JP2635083B2 - 旋盤および旋盤による加工方法 - Google Patents

旋盤および旋盤による加工方法

Info

Publication number
JP2635083B2
JP2635083B2 JP63049217A JP4921788A JP2635083B2 JP 2635083 B2 JP2635083 B2 JP 2635083B2 JP 63049217 A JP63049217 A JP 63049217A JP 4921788 A JP4921788 A JP 4921788A JP 2635083 B2 JP2635083 B2 JP 2635083B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tool
workpiece
cutting
rotating
lathe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63049217A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01222801A (ja
Inventor
博 上國
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Nippon Koki KK
Original Assignee
Shin Nippon Koki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Nippon Koki KK filed Critical Shin Nippon Koki KK
Priority to JP63049217A priority Critical patent/JP2635083B2/ja
Publication of JPH01222801A publication Critical patent/JPH01222801A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2635083B2 publication Critical patent/JP2635083B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Turning (AREA)
  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、被加工物に対して工具を移動させることに
より加工を行う旋盤および旋盤による加工方法に関する
ものである。
〔従来の技術〕
一般に、従来の旋盤においては、回転する被加工物に
対し、工具を工具台に固定した状態でその刃先を上記被
加工物に当接させ、さらにこの工具を上記被加工物の回
転軸方向に移動させることにより加工を行うようにして
いる。すなわち、上記工具の刃先については、加工中、
常に同じ部分が被加工物に当接する状態となっている。
〔発明が解決しようとする課題〕
旋盤による加工では工具刃先の摩耗が著しく、特に上
記従来の旋盤のように常に工具刃先の同じ部分で加工を
行う場合には、時間に比例して摩耗量が増大するため、
工具寿命は非常に短いものとなる。特に、高硬度の被加
工物(例えば圧延ロール等)を加工する場合には摩耗速
度が大きく、このような工具の摩耗によって加工精度が
悪化することとなる。また、施削の途中で工具を交換し
ても、その交換部位で被加工物に継ぎ誤差が生じるた
め、加工精度の悪化は避けられない。
そこで従来は、上記被加工物の加工を行う場合、荒加
工の段階においてのみ旋盤を用い、仕上げ加工の段階で
は砥石等の研削工具によって研削を行うといった手段が
採られている。しかし、この場合には、施削用機械およ
び研削用機械の双方を用意しなければならないので、多
大な設備費が必要となり、コスト高となる欠点がある。
さらに、上記研削加工においては、旋盤による施削加
工に比べ、一度に大きな切込み量を得ることができない
ので、何度も工具の往復移動を繰返しながら加工を行わ
なければならず、長い工程時間が必要となる。また、要
求される仕上げ面粗度や被加工物の材質によって逐次砥
石を交換しなければならず、しかも、このような研削用
の工具は比較的重量が大きく取扱いが不便であるため、
加工能率が悪い。また、多量の研削液が必要であるとと
もに、砥石粒粉末の清掃・処理も煩しく、設備管理が大
変である。
さらに、上記旋盤による加工では、被加工物を完全な
円筒状に施削するのではなく、その半径を軸方向に変化
させるような加工、例えば中央部を僅かに膨らませるク
ラウン加工が必要な場合があるが、このような加工を行
うには、工具を被加工物の軸方向と平行な方向に移動さ
せるだけでなく、その移動と同時に工具と被加工物とを
被加工物半径方向に微小量ずつ移動させるといったきわ
めて複雑な移送制御を要することになり、低コストで上
記クラウン加工を行うことは非常に難しい。
本発明は、このような事情に鑑み、旋削によるる工具
の摩耗量を削減することにより、加工能率および加工精
度の向上を図ることができ、しかも、複雑な制御を伴う
