JP2631460B2 - 銅合金クラツド材の製造方法 - Google Patents
銅合金クラツド材の製造方法Info
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- JP2631460B2 JP2631460B2 JP61140809A JP14080986A JP2631460B2 JP 2631460 B2 JP2631460 B2 JP 2631460B2 JP 61140809 A JP61140809 A JP 61140809A JP 14080986 A JP14080986 A JP 14080986A JP 2631460 B2 JP2631460 B2 JP 2631460B2
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- bronze
- iron
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、鉄基材料と高力黄銅材又はアルミニウム青
銅材よりなる接合材との間に、燐青銅材または燐を含む
青銅材を介在させて加圧して銅合金クラッド材を得る方
法に関する。
銅材よりなる接合材との間に、燐青銅材または燐を含む
青銅材を介在させて加圧して銅合金クラッド材を得る方
法に関する。
〔従来技術〕 クラッド材は、異種金属材を重ね合せることにより、
一種の金属材料のみでは得られない性質の材料を形成す
るもので、現在その用途は極めて多岐にわたっている。
一種の金属材料のみでは得られない性質の材料を形成す
るもので、現在その用途は極めて多岐にわたっている。
そして、このクラッド材の製造方法としては、従来、
圧延法、鍛造法、圧接法、抵抗溶接法等の重合法をはじ
めとして紛末焼結法、表面付着法等が汎用されている。
圧延法、鍛造法、圧接法、抵抗溶接法等の重合法をはじ
めとして紛末焼結法、表面付着法等が汎用されている。
従来、銅合金に銅−銅系合金、銅−亜鉛系合金、銅−
アルミニウム系合金があり、耐摩耗性、耐食性が優れて
いることから、油圧機器、電動機、自動車、船舶、建設
機械等の回転部、摺動部の構造物としてその使用範囲は
多岐にわたっている。
アルミニウム系合金があり、耐摩耗性、耐食性が優れて
いることから、油圧機器、電動機、自動車、船舶、建設
機械等の回転部、摺動部の構造物としてその使用範囲は
多岐にわたっている。
このような銅合金は、鉄材とクラッドすることにより
上記特徴に更に経済性(安価性)等が加わることが期待
される。
上記特徴に更に経済性(安価性)等が加わることが期待
される。
〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし乍ら、銅合金で銅−錫系合金は比較的に鉄材と
接合し易いが、銅−亜鉛系合金にアルミニウムや珪素を
添加した高力黄銅材やアルミニウム青銅材等は製造工程
での加熱により脱亜鉛現象やアルミニウム、珪素の強固
な酸化膜を形成するため、接合が困難であったが、従来
は周知のろう付けや粉末焼結法により鉄基材料との重層
接合が行われていた。しかしながら、ろう付け法では高
価なろう材の使用、フラックスの接合面での残存、粉末
焼結法では粉末製造に関する問題等で安価に実用に供し
得なかった。
接合し易いが、銅−亜鉛系合金にアルミニウムや珪素を
添加した高力黄銅材やアルミニウム青銅材等は製造工程
での加熱により脱亜鉛現象やアルミニウム、珪素の強固
な酸化膜を形成するため、接合が困難であったが、従来
は周知のろう付けや粉末焼結法により鉄基材料との重層
接合が行われていた。しかしながら、ろう付け法では高
価なろう材の使用、フラックスの接合面での残存、粉末
焼結法では粉末製造に関する問題等で安価に実用に供し
得なかった。
本発明は、鉄基材料と銅合金との固相拡散による接合
により、亜鉛、アルミニウム、珪素を添加した優れた銅
合金の性質を損わずに完全に冶金的に接着することがで
きる銅合金クラッド材の製造方法を提供することを目的
とする。
により、亜鉛、アルミニウム、珪素を添加した優れた銅
合金の性質を損わずに完全に冶金的に接着することがで
きる銅合金クラッド材の製造方法を提供することを目的
とする。
上記目的を達成するための本発明の構成は、鉄基材料
と高力黄銅材又はアルミニウム青銅材よりなる接合材と
の間に、燐青銅材または燐を含む青銅材よりなる箔又は
板を介在させて積層物とし、これを非酸化性雰囲気炉中
で拡散接合可能な温度に加熱した後、直ちに加圧するこ
とによって、前記各接触面を冶金的に接合することをそ
の要旨とするものである。
と高力黄銅材又はアルミニウム青銅材よりなる接合材と
の間に、燐青銅材または燐を含む青銅材よりなる箔又は
板を介在させて積層物とし、これを非酸化性雰囲気炉中
で拡散接合可能な温度に加熱した後、直ちに加圧するこ
とによって、前記各接触面を冶金的に接合することをそ
の要旨とするものである。
本発明において、燐青銅材または燐を含む青銅材を介
在させる理由は、これらの材料が低融点なため、比較的
