JP2644597B2 - 光学素子を成形するための製造方法 - Google Patents

光学素子を成形するための製造方法

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JP2644597B2 JP1291907A JP29190789A JP2644597B2 JP 2644597 B2 JP2644597 B2 JP 2644597B2 JP 1291907 A JP1291907 A JP 1291907A JP 29190789 A JP29190789 A JP 29190789A JP 2644597 B2 JP2644597 B2 JP 2644597B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 1)本発明は、レンズ、プリズム等のガラスよりなる光
学素子を、ガラス素材のプレス成形により製造する光学
素子成形方法に関するものである。
[従来の技術] 研磨工程を必要としないでガラス素材のプレス成形に
よってレンズを製造する技術は従来のレンズの製造にお
いて必要とされた複雑な工程をなくし、簡単且つ安価に
レンズを製造することを可能とし、近来、レンズのみな
らずプリズムその他のガラスよりなる光学素子の製造に
使用されるようになってきた。
このようなガラスの光学素子のプレス成形に使用され
る型材に要求される性質としては、硬さが挙げられる。
従来、この種の型材として、金属、セラミツクス及びそ
れらをコーテイングした材料等、数多くの提案がされて
いる。いくつかの例を挙げるならば、特開昭49−51112
には13Crマルテンサイト鋼が、特開昭52−45613にはSiC
及びSi3N4が提案されている。
2)実公昭42−8123・ガラスを成形する装置(優先権主
張1961年12月28 Ser No.162743、アメリカ、出願人ゼ
ネラル・プレフイジョン・インコーポレーテツド)の公
報には不活性雰囲気を有する密封室、この室内におかれ
内部に空所を有する金属型、前記空所内におかれたガラ
ス物質、ガラスを流動させ空所を充たさせるために前記
ガラス物質に熱を加える装置の組合わせからなるガラス
の物質成型装置。
型の金属はガラスの膨張係数よりも低い膨張係数を有
する登録請求範囲記載の装置。
不活性雰囲気を有する密封室、この完に支持され内部
に空所を有する金属部の型、一端が前記の空所と接触す
る前記型上に滑動自在にとりつけられた空所におかれた
時連続的な圧力を加える。プランジヤー、前記空所内の
ガラスを加熱する加熱装置の組合わせからなるガラス物
質を形成する装置。
前記加熱装置は前記密封室の外部におかれ誘導によっ
てガラスを加熱し、前記の金属型を包むヒートシンク装
置を含む前項記載の装置の開示がある。
3)USP3833347、USP3900328(特公昭54−38126号)の
明細書には、特開昭61−26528号 ガラス状炭素鋳型が適当な室の中に置かれ、そして次
の工程が続く;(a)鋳型のキヤビテイにガラス塊を挿
入し、(b)室を排気し、(c)比較的低い温度で該鋳
型組体を脱気し、(d)室を非酸化性にするようにその
雰囲気を制禦し、(e)鋳型温度を上げてガラス塊を熱
軟化し、(f)鋳型に圧力を加え、(g)鋳型を冷却し
てガラスをガラス変換点(Glass transformation poi
nt)以下の温度とし、(h)鋳型から圧力を取り除き、
(i)鋳型温度をさらに下げ、そして(j)仕上がった
レンズを取り出す。
製法の記載がある。
本発明の課題とするガラスプレス成形は高温加熱のガ
ラス素材を高温加熱した型部材に挿入してプレス成形し
てその後冷却して光学素子を製造するために型部材の熱
衝撃に原因する熱疲労や酸化を生じ型寿命が短かい点又
型の成形面をクリーニングしなければならない。又、ガ
