JP2635090B2 - マッサージ機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）本発明の目的 （産業上の利用分野） この発明は、マッサージ装置部がネジ軸を介して往復
運動するようにしたマッサージ機に関し、特にソレノイ
ドを介してクラッチにより往復運動とマッサージ動作を
切換可能とし、単独のモーターで作動し得るようにした
ものである。

（従来の公知技術） 従来、この種マッサージ機において、例えばローリン
グ作用を含む往復運動と、停止状態でマッサージ作用を
行なう場合、ネジ軸と副軸を別個のモーターで回転駆動
させ、上記２つの作用を行なっていた（例えば実公昭55
−51454号公報参照）。

又、単独のモーターで作動させるものとしては、例え
ば特公昭61−41227号公報に見られるように、ネジ軸と
副軸をそれぞれ回動可能とし、その端部にクラッチを設
け、モーターの回転駆動力を選択的に伝達可能として２
つの動作を行なうものや、特開昭58−121948号公報に見
られるように、ネジ軸を固定し、これに螺合するナット
をモーターで回転させることにより往復運動を行なうと
共にクラッチを介してマッサージ装置をも駆動させるよ
うにしたものなどが提案されている。

（本発明で解決せんとする課題） ネジ軸、副軸を２つのモーターで駆動させることはコ
スト、重量などの点において極めて不利であり、又２つ
の回転軸にクラッチを介してモーターの駆動力を選択的
に伝達する場合、クラッチ部、伝達部等の構造が複雑と
なり、故障等の要因となり易く、更に、ネジ軸を固定し
これに螺合するナットをモーターで回転させる方式にあ
っては、モーター部も同時に移動することからナット部
への負担が大きくモーター作動音が聞こえるなど多くの
解決すべき課題が残されている。

更に又、これらにより得られるマッサージ効果はロー
ラーによる“もみ”を主体とするもので、患部を水平方
向に指圧する指圧効果は得られないものである。

（ロ）本発明の構成 （課題を解決する為の手段） 本発明は、マッサージ装置部がネジ軸を介して往復運
動するようにしたマッサージ機において、ベルト２等を
介してモーター１によって正逆に回転する駆動軸３をそ
の断面がスプライン、多角形その他の異形軸とし、これ
を上フレーム４及び下フレーム５間に回動自在に軸支す
ると共に、該駆動軸と平行にネジ軸７を固着し、駆動軸
３及びネジ軸７が貫通するマッサージ装置部の移動フレ
ーム９に駆動軸３に遊嵌した駆動ギヤ15及び駆動ウォー
ム19を回動自在に取付け、移動フレーム９に回動自在に
取付けた雌ネジ16をネジ軸７に螺合させ該雌ネジ外周に
設けた雌ネジギヤ18と駆動ギヤ15を噛合し、駆動ウォー
ム19をリンク22を介して指圧球23を前後動させる偏心軸
20と共動する駆動ウォームギヤ20と噛合させると共に、
駆動軸３の駆動ギヤ15と駆動ウォーム19の間に軸方向に
摺動自在で駆動軸と共回りするクラッチ10を外嵌し、そ
の両端にそれぞれ駆動ギヤ15及び駆動ウォーム19の対向
面に設けた係合片15′,19′と相互に嵌合する係合片10
b,10bを設け、該クラッチをソレノイド14を介して上下
動可能として駆動ギヤ15乃至は駆動ウォーム19との嵌合
を選択し得るように構成して、前記課題を解決せんとす
るものである。

（作用） 叙上の構成にかかるマッサージ機の動作について述べ
ると、モーター１を作動し、ベルト２を介して駆動軸３
を正逆何れかに回転させると、該駆動軸３に外嵌したク
ラッチ10が共回りする。この時ソレノイドを作動させる
とクラッチ10は駆動軸３上を該軸と共回りしながら上方
又は下方に摺動し、端部の係合片10bが駆動ギヤ15又は
駆動ウォーム19に設けた係合片15′,19′と摺接し、所
定位置で互いに嵌合して、駆動ギヤ15又は駆動ウォーム
19が回転する。

ソレノイド14を操作してクラッチ10を下方に移動さ
せ、駆動ギヤ15と嵌合すると、噛合する雌ネジギヤ18を
介して雌ネジ16が回転し、マッサージ装置部全体が、雌
ネジが螺合するネジ軸７にそって上方乃至は下方に移動
する。

マッサージ装置部が上端又は下端に達すると、例えば
リミットスイッチ等適宜な手段でこれを検知しモーター
１を反転させる。この時駆動軸３は逆方向に回転し、雌
ネジ16が逆回転してマッサージ装置部全体は逆方向に移
動する。この繰り返しによりマッサージ装置部は往復運
動を行なう。

ソレノイド14の操作によりクラッチ10を上方に移動し
駆動ウォーム19と嵌合させると、駆動ウォームが回転
し、これに噛合する駆動ウォームギヤ20を介して同軸の
偏心軸21が回転し、リンク22を介して指圧球23はガイド
９′にそって前後動し、指圧マッサージを行なう。