低温で鉄基材料と高力黄銅材又はアルミニウム青銅材よ
りなる接合材との接合が可能になり、亜鉛の蒸発や、ア
ルミニウム,珪素及び亜鉛の酸化が進む前に接合させる
と共に、鉄基材料と結合しやすい燐が存在しているため
である。
在させる理由は、これらの材料が低融点なため、比較的
低温で鉄基材料と高力黄銅材又はアルミニウム青銅材よ
りなる接合材との接合が可能になり、亜鉛の蒸発や、ア
ルミニウム,珪素及び亜鉛の酸化が進む前に接合させる
と共に、鉄基材料と結合しやすい燐が存在しているため
である。
このような燐青銅材または燐を含む青銅材としては、
例えば燐0.05〜1.5重量%、錫3〜15重量%、残部が銅
からなるもの、又はこれらの成分に鉛や亜鉛等のその他
の成分を含有する青銅材を挙げることができ、これらの
うちでも特に、JIS H3110,C5191,C5212の燐青銅板が好
ましく使用できる。
例えば燐0.05〜1.5重量%、錫3〜15重量%、残部が銅
からなるもの、又はこれらの成分に鉛や亜鉛等のその他
の成分を含有する青銅材を挙げることができ、これらの
うちでも特に、JIS H3110,C5191,C5212の燐青銅板が好
ましく使用できる。
次に本発明の実施に当っては、対象とする高力黄銅材
又はアルミニウム青銅材、燐青銅材(または燐を含む青
銅材)及び鉄基材料の三者の重ね合せ面を脱脂、洗浄し
て不純物を取り除き洗浄し、三者を密に重ね合せて積層
物とする。
又はアルミニウム青銅材、燐青銅材(または燐を含む青
銅材)及び鉄基材料の三者の重ね合せ面を脱脂、洗浄し
て不純物を取り除き洗浄し、三者を密に重ね合せて積層
物とする。
次いで、この積層物を非酸化性雰囲気中で加熱する。
加熱炉として不活性ザス雰囲気炉あるいは高真空炉を使
用し、積層物の各接触面の酸化を防止する。
加熱炉として不活性ザス雰囲気炉あるいは高真空炉を使
用し、積層物の各接触面の酸化を防止する。
加熱温度が通常700〜1000℃で行われる本製造方法
は、拡散接合であるため、拡散が行われる温度以上でな
ければならず、また銅合金の融点を考えた場合、700〜1
000℃が適当である。
は、拡散接合であるため、拡散が行われる温度以上でな
ければならず、また銅合金の融点を考えた場合、700〜1
000℃が適当である。
かくして、所定の温度に加熱し、その温度を保持した
状態で所望の圧力になるまで加圧し、クラッド材を得る
ことができる。
状態で所望の圧力になるまで加圧し、クラッド材を得る
ことができる。
以上説明したように、本発明のクラッド材の製造方法
は、従来、困難視されていた亜鉛,アルミニウム,珪素
を含む強靭で優れた耐摩耗性、耐食性を有する高力黄銅
材又はアルミニウム青銅材と鉄基材料とを、その優れた
性質を損なわずに完全に冶金的に接着することを可能に
した。そしてこのクラッド材は各種の機械部品の材料と
して実用に供すことができ、従来法によるこの種のクラ
ッド材と比較して簡単に接合できコストも安価となるも
のである。
は、従来、困難視されていた亜鉛,アルミニウム,珪素
を含む強靭で優れた耐摩耗性、耐食性を有する高力黄銅
材又はアルミニウム青銅材と鉄基材料とを、その優れた
性質を損なわずに完全に冶金的に接着することを可能に
した。そしてこのクラッド材は各種の機械部品の材料と
して実用に供すことができ、従来法によるこの種のクラ
ッド材と比較して簡単に接合できコストも安価となるも
のである。
以下、本発明方法を実施例に基づき更に詳細に説明す
る。
る。
実施例1 外径34mm,長さ30mmのクロムモリブデン鋼材(SCM44
0)4と外径32mm,厚さ3mmの特殊高力黄銅材(Cu残,Zn30
%,Al4%,Ni3%,Si1%,Fe0.8%,Co0.6%)2との間に外
径32mm,厚さ0.2mmの燐青銅箔(PBP3)3を介在させ積層
し、それぞれの接合面は予め脱脂、洗浄して清浄した。
0)4と外径32mm,厚さ3mmの特殊高力黄銅材(Cu残,Zn30
%,Al4%,Ni3%,Si1%,Fe0.8%,Co0.6%)2との間に外
径32mm,厚さ0.2mmの燐青銅箔(PBP3)3を介在させ積層
し、それぞれの接合面は予め脱脂、洗浄して清浄した。
次にこの積層物を窒素ガス雰囲気炉4にて850〜920℃
に加熱後、直ちに加圧治具5にて加圧し、本発明の銅合
金クラッド材を得た。
に加熱後、直ちに加圧治具5にて加圧し、本発明の銅合
金クラッド材を得た。
このクラッド材の接合強さ(剪断強さ)は18.5kg/mm2
であった。このクラッド材の接合部断面の顕微鏡写真
(倍率,×150)を第3図に示す。第3図の顕微鏡写真
によれば鉄基材料1と燐青銅材3は冶金的に接合してい
ることがわかる。さらにX線マイクロアナライザーによ
る接合界面には10μmm以下のFe,Cr,P,Si,Alの合金層が
認められる(第4図)。
であった。このクラッド材の接合部断面の顕微鏡写真
(倍率,×150)を第3図に示す。第3図の顕微鏡写真
によれば鉄基材料1と燐青銅材3は冶金的に接合してい
ることがわかる。さらにX線マイクロアナライザーによ
る接合界面には10μmm以下のFe,Cr,P,Si,Alの合金層が
