JP2640500B2 - 耐溶剤性の優れた紙加工用組成物の製造方法 - Google Patents

耐溶剤性の優れた紙加工用組成物の製造方法

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JP2640500B2 JP15877088A JP15877088A JP2640500B2 JP 2640500 B2 JP2640500 B2 JP 2640500B2 JP 15877088 A JP15877088 A JP 15877088A JP 15877088 A JP15877088 A JP 15877088A JP 2640500 B2 JP2640500 B2 JP 2640500B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] 本発明は、耐溶剤性の優れた紙加工用組成物の製造方
法に関し、さらに詳しくは、ポリビニルアルコールまた
はその誘導体100重量部と、不飽和基とシラン基とを有
する単量体1〜20重量部、(メタ)アクリル系単量体19
〜280重量部の単量体組成物とからなり、ポリビニルア
ルコールまたはその誘導体の水溶液中で単量体組成物の
共重合を行なうことを特徴とする、ポリビニルアルコー
ルまたはその誘導体に単量体組成物の一部がグラフト重
合した水性樹脂液からなる耐溶剤性に優れた紙加工用組
成物の製造方法に関する。
[従来の技術] 紙加工用組成物の水系樹脂としては、ビニル系樹脂や
アクリル系樹脂などの各種合成樹脂エマルジョンや合成
ゴムラテックスなどがその作業性のよさから広く使用さ
れているが、特に感熱記録紙のトップコートやバインダ
ー、あるいは剥離紙などのアンダーコート剤などのよう
な耐溶剤性やバリヤー性が要求される用途には、完全ケ
ン化ポリビニルアルコール水溶液が使用されている。完
全ケン化ポリビニルアルコール水溶液は、合成樹脂エマ
ルジョンや合成ゴムラテックスでは得られない優れた耐
溶剤性を有する反面、完全ケン化ポリビニルアルコール
は低濃度で高粘度となり、塗工作業性が悪く、乾燥速度
が遅いという欠点を有していた。特に温度による影響を
受けやすく、冬場など低温下では完全ケン化ポリビニル
アルコール水溶液がゲル化を起こし使用できないという
問題も有していた。
近年、情報産業用紙や特殊加工紙の需要が増大して耐
溶剤性が求められる用途も拡大し、特に塗工作業性のよ
い耐溶剤性の選れた紙加工用組成物が強く要求されるよ
うになった。
完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液の耐溶剤性を
低下することなく、塗工作業性を向上することは難しい
こととされ、完全ケン化ポリビニルアルコールよりは作
業性のよい部分ケン化のポリビニルアルコール水溶液が
多く使用されている。しかしながら、部分ケン化物は完
全ケン化物より耐溶剤性および耐水性が悪いため、部分
ケン化ポリビニルアルコール水溶液の耐溶剤性および耐
水性を向上するための試みがなされている。
そのひとつとして部分ケン化ポリビニルアルコール水
溶液に、硼砂、グリオキザール、グルタルアルデヒドな
どの耐水化剤の併用が行なわれている。しかし、耐水化
剤を併用すると耐溶剤性は向上するが、放置しておくだ
けでゲル化や分離を起こして使用できなくなるため、使
用可能な時間が短いという欠点を有している。
完全ケン化あるいは部分ケン化のポリビニルアルコー
ルに反応性化合物を反応した各種変性ポリビニルアルコ
ールも知られているが、作業性が充分でなかったり耐溶
剤性が低下してしまったりして、紙加工用組成物として
作業性がよく、耐溶剤に優れた有用な変性ポリビニルア
ルコール水溶液は得られていない。
完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液に各種合成樹
脂エマルジョンをブレンドすることにより作業性を向上
することも行なわれているが、ブレンドすることにより
耐溶剤性の低下が著しかった。
[発明が解決しようとする課題] 従って、本発明が解決すべき課題は、塗工作業性、乾
