JP2628827B2 - 線香成形用押出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は線香成形用箱型押出装置
の改良に関するもので、押出成形途中におけるダイスの
目詰りに対して簡単に対処し得ることを目的に開発した
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から使用されている線香成形押出装
置は、実開昭62-148524号にも記載され、同様な装置を
図６に示したが、押出容器４の底面にダイス20を配置
し、油圧シリンダ12等で押し板を押して、ダイス20から
容器内の線香原料13を加圧押出して線香17に成形する構
造のものである。

【０００３】このような押出装置において、線香の押出
成形加工中に目詰りが生じた場合、油圧シリンダ12によ
って押し板５を上端まで上昇させ、容器中の練り加工後
の線香原料13を取出し、最後にダイス20又はフィルタ21
付きのダイス20を取出して、ダイスの目詰り部分を掃除
して、再び押出容器22の底面にダイス20やフィルタ21を
配置するなど線香の押出成形作業をやり直していた。

【０００４】この場合作業が大変なので、目詰り部分の
不良品を出しながら、押出作業を続行し、押出作業終了
後、ダイスを取出し、目詰り部分を掃除した後に、次の
作業から良品の成形を行なうという方法を採る場合が多
かった。このようなダイスの目詰り部分の不良品を出し
ながら押出し作業を続行し、掃除した後に、次の作業か
ら良品の成形を行なうといったことは、特開平2-121916
号,特開昭63-150219号,実願昭56-74300号(実開昭57-185
725号)にみられる装置で線香の製造を行なっても同様で
ある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】これら上記従来の方法
では、線香原料にロスが生じ、製品の歩留まりの悪いも
のであったし、作業が煩雑で手間の係るものであり、手
作業に頼らなければならないため、製造の完全自動化が
困難で作業効率を著しく低下させていた。

【０００６】本発明は、従来の装置におけるダイスの目
詰りによる余分な作業を排除すると共に、線香製造の自
動化の一翼を担うためになされたもので、ダイスに目詰
りが発生しても練り加工後の線香原料を取出すことな
く、ダイスの掃除を可能にし、再び押出作業が続行でき
るようにすることにつき検討を加えたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明では、上記の課題
を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、押
出容器４の底面にダイス２を配置し、押し板５でプレス
して押出容器４内の線香原料13を垂直方向に押出成形す
る装置に対して、該押出容器４の側面にダイス２の挿入
・取出口16を設け、ダイス２を前記挿入・取出口16から
挿入 ・ 取出し可能レベルに押出容器底面へ配置し、該前
記ダイスを挿入・取出しする送り杆14を前記挿入・取出
口16から押出容器４内外へ進出又は後退するように設け
たことを特徴とする線香成形用押出装置としたのであ
る。

【０００８】

【作用】本発明の線香成形用押出装置は、ダイス２に目
詰りが発生しても、練り加工後の線香原料13を取出すこ
となく、ダイスを押出容器４の側面に設けられたダイス
２の挿入・取出口16から抜き出して、これを掃除後、再
び横からダイスを挿入することによって、目詰りを解消
して押出作業が続行できるという作用がある。

【０００９】

【実施例】以下、図面に基づき本発明の実施例を詳細に
説明する。図１は本発明の線香成形用押出装置の要部破
断正面図である。本装置は、中央に製品通過穴のある支
持台１上に押出容器４が設けられ、その底面にダイス２
を配置している。ダイス２の上面には図５に詳細がみら
れるフィルタ３がある。支持台１上には四方の支柱６に
よって支持されたシリンダ取付板11上にシリンダ１２が
設けられ、そのロッド下端部に押し板５が設けられてい
る。押出容器４の下部側面にダイス２の挿入・取出口１
６、及びその反対側へ送り杆挿入口15を設けている。い
ずれも通常は閉鎖しておくための蓋７を側面に有してい
る。蓋７は支柱６に固定された支持鞘10中を進退可能な
ロッド先端に設けられている。そこで、このロッド上端
のノブを引くことによって蓋７を開けることができる。
蓋７はシリンダで進退させてもよい。

