JP2639098B2 - 限流素子 - Google Patents
限流素子Info
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- JP2639098B2 JP2639098B2 JP12698689A JP12698689A JP2639098B2 JP 2639098 B2 JP2639098 B2 JP 2639098B2 JP 12698689 A JP12698689 A JP 12698689A JP 12698689 A JP12698689 A JP 12698689A JP 2639098 B2 JP2639098 B2 JP 2639098B2
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- Japan
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- electrode
- limiting element
- current limiting
- porcelain
- thickness
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- Thermistors And Varistors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はカラーテレビジョン受像機等の各種電子機器
などに用いられるチタン酸バリウム系半導体磁器を用い
た限流素子に関するものである。
などに用いられるチタン酸バリウム系半導体磁器を用い
た限流素子に関するものである。
従来の技術 従来より大きな正の抵抗温度係数を有するチタン酸バ
リウム系半導体材料が開発され、各種機器の限流素子と
して用いられてきた。この正特性半導体磁器は、最初低
温度すなわち低抵抗状態にある時に大きな電流を流し得
るものであり、一定時間経過後にジュール熱による自己
発熱により加熱されて高温となり高抵抗となる。従っ
て、電流を小さく制御するとともに、一定温度の高温状
態を保つものである。
リウム系半導体材料が開発され、各種機器の限流素子と
して用いられてきた。この正特性半導体磁器は、最初低
温度すなわち低抵抗状態にある時に大きな電流を流し得
るものであり、一定時間経過後にジュール熱による自己
発熱により加熱されて高温となり高抵抗となる。従っ
て、電流を小さく制御するとともに、一定温度の高温状
態を保つものである。
近年、このようなチタン酸バリウム系半導体磁器を応
用した限流素子に対して、さらに大電流の制御が強く望
まれてきている。
用した限流素子に対して、さらに大電流の制御が強く望
まれてきている。
また、従来の限流素子は第2図に示すようにチタン酸
バリウム系半導体磁器1にNi,Al,Cd,Fe,Sn,Zn,In,In合
金などのオーミック性を有する金属層2と、さらにその
上にこの金属層2の酸化防止と面内抵抗低減のために設
けられるAgなどの金属層3とを電極として付与した構成
からなっていた。
バリウム系半導体磁器1にNi,Al,Cd,Fe,Sn,Zn,In,In合
金などのオーミック性を有する金属層2と、さらにその
上にこの金属層2の酸化防止と面内抵抗低減のために設
けられるAgなどの金属層3とを電極として付与した構成
からなっていた。
発明が解決しようとする課題 このような従来の構成では、チタン酸バリウム系半導
体磁器に大電流を流すと、熱伝導性の低い磁器の中央部
は急速に発熱するが、熱伝導性の良好な電極に近い磁器
の表層部は電極を介して放熱が促進される。従って、磁
器の中央部と表層部で温度差を生じるとともに、これに
より熱膨張の不均一を生じ、素子中央部にクラックが発
生するという問題があった。
体磁器に大電流を流すと、熱伝導性の低い磁器の中央部
は急速に発熱するが、熱伝導性の良好な電極に近い磁器
の表層部は電極を介して放熱が促進される。従って、磁
器の中央部と表層部で温度差を生じるとともに、これに
より熱膨張の不均一を生じ、素子中央部にクラックが発
生するという問題があった。
本発明はこのような問題点を解決するもので、素子を
均一に発熱させ、クラックの発生などのない高信頼性の
限流素子を提供することを目的とするものである。
均一に発熱させ、クラックの発生などのない高信頼性の
限流素子を提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段 この課題を解決するために本発明は、チタン酸バリウ
ム系半導体磁器に1〜5μmのNiメッキ電極を形成し、
この上にAg含有率が70〜85%、その他の無機物が30〜15
%で厚さ8〜15μmのAg電極を有する構成としたもので
ある。
ム系半導体磁器に1〜5μmのNiメッキ電極を形成し、
この上にAg含有率が70〜85%、その他の無機物が30〜15
%で厚さ8〜15μmのAg電極を有する構成としたもので
ある。
作用 この構成により、Niメッキ電極厚を薄くし、Ag電極の
Ag含有率を低下させることにより、電極からの熱放散を
抑制し、磁器表面と中央部の温度差を小さくし、クラッ
クの発生などのない高信頼性の限流素子が得られること
となる。
Ag含有率を低下させることにより、電極からの熱放散を
抑制し、磁器表面と中央部の温度差を小さくし、クラッ
クの発生などのない高信頼性の限流素子が得られること
となる。
実施例 以下本発明の一実施例について、図面を参照しながら
説明する。
説明する。
まず、チタン酸バリウム系半導体磁器としてBaTiO3に
Y2O3を半導体化元素として加え、さらに添加物としてSi
O2,Al2O3を微量加え、通常の窯業的手法により直径18m
