JP2632339B2 - ジャガイモやせいも病ウイロイドグループの検出方法 - Google Patents

ジャガイモやせいも病ウイロイドグループの検出方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は特定の塩基配列を有する合成ヌクレオチドプ
ローブを用いた、ジャガイモやせいも病ウイロイド(以
下PSTVという)グループに属するウイロイドの検出法に
関する。
〔従来の技術〕
ウイロイドは、一本鎖環状RNA分子であり、植物に感
染すると萎縮、成長阻害、奇形等さまざまな病徴を引き
起こす病原体である。PSTVもそのひとつでこれに感染す
ると、塊茎が紡錘状になったりひび割れが生じたり、収
量が低下し、その外観による損害もはなはだ甚大であ
る。
又、そのRNAの塩基配列相同性から、PSTV(注:グル
ープではなくPSTVそのもの)、カンキツ・エクソコーテ
ィスウイロイド(以下CEVという)、キクわい化ウイロ
イド(以下CSVという)、トマト・プランタマチョウイ
ロイド(以下TPMVという)トマト頂部わい化ウイロイド
(以下TASVという)が同一グループに分類されており、
これらをPSTVグループと称している。
一方、近年急成長をとげている茎頂培養等による無菌
苗の生産に於いては、このようなウイロイドを除いたウ
イロイドフリーの植物体を得ることが必須とされてい
る。特に実際にはウイルスフリー体とされていたものに
さえ、ウイロイドが検出されたという報告があるので注
意しなければならない(学術月報、Vol.40(1987)P29
〜P33)。
なお、現在PSTVによる害は日本においてまだ確認され
ていないが、輸入たねイモからの感染を未然に防ぐ手段
を講じておかなくてはならない。
ところが、ウイロイドの場合、自己成分としてRNAだ
けからできており、蛋白質を持たないため、通常の免疫
学的検出方法が適用できず、従来、その検出には、適当
な植物を検体としてそれに被検体の汁液等を塗り付け、
検体の生育により、被検体の感染の有無を検出する生物
検定法や、被検体のRNAを抽出し、電気泳動法等による
分析で検出する方法、さらにはウイロイドの全RNAに相
補的なDNA(cDNA)をプローブとして用いる遺伝子診断
等が行われてきた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、現在までの生物検定法の場合、多大な
手間と時間を要し、感度も十分とはいえず、又、cDNAを
プローブとして用いる検出方法も、このcDNAそのものに
感染性があることが判明し、この方法にも安全性の点か
ら問題があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは以上のような問題点を解決し、より簡便
で且つ実用的な検出法を提供すべく検討を重ねた結果、
特定の合成オリゴヌクレオチドプローブを用いる検出法
をここに確立した。
すなわち本発明は、ジャガイモやせいも病ウイロイド
グループに属するウイロイドに対し、そのRNAにおける
共通配列と相補性を有する塩基配列が5′GTTTCCCCGGGG
ATCCCT3′である合成オリゴヌクレオチドプローブを用
いることを特徴とするジャガイモやせいも病ウイロイド
類の検出方法を提供するものである。
以下本発明を詳細に説明する。
核酸は、4種の塩基(A−アデニン、G−グアニン、
C−シトシン、T−チミン(RNAのときはU−ウラシ
ル))と糖の複合体がリン酸を介して直鎖状にならぶ一
次構造を持つ。A−T(又はU)、G−Cの間に特異的
な水素結合の組合わせが形成され、この相補性をもとに
一本鎖核酸は二本鎖を形成し(ハイブリッド)安定化す
る。この親和力は二本鎖間の相補性の高さに依存し、そ
れは温度条件によりコントロールできる。本発明は以上
の点を利用し、特定の合成オリゴヌクレオチドプローブ
を用いて適切な温度条件を設定することにより、目的と
するウイロイドを容易に検出することができた。
PSTV、CEV、CSV、TPMV、TASVについては、そのRNAの
全塩基配列がすでに決定されており以下に示す配列であ
ることがわかっている。(図1) ここで用いる合成オリゴヌクレオチドプローブの配列
は、PSTV類に共通する塩基配列部分に相補的なもので、