燥性を向上した紙加工用組成物であって、しかも耐水
性、耐溶剤性、耐熱性の優れた皮膜が得られる組成物を
開発することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者は、かかる問題を解決するために、特にポリ
ビニルアルコールの耐溶剤性および合成樹脂エマルジョ
ンの塗工作業性に着目して、ポリビニルアルコールの存
在下における各種単量体の重合、併用する乳化剤の種類
について種々の検討を行なった。
各種単量体の中より、耐溶剤性の向上に効果を示す不
飽和基とシラン基とを有する単量体を見い出しさらに研
究を重ねた結果、ポリビニルアルコールの存在下で、不
飽和基とシラン基とを有する単量体と、(メタ)アクリ
ル系単量体の単量体組成物を重合すること、ポリビニル
アルコールと、不飽和基とシラン基とを有する単量体
と、(メタ)アクリル系単量体の使用割合が特定の範囲
のときに限ってきわめてすぐれた紙加工用組成物が得ら
れることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ポリビニルアルコールまたはそ
の誘導体100重量部と、不飽和基とシラン基とを有する
単量体1〜20重量部、(メタ)アクリル系単量体19〜28
0重量部の単量体組成物とからなり、ポリビニルアルコ
ールまたはその誘導体の水溶液中で単量体組成物の共重
合を行なうことを特徴とする、ポリビニルアルコールま
たはその誘導体に単量体組成物の一部がグラフト共重合
した水性樹脂液からなる耐溶剤性に優れた紙加工用組成
物の製造方法である。
また、併用する乳化剤についても研究を行ない、非イ
オン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性
界面活性剤などが、いずれも耐溶剤性を低下したにもか
かわらず、重合性不飽和基を有する乳化剤のみが耐溶剤
性を低下することなく、紙加工用組成物として安定性を
向上し、塗工作業性を向上することを見い出した。
さらに上記の水性樹脂液にコロイダルシリカを加える
と、耐熱性が向上するだけでなく、塗工作業性や皮膜の
耐溶剤性がさらに向上することを見い出した。
本発明の方法によれば、部分ケン化ポリビニルアルコ
ールまたはその誘導体の水溶液の皮膜の耐水性や耐溶剤
性が向上するばかりでなく、完全ケン化ポリビニルアル
コールまたはその誘導体の水溶液の皮膜の耐溶剤性を低
下することなく塗工作業性を向上することが可能となっ
た。
[構成の説明] 本発明において使用するポリビニルアルコールまたは
その誘導体のうち、ポリビニルアルコールとしては、部
分ケン化ポリビニルアルコールや完全ケン化ポリビニル
アルコールなど、ポリビニルアルコール系塗工液に使用
されるポリビニルアルコールである。
特に、重合度50〜3000、ケン化度60モル%以上のポリ
ビニルアルコールが適当である。
ポリビニルアルコールの誘導体としては、ポリビニル
アルコールのオレフィン共重合変性物、カルボン酸ビニ
ル共重合変性物、アルキルビニルエーテル共重合変性
物、(メタ)アクリレート共重合変性物、アクリルアミ
ド共重合変性物、カルボン酸モノマー共重合変性物、ス
ルホン酸モノマー共重合変性物、アリルアルコール共重
合変性物、カチオン化変性物、エーテル化変性物、エス
テル化変性物、アセタール可変性物、アセトアセチル化
変性物、アルキレンオキサイド付加変性物などの変性ポ
リビニルアルコールが適当である。
本発明において使用する不飽和基とシラン基とを有す
る単量体としては、ビニルトリアルコキシシラン、アリ
ルトリアルコキシシラン、ビニルアルキルジアルコキシ
シラン、ビニルジアルキルアルコキシシランなどのビニ
ルシラン;ビニルジメチルクロロシラン、ビニルメチル
ジクロロシラン、ビニルトリクロロシランなどのビニル
シランハロゲン誘導体;(メタ)アクリルアミド−メチ
ルトリアルコキシシラン、(メタ)アクリルアミド−エ
チルトリアルコキシシラン、(メタ)アクリルアミド−
プロピルトリアルコキシシランなどの(メタ)アクリル
アミド−アルキルシランなどがあげられる。
