JP2639250B2 - 磁気探傷装置 - Google Patents

磁気探傷装置

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JP2639250B2 JP3234596A JP23459691A JP2639250B2 JP 2639250 B2 JP2639250 B2 JP 2639250B2 JP 3234596 A JP3234596 A JP 3234596A JP 23459691 A JP23459691 A JP 23459691A JP 2639250 B2 JP2639250 B2 JP 2639250B2
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賢一 岩永
護 稲葉
篤尚 竹腰
宏 牧
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転状態の中空ロール
内に磁化器および磁気センサを収納して走行状態の金属
帯の欠陥を検出する磁気探傷装置に係わり、特に検出さ
れた欠陥の金属帯に対する有害度を評価するようにした
磁気探傷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気を利用して、金属帯の内部あるいは
表面に存在する疵,介在物等の欠陥を検出する磁気検出
装置として、金属帯を静止した状態で測定するのみなら
ず、例えば工場等の製造ライン等において、走行中の金
属帯に存在する欠陥を連続的に検出できる磁気探傷装置
が提唱されている(実開昭63−107849号公報,
実開昭61−170068号公報)。
【0003】図8は実開昭63−107849号公報に
示された走行中の金属帯の欠陥を連続的に検出する磁気
探傷装置を示す図であり、同図(a)(b)はそれぞれ
異なる方向から見た断面模式図である。
【0004】非磁性材料で形成された中空ロール1の中
心に固定軸2の一端が貫通されている。この固定軸2の
他端は図示しない建屋のフレームに支持されている。そ
して、固定軸2は中空ロール1の中心に位置するように
一対のころがり軸受3a,3bでもって中空ロール1の
両端の内周面に支持されている。したがって、この中空
ロール1は固定軸2を回転中心軸として自由に回転す
る。
【0005】中空ロール1内に、略コ字断面形状を有し
た磁化鉄心4cが、その各磁極4a,4bが中空ロール
1の内周面に近接する姿勢で、支持部材5を介して固定
軸2に固定されている。この磁化鉄心4cに磁化コイル
6が巻装されている。したがって、この磁化鉄心4cと
磁化コイル6とで磁化器4を構成している。磁化鉄心4
cの磁極4a,4bの間に複数の磁気センサ7aを軸方
向にリニア状に配列してなる磁気センサ群7がやはり固
定軸2に固定されている。
【0006】磁化コイル6に励磁電流を供給するための
電源ケーブル8および磁気センサ群7の各磁気センサ7
aの出力信号を取出すための信号ケーブル9は固定軸2
内を経由して外部へ導出されている。したがって、磁化
器4および磁気センサ群7の位置は固定され、中空ロー
ル1が磁化器4および磁気センサ群7の外周を微小間隙
を有して回転する。
【0007】このような構成の磁気探傷装置の中空ロー
ル1の外周面を例えば矢印a方向に走行状態の金属帯1
0の一方面に所定圧力でもって押し当てると、固定軸2
はフレームに固定されているので、中空ロール1が矢印
b方向に回転する。
【0008】このような磁気検出装置において、磁化コ
イル6に励磁電流を供給すると、磁化鉄心4cの各磁極
4a,4bと走行中の金属帯10とで閉じた磁路が形成
される。そして、金属帯10の内部あるいは表面に欠陥
が存在すると、金属帯10内の磁路が乱れ、漏洩磁束が
生じる。この漏洩磁束が磁気センサ群7を構成する該当
欠陥位置に対向する磁気センサ7aで検出され、この磁
気センサ7aから該当欠陥に対応する信号が出力され
る。
【0009】検出された信号はその信号レベルが金属帯
10内部または表面の欠陥の規模(大きさ)と対応する
ので、出力信号の信号レベルを測定することによって金
属帯10の内部または表面に存在する欠陥の幅方向の発
生位置とその概略規模が把握できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第8図
に示した磁気探傷装置においてもまだ解消すべき次のよ
うな課題があった。
【0011】すなわち、各磁気センサ7aの出力信号の
信号レベルが金属帯10内部または表面の欠陥の大きさ
と対応するが、厳密には出力信号の信号レベルは前記欠
陥の大きさの他に欠陥位置にも影響される。すなわち、