従って、ソレノイドによってクラッチを上下させるこ
とで、マッサージ装置部の往復運動と指圧マッサージ動
作の切換が可能となる。

（実 施 例） 本発明の構成を図面に示す実施例に基づいて更に詳述
すると、図において、１は制御装置（図示せず）により
正逆に回転可能なモーター、２はモーター１の回転力を
駆動軸３に伝達するベルトである。

駆動軸３は、上フレーム４と下フレーム５の間にベア
リング６を介して回動自在に軸支したものであって、そ
の断面形状を例えばスプラインや多角形等の異形軸とし
て後述するクラッチを共回り可能としている。

７は、駆動軸３と平行して上フレーム４と下フレーム
５の間にボルト８により固着したネジ軸である。

駆動軸３とネジ軸７はマッサージ装置部の移動フレー
ム９を貫通している。該移動フレーム内において、駆動
軸３には軸方向に摺動自在で駆動軸３と共回りするクラ
ッチ10を外嵌し、該クラッチの周面中央部に設けた案内
溝10aをクラッチ支持片11で回動自在に挟持する（第２
図参照）。又クラッチ10の両端には係合片10b,10bを軸
方向に突出して周設する。

クラッチ支持片11は支点12を中心に揺動するリンク13
を介してソレノイド14により上下動可能とする。尚クラ
ッチを上下動可能とする手段はこれに限定されるもので
はなく、例えば第４図や第５図に示すようにクラッチ支
持片に代えて案内溝内にベアリング11aを介在させ、全
周を保持するようにすれば、クラッチ10の回転がより滑
らかとなり、又第６図に示すようにソレノイドのプラン
ジャ14aに移動杆14bを設け、これを案内溝10aに係入さ
せて、クラッチ10を上下動させることも可能である。

15は移動フレーム９の下内壁に回動自在に取付けた駆
動ギヤであって、駆動軸３に遊嵌され、その上面には、
対向するクラッチの係合片10bと相互に嵌合する係合片1
5′を設ける。この係合片が互いに嵌合すると駆動軸３
の回転力が駆動ギヤ15に伝達される。

16はネジ軸７に螺合する雌ネジであって、移動フレー
ム９にベアリング17を介して回動自在に取付ける。雌ネ
ジ16の下端部外周には雌ネジギヤ18を周設し、上記駆動
ギヤ15と噛合して雌ネジ16を回動し、該雌ネジの螺合す
るネジ軸７に従ってマッサージ装置部の移動フレーム９
全体を上下に移動するようにしている。この際、マッサ
ージ装置部に例えばマッサージローラーを取り付けてお
けば、人体背部全域に亘ってローリングマッサージを併
せて行なうことができる。

19は駆動ウォームであって、移動フレーム９の上内壁
に回動自在に取付けられ、駆動軸３に遊嵌されている。
その下面には、対向するクラッチの係合片10bと相互に
嵌合する係合片19′を設ける。

第３図において20は駆動ウォーム19と噛合する駆動ウ
ォームギヤであって、同軸の偏心軸21と共動し、偏心軸
に連設するリンク22を介して指圧球23を移動フレーム側
壁に突設したガイド９′内で前後に摺動させ指圧マッサ
ージ効果を得るようにしている。

（ハ）効果 本発明のマッサージ機は上記構成から成るものである
から、ソレノイドによりクラッチを上又は下に移動させ
マッサージ装置部の上下移動と指圧マッサージが切換可
能であり、単独のモーターで駆動することができ、その
構成部材数が少ないことと相俟って極めて安価、軽量の
マッサージ機を提供できる。

又、スイッチの切換により、マッサージ装置部を所望
の位置に停止させ、指圧球の前後動によって、従来の
“もみ”効果と異なる強力な指圧効果を得ることができ
る。

更に、モーターはフレーム下部に固定されているから
その動作音がほとんど聞こえないなど、種々の優れた効
果が期待できる発明である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一つの実施例を一部省略して示す正面
断面図、第２図はクラッチ支持の一例を示す部分断面
図、第３図は指圧球の前後動作の構造の一例を示す側面
断面図、第４図及び第５図はいずれもクラッチ部分の他
の実施例を一部切欠して示す側面図、第６図はクラッチ
部分の他の実施例を示す側面図である。 ３……駆動軸、16……雌ネジ ７……ネジ軸、19……駆動ウォーム 10……クラッチ、20……駆動ウォームギヤ 11……クラッチ支持片、21……偏心軸 14……ソレノイド、23……指圧球 15……駆動ギヤ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】マッサージ装置部がネジ軸を介して往復運
   動するようにしたマッサージ機において、上下フレーム
   間にスプライン等の異形軸からなる駆動軸を軸支すると
   共に該軸と平行してネジ軸を固着し、マッサージ装置部
   の移動フレームに回動自在に取付け上記駆動軸に遊嵌し
   た駆動ギヤにより移動フレームに回動自在に取付け上記
   ネジ軸と螺合させた雌ネジを駆動可能とすると共に、移
   動フレームに回動自在に取付け上記駆動軸に遊嵌した駆
   動ウォームと噛合する駆動ウォームギヤを介して指圧球
   を前後動可能とし、駆動軸の駆動ギヤと駆動ウォームの
   間に外嵌したクラッチをソレノイドを介して上下動可能
   として駆動ギヤ乃至は駆動ウォームとの嵌合を選択し得
   るようにしたことを特徴とするマッサージ機。