ラスと型材の反応によるガラス表面のくもり(mist)を
生じる。
上述の対策のためにプレス成形面の成形型をセラミツ
ク形成したもの特開昭61−31321、型の表面を炭化タン
グステン、貴金属の合金等を用いた特公昭61−32263(U
SPat 4481023)がある。
又、高温加熱したガラスと型との離型性の改善のため
に所望成形物にプレス成形するため所定形状の成形面が
形成された光学ガラス素子成形用金型において、上記成
形面にAINからなる被着膜を形成したことを特徴とする
光学ガラス素子成形用金型。
上記金型をNI基合金、Fe基耐熱合金あるいはWC−Co系
合金のいずれかの金属材料により形成した光学ガラス素
子成形用金型。又、上記金型をAINあるいはSi3N4のいず
れかを主成文とするセラミツク材料により形成した光学
ガラス素子成形用金型として特開昭61−197430号公報が
ある。
[発明が解決しようとする課題] しかし、13Crマルテンサイト鋼は酸化しやすく、さら
に高温でFcが硝子中に拡散して硝子が着色する欠点をも
つ。SiC、Si3N4は一般的には酸化されにくいとされてい
るが、高温ではやはり酸化がおこり表面にSiO2の膜が形
成される為硝子を融着を起こし、さらに高硬度の為型自
体の加工性が悪い。
超硬合金(タングステンカーバイト)を型材料として
プレス成形すると高温加熱によるプレス成形のためにガ
ラス表面と型部材表面とが反応を起こし離型の際に型部
材表面にガラス反応物が付着する現象が生じた。本発明
者等はこの反応現象が次のようなことを見いだした。超
硬合金は炭化タングステンをコバルトCoをバインダーと
して結合されている。超硬合金とガラスを高温加熱して
プレス成形すると超硬合金表面のコバルトとガラスに含
まれる鉛が次のように反応する。
Co+PbO→CoOX+Pb 又、炭化タングステンWCとガラスに含まれる鉛は UC+PbO→WOx+Pb+CO+CO2 のように反応する。
この結果、ガラス中の鉛が析出し型部材とガラスの間
に生成物を生じて離型の際に前述のくもり(mist)のよ
うな現象を生じる。型部材表面がセラミツクス材料であ
る場合にはセラミツクスとガラス中の酸化鉛との反応は
極微少である。従って上述の超硬合金の場合のような反
応による生成物は非常に少ない。
しかし、この代りに、型部材表面とガラス成形体表面
の密着力が大きくなる。この密着力は離型の時のガラス
強度より大きいためにガラス成形体表面の破壊作用を伴
いガラス成形体の割れ現像を引き起こすことになる。
本発明の第1の課題は、型部材材料として用いること
のできる製造方法を提供する。
より具体的には、超硬合金のコバルトと炭化タングス
テンが直接ガラス中に酸化鉛を還元する反応を軽減し、
かつ離型効果のある物質を型部材表面とガラス表面の間
に介存させることにより、融着がなく、型の表面劣化の
少ない光学素子製造方法を提案する。
更に本発明は型部材表面とガラス素材との間にガラス
中の鉛と積極的に反応する物質を微量介存させることに
より型部材とガラス素材間の直接的反応を阻止する製造
方法を提案する。
上述の発明において、本発明者等は型部材とガラス素
材を高温加熱して加圧成形する際に、加圧成形する雰囲
気を炭化水素を含むガス(具体的には非酸化性ガスと炭
化水素ガスとの混合ガス)で充満させて、該ガス中の炭
素とガラス中の鉛との間に、 C+PbO→Pb+CO+CO2 の反応を引き起こすことにより型部材とガラスとの反応
を阻止する製造方法を提案する。
又、本発明者は成形装置、特に成形装置に含まれるガ
ラスプレス成形のために必要な諸工程、例えば型部材、
ガラス素材の搬入、加熱、冷却、成形品取出、等の工程
の操作に必要な機構の高温高熱による熱応力、又、加熱
−冷却の繰り返しのための疲労等の諸問題のために好ま
しい雰囲気例えば成形工程全体を窒素ガス等の不活性ガ
スで充満するプロセスを用いる場合の適用例を提案す