特に好ましくは、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリエトキシメトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシランのごときビニルトリア
ルコキシシランである。
本発明において使用する(メタ)アクリル系単量体と
しては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリ
ル酸2−エチルヘキシルのごとき(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルまたは(メタ)アクリロニトリルの1種
または2種以上である。
必要に応じて、(メタ)アクリル系単量体に酢酸ビニ
ル、バーサチック酸ビニルなどのビニルエステル、スチ
レン、メチルスチレン、アクリルアミド、塩化ビニル、
エチレンなどの共重合性を有する単量体を併用すること
ができる。
グリシジル(メタ)アクリレート、N−メチロールア
クリルアミドなどの反応性単量体や、ジビニルベンゼ
ン、フタル酸ジアリル、テトラアリルオキシエタンなど
の架橋性単量体なども必要により併用することができ
る。
本発明において使用する不飽和基を有する反応性乳化
剤としては2−スルホエチルアクリレート、2−スルホ
エチルα−エチルアクリレートなどのごとき不飽和カル
ボン酸のスルホエステル類;不飽和ジカルボン酸の誘導
体にスルホン酸または硫酸のアルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩またはアミン塩基を付加した化合物;少なくとも
1個のアリル基またはメタリル基を含有するアルキルル
ホコハク酸塩類の1種または2種以上である。特に共重
合性から、少なくとも1個のアリル基を含有するアルキ
ルスルホコハク酸塩類が好ましい。
本発明の方法における重合は、ポリビニルアルコール
またはその誘導体の水溶液中で、不飽和基とシラン基と
を有する単量体と(メタ)アクリル系単量体との単量体
組成物を共重合するもので、ポリビニルアルコールまた
はその誘導体100重量部に対して不飽和基とシラン基と
を有する単量体を1〜20重量部、(メタ)アクリル系単
量体を19〜280重量部の使用割合で行なうことが必須の
用件である。
不飽和基とシラン基とを有する単量体が1部未満の場
合は、耐水性、耐溶剤性の向上が認められず、20部をこ
える場合は安定な水性樹脂液が得られない。また、(メ
タ)アクリル系単量体が19部未満の場合は、塗工作業
性、乾燥性の向上が認められず、280部をこえる場合
は、安定な水性樹脂液が得られない。
その重合方法としては、先ずポリビニルアルコールま
たはその誘導体100重量部を適量の水に溶解してポリビ
ニルアルコールまたはその誘導体の水溶液を調製する。
その濃度は重合度やケン化度によって左右されるが、通
常約2〜30%である。この水溶液を適温に加熱し、次に
1〜20重量部の不飽和基とシラン基とを有する単量体
と、19〜280重量部の(メタ)系アクリル単量体とから
なる単量体組成物を重合開始剤の存在下に添加して重合
する。重合開始剤としては過酸化水素、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム、2,2′−アゾビス(2−アミ
ジノプロパン)塩酸塩、有機過酸化物およびレドックス
重合開始剤などが用いられる。
このとき、単量体組成物を一時に全量添加して重合し
てもよく、あるいは経時的に滴下して重合してもよい。
また、単量体組成物の一部分を一時に添加して重合した
のち、残部を滴下して重合してもよい。
不飽和基を有する反応性乳化剤を併用する場合は、ポ
リビニルアルコールまたはその誘導体の水溶液に加えて
もよく、単量体組成物に加えてもよい。また、分割して
両方に加えておくこともでき。
[作用および発明の効果] 前述したように、ポリビニルアルコールまたはその誘
導体の水溶液中で、不飽和基とシラン基とを有する単量
体と(メタ)アクリル系単量体との単量体組成物を特定
の割合で重合することによって、始めて発明の課題をこ
とごとく解決した紙加工用組成物がえられる。