たとえ同一規模の欠陥であっても、磁気センサ7a側の
表面近傍位置に発生した欠陥と、磁気センサ7a側と反
対側の表面近傍位置に発生した欠陥とでは出力信号の値
が大きく異なる。したがって、板厚方向の欠陥発生位置
と欠陥規模が正確に検出できない問題がある。一方、同
一欠陥規模であっても、その欠陥の厚さ方向の発生位置
によって、その欠陥規模の許容限度が大きく異なる。
【0012】例えば、表面または表面近傍に欠陥が存在
する金属帯の曲げ強度と、板厚方向のほぼ中央位置に欠
陥が存在する金属帯の曲げ強度とを比較すると、表面ま
たは表面近傍に欠陥が存在する金属帯の曲げ強度の方が
大幅に小さい。したがって、たとえ同一規模の欠陥であ
ったとしてもその発生位置が重要な意味を持つ。
【0013】また、たとえ同一規模の欠陥であっても、
該当金属帯が最終的に何の製品に加工されるかによって
も、その発生位置によって許容限度が異なる。例えば、
食缶材として使用される場合は、腐食等の関係から缶の
内面(裏面)の欠陥に対して厳しく、一般の鋼材に対し
ては表面の欠陥に対して厳しい。
【0014】なお、このような事態を解消するために、
磁気センサを走行する金属帯の両側に配設して、各磁気
センサの出力信号の和と差の成分から欠陥発生位置を検
出する薄鋼板の内部欠陥検出方法が提唱されている(特
開昭57−108656号公報)。
【0015】一般に、走行している金属帯は上下に大き
く振動しながら走行する。したがって、この検出方法を
上記振動しながら走行している金属帯に対して適用する
と、金属帯の両側に配設された磁気センサの位置は例え
ば建屋のフレームに固定されているので、各磁気センサ
と金属帯表面との間のリフトオフと呼ばれる距離が大き
く変動する。したがって、磁気センサの出力信号の信号
レベルが大きく変動する。よって、欠陥検出精度が低下
する。
【0016】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、金属帯の走行路を挟んでこの金属帯に接す
る一対の中空ロール内にそれぞれ磁気センサを配設する
ことによって、金属帯の表面及び内部に存在する欠陥の
欠陥規模,欠陥位置および欠陥の金属帯に対する定量的
な有害度を精度よく測定でき、装置全体の欠陥検査能力
を大幅に向上できる磁気探傷装置を提供することを目的
とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に、本発明の磁気探傷装置においては、金属帯の走行路
に直交する支持軸に回転自在に支持され、走行路を挟ん
でこの走行路を走行する金属帯の上面および下面にそれ
ぞれ接することによって回転する一対の中空ロールと、
この一対の中空ロールのうちの一方の中空ロール内に配
設され、金属帯内に磁界を発生させる磁化器と、各中空
ロール内に配設され、金属帯の内部または表面の欠陥に
起因して生じる漏洩磁束を検出する一対の磁気センサ
と、この一対の磁気センサで検出された各漏洩磁束値か
ら欠陥の金属帯の厚み方向の欠陥発生位置と欠陥規模を
算出する演算回路と、基準欠陥が形成された基準金属試
料を用いて予め実験的に求められている欠陥発生位置と
この基準金属試料に曲げ応力を印加した場合における亀
裂発生の容易性を示す基準の有害度との関係を示す基準
有害度特性から、算出された欠陥発生位置における基準
の有害度を算出し、この算出された基準の有害度を算出
された欠陥規模と金属帯の板厚と金属帯の使用目的で定
まる金属種別情報とで補正して金属帯に対する最終の有
害度を求める有害度評価回路とを備えたものである。
【0018】
【作用】このように構成された磁気探傷装置であれは、
一対の中空ロールが金属帯を挟んで対向配設されてお
り、各中空ロール内にはそれぞれ磁気センサが配設され
ている。さらに、一対の中空ロールは金属帯の表面また
は裏面にそれぞれ接触しているので各磁気センサと金属
帯の表面または裏面までの距離は一定に保たれる。そし
て、金属帯内部には磁化器にて磁界が発生されているの
で、欠陥が存在すれば、各磁気センサはそれぞれ欠陥に
対応する漏洩磁束を検出する。各磁気センサの出力信号
(欠陥信号)の各出力値Y1 ,Y2 は(1) (2) 式に示す
ように、例えば欠陥体積で表現した欠陥規模Kと欠陥ま
での距離、すなわち該当磁気センサ側の各表面からの深
さd1 ,d2 との関数で表示することができる。 Y1 =F1 (d1 ,K,D,Z) …(1) Y2 =F2 (d2 ,K,D,Z) …(2) この各関数F1 ,F2 は、例えば第4図に示すように、
金属帯の材質毎に直線式で近似できる。また、金属帯の
板厚Dは予め定まっているので、 D=d1 +d2 …(3)
【0019】である。また、Zは測定対象金属の種別で