る。
更に本発明者等はガラス中の鉛と反応生成物を生じな
い型部材であるセラミツクス焼結材を用い、該セラミツ
クス焼結材の型部材とガラス素材との間に炭素を含むガ
スを介在させることにより該ガス中炭素とガラス中鉛と
の反応を起こすことにより、セラミツクス系型部材によ
る密着力の増強にともなうガラス成形体の割れ現象を回
避できる製造方法を提案する。
実施例の説明 本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 1−1)本発明の成形方法に用いる成形装置の例を第1
図に示す。
第1図中、1は真空槽本体、2はそのフタ、3は光学
素子を成形する為の上型、4はその下型、5は上型3を
図示ビスで固定する上型保持部材である。6は円筒状胴
型を示し、内部中空部に上型3を嵌合保持し、下型4を
摺動嵌合する。該胴型6は型ホルダー7内に収納されて
おり、前記上型保持部材5をビス止め結合する。8は前
記上型3、下型4、胴型6を加熱するためのヒーターで
あり、該ヒーター8は前記型ホルダー7の外周に回巻保
持されてヒーター電源8Aに接続しコントローラー1Aによ
って加熱制御を受ける。9は下型4を押圧する棒部材で
あり、その上端は下型4に連結し、胴型6の中空部、型
ホルダー7の底部貫通孔、及び型ホルダーの保持板7Aの
貫通孔をそれぞれ貫通し、下端はエラーシリンダー10の
ピストンに結合していて、エアーシリンダ10の作動に応
じて上昇・下降動作を行う。11は油回転ポンプで接続管
によって真空槽本体1の結合孔に接続している。12・13
・14は圧力調整用バルブ。15はAr+CH4混合ガス流入用
パイプ、16はバルブであり該混合ガスはガス供給源15A
から供給される。17は前記混合ガスを排出するリークパ
イプ、18はバルブ、17Aは排出用ポンプである。
19は温度センサーを示し、該センサー19は上型3、下
型4で形成するキヤビテイ内に入れた不図示のガラス成
形体の加熱又は冷却温度を測定するために、胴型6に設
けた測定用孔内に挿入し、該温度センサー19の出力は第
2図に示す温度曲線を得るためにヒータ8の駆動信号19
Aとなる。
20は前記第2図の成形温度曲線に沿って温度制御する
ための水冷パイプを示す。
21・21は支持部材である。
第1図Bは第1図Aの前記各手段を作動するブロツク
図を示し、コントローラー1Aからの信号によって後述す
る動作が行われる。
1−2)混合ガスについて 非酸化性ガスとしては、例えばNe,Ar等の不活性ガ
ス、N2が挙げられる。炭化水素ガスとしては、例えばCH
4,C2H6,C3H8が挙げられる。また、混合ガス中の炭化水
素ガスの濃度は0.5〜4重量%であることが好ましい。
炭化水素ガスが0.5重量%未満であるとガラスと成形用
型の密着力が増すことによる融着が起こり易くなる傾向
があり、4重量%を越えるとガラスの強度が低下するこ
とによると思われる割れが起こり易くなる傾向がある。
1−3)上型・下型・胴型について 前記発明の課題の項で述べたように、ガラスに含まれ
る鉛と型材料の材料成分との反応を起こさない型材料を
検討した。型材料に要求されることは耐酸化性に優れる
こと、及びガラスの高温度成形からして高温度で高硬度
を維持できる材料が望ましく窒化物、炭化物、硼化物、
酸化物等がある。又、本発明で製造する成形対象として
光学素子、代表例としてカメラ用レンズが掲げられる
が、そのうち特に非球面レンズが好適である。
カメラレンズ特にズームレンズの光学系において非球
面レンズを光学系に組み込むと光学系のレンズ枚数と減
数でき、レンズ鏡筒の小型軽量化に大きく寄与できるか
らである。
この非球面レンズを成形する型部材の成形面は当然非
球面形状となるが、型部材の非球面形状は加工の困難を
ともなう。本発明者は型材料として超硬合金とセラミツ
クス焼結材(Si3N4,SiC等)及びTiCと金属の焼結体です
