JP2639510B2 - 超電導薄膜の作製方法 - Google Patents

超電導薄膜の作製方法

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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は超電導薄膜の作製方法に関するものであり、
より詳細には、組成が均一で高い超電導臨界温度を有す
る超電導薄膜の新規な作製方法に関するものである。
従来の技術 電子の相転移であるといわれる超電導現象は、特定の
条件下で導体の電気抵抗が零の状態となり完全な反磁性
を示す現象である。
即ち、超電導下では、超電導体に電流を流しても電力
損失が全く無く、密度の高い電流が永久に流れ続ける。
従って、例えば、超電導技術を電力送電に応用すれば、
現在送電に伴って生じているといわれる約7%の送電損
失を大幅に減少できる。また、高磁場発生用電磁石とし
ての応用は、例えば、発電技術の分野ではMHD発電、電
動機等と共に、開発に発電量以上の電力を消費するとも
いわれる核融合反応の実現を有利に促進する技術として
期待されている。また磁気浮上列車、電磁気推進船舶等
の動力として、更に、計測・医療の分野でもNMR、π中
間子治療、高エネルギー物理実験装置などへの利用が期
待されている。
上述のような大型の装置における利用とは別に、超電
導材料の他の利用として、各種の超電導素子の作製が挙
げられる。代表的なものとしては、超電導材料どうしを
弱く接合した場合に、印加電流によって量子効果が巨視
的に現れるジョセフソン効果を利用した素子が挙げられ
る。トンネル接合型ジョセフソン素子は、超電導材料の
エネルギーギャップが小さいことから、極めて高速な低
電力消費のスイッチング素子として期待されている。ま
た、電磁波や磁場に対するジョセフソン効果が正確な量
子現象として現れることから、ジョセフソン素子を磁
場、マイクロ波、放射線等の超高感度センサとして利用
することも期待されている。さらに、電子回路の集積度
が高くなるにつれて単位面積当たりの消費電力が冷却能
力の限界に達する。そこで超高速計算機には超電導素子
の開発が要望されている。
一方、様々な努力にもかかわらず、超電導材料の超電
導臨界温度Tcは長期間に亘ってNb3Geの23Kを越えること
ができなかったが、1986年末来、〔La,Ba〕2CuO4または
〔La,Sr〕2CuO4等のK2NiF4型酸化物の焼結材が高いTcを
もつ長電導材料として発見され、非低温超電導を実現す
る可能性が大きく高まっている。これらの物質では、30
乃至50Kという従来に比べて飛躍的に高いTcが観測さ
れ、70K以上のTcも観測されている。しかしながら、こ
れらの超電導材料は焼結材であり、ミクロ的には未反応
の粒子部分が存在したり、組成、組織が不均一となりや
すく、電子素子に直接応用できるものではない。また、
各種電子デバイスに応用するには、薄膜構造とし、詳細
な組成、組織の制御を必要とする。さらに、金属または
その他の線材またはテープ状材料に超電導材料を蒸着し
て長尺の超電導材料を製造することが予想されるが、そ
の製造にも超電導材料の蒸着技術が要望される。
発明が解決しようとする課題 従って、本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解
決し、高い臨界温度Tcを有し、均一な組成および組織の
超電導材料の薄膜を作製する方法を提供することにあ
る。
課題を解決するための手段 即ち、本発明に従い、La、BaおよびCuの元素全てを含
む複合酸化物をターゲットとして物理蒸着を行い、La、
BaおよびCuを全て含むペロブスカイト型酸化物または擬
似ペロブスカイト型酸化物の薄膜を形成することを特徴
とする超電導薄膜の作製方法が提供される。
ここで、本発明の好ましい態様に従えば、上記ターゲ
ットが、ペロブスカイト型酸化物または擬似ペロブスカ
イト型酸化物を含むことが有利である。
また、上記ターゲットが、Baの酸化物、炭酸塩、硝酸
塩または硫酸塩と;Laの酸化物、炭酸塩、硝酸塩または
硫酸塩と;Cuの酸化物、炭酸塩、硝酸塩または硫酸塩と
の粉末混合物を250〜1200℃の温度で仮焼結したもので
あることも有利であり、更に、上記ターゲットが、Baの