定まる一定の補正値である。そして、Y1 ,Y2 は各磁
気センサで測定された値であるので、(1) 〜(3) の連立
方程式を解くことによって、欠陥規模Kと一方の表面か
らの欠陥発生位置d(=d1 )が求まる。
【0020】次に、このようにして算出された欠陥規模
Kと欠陥発生位置dおよび金属帯の板厚Dおよび金属種
別情報としての種別補正値Zを用いて、該当欠陥の金属
帯に対する有害度αを評価する手順について説明する。
すなわち、有害度αは(4) 式に示すように、K,d,
D,Zの関数となる。 α=F3 (K,d,D,Z) …(4)
【0021】前述したように欠陥が表面または表面近傍
に位置するほど加工時の曲げ応力に対して亀裂を起こし
やすく、逆に、欠陥が中央に位置している(d=D/
2)時が最も破損しにくい。
【0022】これについては図6の絞り試験装置で行っ
た基準サンプルに対する図7に示す実験結果より明らか
である。すなわち、円形の穴31を有する台32におけ
る穴31上に既知の基準規模K0 (=7.8 ×10-3m
m3 )の基準欠陥33、および基準板厚D0 を有する基
準サンプル34を置く。穴31と同一径を有するポンチ
35で基準サンプル34に対して上面から下方に圧力を
加える。そして、基準サンプル34に亀裂が発生した時
の圧力Pを測定する。
【0023】基準欠陥33の板厚方向の位置dが、上側
表面(d=0)から下側表面(d=D0 )まで種々に位
置する複数の基準サンプル34に対する実験を行った。
そして、上側表面および下側表面に欠陥が位置した場合
の亀裂圧力を基準圧力P0 とした場合の各欠陥発生位置
dおける亀裂圧力Pに対する比率を有害度αとする。 α=(P0 /P)×100(%) …(5) 測定結果は、図7に示すように、中央部(d=D0
2)で最も有害度αが低く、両端の表面位置で最大値1
00%を示す。
【0024】このように、基準サンプル34に存在する
基準欠陥33の有害度αが得られる。そして、この有害
度αを示す基準有害度特性36が、先に算出された欠陥
発生位置dと欠陥規模Kおよび板厚Dによって変化す
る。また、種別補正値Zによっても異なる。なお、この
種別補正値Zは、金属帯の使用品目や金属材料に応じて
変化する。
【0025】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。
【0026】第1図は実施例の磁気探傷装置の全体シス
テムを示す模式図である。供給リール12から繰出され
る金属帯10は、前方押さえロール13a,13bを介
して一対の中空ロール1,1aへ導かれ、この中空ロー
ル1,1aの間を経由し、後方押さえロール14a,1
4bを経て巻取リール15に一定速度で巻取られる。
【0027】前記一対の中空ロール1,1aのうちの下
側中空ロール1には電源ケーブル8を介して磁化電源装
置16が接続され、上側中空ロール1aには信号ケーブ
ル9aを介して信号処理回路17aが接続されている。
さらに、下側中空ロール1には信号ケーブル9を介して
信号処理回路17が接続されている。各信号処理回路1
7a,17から出力された各信号値Y1 ,Y2 は演算回
路18へ入力される。演算回路18は入力されれた各信
号値Y1,Y2 、および上位計算機20から供給される
金属帯10の板厚Dを用いて前述した手法にて欠陥規模
Kと欠陥発生位置dを算出する。算出された欠陥規模K
および欠陥発生位置dは次の有害度評価回路20へ送出
される。
【0028】有害度評価回路20内には図7に示す基準
サンプル34における基準有害度特性36が記憶されて
いる。そして、この有害度評価回路20は、まず、演算
回路18から入力した欠陥発生位置dにおける基準有害
度特性36上の有害度α0 を求める。次に、この有害度
α0 に得られた欠陥規模Kと基準欠陥規模K0 と比(K
/K0 )を乗算する。また、板厚Dが厚いと有害度αは
小さくなるので、基準サンプル34の基準厚Dとの比
(D/D0 )で除算する。
【0029】さらに、上位計算機19から入力された金
属種別補正値Zでもって補正して、最終の有害度αを求
める。種別補正値Zは、金属帯10のd=0からd=D
までの各位置によって異なる補正値を有する。例えば金
属帯10の用途が食缶の場合は、図5に示すように、内
側に高い補正値を有し、外側に低いほ補正値を有する。
一方、一般材においては、外側に高い補正値を有する。
このようにこれらの各補正値Zは金属帯10の材質や用
途先に応じた補正特性を有している。そして、これらの
各種別補正値Zは上位計算機19から供給される。よっ
て、最終的な有害度α1 は(6) 式となる。 α1 =α0 ・(K/K0 )・(D0 /D)・Z …(6)