るサーメツトについて検討した。
更に前記型部材特に、上型と下型に膜物質を被覆し
た。膜材としては窒化物(BN,AlN,Si3N4,TiN,Tan,Zr,Ne
等)炭化物としてSiC,TaC,HfC等、又酸化物としてCrO3,
AlO3等がある。
1−4)次にレンズを製作する工程を述べる 型部材として超硬合金を選び、所定の形状に上型・下
型及び胴型を加工してレンズ成形面を0.01μm程度の表
面粗さの精度に鏡面研磨する。次にスパツタリング法に
より上型と下型のレンズ成形面にSiCの被膜を形成す
る。膜厚は1.0μmとした。このように用意した型部材
を第1図Aの装置に取り付ける。次にフリント系光学硝
子(SF14)を所定の量に調整し、球状にした硝子素材を
型のキヤビテイー内に置き、これを装置内に設置する。
ガラス素材を投入した型を装置内に設置してから真空
槽1のフタ2を閉じ、水冷パイプ20に水を流し、ヒータ
ー8に電流を通す。この時Ar+CH4混合ガス用バルブ16
及び18は閉じ、排気系バルブ12,13,14も閉じている。尚
油回転ポンプ11は常に回転している。
成形室全体をAr+CH4混合ガスの雰囲気とするため
に、バルブ12を開け排気をはじめ10-2Torr以下になった
らバルブ12を閉じ、バルブ16を開いて(Ar+1%(重量
%、以下同じ)CH4)ガスをボンベより真空槽内に導入
する。所定温度になったらエアシリンダ10を作動させて
100kg/cm2の圧力で5分間加圧する。圧力を除去した
後、冷却温度を−5℃/minで転位点以下になるまで冷却
し、その後は−20℃/min以上の速度で冷却を行い、200
℃以下に下がったらバル16を閉じ、リーグバルブ13を開
いて真空槽1内に空気を導入する。それからフタ2を開
け上型おさえをはずして成形物を取り出す。
上記のようにして、フリント系光学硝子SF14(軟化点
Sp=586℃、転位点Tg=485℃)を使用して、レンズを成
形した。この時の成形条件すなわち時間−温度関係図を
第2図に示す。
このようにして行った成形において、型とガラスの融
着は発生せず、良好な成形面が得られた。
即ち、本実施例において、成形室内の雰囲気ガスのAr
+CH4混合ガス中のカーボンがガラス中の鉛と C+PbO→Pb+CO+CO2 の反応をすることにより型部材とガラスの融着を防げる
ことができた。
また、成形雰囲気を(Ar+4%CH4)ガス、(Ar+5
%CH4)ガスに代えた以外は上記と同様にしてガラス素
材SF14を使用してレンズを成形した。(Ar+4%CH4
ガスの場合、型とガラスの融着は起きず、良好な成形面
が得られた。(Ar+5%CH4)ガスの場合、若干の融着
が起きていた。
次に、上記成形雰囲気におけるガラスと型と密着力の
測定、上記で得られたレンズの透過率の測定を行った。
1−5)(密着力の測定) Ar+CH4 1%、Ar+CH4 4%、Ar+CH4 5%、比
較としてN2,Ar雰囲気での密着力を測定した。その結果
を第3図に示す。
第3図から明らかな様に、N2中、Ar中に較べて非酸化
性ガスArと炭化水素ガスCH4の混合ガス中ではガラスと
型との密着力が小さいことがわかる。従って、Ar+CH4
ガス雰囲気では前記レンズ成形で述べた優れた離型性が
得られることになる。なおN2ガス中530℃の密着力が510
℃より低下しているのは、融着によりガラスの剥れが生
じたためである。また、Ar+CH4ガス雰囲気においてはC
H4濃度が高い程密着力は減少するものの、5%ではガラ
スの強度低下によると思われる割れが発生することもあ
り、好ましい濃度範囲は0.5〜4%である。
密着力測定に用いた装置を第4図に示す。
第4図中、31は真空槽、32は水冷管、33,34は架台、3
5は真空ポンプ、36は給気管、37は真空排気管、38はリ
ーク管、39,40,41,42はバルブ、43はエアーシリンダ
