
にしたノズルであって、ノズルヘッド32は設けていない
もの。導糸路37の横断面直径をdとすると、諸定数は次
のように設定してある。
a=1.6mm、φ=1.2mm、θ=55° このような条件下で得た実験データを下記の第1表に
示す。この第1表からわかるように、この発明の実施例
ノズルは、比較例ノズルに比べて、糸条Yの走行速度V1
が大きく、ノズルの性能が高いことがわかる。なお、こ
の場合に、第1図ないし第3図および第8図に示したよ
うに、ラッパ状の噴射ガイド孔44を持ったノズルヘッド
32を付加すると、その効果はさらに向上する。ただし、
このようなラッパ状の噴射ガイド孔44のサイズによって
その効果は変化し、ここに示していない実験データによ
れば、R≧1.5bとすることが望ましいという結果を得て
いる。
次に、ループ数カウントテストの結果を示す。このテ
ストでは、まず、第10図の装置によって糸条Yに嵩高性
を付与する。すなわち、この第10図において、スピンド
ル61に巻回されている糸条Yは、送りローラ62を通った
後に、水付与装置63に与えられる。そして、この水付与
装置63によって水分の付与が行なわれた後、テストノズ
ル64によって嵩高性の付与が行なわれる。こうして得ら
れた糸条Yは、送りローラ65を介して引取りローラ66に
よって引取られる。これらのローラ62、65、66の位置に
おける糸条Yの走行速度をそれぞれVa、Vb、Vcとする
と、これらの間にはVa>Vb、Vb>Vcの関係がある。この
場合、この糸条Yのリラックス率R1Xは、 R1X=[(Va−Vc)/Va]×100(%) で与えられる。
第11図は、このようにして嵩高性が付与された糸条Y
のループ数をカウントする装置の配置図である。第11図
において、スピンドル71に巻回されている糸条Yは、マ
グネットテンサ72を介して毛羽カウンタ73に与えられ、
張力計74および引取りローラ75を介して糸条吸引器76に
よって引取られる。この毛羽カウンタ73は、第12図に示
すように、心糸部分76の外部に伸びているループ77を光
学的に検出してカウントする装置である。この実験で
は、ループ77の大きさにかかわらず、すべてのループを
カウントしている。そして、このループ数が多いほどノ
ズルの性能が高いことになる。
このようにして得られたデータを第13A図および第13B
図に示す。このうち、第13A図は、次の条件下で糸条Y
に嵩高性を付与している。
糸条Y:ポリエチレンテレフタレート、三角形断面、 50デニール、36フィラメント、テストノズル64(第10
図)への圧縮空気 供給圧力P:P=5kg/cm2G 引取りローラ66における速度Vc:Vc=300m/min また、第13B図は、次の条件下で得られる糸条Yについ
てのデータである。
糸条Y:ポリエチレンテレフタレート、円形断面、150デ
ニール3、72フィラメント、 圧力P:P=5kg/cm2G 引取速度Vc:Vc=300m/min そして、第13A図および第13B図のいずれにおいても、
第1図の実施例ノズル、第21図のヘバーラインノズル、
および第19図のタスランノズルの3種類のノズルについ
ての実験結果を、リラックス率1Xの関数として示してあ
る。さらに、各ノズルについての圧縮空気供給量は図中
にN1/minを単位として示した通りである。
これらの第13A図および第13B図からわかるように、こ
の発明に従った実施例ノズルでは、従来のノズルに比べ
て総ループ数がかなり多いことがわかる。そして、タス
ランノズルに比べると消費空気量も少なく、経済的で効
率の良いノズルとなっている。
C.変形例 ところで、この発明による糸条加工ノズルは上記実施
例に限定されるものではなく、種々の変形が可能であ
る。以下、この変形例について説明する。
(1)第1図の実施例では、ノズルヘッド32とノズル本
体35とを別個の部材として構成し、それらを連結して構
成している。そして、このようにすると、それぞれの部
材の製造が容易であるという利点がある。ところが、こ
の場合には、第14図(a)に示すように、導糸路37のう
ち、ノズル本体35内に存在する部分と噴射ガイド孔44と
して形成されている部分との境界面に、導糸路37の長軸
方向(図示のα方向)に沿った段差81が形成される。す
ると、この段差81に油剤やオリゴマなどの汚れが付着し
やすくなる。
これに対して、第14図(b)に示す例では、ノズルヘ
ッド32とノズル本体35とを一体化して形成し、導糸路37
のうちノズル本体35内に存在する部分から噴射ガイド孔
44への移行部分82を滑らかな形状としている。このよう
にすれば、段差における汚れの付着の問題も解決され
る。
(2)第1図の実施例では第15図(a)に示すように気
体噴射孔40の径φと、導糸路37の横断面の短軸の長さb
とを同一としたが、同図(b)に示すようにφ<bとし
てもよい。
(3)糸条Yに推進力を付与するためには、導糸路37の
軸線Pに対する気体噴射孔40の軸線は、90°よりも小さ
い角度で配置されることが必要であり、ノズルの性能
上、製作上の観点からθ=15°〜80°の範囲が望まし
い。
(4)導糸路37の横断面は、長円形であればよく、その
大きさや詳細な形状は特に限定するものではない。した
がって、第17図のように、短軸の長さに対する長軸の長
