JP2641239B2 - 銀の吸着剤及びその使用方法 - Google Patents

銀の吸着剤及びその使用方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は銀の回収や精製、および銀の化合物の製造な
ど銀に関連した多くの用途に用いるための銀の吸着剤及
びその使用方法に関するものである。
(従来の技術とその問題点) 従来より銀を吸着する性質を有する吸着剤としては、
無機系の吸着剤として活性炭やカオリン硅藻土、骨炭な
どがあり、有機系のものとしてイオン交換樹脂、キレー
ト交換樹脂などがある。
前者のものは物理吸着によるものが多く、処理液が強
アルカリや強酸、あるいは酸化剤などを含んでいても劣
化が起こりにくい反面、吸着能力や分配比が小さい欠点
がある。
後者のものは化学吸着により吸着をさせるもので前者
のものに比べて分配比は大きいものの、官能基を樹脂の
母材に結合させているので吸着能力は、1樹脂あたり
数10gとあまり大きいものではない。また強アルカリや
強酸溶液、あるいは酸化剤などを含む溶液では樹脂の劣
化や膨潤などの好ましくない現象がおこる欠点がある。
さらに、銀と他の共存する金属の水溶液の処理をした
場合、共存金属イオンの影響により、銀のみを選択的に
吸着させることはなかなか困難である。
(発明の目的) 本発明は、こうした問題点に鑑みてなされたもので、
銀イオンに対する選択性が強く、吸着能力においても従
来のものに対して約10倍の能力を有し、かつ取り扱いに
おいても劣化の少ない無機系の銀の吸着剤とその使用方
法を提供せんとするものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、前述の問題点を解決すべく研究をおこ
ない本発明を成すに至った。本発明による銀の吸着剤
は、示性式X2O・4TiO2・nH2Oで表されるチタン酸化物を
含むことを特徴とするもので、その使用方法は示性式X2
O・4TiO2・nH2Oで表されるチタン酸化物のXを水素で置
換し、水和酸化チタンとして銀の吸着に用いることを特
徴とするものである。
(作用) 以下本発明の作用について述べる。
本発明による銀の吸着剤は、示性式X2O・4TiO2・nH2O
で表されるチタン酸化物を含むもので、当該チタン酸化
物の示性式のXがカリウム、ナトリウム、アンモニウム
のいずれかである化合物によるものである。
銀の吸着に際して予め当該吸着剤のチタン酸化物の示
性式X2O・4TiO2・nH2Oで表されるXを水素で置換して水
和酸化チタン(示性式H2O・4TiO2・nH2O)とし(1式)
銀の吸着に用いる。
銀の吸着は水素で置換された水和酸化チタン(示性式
H2O・4TiO2・nH2O)と銀イオン(Ag+)との反応(2
式)により行われる。
X2O・4TiO2・nH2O+HNO3→H2O・4TiO2・nH2O+XNO3…1
式 H2O・4TiO2・nH2O+Ag+→Ag2O・4TiO2・nH2O+H+…2式 吸着した銀の溶離は、適当な濃度の酸により行うのが
好ましく最も好ましくは硝酸である(3式)。これは硝
酸で溶離することが水和酸化チタンとしての再生工程を
兼ねるからで、そのままもしくは水洗などののち再び銀
の吸着をすることができるからである。この他に硝酸ナ
トリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、アンモニウム水などの適当
な濃度の水溶液により溶離することができるが(4
式)、吸着剤の再生処理を行う必要が生じる。
Ag2O・4TiO2・nH2O+2HNO3→H2O・4TiO2・nH2O+2AgNO3
…3式 Ag2O・4TiO2・nH2O+2KNO3→K2O・4TiO2・nH2O+2AgNO3
…4式 K2O・4TiO2・nH2O+2HNO3→H2O・4TiO2・nH2O+2KNO3
5式 溶離液の濃度は、溶解条件により異なるが、溶離液と
して硝酸を用いた場合は、0.1規定以上で好ましくは1
規定以上である。他の溶離液を用いた場合もおおむね同
程度であり、必要に応じてpHを調整をすればよい。
この他にも塩酸、硫酸、リン酸、弗化水素酸などの硝
酸以外の酸や塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、硫酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リ
ン酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化カリウム、
硫酸カリウム、炭酸カリウム、硫酸水素カリウム、リン
酸カリウム、リン酸水素カリウム、酢酸カリウム、塩化
アンモニウム、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、
硫酸水素アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水
素アンモニウム、酢酸アンモニウムなどの硝酸を含まな
いアルカリ金属塩でも銀を溶離することができるが、溶
離液に塩化銀などの不溶性塩を生じたり、溶解度が不足
して十分に溶離することが出来なかったりするため、硝
酸、硝酸塩、水酸化アルカリ以外の溶離液の選択には注
意が必要である。
また溶離液として塩類や水酸化アルカリを用いた場合
には、吸着剤の再生をおこなわないと吸着剤を再利用す
ることができないので、適当な濃度好ましくは1規定以
上の酸で再生をおこなった後(前述5式)吸着剤として
再利用することができる。
以上の作用により、本発明による銀の吸着剤は、銀を
吸脱着することができる。
本発明による銀の吸着剤は、従来のものに比べて、吸
着剤あたりの銀の吸着量が大きいといった利点がある。
これはチタン酸化物(H2O・4TiO2・H2O:分子量337.6)
1モルに対して、理論値で銀(分子量:107.87)2モル
が吸着し、Ag2O・4TiO2・H2O(分子量:551.3)となるか
らで、チタン酸化物(H2O・4TiO2・H2O)1kgあたりの理
論上の銀の吸着量は639gとなるからである。実際の適用
にあたっては、銀の吸着量の限界は理論値の3分の2程
度までであるが、チタン酸化物(H2O・4TiO2・H2O)1kg
あたり銀を400g程度迄吸着させることができ、これは本
発明による銀の吸着剤の単位重量当たりの官能基が多い
ことによる。
また従来の無機系の吸着剤は物理吸着によるものが多
く、吸着量が小さい欠点があったが、本発明の銀の吸着
剤はイオン交換反応を利用するものであり、前述のよう
に吸着量が増大するとともに、従来無機系の吸着剤が有
する特徴“処理液が強アルカリや強酸、あるいは酸化剤
などを含んでいても劣化がおこりにくい”を兼ね備えて
いる。
また銀と他の金属との分離特性に優れており銀を選択
的に吸着することができる。これはチタン酸化物の官能
基が水素置換による1価のものであり銀の価数も1価で
あることによると考えられ、他の金属はアルカリ金属を
除き多価のものが多いことに起因するといえる。
本発明による銀の吸着剤は、X2O・4TiO2・nH2Oの粉末
をそのまま用いても良いが、粒状に加工したほうが取り
扱いが容易になるのでより便利である。また粒状に加工
する際には、バインダーや増量剤を加えたり、多孔質化
させても良く、吸着剤中にX2O・4TiO2・nH2Oが含まれる
ようにすれば良い。
以下本発明の実施例について述べる。
(実施例1) 1ビーカーにチタン酸カリウム(K2O・4TiO2)122.