ことなく容易に被加工物をクラウン加工できる旋盤およ
び旋盤による加工方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、工具を回転可能に支持する工具台と、被加
工物を支持し、回転させる被加工物支持回転手段と、上
記被加工物の回転半径及び回転軸方向に上記工具台を相
対移動させる送り手段とを備えた旋盤において、上記工
具の刃先を円弧状とし、この工具の刃先の曲率中心が工
具回転中心よりも被加工物から遠い側に僅かにずれる位
置で工具を工具台に取付けるとともに、この工具台にお
いて工具を回転させる工具回転駆動手段と、上記被加工
物をその中央部が脹らむ形状に加工するように上記被加
工物に対して工具台を上記回転軸方向に移動させながら
工具を回転させる制御手段とを備えたものである。
ここで、「僅かにずれる」とは、被加工物をその中央
部が脹らむ形状にクラウン加工ができる程度にずれると
いう意味である。
また本発明は、旋盤による加工方法であって、被加工
物を回転させ、円弧状の刃先を有する工具をその刃先形
状の曲率中心よりも被加工物から近い側に微小量偏心し
た点を中心に回転させながら上記被加工物に対してその
回転半径方向の相対位置は固定したまま回転軸方向に相
対移動させることにより上記被加工物をその中央部が脹
らむ形状に加工するものである。
〔作 用〕
上記構成によれば、施削中に工具が回転することによ
り、その刃先において被加工物に当接する部分が変化す
るので、常に刃先の同じ部分が被加工物に当接する構造
に比べ、工具寿命は大幅に延長される。さらに、被加工
物の全域に亘って工具台が送り移動を行う間に工具刃先
の全域が被加工物に当接するようにすることにより、工
具刃先を全域に亘って均等に使用することができ、偏摩
耗を防止できる。
しかも、上記工具をその刃先形状の曲率中心に対して
被加工物に近い側に偏心した点を中心に回転させなが
ら、上記被加工物に対してその回転半径方向の相対位置
は固定したまま回転軸方向に相対移動させることにより
上記被加工物をその中央部が脹らむ形状に加工(すなわ
ちクラウン加工)するものであるので、加工中に上記工
具を被加工物半径方向に移動させるといった複雑な制御
を行うことなく、上記クラウン加工ができる。
〔実施例〕
第1図は、本発明の一実施例における旋盤の全体構成
を示した図である。この旋盤は、略円筒状のワークピー
ス(被加工物)1の両端を支持する主軸台2および心押
台3を備えており、主軸台2は、上記ワークピース1を
高速回転駆動するためのメインモータを内蔵している。
この支持された状態にあるワークピース1の側方には、
ワークピース1の回転軸方向に移動可能に構成された往
復台4が設置されており、この往復台4上に、切削工具
5を支持する工具台6が設けられている。
この往復台4および工具台6の構造を、第2図〜第7
図に基づいて説明する。第2図に示されるように、往復
台4の下部には2個のボールスクリューナット7が直列
に並べて固定されており、このボールスクリューナット
7は、旋盤本体側に回転可能に支持されたボールスクリ
ュー8に螺合している。このボールスクリュー8は、減
速ギヤボックス9を介して、旋盤本体に設置された縦送
り駆動用モータ10に連結されており、この縦送り駆動用
モータ10によってボールスクリュー8が回転駆動される
ことにより、これに噛合するボールスクリューナット7
と一体に往復台4が上記方向に往復駆動(縦送り)され
る。
上記工具台6の下部には、第3図にも示されるような
クロススライド11が固定されており、このクロススライ
ド11が、水平でかつ上記ワークピース1に接離する方向
に案内されるように往復台4上に取付けられている。こ
のクロススライド11の内部には、上記ボールスクリュー
ナット7と同様のボールスクリューナット13が設けられ
ており、このボールスクリューナット13に螺合するボー
ルスクリュー12が、往復台4内で水平に支持された状態
で、減速ギヤボックス14を介して横送り駆動用モータ
(送り手段)15に連結されている。そして、この横送り
駆動用モータ15によって上記ボールスクリュー12が回転
駆動されることにより、これに噛合するボールスクリュ
ーナット13と一体に工具台6が上記方向に駆動(横送
り)され、切削工具5がワークピース1に対して接離す
るようになっている。なお、第6図において33は、工具
台6の横送り方向の変位を検出するためのリミットスイ
ッチである。
第4図〜第7図にも示されるように、工具台6の本体
にはベアリング35を介して旋回台17が支持されている。
この旋回台17は、旋回軸16を中心に、かつこの旋回軸16
と一体に、旋回可能となっており、この旋回台17の上面
に上記切削工具5が載置されている。
この切削工具5には、2か所に亘って貫通孔5a,5bが
設けられており、この貫通孔5a,5bにボルト18が遊嵌状
態で挿入され、かつ、このボルト18が旋回台17の上面に
螺合固定されることにより、切削工具5が、上記ワーク
ピース1に対して接離する方向に若干移動可能な状態で
旋回台17上に係止されている。さらに、この旋回台17上