【0030】そして、最終的に得られた有害度α1 が警
報装置21へ送出される。警報装置21は入力された有
害度α1 が予め定められた限界有害度αM 以上になると
ブザー等にて警報出力する。
【0031】第2図(a)は、前記一対の中空ロール
1,1aを金属帯10の矢印で示す走行方向に平行する
面で切断した場合の断面模式図であり、同図(b)は前
記走行方向に直交する面で切断した場合の断面模式図で
ある。図8(a)(b)と同一部分名は同一符号が付し
てある。したがって重複する部分の詳細説明を省略す
る。
【0032】各中空ロール1,1aは非磁性材料で形成
されている。そして、外径は互いに等しく設定されてい
る。各中空ロール1,1aの各中心軸にそれぞれ中空の
固定軸2,2aの一端が貫通されている。下側中空ロー
ル1の固定軸2の他端は図3に示すように、建屋のフレ
ーム22に支持ばね24を介して支持され、上側中空ロ
ール1aの固定軸2aは建屋のフレーム22上に組立て
られた枠23の上側に支持ばね24aを介して支持され
ている。すなわち、上下の固定軸2,2aは支持ばね2
4.24aにて互いに付勢しあっている。
【0033】各固定軸2,2aは各中空ロール1,1a
の各中心軸に位置するようにそれぞれ一対のころがり軸
受3a,3bを介して各中空ロール1,1aの両端の内
周面に支持されている。したがって、各中空ロール1,
1aは固定軸2,2aを回転中心軸として自由に回転す
る。
【0034】上側中空ロール1a内において、複数の磁
気センサ7bからなる磁気センサ郡が下方を向く姿勢で
固定軸2aに支持部材を介して固定されている。そし
て、各磁気センサ7bの先端は上側中空ロール1aの内
周面に微小間隙を有して対向している。この各磁気セン
サ7bの出力信号は固定軸2aの内部を経由した信号線
ケーブル9aでもって第1図の信号処理回路17aへ導
かれる。
【0035】また、複数の磁気センサ7bからなる磁気
センサ群の外周を覆うように校正用コイル25aが巻回
されている。なお、この校正用コイル25aは測定開始
前に電流を流して、擬似漏洩磁束を発生させて、信号処
理回路17aにおけるゲイン調整を行うためのコイルで
ある。
【0036】一方、下側中空ロール1内の構造は、図8
の中空ロール1内の構造とほぼ同じである。ただし、複
数の磁気センサ7aからなる磁気センサ郡7に対して上
側中空ロール1aと同様に校正用コイル25が巻装され
ている。そして。各磁気センサ7aの出力信号は固定軸
2の内部を経由して信号ケーブル9でもって図1の信号
処理回路17へ導かれる。
【0037】したがって、上側中空ロール1a内に収納
された各磁気センサ7bは金属帯10を介して下側中空
ロール1内に収納された各磁気センサ7aと所定間隔で
もって対向する。
【0038】このような構成の磁気探傷装置において、
金属帯10を図2に示す矢印a方向へ一定速度で走行さ
せると、下側中空ロール1には金属帯10の張力に起因
する下向きの力および重力による下向きの力が印加され
ているので、下側中空ロール1が矢印b方向に回転す
る。また、上側中空ロール1aも下方へばねで付勢され
ているので、矢印c方向に回転する。
【0039】そして、磁化電源装置16を起動して励磁
コイル6に励磁電流を供給すると、磁化器4の磁化鉄心
4cと走行中の金属帯10とで閉じた磁路が形成され
る。そして、金属帯10の内部あるは表面に疵や気泡等
の欠陥が存在すると、金属帯10内の磁路が乱れ、漏洩
磁束が生じる。この漏洩磁束が上下の中空ロール1a,
1内に収納された各磁気センサ7b,7aにて検出さ
れ、信号処理回路17a,17へ入力される。
【0040】そして、前述した手順でもって、演算回路
18が欠陥規模Kおよび欠陥発生位置dを算出し、有害
度評価回路20が最終的な有害度α1 を算出する。そし
て、警報装置21は、算出された有害度α1 が限界有害
度αM 以上になるとブザー等にて警報出力する。
【0041】このように構成された磁気探傷装置によれ
ば、探傷対象としての金属帯10を挟んで対向配置され
た一対の中空ロール1,1a内に配設された各磁気セン
サ7a,7bで検出された金属帯10の各欠陥信号
2 ,Y1 から簡単な計算式でもって,金属帯10の表
面および内部に存在する欠陥の発生位置dと欠陥規模K
とを正確に把握できる。
【0042】また、この欠陥発生位置d,欠陥規模K
と、板厚Dと種別補正値Zとから、該当金属帯10にお
ける欠陥が存在することによる有害度α1 を定量的に算
出して、この有害度α1 が限界有害度αM 以上になる
と、警報を出力している。この有害度α1 はこの金属帯
10を実際に製品に加工したり、加工後の腐食等をも考