5gをとり、希硝酸(3N)を300ml加えて、チタン酸カリ
ウムのカリウムを水素で置き換え、水和酸化チタン(H2
O・4TiO2・H2O)とした。これを容量300mlの円筒形のカ
ラムにつめて銀の吸着操作をおこなった。
銀の硝酸酸性液(銀濃度:3.2g/、pH=2.8)をSV=
2の速さで、上述の水和酸化チタンを詰めたカラムの下
部より通液して銀の吸着操作を行った。13.2通液した
ところで通過液の銀の濃度が0.1g/になったので通液
を中止した。
銀の吸着量は、水和酸化チタン1kgあたり422gと高い
ものであった。
銀の吸着後のカラムを、1の純水でSV=20で水洗し
た後、500mlの6N硝酸で銀を溶離するとともに吸着剤を
再生し、さらに水洗水500mlで洗浄し、両者の液を混合
して銀の溶離液1(Ag:41.8g/)を得た。
再び上述の銀の硝酸酸性液をカラムに通液し、通過液
の銀の濃度が、0.1g/前後になるまで通液した。
以上の方法で、銀の吸着→銀の溶離・吸着剤再生→洗
浄→(銀の吸着)の操作を50回繰り返し行ったが、吸着
剤の能力の低下はみられなかった。
(実施例2) 3ビーカー中で硝酸銀の10g/の液1(pH=5、
Ag:6.35g/)と水和酸化チタン(H2O・4TiO2・H2O)10
gを20分間混合撹拌して、銀を吸着させた。水和酸化チ
タンに4.2gの銀が吸着し、吸着後の液はpH=1.5になっ
た。銀を吸着した後の水和酸化チタンを濾過、洗浄の
後、3ビーカー中で当該水和酸化チタンと硝酸(1+
1)200mlを20分間混合撹拌したところ、吸着した銀の9
5%が溶離した。1時間静置後、上澄み液を除きさらに
硝酸(1+1)200mlを加えて20分間混合撹拌したとこ
ろ、残る5%の銀もほとんどが溶離した。
(従来例) 陽イオン交換樹脂100ml(約90g)を容量300mlの円筒
形のカラムにつめて銀の吸着操作をおこなった。
銀の硝酸酸性液(銀濃度:3.2g/、pH=2.8)をSV=
2の速さで、上述の陽イオン交換樹脂を詰めたカラムの
下部より通液して銀の吸着操作を行った。1.2通液し
たところで通過液の銀の濃度が0.1g/になったので通
液を中止した。
銀の吸着量は、陽イオン交換樹脂1あたり38.4gと
実施例1に比べて低いものであった。
(実施例3) 銅、鉄、ニッケルを含む銀の酸性溶液(Ag:0.73g/
、Cu:1.02g/、Fe:0.51g/、Ni:0.67g/、pH=1.
0)5と水和酸化チタン(H2O・4TiO2・H2O)25gを20
分間混合撹拌して、銀を吸着させた。1時間静置後、上
澄み液を分析したところ、銀は0.01g/となり、銅、
鉄、ニッケルの濃度は変化なかった。
(発明の効果) 本発明による、銀の吸着剤は、従来のものに対して約
10倍の能力を有するもので、銀に対する選択性や、劣化
が少ないなどの特徴を兼ね備えている。また従来の陽イ
オン交換樹脂と同様に容易に吸着や再生操作をすること
ができるなどの特徴もあり産業への貢献大なのものであ
る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】示性式X2O・4TiO2・nH2Oで表されるチタン
    酸化物であって、Xがナトリウム、カリウム及びアンモ
    ニウムのいずれかであるチタン酸化物を含むことを特徴
    とする銀の吸着剤。
  2. 【請求項2】示性式X2O・4TiO2・nH2Oで表される請求項
    1のチタン酸化物を含む銀の吸着剤において当該チタン
    酸化物のXを水素で置換し、水和酸化チタンとして銀の
    吸着に用いることを特徴とする銀の吸着剤の使用方法。
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