ー、44はロードセル、45はロツド、46,47は熱電対、48
は断熱体、49はヒーター、50は架台、51は上型保持リン
グ、52は供試材の上型、53は胴型、54は硝子素材、55は
下型、56は台座、57は架台を示す。
次に、密着力測定の手順を述べる。
第4図に示すように、フリント系のガラス素材(SF1
4)54を下型55の上に載せ、供試材の上型52をロツド45
の下面に上型保持リング51で装着する。真空ポンプ35は
常に回転している。給気用バルブ39、リーグバルブ42、
排気系バルブ40、41が閉じた状態から、バルブ40を開け
真空槽内の排気を開始する。真空槽内が10-2Torr以下に
なったらバルブ40を閉、バルブ36を開いてボンベより
(Ar+1%CH4)ガスを真空槽内に導入する。次に、水
冷管32に水を流し、ヒーター49に電流を通す。上型、下
型の温度が530℃になったらエアシリンダー43を作動さ
せロツド45を下降させ10kg/cm2の圧力で5分間加圧す
る。加圧後の状態を第5図に示す。第5図中、58は成形
体を示す。次に、エアシリンダーを作動させ圧力を除去
した後ロツドを徐々に上昇させる。この時成形体58と上
型の離型に要する力をロードセル44により測定する。
1−6)(透過率の測定) 前記レンズ成形で得られた3種のレンズについて透過
率を日立製作所製自記記録分光光度計340により測定し
た。その結果を第6図に示す。d線(587.56mm)におけ
る透過率は(Ar+1%CH4)ガス、(Ar+4%CH4)ガ
ス、(Ar+5%CH4)ガスのいずれかの場合にも約86%
でガラス素材SF14と同じであり、成形による劣化はなか
った。これは成形時にガラス中の酸化鉛の還元が全ど起
きていないことを示すものである。
透過率測定条件: 送り速度:3min/190−850nm(波長域) スリツト幅:2nm 縦倍率:100% 測定モード:UV−VIS(紫外−可視) センサ:フオトマル 1−7)変形例 前述第1の実施例は第1図Aに示す成形室内をAr+CH
4の混合ガスで充満する例を示したが、該成形室内の雰
囲気を窒素ガス等の不活性ガスで満し、上型と下型の成
形面、又はガラス素材の表面にAr+CH4混合ガスを付着
させて上記成形条件で成形することにより、前記Ar+CH
4混合ガスによる融着防止効果を得られた。
実施例2 2−1)第7図〜第12図は、本発明の成形方法に用いる
他の装置を示す図である。
この装置の全体的構成は、素材取入室61、加熱部62、
素材移替部63、プレス部65、徐冷部66及び成形品取出室
67から成るものである。素材取入室61、加熱部62、素材
移替部63及びプレス部65は同一ライン状にあり、これら
のラインと並列して徐冷部66が配設されている。
加熱部66の入口近傍には第1の移送室81が構成され、
この第1の移送室81に上記素材取入室61が設けられてい
る。プレス部65の出口近傍には第2の移送室82が構成さ
れ、徐冷部66の入口には第3の移送室83が構成され、こ
れら第2と第3の移送室は移送路85で連結されている。
又、徐冷部66の出口近傍には第4の移送室84が構成さ
れ、この第4の移送室84には移動された成形品取出室67
が設けられ、第4の移送室84と上記第1の移送室81とは
回送路86で連結されている。このような構成により本成
形装置は連続的な循環路を成して成形室99を構成してい
る。
71は、この成形室99を移送せしめられるパレツトであ
り、該パレツト71上には素材載置台72とプレス成形用の
上型73及び下型74とが一定の間隔を有して配設されてい
る。又、下型74の外周には、上型73の載置動作を案内す
るとともに上型73の位置決め用としてガイド部材87が下
型74の上端部よりやや突出するように固設されている。
上型73及び下型74のプレス成形面は、夫々光学素子機能
面を成形するための鏡面73a,74aが施されている。
