JP2640765B2 - ポリマーセメントモルタル組成物およびその硬化物の製造方法 - Google Patents

ポリマーセメントモルタル組成物およびその硬化物の製造方法

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JP2640765B2 JP25808688A JP25808688A JP2640765B2 JP 2640765 B2 JP2640765 B2 JP 2640765B2 JP 25808688 A JP25808688 A JP 25808688A JP 25808688 A JP25808688 A JP 25808688A JP 2640765 B2 JP2640765 B2 JP 2640765B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、天井材や壁材等の建材、コンクリート建築
物の塗装材として有用なポリマーセメントモルタル組成
物およびその硬化物の製造方法に関するものである。
【従来の技術】
ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、
マグネシアセメント、フライアッシュセメント等の水硬
性セメント100重量部に、体質顔料やけい砂等の充填材1
00〜500重量部(場合によりセメントのみで)及び水、
場合によってはこれらに適宜の混和材を加えて練り混ぜ
て成るセメントモルタルは、建築物の壁面乃至床面等の
被覆材として従来広く用いられており、更には、このセ
メントモルタルの機械的強度、壁面との接着性、耐エフ
ロ性、耐ドライアウト性、耐水性、耐薬品性、耐摩耗
性、寸法安定性、壁面の変形に対する追従性等の諸特性
を改良するため、エマルジョン樹脂を混入した樹脂入り
セメントモルタルも同様に用いられている。 上記従来の樹脂入りセメントモルタルは、セメントモ
ルタル中に通常のエマルジョン重合法によって得られる
エマルジョン樹脂をそのまま混入しているに過ぎないも
のであるため、セメントモルタルの上記諸特性は改良で
きるものの、その作業性を著しく損ない、作業能率及び
仕上り外観に悪影響を及ぼすといった問題点がある。例
えば、建築物壁面や床面に樹脂入りセメントモルタルを
施工する場合、一般的にコテ塗りが行なわれるが、この
場合、混入したエマルジョン樹脂の粘着性により、セメ
ントモルタルのコテ離れが悪く、平滑面を得ることが難
しい上、表面のエマルジョン樹脂の皮張りが比較的短時
間のうちに起るため、ムラ直しも困難である。 このエマルジョン樹脂の皮張りの現象は、コテ塗り、
吹き付け塗装、注型を容易とするためにポリマーセメン
トモルタル組成物を水で希釈すると、比重差により樹脂
エマルジョン層とセメントモルタル層が分離することに
より起り易い。これは、添付図面の第2図に示すように
水で希釈したポリマーセメントモルタル組成物を容器内
で静置すると、2層に分かれ、下層がエマルジョンの樹
脂粒子と水硬性セメント、充填材と水が混在するポリマ
ーセメントモルタル層1、上層が浮遊した粒径が0.05〜
0.2ミクロン程度のエマルジョンの樹脂粒子の水分散層
2となる。これは、塗装されたポリマーセメントモルタ
ル組成物が乾燥すると、上層側の水分が飛散し、水分離
層2がポリマーセメントモルタル層1の表面に形成され
るからである。したがって、エマルジョンの分離を防止
するために、ポリマーセメントモルタルにポリビニルア
ルコールで、でんぷん、カゼイン、カルボキシメチルセ
ルローズ、ガラクトマンノン等の水溶性ポリマー(増粘
剤、保護コロイド剤でもある。)を添加することが行な
われている。 しかし、この水溶性ポリマーを添加しても表面のエマ
ルジョン樹脂の皮張り防止効果は十分でなく、この皮膜
の粘着性を低下させるために、水溶性ポリマーとともに
ゲル化剤(ホウ酸塩、タンニン酸、乳酸チタン等)を樹
脂水性エマルジョンに配合してゲル化を生じさせ、この
水溶性ポリマーを不溶化させる、セメントモルタル中に
樹脂成分としてゲル化膜でカプセル化した樹脂エマルジ
ョンの粒子を含有させたポリマーセメントモルタル組成
物が提案されている(特開昭63〜21246号公報を参
照)。このポリマーセメントモルタル組成物はセメント
モルタルよりのコテ離れが改良されているが、ポリマー