m、厚さ2.5mmの円板状磁器を作製した。次に、この磁器
表面にNi85〜95%、P15〜5%からなるNiメッキ層を無
電解Niメッキにより種々の厚さに付与し、外周部に付着
したNiメッキ層をセンタレス研磨により除去するととも
に、この研磨により直径を18mmから17.5mmにした。さら
に、この種々の厚さの異なるNiメッキ層を有するチタン
酸バリウム系半導体磁器にAg含有率の異なる(すなわ
ち、その他の無機含有率が異なる)Agペーストをスクリ
ーン印刷し、450℃〜650℃にて焼付けた。ここで、Ag電
極径はスクリーン印刷の際のマスキングパターンを変更
し、Ni電極面積に対するAg電極面積の比率を変えるとと
もに、スクリーンのメッシュおよびAgペーストの粘度を
変更してAg電極厚を変えて試料を作製した。第1図はこ
のようにして作製された本発明の限流素子を示し、4は
チタン酸バリウム系半導体磁器、5はNiメッキ電極、6
はAg電極である。
Y2O3を半導体化元素として加え、さらに添加物としてSi
O2,Al2O3を微量加え、通常の窯業的手法により直径18m
m、厚さ2.5mmの円板状磁器を作製した。次に、この磁器
表面にNi85〜95%、P15〜5%からなるNiメッキ層を無
電解Niメッキにより種々の厚さに付与し、外周部に付着
したNiメッキ層をセンタレス研磨により除去するととも
に、この研磨により直径を18mmから17.5mmにした。さら
に、この種々の厚さの異なるNiメッキ層を有するチタン
酸バリウム系半導体磁器にAg含有率の異なる(すなわ
ち、その他の無機含有率が異なる)Agペーストをスクリ
ーン印刷し、450℃〜650℃にて焼付けた。ここで、Ag電
極径はスクリーン印刷の際のマスキングパターンを変更
し、Ni電極面積に対するAg電極面積の比率を変えるとと
もに、スクリーンのメッシュおよびAgペーストの粘度を
変更してAg電極厚を変えて試料を作製した。第1図はこ
のようにして作製された本発明の限流素子を示し、4は
チタン酸バリウム系半導体磁器、5はNiメッキ電極、6
はAg電極である。
次に、各試料について、25℃における抵抗値(R25)
および破滅電圧を測定するとともに、断続負荷試験を行
った。ここで、破壊電圧としては試料に一定電圧を5秒
印加した後、10分間放冷するといった電圧の断続印加を
10回繰り返した際に試料が破壊する電圧を測定した。ま
た、断続負荷試験は試料に200Vを5秒間印加した後、10
分間放冷するといった電圧の断続印加を10000回繰り返
した際の抵抗値の変化率を測定した。これらの結果を下
記の第1表に前記の条件を種々変えた場合について示
す。
および破滅電圧を測定するとともに、断続負荷試験を行
った。ここで、破壊電圧としては試料に一定電圧を5秒
印加した後、10分間放冷するといった電圧の断続印加を
10回繰り返した際に試料が破壊する電圧を測定した。ま
た、断続負荷試験は試料に200Vを5秒間印加した後、10
分間放冷するといった電圧の断続印加を10000回繰り返
した際の抵抗値の変化率を測定した。これらの結果を下
記の第1表に前記の条件を種々変えた場合について示
す。
以上のように本実施例によれば、Niメッキ電極の厚さ
を1〜5μm、およびこの上のAg電極をAg含有率が70〜
85%、その他の無機物が30〜15%、厚さ8〜15μm、そ
して面積をNiメッキ電極の64〜94%にすることにより、
電極からの熱放散を抑制し、クラックの発生などのない
高信頼性の限流素子を得ることができる。
を1〜5μm、およびこの上のAg電極をAg含有率が70〜
85%、その他の無機物が30〜15%、厚さ8〜15μm、そ
して面積をNiメッキ電極の64〜94%にすることにより、
電極からの熱放散を抑制し、クラックの発生などのない
高信頼性の限流素子を得ることができる。
ところで、本発明の特許請求の範囲の限定理由を前記
第1表中の本発明外の試料を参照しながら以下に説明す
る。
第1表中の本発明外の試料を参照しながら以下に説明す
る。
まず、Niメッキ電極の厚さを1〜5μmとしたのは、
Niメッキ厚が薄すぎると磁器とのオーミックコンタクト
が不充分となり、試料1に示すように常温における抵抗
値が増大し好ましくないためである。また、Niメッキの
厚さが5μmを超えると、電極近傍の磁器の熱放散が増
大し、磁器中央部との温度差が増大するため、試料15に
示すように破壊電圧が低下したり、断続負荷試験におけ
る抵抗変化率が増大するため好ましくない。
Niメッキ厚が薄すぎると磁器とのオーミックコンタクト
が不充分となり、試料1に示すように常温における抵抗
値が増大し好ましくないためである。また、Niメッキの
厚さが5μmを超えると、電極近傍の磁器の熱放散が増
大し、磁器中央部との温度差が増大するため、試料15に
示すように破壊電圧が低下したり、断続負荷試験におけ
る抵抗変化率が増大するため好ましくない。
次に、Ag含有率Cを70〜85%としたのは(すなわち、
その他の無機物の含有量は30〜15%となる。)、Ag含有
率が70%未満ではAg電極焼き付けの際、その他の無機物
であるガラス成分がAg電極表面に偏析し、試料2に示す
ように常温抵抗R25が増大し好ましくないことによる。
さらに、Ag含有率が増大し85%を超えると、電極の金属
含有率が増大し、電極の熱伝導性が向上して電極近傍の
磁器の熱放散が増大し、磁器中央部との温度差が増大す
るため、試料5に示すように破壊電圧が低下するととも
に断続負荷試験中に破壊することになる。
その他の無機物の含有量は30〜15%となる。)、Ag含有
率が70%未満ではAg電極焼き付けの際、その他の無機物
であるガラス成分がAg電極表面に偏析し、試料2に示す
ように常温抵抗R25が増大し好ましくないことによる。