には、上記切削工具5に固定された調整ボルト19、これ
に螺合する2個のナット20、および上記調整ボルト19を
支持する支持部材21からなる工具心出し装置22が設けら
れており、上記調整ボルト19を適宜回転させることによ
り、旋回台17に対する切削工具5の相対位置を調節でき
るようになっている。
上記切削工具5は、第7図に示されるように、曲率半
径rの円弧状の刃先を有し、後述のように、この刃先の
曲率中心よりも僅かにワークピース1に近い側に偏心し
た点を中心に切削工具5が回転するように、その取付位
置が上記工具心出し装置22によって調節される。
上記旋回台17の下方には、第5図に示されるように、
2枚のギヤ23,24が鉛直方向に並設されている。ギヤ23
は、上記旋回軸16の周面にキー25を介して固定されてお
り、ギヤ24は、上記ギヤ23の外周面に嵌合した状態で上
記旋回軸16の下面に直接固定されている。
一方、工具台6の本体には、ボールスクリュー26が回
転可能に支持されるとともに、これに噛合する2個のボ
ールスクリューナット27が直列に設けられ、このボール
スクリューナット27に、上記ギヤ23,24にそれぞれ噛合
するラック28,29が固定されている。上記ボールスクリ
ュー26は、工具台6の側部に固定された旋回駆動用モー
タ(工具回転駆動手段)30に軸継手装置31を介して連結
されている。
そして、この旋回駆動用モータ30によるボールスクリ
ュー26の回転駆動によって、これを噛合するボールスク
リューナット27、および2枚のラック28,29が並進移動
し、このラック28,29の移動により、これらに噛合する
ギヤ23,24、旋回軸16、および旋回台17が一体に旋回駆
動され、これによって切削工具5がワークピース1に対
して旋回するようになっている。なお、図において35
は、旋回台17の旋回の両限界位置を検出するためのリミ
ットスイッチである。
さらに、この実施例における旋盤には、第1図に示さ
れるように、所定の加工指令を入力するための操作盤3
6、およびコンピュータを備えた制御盤37が設けられて
いる。この制御盤37には、上記主軸台2に設けられたワ
ークピース1の回転検出器38、上記リミットスイッチ3
3,34をはじめとする各リミットスイッチ、および上記操
作部36からの各信号が入力され、これらの信号を受けた
制御盤37からは、各モータに制御信号が出力される。
次に、この旋盤によるワークピース1の加工方法を第
8図のフローチャートに基づいて説明する。
まず、加工を行うにあたり、その切削条件の設定を行
う(ステップS1)。ここでいう切削条件としては、切削
工具5の材質、その刃先の曲率半径r、切削速度(ワー
クピース1と切削工具5の相対速度)v、送り速度(ワ
ーク1回転あたりの縦送り量)f、切削工具5の旋回角
速度β等が挙げられる。
刃先の曲率半径rおよび送り速度fについては、要求
されるワークピース1の面粗度Rmaxより決定することが
できる。すなわち、これらの値には、 Rmax=f2/(8・r) … なる関係があることが知られているので、この要求され
る面粗度Rmaxから、上記曲率半径rおよび送り速度fを
設定することができる。この場合、刃先の曲率半径rを
大きく設定することにより、送り速度fも大きくするこ
とができ、これによって加工の高速化を図ることができ
るが、反面、曲率半径rを大きくすると切削工具5の旋
回半径も大きく設定しなければならず、装置の大型化に
つながるため、両者のバランスを考慮して刃先の曲率半
径を設定することが望ましい。
また、切削速度vについては、この切削速度vを上げ
るほど加工の高速化を図ることができる反面、工具寿命
が短縮することになるので、この切削速度vも両者を考
慮して設定する必要がある。
さらに、切削工具5の旋回角速度(すなわち旋回台17
の旋回角速度)βについては、加工を開始してから終了
するまでの間に、刃先の全域がワークピース1に接触す
るように設定する。すなわち、刃先円弧の中心角をθ、
加工に要する切削時間をtとすると、上記角速度βは、 β=θ/t … に設定する。なお、この切削時間tは、ワークピース1
の被加工域の全長L、切削速度v、および送り速度fか
ら求められる。以上の設定値は、NC旋盤の場合にはプロ
グラムにインプットすればよく、それ以外の場合には速
度調節ダイヤル等によって、求めた値を手動で設定すれ
ばよい。
このようにして切削条件の設定を行った後、ワークピ
ース1を主軸台2と心押台3との間にセットするととも
に(ステップS2)、旋回台17上に切削工具5を取付ける
(ステップS3)。
この切削工具5の取付は、まず旋回台17の所定位置に
切削工具5を載置し、その貫通孔5a,5bにボルト18を挿
入して旋回台17に固定した後、この切削工具5の尾端部
に工具心出し装置22の調整ボルト19を固定し、このボル
ト19を回転させて切削工具5をスライドさせることによ
り、その旋回中心の調節を行う。
ここで、切削工具5の刃先形状の曲率中心と、その旋
回中心とが合致する(第7図では点C)ように切削工具
5の位置調節を行えば、ワークピース1は完全な円筒状
に加工されることになる。これに対し、上記曲率中心が