セメントモルタル組成物の粘土が高く、コテ塗り、吹き
付け塗装、ハケ塗り等の塗装性が改良されていない。塗
装性を良くしようと水で希釈すると、エマルジョンの層
分離が生じる。
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の樹脂入りセメントモルタルを有す
る問題点を解決したものであって、その目的は水で自由
に希釈でき、かつ、セメントモルタルよりエマルジョン
樹脂の分離がほとんど生じないポリマーセメントモルタ
ル組成物およびその硬化物の製造方法を提供することに
ある。
【課題を解決するための手段】
本発明では、エマルジョンの製造の際に用いるアニオ
ン性界面活性剤とキレート化合物を形成するカルシウム
ィオンまたはマグネシウムイオンをポリマーセメントモ
ルタルに加えることにより、前記キレート化合物を形成
させることによってエマルジョンの共重合体粒子を析出
させ、セメント粒子、場合によっては充填材にも付着さ
せることによりエマルジョン共重合体粒子のセメント、
充填材、共重合体粒子の混合系よりの分離を可能な限り
防ぎ、皮膜の粘着を防止するものである。 ところで、凝集剤(例えば硫酸バンド)やカチオン系
界面活性剤を加えることによりアニオン性樹脂エマルジ
ョンを析出でき、これらは添加により急速にアニオン性
界面活性剤と反応してキレートを形成するが、本発明に
おいては、カルシウムイオンまたはマグネシウムイオン
がゆっくり反応し、樹脂の析出・付着がより均等に行な
われ、ポリマーセメントモルタルの性能が安定する。 前記目的を達成するために、本発明の特徴とするポリ
マーセメントモルタル組成物は、 水硬性セメント(A) 100重量部 多価金属イオンによりキレート化合物を形成するアニオ
ン性界面活性剤の存在下、ビニル単量体混合物を乳化重
合して得られるカルボキシル基(−COOH)濃度が0〜0.
7重量%のアニオン性共重合体水性エマルジョン(B)
共重合体固型分量で3〜30重量部 水中でカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンを発
生する無機化合物(C) 10〜150重量部 充填材(D) 0〜490重量部 〔但し、(C)成分と(D)成分の和は10〜500重量部
である。〕 上記(A)、(B)、(C)及び(D)成分が上記割
合で配合されて成るものである。 また、本発明の特徴とするポリマーセメントモルタル
硬化物の製造方法は、 水硬性セメント(A) 100重量部 カルシウムイオンまたはマグネシウムイオンによりキレ
ート化合物を作るアニオン性界面活性剤を用いて、ビニ
ル単量体混合物を乳化重合して得られる共重合体水性エ
マルジョンであって、該共重合体中のカルボキシル基濃
度が0〜0.7重量%であるアニオン性共重合体水性エマ
ルジョン(B) 共重合体固型分量で3〜30重量部 〔但し、共重合体100重量部に対するアニオン性界面活
性剤の使用量は、固型分量で0.6〜2.5重量部である。〕 水中でカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンを発
生する無機化合物(C) 10〜150重量部 充填材(D) 0〜490重量部 〔但し、(C)成分と(D)成分の和は10〜500重量部
である。〕 上記(A)、(B)及び(D)成分を含むポリマーセ
メントモルタル組成物に上記(C)成分を加えた後、
(B)成分のエマルジョンのガラス転移点よりも5℃以
上低い温度で施工又は注型して水硬反応させるものであ
る。 上記構成について、更に具体的に説明する。 〔水硬性セメント(A)〕 (A)成分の水硬セメントとしては普通ポルトランド
セメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトラ
ンドセメント、ジェットセメント、白セメント、高炉ス
ラグセメント、シリカセメント等が利用できる。 〔アニオン性共重合体水性エマルジョン〕 (B)成分のアニオン性共重合体水性エマルジョンは
カルシウムイオンまたはマグネシウムイオンによりキレ
ート化合物を作るアニオン性界面活性剤を用いて、ビニ
ル単量体を乳化重合して得られる共重合体水性エマルジ
ョンであって、該共重合体中のカルボキシル基濃度が0
〜0.7重量%であるアニオン性共重合体水性エマルジョ