酸化物、炭酸塩、硝酸塩または硫酸塩と;Laの酸化物、
炭酸塩、硝酸塩または硫酸塩と:Cuの各酸化物、炭酸
塩、硝酸塩または硫酸塩との粉末混合物を仮焼結した
後、700〜1500℃、好ましくは700〜1300℃の範囲の温度
で本焼結したものであることが有利である。
ターゲット中の原子比Ba/(Ba+La)は0.04〜0.96の
範囲であることが好ましく、0.1〜0.7であることが更に
好ましい。また、ターゲット中の原子比Cu/(Ba+La)
は0.5〜0.7の範囲であることが好ましい。尚、ターゲッ
トのBa、LaおよびCuの原子比は、形成される薄膜のBa、
LaおよびCuの原子比を基準として、Ba、LaおよびCuの蒸
着効率に応じて調整されることが有利である。
蒸着雰囲気はArとO2とを含み、Ar分圧が2.0×10-3
ら9×10-1Torrの範囲、好ましくは6.0×10-3から9×1
0-2Torrの範囲内であることが有利である。また、上記
蒸着雰囲気のO2分圧が0.7×10-3から9×10-2Torrの範
囲、好ましくは1.0×-3から8×10-2Torrの範囲内であ
ることが有利である。
上記物理蒸着はRFスパッタリングであり得、スパッタ
リング時の高周波電力は100W/cm2以下、好ましくは15W/
cm2以下であることが有利である。また、マグネトロン
スパッタリングで蒸着を実施することもできる。
スパッタリング時には、基板をヒータにより加熱する
ことが有利である。ここで、上記基板の加熱温度は185
〜1480℃、好ましくは285〜1000℃の範囲であることが
有利であり、上記基板とターゲット間の距離が3〜300n
m、好ましくは15〜300mmの範囲であることが有利であ
る。
尚、上記基板としては、ガラス、石英、Si、ステンレ
ス鋼およびセラミックスからなる群より選択された1種
を挙げることができる。
更に、前記物理蒸着は、イオンプレーティング、真空
蒸着、イオンビーム蒸着、分子線蒸着のいずれかであり
得る。
更に本発明の一態様に従えば、形成された薄膜を熱処
理することが有利である。
ここで、上記熱処理における加熱温度は280〜1480
℃、より好ましくは285〜1200℃の範囲内であることが
有利である。
また、上記熱処理は、酸素分圧が5〜10-1Torr以下の
雰囲気内で行うことが有利である。
作用 本発明の提供する超電導薄膜の作成方法は、Laと、Ba
と、Cuとを含有する複合酸化物をターゲットとして物理
蒸着を行いペロブスカイト型酸化物または擬似プロブス
カイト型酸化物の薄膜を結成することを特徴としてい
る。
ここで、物理蒸着とは、各種スパッタリング法、イオ
ンプレーティング法、真空蒸着法、イオンビーム蒸着
法、分子線蒸着法のいずれをも適用できるが、詳細につ
いては後述する。尚、本発明の方法では焼結材をターゲ
ットとするので、電子ビーム等を照射しても飛散するこ
となく、成分調整をしながらのスパッタリングまたはイ
オンプレーティング等に有利である。
また、本発明の方法において、ターゲット自身もペロ
ブスカイト型または擬似ペロブスカイト型の構造を有し
ていることが有利であり、この場合、目的とする薄膜が
所望のペロブスカイトまたは擬似ペロブスカイト構造を
採り易い。
本発明の好ましい態様に従うと、Baと、La、と、Cuの
各々の酸化物、炭酸塩、硝酸塩または硫酸塩の混合粉末
を、250〜1200℃、より好ましくは、250〜1100℃で仮焼
結したもの、あるいはこれを更に700〜1500℃、さらに
好ましくは700〜1300℃の範囲の温度で本焼結したもの
をターゲットとして使用することが有利である。このよ
うな処理を経て得られた焼結体は、上記の如き結晶構造
を採り易く、特に上記の好ましい範囲で焼結を実施した
場合にこの結晶構造が形成されやすい。尚、ここで、仮
焼結とは粉末材料を仮焼きして複合酸化物とする処理を
いう。
ターゲットは、仮焼結したのみのものでも、あるいは
本焼結したものでもよい。また焼結体を粉砕した粉末で
も焼結体ブロックでもよい。焼結体粉末の場合は蒸発効
率がよく、高い成膜速度が得られるので、粒径0.06〜3m
mの範囲の粉末を用いることが有利である。
本発明の方法で使用するターゲットにおいては、原子
比Ba/(Ba+La)が0.04〜0.96の範囲内にあることが好
ましく、0.1〜0.4であることが更に好ましい。また、タ