慮した定量的な値である。このように、従来定性的な概
念として考えられていた有害度α1 を定量的に把握する
ことによって、より現実的な欠陥検査ができる。
【0043】図5は、同一欠陥規模(K=2.8 ×10-2
mm3 )であっても欠陥発生位置d,板厚D,種別補正値
Dが異なれば、最終的な有害度α1 が大きく変化するこ
とを示す実測値である。図5(a)は種別補正値Zとし
て食缶用の材料としてこの金属帯10を使用する条件を
設定した場合の有害度特性である。図示するように、外
側より内側の方が欠陥が存在した場合の有害度が高くな
る。当然、板厚Dが薄いと有害度が高くなる。
【0044】一方、図5(b)は種別補正値Zとして一
般用の材料として金属帯10を使用とする条件を設定し
た場合の有害度特性である。図示するように、内側より
外側の方が欠陥が存在した場合の有害度が高くなる。
【0045】また、各磁気センサ7a,27bをそれぞ
れ中空ロール1,1a内に収納している。そして、各中
空ロール1,1aは常時金属帯10の上面および下面に
一定の付勢力で押付けられている。したがって、各磁気
センサ7a.7bと金属帯10の上面および下面との間
の距離を常時一定に維持できる。よって、たとえ金属帯
10が走行過程で上下に振動したとしても前記距離は一
定値に維持されるので、欠陥測定精度をさらに向上でき
る。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明の磁気探傷装
置によれば、金属帯の走行路を挟んでこの金属帯に接す
る一対の中空ロール内にそれぞれ磁気センサを配設して
いる。よって、金属帯の表面及び内部に存在する欠陥の
欠陥規模,欠陥位置を正確に測定できる。
【0047】また、測定され欠陥規模および欠陥発生位
置,板厚,金属種別情報から欠陥の金属帯に対する有害
度を算出している。したがって、従来、定性的に評価さ
れてきた欠陥の金属帯に対する有害度を定量的に把握で
き、欠陥検出機能をより一層向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係わる磁気探傷装置の全
体システムを示す模式図、
【図2】 同実施例装置の断面模式図、
【図3】 同実施例装置の据付模式図、
【図4】 欠陥の信号レベルと欠陥発生位置との関係を
示す図、
【図5】 同実施例装置にて得られた有害度特性図、
【図6】 基本有害度特性を得るための絞り試験装置を
示す模式図、
【図7】 同絞り試験装置で得られた基本有害度特性
図、
【図8】 従来の磁気探傷装置の断面模式図。
【符号の説明】
1,1a…中空ロール、2,2a…固定軸、4…磁化
器、7a,7b…磁気センサ、10……金属帯、17,
17a…信号処理回路、18…演算回路、19…上位計
算機、20…有害度評価回路、21…警報装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧 宏 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−175352(JP,A) 特開 昭57−108656(JP,A) 特開 昭61−62816(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属帯の走行路に直交する支持軸に回転
    自在に支持され、前記走行路を挟んでこの走行路を走行
    する金属帯の上面および下面にそれぞれ接することによ
    って回転する一対の中空ロールと、 この一対の中空ロールのうちの一方の中空ロール内に配
    設され、前記金属帯内に磁界を発生させる磁化器と、 前記各中空ロール内に配設され、前記金属帯の内部また
    は表面の欠陥に起因して生じる漏洩磁束を検出する一対
    の磁気センサと、 この一対の磁気センサで検出された各漏洩磁束値から前
    記欠陥の前記金属帯の厚み方向の欠陥発生位置と欠陥規
    模を算出する演算回路と、基準欠陥が形成された基準金属試料を用いて予め実験的
    に求められている欠陥発生位置とこの基準金属試料に曲
    げ応力を印加した場合における亀裂発生の容易性を示す
    基準の有害度との関係を示す基準有害度特性から、前記
    算出された欠陥発生位置における基準の有害度を算出
    し、この算出された基準の有害度を前記算出された欠陥
    規模と前記金属帯の板厚と前記金属帯の使用目的で定ま
    る金属種別情報とで補正して前記金属帯に対する最終の
    有害度を求める 有害度評価回路とを備えた磁気探傷装
    置。
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