本発明の紙加工用組成物である水性樹脂液としての重
要な特長は、ポリビニルアルコールまたはその誘導体に
単量体組成物の一部がグラフト共重合していること、さ
らに共重合体が不飽和基とシラン基とを有する単量体と
(メタ)アクリル系単量体の共重合体であることがあげ
られる。紙加工用組成物として特に要求される塗工作業
性及び得られた皮膜の耐溶剤性が著しく向上するのは、
前述の2つの特長の相乗効果によるものと思われ、特長
のいずれかひとつでは、全く効果は認められなかった。
つまり、不飽和基とシラン基とを有する単量体を除
き、(メタ)アクリル系単量体のみ本発明と同様にして
水性樹脂液を得ても、得られる皮膜の耐溶剤性の向上は
全く認められない。また、不飽和基とシラン基とを有す
る単量体と(メタ)アクリル系単量体を使用しても、こ
れらをあらかじめ界面活性剤などを使用し乳化共重合し
て得られた共重合体水性分散液としてからポリビニルア
ルコールまたはその誘導体の水溶液に混合するのでは、
やはり本発明のごとき優れた皮膜の耐溶剤性を得ること
はできなかった。
本発明における共重合体をメチルエチルケトンを用い
て溶解テストし、ゲル含有率からグラフト効率を測定す
ると70重量%以上を示した。
特に、ポリビニルアルコールまたはその誘導体の水溶
液中で共重合した共重合体中に含まれるシラン基の効果
として、本発明の水性樹脂液とコロイダルシリカとから
なる紙加工用組成物の物性があげられる。コロイダルシ
リカを使用する目的は、皮膜の耐熱性を向上することが
あげられるが、シラン基含有の有無が耐熱性向上に差が
あるばかりでなく、皮膜の耐溶剤性や耐水性などの他の
物性に対する効果についても差のあることが明らかにな
った。
つまり、シラン基を含まない共重合体水性分散液にコ
ロイダルシリカを加えても、皮膜の耐熱性の向上は少な
く、耐溶剤性や耐水性などの他の皮膜物性はほとんど向
上が認められなかったのに対し、本発明における水性樹
脂液にコロイダルシリカを加えると、皮膜の耐熱性の向
上が著しく、さらに耐溶剤性や耐水性などの他の皮膜物
性も向上するという顕著な効果が認められた。
なお、コロイダルシリカの使用量が水性樹脂液100重
量部(固形分換算)に対して100重量部(固形分換算)
をこえる場合は、樹脂量が少なくなるため、紙加工用組
成物として使用できなくなる。
本発明の紙加工用組成物は、前述の通り、耐溶剤性や
耐水性が強く要求される感熱記録紙のバインダーやトッ
プコート剤、剥離紙などのバイヤーコート剤などに特に
有用である。また要求物性の厳しい各種情報産業用紙の
塗工液に有用である。これらの用途のほか、従来からポ
リビニルアルコール水溶液が用いられる用途であれば、
いずれの用途にも有用に用いることができる。ポリビニ
ルアルコール水溶液の紙加工用の用途としては、板紙、
印刷用紙、包装用紙、種々の特殊紙の表面コーティング
剤、あるいはクレーコーティング・バインダーなどがあ
げられ、これらの用途に本発明の紙加工用組成物を用い
ることにより、耐溶剤性及び耐水性に優れた皮膜が、優
れた塗工作業性によりえることができる。特殊な用途と
してガラス繊維やロックウールなどを用いた無機ペーパ
ーのバインダーとしても有用である。
本発明の紙加工用組成物は、ロール塗布、スプレー塗
布などの各種塗布方法や、含浸など従来より用いられる
加工方法によって紙に加工することができる。
本発明の紙加工用組成物は、必要に応じて従来より知
大されている紙加工用の添加剤を加えて使用することも
できる。紙加工用の添加剤としては特に限定されない
が、例えば顔料や染料などの着色剤、充填剤、顔料分散
剤、消泡剤、防腐剤、pH調整剤、粘性調整剤などが使用
できる。
[実施例] 次に実施例と比較例をあげて本発明を説明する。
実施例1 撹拌機、温度計、還流冷却器、単量体の仕込み口を備
えたセパラブルフラスコに、重合度300、ケン化度88モ
ル%のポリビニルアルコール40重量部と水500重量部を
入れ、80℃に加温して溶解したのち、65℃に冷却してポ
リビニルアルコール水溶液をえた。このポリビニルアル
コール水溶液に、過硫酸アモニウムの10重量%水溶液2