パレツト71を上記経路中にて移送せしめる手段とし
て、第1の移送室81には押出しシリンダー91が設けら
れ、この押出しシリンダーによりパレツト71はプレス65
に移動せしめられる。第2の移送室82には押出しシリン
ダー93と引出しシリンダー92とが設けられ、引出しシリ
ンダー92によりプレス部65に移動せしめられたパレツト
71が第2の移送路82に引出され、押出しシリンダー93に
より該第2の移送室に移動されたパレツト71が第3の移
送室83にまで押出される。第3の移送室83には押出しシ
リンダー94が設けられ、この押出しシリンダーにより当
該第3の移送室83に移動せしめられたパレツト71が第4
の移送室84直前まで押出される。第4の移送室84には押
出しシリンダー95と引出しシリンダー96とが設けられて
おり、引出しシリンダー96により第4の移送室84直前ま
で移動されたパレツト71が該第4の移送室84まで引出さ
れる。次いで、この第4の移送室84に移動されたパレツ
ト71は押出しシリンダー95により再び第1の移送室81ま
で押出される。
かくして、パレツト71は上述したシリンダーの押出し
或は引出し動作により各工程に移送され、本装置の成形
室99内を移動することができる。なお、パレツト71は成
形室99内に設けられた不図示のレール上に載置され、シ
リンダーの押出し或は引出しによりレール上を移動す
る。
2−2)次に、上記成形室の各部について説明する。
素材移替部62及び成形品取出室67には上型73を下型74
に所要間隔をあけて持上げるための持上げハンド76,80
(第10図)が設けられている。この持上げハンドは、不
図示のリフト手段により上下動する。さらに、素材移替
部63には、素材取入室61にて素材載置第72上に配置され
た素材75を下型74上に移替えるための吸着フインガー64
が設けられており(第10図)、上記持上げハンド76の作
動により上型73が一旦持上げられた後、該吸着ハンド64
が作動し、素材75が下型74上の所定位置に移替えられ
る。この吸着フインガー64は、上記のような素材75の移
替時に、該素材75が正確に下型74上の所定位置に配置さ
れるよう、パレツト71上の素材載置台72と下型74とが有
する所定間隔の長さだけ正確に平行移動する一定のスト
ロークを有して作動するように構成されている。
又、素材取入室61及び成形品取出室67には、素材75を
載置台72上に配置したり、成形品78を上型74から取出す
ための吸着フインガー79が設けられている(第12図)。
プレス部65には、プレス成形時に上型73を押圧するた
めのプレス用ロツド77が設けられている(第11図)。
なお、本装置において成形室99の内部は、上型73及び
下型74を形成する型材が高温下で酸化されるのを防止す
るよう、真空排気の後、雰囲気ガスを充填する必要がる
ため、上記の持上げハンド76、吸着フイガー64及びプレ
スロツド77等と炉体99外壁との摺動部分には充分のシー
ルドを施しておく必要がある。
又、本装置においては、図示は省略してあるが、素材
75を素材取入室61に取入れる際、外気が成形室99の内部
に侵入しないように、雰囲気置換室を設ける必要があ
る。雰囲気のCH4ガス濃度を調整するため赤外線式ガス
分析計100を成形室に設けてある。
2−3) 型材料について 本実施例第8図に図示する上型73、下型74及び胴型ガ
イド部材87をそれぞれSi3N4から成るセラミツクス焼結
材を選択した。
尚本実施例はガラス素材75はパレツト71上の素材載置
台72上に置かれて所定温度まで加熱される。従って加熱
されたガラスと載置台72との融着を防ぐために素材載置
台72をセラミツクス焼結材で作ると良い結果が得られ
る。
2−4) 次に上述のように構成された装置の動作につ
いて第8図〜第12図に示すプレス成形工程順に従って説
明する。第8図は素材75が配置されていない状態のパレ