15〜25塩基のものを選択した。
たとえば、PSTVグループウイロイドRNAの中央保存配
列部分(PSTVの85〜104番目)の塩基配列の一部に相補
的な18mer(5′GTTTCCCCGGGGATCCCT3′)をプローブと
して用いた場合、そのハイブリッド融解温度(Tm)が60
℃であることからハイブリダイゼーションの温度条件を
55℃として反応させると、このプローブはPSTVグループ
のウイロイドとのみ反応し、他のグループのウイロイド
(たとえばホップわい化ウイロイド(HSV))とは反応
しない。つまり、PSTVグループのウイロイドを特異的に
検出することができる。なお、ここに示した温度条件は
用いるプローブにより変更することが望ましい。
本発明で用いられる合成オルゴヌクレオチドは、いわ
ゆるホスホトリエステル法等の既知合成方法により合成
することができ、ハイブリダイゼーション後の検出は、
放射性同位元素(32P)標識、酵素標識、蛍光標識等い
ずれの標識法を用いてもよく、その標識位置は特に限定
されない。
また検出を行うにあたっての試料の調製に関しては、
植物からそのRNAを抽出する通常の方法、例えば、日本
植物病理学会報Vol.50(1984)P331〜338の方法により
行えばよい。
〔実施例〕
以下実施例で本発明を具体的に説明する。
実施例1 PSTV、CEV、CSVにそれぞれ感染したトマトから、各ウ
イロイドを含む低分子RNA分画を抽出し、4XSSC−7.5%
ホルムアミド中で60℃、15分間加熱変性処理を行い、ニ
トロセルロース紙にスポットした。スポット量は2μ
とし、原液は10μgの低分子RNAを含むように調整し
た。6XSSC−0.1%SDS−5X Denhardt's試薬中で50℃、1
時間、プレハイブリダイゼーションを行った後、6XSSC
−0.1%SDS−5X Denhardt's試薬中でハイブリダイゼー
ションを行った。プローブは、PSTVの85〜102番目の配
列に相補的な18mer(5′GTTTCCCCGGGGATCCCT3′)の
5′末端を32Pで標識したものを用いた。比活性は約108
dpm/μgDNAであった。プローブのTmが60℃であることを
考慮してハイブリダイゼーションの温度条件を55℃とし
た結果、プローブはPSTV、CEV、CSVすべてと反応し、
又、他のグループのウイロイドや健全葉からの抽出試料
とは全く反応しなかった。
実施例2 PSTV、CEV、CSVにそれぞれ感染したトマトから、各ウ
イロイドを含む低分子RNA分画を抽出し、4XSSC−7.5%
ホルムアミド中で60℃、15分間加熱変性処理を行い、ニ
トロセルロース紙にスポットした。スポット量は2μ
とし、原液は10μgの低分子RNAを含むように調整し
た。
6XSSC−0.1%SDS−5XDenhardt's試薬中で50℃、1時
間、プレハイブリダイゼーションを行った後、6XSSC−
0.1%SDS−5XDenhardt's試薬中でハイブリダイゼーショ
ンを行った。プローブは、PSTVの85〜102番目の配列に
相補的な18mer(5′GTT*TCCCCGGGGATCCCT3′)で*
で示した部分のリン酸結合がビオチンで標識されている
ものを用いた。このプローブは下記のように調製した。
すなわち、保護基を持つアミノエチルホスホン酸タイプ
のT*Tダイマー(式1) を用いホスホトリエステル法によりオリゴマーを合成後
脱後保護、精製する。
そののちBHSE(ビオチン−ヒドロキシスクシンイミド
エステル(式2)) でホスホン酸部分のアミノ基にビオインを結合させる。
(式3) ハイブリダイゼーションの温度条件は55℃とし、反応
後の検出には、ビオチンと特異的に結合するアビシンの
アルカリフォスファターゼ結合体を作用させた後、アル
カリフォスファターゼの基質となるBCIP(5−bromo−
4−chloro−3−indolylphosphate)及びNBT(nitro−
blue tetrazolium)を作用させることで得られる発色を
用いた。この場合、プローブとPSTV、CEV、CSVとの間の
反応は発色により確認されたが多種ウイロイドや健全葉
からの抽出試料との間では反応しなかった。
実施例3 PSTV、CEV、CSVにそれぞれ感染したトマトから、各ウ