さの比が上記実施例よりも大きなものであってもよい。
このように、導糸路37の横断面形状を長円形にする
と、すなわち導糸路37の内壁面の衝突面を平面に形成せ
ず曲面に形成し、しかも導糸路内に噴射させるための加
圧流体噴射孔の軸心方向を導糸路横断面の長軸方向とほ
ぼ一致する向きに設けると、第5図中の矢印Tで示した
ように、気体噴射孔40から導糸路37内に噴射された圧縮
空気は、対向する導糸路37の長円形の内壁面に衝突した
後、反対側の内壁面側(気体噴射孔40側)に反射し、順
次同様にジグザグ状に反射してその進路を変えるので、
この流れが糸条Yに当たってフィラメント同士の絡み合
いが促進され、嵩高性が一層付与される効果を有する。
また、このような長円形横断面の導糸路37をノズル本体
35中に形成する加工は、両側の横断面形状が円形である
ので非常に容易であり、加工性の点でも優れている。
(発明の効果) 以上説明したように、この発明によれば、糸条加工ノ
ズルの導糸路の横断面形状を長円形に形成するととも
に、その加圧流体噴射孔の軸心方向を導糸路横断面の長
軸方向と一致するように配設したため、加圧流体噴射孔
から噴射された加圧流体の噴射エネルギがストレートに
糸条に作用するとともに、加圧流体を導糸路内で糸条の
進行方向にジグザグ状に案内する。よって、糸条は、導
糸路内での回転が防止されるとともに絡み合いが促進さ
れ、嵩高性の付与効率が高いものが得られる。
すなわち、この発明によれば、目づまりが少ないとい
う斜め噴射型ノズルの特徴を生かしつつ、より嵩高性の
付与効率が高い糸条加工ノズルを得ることができる。ま
た、導糸路の横断面形状が長円形であることからその加
工も非常に容易であり、加工性の点からも優れていると
いう利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例の縦断面図、第2図は実施
例の平面図、第3図は第1図のA−A断面およびB−B
断面を示す図、第4図は実施例における導糸路の横断面
形状の説明図、第5図は実施例の動作説明図、第6図は
オーバーフィードテストの装置配置図、第7図は第1図
に示した実施例の変形を示す図、第8図および第9図は
比較例を示す図、第10図および第11図はループ数測定に
用いられた装置の配置図、第12図はループ数測定につい
ての説明図である。 第13A図および第13B図はループ数測定結果を示すグラ
フ、第14図ないし第17図はこの発明の変形例を示す図、
第18図は糸条のループと絡みとの説明図、第19図および
第20図はタスランノズルを示す図、第21図はヘバーライ
ンノズルを示す図、第22図は従来のノズルの動作説明図
である。 図面中の符号の説明 30……糸条加工ノズル、31……ノズルアセンブリ、32…
…ノズルヘッド、35……ノズル本体、37:導糸路、40…
…気体噴射孔、44……噴射ガイド孔
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−68129(JP,A) 特開 昭55−67029(JP,A) 特開 昭52−21446(JP,A) 実開 昭61−94580(JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糸条を挿通させる導糸路を有し、前記導糸
    路内の糸条に対して斜め方向から加圧流体を噴射させて
    前記糸条に推進力を付与するとともに、前記加圧流体の
    噴射力によって前記糸条に嵩高性を持たせるための糸条
    加工ノズルであって、 (A)前記導糸路の横断面形状を長円形とするととも
    に、 (B)前記加圧流体を前記導糸路内に噴射させるための
    加圧流体噴射孔を、 その加圧流体噴射孔の軸心の方向が前記導糸路の長円の
    長軸方向になるように設けたことを特徴とする糸条加工
    ノズル。
  2. 【請求項2】前記糸条加工ノズルは、ノズル本体と、前
    記ノズル本体に連結された、前記ノズル本体から導出さ
    れる加圧流体と糸条とを当該糸条加工ノズルの外部に噴
    出させるためのノズルヘッドとを有し、 前記導糸路は、前記ノズル本体と前記ノズルヘッドとを
    通るように形成されており 前記導糸路は、前記ノズルヘッド内に設けられた部分に
    おいて前記当該糸条加工ノズルの外部に向かって曲面で
    広がったラッパ状の噴射ガイド孔を含み、 前記噴射ガイド孔の、前記ノズル本体側の部分の孔径
    は、前記ノズル本体の前記導糸路の長軸の長さに応じて
    決定されている、特許請求の範囲第1項記載の糸条加工
    ノズル。
  3. 【請求項3】前記ノズル本体と前記ノズルヘッドとは別
    個の部材として形成された、特許請求の範囲第1項また
    は第2項記載の糸条加工ノズル。
  4. 【請求項4】前記ノズル本体と前記ノズルヘッドとは一
    体に形成されるとともに、前記導糸路の、前記ノズル本
    体から前記噴射ガイド孔への移行部分が滑らかな形状と
    されている、特許請求の範囲第1項または第2項記載の
    糸条加工ノズル。
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