認められる(第4図)。
実施例2 実施例−1において、特殊高力黄銅材の接合材をアル
ミニウム青銅材(JIS H5114 ALBC 2C)に替え、PBP−3
板材を介在して積層し、窒素ガス雰囲気の加熱炉にて上
記積層品を880〜1000℃に加熱後、直ちに加圧して本発
明のクラッド材を得た。
ミニウム青銅材(JIS H5114 ALBC 2C)に替え、PBP−3
板材を介在して積層し、窒素ガス雰囲気の加熱炉にて上
記積層品を880〜1000℃に加熱後、直ちに加圧して本発
明のクラッド材を得た。
このクラッド材の接着強さは19kg/mm2であった。
第1図は本発明の実施例1の雰囲気炉での加熱状態を示
し、第2図は第1図の加熱後に積層物を取り出し加圧し
ている図である。第3図は実施例1によって得られたク
ラッド材の接合部断面の顕微鏡写真(×150)を示す。
第4図はX線マイクロアナライザーによる分析結果を示
した写真である。 1……鉄基材料、2……特殊高力黄銅材 3……燐青銅材、4……不活性ガス雰囲気炉 5……加圧治具
し、第2図は第1図の加熱後に積層物を取り出し加圧し
ている図である。第3図は実施例1によって得られたク
ラッド材の接合部断面の顕微鏡写真(×150)を示す。
第4図はX線マイクロアナライザーによる分析結果を示
した写真である。 1……鉄基材料、2……特殊高力黄銅材 3……燐青銅材、4……不活性ガス雰囲気炉 5……加圧治具
フロントページの続き (72)発明者 小中 修 富山県中新川郡立山町西芦原新1番地の 1 中越合金鋳工株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−26686(JP,A) 特公 昭36−13058(JP,B1) 特公 昭48−740(JP,B1) 特公 昭56−12288(JP,B2)
Claims (1)
- 【請求項1】鉄基材料と高力黄銅材又はアルミニウム青
銅材よりなる接合材との間に、燐青銅材または燐を含む
青銅材よりなる箔又は板を介在させて積層物とし、これ
を非酸化性雰囲気炉中で拡散接合可能な温度に加熱した
後、直ちに加圧することによって、前記各接触面を冶金
的に接合することを特徴とする銅合金クラッド材の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61140809A JP2631460B2 (ja) | 1986-06-17 | 1986-06-17 | 銅合金クラツド材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61140809A JP2631460B2 (ja) | 1986-06-17 | 1986-06-17 | 銅合金クラツド材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62296979A JPS62296979A (ja) | 1987-12-24 |
JP2631460B2 true JP2631460B2 (ja) | 1997-07-16 |
Family
ID=15277242
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61140809A Expired - Lifetime JP2631460B2 (ja) | 1986-06-17 | 1986-06-17 | 銅合金クラツド材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2631460B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4100583B2 (ja) * | 1997-08-25 | 2008-06-11 | 中越合金鋳工株式会社 | 鉄系材料と高力黄銅合金を接合する方法 |
KR102064200B1 (ko) * | 2019-05-09 | 2020-01-09 | 천성민 | 판형 열교환기 조립체 및 판형 열교환기 제조 방법 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5612288A (en) * | 1979-07-03 | 1981-02-06 | Mitsubishi Electric Corp | Driver for passenger conveyor |
JPS5626686A (en) * | 1979-08-12 | 1981-03-14 | Takefu Tokushu Kozai Kk | Production for clad material |
-
1986
- 1986-06-17 JP JP61140809A patent/JP2631460B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62296979A (ja) | 1987-12-24 |
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