重量部を加え、徐々に昇温し70〜80℃に保ち、撹拌しな
がら、ビニルトリエトキシシラン2.5重量部とメチルメ
タクリレート60重量部とからなる単量体組成物を2時間
にわたって滴下し、共重合を行ない、滴下終了後にさら
に2時間、70〜80℃に保ちながら撹拌を続けて共重合を
終了し、室温に冷却して水性樹脂液からなる紙加工用組
成物をえた。
共重合性は良好であり、えられた水性樹脂液の固形分
濃度は17重量%で、粘度は440センチポイズであり、グ
ラフト効率(注1)は80%であった。
(注1)グラフト効率:重合溶液をシリコンゴム板上に 塗布してフィルムを形成し、そのフィルムをメ チルエチルケトンに浸漬して、室温で24時間抽 出し、次式により求めた。
FW=抽出前のフィルムの重量 DW=抽出後のフィルムの重量 実施例2〜5 実施例1において使用したポリビニルアルコール、不
飽和基とシラン基とを有する単量体および(メタ)アク
リル系単量体の種類および使用量を第1表の通りに代え
た以外は、実施例1と同様にして水性樹脂液からなる紙
加工用組成物をえた。
共重合性およびえられた水性樹脂液の固形分濃度、粘
度およびグラフト効率は第1表の通りであった。
実施例6 実施例1でえた水性樹脂液588重量部(固形分使用量1
00重量部)に20重量%のコロイダルシリカ300重量部
(固形分使用量60重量部)を加え、均一に撹拌混合して
紙加工用組成物をえた。
実施例7〜10 実施例6において使用した水性樹脂液を実施例2〜5
でえた水性樹脂液に代え、水性樹脂液およびコロイダル
シリカの使用量を第2表の通り代えた以外は、実施例6
と同様にして紙加工用組成物をえた。
実施例11〜13 実施例1において使用したポリビニルアルコール、不
飽和基とシラン基とを有する単量体および(メタ)アク
リル系単量体の種類および使用量を第3表の通りに代え
た以外は、実施例1と同様にして水性樹脂液からなる紙
加工用組成物をえた。
共重合性およびえられた水性樹脂液の固形分濃度、粘
度およびグラフト効率は第3表の通りであった。
比較例1(ポリビニルアルコール水溶液単独) 実施例1で使用した重合度300、ケン化度88モル%の
ポリビニルアルコール15重量部を水85重量部に加熱し溶
解した水溶液をそのまま紙加工用組成物とした。
比較例2(ポリビニルアルコール水溶液単独) 実施例3で使用した重合度1700、ケン化度98モル%の
ポリビニルアルコール5重量部を水95重量部に加熱し溶
解した水溶液をそのまま紙加工用組成物とした。
比較例3(シラン基を含まない場合) 実施例1において使用したビニルトリエトキシシラン
を使用せず、メチルメタクリレートを62.5重量部とした
以外は、実施例1と同様にして水性樹脂液からなる紙加
工用組成物をえた。
比較例4(グラフト共重合しない場合) 実施例1において使用したビニルトリエトキシシラン
2.5重量部とメチルメタクリレート60重量部からなる単
量体組成物を、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(陰
イオン性界面活性剤)を含む水溶液62.5重量部中で、過
硫酸アンモニウムを重合開始剤として乳化共重合して、
固形分濃度約50重量%の共重合体水性分散得をえた。
えられた共重合体水性分散液を水で希釈し、実施例1
と使用したポリビニルアルコール水溶液に、固形分比が
実施例1と同様になるように混合し、紙加工用組成物を
えた。
比較例5〜7 比較例1、3、4でえた紙加工用組成物100重量部
(固形分換算)に20重量%のコロイダルシリカを固形分
換算で40重量部を加え、均一に撹拌混合して比較例5、
6、7の紙加工用組成物をえた。
比較例8(不飽和基とシラン基とを有する単量体の使用
量が多い場合) 実施例1において使用したビニルトリエトキシシラン
の使用量を20重量部とした以外は実施例1と同様にして
共重合を行なったが、樹脂分が凝集して、水性樹脂液を
えることができなかった。
ポリビニルアルコール100重量部に対して、ビニルエ
トキシシランの使用量は50重量部であった。
また、上記の方法において最終の固形分が15重量%に