ーゲット中の原子比Cu/(Ba+La)は、0.5〜0.7の範囲
であることが好ましい。
ターゲットの原子比Ba/(Ba+La)が0.04未満、また
は0.96を超えた場合は、蒸着膜の超電導臨界温度が所望
の値とならない。また、Ba、LaおよびCuの蒸着効率を考
慮してターゲットのBa、LaおよびCuの原子比を、薄膜の
Ba、LaおよびCuの原子比を基準として決定することが有
利である。これは、発明の薄膜の構成成分であるBa、La
およびCuの酸化物の融点等がそれぞれ相違し、このため
蒸着効率が互いに異なっているためである。すなわち、
ターゲットの元素比を適当に選択しないと薄膜が所望の
元素比にならない。また、スパッタリングの場合、ター
ゲットの原子比は各金属酸化物のスパッタリング係数か
らも決定できる。
さらに本発明の他の好ましい態様に従うと、スパッタ
リングによって本発明の方法を実施する場合には、ヒー
タ等により基板を285〜1,480℃、より好ましくは285〜1
000℃の範囲の温度に加熱することが有利である。この
基板の加熱により薄膜は焼結と類似した作用をうけ、適
当なプロブスカイト型酸化物または擬似プロブスカイト
型酸化物となる。しかしながら、基板温度が高すぎると
蒸着膜の組成の制御が困難となり、目的とするペロブス
カイト型酸化物または擬似ペロブスカイト型酸化物が得
られない。
上記の物理蒸着は、例えばスパッタリングにより行う
ことができる。ここで、スパッタリング雰囲気は、Arと
O2とを含み、Ar分圧が2.0×10-3〜9×10-1Torrさらに
好ましくは6.0×10-3〜9×10-2Torrであり、O2分圧が
0.7×10-3〜9×10-2Torr、さらに好ましくは1.0〜10-3
〜8×10-2Torrであることが有利である。即ち、Ar分圧
が上記範囲に達しない場合は堆積速度が遅く、一方、上
記範囲を超えるときにはグロー放電が起こりにくく、所
望の超電導特性を有する酸化物の堆積が得られない。ま
た、O2分圧が上記範囲に達しない場合は蒸着膜の結晶性
が悪く、ペロブスカイト型酸化物または擬似ペロブスカ
イト型酸化物が得られ難い。一方、O2分圧が高くなるほ
ど結晶性がよくなるが、上記範囲を超えると堆積速度が
著しく低下する。
また、本発明の方法は、高周波スパッタリング(RFス
パッタリング)によって実施することもできる。
この場合、スパッタリング時に印加する高周波電力は
100W/cm2以下、さらに好ましくは15W/cm2以下である。R
Fスパッタリングの場合、高周波電力が高いほど堆積速
度が増加するが、15W/cm2を超えるとプラズマが安定せ
ず、100W/cm2を超えるとアーク放電または異常放電とな
りやすい。従って、上記範囲内の高周波電力を用いるこ
ととした。
また、基板とターゲット間の距離は3〜300mm、さら
に好ましくは15〜300mmの範囲であることが有利であ
る。即ち、基板とターゲットの間の距離が小さいときに
はプラズマが発生しにくくなるので一定以上の距離が必
要である。特に、高周波マグネトロンスパッタリングの
場合、ターゲット上のプラズマがマグネット付近に収斂
されるので、基板とターゲットの間の距離が小さすぎる
と膜形成が不均一となる。一方、基板とターゲットの間
の距離が大きいときには、堆積速度が速くなり、効率が
低下する。
本発明の方法において有利に使用できる基板として
は、ガラス、石英、Si、ステンレス鋼またはセラミック
ス、例えば、MgO、BaTiO3、SiO2、サファイア、YSZ等を
例示することができる。
更に、本発明の好ましい一態様に従うと、上記物理蒸
着によって形成された薄膜を更に熱処理することによっ
て、超電導開始温度と抵抗が完全にゼロとなる温度との
差が小さい、高品質な薄膜を作製することができる。即
ち、この熱処理によって、蒸着膜の酸素原子比を制御し
て蒸着膜の超電導特性を改善できる。上述したように熱
処理は蒸着膜の組成をペロブスカイト型酸化物または擬
似ペロブスカイト型酸化物に均質化することが目的であ
る。このため、下記の温度範囲に達しない加熱温度では
目的とするペロブスカイト型酸化物または擬似ペロブス
カイト型酸化物が得られがたく、所望の超電導臨界温度
が得られず、或いは著しく長時間の処理を必要とする。
一方、下記の範囲を越える処理温度では目的とするペロ
ブスカイト型酸化物または擬似ペロブスカイト型酸化物