ンである。 但し、共重合体100重量部に対するアニオン性界面活
性剤の使用量は、固型分量で0.6〜2.5重量部である。 ここで、共重合体中のカルボキシル基濃度は共重合体
を形成したビニルモノマーの総重量に対し、その共重合
体に占めるα,β−不飽和酸に基づく構成ユニットの重
量%によって示す。α,β−不飽和酸としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン
酸、無水マレイン酸等が使用される。α,β−不飽和酸
がアクリル酸、イタコン酸、フマル酸、無水マレイン酸
のように共重合体粒子の表面に多くカルボキシル基が存
在する共重合体を与えるものであるときは、カルボキシ
ル基濃度が0.1重量%未満となるように、また、メタク
リル酸のように共重合体粒子の内部に多くカルボキシル
基が存在するような共重合体を与えるときは、カルボキ
シル基濃度が0.7重量%以下となるように乳化重合に用
いるα,β−不飽和酸の使用量を加減する。(C)成分
より発生するCa++やMg++は、アニオン性界面活性剤と反
応してキレート化合物を生成するが、カルボキシル基を
有するエマルジョンの共重合体粒子も、これらイオンを
補捉してキレートを形成する。 したがって、前記アニオン性界面活性剤とのキレート
反応を遅らせたり、(A)成分のセメント中の石膏や
(C)成分のカルシウム塩が石膏のときは、石膏の水和
硬化反応をも遅らす原因となるので、(B)成分のアニ
オン性共重合体水性エマルジョンの樹脂は、カルボキシ
ル基が粒子表面に可能なかぎり存在しないか、酸基を有
していないものであることが好ましい、やむを得ずビニ
ル単量体としてアクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、フマル酸、無水マレイ酸、クロトン酸等のα,β−
不飽和カルボン酸を用いるときは、共重合体中のカルポ
キシル基濃度が前述の濃度以下となるように用いる。こ
の濃度を超えるとCa++やMg++が水性エマルジョンの樹脂
に食われる量が多く、セメントや石膏の水和反応に要す
る時間が長くなる。 (C)成分のCa++やMg++は、乳化剤のアンモニアイオ
ンやK+、Na+Li+等の金属イオンとイオン交換しキレート
化により、例えば乳化剤は親水性の低下した有機スルホ
ン酸カルシウム塩または有機カルボン酸カルシウム塩と
なり、その界面活性能力を下げてエマルジョンが破壊さ
れ、共重合体粒子は凝集、凝固し、セメントに付着す
る、この(C)成分は、セメント100重量部に対して10
〜100重量部、エマルジョンの共重合粒子の約3倍の量
用いる。乳化剤としては、ラウリン酸スルホン酸ソーダ
ー、ステアリン酸ソーダー、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル硫酸エステルソーダー、ポリオキシエチレン
アルキルフエニルエーテルスルホン酸ソーダー、アルカ
ンスルホン酸ソーダー、アルキルベンゼンスルホン酸ソ
ーダー等の有機スルホン酸ソーダー塩;脂肪族石鹸、脂
肪酸サルコシド、ロジン酸石鹸等の脂肪酸金属塩;これ
らのNa+の代わりにK+、NH+、アルカノールアミンイオン
を有する硫酸エステル型アニオン性界面活性剤もしくは
脂肪酸誘導体が利用できる。 これらアニオン性乳化剤は、得られる水性エマルジョ
ンの共重合体100重量部に対し、固型分量で0.6〜2.5重
量部の割合で用いる。これより多い場合、乳化剤の破壊
作用が小さく期待される共重合体粒子の凝集が部分的ま
たは全く生じなくなると共に、セメントや石膏や水和硬
化反応が阻害される。また、少ない場合は、水性共重合
体エマルジョンの重合安定性や貯蔵安定性が低く、かつ
共重合体粒子の凝集が速く、セメントや充填材との混和
安定性にも問題がある。 即ち、0.6重量部未満では、共重合体粒子の凝集物の
発生や、凝集の速度が速くなり、セメントや充填材と共
重合体水性エマルジョンと水の混合が困難で、樹脂エマ
ルジョンのセメントモルタルへの不均一混合が生じ、得
られるポリマーセメントモルタル硬化物の性能が一定化
しない。更に、エマルジョン製造時の乳化重合が困難と
なる。 一方、2.5重量部を超えると、エマルジョンの共重合
体粒子の凝集、凝固に時間を要すると共に、エマルジョ
ンの共重合体の構成部分によっては、共重合体エマルジ