イロイドを含む低分子RNA分画を抽出し、4XSSC−7.5%
ホルムアミド中で60℃、15分間加熱変性処理を行い、ニ
トロセルロース紙にスポットした。スポット量は2μ
とし、原液は10μgの低分子RNAを含むように調整し
た。
6XSSC−0.1%SDS−5X Denhardt's試薬中で50℃、1時
間、プレハイブリダイゼーションを行った後、6XSSC−
0.1%SDS−5X Denhardt's試薬中でハイブリダイゼーシ
ョンを行った。プローブは、PSTVの85〜102番目の配列
に相補的な18mer(5′GTT*TCCCCGGGGATCCCT3′)で
*で示した部分のリン酸結合がビオチンで標識されてい
るものを用いた。このプローブは下記のように調製し
た。すなわち、保護基を持つアミノエチルホスホン酸タ
イプのT*Tダイマー(式1) を用いホスホトリエステル法によりオリゴマーを合成後
脱保護、精製する。そののちアームを持ったビオチン化
試薬(式4)) によりホスホン酸部分のアミノ基をビオイン化する。
(式5) ハイブリダイゼーションの温度条件は55℃とし、反応
後の検出には、ビオチンと特異的に結合するアビジンの
アルカルフォスファターゼ結合体を作用させた後、アル
カリフォスファターゼの基質となるBCIP(5−bromo−
4−chloro−3−indolylphosphate)及びNBT(nitro−
blue tetrazolium)を作用させることで得られる発色を
用いた。この場合、プローブとPSTV、CEV、CSVとの間の
反応は発色により確認されたが他種ウイロイドや健全葉
からの抽出試料とは反応しなかった。又、ここに示した
プローブを用いた場合の検出感度は、実施例2の場合に
比べ約5倍以上の感度を示した。
〔発明の効果〕
以上説明してきた通り、本発明の合成オリゴヌクレオ
チドプローブを用いてハイブリダイゼーションを行うこ
とにより、極めて容易にPSTVグループのウイロイドを検
出することが可能となった。したがって、本発明はPSTV
グループの感染による植物の病気の早期診断及びウイロ
イド伝搬の防止、無菌苗生産に大きな効果を発揮するも
のであるといえる。
【図面の簡単な説明】
図1はPSTV,TPMV,TASV,CEV,及びCSVのRNA全塩基配列を
示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 志波 孝光 東京都板橋区高島平1‐19‐13 東荘 105号 (56)参考文献 化学と生物,Vol.25,No.3 (1987)P.154−163 昭和62年度日本植物病理学会大会講演 要旨予稿集(1987.Feb.10)P. 245

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウイロイドのRNAと相補性を有する合成オ
    リゴヌクレオチドプローブを用いるハイブリダイゼーシ
    ョンによるウイロイドの検出方法において、ジャガイモ
    やせいも病ウイロイドグループに属するウイロイドに対
    し、そのRNAにおける共通配列と相補性を有する塩基配
    列が5′GTTTCCCCGGGGATCCCT3′である合成オリゴヌク
    レオチドプローブを用いることを特徴とするジヤガイモ
    やせいも病ウイロイドグループの検出方法。
  2. 【請求項2】ジャガイモやせいも病ウイロイドグループ
    に属するウイロイドが、ジャガイモやせいも病ウイロイ
    ド、カンキツ・エキソコーティスウイロイド、キクわい
    化ウイロイド、トマト・プランタマチョウイロイドおよ
    びトマト頂部わい化ウイロイドである請求項1に記載の
    検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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化学と生物,Vol.25,No.3(1987)P.154−163
昭和62年度日本植物病理学会大会講演要旨予稿集(1987.Feb.10)P.245

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