が消滅して超電導臨界温度は著しく低下する。尚、この
熱処理の好ましい温度範囲は、280〜1480℃に、さらに
好ましくは280〜1100℃である。
以上のようにして、本発明の方法に従って作製された
薄膜は、その組成を 式:BaA LaB CuC OD (A,B,C,Dはそれぞれ原子比を示す) で一般的に表した場合に、以下の組成の何れかまたはそ
の混合物を含んでいると考えられる。
(Ba,La)2CuO4-X (xは1以下の数)、 (Ba,La)CuO3-X (xは1以下の数)、 (Ba,La)3Cu2O7-y (yは1以下の数) また、以下の組成のいずれかまたはこれらの混合相を
更に含んでいると考えられるが、現状ではこれに限定す
ることはできない。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明の技
術的範囲はこれらの実施例に何等制限されるものではな
いことは勿論である。
実施例 まず、添付図面を参照して本発明の方法を実施するた
めに用いられる装置について説明する。
第1図は、本発明の超電導酸化物薄膜の作製に用いた
高周波スパッタリング装置の概略図である。第1図に示
す装置は、チャンバ1と、チャンバ1内に配置されたタ
ーゲット2およびこのターゲットをスパッタ原子でスパ
ッタするためにそれに併置されたスパッタ電源3と、原
料ターゲット2に対向して設けられ、表面上に薄膜が形
成されることになる基板4とから主に構成されている。
チャンバ1はポート7を介して真空ポンプ(不図示)に
接続され、内部を真空にすることができる。
基板4には高圧電源5を用いてバイアス電圧が印加さ
れる。基板4にはさらに、加熱用ヒーター6が取りつけ
られ、基板温度が調整可能である。さらに、チャンバ1
にはガス導入孔8が取りつけられている。
第2図は本発明の超電導酸化物薄膜の作製に用いた高
周波励起型イオンプレーティング装置の概略図である。
第2図に示す装置は、チャンバ11と、チャンバ11内に
配置された原料ターゲット12およびこの原料ターゲット
を電子ビームで溶融、気化するためにそれに併置された
電子ガン13と、原料ターゲット12に対向して設けられ、
表面上に薄膜が形成されることになる基板14とから主に
構成されている。チャンバ11は真空ポンプ(不図示)に
接続され、内部を真空にすることができる。
基板14には高圧電源15を用いてバイアス電圧が印加さ
れる。基板14にはさらに、加熱用ヒーター16が取りつけ
られ、基板温度が調整可能である。チャンバ11内にはさ
らに、原料ターゲット12と基板14の間に蒸発粒子をおお
うように高周波コイル17が設置されている。さらに、チ
ャンバ11には酸素導入用のガス導入孔18が取りつけられ
ている。
作製例1 第1図に示したスパッタリング装置を用いて超電導薄
膜を作製した。
原料ターゲット2としては、BaCO3、La2(CO3、C
uOの粉末を、原子比Ba/(Ba+La)が0.2となるように混
合、成形し、810℃で仮焼結し、粉砕、成形後さらに107
0℃で本焼結して得た焼結体ブロックを用い、基板4に
はSi結晶を用いた。成膜条件は以下の通りである。
酸素分圧 1×10-2Torr、 Ar分圧 1×10-2Torr、 基板温度 690℃、 基板バイアス電圧 −150V、 高周波電力 20W/cm2、 基板とターゲット間の距離 50mm 成膜速度は5Å/secで約1μmの厚さに成膜した。
尚、比較のために、他の条件を同一とし、全くO2の含ま
れていない雰囲気においても同じ操作を行って薄膜を形
成した。
次いで、得られた各々の薄膜の抵抗を測定するためサ
ンプルを作製した。抵抗測定を行うサンプルは、基板4
上に形成された薄膜の両端部分に、さらに真空蒸着で一
対のAl電極を形成し、このAl電極にリード線をハンダ付
けした。
チャンバの内部の酸素分圧を1×10-2Torrで作製した
本発明の方法による薄膜は、超電導現象の始まる温度が
約60Kであり、51K以下では完全な超電導体となる。これ
に対して、チャンバに酸素を入れずに作製した薄膜は、
ほぼ同じ温度で抵抗が低下し始めたが、その低下はなだ
らかで、数K付近で初めて完全な超電導体となった。こ
のことから、成膜中に酸素をチャンバ内に入れることに
より薄膜中の酸素を適切に制御して、所望の組成の超電
導薄膜を形成できることがわかる。