上記旋回中心よりもワークピース1から僅かに遠くなる
ように位置調節することにより、後述のようなクラウン
加工が可能になる。この位置調節については、工具刃先
にダイヤルインジケータ等の計測器を当接させ、工具5
をあらゆる方向に旋回させてもその刃先が半径方向に変
位しないような位置に調節することにより、上記条件を
満足させることができる。なお、加工前の往復台4の待
機位置を心押台3の近傍に設定している場合には、第9
図に示されるように、この心押台3の側面にダイヤルイ
ンジケータ38を固定しておくことにより、このダイヤル
インジケータ38を用いて切削工具5の心出しを待機位置
で行うことができるため、非常に合理的なものとなる。
次に、縦送り駆動用モータ10の作動によって切削工具
5を加工の開始点(第1図ではワークピースの右端部)
に接近させるとともに(ステップS4)、旋回台17を原点
位置(第1図では時計回りの方向に最も旋回した位置)
に移動させ、この状態でメインモータを回してワークピ
ース1を所定回転数(上記切削速度vに対応する回転
数)で回転駆動する(ステップS5)。そして、第1図の
右側の二点鎖線に示されるように工具刃先をワークピー
ス1の被切削面に僅かに接触させ、この位置を縦送り方
向および横送り方向の原点として設定する(ステップ
S6)。
このように原点位置設定を行った後、切削工具5をワ
ークピース1から僅かに離間させる。そして、操作盤36
においてスイッチ操作を受けることにより、切削油やエ
ア等の冷却手段を吐出しながら、切削工具5を再度ワー
クピース1に当接させてワークピース1の加工を開始す
る(ステップS7)。
この加工は、往復台4を上記送り速度fで縦送りする
と同時に、旋回台17を上記角速度βで旋回させることに
より行う(ステップS8)。これによって、ワークピース
1に対しては、絶えず工具刃先の新しい部分が接触した
状態で加工が行われ、しかも、往復台4が加工開始点か
ら終了点まで移動する間に工具刃先の全域がワークピー
ス1に当接することとなる。また、工具刃先の曲率中心
と同一の点を中心に切削工具5を旋回させている場合に
は切込み量は変化しないが、上記曲率中心を旋回中心よ
りもワークピース1から遠い側にずらせば、その分、ワ
ークピース1の端部から中央部に向かうに従って切込み
量が次第に減ることになる。
このようにして切削加工を終了した後(ステップS9
YES)、縦送り駆動用モータ10および横送り駆動用モー
タ15の駆動により切削工具を加工前の待機位置に復帰さ
せ(ステップS10)、メインモータを停止させた後(ス
テップS11)、ワークピース1を旋盤から取外すことに
より(ステップS12)、全加工工程を終了する。
以上のように、この旋盤による加工では、切削工具5
を旋回させながら施削を行うようにしているので、従来
の旋盤に比べ、次のような効果を得ることができる。
加工中、切削工具5の旋回により常に新しい刃先が供
給されるので、刃先の同一部分によって切削が行われる
時間が短く、摩耗の度合は極めて低い。従って、工具寿
命を大幅に延ばすことができるとともに、切削精度の向
上を図ることができる。
このように工具寿命が延長されることにより、切削速
度vを従来に比べて非常に大きく設定できるので、加工
時間が大幅に短縮され、これによって加工の高速化を図
ることができる。また、全加工工程中に工具を変換する
必要もなくなるので、加工能率はさらに向上し、しかも
交換による継ぎ段差が発生しない。
以上のようにこの旋盤によれば、工具寿命の延長によ
って加工の高速化および高精度化を図ることができるの
で、従来のような研削加工を用いなくても荒加工から仕
上げ加工まで一貫して施削加工で行うことが可能とな
り、これによって設備費を大幅に節減することができ
る。しかも、施削加工の場合、研削加工に比べ、工具
を交換しなくても送り速度fの調節により任意の面粗度
が得られ、工具が小型軽量で取扱いが容易で、かつ自
動交換や寿命終了後の工具再生も可能であり、一度に
大きな切削量をとることができ、多量の研削液や、加
工後の砥石粒粉末の清掃・処理が不必要である等の利点
があるため、研削加工を省略できることは大きな意義を
有する。
さらに、上記のように、加工を終了するまでの間に工
具刃先の全域がワークピース1に接触するようにすれ
ば、工具刃先は均等に摩耗することになるため、切削工
具5の再使用が可能であり、また、再生時の工具研削も
極めて容易なものとなる。
そして、工具刃先の曲率中心を旋回台17の旋回中心よ
りもワークピース1から遠い側に僅かにずらすことによ
り、ワークピース1の中央部を僅かに脹らませるクラウ
ン加工を極めて容易に行うことができる。
なお、本発明は上記実施例に限るものではなく、次の
ような実施態様をとっても同様の効果を得ることができ
る。
上記実施例では、工具刃先を円弧状としているが、そ
の中心角の大小は問わず、例えば工具周囲の全域に亘っ
て円状に刃を設けるようにしてもよい。また、切削精度
が許容範囲内にあれば精密な円弧でなくともよい。
上記実施例では、単一の切削工具5によって切削を行
うようにしているが、特に荒加工の場合には、従来のよ