さらに、Ag含有率が増大し85%を超えると、電極の金属
含有率が増大し、電極の熱伝導性が向上して電極近傍の
磁器の熱放散が増大し、磁器中央部との温度差が増大す
るため、試料5に示すように破壊電圧が低下するととも
に断続負荷試験中に破壊することになる。
さらに、Ag電極厚としては、8μm未満では限流素子
に大電流が流れると、Ag電極内の電流分布が不均一とな
り、試料6に示すように電極が焼損し黒く変色し好まし
くない。また、Ag電極厚が15μmを超えると、試料9に
示すように断続負荷試験の際に生じる熱衝撃によりNi電
極とAg電極の界面またはNi電極と磁器との界面で剥離が
生じる。
に大電流が流れると、Ag電極内の電流分布が不均一とな
り、試料6に示すように電極が焼損し黒く変色し好まし
くない。また、Ag電極厚が15μmを超えると、試料9に
示すように断続負荷試験の際に生じる熱衝撃によりNi電
極とAg電極の界面またはNi電極と磁器との界面で剥離が
生じる。
また、Ag電極面積のNi電極面積に対する比率が60%未
満の場合は、電流分布が不均一となること、およびAg電
極のある部分とない部分での熱放散性の違いにより、電
極面内での温度分布が生じ、試料10に示すように断続負
荷試験後の抵抗変化が大きくなり、あまり好ましくな
い。一方、Ag電極の面積がNi電極の面積の94%を超える
と、電極からの熱放散が増大し、素子破壊に至らないま
でも試料13に示すように断続負荷試験後の抵抗変化が増
大し好ましくない。
満の場合は、電流分布が不均一となること、およびAg電
極のある部分とない部分での熱放散性の違いにより、電
極面内での温度分布が生じ、試料10に示すように断続負
荷試験後の抵抗変化が大きくなり、あまり好ましくな
い。一方、Ag電極の面積がNi電極の面積の94%を超える
と、電極からの熱放散が増大し、素子破壊に至らないま
でも試料13に示すように断続負荷試験後の抵抗変化が増
大し好ましくない。
発明の効果 以上のように本発明によれば、Niメッキ電極の厚さを
1〜5μm、およびこの上のAg電極をAg含有率が70〜85
%、その他の無機物が30〜15%、厚さ8〜15μm、そし
て面積がNiメッキ電極の64〜94%にすることにより、電
極からの熱放散を抑制し、クラックの発生などのない高
信頼性の限流素子を得ることができる。
1〜5μm、およびこの上のAg電極をAg含有率が70〜85
%、その他の無機物が30〜15%、厚さ8〜15μm、そし
て面積がNiメッキ電極の64〜94%にすることにより、電
極からの熱放散を抑制し、クラックの発生などのない高
信頼性の限流素子を得ることができる。
第1図は本発明の限流素子の構成を示す断面図、第2図
は従来の限流素子の構成を示す断面図である。 4……チタン酸バリウム系半導体磁器、5……Niメッキ
電極、6……Ag電極。
は従来の限流素子の構成を示す断面図である。 4……チタン酸バリウム系半導体磁器、5……Niメッキ
電極、6……Ag電極。
Claims (2)
- 【請求項1】チタン酸バリウム系半導体磁器に1〜5μ
mのNiメッキ電極及びその上にAg含有率が70〜85%、そ
の他の無機物が30〜15%で厚さ8〜15μmのAg電極を有
することを特徴とする限流素子。 - 【請求項2】Ag電極の面積がNi電極の面積に対し、64〜
94%であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
の限流素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12698689A JP2639098B2 (ja) | 1989-05-19 | 1989-05-19 | 限流素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12698689A JP2639098B2 (ja) | 1989-05-19 | 1989-05-19 | 限流素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02305404A JPH02305404A (ja) | 1990-12-19 |
JP2639098B2 true JP2639098B2 (ja) | 1997-08-06 |
Family
ID=14948824
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12698689A Expired - Lifetime JP2639098B2 (ja) | 1989-05-19 | 1989-05-19 | 限流素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2639098B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05343201A (ja) * | 1992-06-11 | 1993-12-24 | Tdk Corp | Ptcサーミスタ |
FR3130444A1 (fr) * | 2021-12-15 | 2023-06-16 | Safran Electrical & Power | Dispositif d’attenuation de pic de courant |
-
1989
- 1989-05-19 JP JP12698689A patent/JP2639098B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02305404A (ja) | 1990-12-19 |
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