作製例2 作製例1の焼結体を粘度0.2mmに粉砕に、これを原料
ターゲットとして作製例1と同じ条件でスパッタリング
を行い、超電導薄膜を作成した。
成膜速度は9ÅD/secで、作製例1と比較して大巾に
高い成膜速度が得られることが確認された。また、本作
製例の焼結体粉末のターゲットを用いて作製した薄膜の
超電導現象の始まる温度は、約55Kであり、更に、49K以
下では完全な超電導体となった。このように焼結体粉末
のターゲットを用いると効率よく成膜でき、また得られ
た薄膜は超電導体としてすぐれた特性を示した。
作製例3 作製例1と同じ操作を繰り返したが、本作製例では、
Ba:La:Cuの原子比が0.7:0.85:1となるように原料粉末で
あるBaCO3、La2(CO3およびCuOを混合し、仮焼結を
400℃で12時間行なって得た仮焼結材をターゲットとし
て用いた。
得られた薄膜の超電導開始温度は58Kであった。この
実験により仮焼結のみ酸化物をターゲットとして用いて
も超電導薄膜が作製できることが確認できた。
作製例4 作製例1で得られた薄膜サンプルを酸素雰囲気(酸素
分圧:1.3×10-1Torr)の中で温度610℃で20分熱処理し
た。
こうして熱処理した後のサンプルを前の作製例と同様
の方法で測定したところ、抵抗の減少は作製例1の場合
よりさらに急になり、超電導開始温度と完全抵抗ゼロ温
度との差は1℃となった。
作製例5 作製例1と同じ操作を繰り返したが、本焼結温度は93
0℃に変え、高周波電力は1.8W/cm2に変え、且つ基板は
マグネシアに変えた。
作製例1と同じ測定方法で測定した超電導現象の始ま
る温度は62Kであり、35K以下では完全な超電導体となっ
た。
発明の効果 以上説明したように、本発明により、従来の超電導体
よりも遥かに高いTcをもつ超電導酸化物薄膜を得ること
が可能となる。
従って、本発明により得られる超電導薄膜は、薄膜素
子として応用する分野、例えばジョセフソン素子と呼ば
れるマティソー(Matisoo)のスイッチング素子やアナ
ッカー(Anacker)のメモリー素子、さらには超電導量
子干渉計(SQUID)などに有利に利用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法を実施するために用いることがで
きるスパッタリング装置の一例の概略断面図であり、 第2図は本発明の方法を実施するために用いることがで
きるイオンプレーティング装置の一例の概略断面図であ
る。 〔主な参照番号〕 1……チャンバ、2……原料ターゲット、 3……高周波電源、4……基板、 5……高圧電源、6……ヒータ、 7……排気孔、9……超電導薄膜、 11……チャンバ、12……原料ターゲット、 13……電子ガン、14……基板、 15……高圧電源、16……ヒータ、 17……高周波コイル、 18……ガス導入孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 糸▲崎▼ 秀夫 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 田中 三郎 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 原田 敬三 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 上代 哲司 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内 (56)参考文献 特開 昭63−207009(JP,A) 特開 昭63−224116(JP,A) 特開 昭63−224375(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】La、BaおよびCuの元素全てを含む複合酸化
    物をターゲットとして、0.7×10-3〜9×10-2Torrの酸
    素分圧下で、285〜1480℃の基板温度で物理蒸着を行
    い、La、BaおよびCuを全て含むペロブスカイト型酸化物
    または擬似ペロブスカイト型酸化物の薄膜を形成するこ
    とを特徴とする超電導薄膜の作製方法。
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