うな小型の切削工具を周方向に並設したものにしてもよ
い。また、上記実施例と同様の工具5を複数個、工具台
6にターレット式に配置、あるいは周方向に並設して、
回転により工具を交換できるようにすれば、工具交換作
業をよりスムーズに行うことができる。さらに、従来の
工作機械と同様、ATC(自動工具交換装置)を備えるこ
とも可能である。
〔発明の効果〕
以上のように本発明は、工具を回転可能に支持する工
具台と、被加工物を支持し、回転させる被加工物支持回
転手段と、上記被加工物の回転半径方向及び回転軸方向
に上記工具台を相対移動させる送り手段とを備えた旋盤
において、上記工具の刃先を円弧状とし、この工具の刃
先の曲率中心が工具回転中心よりも被加工物から遠い側
に僅かにずれる位置で工具を工具台に取付けるととも
に、この工具台において工具を回転させる工具回転駆動
手段と、上記被加工物をその中央部が脹らむ形状に加工
するように上記被加工物に対して工具台を上記回転軸方
向に移動させながら工具を回転させる制御手段とを備え
たものであり、回転する被加工物に対して上記工具を回
転させながら被加工物の回転軸方向に移動させることに
より、従来に比べて刃先摩耗が少なく、工具寿命の長い
加工を行うことができる。これに伴って、加工の高精度
化、および切削速度の向上による加工の高速化、さらに
は工具交換の省略による加工能率の向上を図ることがで
きる。
さらに、上記のような加工の高精度化に伴い、仕上げ
加工も荒加工と同じく施削加工によって行うことが可能
となるため、研削加工の必要性をなくし、またこれによ
って、設備費の大幅な節減をも図ることができる。
さらに、上記工具をその刃先形状の曲率中心よりも被
加工物に近い側に微小量偏心した点を中心に回転させな
がら上記被加工物に対しその回転半径方向の相対位置は
固定したまま回転軸方向に相対移動させることにより上
記被加工物をその中央部が脹らむ形状に加工するように
しているので、加工中に工具を回転半径方向に移動させ
る必要のない簡単な制御で上記被加工物を容易にクラウ
ン加工できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における旋盤の概略平面図、
第2図は同旋盤の縦断面正面図、第3図は同旋盤の横断
面側面図、第4図は第6図のIV−IV線断面図、第5図は
第6図のV−V線断面図、第6図は同旋盤における往復
台の正面図、第7図は同往復台の平面図、第8図は同旋
盤による加工方法を示すフローチャート、第9図は同旋
盤の心押台付近の平面図である。 1……ワークピース(被加工物)、2……主軸台(被加
工物支持回転手段)、6……工具台、10……縦送り駆動
用モータ(送り手段)、15……横送り駆動用モータ(送
り手段)、30……旋回駆動用モータ(工具回転駆動手
段)、37……制御盤。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】工具を回転可能に支持する工具台と、被加
    工物を支持し、回転させる被加工物支持回転手段と、上
    記被加工物の回転半径方向及び回転軸方向に上記工具台
    を相対移動させる送り手段とを備えた旋盤において、上
    記工具の刃先を円弧状とし、この工具の刃先の曲率中心
    が工具回転中心よりも被加工物から遠い側に僅かにずれ
    る位置で工具を工具台に取付けるとともに、この工具台
    において工具を回転させる工具回転駆動手段と、上記被
    加工物をその中央部が脹らむ形状に加工するように上記
    被加工物に対して工具台を上記回転軸方向に移動させな
    がら工具を回転させる制御手段とを備えたことを特徴と
    する旋盤。
  2. 【請求項2】被加工物を回転させ、円弧状の刃先を有す
    る工具をその刃先形状の曲率中心よりも被加工物に近い
    側に微小量偏心した点を中心に回転させながら上記被加
    工物に対してその回転半径方向の相対位置は固定したま
    ま回転軸方向に相対移動させることにより上記被加工物
    をその中央部が脹らむ形状に加工することを特徴とする
    旋盤による加工方法。
JP63049217A 1988-03-02 1988-03-02 旋盤および旋盤による加工方法 Expired - Fee Related JP2635083B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63049217A JP2635083B2 (ja) 1988-03-02 1988-03-02 旋盤および旋盤による加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63049217A JP2635083B2 (ja) 1988-03-02 1988-03-02 旋盤および旋盤による加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01222801A JPH01222801A (ja) 1989-09-06