なるようにポリビニルアルコール水溶液540重量部に水1
80重量部を加え希釈して、上記と同様に共重合を行なっ
たが、やはり樹脂分が凝集して、水性樹脂液を得ること
ができなかった。
比較例9((メタ)アクリル系単量体の使用量が多い場
合) 実施例1において使用したポリビニルアルコールの使
用量を20重量部とし、メチルメタクリレートの使用量を
80重量部とした以外は実施例1と同様にして共重合を行
なったが、樹脂分が凝集して、水性樹脂液をえることが
できなかった。
ポリビニルアルコール100重量部に対して、メチルメ
タクリレートの使用量は400重量部であった。
試験例 実施例1〜13および比較例1〜7でえられた紙加工用
組成物について、下記の試験方法により塗工作業性、耐
水性、耐溶剤性、耐熱性をそれぞれ試験した。試験結果
は第4表の通りであった。
(試験方法) 塗工作業性: 紙加工用組成物を固形分が10g/m2になる
ように、上質紙(坪量70g/m2)へワイヤーロッドで塗工
し、100℃で30秒間乾燥し、乾燥性及び塗工面の均一性
により塗工作業性を観察した。
乾 燥 性 ○:乾燥が速く、表面タックがない。
△:乾燥がやや遅く、やや表面タックが感じられる。
×:乾燥が遅く、表面タックがある。
塗工面の均一性 ○:塗工面が均一である。
△:塗工面にわずかにワイヤーのスジが認められやや不
均一である。
×:塗工面が不均一である 塗工作業性を試験した塗工紙を試料とし、室温24時間
放置後に、次の皮膜物性の試験をした。
耐水性試験: 試料の塗工紙を40℃の温水に1時間浸漬 してから、塗工面の表面を観察した。
◎:塗工面の表面に異状が認められない。
○:塗工面の表面にわずかにベタツキが認められる。
△:塗工面の表面に多少ベタツキがある。
×:塗工面の表面が溶解しており、ベタツキが大きい。
耐溶剤性試験: 試料の塗工紙の塗工面に、青色染料を 溶解したトルエン、アセトン、エタノールの各溶剤 を塗布して、その表面の変化および、裏面への裏抜 けを観察した。
○:裏抜けがなく、塗工面の異状も認められない。
△:裏抜けはないが、塗工面の表面に多少ベタツキが認 められる。
×:裏抜けした。
耐熱性試験: 試料の塗工紙の塗工面同士を重ね合せ て、ヒートシール機を用い、圧力1kg/cm2、5秒間 圧着し、塗工面同士が接着してしまう最低の温度 を測定する。数値の高い方が耐熱性がよい。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリビニルアルコールまたはその誘導体10
    0重量部と、不飽和基とシラン基とを有する単量体1〜2
    0重量部、(メタ)アクリル系単量体19〜280重量部の単
    量体組成物とからなり、ポリビニルアルコールまたはそ
    の誘導体の水溶液中で単量体組成物の共重合を行なうこ
    とを特徴とする、ポリビニルアルコールまたはその誘導
    体に単量体組成物の一部がグラフト共重合した水性樹脂
    液からなる耐溶剤性に優れた紙加工用組成物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】ポリビニルアルコールまたはその誘導体10
    0重量部と、不飽和基と親水性基とを有する反応性乳化
    剤0.1〜20重量部、不飽和基とシラン基とを有する単量
    体1〜20重量部、(メタ)アクリル系単量体19〜280重
    量部の単量体組成物とからなり、ポリビニルアルコール
    またはその誘導体の水溶液中で単量体組成物の共重合を
    行なうことを特徴とする、ポリビニルアルコールまたは
    その誘導体に単量体の一部をグラフト共重合した水性樹
    脂液からなる耐溶剤性に優れた紙加工用組成物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の水性樹脂液100重
    量部(固形分換算)とコロイダルシリカ5〜100重量部
    (固形分換算)とからなる耐溶剤性に優れた紙加工用組
    成物。
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