ツト75を示す。
まず、上記したように、上下型73、74の型材の酸化防
止のために、成形室99の内部を不図示の真空ポンプによ
り1×10-2Torrまで真空排気した後、(Ar+1%CH4
ガスを充填する。CH4ガス濃度は、赤外線式ガス分析計1
00を用いて許容値内にプロセスコントロールする。
次いで、ヒーター97、98に通電し、炉内温度を所定値
にまで昇温する。昇温完了後、素材取入室61にて上記雰
囲気置換室を通し、吸着フインガー79により第9図に示
すように素材75を素材取入室61にあるパレツト71の載置
台72上に配置する。
次に、上述した如く押出しシリンダー91、93、94、95
及び引出しシリンダー92、96を作動して順次パレツト71
が成形品取出室67から素材取入室61に送られてくるたび
に素材75を上記の方法で各々の載置台72上に配置する。
このような動作を繰り返し行うことにより、最初のパ
レツト71に供給された素材75と上型73及び下型74が素材
移替部63付近においてプレス成形に必要な温度にまで加
熱された時点で素材75の下型74への移替えを行う。
なお、この時、素材75と上型73及び下型74とは略同温
度にまで加熱されていることが望ましい。こうすること
により、移替後の素材75の温度が上型73或は下型74の温
度によって変化することなく最適なプレス温度条件下で
プレス成形を行うことができる。
前述の加熱されたガラス素材75を下型74の上に移替え
を行う際のガラスと載置台との融着は発生していないこ
とが確かめられた。このことは載置台をセラミツクス焼
結材で作ったことによりガラス中の鉛との反応を防げた
ことに起因する。
そして、素材移替部63において、第10図に示すよう
に、持上げハンド76により上型73を持上げ、次いで吸着
フインガー64により素材75を吸着して下型74上に移替え
る。この後、押出しシリンダー91を押出して素材75の移
替が完了したパレツト71をプレス部65の位置に移動させ
る。この時、持上げハンド76を除去すると共に、プレス
用ロツド77を作動させ、所定のプレス圧にて、上型73を
押圧し、素材75に対するプレス成形を行う。
次いで、プレス用ロツド77の押圧を解除し、上型73は
プレス時における状態を維持したまま、押出しシリンダ
ー91の作動により、このパレツト71はプレス部65から該
プレス部65の出口付近に移動せしめられる。
さらに、このパレツト71を引出しシリンダー92により
引出して第2の移送室82に移動した後、押出しシリンダ
ー93により押出し、移送路85を経て移送室83に移送す
る。
次いで、パレツト71は押出しシリンダー94の押出しに
より、成形品の取出室67の方向に押出されるが、押出し
方向の前方には他のパレツト71が配列された状態にある
ので、上述のような動作が継続する中で、当該パレツト
71が徐冷部66の出口付近に至る間上型73と下型74内で保
持された成形品78は徐冷部66を通過し、ここで徐々に冷
却せしめられる。こうして、徐冷部66の先頭位置まで移
動したパレツト71は引出しシリンダー96により成形品取
出室67に至る。
次に、持上げハンド80が作動して上型73が除去され、
次いで吸着フインガー79により成形品78が取出される。
そして、この成形品取出しの完了したパレツト71は押出
しシリンダー95の押出しにより回送路86を経て素材取入
室61に移送される。
上記装置は、素材15はプレス成形の直前の素材移替え
時まで素材載置台12上に配置され上型73及び下型14から
分離された状態にあるため、素材15と型73、74との反応
が極力防止される構造になっている。
このようにして行った成形において、型材料がセラミ
ツクス焼結材である故に、型材とガラス中の鉛との反応
を生じない。それ故反応生成物を発生せず、型とガラス
の融着は発生せず、良好な成形面が得られた。また、得