ョンの一部がポリマーセメントモルタル層(下層)1と
分離した水分散層(上層)2を形成し(第2図参照)、
アニオン性共重合体水性エマルジョンが有効に利用され
ない。アニオン性乳化剤と一緒にポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフエニル
エーテル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油等のノニオン
性界面活性剤を併用しても良い。このノニオン乳化剤
は、Ca++やMg++等による凝集作用を受けず、共重合樹脂
粒子をCa++やMg++より守り安定化させる力を有する。ま
た、樹脂エマルジョンの重合時に安定で効果的で、か
つ、充填材の分散剤として有効である。しかしながら、
2%を超えて用いた場合、樹脂エマルジョンの一部を凝
集し得なくなるため、できるかぎり少ない方が良い。こ
のため、(B)成分の共重合体粒子に対して0〜2%の
範囲で重合時または、重合後にノニオン乳化剤を配合す
るのが好ましい。 アニオン性共重合体を与えるビニル単量体としては、
アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエ
ステル(これらアレキル基の炭素数は1〜8);2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2ヒドロキシプロピルアク
リレート及びこれらのメタクリレート相当物;アクリル
アミド、メタクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、エチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル
等のエステル類、酢酸ビニル、スチレン、アクリル酸、
メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、無
水マレイン酸等が利用でき、これらビニル単量体の2種
以上を選択し、得られる水性エマルジョンの共重合体粒
子のガラス転移点が、好ましくは−30℃〜+30℃となる
ようにすると共に、共重合体中のカルボキシル基の量が
前記した量の範囲となるようにビニル単量体を選択す
る。なお、ビニルスルホン酸ナトリウム等のように反応
性乳化剤と呼ばれているものは、アニオンであればアニ
オン性乳化剤として取扱う。乳化重合は通常の方法で行
なわれ、得られる共重合体水性エマルジョン中の樹脂固
型分の濃度は20〜65重量%、共重合体粒子の粒径は0.03
〜3ミクロンが一般である。 このアニオン性共重合体水性エマルジョンの使用量
は、共重合体を構成するビニル単量体の種類により大き
く左右されるが、一般に、(A)成分の水硬性セメント
100重量部に対し、固型分で3〜30重量部である。30重
量部を超えるとエマルジョン樹脂の凝集に必要である
(C)成分から発生するCa++やMg++が多量に必要とな
り、この(C)成分の増加は水硬性セメントに対する比
率から、セメントモルタル本来の性能を消してしまう。 また、水性エマルジョンのポリマーセメントモルタル
硬化物に与える防水性の向上がこれ以上期待できるもの
でなく、高価なエマルジョンを多量に用いるメリットが
少ない。一方、3重量部未満では均一なポリマーセメン
トモルタルを得ることができない。そして、(B)成分
のエマルジョンの(A)成分のセメントに対する使用量
は、上述したようにエマルジョンの共重合体を構成する
ビニル単量体の種類により大きく左右され、一般に酸
基、水酸基、アミド基等の官能基があるものの方が、こ
れら官能基を有していない共重合体よりもその使用量の
上限値が低くなる傾向がある。 〔無機化合物〕 (C)成分の無機化合物としては、カルシウムやマグ
ネシウムの硫酸塩、塩化物、炭酸物、水酸化物、酸化物
等で、水中でCa++やMg++のイオンを発生するものが使用
できる。具体的には石膏、生石灰、酸化マグネシウム、
炭酸カルシウム等が用いられる。これらは(B)成分の
エマルジョンを破壊するのに十分な量使用される。 〔水〕 水はセメントの水和硬化反応に寄与すると共に、セメ
ントが硬化するまでのセメントや充填材の分散媒の役目
を果す。そして水は、セメント100重量部に対し、30〜1
00重量部、好ましくは35〜70重量部となるように用い