JP2635083B2 true JP2635083B2 (ja) 1997-07-30

Family

ID=12824783

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63049217A Expired - Fee Related JP2635083B2 (ja) 1988-03-02 1988-03-02 旋盤および旋盤による加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2635083B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010079441A (ko) * 2001-07-19 2001-08-22 김홍열 금형 자동연마장치 및 그 연마방법
TWI411481B (zh) * 2007-10-30 2013-10-11 Toshiba Machine Co Ltd 精密軋輥車床
EP2465463A1 (de) * 2010-12-20 2012-06-20 Jens Weyrauch Verfahren und Vorrichtung zur extraoralen Zahnersatzherstellung
CN103878390A (zh) * 2014-03-26 2014-06-25 奇瑞汽车股份有限公司 一种内孔键槽的加工方法
JP6382014B2 (ja) 2014-07-30 2018-08-29 Ntn株式会社 トリポード型等速自在継手およびその製造方法
JP7066243B2 (ja) * 2020-03-30 2022-05-13 国立大学法人東海国立大学機構 加工装置および切削方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62136301A (ja) * 1985-12-03 1987-06-19 Mitsubishi Electric Corp 旋削加工装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01222801A (ja) 1989-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8020268B2 (en) Precision roll turning lathe
US4497138A (en) Apparatus for simultaneously grinding inner and outer workpiece surfaces
US4637107A (en) Machining machine
US6244928B1 (en) Machine tool system and machining method
JPS59169720A (ja) 電気加工用マシニングセンタ
JPH1076424A (ja) 平歯車の連続ローラ研削用研削機
US3710466A (en) Machine tools and more particularly to data-controlled machine tools
US6585564B1 (en) Machine tool device and its working fluid feed device
JPH03178735A (ja) 3―相―クランク軸加工
US4707946A (en) Grinding machine
CA1046807A (en) Machine tool with counterposed rotary toolheads carrying cross-feed tool slides
CA2221156A1 (en) Improvements in and relating to machine tools
CN1312746A (zh) 具有冷车削附件的磨床
JP2635083B2 (ja) 旋盤および旋盤による加工方法
US4494280A (en) Method and machine tool for a circular machining of eccentric shaft portions
CN113510320A (zh) 全自动数控螺纹磨床
EP0241468B1 (en) A grinding machine workhead fitted with a dressing tool
US3816996A (en) Grinding machine
JP2964305B2 (ja) 工作機械
EP0406775A2 (en) Grinding machine
JP2001062682A (ja) テーブル切込み式研削盤
CN206105561U (zh) 丝杠加工专用磨床
JP3021066B2 (ja) 対向砥石台を備えたねじ研削盤
JP2000042878A (ja) 円筒研削盤及びそのワーク軸と砥石軸、並びにこの円筒研削盤による平錐の加工方法
JPH09239631A (ja) 工具成形機能付き数値制御工作機械

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees