JP2633390B2 - 髪処理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、手動機器がモータによって回転駆動される
髪巻き円筒体と、この髪巻き円筒体の回転軸線に対して
垂直方向に熱風を髪巻き円筒体に流す熱風ノズルとを備
え、髪巻き円筒体の吸引口に負圧が作用し、この負圧が
送風機によって発生し、この送風機が送風機箱内に配置
され、かつホースを介して手動機器に接続され、送風機
によって髪巻き円筒体の吸引口から吸い込まれた空気
が、送風機箱を流通した後この送風機から出る髪処理装
置に関する。

このような髪処理装置は公知である（ヨーロッパ特許
第0052325号明細書、ドイツ連邦共和国実用新案登録第8
717038.8号明細書）。この場合、送風機モータの冷却
は、ホースを経て送風機箱に流入し、送風機箱の適当な
出口を経て送風機箱から送風機箱の周囲に流出する空気
流によって行われる。すなわち、公知の髪処理装置の場
合には、回転する髪巻き円筒体の表面で髪または髪の束
を受け取るために必要な負圧は、集塵機の場合と同様に
生じる。髪巻き円筒体の表面に受け取られたあるいは巻
かれた髪を乾燥するために、手動機器内に設けられた他
の送風機により、周囲から、手動機器のケーシング内に
設けられた吸込みスリットを経て、空気が吸い込まれ、
対応する空気加熱装置を経て熱風ノズルに案内される。
この公知装置の欠点は、効果的な乾燥のために必要な、
負圧空気回路と乾燥空気回路の分離が、公知髪処理装置
の構造的なコストを増大させることにある。熱風ノズル
に空気を供給するために、手動機器内に送風機を設ける
必要がある。この送風機はその付加的な重量のために、
手動機器の取扱操作を困難にする。髪を整える人は高い
回転数で回転する送風機のモータによって、常に騒音を
感じる。この騒音は快適性に重大な悪影響を受ける。

ドイツ連邦共和国特許第3738968号明細書のよって、
次のような髪処理装置が知られている。回転可能な中空
体の吸引口と、中空体に垂直に流れる、空気吹き出しス
リットを備えた吹き出しノズルとの間の閉鎖空気回路が
設けられている髪処理装置が知られている。中空体の吸
引口から吸い込まれる空気は、可撓性のホース管路を経
て、中央機器の吸込み側に案内される。半径方向通風機
は中央機器の吸込み側のホース管路を経て供給される空
気を、中央機器の圧力側に供給する。中央機器はそれぞ
れ１個の空気ヒータを内蔵する出口管を備えている。空
気ヒータで加熱された空気は他のホース管路を経て、吹
き出しノズルの空気吹き出しスリットに供給される。こ
の公知の髪処理装置は一つの閉鎖空気回路を備えてい
る。中空体に載る髪から放出される水分は、吸引口と可
撓性のホース管路を経て中央機器に達し、そこで空気ヒ
ータによって加熱される。このようにして発生した湿っ
ぽくて温かい空気は、吹き出しノズルを経て、乾燥すべ
き髪に新たに吹きつけられる。このような閉鎖空気回路
に水分がすぐに飽和するので、効果的な乾燥がもはや達
成されない。

本発明の根底をなす課題は、この髪処理装置の取扱性
と操作快適性を改善すること、しかも特に、手動機器を
軽くし、取扱操作を容易にし、そして手動機器に設けら
れた熱風ノズル用モータによる騒音の発生を無くすこと
によって、改善することである。更に、本発明による髪
処理装置の場合には、乾燥に使用される空気が水分を飽
和しないようにすべきである。

この課題は本発明に従い、送風機箱の送風機によって
送風機箱の周囲から吸い込まれた、送風機箱内の送風機
モータの冷却のために使用される空気流が、温風管路を
経て、手動機器内に設けられた熱風ノズルに供給される
ことによって解決される。

このような髪処理装置は次の利点を有する。

（ａ）手動機器におけるフェーン（商標、熱風ノズルの
空気供給器）のためのモータが省略される。手動機器は
軽くなる。

（ｂ）技術水準において手動機器に設けられたフェーン
用モータによる騒音が発生しなくなる。この騒音は非常
に深刻であった。なぜなら、重量を軽くするために、モ
ータを高回転数で使用しなければならず、非常に耳ざわ
りの騒々しい騒音を生じるからである。

（ｃ）この構造のフェーン（軽量化のために回転数が高
い）は、摩耗や塵埃付着物のよって非常に故障しやすい
ので、専門家の仕事にも適していない。フェーンが故障
しても交換できないので、装置全体の信頼性がない。

（ｄ）必要なエネルギーが非常に少なくて済む。なぜな
ら、送風機箱内の送風機モータのための冷却空気が他に
利用される、すなわち手動機器の熱風ノズルに供給され
るからである。

（ｅ）髪巻き円筒体のためのモータを、ホースの接続部
と反対の手動機器の側に配置したことにより、重量のバ
ランスが改善され、それによって取扱操作が一層良好と
なる。

（ｆ）手動機器は短く形成することができる。これは重
量を一層軽くし、例えば首筋範囲の調髪のときに非常に
使い易い。取っ手は人間工学的に形成可能である。なぜ
なら、この範囲に中空軸、ひいては管状の丸い形状部を
形成する必要がないからである。

（ｇ）公知の装置に対して約30％の電気の節約が達成さ
れた。手動機器は約200g軽量化された。次に、添付の図
を参照して、本発明の実施例とその有利な他の構成につ
いて説明する。

第１図は髪処理装置の概略図、 第２図は手動機器を示す図、 第３図は送風機箱２を示す図である。

第１図は、手動機器１と送風機箱２とによって形成さ
れた調髪および髪処理装置を示す。理髪師または調髪師
は、人Ｐの個々の髪の束を巻き、形づくり、水分を取り
除き、そして乾燥させるために、手動機器を操作する。

図２から判るように、手動機器１は取っ手10を備えて
いる。この取っ手の中を通って空気案内通路12が延びて
いる。取っ手10の右端部には、中空軸11が回転可能に軸
承されている。中空軸11には歯車13が取付けられてい
る。この歯車はモータ14によって駆動される。モータ14
は歯車装置15にフランジ止めされ、軸16を駆動する。こ
の軸は歯付ベルト17によって歯車13ひいては中空軸11を
駆動する。モータ14と歯車装置15によって形成されたユ
ニットは取っ手10に連結されたケーシング20内に設けら
れている。中空軸11の右端部から髪巻き円筒体21が延び
ている。この髪巻き円筒体は前方が閉鎖されているが、
開口22を備え、そして中空軸11と共に回転する。

熱風ノズル26の出口25が、開口22を備えた髪巻き円筒
体21の長手方向範囲を覆うようにかつこの長手方向範囲
に沿って配置されている。出口25から出る熱風は、髪巻
き円筒体21の軸線Ａに対して垂直に流出する。熱風ノズ
ル26は軸線Ｂの回りに傾動可能に空気通路27に枢着され
ている。この空気通路はケーシング20に設けられてい
る。

発熱線29は熱風管路28内に設けられている。この熱風
管路は取っ手10のケーシング20内へ案内され、加熱され
た空気がそこから空気通路27に達し、そして熱風ノズル
26に達する。

このように、長手方向において熱風ノズル26の出口25
からずっと離して発熱線29を配置したことにより、熱風
の良好な混合が可能となる。更に、熱風ノズルを二つの
部分から構成することができ、それによって清掃のため
に熱風ノズルを容易に分解することができる。二つに分
割することは図には示していない。しかしながら、図の
平面に対して平行に延びる熱風ノズル26の中心平面に沿
ってこの二分割を行うと有利である。従って発熱線29を
上記のように配置することにより、分解が可能となる。
というのは、熱風ノズルの分解時にも、発熱線29に接触
する危険がないからである。

取っ手10内の空気内通路12はホース30に接続されてい
る。熱風管路28が他のホース31に接続されている。この
ホース31は小さな横断面を有し、かつホース30の中を延
びている。

ホース30に接続された送風機箱２内の室36において、
送風機35により、負圧が発生する。この負圧はホース3
0、取っ手10内の空気案内通路12および中空軸11内の内
室を経て、髪巻き円筒体21の内部に伝わるので、この負
圧は開口22で作用する。同時に、少し温められた空気が
ホース31と熱風管路28を経て空気通路27に供給され、熱
風管路28で発熱線29によって加熱される。そして熱風が
熱風ノズルから流出する。

装置の機能は次の通りである。髪巻き円筒体21の開口
22に作用する負圧によって人Ｐの髪の束Ｈを受け取り、
かつ巻き付ける。巻いた状態で、髪巻き円筒体21は回転
し続け一方、髪は髪巻き円筒体上を滑る。同時に、熱風
ノズル26から熱風が髪に流れる。その際、髪巻き円筒体
21の内部と開口22を経て空気が吸い込まれる。このよう
にして髪が非常に迅速に巻かれ、水分を除去され、乾燥
され、そして形づくられる。

ホース31と熱風管路28を経て空気通路27に達する温風
を少し加熱すること、すなわち予熱することは、空気流
40によって行われる。この空気流はスリット41から送風
機箱２に流入し、そして送風機モータ50を冷却するため
に搬送ホイール42によって、送風機モータの下面に設け
られた冷却空気入口スリット51に押し込まれる。空気流
は更に、運転中暖まる送風機モータ50の部分の周りを流
れ、そしてその冷却空気出口スリット52を経て室53に流
れる。この室53は熱風管路28に接続されている。本発明
の特別な思想は、送風機箱２内の送風機モータ50の冷却
時に加熱されるまたは加熱された空気を、発熱線29と熱
風ノズル26によって形成されたフェーン（熱風ノズルの
空気供給器）のために使用することにある。それによっ
て、このフェーンは送風機をもはや必要とせず、更に発
熱線の寸法を小さくすることができる。なぜなら、空気
が送風機モータ50の冷却によって既にある程度予熱され
ているからである。

室36ひいてはホース36内に負圧を発生させるための送
風機35は同様に、搬送ホイールによって形成される。吸
い込まれた空気流はスリット64を経て送風機箱２から出
る。その前に空気流が垂直な空気案内板63の周りを流れ
るので、湿分を結露させることができる。結露は送風機
箱２の下側範囲内に挿入可能な凝縮水捕集容器62内に滴
下する。

第２図から判るように、構成部品、すなわちモータ1
4、歯車装置15、中空軸11は取っ手10の一端にあり一
方、ホース30は他端に固定されている。それにより、取
っ手10だけについて言えば、第２図の右側の方がある程
度重く、この重量が他の側のホース30の重量とに均衡し
ている。

既述のように、ホース31は、髪の束Ｈと開口22を通過
した空気を吸い込むホース30の中を案内されている。そ
の前に、吸い込まれた空気に熱風ノズル26から熱エネル
ギーが放射されているので、この空気はホース30内にあ
るときおよび送風機箱２に吸い込まれるときにも、ある
程度の温度を有する。この温度はホース31の中を手動機
器１へ案内される空気の温度よりも高い。ホース30内で
は熱交換が生じる。しかも、ホース30の中を送風機箱２
へ流れる高温の空気が、ホース31の中を反対方向へ流れ
る予熱された空気に、向流原理で熱を与える。

熱風ノズル26から放出される空気の、送風機モータ50
による予熱が、熱風ノズルの第１の加熱段に相当し一
方、発熱線29のスイッチ投入時に第２の加熱段が投入さ
れるようにしてもよい。この場合にも、機器の構造的な
節約が達成される。

発熱線29のスイッチが切られ、管路54内の弁60がサー
ボモータ61によって操作されて90°だけ反時計回りに回
転するときに、髪巻き円筒体の常温運転が生じる。その
とき、モータ冷却空気は送風機箱から大気に吹き出され
る。手動機器における髪の巻き取りと形づくりは、フェ
ーンなしに行われる。サーボモータ61のスイッチ投入
は、発熱線29のスイッチ切りと共に、多機能ボタン65の
対応する位置で行われる。この多機能ボタンは他の運転
条件を調節するためにも役立つ。その際、電気的な導線
が多機能ボタン65からサーボモータ61までホース31の中
を延びている。このホースの中を、ホース30内の空気よ
りも低温の乾燥した空気が案内される。

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】負圧が作用する吸引口（22）を有しモータ
   （14）によって回転駆動される髪巻き円筒体（21）と、
   該髪巻き円筒体の回転軸線（Ａ）に対して垂直方向に熱
   風を吹き出すための熱風ノズル（26）と、を含む手動機
   器（１）と、 前記負圧を発生する送風機モータ（50）を有する送風機
   （35）を含み、該送風機によって前記吸引口（22）から
   吸い込まれた空気を流通させた後に排出する送風機箱
   （２）と、 前記手動機器（１）と前記送風機（35）とを接続する負
   圧のホース（30）と、 前記送風機（35）を駆動する送風機モータ（35）を空冷
   するように前記送風機箱（２）の周囲から空気を吸い込
   む吸込手段（41,42）と、 前記送風機モータ（50）を空冷することにより温められ
   た空気（40）を熱風ノズル（26）へ供給する温風管路
   （31）と、 を備えた髪処理装置。
2. 【請求項２】前記温風管路（31）は、前記負圧のホース
   （30）の中に配置されていることを特徴とする請求の範
   囲第１項記載の髪処理装置。
3. 【請求項３】前記モータ（14）は、前記負圧のホース
   （30）が前記手動機器（１）の取っ手（10）に接続され
   た側とは反対の側に配置されることを特徴とする請求の
   範囲第１項又は第２項記載の髪処理装置。
4. 【請求項４】前記温風管路（54,31,28）は、前記空気流
   （40）を大気に排出するための弁（60）を含むことを特
   徴とする請求の範囲第１項乃至第３項いずれか１項記載
   の髪処理装置。