られたレンズの透過率のd線(587.56nm)で86%と良好
であった。
2−5) 変形例 前記第2実施例は成形室99内部をAr+CH4混合ガスで
施すことによりガラスと型材との融着を防ぐようにした
例であるが、成形室全体は窒素ガス等の不活性ガスを満
し、加圧成形する直前の工程に上型・下型の成形面、又
は、ガラス素材の表面にAr+CH4混合ガスを付着させる
ようにしても良い。例えば前記第7図に示すプレス部65
の手前にガラス素材載置台上のガラス素材にAr+CH4
合ガスを噴射するノズルを配置し、ガラス素材に混合ガ
スを付着させるとともに第13図に示したようにガラス素
材75を吸着フインガー79で吸着後に混合ガスを付着さ
せ、ガラス素材の両面を処理する。
〔発明の効果〕
本発明は型部材が超硬合金のように成分中にガラス中
の鉛と反応し易い金属を含む材料であっても、成形雰囲
気をAr+CH4混合ガスとすることにより、超硬合金とガ
ラスの直接的反応にともなう反応生成物の発生を防ぎ、
型とガラス成形対の離型時の融着を引き起こすことのな
い製造方法を得ることができ、成形品の製品不良率を大
幅に低げることができた。
又、成形室の雰囲気は窒素ガス等の不活性ガスとし、
加圧成形の前工程で型部材又はガラス素材の表面に前記
混合ガスを付着させる方法によっても型部材とガラス成
形品の融着を防ぐことができた。
更に本発明は成形雰囲気ガスをAr+CH4混合ガスとす
ることにより型部材にセラミツクス焼結材を用いて非球
面形状成形面を有する型部材あるいは高温高硬度材表面
にセラミツクシートを施した型の場合にも、型とガラス
成形品間の温度の密着力の発生を防ぐことができた。
【図面の簡単な説明】
第1図Aは本発明の光学素子成形方法に用いる成形装置
の断面図である。第1図Bはブロツク構成の説明図、第
2図はレンズ成形の際の時間温度関係図である。第3図
はガラスと型の密着力成形温度関係図であり、第4図は
密着力測定に用いる装置であり、第5図は測定の際の加
圧後の状態を示す拡大図である。第6図は成形体の透過
率測定図である。第7図〜第12図は本発明の方法に用い
る他の成形装置の断面図であり、第7図はその全体的平
面図、第8図〜第12図は各工程におけるパレツトの概略
断面図である。第13図は他の変形例の説明図である。 1……真空槽本体、2……フタ、 3……上型、4……下型、 5……上型おさえ、6……胴型、 7……型ホルダー、8……ヒーター、 9……つき上げ棒、10……エアシリンダ、 11……油回転ポンプ、 12,13,14……バルブ、 15……流入パイプ、16……バルブ、 17……流出パイプ、18……バルブ、 19……温度センサー、20……冷水パイプ、 21……台、31……真空槽、 32……水冷管、33,34……架台、 35……真空ポンプ、36……給気管、 37……真空排気管、38……リーク管、 39,40,41,42……バルブ、 43……エアーシリンダー。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学素子を成形するための製造方法であっ
    て、 成形すべき光学素子形状を転写する転写面を有した一対
    の型部材と 及び、予め予備成形されたガラスプリフォームを用意す
    る工程と、 前記型部材内に前記ガラスプリフォームを入れ、前記型
    部材と前記ガラスプリフォームを非酸化性ガラスと炭化
    水素ガスの混合ガスに曝す工程と、 前記混合ガス中で前記ガラスプリフォームを所定の加熱
    温度にて前記型部材によりプレス成形する工程と、 前記型部材内の成形されたガラス光学素子を冷却して取
    り出す工程 とからなることを特徴とした光学素子を成形するための
    製造方法。
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