る。しかしながら本発明では、エマルジョンの樹脂分が
セメントや充填材に析出付着しているため、希釈しても
分離することができないので、水を多く使用してもよ
く、フローの非常に大きい、言い換えれば作業性の良好
なポリマーセメントモルタル組成物が得られる。 〔充填材〕 (D)成分の充填材としては、けい砂等の細骨材、酸
化チタン、クレイ等の体質顔料、酸化鉄、酸化クロム等
の着色顔料、タルク、砕石、軽量骨材、繊維等の増量材
が利用できる。 〔セメントモルタル〕 セメントモルタルは、(A)成分のセメント、(D)
成分の充填剤及びこれに適量の水を加えて練り混ぜたも
のである。また、このセメントモルタル中には必要に応
じて各種添加剤(合成樹脂、減水剤、空気連行剤等)を
使用することができる。 〔ポリマーセメントモルタル組成物〕 ポリマーセメントモルタルの調整は、(A)成分のセ
メントと、(D)成分の充填剤と水とのセメントモルタ
ルに(B)成分のエマルジョンを加え、更に(C)成分
のカルシウム化合物またはマグネシウム化合物を加え
る。また、(C)成分を混合したセメントモルタルに
(B)成分のエマルジョンを加えて調製する。 施工(塗布)や注型は、エマルジョンの共重合体粒子
のガラス転移点(Tg)よりも5℃以上低い温度で行な
い、凝集したエマルジョンの共重合体粒子同士の融着を
防止する。施工や注型されたポリマーセメントモルタル
はセメントの水硬反応により発熱し、必要に応じて加熱
することにより共重合体粒子が融着し、強靭な皮膜や成
型体となる。そして、エマルジョンの共重合体のTgを40
℃以下、好ましくは20℃以下とすれば、冬でも水蒸気養
生しないでポリマーセメントモルタルの硬化物を得るこ
とができるが、該硬化物の強度を早期に発現するために
は水蒸気養生してもよい。 ポリマーセメントモルタルの硬化時間は、通常、6時
間位で持ち運べる強度となり、その後セメントの水硬反
応が進行して圧縮強度は向上し、7日〜30日でほぼ飽和
した圧縮強度となるが、水蒸気養生すれば1日位で十分
な圧縮強度を有するポリマーセメントモルタル硬化物が
得られる。
【実施例等】
以下、実施例等により本発明を更に詳細に説明する。
なお、例中の部及び%は、特に例記しない限りは重量基
準である。 水性樹脂エマルジョンの製造例 例1 温度調節器、いかり形撹拌器、還流冷却器、供給容
器、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器内に、下記
の原料を装入した。 水 200部 エチレンオキシド20モルと反応せたp−ノニルフェノー
ルの硫酸半エステルのナトリウム塩(アニオン性乳化剤
a)の35%水溶液 3.9部 次いで、反応容器内を窒素ガスで置換した後、次ぎに
示す供給物Iの10%を加え、混合物を90℃に加熱した。 供給物I 水 200部 前記アニオン性乳化剤の35%水溶液 19部 スチレン 192部 アクリル酸n−ブチル 194部 アクリルアミド 14部 更に、85部の水に2.5部の加硫酸カリウムを溶解した
もの(供給物II)の10%を反応容器内に装入後、残りの
供給物I全て及び供給物IIの90%を3.5時間かけて反応
容器内に供給し、供給終了後、2時間、同温度に保って
供給物Iを重合させて、−COOH含量が0重量%のアニオ
ン性樹脂水性エマルジョン(Tg+17℃)を得た。 例2〜17 ビニル単量体の種類、乳化剤の種類、量を後記表1の
ように変化させて、同表に示す物性の共重合体粒子の水
性エマルジョンを得た。なお、ノニオン性乳化剤は反応
容器内に最初に投入した。 実施例1 普通ポルトランドセメント100重量部、標準けい砂300
重量部及び水150重量部のモルタルスラリーに、例1で
得たアニオン性樹脂水性エマルジョン20重量部を混合
し、次いでα石膏30重量部を加え、ポリマーセメントモ
ルタル組成物を調製した。このものの分散状態は第1図
に示す通りであって、層分離はなかった。 そして、このポリマーセメントモルタル組成物につい
て次ぎの評価を行なった。 コテ塗り作業性: 後記表1に示す温度でポリマーセメントモルタル組成
物をコテ塗りした際のコテ塗り性と均一塗布性を調査し
た。 曲げ強度: JIS R−5201による(28日経過後) 水希釈性 ポリマーセメントモルタル組成物100重量部に水40重
量部を加えて5分間撹拌混合し、30分間静置した後の層
分離の有無を調べた。 良好……第1図に示す単層状態 不良……第2図に示す2層状態 実施例2〜10、比較例1〜6 実施例1において、ポリマーセメントモルタルの組成
を後記表2に示すように変化させる他は同様にしてポリ
マーセメントモルタル組成物を調製し、評価した。その
結果を同表に示す。 実施例11〜23、比較例7〜12 実施例1において、エマルジョンとして例1のものの
代わりに後記表3に示すものを用いる他は同様にして、
次ぎの組成のポリマーセメントモルタル組成物を調製
し、評価した。 普通ポルトランドセメント 100重量部 エマルジョン 20重量部 α石膏 30重量部 5号けい砂と8号けい砂の混合物(1/1) 300重量部 水 35重量部 結果を表3に示す。 実施例24 実施例1の配合において、着色剤として黄色酸化鉄を
更に20部用いる他は同様とした。この実施例では分散状
態、水希釈性、コテ塗り作業性等は良好であった。 実施例25 実施例23で水希釈性評価後の配合物を濾紙を置いて流
し込み、水流ポンプにより減圧濾過したが、濾液は透明
で、濾過に特に問題がなく、濾過残渣(ポリマーセメン
トモルタル脱水体)を80℃、90%湿度にて3日間加熱養
生したところ、136kg/cm2の曲げ強度をもつポリマーセ
メントモルタル硬化物を得た。 なお、比較例1の場合、いかに水希釈しても最初にエ
マルジョンの白水が濾液となり、少し除かれるだけで後
は濾過不能となった。
【発明の効果】
本発明は上記の如くであって、前掲した表2及び表3
によって明らかであるように、当該組成物としてはその
諸特性が改良されている。そして水で自由に希釈でき、
かつ、セメントモルタルよりエマルジョンの分離がほと
んどないポリマーセメントモル組成物を提供できるもの
である。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、何れもポリマーセメントモルタル
組成物の分散状態を示す断面図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)水硬性セメント(A) 100重量部 多価金属イオンによりキレート化合物を形成するアニオ
    ン性界面活性剤の存在下、ビニル単量体混合物を乳化重
    合して得られるカルボキシル基(−COOH)濃度が0〜0.
    7重量%のアニオン性共重合体水性エマルジョン(B)
    共重合体固型分量で3〜30重量部 水中でカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンを発
    生する無機化合物(C) 10〜150重量部 充填材(D) 0〜490重量部 〔但し、(C)成分と(D)成分の和は10〜500重量部
    である。〕 上記(A)、(B)、(C)及び(D)成分が上記割合
    で配合されて成ることを特徴とするポリマーセメントモ
    ルタル組成物。
  2. 【請求項2】水硬性セメント(A) 100重量部 カルシウムイオンまたはマグネシウムイオンによりキレ
    ート化合物を作るアニオン性界面活性剤を用いて、ビニ
    ル単量体混合物を乳化重合して得られる共重合体水性エ
    マルジョンであって、該共重合体中のカルボキシル基濃
    度が0〜0.7重量%であるアニオン性共重合体水性エマ
    ルジョン(B) 共重合体固型分量で3〜30重量部 〔但し、共重合体100重量部に対するアニオン性界面活
    性剤の使用量は、固型分量で0.6〜2.5重量部である。〕 水中でカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンを発
    生する無機化合物(C) 10〜150重量部 充填材(D) 0〜490重量部 〔但し、(C)成分と(D)成分の和は10〜500重量部
    である。〕 上記(A)、(B)及び(D)成分を含むポリマーセメ
    ントモルタル組成物に上記(C)成分を加えた後、
    (B)成分のエマルジョンのガラス転移点よりも5℃以
    上低い温度で施工又は注型して水硬反応させることを特
    徴とするポリマーセメントモルタル硬化物の製造方法。
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