【００１０】図２〜４は、ダイスに目詰りが発生した際
に、ダイス及びフィルタを押出容器の側面から抜き出
し、掃除後、再び挿入する過程を示す要部破断側面図で
ある。これらの図に明らかなように、ダイス又はフィル
タに目詰りが発生した場合、まず、図２にみられるよう
に両側の蓋７,７を開け、次いで左方にみられる送り装
置８によって送り杆14の先端を送り杆入口15から押出容
器４内へ挿入する。送り装置８は支持台１上に固定式で
設けてもよいし、使用の都度支持台１上へ設置する着脱
式でもよいが、この例では前者である。送り装置８はモ
ータ駆動によるラック・ピニオンによって送り杆14が進
出又は後退するようになっている。

【００１１】次に、図３にみられるように送り装置８の
送り杆14が進出(右方へ移動)して、押出容器４の側面に
設けられた挿入・取出口16からダイス２を押してフィル
タ３ごと外部へ出す。そして、目詰りを掃除するのであ
る。このとき、線香原料13はその粘性と押し板５の密封
性とによって押出容器４内へそのまま存在し、落下する
こともない。

【００１２】目詰りの掃除を終えると、押出容器４内へ
ダイス２及びフィルタ３を引き込むこととなるが、その
場合には送り杆14がダイス２を引っ張る必要がある。そ
のために、送り杆14の先端部へ、図５にみられるよう
に、連結穴14aが設けられており、また、ダイス２にも
連結穴2aが設けられている。これら連結穴2a,14a間にま
たがって挿入連結可能なコ字状連結片９が用いられる。
このコ字状連結片９によって送り杆14とダイス２とを連
結して送り杆14を送り装置８で後退(左方へ移動)させる
と、押出容器４内へダイス２及びフィルタ３を引き込む
こととなる。

【００１３】押出容器４内へのダイス２及びフィルタ３
の引き込みは、コ字状連結片９を取除く必要性から、図
４にみられるように、線香の押出し時の正規の位置より
も連結部が送り装置側へ少し突出する程度に引き込む。
この状態でコ字状連結片９を取除き、正規の押出し時の
位置へ送り杆14で戻す。この簡単な作業によって線香の
押出成形作業が再開できる。

【００１４】

【発明の効果】以上の構成及び作用により、押出容器内
の線香原料をわざわざ取り出して再仕込みを行なうこと
なく、ダイス又はフィルタの掃除のみを行なって押出作
業が続行可能となり、押出成形作業の能率は向上し、不
良品の発生が減少するという効果が得られる。

【００１５】ダイス単独又はダイス一体型ケースの取外
しが容易であるということから、煩わしさが少ないの
で、こまめに掃除でき、不良品の発生が未然に防止でき
る。また、手作業でする仕事が少なくなり、一段と線香
製造の自動化に貢献することになり、作業性が向上す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の線香成形用押出装置の要部破断正面図
である。

【図２】送り杆を押出容器内へ挿入した時の要部破断正
面図である。

【図３】ダイス取出し時の同要部破断正面図である。

【図４】ダイス引込み時の同要部破断正面図である。

【図５】送り杆とダイスとの連結部分の斜視図である。

【図６】従来の線香押出成形装置の一部破断正面図であ
る。

【符号の説明】 １ 支持台 ２ ダイス ３ フィルタ ４ 押出容器 ５ 押し板 ６ 支柱 ７ 蓋 ８ 送り装置 ９ コ字状連結片 10 支持鞘 12 シリンダ 13 線香原料 14 送り杆 15 送り杆挿入口 16 ダイス挿入・取出口 17 線香

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 押出容器４の底面にダイス２を配置し、
   押し板５でプレスして押出容器４内の線香原料13を垂直
   方向に押出成形する装置に対して、該押出容器４の側面
   にダイス２の挿入・取出口16を設け、ダイス２を前記挿
   入・取出口16から挿入 ・ 取出し可能レベルに押出容器底
   面へ配置し、該前記ダイスを挿入・取出しする送り杆14
   を前記挿入・取出口16から押出容器４内外へ進出又は後
   退するように設けたことを特徴とする線香成形用押出装
   置。